917:◆Try7rHwMFw:2018/10/19(金)09:56:51 :VJ0
「ここが沖縄でちかー」
那覇空港から出ると、ゴーヤがうーんと背伸びをした。
真冬だがそれなりに陽射しは強い。とはいえ肌寒さもあるから、半袖じゃ無理だな。
「ボーッとしてるとレンタカー屋のバスに乗り遅れるぞ?ほれ、荷物は俺が持つから」
「あー、ごめんでち。というかゆいレール乗らないんでちね」
「那覇だけに行くならいいんだがな。今回は式場の下見だ。車じゃないと恩納村にすら行けん」
「そんなもんでちかねえ」
大規模作戦が終わると、うちの鎮守府は数日のオフになる。冬の作戦後のオフを使って、GWにやる結婚式の式場選び……という名目の婚前旅行をしてるわけだ。
とはいえ、結構な強行軍でもある。恩納村で2ヵ所、名護、国頭村と4ヵ所も行かないといけない。那覇も含めれば5ヵ所だ。
あまりのんべんだらりと観光を楽しんでいる余裕なぞないのである。
「そんなもんでち。……那覇で『全鎮守府 那珂ちゃんNO.1決定戦』やるのか。うちのも出てるんかねえ」
「そこのポスターでちか。うちの那珂は、まあないんじゃないでちかねえ。腕っぷしならともかく」
「まあ普通に対潜任務やらせてるしな。上二人が剣道、合気道で元国体少年の部優勝だったっけか」
「でちでち。那珂は柔道だったでちね。一家で武道やってて、しかも全員艦娘というのもレアでち」
俺たちはバスに乗り込んだ。姉妹艦が実の姉妹であることは、他の鎮守府でも割と多い。
うちも千歳と千代田、翔鶴と瑞鶴とかはそうだ。妙高型は、妙高だけ違って後が3姉妹という変わった感じだが。
とはいえ、球磨型や長良型のように全く関係がない連中もいる。川内型は、典型的な前者だ。
「ここが沖縄でちかー」
那覇空港から出ると、ゴーヤがうーんと背伸びをした。
真冬だがそれなりに陽射しは強い。とはいえ肌寒さもあるから、半袖じゃ無理だな。
「ボーッとしてるとレンタカー屋のバスに乗り遅れるぞ?ほれ、荷物は俺が持つから」
「あー、ごめんでち。というかゆいレール乗らないんでちね」
「那覇だけに行くならいいんだがな。今回は式場の下見だ。車じゃないと恩納村にすら行けん」
「そんなもんでちかねえ」
大規模作戦が終わると、うちの鎮守府は数日のオフになる。冬の作戦後のオフを使って、GWにやる結婚式の式場選び……という名目の婚前旅行をしてるわけだ。
とはいえ、結構な強行軍でもある。恩納村で2ヵ所、名護、国頭村と4ヵ所も行かないといけない。那覇も含めれば5ヵ所だ。
あまりのんべんだらりと観光を楽しんでいる余裕なぞないのである。
「そんなもんでち。……那覇で『全鎮守府 那珂ちゃんNO.1決定戦』やるのか。うちのも出てるんかねえ」
「そこのポスターでちか。うちの那珂は、まあないんじゃないでちかねえ。腕っぷしならともかく」
「まあ普通に対潜任務やらせてるしな。上二人が剣道、合気道で元国体少年の部優勝だったっけか」
「でちでち。那珂は柔道だったでちね。一家で武道やってて、しかも全員艦娘というのもレアでち」
俺たちはバスに乗り込んだ。姉妹艦が実の姉妹であることは、他の鎮守府でも割と多い。
うちも千歳と千代田、翔鶴と瑞鶴とかはそうだ。妙高型は、妙高だけ違って後が3姉妹という変わった感じだが。
とはいえ、球磨型や長良型のように全く関係がない連中もいる。川内型は、典型的な前者だ。
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918:◆Try7rHwMFw:2018/10/19(金)10:04:41 :VJ0
#
レンタカー屋に着くと、そこそこ混んでいた。シーズンオフだけに少ないかと思ったが、格安で沖縄旅行ができるためか、はたまた中国辺りからの客が増えたからか、結構な賑わいだ。
「ちょっと待つみたいだな。腹減ってきたな……」
「でち。さっくりと食べたいでちね。沖縄そばとか」
「沖縄そばか……ふむ」
沖縄に来たのは初めてではない。翔香とは石垣島に行ったこともある。ただ、本島をガッツリ回るのは今回が初めてだ。
ちょっとスマホで調べてみるとするかな……
※コンマ下、!randomで
00〜30 通常進行
31〜70 あれっ、提督じゃん!
71〜95 あれ、提督?
96〜100 何やら人だかりができている……
#
レンタカー屋に着くと、そこそこ混んでいた。シーズンオフだけに少ないかと思ったが、格安で沖縄旅行ができるためか、はたまた中国辺りからの客が増えたからか、結構な賑わいだ。
「ちょっと待つみたいだな。腹減ってきたな……」
「でち。さっくりと食べたいでちね。沖縄そばとか」
「沖縄そばか……ふむ」
沖縄に来たのは初めてではない。翔香とは石垣島に行ったこともある。ただ、本島をガッツリ回るのは今回が初めてだ。
ちょっとスマホで調べてみるとするかな……
※コンマ下、!randomで
00〜30 通常進行
31〜70 あれっ、提督じゃん!
71〜95 あれ、提督?
96〜100 何やら人だかりができている……
919:【53】:2018/10/19(金)10:10:12 :osq
ちょー
920:◆Try7rHwMFw:2018/10/19(金)12:46:37 :VJ0
「あれっ、提督じゃん?ちぃーっす!」
後ろから声をかけられた。このテンションは……。
「……鈴谷か?奇遇だな」
「だねー。ゴーヤちゃんも一緒なんだ?ってことはもしかしてアレ?結婚式の下見??」
「御名答。そっちは……」
俺は鈴谷の後ろの男を見た。
00 ?????
01〜35 全然知らない一般人(チャラめの大学生)
36〜50 憲兵
51〜80 整備長
81〜100 別鎮守府の提督
※コンマ下、!random
「あれっ、提督じゃん?ちぃーっす!」
後ろから声をかけられた。このテンションは……。
「……鈴谷か?奇遇だな」
「だねー。ゴーヤちゃんも一緒なんだ?ってことはもしかしてアレ?結婚式の下見??」
「御名答。そっちは……」
俺は鈴谷の後ろの男を見た。
00 ?????
01〜35 全然知らない一般人(チャラめの大学生)
36〜50 憲兵
51〜80 整備長
81〜100 別鎮守府の提督
※コンマ下、!random
921:【90】:2018/10/19(金)12:53:54 :ucg
はい
924:◆Try7rHwMFw:2018/10/19(金)20:08:35 :VJ0
「君はどこかで見たことが……呉の鳴門大尉だったな」
ラフな格好をしているが、あの巨躯に糸目は間違えようがない。鳴門は俺に気付くや否やビッと直立不動になり、敬礼した。
「はっ!小泉中佐殿、お初にお目にかかりますっ!!」
「あーあー、そんな畏まらんでいいわ。その様子だと、うちの鈴谷と」
「はっ!交際させていただいており……あだっ」
鈴谷がジャンプして、鳴門の頭をはたいた。
「堅すぎ。うちの提督はそんなキャラじゃないしー。なるちゃんはもっと頭柔らかく生きようよ、ねぇ」
「む、むむぅ……」
困惑した様子で鳴門が叩かれた頭を撫でた。しかし、妙な取り合わせだな。
「鳴門大尉、聞いたことあるでちね。確か、呉第5鎮守府の。演習でやったこともあるでち」
「そそ、若い割に優秀って評判の。しっかし、どうやって付き合ったんだ?別に邪魔をするつもりじゃねえが」
へへーっと鈴谷がデレッとした笑いを浮かべた。
「実は鈴谷、なるちゃんとは幼馴染みなんだー。いいっしょ」
「幼馴染みって、ちょい歳離れてないか?近所のお兄さん的な?」
「そーだよ。数年会ってなかったけど、演習で再開してさ〜。で、燃え上がっちゃったわけ。ねー、なるちゃん」
強面の鳴門が顔を真っ赤にして「むむむ……」と唸っている。こりゃ押しに負けたな。
それにしても、ちゃん付けがこれほど似合わない奴もそうおらんな。鎮守府では厳格な提督で通っていると聞いたから、もしこのことが彼の鎮守府に知れたらちょっとした騒動だろう。
「で、長期休暇を使って沖縄か。沖縄は詳しいのか?」
「もち!なるちゃんのお母さんが沖縄の人でさ、それでナビはなるちゃんに任せよっかなって思ってるわけ。どうよ」
俺はゴーヤと顔を見合わせた。
「君はどこかで見たことが……呉の鳴門大尉だったな」
ラフな格好をしているが、あの巨躯に糸目は間違えようがない。鳴門は俺に気付くや否やビッと直立不動になり、敬礼した。
「はっ!小泉中佐殿、お初にお目にかかりますっ!!」
「あーあー、そんな畏まらんでいいわ。その様子だと、うちの鈴谷と」
「はっ!交際させていただいており……あだっ」
鈴谷がジャンプして、鳴門の頭をはたいた。
「堅すぎ。うちの提督はそんなキャラじゃないしー。なるちゃんはもっと頭柔らかく生きようよ、ねぇ」
「む、むむぅ……」
困惑した様子で鳴門が叩かれた頭を撫でた。しかし、妙な取り合わせだな。
「鳴門大尉、聞いたことあるでちね。確か、呉第5鎮守府の。演習でやったこともあるでち」
「そそ、若い割に優秀って評判の。しっかし、どうやって付き合ったんだ?別に邪魔をするつもりじゃねえが」
へへーっと鈴谷がデレッとした笑いを浮かべた。
「実は鈴谷、なるちゃんとは幼馴染みなんだー。いいっしょ」
「幼馴染みって、ちょい歳離れてないか?近所のお兄さん的な?」
「そーだよ。数年会ってなかったけど、演習で再開してさ〜。で、燃え上がっちゃったわけ。ねー、なるちゃん」
強面の鳴門が顔を真っ赤にして「むむむ……」と唸っている。こりゃ押しに負けたな。
それにしても、ちゃん付けがこれほど似合わない奴もそうおらんな。鎮守府では厳格な提督で通っていると聞いたから、もしこのことが彼の鎮守府に知れたらちょっとした騒動だろう。
「で、長期休暇を使って沖縄か。沖縄は詳しいのか?」
「もち!なるちゃんのお母さんが沖縄の人でさ、それでナビはなるちゃんに任せよっかなって思ってるわけ。どうよ」
俺はゴーヤと顔を見合わせた。
925:◆Try7rHwMFw:2018/10/19(金)20:12:34 :VJ0
「てーとく、鳴門大尉に訊けば、美味しいとこ知ってるかもでち」
「ふむ、そうだな……。鈴谷、これからどこに行くつもりだ?」
1 とりあえず那覇かなー。
2 恩納村だよー。
3 名護から美ら海だよー。
※安価下5多数決
「てーとく、鳴門大尉に訊けば、美味しいとこ知ってるかもでち」
「ふむ、そうだな……。鈴谷、これからどこに行くつもりだ?」
1 とりあえず那覇かなー。
2 恩納村だよー。
3 名護から美ら海だよー。
※安価下5多数決
926:【19】:2018/10/19(金)20:13:54 :LZV
2
927:【31】:2018/10/19(金)20:18:29 :TGm
3で
928:【68】:2018/10/19(金)20:19:44 :Mfp
3
929:【77】:2018/10/19(金)20:19:45 :AnZ
2
930:名無しさん@おーぷん:2018/10/19(金)20:20:22 :ucg
3
931:◆Try7rHwMFw:2018/10/19(金)20:33:16 :VJ0
「名護から美ら海だよー。途中どっかで食べよっかなって」
うーん、全く土地勘がない。
「すまん、行く途中に旨い沖縄そばの店はあるか?一応、一泊目は名護なんで元々美ら海行きは考えてたんだが」
「なるちゃん、知ってる?」
ふむ、と鳴門が腕を組んだ。
「美ら海から少し離れますが『きしもと食堂八重岳店』が良いかと。観光客も多いですが、地元客も多いですよ」
「さっすがなるちゃん!!じゃ、今からいこ?」
