631:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)12:34:03 :3Eg
※1週後に話が移ります。
ゴーヤが強化したいと思ってるのは?
1 扶桑のラーメンについての情報
2 スープ
3 具
4 味変
3票先取
※1週後に話が移ります。
ゴーヤが強化したいと思ってるのは?
1 扶桑のラーメンについての情報
2 スープ
3 具
4 味変
3票先取
632:【64】:2018/10/05(金)12:37:05 :SvB
2で
633:【45】:2018/10/05(金)12:49:58 :vwh
2
634:【56】:2018/10/05(金)12:56:30 :xLw
2
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636:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)19:36:55 :3Eg
#
「どうでちか?」
目の前のあきつ丸が麺を啜ってうーんと唸ってるでち。
「70点、でありますな。鶏の旨みは出ているし、チャーシューは香ばしく柔らかいであります。ただ、どうにも何か足りないであります」
「……羽黒ちゃんは?」
「あのっ、美味しいと思います!普通のお店で出てくるのと、そんな変わらないぐらいで……あっ、あのっ、普通って言ってごめんなさいっ!!」
ゴーヤが渋い顔をしてるのに気付いて、羽黒が謝ってきたでち。
「いいんでち。ゴーヤも分かってるでち。そこそこ美味しいのは作れるようになったでち。……でも、何かがないでち。はっちゃん、意見あるでち?」
「うーん、はっちゃんもよく分からないけど……飽きるというか、引きが弱いっていうか?そんな感じがするなあ」
「飽きる……うーん、そこでちねえ」
食べてる間に飽きやすい。それは鶏白湯の弱点でち。だから味変を上手くやらないといかんでち。
あるいは、スープに何かが足りないかもしれないでち。鶏白湯とサブの牛骨スープはいいでち。とすると、味に深みを与える魚介スープ?
今はオーソドックスな魚介スープを使ってるでち。改良するとすれば、ここでちか?
「やっぱりどうもスープに難がある気がするでち。特に魚介……どうでち?」
「そこはありますな。もうひと味、後を引くような……」
※コンマ下!randomが85以上であきつ丸に意見あり
#
「どうでちか?」
目の前のあきつ丸が麺を啜ってうーんと唸ってるでち。
「70点、でありますな。鶏の旨みは出ているし、チャーシューは香ばしく柔らかいであります。ただ、どうにも何か足りないであります」
「……羽黒ちゃんは?」
「あのっ、美味しいと思います!普通のお店で出てくるのと、そんな変わらないぐらいで……あっ、あのっ、普通って言ってごめんなさいっ!!」
ゴーヤが渋い顔をしてるのに気付いて、羽黒が謝ってきたでち。
「いいんでち。ゴーヤも分かってるでち。そこそこ美味しいのは作れるようになったでち。……でも、何かがないでち。はっちゃん、意見あるでち?」
「うーん、はっちゃんもよく分からないけど……飽きるというか、引きが弱いっていうか?そんな感じがするなあ」
「飽きる……うーん、そこでちねえ」
食べてる間に飽きやすい。それは鶏白湯の弱点でち。だから味変を上手くやらないといかんでち。
あるいは、スープに何かが足りないかもしれないでち。鶏白湯とサブの牛骨スープはいいでち。とすると、味に深みを与える魚介スープ?
今はオーソドックスな魚介スープを使ってるでち。改良するとすれば、ここでちか?
「やっぱりどうもスープに難がある気がするでち。特に魚介……どうでち?」
「そこはありますな。もうひと味、後を引くような……」
※コンマ下!randomが85以上であきつ丸に意見あり
637:【6】:2018/10/05(金)19:42:19 :ZF8
あ
639:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)19:47:12 :3Eg
「ただどうすればいいのかは自分にもさっぱり。羽黒はどうでありますか?」
「……えっ、あのっ、よく分からない、です……」
あきつ丸がふんと鼻を鳴らしたでち。
「まあそうでありましょうな……」
※コンマ下!randomが95以上で羽黒に心当たりあり
コンマ下2が90以上ではっちゃんに心当たりあり
「ただどうすればいいのかは自分にもさっぱり。羽黒はどうでありますか?」
「……えっ、あのっ、よく分からない、です……」
あきつ丸がふんと鼻を鳴らしたでち。
「まあそうでありましょうな……」
※コンマ下!randomが95以上で羽黒に心当たりあり
コンマ下2が90以上ではっちゃんに心当たりあり
640:【34】:2018/10/05(金)19:47:40 :W8y
まかして
641:【42】:2018/10/05(金)19:48:12 :Km7
やあっ
643:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)19:51:31 :3Eg
皆黙ってしまったでち。……これは援軍が必要でちね。
でも誰を呼ぶでちかね……
※磯風以外で艦娘を選んでください。コンマ下1〜3で!randomが大きいものを選びます。飯ウマっぽい子がベターです。
なお、90以上で強制的に磯風がセットです。
皆黙ってしまったでち。……これは援軍が必要でちね。
でも誰を呼ぶでちかね……
※磯風以外で艦娘を選んでください。コンマ下1〜3で!randomが大きいものを選びます。飯ウマっぽい子がベターです。
なお、90以上で強制的に磯風がセットです。
644:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)19:53:54 :3Eg
なお、間宮は審査員枠のため不可です。
645:【80】:2018/10/05(金)19:54:27 :Km7
嵐
646:【27】:2018/10/05(金)19:55:33 :vwh
大和
647:【54】:2018/10/05(金)19:55:49 :M6S
対馬
650:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)20:50:21 :3Eg
嵐で決めます。が、彼女は料理ダメなような……?
追加判定します。コンマ下!randomです。
00〜30 特になし
31〜95 萩風もセット
96〜100 中毒患者
嵐で決めます。が、彼女は料理ダメなような……?
追加判定します。コンマ下!randomです。
00〜30 特になし
31〜95 萩風もセット
96〜100 中毒患者
651:【86】:2018/10/05(金)20:51:14 :2PL
はい
653:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)21:28:58 :3Eg
#
「ゴーヤさん、こんにちは。私でお役に立てるなら」
萩風が丁寧にお辞儀したでち。……招かれざる客もいるでちね。
「や!嵐だぜっ!うまいラーメンが食えるって聞いたから、萩についてきたんだー」
「萩風、よろしくでち。嵐は別に呼んでないけど、まあいいでち。大体セットだし」
「ごめんなさい、ゴーヤさん。どうしても行くって聞かなくって……もう準備はできてるんですね」
「でち。テーブルの上に丼が置いてあるでち。軽く食べてみるでち」
萩風がレンゲをすくって匂いを嗅いでるでち。中学生だけど、さすが料亭の娘でちね。様になってるでち。
「ひゃー、うんめー!!ゴーヤさん、うまいっす!……ずずっ」
嵐は一心不乱に食べてるでち。まあ、そんなもんでちね。問題は萩風の感想でち。
丁寧に麺を啜って、スープを飲んでるでち。……時々手が止まってるでち。
そして、半分ぐらい食べたところで箸を置いたでち。
「どうでち?足りないのは分かってるでち。遠慮しなくていいでち」
「美味しいと思います。スープもコラーゲンたっぷりで、化学調味料もなくて、健康にも悪くなさそうです。
ただ、確かに扶桑さんと鳳翔さんにこれで勝つのは……」
「それはいいでち。何か気付いたこと、あるでちか?」
00〜05 ???
06〜15 うーん
16〜50 タレ、どうしてます?
51〜95 魚介スープ、使ってますよね?
96〜100 麻薬が足りません
コンマ下、!random
#
「ゴーヤさん、こんにちは。私でお役に立てるなら」
萩風が丁寧にお辞儀したでち。……招かれざる客もいるでちね。
「や!嵐だぜっ!うまいラーメンが食えるって聞いたから、萩についてきたんだー」
「萩風、よろしくでち。嵐は別に呼んでないけど、まあいいでち。大体セットだし」
「ごめんなさい、ゴーヤさん。どうしても行くって聞かなくって……もう準備はできてるんですね」
「でち。テーブルの上に丼が置いてあるでち。軽く食べてみるでち」
萩風がレンゲをすくって匂いを嗅いでるでち。中学生だけど、さすが料亭の娘でちね。様になってるでち。
「ひゃー、うんめー!!ゴーヤさん、うまいっす!……ずずっ」
嵐は一心不乱に食べてるでち。まあ、そんなもんでちね。問題は萩風の感想でち。
丁寧に麺を啜って、スープを飲んでるでち。……時々手が止まってるでち。
そして、半分ぐらい食べたところで箸を置いたでち。
「どうでち?足りないのは分かってるでち。遠慮しなくていいでち」
「美味しいと思います。スープもコラーゲンたっぷりで、化学調味料もなくて、健康にも悪くなさそうです。
ただ、確かに扶桑さんと鳳翔さんにこれで勝つのは……」
「それはいいでち。何か気付いたこと、あるでちか?」
00〜05 ???
06〜15 うーん
16〜50 タレ、どうしてます?
51〜95 魚介スープ、使ってますよね?
96〜100 麻薬が足りません
コンマ下、!random
654:【88】:2018/10/05(金)21:29:29 :XdQ
あ
656:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)21:39:09 :3Eg
「スープは鶏白湯に牛骨、それに魚介スープを少々といったところですね。ただ、隠し味的な魚介スープがちょっと普通かなって」
「さすがでちね。ゴーヤも同じ結論でち。ただ、どこを変えればいいのかが分からないでち」
「使ってる出汁はどんな感じですか?」
「普通の和風出汁でち。少し濃いめの鰹と昆布出汁……」
ふむ、と萩風が考えているでち。
「それじゃ鶏白湯の強い味に負けますね。だから隠し味が隠し味として機能してないのかも。もっと強いスープが必要ですが……」
※コンマ下、!random
00〜70 お手本になりそうな店が秋葉原に
71〜90 お手本になりそうな店が秋葉原「ちょっと待った!」
91〜100 ???
「スープは鶏白湯に牛骨、それに魚介スープを少々といったところですね。ただ、隠し味的な魚介スープがちょっと普通かなって」
「さすがでちね。ゴーヤも同じ結論でち。ただ、どこを変えればいいのかが分からないでち」
「使ってる出汁はどんな感じですか?」
「普通の和風出汁でち。少し濃いめの鰹と昆布出汁……」
ふむ、と萩風が考えているでち。
「それじゃ鶏白湯の強い味に負けますね。だから隠し味が隠し味として機能してないのかも。もっと強いスープが必要ですが……」
※コンマ下、!random
00〜70 お手本になりそうな店が秋葉原に
71〜90 お手本になりそうな店が秋葉原「ちょっと待った!」
91〜100 ???
657:【81】:2018/10/05(金)21:39:44 :Q97
ほい
658:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)21:47:26 :3Eg
「それならお手本になりそうな店が秋葉原に……」
「ちょっと待った!」
嵐が叫んだでち。
「嵐、どうしたの?」
00〜35 のわっちや舞も連れていこうぜ
36〜70 秋葉原に行きたいって奴がいるんだ(安価指定)
71〜100 そうだ、こいつには……あれが足りねえ……!!!
「それならお手本になりそうな店が秋葉原に……」
「ちょっと待った!」
嵐が叫んだでち。
「嵐、どうしたの?」
00〜35 のわっちや舞も連れていこうぜ
36〜70 秋葉原に行きたいって奴がいるんだ(安価指定)
71〜100 そうだ、こいつには……あれが足りねえ……!!!
660:【82】:2018/10/05(金)21:48:22 :XdQ
か
661:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)21:56:39 :3Eg
嵐がわなわなと震えてるでち。
「どうしたんでちか?」
「そうだ、こいつには……あれが足りねえっ……!『引き』だ、食べた後もう一杯食べたくなるような『引き』だよっ!」
あきつ丸が呆れたように嵐を見るでち。
「何を言ってるかよく分からんでありますな。萩風の店でいいのでは?」
「いや、萩の言う店でもいいと思うんだけどさー。前に1回、四ッ谷で食べたラーメンのような、あれが足りねえんだ。あの『悪魔』のような……」
「『悪魔』?」
※コンマ下、!randomが50以上で磯風登場
嵐がわなわなと震えてるでち。
「どうしたんでちか?」
「そうだ、こいつには……あれが足りねえっ……!『引き』だ、食べた後もう一杯食べたくなるような『引き』だよっ!」
あきつ丸が呆れたように嵐を見るでち。
「何を言ってるかよく分からんでありますな。萩風の店でいいのでは?」
「いや、萩の言う店でもいいと思うんだけどさー。前に1回、四ッ谷で食べたラーメンのような、あれが足りねえんだ。あの『悪魔』のような……」
「『悪魔』?」
※コンマ下、!randomが50以上で磯風登場
662:【83】:2018/10/05(金)21:56:49 :Q97
はい
663:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)22:15:41 :3Eg
バンッ!!!!!
「話はこの磯風が聞かせてもらったぞ」
派手に扉を開け、いきなり執務室に長髪の女がどや顔で現れたでち。……一番こういう話題で来てはいけない人物でち。
「いや、だから呼んでないでち。一番要らないでち。飯マズは引っ込んでろでち」
「ゴーヤちゃん!?あのっ、磯風さん、ごめんなさい!」
磯風は余裕の笑みを浮かべているでち。
「羽黒、詫びは不要だ。何故ならこの磯風が、鎮守府で最もラーメンを知っているからだ。何を言われても動じぬぞ」
「なーに勘違いしてるでありますか。味覚どころか頭までおかしくなったでありますか」
「ふふふ、まだお前は本当のラーメンを知らぬからそう言えるのだ。嵐、さすがだな。あの店の良さを分かってくれたか」
あきつ丸の挑発にも一切動じず、磯風が泰然と微笑んでるでち。何でちかこの自信は??
「磯風!いや、師匠!ちょうど『あれ』が切れてきたんだ。もう一度連れていってくれよ!!」
嵐は目を輝かせてるでち。磯風はよしよしと嵐の頭を撫でているでち。
「そう言うと思って明日の整理券を取ってきたぞ。……お前らも来るか?」
「整理券??何でちか。何を食うんでちか」
フフン、と磯風がさらにどや顔になったでち。
「『ヒロポン』だよ」
バンッ!!!!!
「話はこの磯風が聞かせてもらったぞ」
派手に扉を開け、いきなり執務室に長髪の女がどや顔で現れたでち。……一番こういう話題で来てはいけない人物でち。
「いや、だから呼んでないでち。一番要らないでち。飯マズは引っ込んでろでち」
「ゴーヤちゃん!?あのっ、磯風さん、ごめんなさい!」
磯風は余裕の笑みを浮かべているでち。
「羽黒、詫びは不要だ。何故ならこの磯風が、鎮守府で最もラーメンを知っているからだ。何を言われても動じぬぞ」
「なーに勘違いしてるでありますか。味覚どころか頭までおかしくなったでありますか」
「ふふふ、まだお前は本当のラーメンを知らぬからそう言えるのだ。嵐、さすがだな。あの店の良さを分かってくれたか」
あきつ丸の挑発にも一切動じず、磯風が泰然と微笑んでるでち。何でちかこの自信は??
「磯風!いや、師匠!ちょうど『あれ』が切れてきたんだ。もう一度連れていってくれよ!!」
嵐は目を輝かせてるでち。磯風はよしよしと嵐の頭を撫でているでち。
「そう言うと思って明日の整理券を取ってきたぞ。……お前らも来るか?」
「整理券??何でちか。何を食うんでちか」
フフン、と磯風がさらにどや顔になったでち。
「『ヒロポン』だよ」
664:◆Try7rHwMFw:2018/10/05(金)22:18:28 :3Eg
第8話 一条流がんこラーメン総本家
第8話 一条流がんこラーメン総本家
667:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)11:59:30 :gEM
「……ついにイカれたでち。小池先生を連れてくるでち」
「ちょっと待ってくれ!磯風師匠が言ってるのは、ちゃんとしたラーメンなんだ。ですよね??」
「その通りだ。そういう名前なのだ。あまりに悪魔的、あまりに麻薬的。それが故に名付けられた、それが『ヒロポン』だ」
磯風が胸を反って言い放ったでち。
「それは本当に合法でありますか。磯風のことであります、何かヤバいものでも入ってるんでありましょう?」
「ちょっと待ってあきつ丸さん。この店のことじゃない??……ほら、実在する」
はっちゃんがスマホの画面を見せたでち。「一条流がんこラーメン総本家」……店主のブログもちゃんとあるでち。
「えっと、本当にあるんですね……。『明日は純正ヒロポンの日』ってありますよ」
「しかしえらい癖のある文でちね。◆とか%とか変な場所にあるでち。
『腹が減ったらまた食べたい!その引きを体感してください%だからヒロポンなのです!』……分かるような、分からないような」
「えっと、毎日スープに点数つけてるんですね。85点とか、90点とか……。
しかも、あの……使ってる具材が毎日違うんですね。……ええっ!?フジツボ??亀の手??そんなのも使うんですか??」
磯風がうんうんと頷いてるでち。何かイラっとくるでち。
「そう、そこが家元の凄い所だ。味が分かればその凄まじさに震え、もはや家元のラーメンでなければ満足できなくなるのだ。
しかも毎日味が違う。マズい日もある。だが、それこそが総本家なのだ」
「……ついにイカれたでち。小池先生を連れてくるでち」
「ちょっと待ってくれ!磯風師匠が言ってるのは、ちゃんとしたラーメンなんだ。ですよね??」
「その通りだ。そういう名前なのだ。あまりに悪魔的、あまりに麻薬的。それが故に名付けられた、それが『ヒロポン』だ」
磯風が胸を反って言い放ったでち。
「それは本当に合法でありますか。磯風のことであります、何かヤバいものでも入ってるんでありましょう?」
「ちょっと待ってあきつ丸さん。この店のことじゃない??……ほら、実在する」
はっちゃんがスマホの画面を見せたでち。「一条流がんこラーメン総本家」……店主のブログもちゃんとあるでち。
「えっと、本当にあるんですね……。『明日は純正ヒロポンの日』ってありますよ」
「しかしえらい癖のある文でちね。◆とか%とか変な場所にあるでち。
『腹が減ったらまた食べたい!その引きを体感してください%だからヒロポンなのです!』……分かるような、分からないような」
「えっと、毎日スープに点数つけてるんですね。85点とか、90点とか……。
しかも、あの……使ってる具材が毎日違うんですね。……ええっ!?フジツボ??亀の手??そんなのも使うんですか??」
磯風がうんうんと頷いてるでち。何かイラっとくるでち。
「そう、そこが家元の凄い所だ。味が分かればその凄まじさに震え、もはや家元のラーメンでなければ満足できなくなるのだ。
しかも毎日味が違う。マズい日もある。だが、それこそが総本家なのだ」
669:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)14:55:12 :yu3
「しかし、よく分からんでちね……上品とか下品とか。100ってのもあるし、そもそも悪魔ってそういう名前なんでちか」
「その通りだ。さらに不純と純正、そしてスペシャルがある。詳しくは、明日話そうか」
「……って何でもうゴーヤも行くって話なんでち?萩風はそれでいいんでちか?」
萩風が人差し指を口に当てて「うーん」と言ったでち。
「私もちょっと興味が湧いてきました。嵐がそこまで気に入ったラーメン、気になります」
「だろ??ほんっとやみつきになるんだよ。師匠には感謝しかねえぜ」
何か妙なことになったでち。……こんな変な店に行って、ヒントが見付かるなんて思えないでち。
ただ、ネットの評価はどれもやたら高いでち。……溺れる者は藁をも掴む、というでち。磯風の料理は壊滅的だけど、ここは一つ賭けてみるでち。
「しかし、よく分からんでちね……上品とか下品とか。100ってのもあるし、そもそも悪魔ってそういう名前なんでちか」
「その通りだ。さらに不純と純正、そしてスペシャルがある。詳しくは、明日話そうか」
「……って何でもうゴーヤも行くって話なんでち?萩風はそれでいいんでちか?」
萩風が人差し指を口に当てて「うーん」と言ったでち。
「私もちょっと興味が湧いてきました。嵐がそこまで気に入ったラーメン、気になります」
「だろ??ほんっとやみつきになるんだよ。師匠には感謝しかねえぜ」
何か妙なことになったでち。……こんな変な店に行って、ヒントが見付かるなんて思えないでち。
ただ、ネットの評価はどれもやたら高いでち。……溺れる者は藁をも掴む、というでち。磯風の料理は壊滅的だけど、ここは一つ賭けてみるでち。
670:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)15:18:38 :yu3
「……すごい行列ですね……はっちゃん、ビックリです」
1100に磯風に連れられて行った先には、物凄い行列があったでち。マンションの1階の入り口に、30人以上。
もう店は開いてるみたいだけど、今までで一番の行列でち。
「この奥にあるみたいですな。……看板はないでありますか」
「あの牛の頭の骨が看板代わりだ。見ろ、目が赤く光っているだろう?……おお、家元!!」
店の中から頭の禿げたお爺さんがひょこっと出てきたでち。手には……丼に箸??そして、おもむろに食べ始めたでち!!
「うん、旨い!!今日のヒロポンは95点!!滅多に食えないね、そこのあんたもどうだい……って磯ちゃん!よく来たね。1週ぶりかい」
箸を持ちながらこっちに手を振ってるでち。まさかあれが店主?開業中に客の前でラーメン食べてるなんて店主、見たことも聞いたこともないでち……。
「家元、今日はもっと連れてきたぞ。家元の一杯、是非食わせてやりたくてな」
「そうかそうか、磯ちゃんも悪い子だねえ。そこまで悪の道に引きずり込みたいか。
……そこのきれいなお姉さんたち、最初はマズいと思うかもしれないが、食べていくうちに良さが分かってくるよ。そしてこいつじゃなきゃダメになるんだ。磯ちゃんみたいに」
磯風がにぃ……と笑った。
「この前連れてきた嵐はそうなったぞ。家元、今回も期待してくれ。そうそう、後で渡すものがあるからよろしく頼む」
「そのスーツケースの中身かい?そりゃあ楽しみだ。じゃあ、後でな」
確かに、磯風は小さめのスーツケースを持ってきてたでち。
「あのっ、磯風ちゃん。それは……」
「内緒だ。絶対に言えない。大丈夫、薬物とかじゃあない」
絶対に大丈夫じゃないものでち。禍々しい何かがあの中にあるでち……。
「……すごい行列ですね……はっちゃん、ビックリです」
1100に磯風に連れられて行った先には、物凄い行列があったでち。マンションの1階の入り口に、30人以上。
もう店は開いてるみたいだけど、今までで一番の行列でち。
「この奥にあるみたいですな。……看板はないでありますか」
「あの牛の頭の骨が看板代わりだ。見ろ、目が赤く光っているだろう?……おお、家元!!」
店の中から頭の禿げたお爺さんがひょこっと出てきたでち。手には……丼に箸??そして、おもむろに食べ始めたでち!!