「……むぅ、小泉中佐の邪魔をするのもな……」
「いいじゃんいいじゃん!賑やかな方が楽しいっしょ!あ、名前呼ばれたよ?」
また後でねーと鈴谷が一旦去っていった。
「何か妙なことになったでちね。どうするでち?」
「んー、まあダブルデートってことでいいだろ。さすがに式場の下見にはついてこないだろうし」
「うーん、そうだといいんでちけどねえ……」
「名護から美ら海だよー。途中どっかで食べよっかなって」
うーん、全く土地勘がない。
「すまん、行く途中に旨い沖縄そばの店はあるか?一応、一泊目は名護なんで元々美ら海行きは考えてたんだが」
「なるちゃん、知ってる?」
ふむ、と鳴門が腕を組んだ。
「美ら海から少し離れますが『きしもと食堂八重岳店』が良いかと。観光客も多いですが、地元客も多いですよ」
「さっすがなるちゃん!!じゃ、今からいこ?」
「……むぅ、小泉中佐の邪魔をするのもな……」
「いいじゃんいいじゃん!賑やかな方が楽しいっしょ!あ、名前呼ばれたよ?」
また後でねーと鈴谷が一旦去っていった。
「何か妙なことになったでちね。どうするでち?」
「んー、まあダブルデートってことでいいだろ。さすがに式場の下見にはついてこないだろうし」
「うーん、そうだといいんでちけどねえ……」
932:◆Try7rHwMFw:2018/10/19(金)20:33:57 :VJ0
第11.1話 きしもと食堂八重岳店
第11.1話 きしもと食堂八重岳店
933:◆Try7rHwMFw:2018/10/19(金)20:36:53 :VJ0
ちょっと休憩。こんな感じで行き先でお店を変えます。
残り候補は那覇で2店、名護→国頭で1店の予定になります(全て回るかは不明)。
残り候補は那覇で2店、名護→国頭で1店の予定になります(全て回るかは不明)。
938:◆C9vIqtyVF2:2018/10/20(土)15:21:52 :Ybb
#
借りたレンタカーはホンダのシビックだった。本来はフィットだったんだが、オフシーズンということで無料アップグレードしてくれたらしい。
前に鈴谷たちの車を見ながら、一路名護へと走らせる。降りたら直接美ら海に行くのではなく、一度逆方面に向かうのだという。そこに、目当ての店があるというわけだ。
「てーとく、沖縄そばってラーメンとは違うんでち?」
「俺も詳しくはないが、結構違うぞ。まず麺は中華麺のようで中華麺じゃない。うどんに近いな。
中華麺のように鹹水を使うとこもあるらしいが、基本は薪を燃やした後の灰汁を使う」
「灰汁でちか?それで何か変わるんでちかね?」
俺はうーんと唸った。
「うーん、俺にはよく分からん。むしろ茹でた後に油をまぶして、水で締めない方に特徴があるかもな。だからかしらんが、食感が大分違う。ボソボソっとした感じになるわけだな。
あとスープ。基本は豚と鰹節だが、やっぱ鰹が強い感じがあるな。ラーメンとうどんの中間に位置する、という意味じゃ、大陸と日本の中間にあった琉球のDNAを引いてるのかもな。
まあ、沖縄そばの誕生は20世紀らしいから俺の邪推に過ぎないが」
「意外と歴史が浅い食べ物なんでちね」
「ラーメンだってそうだ。いわゆる『日式』ラーメンなんて、まだ誕生から70年ちょいでしかないからな」
いつの間にか高速は終点だ。カーナビによると、こっからが長いらしい。
#
借りたレンタカーはホンダのシビックだった。本来はフィットだったんだが、オフシーズンということで無料アップグレードしてくれたらしい。
前に鈴谷たちの車を見ながら、一路名護へと走らせる。降りたら直接美ら海に行くのではなく、一度逆方面に向かうのだという。そこに、目当ての店があるというわけだ。
「てーとく、沖縄そばってラーメンとは違うんでち?」
「俺も詳しくはないが、結構違うぞ。まず麺は中華麺のようで中華麺じゃない。うどんに近いな。
中華麺のように鹹水を使うとこもあるらしいが、基本は薪を燃やした後の灰汁を使う」
「灰汁でちか?それで何か変わるんでちかね?」
俺はうーんと唸った。
「うーん、俺にはよく分からん。むしろ茹でた後に油をまぶして、水で締めない方に特徴があるかもな。だからかしらんが、食感が大分違う。ボソボソっとした感じになるわけだな。
あとスープ。基本は豚と鰹節だが、やっぱ鰹が強い感じがあるな。ラーメンとうどんの中間に位置する、という意味じゃ、大陸と日本の中間にあった琉球のDNAを引いてるのかもな。
まあ、沖縄そばの誕生は20世紀らしいから俺の邪推に過ぎないが」
「意外と歴史が浅い食べ物なんでちね」
「ラーメンだってそうだ。いわゆる『日式』ラーメンなんて、まだ誕生から70年ちょいでしかないからな」
いつの間にか高速は終点だ。カーナビによると、こっからが長いらしい。
939:◆C9vIqtyVF2:2018/10/20(土)15:47:00 :Ybb
下道に降りると、前の鈴谷たちの車は海岸沿いではなく山に入るルートに入った。
家はまばらだが、どうも「森カフェ」というカフェがいくつかあるらしい。興味はあるが、今回の目的地はそこではない。
本格的に森の中に入るのか、と思ったところで鈴谷たちが県道沿いの店に入った。ここか。見た目は木造の食堂っぽいな。
「結構賑わってるでちね。並んではないみたいだけど」
駐車場に車を泊めると、鈴谷が手を振って待っていた。
「おーい、こっちこっち〜。なんかジモティーが行くみたいで、イケてるじゃん?」
「実際にそうだからな。本店は観光客向けのとこがあるが、こっちはそこまででもない。といっても、観光客はやっぱり多いが」
鳴門の言う通り、駐車場の車の半分は「わ」ナンバーだ。
「すまんな。で、何か注意事項はあるか?」
「必ず『大』以上で頼んでください。『特大』で大盛りなんで。『小』だとほんの少ししか出ません。後はお好みですが、看板の『岸本そば』が無難でしょう」
「どう違うんだ?」
「三枚肉2枚が乗ってます。後は蒲鉾。私は『ジューシィ』も付けますが」
ゴーヤが怪訝な顔をした。
「何でちかそれ」
「沖縄風炊き込みご飯、といったところですよ。さあ、入りましょうか」
店内はまさに大衆食堂らしい風情だ。中国人観光客もそこそこ多いな。やはり人気店ということか。一角には有名人のサインがずらっと飾られている。
鳴門にならい、俺たちも同じものを頼むことにした。券売機でまとめ買いができるのはあまり見ないが、なかなか面白いもんだ。
下道に降りると、前の鈴谷たちの車は海岸沿いではなく山に入るルートに入った。
家はまばらだが、どうも「森カフェ」というカフェがいくつかあるらしい。興味はあるが、今回の目的地はそこではない。
本格的に森の中に入るのか、と思ったところで鈴谷たちが県道沿いの店に入った。ここか。見た目は木造の食堂っぽいな。
「結構賑わってるでちね。並んではないみたいだけど」
駐車場に車を泊めると、鈴谷が手を振って待っていた。
「おーい、こっちこっち〜。なんかジモティーが行くみたいで、イケてるじゃん?」
「実際にそうだからな。本店は観光客向けのとこがあるが、こっちはそこまででもない。といっても、観光客はやっぱり多いが」
鳴門の言う通り、駐車場の車の半分は「わ」ナンバーだ。
「すまんな。で、何か注意事項はあるか?」
「必ず『大』以上で頼んでください。『特大』で大盛りなんで。『小』だとほんの少ししか出ません。後はお好みですが、看板の『岸本そば』が無難でしょう」
「どう違うんだ?」
「三枚肉2枚が乗ってます。後は蒲鉾。私は『ジューシィ』も付けますが」
ゴーヤが怪訝な顔をした。
「何でちかそれ」
「沖縄風炊き込みご飯、といったところですよ。さあ、入りましょうか」
店内はまさに大衆食堂らしい風情だ。中国人観光客もそこそこ多いな。やはり人気店ということか。一角には有名人のサインがずらっと飾られている。
鳴門にならい、俺たちも同じものを頼むことにした。券売機でまとめ買いができるのはあまり見ないが、なかなか面白いもんだ。
940:◆C9vIqtyVF2:2018/10/20(土)16:10:59 :Ybb
待つこと数分。鰹の香りが立ったスープが入った丼がやって来た。隣の茶碗には、茶色い炊き込みご飯に青ネギが乗っている。
鈴谷が目を輝かせてスマホを取り出した。
「これが本場の沖縄そばかー。美味しそうじゃん?あ、インスタ用に撮っとかないと」
「……写真に凝るのはいいが、麺が伸びるぞ」
「あー、なるちゃんゴメン。じゃ、食べよっか」
麺を上げるとうどんのような太麺だ。平打ちっぽいな。啜ると、思いの外歯応えがある。だが腰があるというよりは途中でぱっさりと切れ、それがスープに絡む感じだ。
「あ、なんか優しい味でちね。安心できるというか……鰹がしっかり効いてて、それを動物系のコクが支えてるというか。飽きが来ない感じでち」
「うんうん、それとこのお肉。しっかり味が染みてて、柔らかくっていいね〜。脂身も甘くてイケてる。さっすがなるちゃん!」
「褒めても何も出んぞ。まあ、ここは沖縄そばの最老舗だからな。創業110年以上らしい。安定感という点では、この店以上はそうないはずだ」
静かに鳴門が言う。沖縄そばの歴史がそこまで古いとはさすがにしらなんだ。
ジューシィを口にすると、こちらも色ほどには味が強くない。これをそばのスープで流し込むと、ちょうどいい案配だ。
大とはいえ、物の数分で全員が完飲してしまった。
「ん、旨かった。しかし特大でも良かったな」
「でち。これから色々やることあるでち。美ら海に行って、ホテルにチェックインして、下見して、ディナー食べて……たくさん食べた方が、体力的によかったかも」
「ま、しゃあない。じゃあ、美ら海に行くか」
待つこと数分。鰹の香りが立ったスープが入った丼がやって来た。隣の茶碗には、茶色い炊き込みご飯に青ネギが乗っている。
鈴谷が目を輝かせてスマホを取り出した。
「これが本場の沖縄そばかー。美味しそうじゃん?あ、インスタ用に撮っとかないと」
「……写真に凝るのはいいが、麺が伸びるぞ」
「あー、なるちゃんゴメン。じゃ、食べよっか」
麺を上げるとうどんのような太麺だ。平打ちっぽいな。啜ると、思いの外歯応えがある。だが腰があるというよりは途中でぱっさりと切れ、それがスープに絡む感じだ。
「あ、なんか優しい味でちね。安心できるというか……鰹がしっかり効いてて、それを動物系のコクが支えてるというか。飽きが来ない感じでち」
「うんうん、それとこのお肉。しっかり味が染みてて、柔らかくっていいね〜。脂身も甘くてイケてる。さっすがなるちゃん!」
「褒めても何も出んぞ。まあ、ここは沖縄そばの最老舗だからな。創業110年以上らしい。安定感という点では、この店以上はそうないはずだ」
静かに鳴門が言う。沖縄そばの歴史がそこまで古いとはさすがにしらなんだ。
ジューシィを口にすると、こちらも色ほどには味が強くない。これをそばのスープで流し込むと、ちょうどいい案配だ。
大とはいえ、物の数分で全員が完飲してしまった。
「ん、旨かった。しかし特大でも良かったな」
「でち。これから色々やることあるでち。美ら海に行って、ホテルにチェックインして、下見して、ディナー食べて……たくさん食べた方が、体力的によかったかも」
「ま、しゃあない。じゃあ、美ら海に行くか」
941:◆C9vIqtyVF2:2018/10/20(土)16:18:52 :Ybb
※コンマ下、!random
00 ?????
01〜60 通常進行
61〜85 鈴谷たちと同じホテル
86〜98 上&川内一行と同じホテル
99、100 過去登場キャラがいる(安価指定)
※コンマ下、!random
00 ?????