「うん、旨い!!今日のヒロポンは95点!!滅多に食えないね、そこのあんたもどうだい……って磯ちゃん!よく来たね。1週ぶりかい」
箸を持ちながらこっちに手を振ってるでち。まさかあれが店主?開業中に客の前でラーメン食べてるなんて店主、見たことも聞いたこともないでち……。
「家元、今日はもっと連れてきたぞ。家元の一杯、是非食わせてやりたくてな」
「そうかそうか、磯ちゃんも悪い子だねえ。そこまで悪の道に引きずり込みたいか。
……そこのきれいなお姉さんたち、最初はマズいと思うかもしれないが、食べていくうちに良さが分かってくるよ。そしてこいつじゃなきゃダメになるんだ。磯ちゃんみたいに」
磯風がにぃ……と笑った。
「この前連れてきた嵐はそうなったぞ。家元、今回も期待してくれ。そうそう、後で渡すものがあるからよろしく頼む」
「そのスーツケースの中身かい?そりゃあ楽しみだ。じゃあ、後でな」
確かに、磯風は小さめのスーツケースを持ってきてたでち。
「あのっ、磯風ちゃん。それは……」
「内緒だ。絶対に言えない。大丈夫、薬物とかじゃあない」
絶対に大丈夫じゃないものでち。禍々しい何かがあの中にあるでち……。
671:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)15:56:35 :yu3
「それにしても、すごい人ですね。……それに見た感じ、プロもいますね」
「さすが萩風、分かるか。そう、ここは全国のラーメン職人や料理人も虜になる、まさに『伝説の店』だ。ラーメン界で信者が多い店の極致でもある」
「信者というと二郎を思い出すでちね。それに近いでちか?」
ふふんと磯風が鼻で笑ったでち。
「あんな豚のエサと一緒にしてくれては困るな。
確かに似たところはある。二郎は三田本店の社長を頂点に暖簾分けがされて広がった。がんこも同様に、弟子がやってる店が幾つもある。がんこを名乗るものもあれば名乗らぬものもあるがな。
だが決定的な違いは、がんこは徹底して無化調、天然ダシにこだわっているという点だ。そこには一点のごまかしもない。しかも、スープに対する限界までのこだわりは類を見ん。
二郎や家系は系列なら多少なりとも味は似る。だが、がんこは違う。スープの熱さと塩っ辛さ、鹹水の効いた固いちぢれ麺は共通するが、それ以外は全く別物だ。
特に家元の総本家は別格とすら言っていい。神保町の『覆麺 智』は、家元が前までいただけあって比較的近いが、やはり純正ヒロポンには及ばん」
「……随分と詳しいでありますな。グルメとは180度の場所にいる磯風が、何故そこまで知ってるでありますか」
「この磯風、幼少の時より家元のラーメンで育ってきたのでな。その味は身に染み付いているのだ。
しかし、家元の味を再現しようとすればするほど、珍妙なものしか作れんのは歯痒くて仕方がない。いつかは家元の味をと思っているのだがな……」
磯風が肩を落としたでち。しかし、再現できないのはやっぱりセンスがまるでないからじゃないでちかねえ。
「それにしても、すごい人ですね。……それに見た感じ、プロもいますね」
「さすが萩風、分かるか。そう、ここは全国のラーメン職人や料理人も虜になる、まさに『伝説の店』だ。ラーメン界で信者が多い店の極致でもある」
「信者というと二郎を思い出すでちね。それに近いでちか?」
ふふんと磯風が鼻で笑ったでち。
「あんな豚のエサと一緒にしてくれては困るな。
確かに似たところはある。二郎は三田本店の社長を頂点に暖簾分けがされて広がった。がんこも同様に、弟子がやってる店が幾つもある。がんこを名乗るものもあれば名乗らぬものもあるがな。
だが決定的な違いは、がんこは徹底して無化調、天然ダシにこだわっているという点だ。そこには一点のごまかしもない。しかも、スープに対する限界までのこだわりは類を見ん。
二郎や家系は系列なら多少なりとも味は似る。だが、がんこは違う。スープの熱さと塩っ辛さ、鹹水の効いた固いちぢれ麺は共通するが、それ以外は全く別物だ。
特に家元の総本家は別格とすら言っていい。神保町の『覆麺 智』は、家元が前までいただけあって比較的近いが、やはり純正ヒロポンには及ばん」
「……随分と詳しいでありますな。グルメとは180度の場所にいる磯風が、何故そこまで知ってるでありますか」
「この磯風、幼少の時より家元のラーメンで育ってきたのでな。その味は身に染み付いているのだ。
しかし、家元の味を再現しようとすればするほど、珍妙なものしか作れんのは歯痒くて仕方がない。いつかは家元の味をと思っているのだがな……」
磯風が肩を落としたでち。しかし、再現できないのはやっぱりセンスがまるでないからじゃないでちかねえ。
672:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)16:20:48 :yu3
「なー、師匠。そもそも純正とか不純とかって何なんだ?この前も純正だったよな」
嵐が頭の後ろで手を組んで訊いたでち。まだまだ行列は長いでちね……。
「いい質問だぞ、嵐。まずそのためには『スペシャル』の存在を言わねばならんな」
「スペシャル?」
「そうだ。毎週日曜に出される、高級食材を惜しみ無く使った特別なラーメン。それがスペシャルだ。
ズワイガニ12kgを潰したり、亀の手やクモエビをどっさり使ったりした超特濃の魚介ラーメン。値段も普段の800円ではなく、1200円とかになるな」
「それと今日のとは違うんでちか?」
「話は最後まで聞くものだ。で、そのスペシャルの余りを通常のスープにブレンドしたのが『不純』。純粋じゃないから不純だな。
そして、ノーマルなスープが『純正』だ。ただ、純正の日は不純に使うより素材をどっさり入れるから、やっぱり超特濃になる。
家元は『純正ヒロポンこそ本当のスペシャル』と言ってるな。これがまた麻薬的に旨い。だからヒロポンなのだ。
今日は本来スペシャルの日なんだが、家元が『純正ヒロポンに目覚めた』とか言い出してな。で、その極まったのを出すそうだ」
「なるほど、よく分からないけどこだわってるのははっちゃん分かったよ。で、100とか上品とかは?」
「タレの量、そしてスープの種類だな。上品はさらっと食べられる程度にスープを調整してあるものだ。で、100はタレなしの純正ヒロポンだ」
あきつ丸が渋い顔をしたでち。
「タレなしでありますか?タレのないラーメンなんて、味がしないであります」
「ところが違う。まあ、食えば分かるが100でも凄まじい濃さだ。下品は100にカエシを入れたもの。そして、その上に『悪魔』がある。ヒロポンでも通じるがな」
「……その上ということは……」
「そう、悪魔は超絶特濃の純正ヒロポン。あまりの濃さに、常人は一口で諦める。それほどの濃さだ。家元も『週1〜3回来れないなら、悪魔は絶対にやめろ』と言うな。
普通の人は10段階評価で2か3しか付けないと思うが、しかし食べ続けるうちにそれ以外を受け付けなくなるのだ。……この磯風のようにな」
また磯風がにぃっ……っと怪しく笑ったでち。
「なー、師匠。そもそも純正とか不純とかって何なんだ?この前も純正だったよな」
嵐が頭の後ろで手を組んで訊いたでち。まだまだ行列は長いでちね……。
「いい質問だぞ、嵐。まずそのためには『スペシャル』の存在を言わねばならんな」
「スペシャル?」
「そうだ。毎週日曜に出される、高級食材を惜しみ無く使った特別なラーメン。それがスペシャルだ。
ズワイガニ12kgを潰したり、亀の手やクモエビをどっさり使ったりした超特濃の魚介ラーメン。値段も普段の800円ではなく、1200円とかになるな」
「それと今日のとは違うんでちか?」
「話は最後まで聞くものだ。で、そのスペシャルの余りを通常のスープにブレンドしたのが『不純』。純粋じゃないから不純だな。
そして、ノーマルなスープが『純正』だ。ただ、純正の日は不純に使うより素材をどっさり入れるから、やっぱり超特濃になる。
家元は『純正ヒロポンこそ本当のスペシャル』と言ってるな。これがまた麻薬的に旨い。だからヒロポンなのだ。
今日は本来スペシャルの日なんだが、家元が『純正ヒロポンに目覚めた』とか言い出してな。で、その極まったのを出すそうだ」
「なるほど、よく分からないけどこだわってるのははっちゃん分かったよ。で、100とか上品とかは?」
「タレの量、そしてスープの種類だな。上品はさらっと食べられる程度にスープを調整してあるものだ。で、100はタレなしの純正ヒロポンだ」
あきつ丸が渋い顔をしたでち。
「タレなしでありますか?タレのないラーメンなんて、味がしないであります」
「ところが違う。まあ、食えば分かるが100でも凄まじい濃さだ。下品は100にカエシを入れたもの。そして、その上に『悪魔』がある。ヒロポンでも通じるがな」
「……その上ということは……」
「そう、悪魔は超絶特濃の純正ヒロポン。あまりの濃さに、常人は一口で諦める。それほどの濃さだ。家元も『週1〜3回来れないなら、悪魔は絶対にやめろ』と言うな。
普通の人は10段階評価で2か3しか付けないと思うが、しかし食べ続けるうちにそれ以外を受け付けなくなるのだ。……この磯風のようにな」
また磯風がにぃっ……っと怪しく笑ったでち。
678:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)22:11:11 :gEM
#
そうしているうちに、ようやく列の先頭が見えてきたでち。
店の中は……案外普通でちね。カウンター席だけで、結構狭いでち。ゴーヤたち全員入ってちょうどいい感じでちかね。
「本当にラーメンが好きな方のみお入りください」と張り紙にあるでち。
1時間ちょっと待って、やっと全員入れたでち。
お店はさっきのお爺さんと、その奥さんっぽい人2人で回してるでちね。
「お、磯ちゃんたちが来たね。そこの元気そうなお嬢さん以外は初めてだね」
「でち。磯風から簡単に聞いたけど、正直よく分からないでち」
「それなら上品か100だね。まずはそれで慣れてね。
で、大盛りにするかい?……艦娘ってのはたくさん食べるんだろ?うちのはちょっと多いが、右端から行こうか……」
「艦娘のことを知ってるんでちか?」
「磯ちゃんとはこの子がちっちゃい頃からの付き合いだからね。
それはともかくまず注文だ。右端の金髪さんは?」
はっちゃんは上品の普通盛りを頼んだでち。あきつ丸と萩風は100の普通盛り、羽黒は100の大盛り。そして……。
「俺は下品の大盛りだ!本物の悪魔は、まだちょっと怖えからなー」
「よしよし、下品と言えば龍角散。よく分かってるねぇ。磯ちゃんはいつものかい」
「勿論だ、大悪魔で。今日が純正の中の純正である以上はこれしかあるまい?」
くっくっくとお爺さんが笑ったでち。
「うちの常連でも大悪魔でないとダメなのは数人だねえ。まあ、磯ちゃんなら味が分かるからいいだろ。
で、そこのかわいらしいお嬢さんはどうするかい?」
#
そうしているうちに、ようやく列の先頭が見えてきたでち。
店の中は……案外普通でちね。カウンター席だけで、結構狭いでち。ゴーヤたち全員入ってちょうどいい感じでちかね。
「本当にラーメンが好きな方のみお入りください」と張り紙にあるでち。
1時間ちょっと待って、やっと全員入れたでち。
お店はさっきのお爺さんと、その奥さんっぽい人2人で回してるでちね。
「お、磯ちゃんたちが来たね。そこの元気そうなお嬢さん以外は初めてだね」
「でち。磯風から簡単に聞いたけど、正直よく分からないでち」
「それなら上品か100だね。まずはそれで慣れてね。
で、大盛りにするかい?……艦娘ってのはたくさん食べるんだろ?うちのはちょっと多いが、右端から行こうか……」
「艦娘のことを知ってるんでちか?」
「磯ちゃんとはこの子がちっちゃい頃からの付き合いだからね。
それはともかくまず注文だ。右端の金髪さんは?」
はっちゃんは上品の普通盛りを頼んだでち。あきつ丸と萩風は100の普通盛り、羽黒は100の大盛り。そして……。
「俺は下品の大盛りだ!本物の悪魔は、まだちょっと怖えからなー」
「よしよし、下品と言えば龍角散。よく分かってるねぇ。磯ちゃんはいつものかい」
「勿論だ、大悪魔で。今日が純正の中の純正である以上はこれしかあるまい?」
くっくっくとお爺さんが笑ったでち。
「うちの常連でも大悪魔でないとダメなのは数人だねえ。まあ、磯ちゃんなら味が分かるからいいだろ。
で、そこのかわいらしいお嬢さんはどうするかい?」
679:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)22:12:16 :gEM
1 上品
2 100
3 下品
4 悪魔
※安価下5多数決(量は普通盛りです)
1 上品
2 100
3 下品
4 悪魔
※安価下5多数決(量は普通盛りです)
680:【95】:2018/10/06(土)22:15:44 :TZP
4
681:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:17:26 :2rH
4
682:【11】:2018/10/06(土)22:17:33 :mwE
2
683:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:18:42 :u1v
2
684:名無しさん@おーぷん:2018/10/06(土)22:19:30 :kaP
4
688:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)22:24:20 :nDY
「……悪魔にするでち」
お爺さんと磯風が渋い顔になったでち。
「お嬢さん、興味本位で悪魔はやめときな。週1〜3回来れないようなら、ただのまずいラーメンにしか感じないから。
引き返すなら、今のうちだよ?」
「そうだ、ゴーヤ。せめて下品にしろ。嵐も同じような説得をされたんだ。
悪魔はスープまで完飲するが礼儀。それでもやるのか?」
00〜30 やるでち
31〜60 下品にするでち
61〜100 100にするでち
※コンマ下、!random
「……悪魔にするでち」
お爺さんと磯風が渋い顔になったでち。
「お嬢さん、興味本位で悪魔はやめときな。週1〜3回来れないようなら、ただのまずいラーメンにしか感じないから。
引き返すなら、今のうちだよ?」
「そうだ、ゴーヤ。せめて下品にしろ。嵐も同じような説得をされたんだ。
悪魔はスープまで完飲するが礼儀。それでもやるのか?」
00〜30 やるでち
31〜60 下品にするでち
61〜100 100にするでち
※コンマ下、!random
689:【41】:2018/10/06(土)22:24:44 :cT9
はい
690:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)22:32:25 :nDY
二人の表情は真剣そのものでち。……これは忠告に従うべきでちね。
「分かったでち、下品にするでち」
「……ファイナルアンサー??」
「……でち」
うんうんと頷いてお爺さんが調理を始めたでち。磯風が大きな溜め息をついたでち。
「さすがのこの磯風も肝を冷やしたぞ……下品ならまだいいだろう。家元も軽い気持ちで悪魔は作りたくないんだ」
「磯ちゃんいいこと言うねえ。じゃあ腕によりをかけて最高の大悪魔を作ってやろうか」
「家元よ、楽しみにしてるぞ」
お金は先払い制でち。800円、まあ普通でちね。
ところが、出てきたのは……
※悪魔は本当に興味半分で頼むものではないため、安価判定を噛ましました。ご了承を。
なお、悪魔の味についてはちゃんと言及があります。
二人の表情は真剣そのものでち。……これは忠告に従うべきでちね。
「分かったでち、下品にするでち」
「……ファイナルアンサー??」
「……でち」
うんうんと頷いてお爺さんが調理を始めたでち。磯風が大きな溜め息をついたでち。
「さすがのこの磯風も肝を冷やしたぞ……下品ならまだいいだろう。家元も軽い気持ちで悪魔は作りたくないんだ」
「磯ちゃんいいこと言うねえ。じゃあ腕によりをかけて最高の大悪魔を作ってやろうか」
「家元よ、楽しみにしてるぞ」
お金は先払い制でち。800円、まあ普通でちね。
ところが、出てきたのは……
※悪魔は本当に興味半分で頼むものではないため、安価判定を噛ましました。ご了承を。
なお、悪魔の味についてはちゃんと言及があります。
691:◆Try7rHwMFw:2018/10/06(土)22:42:11 :nDY
#
「お待ち。下品普通盛り」
これがデフォルトでちか?海苔に葱、そしてでっかくて見るからに柔らかそうなチャーシューが2枚。あと煮卵がまるっと1個分。
そしてその上に、茶色く煮込まれた豚バラ肉がどんっと鎮座してるでち。デフォルトのボリュームじゃないでち。こんなんで800円って、採算は取れるんでちか?