01〜60 通常進行
61〜85 鈴谷たちと同じホテル
86〜98 上&川内一行と同じホテル
99、100 過去登場キャラがいる(安価指定)
942:【56】:2018/10/20(土)16:30:50 :TXd
あ
947:◆C9vIqtyVF2:2018/10/20(土)21:49:22 :j9q
#
「なかなか楽しかったでちね。ジンベイザメ、おっきかったでち」
「だなあ。イルカショーはそれなりだったが、あのジンベイザメだけでも行った価値はあったわ。
お茶飲みながら目の前をジンベイザメが通過していくのは、迫力があったわ」
ゴーヤは満足そうだ。車は名護市街を抜け、恩納村方面に向かっている。
「しかし鈴谷たちも金持ってるなあ。マリオットに泊まるか……JKには過ぎたとこだろ」
「でもお金は鳴門大尉持ちでち?それなりにお金持ってるんじゃ……」
「提督業は実績主義だからな。まあ優秀ならそれなりに俸給は出る。
にしても結構奮発したと思うぞ?そんだけ本気ってことなのかもだが」
うーんとゴーヤが唸った。
「結婚まで考えてるんでちかね?鈴谷って、結構遊んでるイメージがあるでち」
「いやあ、ありゃ結構一途だぞ。普段は確かに遊んでるが、男は多分鳴門だけだな。
ちゃんと避妊しろと鳴門に言った時、真顔で『当然です』とか返されたしな。まあ、大丈夫だろ」
「そうなると、結構カップル多くなるんでちね。ゴーヤたちが言えた立場じゃないけど」
「そうさな。艦娘は兵器じゃなく、ただの女の子だという立場なら、それがむしろ自然なはずだ。
まあ妊娠・出産となるとまた考えなきゃいかんが。流行りの『働き方改革』って奴が必要になるかもな。
……っと着いたぞ。ここが今日のホテルだ」
「ザ・ブセナテラス」。沖縄を代表する高級リゾートだ。
「聞いたことあるでち。サミットもここで開かれたらしいでちね」
「そそ。とはいっても、ハイクラスの部屋じゃなきゃそこそこの値段で泊まれたりするんだがな」
ロビーでチェックインの手続きをしていると、ウェルカムドリンクが準備されていた。
結構濃いめのパイナップルジュース?……いや、ノンアルコールカクテルかな。
「ん?あれは何でち?」
#
「なかなか楽しかったでちね。ジンベイザメ、おっきかったでち」
「だなあ。イルカショーはそれなりだったが、あのジンベイザメだけでも行った価値はあったわ。
お茶飲みながら目の前をジンベイザメが通過していくのは、迫力があったわ」
ゴーヤは満足そうだ。車は名護市街を抜け、恩納村方面に向かっている。
「しかし鈴谷たちも金持ってるなあ。マリオットに泊まるか……JKには過ぎたとこだろ」
「でもお金は鳴門大尉持ちでち?それなりにお金持ってるんじゃ……」
「提督業は実績主義だからな。まあ優秀ならそれなりに俸給は出る。
にしても結構奮発したと思うぞ?そんだけ本気ってことなのかもだが」
うーんとゴーヤが唸った。
「結婚まで考えてるんでちかね?鈴谷って、結構遊んでるイメージがあるでち」
「いやあ、ありゃ結構一途だぞ。普段は確かに遊んでるが、男は多分鳴門だけだな。
ちゃんと避妊しろと鳴門に言った時、真顔で『当然です』とか返されたしな。まあ、大丈夫だろ」
「そうなると、結構カップル多くなるんでちね。ゴーヤたちが言えた立場じゃないけど」
「そうさな。艦娘は兵器じゃなく、ただの女の子だという立場なら、それがむしろ自然なはずだ。
まあ妊娠・出産となるとまた考えなきゃいかんが。流行りの『働き方改革』って奴が必要になるかもな。
……っと着いたぞ。ここが今日のホテルだ」
「ザ・ブセナテラス」。沖縄を代表する高級リゾートだ。
「聞いたことあるでち。サミットもここで開かれたらしいでちね」
「そそ。とはいっても、ハイクラスの部屋じゃなきゃそこそこの値段で泊まれたりするんだがな」
ロビーでチェックインの手続きをしていると、ウェルカムドリンクが準備されていた。
結構濃いめのパイナップルジュース?……いや、ノンアルコールカクテルかな。
「ん?あれは何でち?」
948:◆C9vIqtyVF2:2018/10/20(土)21:52:53 :j9q
ロビーを見ると、ウェディングドレスを着た女性が待っていた。荘厳な音楽が流れる。
「あー、こんな感じなのか……。うーん」
「ここってチャペルないんでち?」
「みたいだな。こうやってロビーの一角を使って人前式っぽい感じにするのか……。
人に見られるのをどう思うかだな。ゴーヤはどうよ」
「うーん、ちょっと遠慮したいでちね。豪華でお料理もお部屋も多分いいんだと思うけど……」
さっそくここは候補から外れてしまった。まあ、今日は高級リゾートの気分を楽しませてもらうか。
※コンマ下、!random
00 ?????
01〜20 通常進行
21〜90 あれっ、提督じゃん?
91〜100 過去登場艦娘再登場(再安価)
ロビーを見ると、ウェディングドレスを着た女性が待っていた。荘厳な音楽が流れる。
「あー、こんな感じなのか……。うーん」
「ここってチャペルないんでち?」
「みたいだな。こうやってロビーの一角を使って人前式っぽい感じにするのか……。
人に見られるのをどう思うかだな。ゴーヤはどうよ」
「うーん、ちょっと遠慮したいでちね。豪華でお料理もお部屋も多分いいんだと思うけど……」
さっそくここは候補から外れてしまった。まあ、今日は高級リゾートの気分を楽しませてもらうか。
※コンマ下、!random
00 ?????
01〜20 通常進行
21〜90 あれっ、提督じゃん?
91〜100 過去登場艦娘再登場(再安価)
949:【15】:2018/10/20(土)21:58:42 :UXG
はい
950:◆C9vIqtyVF2:2018/10/20(土)22:09:26 :j9q
#
その日は結局ごく普通に一夜を過ごした。晩飯の中華も、まあそれなりってとこだった。
隣の部屋との壁が少し薄いのか、ゴーヤの声を押し殺して致さなければいけなかったのが難だったが……まあ、それはそれで。
「で、今日はどうするんでち?」
チェックアウトを済ませ、車に乗る。まあ選択肢は色々あるが……。
1 恩納村に行くか。季節外れのシュノーケリングも悪くない
2 国頭村に行くか。秘境らしいぞ
3 一旦那覇に戻るか。軽く土産でも買おう
※安価下5多数決
#
その日は結局ごく普通に一夜を過ごした。晩飯の中華も、まあそれなりってとこだった。
隣の部屋との壁が少し薄いのか、ゴーヤの声を押し殺して致さなければいけなかったのが難だったが……まあ、それはそれで。
「で、今日はどうするんでち?」
チェックアウトを済ませ、車に乗る。まあ選択肢は色々あるが……。
1 恩納村に行くか。季節外れのシュノーケリングも悪くない
2 国頭村に行くか。秘境らしいぞ
3 一旦那覇に戻るか。軽く土産でも買おう
※安価下5多数決
951:名無しさん@おーぷん:2018/10/20(土)22:10:22 :DR6
2
952:名無しさん@おーぷん:2018/10/20(土)22:12:13 :h2R
2
953:【75】:2018/10/20(土)22:29:40 :TXd
2
956:◆C9vIqtyVF2:2018/10/20(土)22:49:47 :j9q
「国頭村に行くか。一応、下見予定のホテルあるし。あ、一応言うがコート羽織った方がいいらしいぞ?」
「えっ、沖縄でちよ?そりゃ、真冬だからちょっと寒いけど……」
「いや、鳴門から聞いたんだが『あそこは別』だって。辺戸岬までここからだと2時間弱ぐらいだが……昼飯どうすっかなあ」
「そんなにかかるんでちか?今が0900ちょっと前だから、確かにお昼ちょっと前になっちゃうでちね。
向こうで食べる所があればいいけど、何かなさそうな予感でち」
俺はエンジンをアイドリング状態にしたまま、少しスマホをいじってみた。
うーん、やっぱり秘境らしくそもそもの情報が乏しい。はてさて。
1 ホテルで下見ついでに食べよう。どうせ泊まるのは恩納村だし
2 超強行軍で沖縄そば食べるぞ、1400ぐらいになるが、まあ何とかなるだろ
※安価下3多数決
「国頭村に行くか。一応、下見予定のホテルあるし。あ、一応言うがコート羽織った方がいいらしいぞ?」
「えっ、沖縄でちよ?そりゃ、真冬だからちょっと寒いけど……」
「いや、鳴門から聞いたんだが『あそこは別』だって。辺戸岬までここからだと2時間弱ぐらいだが……昼飯どうすっかなあ」
「そんなにかかるんでちか?今が0900ちょっと前だから、確かにお昼ちょっと前になっちゃうでちね。
向こうで食べる所があればいいけど、何かなさそうな予感でち」
俺はエンジンをアイドリング状態にしたまま、少しスマホをいじってみた。
うーん、やっぱり秘境らしくそもそもの情報が乏しい。はてさて。
1 ホテルで下見ついでに食べよう。どうせ泊まるのは恩納村だし
2 超強行軍で沖縄そば食べるぞ、1400ぐらいになるが、まあ何とかなるだろ
※安価下3多数決
957:【60】:2018/10/20(土)22:59:07 :wo5
2
958:名無しさん@おーぷん:2018/10/20(土)23:01:49 :h2R
1
959:【10】:2018/10/20(土)23:02:49 :TXd
2
960:◆C9vIqtyVF2:2018/10/20(土)23:06:19 :j9q
第11.2話 なかやま家
第11.2話 なかやま家
964:◆C9vIqtyVF2:2018/10/21(日)09:53:36 :U0f
どうにも国頭村で飯というのはあまり現実的ではなさそうだ。
ドカ盛りの店がいくつかあるらしいが……そういう気分でもないしなあ。
となると、無難に沖縄そばか。ここからだと、一応行く途中から少しルートを逸れれば評判の所があるようだ。
だが、行くとすれば帰りか。……強行軍になるが、しゃあないな。
「帰りに沖縄そば食う感じでいいか?一応旨そうなのが見つかった。
ただ、1400ぐらいになっちまうかもしれないが……」
「いいでち。朝ビュッフェでたくさん食べたし」
「了解。まずホテルに行ってから様子を見て辺戸岬だな」
「辺戸岬?」
「沖縄最北端だそうだ。ほれ、こんな感じ」
スマホで写真を見せると、ゴーヤがへぇと声をあげた。
「何か、刑事ドラマの最後に出てきそうなとこでちね。犯人が罪を告白するみたいな」
「沖縄はこういうとこ結構あるけどな。万座毛とかもそんな感じらしいし」
「とりあえず行ってみるでち!」
どうにも国頭村で飯というのはあまり現実的ではなさそうだ。
ドカ盛りの店がいくつかあるらしいが……そういう気分でもないしなあ。
となると、無難に沖縄そばか。ここからだと、一応行く途中から少しルートを逸れれば評判の所があるようだ。
だが、行くとすれば帰りか。……強行軍になるが、しゃあないな。
「帰りに沖縄そば食う感じでいいか?一応旨そうなのが見つかった。
ただ、1400ぐらいになっちまうかもしれないが……」
「いいでち。朝ビュッフェでたくさん食べたし」
「了解。まずホテルに行ってから様子を見て辺戸岬だな」
「辺戸岬?」
「沖縄最北端だそうだ。ほれ、こんな感じ」
スマホで写真を見せると、ゴーヤがへぇと声をあげた。
「何か、刑事ドラマの最後に出てきそうなとこでちね。犯人が罪を告白するみたいな」
「沖縄はこういうとこ結構あるけどな。万座毛とかもそんな感じらしいし」
「とりあえず行ってみるでち!」
965:◆C9vIqtyVF2:2018/10/21(日)10:11:30 :U0f
#
ホテルまでの道のりはごく普通の感じだった。それにしても、車が少ないな。
確か沖縄本島北部は大体が米軍の演習地らしいから、あんま観光客もこないのかもしれないが。
ホテルは「オクマプライベートビーチ&リゾート」。ほぼ全室がコテージだから、客がゆっくりするにはいいと候補に入れたのだ。
チャペルもちゃんとあって、ビーチが近いらしい。
「……しかし、本当に寒いでちね」
ゴーヤは車から降りると急に震え出した。海からの風が本当に冷たい。
俺はコートを取り出し、ゴーヤに渡す。
「全くだな。鳴門の言う通りだったか」
俺たちは震えながらチャペル方面に向かった。見た目はいい感じだ。
チャペルから花道のようなものがあり、それはビーチへと続いている。その終わりの辺りに鐘がある。
クライマックスではこれを鳴らして愛を誓う、というわけだな。
問題は。
「さむっ!!」
「というか風強いでち!この海、日本海じゃないでちか??」
そう、風の直撃を受ける所に花道があったわけだ。もちろん、冬だからというのもあるが……天気次第では結構きついな。
「うーん、ちょっと予想外だな。天気が良ければいい感じなんだろうけどな」
※コンマ下、!randomが75以上で?
#
ホテルまでの道のりはごく普通の感じだった。それにしても、車が少ないな。
確か沖縄本島北部は大体が米軍の演習地らしいから、あんま観光客もこないのかもしれないが。
ホテルは「オクマプライベートビーチ&リゾート」。ほぼ全室がコテージだから、客がゆっくりするにはいいと候補に入れたのだ。
チャペルもちゃんとあって、ビーチが近いらしい。
「……しかし、本当に寒いでちね」
ゴーヤは車から降りると急に震え出した。海からの風が本当に冷たい。
俺はコートを取り出し、ゴーヤに渡す。
「全くだな。鳴門の言う通りだったか」
俺たちは震えながらチャペル方面に向かった。見た目はいい感じだ。
チャペルから花道のようなものがあり、それはビーチへと続いている。その終わりの辺りに鐘がある。
クライマックスではこれを鳴らして愛を誓う、というわけだな。
問題は。
「さむっ!!」
「というか風強いでち!この海、日本海じゃないでちか??」
そう、風の直撃を受ける所に花道があったわけだ。もちろん、冬だからというのもあるが……天気次第では結構きついな。
「うーん、ちょっと予想外だな。天気が良ければいい感じなんだろうけどな」
※コンマ下、!randomが75以上で?
966:【87】:2018/10/21(日)10:13:03 :yYI
ほ
967:◆C9vIqtyVF2:2018/10/21(日)10:15:13 :U0f
ふと横を見ると……ん??
どっかで見た奴が……
※コンマ下、!random
00〜65 川内たち
66〜95 鈴谷と鳴門
96〜100 安価再指定
ふと横を見ると……ん??
どっかで見た奴が……
※コンマ下、!random
00〜65 川内たち
66〜95 鈴谷と鳴門
96〜100 安価再指定
968:【29】:2018/10/21(日)10:16:27 :8KM
高く
969:◆C9vIqtyVF2:2018/10/21(日)10:43:05 :U0f
「へっくち!!何で那珂ちゃんがこんなことに……」
「ここ沖縄じゃないのぉ?完璧に北国じゃん……」
あそこにいるのは川内と那珂だな。沖縄に来てるとは聞いてたが、那覇にいるんじゃないのか?
そもそも何で空手着を着てるんだか。
「姉さんに那珂ちゃん、ホットコーヒー持ってきましたよ。……あら、提督??」
神通が俺たちに気付いたようだ。やっぱり空手着だ。俺は軽く手を振る。
「奇遇だな。しかし、何でこんなとこに?しかもこんな格好で」
「『全鎮守府 那珂ちゃんNO.1決定戦』はご存知でしょう?その前の修行地として、ここを」
「修行ってなんだよ修行って。やるのは歌と踊りだろ?戦闘能力も確かに問われるらしいが……」
神通がむっとした表情になる。
「艦娘にとって重要なのは、何より戦闘能力です。それを磨くことに、何か問題が?」
「だからと言って沖縄に来てまでやる必要は……」
「沖縄でなければならないのです!空手は琉球王国の『ティー』が発祥。
であるならば、本場の技を知ることこそ強くなる秘訣なのです」
ゴーヤが呆れたように首を振った。
「相変わらずの戦闘狂でち。そもそも合気道メインの神通が、何で空手を……」
「合気も空手の影響を受けてますからね。ほら、2人とも稽古に戻りますよ?
ここはトレーニング施設も充実してますからね、行きますよ?」
「やだぁ〜!もっと歌の練習したい〜!」
「てか何で私まで??神通、休憩しようよー」
2人を引きずろうとする神通から、「ぐぅ〜」という音が聞こえた。
「む、少しお腹がすきましたね。じゃあ次の組手で休憩としましょうか。
お昼はプロテインバーと鶏のささ身ですよ」
「いやいや、やり過ぎだろ……そんなもん食わされてたらストレス溜まってしょうがなくね?
ちょっと昼には早いが、俺がどっか連れてってやろうか」
「へっくち!!何で那珂ちゃんがこんなことに……」
「ここ沖縄じゃないのぉ?完璧に北国じゃん……」
あそこにいるのは川内と那珂だな。沖縄に来てるとは聞いてたが、那覇にいるんじゃないのか?
そもそも何で空手着を着てるんだか。
「姉さんに那珂ちゃん、ホットコーヒー持ってきましたよ。……あら、提督??」
神通が俺たちに気付いたようだ。やっぱり空手着だ。俺は軽く手を振る。
「奇遇だな。しかし、何でこんなとこに?しかもこんな格好で」
「『全鎮守府 那珂ちゃんNO.1決定戦』はご存知でしょう?その前の修行地として、ここを」
「修行ってなんだよ修行って。やるのは歌と踊りだろ?戦闘能力も確かに問われるらしいが……」
神通がむっとした表情になる。
「艦娘にとって重要なのは、何より戦闘能力です。それを磨くことに、何か問題が?」
「だからと言って沖縄に来てまでやる必要は……」
「沖縄でなければならないのです!空手は琉球王国の『ティー』が発祥。
であるならば、本場の技を知ることこそ強くなる秘訣なのです」
ゴーヤが呆れたように首を振った。
「相変わらずの戦闘狂でち。そもそも合気道メインの神通が、何で空手を……」
「合気も空手の影響を受けてますからね。ほら、2人とも稽古に戻りますよ?
ここはトレーニング施設も充実してますからね、行きますよ?」
「やだぁ〜!もっと歌の練習したい〜!」
「てか何で私まで??神通、休憩しようよー」
2人を引きずろうとする神通から、「ぐぅ〜」という音が聞こえた。
「む、少しお腹がすきましたね。じゃあ次の組手で休憩としましょうか。
お昼はプロテインバーと鶏のささ身ですよ」
「いやいや、やり過ぎだろ……そんなもん食わされてたらストレス溜まってしょうがなくね?
ちょっと昼には早いが、俺がどっか連れてってやろうか」
973:◆C9vIqtyVF2:2018/10/21(日)22:55:13 :h9U
神通がぽかんとした表情になった。
「提督が、ですか?ゴーヤさんと一緒ってことは、婚前旅行とお見受けしましたけど、お邪魔では?」
「だそうだが、ゴーヤはどうだ?」
「うーん、てーとくと二人の時間はまだ取れるでち。それより、川内と那珂がかわいそうでち。神通もやせ我慢しなくていいでち」
「……だそうだ。これから沖縄そば食いに行くがどうよ?」
神通は「沖縄そばですか……」と一瞬顔を緩めた後で、ブンブンと頭を振った。
「ダメですダメです!!炭水化物は敵です!せっかくの申し出ですが……」
そこに川内と那珂がダッシュでやって来た。尻尾があれば全力で振ってそうな感じだ。
「なになに沖縄そば!?食べたい食べたい!!」
「那珂ちゃんもお腹ペコペコ〜。ちゃんとしたご飯食べたいよ〜」
「と申しているが?ストレス解消のために適度に旨いものを食うのが、アスリートのパフォーマンスを上げるとの統計もある。ストイックなのはいいが、やりすぎは良くないってことだな」
むむう……と神通が唸った。
「じゃ、じゃあ今回だけですよ」
#
車は一旦来た道を逆走する。名護の手前でパイナップル園に向かう方向にハンドルを切る。
確か道沿いに……あったあった。
「なかやま家、でちか?家系みたいでちね」
「さすがに沖縄まで来て家系はねーよ。さ、降りるぞ」
ぱっと見はドライブインのようだが……さてさて。
神通がぽかんとした表情になった。
「提督が、ですか?ゴーヤさんと一緒ってことは、婚前旅行とお見受けしましたけど、お邪魔では?」
「だそうだが、ゴーヤはどうだ?」
「うーん、てーとくと二人の時間はまだ取れるでち。それより、川内と那珂がかわいそうでち。神通もやせ我慢しなくていいでち」
「……だそうだ。これから沖縄そば食いに行くがどうよ?」
神通は「沖縄そばですか……」と一瞬顔を緩めた後で、ブンブンと頭を振った。
「ダメですダメです!!炭水化物は敵です!せっかくの申し出ですが……」
そこに川内と那珂がダッシュでやって来た。尻尾があれば全力で振ってそうな感じだ。
「なになに沖縄そば!?食べたい食べたい!!」
「那珂ちゃんもお腹ペコペコ〜。ちゃんとしたご飯食べたいよ〜」
「と申しているが?ストレス解消のために適度に旨いものを食うのが、アスリートのパフォーマンスを上げるとの統計もある。ストイックなのはいいが、やりすぎは良くないってことだな」
むむう……と神通が唸った。
「じゃ、じゃあ今回だけですよ」
#
車は一旦来た道を逆走する。名護の手前でパイナップル園に向かう方向にハンドルを切る。
確か道沿いに……あったあった。
「なかやま家、でちか?家系みたいでちね」
「さすがに沖縄まで来て家系はねーよ。さ、降りるぞ」
ぱっと見はドライブインのようだが……さてさて。
974:◆C9vIqtyVF2:2018/10/21(日)23:16:35 :h9U
「えー、ここで大丈夫なの〜?那珂ちゃん、ちょっと心配……」
「うーん、私もピンと来ないなあ。ロゴが何か不自然に新しくなってるし……」
「姉さんも那珂ちゃんも失礼なことは言わないでください。でも提督、ここでいいんですか?」
結局神通も不安なのかよという突っ込みを飲み込んで、俺はスマホを見た。正しいらしい。ゴーヤが店内を覗き込んだ。
「お店、広いけど人多いでち。地元のおじいさんおばあさんが多目でちよ」
「あー、じゃあ外れはないな。行くぞ」
「外れはないってどうしてわかんの?」
川内が不思議そうに訊いてきた。
「長年の勘だよ。旨いかどうかは、大体店構えを見りゃ分かる。そういうもんだ。
ここの場合、妙に新しい店のロゴはいかにも観光客向けっぽくて怪しいが、地元民が多いって辺りで安心はした。
あとこれだけ大きめな箱にほぼ満員なら、人気はそれなりのもんだ。だからこういうとこは、大体外れんのだ」
「へえ、さすが提督だなあ。ラーメンオタクだけあるなあ」
「当たってるかは知らんぞ。そら、入った入った」
テーブルにつくとメニューを渡された。なかやま家セットというのが、ジューシィもつくからお得らしい。
それとどうやら、ここは自家製麺であるという。どんな麺なんだろうか。
「えー、ここで大丈夫なの〜?那珂ちゃん、ちょっと心配……」
「うーん、私もピンと来ないなあ。ロゴが何か不自然に新しくなってるし……」
「姉さんも那珂ちゃんも失礼なことは言わないでください。でも提督、ここでいいんですか?」
結局神通も不安なのかよという突っ込みを飲み込んで、俺はスマホを見た。正しいらしい。ゴーヤが店内を覗き込んだ。
「お店、広いけど人多いでち。地元のおじいさんおばあさんが多目でちよ」
「あー、じゃあ外れはないな。行くぞ」
「外れはないってどうしてわかんの?」
川内が不思議そうに訊いてきた。
「長年の勘だよ。旨いかどうかは、大体店構えを見りゃ分かる。そういうもんだ。
ここの場合、妙に新しい店のロゴはいかにも観光客向けっぽくて怪しいが、地元民が多いって辺りで安心はした。
あとこれだけ大きめな箱にほぼ満員なら、人気はそれなりのもんだ。だからこういうとこは、大体外れんのだ」
「へえ、さすが提督だなあ。ラーメンオタクだけあるなあ」
「当たってるかは知らんぞ。そら、入った入った」
テーブルにつくとメニューを渡された。なかやま家セットというのが、ジューシィもつくからお得らしい。
それとどうやら、ここは自家製麺であるという。どんな麺なんだろうか。
977:◆C9vIqtyVF2:2018/10/22(月)20:25:14 :Sc1
#
店内はいかにも地元向け大衆食堂だ。隣のお婆ちゃんが、タッパーからおかずを食べている。そういうのもありなのか。
注文は「なかやま家セット」にした。ソーキに三枚肉のそばに、ジューシィがついているらしい。
「何か、ジューシィの色が薄いでちね。何ででちかね」
横のお婆ちゃんを見てゴーヤが呟いた。
「昨日のとはちょっと違うな。そもそも、沖縄そばって自家製麺もあるのか。出来合いとばかり思ってたが」
そう言っていると着丼した。肉はともかく、スープも透明に近い。ただ、香りはやはり鰹だ。
「ん〜、那珂ちゃんもう限界だよ〜。いただきまーす」
川内三姉妹が一気に啜り始めた。俺もそれにならう。
……ほー。
「うどんに近いなこれは。昆布も効いてる。きしもと食堂もあっさりした和風の味だったが、こっちはさらにあっさり寄りだ」
「あと、麺がしっかりしてるでち。おうどんほど腰はないけど、これはこれでいけるでちね」
ふっと前を見ると、川内が肉にかぶりついている。
「やったー!久々の豚肉だー!!これで夜戦できる体力がつくよー!」
「このソーキ、ですか?柔らかくて、ゼラチンたっぷりでいいですね。食べ過ぎないようにしないと……」
俺はジューシィに手をつける。こちらもあっさり風味だ。昆布の刻んだのが入ってるから、それもあるのかな。
何にせよ、あっさりして美味しく頂けた。
#
「ごちそうさまでち!なかなかのお味だったでち」
「うむ。神通、たまには悪くないだろう?」
「え、ええ……まあ、たまになら麺類もいいかもですね。たまには」
神通が少しバツの悪そうな顔をしている。
「ねえ神通。これでトレーニングも……」
「ダメです。息抜きは終了、本番は明日なんですよ?皆蹴散らして、うちの那珂ちゃん一番というのを見せつけるんで……」
那珂がいない。
#
店内はいかにも地元向け大衆食堂だ。隣のお婆ちゃんが、タッパーからおかずを食べている。そういうのもありなのか。
注文は「なかやま家セット」にした。ソーキに三枚肉のそばに、ジューシィがついているらしい。
「何か、ジューシィの色が薄いでちね。何ででちかね」
横のお婆ちゃんを見てゴーヤが呟いた。
「昨日のとはちょっと違うな。そもそも、沖縄そばって自家製麺もあるのか。出来合いとばかり思ってたが」
そう言っていると着丼した。肉はともかく、スープも透明に近い。ただ、香りはやはり鰹だ。
「ん〜、那珂ちゃんもう限界だよ〜。いただきまーす」
川内三姉妹が一気に啜り始めた。俺もそれにならう。
……ほー。
「うどんに近いなこれは。昆布も効いてる。きしもと食堂もあっさりした和風の味だったが、こっちはさらにあっさり寄りだ」
「あと、麺がしっかりしてるでち。おうどんほど腰はないけど、これはこれでいけるでちね」
ふっと前を見ると、川内が肉にかぶりついている。
「やったー!久々の豚肉だー!!これで夜戦できる体力がつくよー!」
「このソーキ、ですか?柔らかくて、ゼラチンたっぷりでいいですね。食べ過ぎないようにしないと……」
俺はジューシィに手をつける。こちらもあっさり風味だ。昆布の刻んだのが入ってるから、それもあるのかな。
何にせよ、あっさりして美味しく頂けた。
#
「ごちそうさまでち!なかなかのお味だったでち」
「うむ。神通、たまには悪くないだろう?」
「え、ええ……まあ、たまになら麺類もいいかもですね。たまには」
神通が少しバツの悪そうな顔をしている。
「ねえ神通。これでトレーニングも……」
「ダメです。息抜きは終了、本番は明日なんですよ?皆蹴散らして、うちの那珂ちゃん一番というのを見せつけるんで……」
那珂がいない。
978:◆C9vIqtyVF2:2018/10/22(月)20:27:04 :Sc1
※コンマ下、!random
00〜15 ?????