そしてスープ。茶色くて、家系みたいに透明度はないでち。薄く油の膜も張ってるでち。
ただ、匂いが……謎でち。凄く複雑な香りでち。
隣の磯風を見ると、一心不乱に食べてるでち。迷わず行けよ、行けば分かるさ、でちね……茶色く変色した麺を、ゴーヤも一気に啜ったでち!
00〜45 しょっぱ!!
46〜95 しょっぱ!……いけど、これって?
96〜100 その時ゴーヤに電撃走る
#
「お待ち。下品普通盛り」
これがデフォルトでちか?海苔に葱、そしてでっかくて見るからに柔らかそうなチャーシューが2枚。あと煮卵がまるっと1個分。
そしてその上に、茶色く煮込まれた豚バラ肉がどんっと鎮座してるでち。デフォルトのボリュームじゃないでち。こんなんで800円って、採算は取れるんでちか?
そしてスープ。茶色くて、家系みたいに透明度はないでち。薄く油の膜も張ってるでち。
ただ、匂いが……謎でち。凄く複雑な香りでち。
隣の磯風を見ると、一心不乱に食べてるでち。迷わず行けよ、行けば分かるさ、でちね……茶色く変色した麺を、ゴーヤも一気に啜ったでち!
00〜45 しょっぱ!!
46〜95 しょっぱ!……いけど、これって?
96〜100 その時ゴーヤに電撃走る
694:【79】:2018/10/06(土)22:45:45 :mwE
はい
701:◆Try7rHwMFw:2018/10/07(日)22:18:41 :92r
一口食べた瞬間、口の中に塩分の波が襲い掛かってきたでち。
「むぐっ……!!」
思わず絶句してしまったでち。こんなの、食べられるわけないでち。
萩風たちも微妙な顔をしているでち。磯風と嵐だけが、嬉々として麺を啜ってるでち。
「どうした?麺は固めに限るぞ?早く食え」
もむもむと上機嫌そうな顔で口を動かして、磯風が言うでち。しかし、こんなのどうやって食べきるでちか。
下品にしたのを心底後悔したでち。いや、萩風たちの反応を見ても、この店に来たこと自体後悔したでち。
……でも、このまま帰るのもお爺さんに悪いでち。とりあえず、スープも少し飲むでち……やっぱりしょっぱいでち。
何で磯風はこんなのをありがたがるんでち?やっぱり味覚障害でちね。
そう思ってまた麺をすするでち。うーん、やっぱりよく分からないでち。
「……あれ?」
いつの間にか丼の量が減ってるでち?もう半分ぐらい食べたんでちか??
レンゲにスープをすくって飲むでち。……しょっぱい……いや、これは??
萩風が呆然としてるでち。
「これ、旨味の塊ですね……。魚介系の旨味が、物凄い濃度で凝縮されてる……!!」
そうでち。よく味わうとしょっぱさの向こうに色々な風味が広がってたでち。
節系の旨味、貝系の旨味、乾物の旨味、鶏の旨味……それら全てが混然一体となって、しかも矛盾せず存在してるでち。
そして、この塩辛さが、それを引き立てている……ただのラーメンじゃ全くないでち。
一口食べた瞬間、口の中に塩分の波が襲い掛かってきたでち。
「むぐっ……!!」
思わず絶句してしまったでち。こんなの、食べられるわけないでち。
萩風たちも微妙な顔をしているでち。磯風と嵐だけが、嬉々として麺を啜ってるでち。
「どうした?麺は固めに限るぞ?早く食え」
もむもむと上機嫌そうな顔で口を動かして、磯風が言うでち。しかし、こんなのどうやって食べきるでちか。
下品にしたのを心底後悔したでち。いや、萩風たちの反応を見ても、この店に来たこと自体後悔したでち。
……でも、このまま帰るのもお爺さんに悪いでち。とりあえず、スープも少し飲むでち……やっぱりしょっぱいでち。
何で磯風はこんなのをありがたがるんでち?やっぱり味覚障害でちね。
そう思ってまた麺をすするでち。うーん、やっぱりよく分からないでち。
「……あれ?」
いつの間にか丼の量が減ってるでち?もう半分ぐらい食べたんでちか??
レンゲにスープをすくって飲むでち。……しょっぱい……いや、これは??
萩風が呆然としてるでち。
「これ、旨味の塊ですね……。魚介系の旨味が、物凄い濃度で凝縮されてる……!!」
そうでち。よく味わうとしょっぱさの向こうに色々な風味が広がってたでち。
節系の旨味、貝系の旨味、乾物の旨味、鶏の旨味……それら全てが混然一体となって、しかも矛盾せず存在してるでち。
そして、この塩辛さが、それを引き立てている……ただのラーメンじゃ全くないでち。
702:◆Try7rHwMFw:2018/10/07(日)22:37:28 :92r
ゴーヤは味玉にかぶりついたでち。味は当然染みてるでち。黄身の甘さが箸休めになるでち。
そして、チャーシュー。すこぶる柔らかい、上質のものでち。これも美味しいでち。
で、この豚バラ……いかにも濃そうでちね。
「うわっ、これ……スープの味と一体化してるでち!?」
磯風がうんうんと頷いてるでち。
「よく分かるな。それこそが『悪魔肉』。家元のラーメンには不可欠なものだ」
「……確かに、美味いでありますな。タレなしでも十分に味がしっかり出てるであります。
しかし、この肉。ご飯が欲しくなりますな。主人、ご飯は売ってないのでありますか?」
お爺さんが苦笑するでち。
「悪いね、うちはラーメンを食べる店だから、ラーメンだけなんだよ。
もし悪魔肉で飯を食いたいなら、タッパーでご飯を持ち込んでいいよ」
「持ち込み可能!そんなのもあるんですね家元!!」
嵐が目を輝かせてるでち。
「……今度てーとくと来たら、ゴーヤもそうするでち」
「ふふん、今『今度』と言ったな。もうゴーヤも立派な中毒だ。
……さて家元。折り入って頼みが」
「何だい磯ちゃん?長い付き合いだが、珍しいね」
「こいつにラーメンの作り方を教えて欲しい。というか、相談に乗ってやってほしい。
家元も忙しいし、身体もきついから本当に申し訳なく思っている。だから、できればでいい」
ふむ、とお爺さんが腕を組んだでち。そして「よし!」と手を叩いたでち。
「面白そうだね。俺も一枚噛ませてくれないか?店が終わったら、また来なさい」
ゴーヤは味玉にかぶりついたでち。味は当然染みてるでち。黄身の甘さが箸休めになるでち。
そして、チャーシュー。すこぶる柔らかい、上質のものでち。これも美味しいでち。
で、この豚バラ……いかにも濃そうでちね。
「うわっ、これ……スープの味と一体化してるでち!?」
磯風がうんうんと頷いてるでち。
「よく分かるな。それこそが『悪魔肉』。家元のラーメンには不可欠なものだ」
「……確かに、美味いでありますな。タレなしでも十分に味がしっかり出てるであります。
しかし、この肉。ご飯が欲しくなりますな。主人、ご飯は売ってないのでありますか?」
お爺さんが苦笑するでち。
「悪いね、うちはラーメンを食べる店だから、ラーメンだけなんだよ。
もし悪魔肉で飯を食いたいなら、タッパーでご飯を持ち込んでいいよ」
「持ち込み可能!そんなのもあるんですね家元!!」
嵐が目を輝かせてるでち。
「……今度てーとくと来たら、ゴーヤもそうするでち」
「ふふん、今『今度』と言ったな。もうゴーヤも立派な中毒だ。
……さて家元。折り入って頼みが」
「何だい磯ちゃん?長い付き合いだが、珍しいね」
「こいつにラーメンの作り方を教えて欲しい。というか、相談に乗ってやってほしい。
家元も忙しいし、身体もきついから本当に申し訳なく思っている。だから、できればでいい」
ふむ、とお爺さんが腕を組んだでち。そして「よし!」と手を叩いたでち。
「面白そうだね。俺も一枚噛ませてくれないか?店が終わったら、また来なさい」
703:◆Try7rHwMFw:2018/10/07(日)22:53:06 :92r
#
「ふむ、なるほどそういうことか。面白いねえ。
男を巡ってラーメンの腕勝負か。で、今それに向けてこのちっこいお嬢さんが頑張ってると」
「……でち。で、さっき話した感じで作ってるでち。でも、何かが足りないでち」
「だろうね。俺はスープに便利調味料や便利スープは一切入れない。
たまーにお客の舌を試すためにいじわるで入れるけどさ。でもそんなのは『料理』じゃない。
料理とは、素材の味を引き出すことだ。そして、そうするためには、惜しげもなく素材を使うのが一番いい。
俺が『スペシャル』にどれぐらいの量の素材を使ってるか、ブログで読んでるかい?」
「確か……10kgとか、15kgとか」
お爺さんが険しい表情で頷いたでち。
「そう、そのぐらい入れるんだよ。で、煮詰めて煮詰めて、味を引き出す。
もちろん、素材は生き物だから同じスープは二度とできない。マズいスープになる日もたまにある。
ラーメンを作り続けて40年近くになる俺でもそうだ。そういう時は店を休むし、今日みたいに95点の日なんて滅多にない。
だけど、素材をケチっちゃあおしまいだ。大体のラーメン屋は、それができないから便利スープや便利調味料に逃げるんだよ」
羽黒が恐る恐る手を挙げたでち。
「あ、あのっ……えっと、申し訳ないんですけど……それで商売になるんですか?」
「ならないよ。もう先がない老いぼれが道楽でやってるからね。
だが、俺は皆に本当に旨いものを食べてもらいたいと思ってやってる。だからこの値段で出す。
採算なんて二の次よ。まして、お嬢さんの場合はそうだろう?」
「……ああっ!!」
お爺さんが嬉しそうに笑ったでち。
「そうよ。お嬢さんが一番食べて欲しいと思ってる相手が喜んでくれるように思って作りなさい。
そして、そのためには労力を惜しまない。鶏白湯、良いと思うよ。
後は手抜きせず、隅々まで心を砕いて作ること。『料理は愛情』なんて古く臭せえ言葉だけど、それは正しいんだよ」
ゴーヤは目に熱いものを感じたでち。……お爺さんにただ感謝でち。
「あ……ありがとうございます!!今日のこと、一生忘れないでち!!」
「例なら磯ちゃんに言いな。磯ちゃんがお嬢さんをここに連れてきたんだから」
磯風が今まで見た中で一番のどや顔をして見せたでち。
#
「ふむ、なるほどそういうことか。面白いねえ。
男を巡ってラーメンの腕勝負か。で、今それに向けてこのちっこいお嬢さんが頑張ってると」
「……でち。で、さっき話した感じで作ってるでち。でも、何かが足りないでち」
「だろうね。俺はスープに便利調味料や便利スープは一切入れない。
たまーにお客の舌を試すためにいじわるで入れるけどさ。でもそんなのは『料理』じゃない。
料理とは、素材の味を引き出すことだ。そして、そうするためには、惜しげもなく素材を使うのが一番いい。
俺が『スペシャル』にどれぐらいの量の素材を使ってるか、ブログで読んでるかい?」
「確か……10kgとか、15kgとか」
お爺さんが険しい表情で頷いたでち。
「そう、そのぐらい入れるんだよ。で、煮詰めて煮詰めて、味を引き出す。
もちろん、素材は生き物だから同じスープは二度とできない。マズいスープになる日もたまにある。
ラーメンを作り続けて40年近くになる俺でもそうだ。そういう時は店を休むし、今日みたいに95点の日なんて滅多にない。
だけど、素材をケチっちゃあおしまいだ。大体のラーメン屋は、それができないから便利スープや便利調味料に逃げるんだよ」
羽黒が恐る恐る手を挙げたでち。
「あ、あのっ……えっと、申し訳ないんですけど……それで商売になるんですか?」
「ならないよ。もう先がない老いぼれが道楽でやってるからね。
だが、俺は皆に本当に旨いものを食べてもらいたいと思ってやってる。だからこの値段で出す。
採算なんて二の次よ。まして、お嬢さんの場合はそうだろう?」
「……ああっ!!」
お爺さんが嬉しそうに笑ったでち。
「そうよ。お嬢さんが一番食べて欲しいと思ってる相手が喜んでくれるように思って作りなさい。
そして、そのためには労力を惜しまない。鶏白湯、良いと思うよ。
後は手抜きせず、隅々まで心を砕いて作ること。『料理は愛情』なんて古く臭せえ言葉だけど、それは正しいんだよ」
ゴーヤは目に熱いものを感じたでち。……お爺さんにただ感謝でち。
「あ……ありがとうございます!!今日のこと、一生忘れないでち!!」
「例なら磯ちゃんに言いな。磯ちゃんがお嬢さんをここに連れてきたんだから」
磯風が今まで見た中で一番のどや顔をして見せたでち。
708:◆Try7rHwMFw:2018/10/08(月)12:06:05 :rXf
#
「……どうでちか」
あきつ丸が無言でサムズアップしたでち。
「あのっ、美味しいです!深みがあって、濃厚なのに飽きがこなくて……」
「うんうん、これはいいと思うよ。優しいけど、ちゃんとインパクトもあってはっちゃん好きだな」
羽黒とはっちゃんも満足そうでち。……これなら、勝てるでち。
「ありがとでち。皆のおかげでち。てーとくが戻るのは明日でちね。……決戦の日でち」
「でありますな。提督殿は勝敗の判断はされぬという話でありますが」
「そりゃそうだよ。話を聞く限り、見た目でどっちがどっちのラーメンか分かっちゃうし。問題は審査員だよね」
はっちゃんがうーんと考え込んだでち。確か審査員は……
※審査員3人を選びます。安価下1〜5から!randomが大きい順
(飯ウマ艦娘かそれっぽい艦娘であるのが条件)
#
「……どうでちか」
あきつ丸が無言でサムズアップしたでち。
「あのっ、美味しいです!深みがあって、濃厚なのに飽きがこなくて……」
「うんうん、これはいいと思うよ。優しいけど、ちゃんとインパクトもあってはっちゃん好きだな」
羽黒とはっちゃんも満足そうでち。……これなら、勝てるでち。
「ありがとでち。皆のおかげでち。てーとくが戻るのは明日でちね。……決戦の日でち」
「でありますな。提督殿は勝敗の判断はされぬという話でありますが」
「そりゃそうだよ。話を聞く限り、見た目でどっちがどっちのラーメンか分かっちゃうし。問題は審査員だよね」
はっちゃんがうーんと考え込んだでち。確か審査員は……
※審査員3人を選びます。安価下1〜5から!randomが大きい順
(飯ウマ艦娘かそれっぽい艦娘であるのが条件)
709:【73】:2018/10/08(月)12:06:37 :UsJ
葛城
710:【56】:2018/10/08(月)12:06:55 :Gkt
プリンツ
711:【3】:2018/10/08(月)12:07:19 :7P8
大鷹
713:【94】:2018/10/08(月)12:11:50 :P9C
妙高
716:【78】:2018/10/08(月)12:15:53 :TB7
龍田
717:◆Try7rHwMFw:2018/10/08(月)12:19:08 :rXf
葛城も調べたら飯ウマではないですね(一度も料理は作ってない)。
妙高、龍田、プリンツとします。
妙高、龍田、プリンツとします。
718:◆Try7rHwMFw:2018/10/08(月)12:33:25 :rXf
「審査員は妙高さん、龍田、プリンツでち。……妙高さんと龍田は分かるけど、なんでプリンツなんでちかね?」
「ビスマルクさんのお世話してるうちに腕が上がったんですって。ほら、彼女家事とか壊滅的だし」
「……ああ、あのおっきい暁なら納得でち。プリンツも苦労人でちねえ……。
ただ、そうなると扶桑にちょっと有利かもでち。ドイツはチーズよく食べるんじゃなかったでち?」
「そうだねえ、はっちゃんもよく食べるし。条件としてはちょっと不利だね。でも、なんとか勝たなきゃだね」
ゴーヤは頷いたでち。人事を尽くして天命を待つ、でち。やるだけのことは、やったでち。
#
「……ゴーヤ。久し振りだな。元気してたか?」
「でち。てーとくは?」
「お陰様でな。……何というか、すまん。俺の不甲斐なさで、迷惑をかけちまった」
ゴーヤはぶんぶんと頭を振ったでち。
「そんなことはないでち。勝負を受けたのはゴーヤでち。……てーとくに、今までで最高の一杯を届けるべく頑張ったでち。待っててほしいでち」
「……ありがとう。楽しみにしてるぞ」
ごほん、と咳払いが聞こえたでち。
「イチャイチャされると胸焼けするからそこまでにするであります。そろそろ入場の時間でありますよ」
「分かったでち、行くでち。……大丈夫、勝つでち」
てーとくが頷くのを見て、ゴーヤは会場に足を踏み入れたでち。
「審査員は妙高さん、龍田、プリンツでち。……妙高さんと龍田は分かるけど、なんでプリンツなんでちかね?」
「ビスマルクさんのお世話してるうちに腕が上がったんですって。ほら、彼女家事とか壊滅的だし」
「……ああ、あのおっきい暁なら納得でち。プリンツも苦労人でちねえ……。
ただ、そうなると扶桑にちょっと有利かもでち。ドイツはチーズよく食べるんじゃなかったでち?」
「そうだねえ、はっちゃんもよく食べるし。条件としてはちょっと不利だね。でも、なんとか勝たなきゃだね」
ゴーヤは頷いたでち。人事を尽くして天命を待つ、でち。やるだけのことは、やったでち。
#
「……ゴーヤ。久し振りだな。元気してたか?」
「でち。てーとくは?」
「お陰様でな。……何というか、すまん。俺の不甲斐なさで、迷惑をかけちまった」
ゴーヤはぶんぶんと頭を振ったでち。
「そんなことはないでち。勝負を受けたのはゴーヤでち。……てーとくに、今までで最高の一杯を届けるべく頑張ったでち。待っててほしいでち」
「……ありがとう。楽しみにしてるぞ」
ごほん、と咳払いが聞こえたでち。
「イチャイチャされると胸焼けするからそこまでにするであります。そろそろ入場の時間でありますよ」
「分かったでち、行くでち。……大丈夫、勝つでち」
てーとくが頷くのを見て、ゴーヤは会場に足を踏み入れたでち。
719:◆Try7rHwMFw:2018/10/08(月)12:54:36 :rXf
#
「さあ始まりますは世紀の一戦!まずは赤コーナー、ゴーヤこと伊58選手の入場ですっ!!」
やたら派手なカクテル光線の中を、ゴーヤは進むでち。「頑張ってー!」との声とブーイングが入り交じってるけど、動揺はないでち。覚悟は決まってるでち。
審査員席からちょっと離れた所にてーとくがいるでち。落ち着いてるように見えるけど、あれはかなり心配してるでちね。汗の量がそれを物語ってるでち。
「ゴーヤ選手はこの対決に向けて色々修行を積んできたといいます。果たして強力タッグを前にその成果は発揮できるのかっ?
……続いて青コーナー、扶桑選手の入場ですっ!!」
扶桑さんが割烹着に身を包み、静かに現れたでち。横にはお揃いの服を着た鳳翔さんでち。
「鎮守府屈指の料理人、鳳翔さんの協力を得た扶桑選手はまさに鬼に金棒!一体どんなラーメンを繰り出すのか?
なお、事前オッズはゴーヤ選手6倍、扶桑選手1.6倍となっております。投票はお早めに」
……賭けられてたんでちか?胴元は一体誰でち?分かったらグーで殴ってやるでち。
「実況は私青葉、解説は間宮さんでお送りします。どうぞよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
「さて、試合開始の前に主催者からの挨拶があります」
ズズズっと舞台中央から何かが反り上がってきたでち。……そこには??
※黒幕を指定します。安価下3で!randomが最も大きいものにします。
(いかにもやってそうな艦娘が望ましいです)
#
「さあ始まりますは世紀の一戦!まずは赤コーナー、ゴーヤこと伊58選手の入場ですっ!!」
やたら派手なカクテル光線の中を、ゴーヤは進むでち。「頑張ってー!」との声とブーイングが入り交じってるけど、動揺はないでち。覚悟は決まってるでち。
審査員席からちょっと離れた所にてーとくがいるでち。落ち着いてるように見えるけど、あれはかなり心配してるでちね。汗の量がそれを物語ってるでち。
「ゴーヤ選手はこの対決に向けて色々修行を積んできたといいます。果たして強力タッグを前にその成果は発揮できるのかっ?
……続いて青コーナー、扶桑選手の入場ですっ!!」
扶桑さんが割烹着に身を包み、静かに現れたでち。横にはお揃いの服を着た鳳翔さんでち。
「鎮守府屈指の料理人、鳳翔さんの協力を得た扶桑選手はまさに鬼に金棒!一体どんなラーメンを繰り出すのか?
なお、事前オッズはゴーヤ選手6倍、扶桑選手1.6倍となっております。投票はお早めに」
……賭けられてたんでちか?胴元は一体誰でち?分かったらグーで殴ってやるでち。
「実況は私青葉、解説は間宮さんでお送りします。どうぞよろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします」
「さて、試合開始の前に主催者からの挨拶があります」
ズズズっと舞台中央から何かが反り上がってきたでち。……そこには??
※黒幕を指定します。安価下3で!randomが最も大きいものにします。
(いかにもやってそうな艦娘が望ましいです)
720:【28】:2018/10/08(月)12:55:15 :A5l
リシュリュー
721:【35】:2018/10/08(月)12:56:46 :Dax
隼鷹
722:【28】:2018/10/08(月)12:59:03 :4ft
アイオワ
725:◆Try7rHwMFw:2018/10/08(月)14:09:05 :rXf
ちょっと謝罪。がんこ総本家のスペシャルですが、最近整理券がなくなったそうです(隣のカップルが昔の整理券持ってて差額で食べてました)。
磯風の整理券の下りは無視して下さい。失礼しました。
なお2時間待ちます。
磯風の整理券の下りは無視して下さい。失礼しました。
なお2時間待ちます。
726:◆Try7rHwMFw:2018/10/08(月)18:17:28 :rXf
「ひゃっはー!!みんな〜、飲んでるかーい??」
そこには酒瓶を右手に、マイクを左手に上機嫌な隼鷹がいたでち。……あんの馬鹿……!!
「隼鷹ー!!何賭けの主催やってるでち!!ゴーヤは一切聞いてないでち!!」
「え、そうなの?あれ〜、ゴーヤも喜んでオッケー出したって聞いたけどな〜。まいっか!楽しければ全部オッケー!」
舞台袖を見るとあきつ丸がニヤニヤしてるでち。てめーもぐるでちね!!
「後で覚えとけでち!!……っててーとく??まさか一枚噛んでないでちね??」
「あー、すまん……お前の勝ちに10万ほど……だってオッズ美味しいんだもん」
「んっとにどいつもこいつもぉぉ!!」
「まーどうだっていいじゃん、まずこの賭けの利益はぜーんぶ飲み会に使わせてもらうぜぇ〜。
ゴーヤが勝ったら提督とゴーヤの結婚祝賀会、負けたら大送別会って具合だぁ!!
どっちにしても、全舷で暴れきれなかった分の宴会が待ってるぜひゃっはー!!だから皆、楽しんでくれよー!!」
うぉぉぉぉと歓声が響き渡ったでち。こうなったらうちの鎮守府は止まらんでち。何でどんちゃん騒ぎ好きの馬鹿ばっかなんでちか……。
扶桑が騒ぎに関わらず、こっちをじっと見てるでち。
「……負けないわよ。女の、いえ私の意地にかけても」
「……こちらの台詞でち」
「さぁ主役二人もヒートアップしてきたようだぜぇ??じゃあカウントダウンいっくぞー?ごー、よん、さん、にー、いち……始めぇ!!!」
「ひゃっはー!!みんな〜、飲んでるかーい??」
そこには酒瓶を右手に、マイクを左手に上機嫌な隼鷹がいたでち。……あんの馬鹿……!!
「隼鷹ー!!何賭けの主催やってるでち!!ゴーヤは一切聞いてないでち!!」
「え、そうなの?あれ〜、ゴーヤも喜んでオッケー出したって聞いたけどな〜。まいっか!楽しければ全部オッケー!」
舞台袖を見るとあきつ丸がニヤニヤしてるでち。てめーもぐるでちね!!
「後で覚えとけでち!!……っててーとく??まさか一枚噛んでないでちね??」
「あー、すまん……お前の勝ちに10万ほど……だってオッズ美味しいんだもん」
「んっとにどいつもこいつもぉぉ!!」
「まーどうだっていいじゃん、まずこの賭けの利益はぜーんぶ飲み会に使わせてもらうぜぇ〜。
ゴーヤが勝ったら提督とゴーヤの結婚祝賀会、負けたら大送別会って具合だぁ!!