16〜70 逃げ出そうとしたら捕まった
71〜95 鈴谷ちゃーん
96〜100 マジでいない
※コンマ下、!random
00〜15 ?????
16〜70 逃げ出そうとしたら捕まった
71〜95 鈴谷ちゃーん
96〜100 マジでいない
979:【81】:2018/10/22(月)20:27:21 :kEf
あ
980:◆C9vIqtyVF2:2018/10/22(月)20:40:16 :Sc1
どこだ?と思って駐車場を見ると。
「鈴谷ちゃーん、助けて〜」
あそこにいるのは、那珂と鈴谷たちが乗っているプリウスだ。助手席の鈴谷が「げっ」と軽く引いている。
「おいおい、奇遇だな。まさかこんなところで会うとは」
「えっ、提督も一緒??何で那珂ちゃんと一緒なのさ」
那珂は俺を涙目で見ている。うん、嘘泣きだな。
「提督ー、神通ちゃんから逃がしてよぉ〜。もうお稽古嫌ぁ〜。うるうる」
「あざてえんだよお前は。しかし鈴谷たちは何でここに」
「名護パイナップルパークに寄った帰り。恩納村だとちょっとかかるから、なるちゃんセレクトでここにしたんだー」
うむ、と大仰に鳴門が頷く。
「じゃあ今来たところか。俺らは今から出るとこだが」
「あ、そっか」
※コンマ下、!random
00〜50 じゃあまただね〜
51〜90 うーん、神通に引きずられてる那珂ちゃん、どうするの?かわいそうじゃん
91〜100 せっかくだし、一緒に食べよ?楽しいじゃん
どこだ?と思って駐車場を見ると。
「鈴谷ちゃーん、助けて〜」
あそこにいるのは、那珂と鈴谷たちが乗っているプリウスだ。助手席の鈴谷が「げっ」と軽く引いている。
「おいおい、奇遇だな。まさかこんなところで会うとは」
「えっ、提督も一緒??何で那珂ちゃんと一緒なのさ」
那珂は俺を涙目で見ている。うん、嘘泣きだな。
「提督ー、神通ちゃんから逃がしてよぉ〜。もうお稽古嫌ぁ〜。うるうる」
「あざてえんだよお前は。しかし鈴谷たちは何でここに」
「名護パイナップルパークに寄った帰り。恩納村だとちょっとかかるから、なるちゃんセレクトでここにしたんだー」
うむ、と大仰に鳴門が頷く。
「じゃあ今来たところか。俺らは今から出るとこだが」
「あ、そっか」
※コンマ下、!random
00〜50 じゃあまただね〜
51〜90 うーん、神通に引きずられてる那珂ちゃん、どうするの?かわいそうじゃん
91〜100 せっかくだし、一緒に食べよ?楽しいじゃん
981:【42】:2018/10/22(月)20:44:49 :Qrd
はいな
982:◆C9vIqtyVF2:2018/10/22(月)20:53:03 :Sc1
「じゃあまただね〜。皆、ちゃお〜」
鈴谷はひらひらと手を振って、鳴門と腕を組んで店内に入っていった。まあ、そうなるな。
振り向くと「やーめーてー」と涙を流しながら那珂が神通に引きずられている。あっちはガチ泣きっぽいな。うん。
#
ホテルに3人を送り届ける。本選は明後日か。まあ帰る日だが、時間的には見れないこともないな。
さて……。
「これからどうするでち?1400だけど」
思ったより早めの昼食になったおかげで、時間には余裕はある。さあて。
1 那珂の稽古に付き合ってやるか
2 予定通り辺戸岬へ行くべ
3 何か疲れたから、恩納村に行ってチェックインするか。2時間かかるし
※安価下5多数決
※この多数決で次スレに移行です
「じゃあまただね〜。皆、ちゃお〜」
鈴谷はひらひらと手を振って、鳴門と腕を組んで店内に入っていった。まあ、そうなるな。
振り向くと「やーめーてー」と涙を流しながら那珂が神通に引きずられている。あっちはガチ泣きっぽいな。うん。
#
ホテルに3人を送り届ける。本選は明後日か。まあ帰る日だが、時間的には見れないこともないな。
さて……。
「これからどうするでち?1400だけど」
思ったより早めの昼食になったおかげで、時間には余裕はある。さあて。
1 那珂の稽古に付き合ってやるか
2 予定通り辺戸岬へ行くべ
3 何か疲れたから、恩納村に行ってチェックインするか。2時間かかるし
※安価下5多数決
※この多数決で次スレに移行です
983:【56】:2018/10/22(月)21:00:55 :hG2
2
984:【13】:2018/10/22(月)21:03:50 :gD4
1
985:【38】:2018/10/22(月)21:08:27 :Bqa
2
986:【53】:2018/10/22(月)21:11:51 :kEf
2
13:◆C9vIqtyVF2:2018/10/23(火)13:08:27.872 :lDu
「じゃあ予定通り辺戸岬に行くか。一応天気はいいし」
「でち。……結構かかるんでちね」
カーナビをゴーヤが覗きこむ。一応一本道だが、ここから1時間か。この分だとホテルにチェックインは1800は過ぎるな。
でもまあ急ぐ旅でもない。式場の下見は明日でもできる。
「ん、そうだな。んじゃ行くぞ」
#
車は海岸沿いの県道を走る。しかしそれにしてもすごい荒波だ。さっきのホテルで見たよりさらに高い。
窓の隙間から入る風は冷たく、ここが冬の日本海と言われてもそう不思議はないな。
「なーんかこれで曇ってたら坂本冬美が歌ってそうだな、『津軽海峡雪景色ぃ〜』とか」
「色々間違ってるでち。雪景色じゃなくって冬景色だし、石川さゆりでち」
「って何でんなことお前が知ってるんだよ、10以上歳下だろ……ってやっと着きそうだな」
辺戸岬と看板がある。オフシーズンだからか、駐車場には車がほとんどない。
遥か向こうには奄美の島々がぼんやりとだが見える。そして切り立った崖に白波がザザーンと打ち付けてる。なかなかの絶景だ。
「にしても、こんなとこで投げ釣りとか……大丈夫なのか?」
崖には何人か釣り人がいるようだ。そもそも釣れるもんなのだろうか。
※コンマ下、!randomが80以上で?
「じゃあ予定通り辺戸岬に行くか。一応天気はいいし」
「でち。……結構かかるんでちね」
カーナビをゴーヤが覗きこむ。一応一本道だが、ここから1時間か。この分だとホテルにチェックインは1800は過ぎるな。
でもまあ急ぐ旅でもない。式場の下見は明日でもできる。
「ん、そうだな。んじゃ行くぞ」
#
車は海岸沿いの県道を走る。しかしそれにしてもすごい荒波だ。さっきのホテルで見たよりさらに高い。
窓の隙間から入る風は冷たく、ここが冬の日本海と言われてもそう不思議はないな。
「なーんかこれで曇ってたら坂本冬美が歌ってそうだな、『津軽海峡雪景色ぃ〜』とか」
「色々間違ってるでち。雪景色じゃなくって冬景色だし、石川さゆりでち」
「って何でんなことお前が知ってるんだよ、10以上歳下だろ……ってやっと着きそうだな」
辺戸岬と看板がある。オフシーズンだからか、駐車場には車がほとんどない。
遥か向こうには奄美の島々がぼんやりとだが見える。そして切り立った崖に白波がザザーンと打ち付けてる。なかなかの絶景だ。
「にしても、こんなとこで投げ釣りとか……大丈夫なのか?」
崖には何人か釣り人がいるようだ。そもそも釣れるもんなのだろうか。
※コンマ下、!randomが80以上で?
14:【72】:2018/10/23(火)13:10:13.731 :vv1
はい
15:◆C9vIqtyVF2:2018/10/23(火)13:27:17.635 :lDu
※曙はいない
まあさすがにここで誰かに会うことはないわな。ただ、1500を回って少々小腹が空いた。この近辺でカフェは……お、あった。
「ちょっと移動するか。沖縄最北端のカフェがあるらしいぞ」
「ん?あるんでちか?」
コートに身をくるんでいたゴーヤの表情が明るくなった。流石にこの寒さは、潜水艦であるゴーヤにとってもキツいらしい。
「おう。名前がなんと『水母』だ。『くらげ』と読ませるらしいが」
「艦娘っぽい感じでちね。ちょっとゆっくりしたいでち」
「ん、そうと決まりゃ行くか。ココナッツぜんざいが売りらしいぞ」
車を走らせること数分。手作り感溢れる平屋立ての小屋が見えてきた。ここが目当ての店らしい。
すぐ近くには砂浜がある。夏に来たら最高だろうが、これはこれで悪くはない。
※コンマ下、!randomが80以上で?
※曙はいない
まあさすがにここで誰かに会うことはないわな。ただ、1500を回って少々小腹が空いた。この近辺でカフェは……お、あった。
「ちょっと移動するか。沖縄最北端のカフェがあるらしいぞ」
「ん?あるんでちか?」
コートに身をくるんでいたゴーヤの表情が明るくなった。流石にこの寒さは、潜水艦であるゴーヤにとってもキツいらしい。
「おう。名前がなんと『水母』だ。『くらげ』と読ませるらしいが」
「艦娘っぽい感じでちね。ちょっとゆっくりしたいでち」
「ん、そうと決まりゃ行くか。ココナッツぜんざいが売りらしいぞ」
車を走らせること数分。手作り感溢れる平屋立ての小屋が見えてきた。ここが目当ての店らしい。
すぐ近くには砂浜がある。夏に来たら最高だろうが、これはこれで悪くはない。
※コンマ下、!randomが80以上で?
16:【67】:2018/10/23(火)13:36:03.543 :9Ih
はい
17:◆C9vIqtyVF2:2018/10/23(火)14:02:52.432 :lDu
※水母は客にいない
夜に再開します。
夜に再開します。
20:◆C9vIqtyVF2:2018/10/23(火)20:28:09.306 :lDu
#
店内も見るからに手作り感があるカフェだ。これはこれで、全く悪くない。
シーズンオフのためか、いるのが俺らだけというのが寂しくはあるが。
中年の色黒のおばちゃんが話しかけてきた。多分、オーナーか何かだろう。
「どちらから来られたんですか?」
「横須賀からです。ちょっと辺戸岬でも見ようかと」
「そうですかー、最近はよく外人さんも来られはるんですよ。あ、こちらがメニューです。季節外れですけど、ぜんざいが美味しいですよ」
おばちゃんは標準語を使っているが、どうも関西の人のようだ。しかしぜんざいは冬の食い物ではないのか?と思ってメニューをめくると、そこには。
「ん?何だこりゃ」
「かき氷、でちか?金時豆みたいのがあるでち」
おばちゃんがクスクス笑った。
「沖縄で『ぜんざい』言うたらかき氷なんですよ。で、どうされます?」
「んー、せっかくだからココナッツぜんざいで。ゴーヤは」
「じゃあ同じの頼むでち。あと、マンゴージュース」
「俺はホットコーヒーで」
おばちゃんはにこやかに去っていった。窓から海を見る。荒れてこそいるが、その色は深い青だ。
「……沖縄の海は、確か一昨年解放されたのだったな」
「でち。オホーツク海の深海棲艦とは和解が成立したから、これで残すは太平洋方面でちね」
ぼーっと外を眺める。気が付くと、大きなかき氷とコーヒーがあった。いつの間にかできていたらしい。
「……すまんな」
「どうしたんでち?」
「なかなか、この戦いを終わらせられないことについてだ。ハワイからパプアニューギニアの辺りは、まだ深海棲艦の活動も活発だ。まだしばらく、戦争は続く。
んで、お前ら……いや、お前に頑張ってほしいと思う自分と、早く普通の嫁さんとして生きてほしいと思う自分がいてな。どっちも正しいんだが、何と言うか、な」
#
店内も見るからに手作り感があるカフェだ。これはこれで、全く悪くない。
シーズンオフのためか、いるのが俺らだけというのが寂しくはあるが。
中年の色黒のおばちゃんが話しかけてきた。多分、オーナーか何かだろう。
「どちらから来られたんですか?」
「横須賀からです。ちょっと辺戸岬でも見ようかと」
「そうですかー、最近はよく外人さんも来られはるんですよ。あ、こちらがメニューです。季節外れですけど、ぜんざいが美味しいですよ」
おばちゃんは標準語を使っているが、どうも関西の人のようだ。しかしぜんざいは冬の食い物ではないのか?と思ってメニューをめくると、そこには。
「ん?何だこりゃ」
「かき氷、でちか?金時豆みたいのがあるでち」
おばちゃんがクスクス笑った。
「沖縄で『ぜんざい』言うたらかき氷なんですよ。で、どうされます?」
「んー、せっかくだからココナッツぜんざいで。ゴーヤは」
「じゃあ同じの頼むでち。あと、マンゴージュース」
「俺はホットコーヒーで」
おばちゃんはにこやかに去っていった。窓から海を見る。荒れてこそいるが、その色は深い青だ。
「……沖縄の海は、確か一昨年解放されたのだったな」
「でち。オホーツク海の深海棲艦とは和解が成立したから、これで残すは太平洋方面でちね」
ぼーっと外を眺める。気が付くと、大きなかき氷とコーヒーがあった。いつの間にかできていたらしい。
「……すまんな」
「どうしたんでち?」
「なかなか、この戦いを終わらせられないことについてだ。ハワイからパプアニューギニアの辺りは、まだ深海棲艦の活動も活発だ。まだしばらく、戦争は続く。
んで、お前ら……いや、お前に頑張ってほしいと思う自分と、早く普通の嫁さんとして生きてほしいと思う自分がいてな。どっちも正しいんだが、何と言うか、な」
21:◆C9vIqtyVF2:2018/10/23(火)20:37:24.232 :lDu
ゴーヤはしばらく心配そうに俺を見ていたが、意を決したようにかき氷のスプーンを俺の口に突っ込んだ。濃厚なココナッツの香りが広がる。
「むぐっ、どうしたんだよ急に」
「分かってるでち。翔香さんのこと、少し思いだしてたでちね。
でも、ゴーヤは死なない。ゴーヤはこの海とてーとくを守るし、てーとくもゴーヤたちを守ってくれる。そう信じてるから」
そう言うと、へへっとゴーヤが笑った。全く、女の方が肚座ってやがるな。
「……そうだな」
この沖縄の海を守っていこう。それが、俺たちの使命だ。
#
結局、ホテルに着いたのは1830ぐらいだった。さすがにすっかり暗くなっている。式場の下見は明日だな。
「流石にお腹すいたな。どうする?ホテルのレストランでもいいが」
「うーん、どうするでちかね。居酒屋とか行ってみたいかも」
明日は那覇だ。そこで居酒屋でもいいんだが……
※コンマ下、!random
00 ?????
01〜50 通常進行
51〜80 あれれ?また提督じゃん
81〜100 以前に登場した艦娘再登場(再安価)
ゴーヤはしばらく心配そうに俺を見ていたが、意を決したようにかき氷のスプーンを俺の口に突っ込んだ。濃厚なココナッツの香りが広がる。
「むぐっ、どうしたんだよ急に」
「分かってるでち。翔香さんのこと、少し思いだしてたでちね。
でも、ゴーヤは死なない。ゴーヤはこの海とてーとくを守るし、てーとくもゴーヤたちを守ってくれる。そう信じてるから」
そう言うと、へへっとゴーヤが笑った。全く、女の方が肚座ってやがるな。
「……そうだな」
この沖縄の海を守っていこう。それが、俺たちの使命だ。
#
結局、ホテルに着いたのは1830ぐらいだった。さすがにすっかり暗くなっている。式場の下見は明日だな。
「流石にお腹すいたな。どうする?ホテルのレストランでもいいが」
「うーん、どうするでちかね。居酒屋とか行ってみたいかも」
明日は那覇だ。そこで居酒屋でもいいんだが……
※コンマ下、!random
00 ?????
01〜50 通常進行
51〜80 あれれ?また提督じゃん
81〜100 以前に登場した艦娘再登場(再安価)
22:【41】:2018/10/23(火)20:39:43.965 :XuZ
あ
23:◆C9vIqtyVF2:2018/10/23(火)21:05:18.036 :lDu
#
結局、その日はゴーヤのリクエスト通り近くの居酒屋にすることにした。
海ブドウやもずくの天ぷら、小魚の唐揚げに豚の角煮。沖縄グルメは、沖縄そば以外も旨いのが分かったのは収穫だった。結婚式の二次会には、ここを使わせてもらうか。
しかし、あの「花酒」ってのは強烈だった。飲んだ瞬間は華やかな香りが口を満たしたんだが、次の瞬間頭をガツンと殴られたような衝撃があった。
アルコール度数60度じゃ、そりゃそうなるわな……。ゴーヤは一発で夢の中に行っちまったし。
結局運転代行を頼んで、ホテルに戻ったら俺もばたんきゅーとなってしまった。
#
「あー、まだ頭いてえ。お前は?」
「てーとくみたいに一気してないからまだ大丈夫でち。しかし、あんなのよく飲めたでちね……」
「しゃあねえだろ、横の地元のおっさんが『結婚祝いだから飲め飲め』ってやって来たんだから。無下に断れなかったんだよ……うぷ」
軽く朝飯をリバースしそうになるのを耐え、俺たちは式場に向かった。ここ「ANAインターコンチネンタル万座」は、チャペルが2つあるらしい。
最初に案内されたのは、ドーム状の建物だ。こっちの方が新しいらしい。
「おお……」
ガラスの向こうには海と半島がある。海の向こう側が、一昨日泊まったブセナがある辺りだ。
「これは結構いいでちね。外には出れるんでちか?」
「一応出れますよ。こちらです」
なるほど、ちょっとした丘の上にある感じなのか。これはこれで悪くない。
「いいでちね。でも、もう一つあるんじゃ」
「ええ。今ちょうど結婚式が終わる辺りですから、行ってみますか?」
案内役の女の人が先導する。ちょっとばかり歩くらしい。
着いたのは、白いチャペルだ。こちらは見るからにチャペルっぽい感じになっている。新郎と新婦が、参加者に向けブーケトスをしようとしていた。
※コンマ下、!random
00〜20 通常進行
21〜60 ん?あれは……
61〜100 お?何でこんなところに……
#
結局、その日はゴーヤのリクエスト通り近くの居酒屋にすることにした。
海ブドウやもずくの天ぷら、小魚の唐揚げに豚の角煮。沖縄グルメは、沖縄そば以外も旨いのが分かったのは収穫だった。結婚式の二次会には、ここを使わせてもらうか。
しかし、あの「花酒」ってのは強烈だった。飲んだ瞬間は華やかな香りが口を満たしたんだが、次の瞬間頭をガツンと殴られたような衝撃があった。
アルコール度数60度じゃ、そりゃそうなるわな……。ゴーヤは一発で夢の中に行っちまったし。
結局運転代行を頼んで、ホテルに戻ったら俺もばたんきゅーとなってしまった。
#
「あー、まだ頭いてえ。お前は?」
「てーとくみたいに一気してないからまだ大丈夫でち。しかし、あんなのよく飲めたでちね……」
「しゃあねえだろ、横の地元のおっさんが『結婚祝いだから飲め飲め』ってやって来たんだから。無下に断れなかったんだよ……うぷ」
軽く朝飯をリバースしそうになるのを耐え、俺たちは式場に向かった。ここ「ANAインターコンチネンタル万座」は、チャペルが2つあるらしい。
最初に案内されたのは、ドーム状の建物だ。こっちの方が新しいらしい。
「おお……」
ガラスの向こうには海と半島がある。海の向こう側が、一昨日泊まったブセナがある辺りだ。
「これは結構いいでちね。外には出れるんでちか?」
「一応出れますよ。こちらです」
なるほど、ちょっとした丘の上にある感じなのか。これはこれで悪くない。
「いいでちね。でも、もう一つあるんじゃ」
「ええ。今ちょうど結婚式が終わる辺りですから、行ってみますか?」
案内役の女の人が先導する。ちょっとばかり歩くらしい。
着いたのは、白いチャペルだ。こちらは見るからにチャペルっぽい感じになっている。新郎と新婦が、参加者に向けブーケトスをしようとしていた。
※コンマ下、!random
00〜20 通常進行
21〜60 ん?あれは……
61〜100 お?何でこんなところに……
24:【8】:2018/10/23(火)21:06:26.281 :vv1
はい
25:◆C9vIqtyVF2:2018/10/23(火)21:24:23.447 :lDu
どうやら参列者の中に、別の鎮守府の艦娘がいたらしい。能代っぽい子にブーケが渡されると、彼女はかあっと赤くなった。
「……やっぱ艦娘なのかね。うちみたいに婚姻OKならいいんだが。で、お前は誰にブーケ渡すの?」
「……秘密でち」
羽黒辺りと踏んじゃいるが、どうかね。奥手が服を着て歩いている彼女のことだ。誰かが背中を押してやらにゃならん気がするが。
やがて、チャペルの中に案内された。……これは。
「まるで海の中にいるみたいでち!ガラス張りで、下もガラスで……向こうには青い海でち!」
「こっちはこっちで悪くねえな。……どっちでやるにしても、ここで決まりかね?」
「でち!」
ゴーヤはいたく気に入ったようだ。ホテルの格としても、まずまず満足が行くところだし、親父たちも満足するだろうな。
#
ブライダルサロンで一通りやり取りして、とりあえず式場を押さえることにした。どっちのチャペルにするかは、もう少し考えたいとゴーヤは言う。
まあ、結婚式は女がやりたいようにさせてやるのがいいと、俺も経験から学んでいる。俺が口出すことは、あまりないだろう。
「……ん、これなんでち?『結婚新聞』サービスって」
「ええ!これはお二人の馴れ初めやそこに至るまでの思い出を、スポーツ新聞みたいにして配るんです。一応、元地元紙の記者が取材してやるんですよ。本格的なんです」
サロンの女性担当者は胸を張った。……記者、ねえ。心当たりはあるが。
1 いやいや、ここは向こうの考えに任せよう
2 青葉に頼んでみるか……
3 新聞サービスなど要らんな
※安価下5多数決
どうやら参列者の中に、別の鎮守府の艦娘がいたらしい。能代っぽい子にブーケが渡されると、彼女はかあっと赤くなった。
「……やっぱ艦娘なのかね。うちみたいに婚姻OKならいいんだが。で、お前は誰にブーケ渡すの?」
「……秘密でち」
羽黒辺りと踏んじゃいるが、どうかね。奥手が服を着て歩いている彼女のことだ。誰かが背中を押してやらにゃならん気がするが。
やがて、チャペルの中に案内された。……これは。
「まるで海の中にいるみたいでち!ガラス張りで、下もガラスで……向こうには青い海でち!」
「こっちはこっちで悪くねえな。……どっちでやるにしても、ここで決まりかね?」
「でち!」
ゴーヤはいたく気に入ったようだ。ホテルの格としても、まずまず満足が行くところだし、親父たちも満足するだろうな。
#
ブライダルサロンで一通りやり取りして、とりあえず式場を押さえることにした。どっちのチャペルにするかは、もう少し考えたいとゴーヤは言う。
まあ、結婚式は女がやりたいようにさせてやるのがいいと、俺も経験から学んでいる。俺が口出すことは、あまりないだろう。
「……ん、これなんでち?『結婚新聞』サービスって」
「ええ!これはお二人の馴れ初めやそこに至るまでの思い出を、スポーツ新聞みたいにして配るんです。一応、元地元紙の記者が取材してやるんですよ。本格的なんです」
サロンの女性担当者は胸を張った。……記者、ねえ。心当たりはあるが。
1 いやいや、ここは向こうの考えに任せよう
2 青葉に頼んでみるか……
3 新聞サービスなど要らんな
※安価下5多数決
26:名無しさん@おーぷん:2018/10/23(火)21:26:02.470 :ACz
3
27:名無しさん@おーぷん:2018/10/23(火)21:30:26.069 :ssi
1
28:名無しさん@おーぷん:2018/10/23(火)21:31:04.625 :V4v
1
29:【79】:2018/10/23(火)21:32:04.563 :vv1
1
30:◆C9vIqtyVF2:2018/10/23(火)21:40:55.034 :lDu
いやいや、ここは向こうの考えに任せよう。うちの青葉に任せたら、ろくなことにならん。
「なんか面白そうだな。ゴーヤ、どうよ?」
「いいでちね!でも取材って、いつやるんでち?」
「東京にもオフィスがありますからそこで。それと、小泉様。勤務先は海上自衛隊とか?」
「え、ええ。それが?」
ふふふっとウェディングプランナー女性が笑った。
「いえいえ、実はその子、元艦娘なんですよ。艦娘から記者になって、それからうちに」
「……変わった経歴ですね。どんな人なんです?」
※記者になる艦娘を指定してください。安価下3までで!randomが大きいものとします。
(登場してない艦娘が望ましいです)
いやいや、ここは向こうの考えに任せよう。うちの青葉に任せたら、ろくなことにならん。
「なんか面白そうだな。ゴーヤ、どうよ?」
「いいでちね!でも取材って、いつやるんでち?」
「東京にもオフィスがありますからそこで。それと、小泉様。勤務先は海上自衛隊とか?」
「え、ええ。それが?」
ふふふっとウェディングプランナー女性が笑った。
「いえいえ、実はその子、元艦娘なんですよ。艦娘から記者になって、それからうちに」
「……変わった経歴ですね。どんな人なんです?」
※記者になる艦娘を指定してください。安価下3までで!randomが大きいものとします。
(登場してない艦娘が望ましいです)
31:【79】:2018/10/23(火)21:44:09.525 :Qno
秋津洲
32:【75】:2018/10/23(火)21:44:17.577 :nDb