どっちにしても、全舷で暴れきれなかった分の宴会が待ってるぜひゃっはー!!だから皆、楽しんでくれよー!!」
うぉぉぉぉと歓声が響き渡ったでち。こうなったらうちの鎮守府は止まらんでち。何でどんちゃん騒ぎ好きの馬鹿ばっかなんでちか……。
扶桑が騒ぎに関わらず、こっちをじっと見てるでち。
「……負けないわよ。女の、いえ私の意地にかけても」
「……こちらの台詞でち」
「さぁ主役二人もヒートアップしてきたようだぜぇ??じゃあカウントダウンいっくぞー?ごー、よん、さん、にー、いち……始めぇ!!!」
727:◆Try7rHwMFw:2018/10/08(月)18:38:45 :rXf
「さあ試合が始まりました。今回スープの仕込みのみ、2時間の猶予を与えています。まずゴーヤ選手は……圧力鍋ですか??」
「何をするんでしょうか……ああ、丸鶏ですね、それと大量の鶏ガラともみじ(鶏の手の部分)、香味野菜も見えます。既にかなり煮込んでありますね」
「これはいきなり奇策に打って出たぁ!!そしてもう片方の鍋も……圧力鍋??いや、圧力鍋が3つ???これはどういうことなんでしょう間宮さんっ!?」
「うーん、ちょっと分かりませんね……多分、あの最初の鍋のスープからして鶏白湯ラーメンだと思うんですが……」
ゴーヤはひたすら鶏白湯のアク取りに励むでち。これは絶対手を抜いてはいけないでち。
鶏白湯の水炊きを作るのに一番楽で手っ取り早く、かつ味が出せるのが圧力鍋を使う技法でち。母さんに教えてもらったやり方でち。
これだとせいぜい数人前しかできないから店で出すのは不可能でち。でも、根気さえあれば誰でも濃厚な鶏白湯ができるでち。後は、第2と第3の圧力鍋の完成を待つだけでち。
ちらっと扶桑を見るでち。観客席最前列の鳳翔さんが「まだですよ!」とか叫んでるでち。……何をするつもりでちか??
「さあこちらは扶桑選手!!こちらは牛スネ肉に、丸鶏を使ってますね。香味野菜もあるようですが……洋風な感じですね」
「コンソメスープのようですが……丸鶏を使ってるのが少し違いますね、それとアクの量が多い……あら??」
「扶桑選手、何かを泡立てている!!何だあれは、クリームかぁっ!?」
鳳翔さんが「今ですっ」と叫ぶと、扶桑はそれをスープにぶちこんだでち!?
「ああっ、これは卵白です!!あれで一気にアクをとるんですよ……ほらっ」
扶桑は一気におたまで固まった卵白をすくったでち。すると、スクリーンに映し出されたのは……黄金のスープ。
「さあ試合が始まりました。今回スープの仕込みのみ、2時間の猶予を与えています。まずゴーヤ選手は……圧力鍋ですか??」
「何をするんでしょうか……ああ、丸鶏ですね、それと大量の鶏ガラともみじ(鶏の手の部分)、香味野菜も見えます。既にかなり煮込んでありますね」
「これはいきなり奇策に打って出たぁ!!そしてもう片方の鍋も……圧力鍋??いや、圧力鍋が3つ???これはどういうことなんでしょう間宮さんっ!?」
「うーん、ちょっと分かりませんね……多分、あの最初の鍋のスープからして鶏白湯ラーメンだと思うんですが……」
ゴーヤはひたすら鶏白湯のアク取りに励むでち。これは絶対手を抜いてはいけないでち。
鶏白湯の水炊きを作るのに一番楽で手っ取り早く、かつ味が出せるのが圧力鍋を使う技法でち。母さんに教えてもらったやり方でち。
これだとせいぜい数人前しかできないから店で出すのは不可能でち。でも、根気さえあれば誰でも濃厚な鶏白湯ができるでち。後は、第2と第3の圧力鍋の完成を待つだけでち。
ちらっと扶桑を見るでち。観客席最前列の鳳翔さんが「まだですよ!」とか叫んでるでち。……何をするつもりでちか??
「さあこちらは扶桑選手!!こちらは牛スネ肉に、丸鶏を使ってますね。香味野菜もあるようですが……洋風な感じですね」
「コンソメスープのようですが……丸鶏を使ってるのが少し違いますね、それとアクの量が多い……あら??」
「扶桑選手、何かを泡立てている!!何だあれは、クリームかぁっ!?」
鳳翔さんが「今ですっ」と叫ぶと、扶桑はそれをスープにぶちこんだでち!?
「ああっ、これは卵白です!!あれで一気にアクをとるんですよ……ほらっ」
扶桑は一気におたまで固まった卵白をすくったでち。すると、スクリーンに映し出されたのは……黄金のスープ。
728:◆Try7rHwMFw:2018/10/08(月)18:51:59 :rXf
「これは驚きましたよ、あれはフレンチの技法……!ああやることによって、コンソメスープができるんです。でもあれだけじゃ、ラーメンのスープには弱いはず……」
「うおおおっとぉ!!扶桑選手、実はもう1つコンソメスープを仕込んでいたぁ!しかもこっちは煮詰めてある!!」
「まさか??」
「扶桑選手、新しいコンソメスープと濃いコンソメを合わせたあっ!!これは一体っ」
「これもフレンチの技法……驚きました、鳳翔さんが協力したというから、和風で来るのかと……」
鳳翔さんがニコニコしているでち。
「和食でも一番だし二番だしを合わせることはありますよ。同じお出汁なんですから、その応用です。
そして、繊細な一番だしと濃い二番だしをうまい具合に合わせると、互いを補ってくれるんです」
「な、なるほどっ!!さすがは鳳翔さんっ!!」
「恐れ入りますね……私も負けてられません」
変なとこで火花が走ってるでち。しかし、扶桑……そっちも考えてきたでちね。
だけど、こっちもやってやるでち!!
「ゴーヤ選手、二つ目の圧力鍋に手をかけました。……これはっ?」
「テールスープ??牛のバラ肉もあるみたいですけど……」
「これは驚きましたよ、あれはフレンチの技法……!ああやることによって、コンソメスープができるんです。でもあれだけじゃ、ラーメンのスープには弱いはず……」
「うおおおっとぉ!!扶桑選手、実はもう1つコンソメスープを仕込んでいたぁ!しかもこっちは煮詰めてある!!」
「まさか??」
「扶桑選手、新しいコンソメスープと濃いコンソメを合わせたあっ!!これは一体っ」
「これもフレンチの技法……驚きました、鳳翔さんが協力したというから、和風で来るのかと……」
鳳翔さんがニコニコしているでち。
「和食でも一番だし二番だしを合わせることはありますよ。同じお出汁なんですから、その応用です。
そして、繊細な一番だしと濃い二番だしをうまい具合に合わせると、互いを補ってくれるんです」
「な、なるほどっ!!さすがは鳳翔さんっ!!」
「恐れ入りますね……私も負けてられません」
変なとこで火花が走ってるでち。しかし、扶桑……そっちも考えてきたでちね。
だけど、こっちもやってやるでち!!
「ゴーヤ選手、二つ目の圧力鍋に手をかけました。……これはっ?」
「テールスープ??牛のバラ肉もあるみたいですけど……」
729:◆Try7rHwMFw:2018/10/08(月)18:59:22 :rXf
ゴーヤは家元の言葉を思い出してたでち。
『俺は元々テールスープでラーメンやりたかったんだ。だけど手間と単価がかさんだんで、牛骨でラーメンを始めたんだよ』
そう、逆に言えばテールスープを使うのはありだってことでち。そして、テールスープを作るなら……やはりこれでち。
「これは美味しそうなテールスープですよ?おっとゴーヤ選手、鶏白湯のスープを大きめの平鍋に入れ……そこにテールスープを投入したぞぉぉ!?」
「考えましたね。ああすることで、鶏白湯特有の一本調子さは薄れます。より深みのある味になるはずですが……え、ええっ?」
扶桑の方から微かな刺激臭がしたでち。あの塊は……??
「あれはっ、ゴルゴンゾーラチーズ!!?」
てーとくが呟くのが聞こえたでち。
「そう来るのか……改良版『ドゥエ・イタリアン』というわけだな」
ゴーヤは家元の言葉を思い出してたでち。
『俺は元々テールスープでラーメンやりたかったんだ。だけど手間と単価がかさんだんで、牛骨でラーメンを始めたんだよ』
そう、逆に言えばテールスープを使うのはありだってことでち。そして、テールスープを作るなら……やはりこれでち。
「これは美味しそうなテールスープですよ?おっとゴーヤ選手、鶏白湯のスープを大きめの平鍋に入れ……そこにテールスープを投入したぞぉぉ!?」
「考えましたね。ああすることで、鶏白湯特有の一本調子さは薄れます。より深みのある味になるはずですが……え、ええっ?」
扶桑の方から微かな刺激臭がしたでち。あの塊は……??
「あれはっ、ゴルゴンゾーラチーズ!!?」
てーとくが呟くのが聞こえたでち。
「そう来るのか……改良版『ドゥエ・イタリアン』というわけだな」
732:◆Try7rHwMFw:2018/10/09(火)22:08:05 :agO
ドゥエ・イタリアン……前に調べた店でち。やはり、参考にしてたでちね……。
「これはゴルゴンゾーラチーズ!?どういうことなんでしょう?間宮さんっ、ラーメンに臭いと塩気のキツいゴルゴンゾーラって合うんですか?」
「私にもさっぱり……ああっ、
モッツァレラと溶かしたチェダーチーズをオーブンから取り出してゴルゴンゾーラと混ぜ始めましたよ?そしてそれをスープンに乗せて、またオーブンへ」
一体何をやってるでち。しかし扶桑の動きには躊躇いはないでち。てーとくは感心したように見てるでちね。
「スープンごと焼いてるんでしょうか……その間に、あれは生ハム?」
「どうもこれはただの生ハムじゃないですね、ハモン・ベジョータ……奇想天外ですね。これも貴女の発想ですか、鳳翔さん」
「いえ、あれは扶桑さん自身のアイデアです。参考にしたお店のラーメンは、確かに美味しかった。でも、何かが足りない。
だから、オリジナルのでは存在意義が分からなかった生ハムを旨味の塊であるハモン・ベジョータに変えたんです。他にも色々手を加えてますけど、決定的なのはそこです。
それに、ハムっていい出汁がとれるんですよ?ほら金華ハムとか」
相当色々考え抜いた一杯のようでちね。でもそれはゴーヤも同じでち!
「さあここでゴーヤ選手、最後の圧力鍋に手を掛けたっ!中から出てきたのはぁ!?」
ドゥエ・イタリアン……前に調べた店でち。やはり、参考にしてたでちね……。
「これはゴルゴンゾーラチーズ!?どういうことなんでしょう?間宮さんっ、ラーメンに臭いと塩気のキツいゴルゴンゾーラって合うんですか?」
「私にもさっぱり……ああっ、
モッツァレラと溶かしたチェダーチーズをオーブンから取り出してゴルゴンゾーラと混ぜ始めましたよ?そしてそれをスープンに乗せて、またオーブンへ」
一体何をやってるでち。しかし扶桑の動きには躊躇いはないでち。てーとくは感心したように見てるでちね。
「スープンごと焼いてるんでしょうか……その間に、あれは生ハム?」
「どうもこれはただの生ハムじゃないですね、ハモン・ベジョータ……奇想天外ですね。これも貴女の発想ですか、鳳翔さん」
「いえ、あれは扶桑さん自身のアイデアです。参考にしたお店のラーメンは、確かに美味しかった。でも、何かが足りない。
だから、オリジナルのでは存在意義が分からなかった生ハムを旨味の塊であるハモン・ベジョータに変えたんです。他にも色々手を加えてますけど、決定的なのはそこです。
それに、ハムっていい出汁がとれるんですよ?ほら金華ハムとか」
相当色々考え抜いた一杯のようでちね。でもそれはゴーヤも同じでち!
「さあここでゴーヤ選手、最後の圧力鍋に手を掛けたっ!中から出てきたのはぁ!?」
733:◆Try7rHwMFw:2018/10/09(火)22:31:51 :agO
「えっ、これって……亀?いえスッポン!!こんな食材を使うなんて……」
「しかも中には魚介系の食材がっ!これは旨味を濃縮したスッポンスープ!これをどうしようというのかぁぁ!!」
隠し味の第3のスープをどうするか考えがまとまらなかったでち。ただ、普通に魚介系のスープを入れたんじゃ味や濃度が薄れるでち。
そこで、コラーゲンが入ったもう1つの食材に行き着いたでち。それがこれでち。
「奇をてらい過ぎたわね!高級食材を使えば勝てるとでも?」
「その台詞、そっくりそのまま返すでち。それに、奇をてらったわけでも何でもないでち。あとで分かるでち」
そう、これを使ったのには他にも2つ理由があるでち。ゴーヤはてーとくを見たでち。まだ心配そうにしてるんで、ゴーヤはサムズアップしてやったでち。大丈夫、勝てるでち。
そう自分に言い聞かせ、盛り付けを終えると……
「ここでタイムアップぅぅぅ!!両者とも、実に独創的な一杯を作り上げました!さて、麺が伸びないようすぐにジャッジメントに入ります。審査員はこちらだぁぁ!!
まず、ダメ姉の世話をして早10年!苦労の中で磨かれた腕と舌は本物だぁ!洋食ならお手の物、プリンツ・オイゲンんっっ!!」
「ぐ、グーテンモルゲン……。んぁ、何か緊張しますね……」
「続いては鎮守府1の恐怖の象徴!!無礼な料理と上司には容赦はしない!!包丁で捌かれたい奴はどいつだ!龍田ぁぁ!!……ひいっっっ!??」
「青葉ちゃぁん?後でどうなるか、覚えておきなさぁい?」
「し、しし失礼しました、慈愛の象徴でした、訂正します……。
最後に我が鎮守府の重鎮が一人!その磨き抜かれた味覚とマナーは本物中の本物っ!元CA、妙高さんが来てくれたぁぁ!!」
「よろしくお願い致します」
※コンマ下、!randomで
00 ?????