鹿島
33:【99】:2018/10/23(火)21:45:51.219 :lSh
浜風
34:◆C9vIqtyVF2:2018/10/23(火)21:58:30.603 :lDu
中断します。何か今回で最終回にはならなさそうです。
浜風の年齢が24ぐらいになりそうですが、「開戦当初(20ぐらい)に艦娘→辞めて新聞社に→それも辞めてホテルに」とすればまあ整合性は取れますでしょうか。
浜風の年齢が24ぐらいになりそうですが、「開戦当初(20ぐらい)に艦娘→辞めて新聞社に→それも辞めてホテルに」とすればまあ整合性は取れますでしょうか。
35:【11】:2018/10/23(火)22:06:35.325 :zq7
いいんじゃない
おつおつ
おつおつ
37:◆C9vIqtyVF2:2018/10/24(水)11:58:25.556 :w7k
「とても丁寧な子ですよ。ちょっと口数は少ないけど、聞き上手だから評判がとてもいいんです。
艦娘時代のことはあまり話したがらないけど……浜風、って言ったかしら」
浜風、か。駆逐艦の割に大人びているから、ある程度の年長者がなることもあると聞く。うちのも高2だ。
ただ、社会人相当というのは、あまり聞かない。何より……。
ゴーヤが少し怪訝そうな顔になって耳打ちした。
「何で艦娘を退役して、記憶が残ってるんでちかね?」
そうだ。基本艦娘が一般人に戻った時、相当程度の記憶は消去される。機密保持のためだ。自分が何の艦娘であったかも、それに含まれる。
艦娘の存在はかなり認知されてきたが、そのメカニズムはブラックボックスの中にある。それをメディアに漏らそうものなら、それこそ処刑ものだ。
初期において数人がそれを試みたが、彼女らは全員隔離施設に永久幽閉されている。人権にもとるのは承知だが、しかし安保上必要な処置だと割り切ってもいる。
俺が、あるいは海自のハト派が艦娘が艦娘のまま女性としての人生を生きられるよう動いているのは、こうした事情もある。
退役してしまうと、艦娘は艦娘でなくなる。場合によっては、人格ごとだ。彼女らを人として扱うならば、退役させるより現役のままの方がまだいいということになる。
だからゴーヤも、結婚を期に退役する考えはなかった。もちろん、戦争が終われば話が変わるのかもしれないが。
「ど、どうなされたんですか?」
難しい顔をして、黙ってしまったのが妙に映ったようだ。俺はウェディングプランナーに、精一杯の作り笑顔を向けた。
「あ、いえ。何でもないです。じゃあそれで進めていただけますか?」
浜風こと、浜田というのが新聞の担当者であるらしい。会うのは1週後、か。
「とても丁寧な子ですよ。ちょっと口数は少ないけど、聞き上手だから評判がとてもいいんです。
艦娘時代のことはあまり話したがらないけど……浜風、って言ったかしら」
浜風、か。駆逐艦の割に大人びているから、ある程度の年長者がなることもあると聞く。うちのも高2だ。
ただ、社会人相当というのは、あまり聞かない。何より……。
ゴーヤが少し怪訝そうな顔になって耳打ちした。
「何で艦娘を退役して、記憶が残ってるんでちかね?」
そうだ。基本艦娘が一般人に戻った時、相当程度の記憶は消去される。機密保持のためだ。自分が何の艦娘であったかも、それに含まれる。
艦娘の存在はかなり認知されてきたが、そのメカニズムはブラックボックスの中にある。それをメディアに漏らそうものなら、それこそ処刑ものだ。
初期において数人がそれを試みたが、彼女らは全員隔離施設に永久幽閉されている。人権にもとるのは承知だが、しかし安保上必要な処置だと割り切ってもいる。
俺が、あるいは海自のハト派が艦娘が艦娘のまま女性としての人生を生きられるよう動いているのは、こうした事情もある。
退役してしまうと、艦娘は艦娘でなくなる。場合によっては、人格ごとだ。彼女らを人として扱うならば、退役させるより現役のままの方がまだいいということになる。
だからゴーヤも、結婚を期に退役する考えはなかった。もちろん、戦争が終われば話が変わるのかもしれないが。
「ど、どうなされたんですか?」
難しい顔をして、黙ってしまったのが妙に映ったようだ。俺はウェディングプランナーに、精一杯の作り笑顔を向けた。
「あ、いえ。何でもないです。じゃあそれで進めていただけますか?」
浜風こと、浜田というのが新聞の担当者であるらしい。会うのは1週後、か。
38:◆C9vIqtyVF2:2018/10/24(水)12:15:46.878 :w7k
#
「何か妙なことになってきたでちね……」
那覇への道中、ゴーヤがつぶやいた。さっきの件か。
「だな。記憶がある点や新聞社に一度入っている点、ホテルに所属してる点といい謎しかねえな。ま、大したことじゃなきゃ別に構わんのだが」
「……でち。まあ、ゴーヤたちには関係ないでちけど」
「そうなんだがな」
確かにそうなんだが、妙に気になる。どういう人物なのだろう?
#
軽く道の駅でラフテー丼セットを腹に入れ、1400に那覇に着いた。時間はたっぷりすぎるぐらいにある。さあてと。
1 ちょっと義兄さんに連絡入れるか(シリアス展開)
2 せっかくだし国際通りで買い物でもするか(観光展開)
3 「那珂ちゃんNO.1決定戦」の会場に行ってみるか(那珂ちゃん展開)
※安価下5多数決
#
「何か妙なことになってきたでちね……」
那覇への道中、ゴーヤがつぶやいた。さっきの件か。
「だな。記憶がある点や新聞社に一度入っている点、ホテルに所属してる点といい謎しかねえな。ま、大したことじゃなきゃ別に構わんのだが」
「……でち。まあ、ゴーヤたちには関係ないでちけど」
「そうなんだがな」
確かにそうなんだが、妙に気になる。どういう人物なのだろう?
#
軽く道の駅でラフテー丼セットを腹に入れ、1400に那覇に着いた。時間はたっぷりすぎるぐらいにある。さあてと。
1 ちょっと義兄さんに連絡入れるか(シリアス展開)
2 せっかくだし国際通りで買い物でもするか(観光展開)
3 「那珂ちゃんNO.1決定戦」の会場に行ってみるか(那珂ちゃん展開)
※安価下5多数決
39:【82】:2018/10/24(水)12:19:55.510 :nb6
1
40:【5】:2018/10/24(水)12:22:53.847 :G82
1
41:【51】:2018/10/24(水)12:28:59.475 :JOD
1
45:◆C9vIqtyVF2:2018/10/24(水)20:49:45.653 :w7k
#
国際通り沿いのホテルにチェックインすると、俺はスマホを取り出した。人に聞かれるべき内容ではない。
「どうしたんでちか?買い物とかしないんでちか?」
「そいつは後。まず、ちょっと電話だ」
「誰にでちか?……ひょっとして」
「多分、ご想像の通りだ。ちと待ってろ」
呼び出し音が3回鳴って、義兄さんが出てきた。
『もしもし、隆君か。どうした急に』
「ちょっと訊きたいことがありまして……」
俺は元浜風の話をした。義兄さんも防衛省キャリアだ。艦娘プロジェクトについては、親父の下にいたこともある。ある程度の情報は持っているはずだ。
話し終えると、義兄さんはしばらく黙り込んだ。そして……
00〜35 初耳だね
36〜70 浜田……うーん
71〜95 心当たりはあるな
96〜100 ……!!
#
国際通り沿いのホテルにチェックインすると、俺はスマホを取り出した。人に聞かれるべき内容ではない。
「どうしたんでちか?買い物とかしないんでちか?」
「そいつは後。まず、ちょっと電話だ」
「誰にでちか?……ひょっとして」
「多分、ご想像の通りだ。ちと待ってろ」
呼び出し音が3回鳴って、義兄さんが出てきた。
『もしもし、隆君か。どうした急に』
「ちょっと訊きたいことがありまして……」
俺は元浜風の話をした。義兄さんも防衛省キャリアだ。艦娘プロジェクトについては、親父の下にいたこともある。ある程度の情報は持っているはずだ。
話し終えると、義兄さんはしばらく黙り込んだ。そして……
00〜35 初耳だね
36〜70 浜田……うーん
71〜95 心当たりはあるな
96〜100 ……!!
47:【96】:2018/10/24(水)20:52:06.797 :TlT
ね)
48:◆C9vIqtyVF2:2018/10/24(水)21:15:29.418 :w7k
『……!!ちょっと一度電話を切る。人払いさせてもらう』
電話が切れて1分後、義兄さんからのコールバックがあった。
「もしもし。どうしたんです?」
『いや、カク秘(極秘)案件だ。驚いたよ、とんでもない偶然があるものだな』
「どういうことなんです?」
『浜田君は、S(スパイ)だよ。親深海棲艦側の人間を炙り出すための。
元がすこぶる優秀だったのと、当時の鎮守府に対して不満を持っていたということで、名目上大本営が引き取る形で防衛省預かりになった。
新聞社に入ったのは、そっちの内部調査のためだ。危なくなったので、今はホテルに所属という形で東京にいてもらってる。Sの任務は継続中でね』
今度は俺が言葉を失う番だった。Sか……さすがに想像の斜め上だった。
「しかし、親深海棲艦とは穏やかじゃないですね。野党側の人間ですか」
『まあそれもある。反戦と絡めやすいし、開戦からの犠牲者も相当多いからな。だが、それだけじゃない。どうにも、こちらの内部にも造反者がいる。
そいつを探そうとこっちも公安と一緒に潰しにかかってるが、頭が痛いところだよ』
俺はゴーヤと顔を見合わせた。造反者?
「尻尾は掴めてるんですか?」
※コンマ下、!random
00〜75 それがまだ分からない
76〜97 浜田君が、今調べてる
98〜100 当たりはついた
『……!!ちょっと一度電話を切る。人払いさせてもらう』
電話が切れて1分後、義兄さんからのコールバックがあった。
「もしもし。どうしたんです?」
『いや、カク秘(極秘)案件だ。驚いたよ、とんでもない偶然があるものだな』
「どういうことなんです?」
『浜田君は、S(スパイ)だよ。親深海棲艦側の人間を炙り出すための。
元がすこぶる優秀だったのと、当時の鎮守府に対して不満を持っていたということで、名目上大本営が引き取る形で防衛省預かりになった。
新聞社に入ったのは、そっちの内部調査のためだ。危なくなったので、今はホテルに所属という形で東京にいてもらってる。Sの任務は継続中でね』
今度は俺が言葉を失う番だった。Sか……さすがに想像の斜め上だった。
「しかし、親深海棲艦とは穏やかじゃないですね。野党側の人間ですか」
『まあそれもある。反戦と絡めやすいし、開戦からの犠牲者も相当多いからな。だが、それだけじゃない。どうにも、こちらの内部にも造反者がいる。
そいつを探そうとこっちも公安と一緒に潰しにかかってるが、頭が痛いところだよ』
俺はゴーヤと顔を見合わせた。造反者?