01〜10 訳ありな関係
11〜60 特に何もなし
61〜90 実は……
91〜100 実は……??
「えっ、これって……亀?いえスッポン!!こんな食材を使うなんて……」
「しかも中には魚介系の食材がっ!これは旨味を濃縮したスッポンスープ!これをどうしようというのかぁぁ!!」
隠し味の第3のスープをどうするか考えがまとまらなかったでち。ただ、普通に魚介系のスープを入れたんじゃ味や濃度が薄れるでち。
そこで、コラーゲンが入ったもう1つの食材に行き着いたでち。それがこれでち。
「奇をてらい過ぎたわね!高級食材を使えば勝てるとでも?」
「その台詞、そっくりそのまま返すでち。それに、奇をてらったわけでも何でもないでち。あとで分かるでち」
そう、これを使ったのには他にも2つ理由があるでち。ゴーヤはてーとくを見たでち。まだ心配そうにしてるんで、ゴーヤはサムズアップしてやったでち。大丈夫、勝てるでち。
そう自分に言い聞かせ、盛り付けを終えると……
「ここでタイムアップぅぅぅ!!両者とも、実に独創的な一杯を作り上げました!さて、麺が伸びないようすぐにジャッジメントに入ります。審査員はこちらだぁぁ!!
まず、ダメ姉の世話をして早10年!苦労の中で磨かれた腕と舌は本物だぁ!洋食ならお手の物、プリンツ・オイゲンんっっ!!」
「ぐ、グーテンモルゲン……。んぁ、何か緊張しますね……」
「続いては鎮守府1の恐怖の象徴!!無礼な料理と上司には容赦はしない!!包丁で捌かれたい奴はどいつだ!龍田ぁぁ!!……ひいっっっ!??」
「青葉ちゃぁん?後でどうなるか、覚えておきなさぁい?」
「し、しし失礼しました、慈愛の象徴でした、訂正します……。
最後に我が鎮守府の重鎮が一人!その磨き抜かれた味覚とマナーは本物中の本物っ!元CA、妙高さんが来てくれたぁぁ!!」
「よろしくお願い致します」
※コンマ下、!randomで
00 ?????
01〜10 訳ありな関係
11〜60 特に何もなし
61〜90 実は……
91〜100 実は……??
734:【9】:2018/10/09(火)22:32:59 :Ur3
はい
735:◆Try7rHwMFw:2018/10/09(火)22:45:37 :agO
「……勝負に私情は挟みません。公正な舌で判断させて頂きます」
妙高、でちか……提督LOVE勢ではなかったはずでち。ただ、ある意味でそれよりたちが悪い相手かもしれないでち。
#
一度、てーとくと付き合い始めてから聞いたことがあるでち。「ゴーヤが来る前、奥さん以外で付き合った艦娘がいるか」って。てーとくはすごく微妙な顔をしたでち。
「ん、どうしたでち?隠し事でもあるんでち?」
「いや、あると言えばある。ないと言えばない。学生時代、家庭教師の生徒とやっちまったことがあってな……まあそいつの大学進学と俺の仕官で切れたんだが。
そいつが今、鎮守府にいる。……妙高だよ」
「えっ、ええっ!!?今は何もないよね?」
動揺のあまり語尾が素になったでち。てーとくはぽかんとゴーヤを叩いたでち。
「たりめーだ。実のところ、俺もビビったぐらいだ。やけぼっくいに火なんてことにならんように、公私混同を戒めてたって側面はある」
※コンマ下、!randomで70以上なら既婚者
「……勝負に私情は挟みません。公正な舌で判断させて頂きます」
妙高、でちか……提督LOVE勢ではなかったはずでち。ただ、ある意味でそれよりたちが悪い相手かもしれないでち。
#
一度、てーとくと付き合い始めてから聞いたことがあるでち。「ゴーヤが来る前、奥さん以外で付き合った艦娘がいるか」って。てーとくはすごく微妙な顔をしたでち。
「ん、どうしたでち?隠し事でもあるんでち?」
「いや、あると言えばある。ないと言えばない。学生時代、家庭教師の生徒とやっちまったことがあってな……まあそいつの大学進学と俺の仕官で切れたんだが。
そいつが今、鎮守府にいる。……妙高だよ」
「えっ、ええっ!!?今は何もないよね?」
動揺のあまり語尾が素になったでち。てーとくはぽかんとゴーヤを叩いたでち。
「たりめーだ。実のところ、俺もビビったぐらいだ。やけぼっくいに火なんてことにならんように、公私混同を戒めてたって側面はある」
※コンマ下、!randomで70以上なら既婚者
736:【98】:2018/10/09(火)22:46:17 :iLT
むん
738:◆Try7rHwMFw:2018/10/10(水)12:49:59 :rwq
「まあ後で分かったことだが、杞憂ではあったんだがな。あいつ、こっちに配属になった時には既婚者だったからな。旦那は空自だ」
ゴーヤは胸を撫で下ろしたでち。
「ならいいでち。てーとくも未練はない?」
「俺にはな。まあ、俺も若かったし、申し訳ないことをしたという思いはあるが。ただ向こうがどう思ってるかは知らん。話し掛けにくいことこの上ない」
「困ったもんでちね。まあ、あまり気にしても仕方ないでち」
……言葉では平静を保ってたでち。ただ、時折見るあの視線。……思うところはありそうだったでち。
#
そんな妙高が、ジャッジにいるでち。……これは吉か凶か、よく分からんでち。
「さあまずは扶桑選手の一杯、『黄金の焦がしチーズ塩らぁめん』っ!」
ご丁寧にゴーヤのところにも丼が来たでち。
「まずはスープを、それから麺を食べて下さい。その上で、スープに乗っている焦がしチーズを溶かして下さい。
食べ終わったら素敵なのも紹介いたします」
素敵なの?何でちかね。まあ、まずは啜るでち。
……んんっ!?
「うわぁ!!これは上品で、複雑な味わい……!丁寧なコンソメに細麺が絡んで美味しいです」
「静かに香るイベリコ豚の旨味もいいわね。塩味もしっかりしてる」
プリンツと龍田が感心してるでち。確かにこれは美味しいでち……。
「塩タレは岩塩や藻塩などをブレンドして作りました。丼の横にあるチーズを溶かして下さい。また違った味わいになりますから」
チーズを溶かすと……黄金色のスープが一気に白濁したでち。見た目だけなら、ゴーヤのとそう変わらなくなったでち。
麺を持ち上げると、スープとの絡みが良くなったでち。啜ると……
「……これはっ?」
「意外ですね。ブルーチーズと塩ラーメンがこんなに合うなんて。チーズのとろみが、麺ともいい相性です。……どうしてこのラーメンを?」
静かに妙高が訊いたでち。
「提督には、今まで食べたことがない一杯をと思いました。元にしているのはある有名店のラーメンですが、そこに幾多の改良を加えています。
結果、ラーメン通の提督にも満足をいただけるものになったかと」
「まあ後で分かったことだが、杞憂ではあったんだがな。あいつ、こっちに配属になった時には既婚者だったからな。旦那は空自だ」
ゴーヤは胸を撫で下ろしたでち。
「ならいいでち。てーとくも未練はない?」
「俺にはな。まあ、俺も若かったし、申し訳ないことをしたという思いはあるが。ただ向こうがどう思ってるかは知らん。話し掛けにくいことこの上ない」
「困ったもんでちね。まあ、あまり気にしても仕方ないでち」
……言葉では平静を保ってたでち。ただ、時折見るあの視線。……思うところはありそうだったでち。
#
そんな妙高が、ジャッジにいるでち。……これは吉か凶か、よく分からんでち。
「さあまずは扶桑選手の一杯、『黄金の焦がしチーズ塩らぁめん』っ!」
ご丁寧にゴーヤのところにも丼が来たでち。
「まずはスープを、それから麺を食べて下さい。その上で、スープに乗っている焦がしチーズを溶かして下さい。
食べ終わったら素敵なのも紹介いたします」
素敵なの?何でちかね。まあ、まずは啜るでち。
……んんっ!?
「うわぁ!!これは上品で、複雑な味わい……!丁寧なコンソメに細麺が絡んで美味しいです」
「静かに香るイベリコ豚の旨味もいいわね。塩味もしっかりしてる」
プリンツと龍田が感心してるでち。確かにこれは美味しいでち……。
「塩タレは岩塩や藻塩などをブレンドして作りました。丼の横にあるチーズを溶かして下さい。また違った味わいになりますから」
チーズを溶かすと……黄金色のスープが一気に白濁したでち。見た目だけなら、ゴーヤのとそう変わらなくなったでち。
麺を持ち上げると、スープとの絡みが良くなったでち。啜ると……
「……これはっ?」
「意外ですね。ブルーチーズと塩ラーメンがこんなに合うなんて。チーズのとろみが、麺ともいい相性です。……どうしてこのラーメンを?」
静かに妙高が訊いたでち。
「提督には、今まで食べたことがない一杯をと思いました。元にしているのはある有名店のラーメンですが、そこに幾多の改良を加えています。
結果、ラーメン通の提督にも満足をいただけるものになったかと」
739:◆Try7rHwMFw:2018/10/10(水)13:10:49 :rwq
「なるほど。……提督はどう思われます?」
「俺はジャッジじゃないから、詳細なコメントは控える。だが、旨いのは疑いない」
扶桑がほっとした様子を見せたでち。……今度は、ゴーヤの番でち。
「これは高評価だぁっ!!さすが扶桑選手、新しくも隙のない一杯であったようです!さて、次はゴーヤ選手です」
丼がジャッジと提督、そして扶桑のところに運ばれたでち。
「見た目はチーズを溶かした後の扶桑さんのラーメンに似てますね。……どれどれ?」
5人が一斉に啜ったでち。しばらく静寂が包み……そしてまたラーメンを啜るでち。最初に口を開いたのは、龍田でち。
「ゴーヤちゃん?これに何を入れたのかしら?」
「見ての通りのものしか入れてないでち。ああ、カエシを少し入れたでちね」
「……そのカエシって?麻薬か何かじゃないわよね?」
ゴーヤはにっと笑ったでち。
「あるラーメン屋の人から少しもらったでち。麺が伸びるでちよ」
はっと気付いて、龍田がまた食べ始めたでち。提督がゴーヤを見てニヤリと笑ったでち。
「……この風味、この複雑さ。濃厚でありながら飽きさせず、一気の『引き』で食べさせる……家元の所にいったな?そしてそれは、家元のカエシ」
「でち。スッポンスープは、家元が次のスペシャルを作るのを参考にさせてもらったでち。つまり、このカエシに合うスープでち。
これを鶏白湯に合わせることで、単調ではなく飲めば飲むほどに旨味が広がる一杯になったはず、でち」
プリンツたちは一気に食べ終わろうとしてるでち。
「本当です!ぁう、うまい日本語が思い付かないけど……飲むほどに美味しさが広がります!」
「確かにねぇ。しかし家元って誰なのかしらぁ?」
客席で磯風がニヤニヤしてるでち。……妙高が食べ終わったらしいでちね。
「……面白い一杯でした。それぞれの素材が十分引き出され、薫香のあるチャーシューがそれを引き立てる。しかし興味深いのはスッポンの選択です。この素材を選んだ理由は……」
妙高は微笑んで首を振ったでち。
「それは後にしましょう」
扶桑は黙ったままでち。
「さあジャッジの実食は終わったようですっ!後は主宰の隼鷹さんから、結果発表となります!!」
証明が落とされ、ゴーヤと扶桑だけにスポットライトが当たったでち。
「なるほど。……提督はどう思われます?」
「俺はジャッジじゃないから、詳細なコメントは控える。だが、旨いのは疑いない」
扶桑がほっとした様子を見せたでち。……今度は、ゴーヤの番でち。
「これは高評価だぁっ!!さすが扶桑選手、新しくも隙のない一杯であったようです!さて、次はゴーヤ選手です」
丼がジャッジと提督、そして扶桑のところに運ばれたでち。
「見た目はチーズを溶かした後の扶桑さんのラーメンに似てますね。……どれどれ?」
5人が一斉に啜ったでち。しばらく静寂が包み……そしてまたラーメンを啜るでち。最初に口を開いたのは、龍田でち。
「ゴーヤちゃん?これに何を入れたのかしら?」
「見ての通りのものしか入れてないでち。ああ、カエシを少し入れたでちね」
「……そのカエシって?麻薬か何かじゃないわよね?」
ゴーヤはにっと笑ったでち。
「あるラーメン屋の人から少しもらったでち。麺が伸びるでちよ」
はっと気付いて、龍田がまた食べ始めたでち。提督がゴーヤを見てニヤリと笑ったでち。
「……この風味、この複雑さ。濃厚でありながら飽きさせず、一気の『引き』で食べさせる……家元の所にいったな?そしてそれは、家元のカエシ」
「でち。スッポンスープは、家元が次のスペシャルを作るのを参考にさせてもらったでち。つまり、このカエシに合うスープでち。
これを鶏白湯に合わせることで、単調ではなく飲めば飲むほどに旨味が広がる一杯になったはず、でち」
プリンツたちは一気に食べ終わろうとしてるでち。
「本当です!ぁう、うまい日本語が思い付かないけど……飲むほどに美味しさが広がります!」
「確かにねぇ。しかし家元って誰なのかしらぁ?」
客席で磯風がニヤニヤしてるでち。……妙高が食べ終わったらしいでちね。
「……面白い一杯でした。それぞれの素材が十分引き出され、薫香のあるチャーシューがそれを引き立てる。しかし興味深いのはスッポンの選択です。この素材を選んだ理由は……」
妙高は微笑んで首を振ったでち。
「それは後にしましょう」
扶桑は黙ったままでち。
「さあジャッジの実食は終わったようですっ!後は主宰の隼鷹さんから、結果発表となります!!」
証明が落とされ、ゴーヤと扶桑だけにスポットライトが当たったでち。
742:◆Try7rHwMFw:2018/10/10(水)21:26:29 :pzD
「ひゃっはー!!すごいラーメンだったな〜。あたしも食べたかったぜ〜。さあここで結果発表だー!!おっと今紙が来たぜぇ〜」
緊張がゴーヤと扶桑の間に走ったでち。
「……っと、よく読めないな〜。おお、読めた読めた。じゃあ、いっくぜー!!
ジャッジ、プリンツ!扶桑!!」
どよめきと一部から歓声が上がったでち。……プリンツが扶桑を支持するのは、覚悟してたでち。問題は、残り二人でち。
「次行くぞ〜!ジャッジ、龍田!ゴーヤ!!」
思わずガッツポーズをしてしまったでち。でもまだ残ってるでち。……妙高がどう判断するか、でち。
場内にチャッ、チャッ、チャッ……と緊張感を煽る音楽が流れてきたでち。……早くしてほしいでち。
「最後の一人だぜー!ジャッジ、妙高……」
沈黙が数秒、流れたでち。そして。
「……勝者、ゴーヤ!!おめでとうだぜひゃっはー!!!」
叫ぼうと思ったけど、言葉が出ないでち。何か次から次へと色んなものが溢れてきて、よく分からないでち。
気が付くと、ひざまづいて声なく泣いていたでち。トントン、と誰かが背中を叩いたでち。
「……て、てーとく?」
「よくやったな。……ありがとう」
てーとくの胸の中に飛び込もうとした時。
「「「ゴーヤ(ちゃん)おめでとう!!!」」」
舞台袖から潜水艦の皆、羽黒、そしてあきつ丸が駆け寄ってきたでち。あっという間にもみくちゃにされたでち。
混乱の中、扶桑は……意外にサバサバしてたでち。
「……負けた、わね……。一つ、訊いていい?私でなく、ゴーヤさんに入れた理由は」
「ひゃっはー!!すごいラーメンだったな〜。あたしも食べたかったぜ〜。さあここで結果発表だー!!おっと今紙が来たぜぇ〜」
緊張がゴーヤと扶桑の間に走ったでち。
「……っと、よく読めないな〜。おお、読めた読めた。じゃあ、いっくぜー!!
ジャッジ、プリンツ!扶桑!!」
どよめきと一部から歓声が上がったでち。……プリンツが扶桑を支持するのは、覚悟してたでち。問題は、残り二人でち。
「次行くぞ〜!ジャッジ、龍田!ゴーヤ!!」
思わずガッツポーズをしてしまったでち。でもまだ残ってるでち。……妙高がどう判断するか、でち。
場内にチャッ、チャッ、チャッ……と緊張感を煽る音楽が流れてきたでち。……早くしてほしいでち。
「最後の一人だぜー!ジャッジ、妙高……」
沈黙が数秒、流れたでち。そして。
「……勝者、ゴーヤ!!おめでとうだぜひゃっはー!!!」
叫ぼうと思ったけど、言葉が出ないでち。何か次から次へと色んなものが溢れてきて、よく分からないでち。
気が付くと、ひざまづいて声なく泣いていたでち。トントン、と誰かが背中を叩いたでち。
「……て、てーとく?」
「よくやったな。……ありがとう」
てーとくの胸の中に飛び込もうとした時。
「「「ゴーヤ(ちゃん)おめでとう!!!」」」
舞台袖から潜水艦の皆、羽黒、そしてあきつ丸が駆け寄ってきたでち。あっという間にもみくちゃにされたでち。
混乱の中、扶桑は……意外にサバサバしてたでち。
「……負けた、わね……。一つ、訊いていい?私でなく、ゴーヤさんに入れた理由は」
743:◆Try7rHwMFw:2018/10/10(水)21:40:14 :pzD
龍田が唇に人差し指を当てたでち。
「そうねー。甲乙つけがたかったんだけど、やっぱりゴルゴンゾーラの香りが少しキツかったかしら?後、ちょっとイベリコ豚のハムの風味と喧嘩してたかも」
「なるほど……あの店が生ハムを普通のものにしてたのには、それなりの理由があったわけね。妙高さんも同じ理由?」
妙高は首を静かに横に振ったでち。
「私はそこは気になりませんでした。ただ、決定的だったのは『配慮』」
「配慮、ですか?」
「ええ。スッポンスープを使ったのには、味以外にもちゃんとした理由があるんです。そうですよね、ゴーヤさん?」
ゴーヤは何とか立ち上がって、涙を拭いたでち。
「……でち。てーとくは海外からの出張帰りでち。多分、少し疲れてると見たでち。だから、元気になるラーメンをと思ったでち。
スッポンスープには強壮効果があるでち。それを踏まえて、使ったでち」
「……やはりですか」
静かに妙高が笑ったでち。扶桑は少し溜め息をついて、肩をすくめたでち。
「負けたわ。私は、ただ美味しいラーメンを作ることしか考えてなかった。提督のことまで、心が及んでなかったのね」
「ゴーヤもそれは同じだったでち。気付いたのは、本当に土壇場でち。それに気付かなかったら、負けてたでち」
ゴーヤは右手を差し出したでち。それを扶桑は、優しく、しっかりと握ったでち。
「いい勝負だったわ。ありがとう。提督を頼むわね」
割れんばかりの歓声が轟いたでち。ゴーヤはふと、妙高を見たでち。その目は、「提督をよろしくね」と言っているようだったでち。
「よーし、じゃあ引き続いて結婚祝いの大宴会だぁ〜!!皆のも……」
「ちょっと待った!!」
龍田が唇に人差し指を当てたでち。
「そうねー。甲乙つけがたかったんだけど、やっぱりゴルゴンゾーラの香りが少しキツかったかしら?後、ちょっとイベリコ豚のハムの風味と喧嘩してたかも」
「なるほど……あの店が生ハムを普通のものにしてたのには、それなりの理由があったわけね。妙高さんも同じ理由?」
妙高は首を静かに横に振ったでち。
「私はそこは気になりませんでした。ただ、決定的だったのは『配慮』」
「配慮、ですか?」
「ええ。スッポンスープを使ったのには、味以外にもちゃんとした理由があるんです。そうですよね、ゴーヤさん?」
ゴーヤは何とか立ち上がって、涙を拭いたでち。
「……でち。てーとくは海外からの出張帰りでち。多分、少し疲れてると見たでち。だから、元気になるラーメンをと思ったでち。
スッポンスープには強壮効果があるでち。それを踏まえて、使ったでち」
「……やはりですか」
静かに妙高が笑ったでち。扶桑は少し溜め息をついて、肩をすくめたでち。
「負けたわ。私は、ただ美味しいラーメンを作ることしか考えてなかった。提督のことまで、心が及んでなかったのね」
「ゴーヤもそれは同じだったでち。気付いたのは、本当に土壇場でち。それに気付かなかったら、負けてたでち」
ゴーヤは右手を差し出したでち。それを扶桑は、優しく、しっかりと握ったでち。
「いい勝負だったわ。ありがとう。提督を頼むわね」
割れんばかりの歓声が轟いたでち。ゴーヤはふと、妙高を見たでち。その目は、「提督をよろしくね」と言っているようだったでち。
「よーし、じゃあ引き続いて結婚祝いの大宴会だぁ〜!!皆のも……」
「ちょっと待った!!」
744:◆Try7rHwMFw:2018/10/10(水)21:52:28 :pzD
入口から、誰かが扉をバァーンと開けてやってきたでち。そこにいたのは、割烹着姿の……
「「「磯風???」」」
外の光を後ろに、磯風が盛大などや顔をしているでち。その後ろには……巨大な寸胴??
何かがヤバイでち。ものすごーくヤバイでち。
「ゴーヤよ、勝利おめでとう。勝てたのは、この磯風のおかげであるのは否定しまいな?」
「……でち」
満足そうに「そうだろう、そうだろう」と頷いてるでち。場内の皆は、既に顔が引きつってるでち。
「おいゴーヤ、あの磯風に何をしてもらった?」
「ラーメン屋に連れていってもらっただけでち。確かに磯風のおかげで勝てたけど……あれはヤバイでち」
てーとくも震えてるでち。頭の中で警報が最大に鳴ってるでち。
「そういうわけで、この磯風が至上のラーメンを作ってやった!皆、感謝しろ!旨いぞ!!……多分」
「多分じゃねーでち!!真面目に答えるでち!」
「な、何を言う!磯風は大真面目だ!!ほら、これが磯風特製ラーメンだ!!」
磯風はおもむろに麺の入った丼を取り出すと、そこにスープを注いだでち……スープがどす黒いでち。
「こ、これを食う、でちか……?」
「勿論だ!ほら、司令も、扶桑もだ。皆に用意してあるが、まずは主役からだ。ほら、食べてくれ」
…………
入口から、誰かが扉をバァーンと開けてやってきたでち。そこにいたのは、割烹着姿の……
「「「磯風???」」」
外の光を後ろに、磯風が盛大などや顔をしているでち。その後ろには……巨大な寸胴??
何かがヤバイでち。ものすごーくヤバイでち。
「ゴーヤよ、勝利おめでとう。勝てたのは、この磯風のおかげであるのは否定しまいな?」
「……でち」
満足そうに「そうだろう、そうだろう」と頷いてるでち。場内の皆は、既に顔が引きつってるでち。
「おいゴーヤ、あの磯風に何をしてもらった?」
「ラーメン屋に連れていってもらっただけでち。確かに磯風のおかげで勝てたけど……あれはヤバイでち」
てーとくも震えてるでち。頭の中で警報が最大に鳴ってるでち。
「そういうわけで、この磯風が至上のラーメンを作ってやった!皆、感謝しろ!旨いぞ!!……多分」
「多分じゃねーでち!!真面目に答えるでち!」
「な、何を言う!磯風は大真面目だ!!ほら、これが磯風特製ラーメンだ!!」
磯風はおもむろに麺の入った丼を取り出すと、そこにスープを注いだでち……スープがどす黒いでち。
「こ、これを食う、でちか……?」
「勿論だ!ほら、司令も、扶桑もだ。皆に用意してあるが、まずは主役からだ。ほら、食べてくれ」
…………
745:◆Try7rHwMFw:2018/10/10(水)21:55:19 :pzD
※磯風のラーメンは……
00〜80 駆逐イ級を使った特製ラーメン
81〜90 通常食材を使ったラーメンのよう生臭い何か
91〜95 悪魔のなりそこない
96〜99 大悪魔ラーメン
100 スペシャル
※コンマ下3、!random
※磯風のラーメンは……
00〜80 駆逐イ級を使った特製ラーメン
81〜90 通常食材を使ったラーメンのよう生臭い何か
91〜95 悪魔のなりそこない
96〜99 大悪魔ラーメン
100 スペシャル
※コンマ下3、!random
748:【9】:2018/10/10(水)21:59:47 :ddi
はい
750:◆Try7rHwMFw:2018/10/10(水)22:09:03 :pzD
スープをすくって、一口飲んだでち。
…………
……
????!!??!!??
あまりのショックに、そこから先の記憶は飛んでるでち。
後で運よく逃げ切った雪風とシュエフェンから聞いたら、あれは駆逐イ級で出汁をとった特製ラーメンだったそうでち。
ほぼ全員が昏倒する中、磯風は「あれ、間違ってしまったかな……」と首をかしげて立ち尽くしていたそうでち。やっぱりあいつは料理に手を出してはいけない人種だったでち。
その後、比叡ら一部が磯風のラーメンの信者になったらしいけど、それはまた別の話でち……
スープをすくって、一口飲んだでち。
…………
……
????!!??!!??
あまりのショックに、そこから先の記憶は飛んでるでち。
後で運よく逃げ切った雪風とシュエフェンから聞いたら、あれは駆逐イ級で出汁をとった特製ラーメンだったそうでち。
ほぼ全員が昏倒する中、磯風は「あれ、間違ってしまったかな……」と首をかしげて立ち尽くしていたそうでち。やっぱりあいつは料理に手を出してはいけない人種だったでち。
その後、比叡ら一部が磯風のラーメンの信者になったらしいけど、それはまた別の話でち……
751:◆Try7rHwMFw:2018/10/10(水)22:10:14 :pzD
第8話はこれで終了です。次かその次で最終話とします。
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森きのこ
がしました
森きのこ
がしました