「尻尾は掴めてるんですか?」
※コンマ下、!random
00〜75 それがまだ分からない
76〜97 浜田君が、今調べてる
98〜100 当たりはついた
49:【56】:2018/10/24(水)21:22:01.325 :bDs
あ
50:◆C9vIqtyVF2:2018/10/24(水)21:46:32.184 :w7k
『それがまだ分からない。多分、何らかの手段を使って情報をリークしてるようだが……。
知ってるだろうが、艦娘は艦娘である限り機密事項は話せない。そうプログラムされてるからだ。提督の場合は機密事項を漏らさんように憲兵が常に監視している。
だから、暗号か何かで流しているかしているはずだ。ただ、それが分からない』
義兄さんが溜め息をついた。
……艦娘には、脳にチップが埋め込まれている。それと艦の魂を融合する霊的処置によって、艦装を付けたときのみ彼女たちは超常の力を発揮する。そう聞いている。
半面、艦娘の行動はある程度の制限を受けてもいる。機密漏洩の禁止や、艦装を対人に使わないなどだ。
もちろん、これは一種の人権侵害ではある。だが、ゴーヤも含め、艦娘はそれを了承している。国を、そして世界を守るにはこれしかないと知っているからだ。
だから、艦娘が深海棲艦側に付くことはあり得ない。決して。
しかし、提督は?俺には監視用の盗聴器が付いている、らしい。それは他の提督も同じだ。
異常時のみ情報は憲兵に伝達されるので、私生活のあれやこれやが覗き見されているわけではない。
それでも、これは反乱を企てようとする不届き者を発見するには素晴らしい効果を挙げていた。過去に3人ほどいたその不届き者は、隠密裏に処刑された、らしい。
となると……考えられるのはいくつかある。
「俺はどうすればいいんです?」
『普通に客として振る舞ってくれていい。ただ、望むなら君を紹介することは吝かじゃない。
幸い、君は優秀だし鎮守府の評判も上場だ。何か協力してあげられることが、あるいはあるかもな』
「……だそうだ」
ゴーヤを見ると、力強く頷いた。
「勿論でち」
「……と嫁さんも言ってますね。彼女に俺のこと伝えといてください。勿論、結婚新聞は作ってもらいますが」
『そうか、それは楽しみにしてるよ。では、よろしく頼む』
電話が切れると、俺は大きく伸びをした。
「さあて……忙しくなりそうだな」
「でちね。でも、どうするんでち?」
「まあ、出たとこ勝負だな。まずは浜田って子の話を聞くか。……それとその前に、飯食いに行くか?」
場所にいくつか候補はあるが……
『それがまだ分からない。多分、何らかの手段を使って情報をリークしてるようだが……。
知ってるだろうが、艦娘は艦娘である限り機密事項は話せない。そうプログラムされてるからだ。提督の場合は機密事項を漏らさんように憲兵が常に監視している。
だから、暗号か何かで流しているかしているはずだ。ただ、それが分からない』
義兄さんが溜め息をついた。
……艦娘には、脳にチップが埋め込まれている。それと艦の魂を融合する霊的処置によって、艦装を付けたときのみ彼女たちは超常の力を発揮する。そう聞いている。
半面、艦娘の行動はある程度の制限を受けてもいる。機密漏洩の禁止や、艦装を対人に使わないなどだ。
もちろん、これは一種の人権侵害ではある。だが、ゴーヤも含め、艦娘はそれを了承している。国を、そして世界を守るにはこれしかないと知っているからだ。
だから、艦娘が深海棲艦側に付くことはあり得ない。決して。
しかし、提督は?俺には監視用の盗聴器が付いている、らしい。それは他の提督も同じだ。
異常時のみ情報は憲兵に伝達されるので、私生活のあれやこれやが覗き見されているわけではない。
それでも、これは反乱を企てようとする不届き者を発見するには素晴らしい効果を挙げていた。過去に3人ほどいたその不届き者は、隠密裏に処刑された、らしい。
となると……考えられるのはいくつかある。
「俺はどうすればいいんです?」
『普通に客として振る舞ってくれていい。ただ、望むなら君を紹介することは吝かじゃない。
幸い、君は優秀だし鎮守府の評判も上場だ。何か協力してあげられることが、あるいはあるかもな』
「……だそうだ」
ゴーヤを見ると、力強く頷いた。
「勿論でち」
「……と嫁さんも言ってますね。彼女に俺のこと伝えといてください。勿論、結婚新聞は作ってもらいますが」
『そうか、それは楽しみにしてるよ。では、よろしく頼む』
電話が切れると、俺は大きく伸びをした。
「さあて……忙しくなりそうだな」
「でちね。でも、どうするんでち?」
「まあ、出たとこ勝負だな。まずは浜田って子の話を聞くか。……それとその前に、飯食いに行くか?」
場所にいくつか候補はあるが……
51:◆C9vIqtyVF2:2018/10/24(水)21:49:17.725 :w7k
1 何か疲れたから、遠出はやめて国際通りで食うか。宮古そばがあるらしいが
2 土産買うならデパートがお得と鳴門が言ってたな。近くに旨い沖縄そばがあるらしいが
3 ちょっと遅いが、首里城に行こう。そこに沖縄そばがあったはずだ
※安価下5多数決
1 何か疲れたから、遠出はやめて国際通りで食うか。宮古そばがあるらしいが
2 土産買うならデパートがお得と鳴門が言ってたな。近くに旨い沖縄そばがあるらしいが
3 ちょっと遅いが、首里城に行こう。そこに沖縄そばがあったはずだ
※安価下5多数決
52:【71】:2018/10/24(水)21:52:15.540 :TlT
2
53:【97】:2018/10/24(水)21:53:40.552 :bDs
2
54:名無しさん@おーぷん:2018/10/24(水)21:57:22.621 :uWz
2
56:◆C9vIqtyVF2:2018/10/24(水)22:04:52.687 :w7k
第11.3話 けんぱーのすばやー
第11.3話 けんぱーのすばやー
59:◆C9vIqtyVF2:2018/10/25(木)12:18:53.455 :fY7
「土産を買うならデパートがいいって鳴門が言ってたな……そっち行くか?」
ゴーヤが怪訝そうな顔をする。
「お土産ならこの近くでいいんじゃないでちか?」
「鳴門が言うには、観光客価格だからぼってるんだそうだ。まあ、確かにそんな感じはするかな。
ここから少し離れたおもろまちって所に、『サンエー』って大きめのショッピングセンターがあるらしい。大体土産は揃ってるということだが」
「晩ご飯もそこで?」
「いんや、その近所に旨い沖縄そば屋があるらしいからそこかな。『なんこつすば』が売りらしいぞ」
「なんこつって、軟骨でちか?食べられるんでちかね」
ゴーヤの疑問ももっともだ。だが、試してみる価値はある。
「ま、迷わず行けよ行けばわかるさ、の精神だな。小難しい話はちょっと忘れて行ってみるか」
#
サンエーは思いの外大きなデパートだった。確かに一通りのものはここで揃いそうな気がする。
酒のコーナーに行くと、20年モノの古酒がちらっと見た国際通りの店より3〜4割ぐらい安く売られていた。昨日痛い目にあった花酒「どなん」もちゃんとある。
そこそこの泡盛を一本カゴに入れると、ゴーヤが菓子売り場の前で唸っていた。
「ちんすこう……何で微妙に卑猥な感じのが多いんでちか」
確かに萌え絵の際どい格好の女の子が書かれたのがいくつかある。あ、「ラブ○イブ」のもあるな。「野生のちんすこう」とか意味が分からん。
「ネタで買うやつが多いんだろうなあ。普通のアソートのにするぞ」
※コンマ下、!random
00〜50 通常進行
51〜90 あれ、また?
91〜100 げんなりした表情のお団子頭がいる
「土産を買うならデパートがいいって鳴門が言ってたな……そっち行くか?」
ゴーヤが怪訝そうな顔をする。
「お土産ならこの近くでいいんじゃないでちか?」
「鳴門が言うには、観光客価格だからぼってるんだそうだ。まあ、確かにそんな感じはするかな。
ここから少し離れたおもろまちって所に、『サンエー』って大きめのショッピングセンターがあるらしい。大体土産は揃ってるということだが」
「晩ご飯もそこで?」
「いんや、その近所に旨い沖縄そば屋があるらしいからそこかな。『なんこつすば』が売りらしいぞ」
「なんこつって、軟骨でちか?食べられるんでちかね」
ゴーヤの疑問ももっともだ。だが、試してみる価値はある。
「ま、迷わず行けよ行けばわかるさ、の精神だな。小難しい話はちょっと忘れて行ってみるか」
#
サンエーは思いの外大きなデパートだった。確かに一通りのものはここで揃いそうな気がする。
酒のコーナーに行くと、20年モノの古酒がちらっと見た国際通りの店より3〜4割ぐらい安く売られていた。昨日痛い目にあった花酒「どなん」もちゃんとある。
そこそこの泡盛を一本カゴに入れると、ゴーヤが菓子売り場の前で唸っていた。
「ちんすこう……何で微妙に卑猥な感じのが多いんでちか」
確かに萌え絵の際どい格好の女の子が書かれたのがいくつかある。あ、「ラブ○イブ」のもあるな。「野生のちんすこう」とか意味が分からん。
「ネタで買うやつが多いんだろうなあ。普通のアソートのにするぞ」
※コンマ下、!random
00〜50 通常進行
51〜90 あれ、また?
91〜100 げんなりした表情のお団子頭がいる
60:【43】:2018/10/25(木)12:20:39.985 :2Tm
あいあい
61:◆C9vIqtyVF2:2018/10/25(木)13:07:03.470 :xH4
#
一通り買うものを買った後、少し早めの晩飯にすることにした。歩いて3、4分のところに店はあるらしい。
「お、ここだ。……でいいのか?」
看板には「けんぱーのすばや」とある。そこまではいい。しかし、比較的きれいめな建物が多いこの辺りで、掘っ立て小屋っぽいここは明らかに浮いている。
「うーん、鳴門大尉は確かにここって言ったんでち?」
「変な店名だから間違えようがないんだが……とりあえず入ろう」
店の壁にはここを訪れた客の名刺と、ビートルズのポスターがびっちり貼られていた。ビートルズの楽曲が店内に流れている。意外に雰囲気は悪くないな。
※80以上で?コンマ下、!random
#
一通り買うものを買った後、少し早めの晩飯にすることにした。歩いて3、4分のところに店はあるらしい。
「お、ここだ。……でいいのか?」
看板には「けんぱーのすばや」とある。そこまではいい。しかし、比較的きれいめな建物が多いこの辺りで、掘っ立て小屋っぽいここは明らかに浮いている。
「うーん、鳴門大尉は確かにここって言ったんでち?」
「変な店名だから間違えようがないんだが……とりあえず入ろう」
店の壁にはここを訪れた客の名刺と、ビートルズのポスターがびっちり貼られていた。ビートルズの楽曲が店内に流れている。意外に雰囲気は悪くないな。
※80以上で?コンマ下、!random
62:【62】:2018/10/25(木)13:09:19.034 :NJ7
ん
63:◆C9vIqtyVF2:2018/10/25(木)20:28:07.086 :xH4
お薦めというなんこつすばを頼んでみる。昼飯帯ならジューシィは無料らしいが、まあこの際いいだろ。
「ここも観光客多いでちね。メニューも韓国語、中国語、英語とあるし」
「沖縄自体がそうだからな。まあ良し悪しあるが、賑わうのは悪くねえんじゃないか」
店内を見ると、他の鎮守府の艦娘らしきのがちらほらいる。「那珂ちゃんNO.1決定戦」前夜だからか、その応援にでも来てるのかもしれない。
艦娘は同じ艦だと容姿が似かよるが、うちの奴らはいないようだ。鎮守府によっては全力応援というとこもあるんだろうが、うちは皆割とフリーダムだからなあ。
とかそんなことを思っていると、丼が来た。
「本当に軟骨でちね……」
「おう、そうだな。スペアリブの、骨が半透明版というんかな、これ」
しっかりした大ぶりの豚肉の中央を、茶色めの半透明の骨が通っている。箸でつまむとプルプルだ。
「どうもこれごと食べられるな。どれどれ……おおっとこれは」
「柔らかいでち!コリコリしてるかと思ったけど、ちょっと堅めのゼリーみたいでちね。それについてるこのお肉もいい感じでち」
噛むとしっかりとした味がある。麺を啜ると、鰹節中心の穏やかな味だ。こっちに来て食べた沖縄そばはどれも穏やかな味が多かったが、ここのスープが一番マイルドかもしれない。
半面、肉はかなりしっかりしてるから、それでバランスを取ってる感じなのか。
「小細工なしで食わせる感じだな。何かあっさり完飲できそうだな」
その通り、数分で特盛は腹の中へと消えた。ゴーヤも満足そうだ。
「ごちそうさまでち!!そう言えば、沖縄って普通のラーメンあるんでちかね?」
「うーん、聞いたことがないな。沖縄そばさえあればいいってことなんかね」
店外に出ると、すっかり暗くなっている。もう戻ってもいい頃合いか。
1 ホテルに戻ってゴーヤとまったり過ごそう
2 せっかくだから国際通りも歩くか
※安価下3多数決
お薦めというなんこつすばを頼んでみる。昼飯帯ならジューシィは無料らしいが、まあこの際いいだろ。
「ここも観光客多いでちね。メニューも韓国語、中国語、英語とあるし」
「沖縄自体がそうだからな。まあ良し悪しあるが、賑わうのは悪くねえんじゃないか」
店内を見ると、他の鎮守府の艦娘らしきのがちらほらいる。「那珂ちゃんNO.1決定戦」前夜だからか、その応援にでも来てるのかもしれない。
艦娘は同じ艦だと容姿が似かよるが、うちの奴らはいないようだ。鎮守府によっては全力応援というとこもあるんだろうが、うちは皆割とフリーダムだからなあ。
とかそんなことを思っていると、丼が来た。
「本当に軟骨でちね……」
「おう、そうだな。スペアリブの、骨が半透明版というんかな、これ」
しっかりした大ぶりの豚肉の中央を、茶色めの半透明の骨が通っている。箸でつまむとプルプルだ。
「どうもこれごと食べられるな。どれどれ……おおっとこれは」
「柔らかいでち!コリコリしてるかと思ったけど、ちょっと堅めのゼリーみたいでちね。それについてるこのお肉もいい感じでち」
噛むとしっかりとした味がある。麺を啜ると、鰹節中心の穏やかな味だ。こっちに来て食べた沖縄そばはどれも穏やかな味が多かったが、ここのスープが一番マイルドかもしれない。
半面、肉はかなりしっかりしてるから、それでバランスを取ってる感じなのか。
「小細工なしで食わせる感じだな。何かあっさり完飲できそうだな」
その通り、数分で特盛は腹の中へと消えた。ゴーヤも満足そうだ。
「ごちそうさまでち!!そう言えば、沖縄って普通のラーメンあるんでちかね?」
「うーん、聞いたことがないな。沖縄そばさえあればいいってことなんかね」
店外に出ると、すっかり暗くなっている。もう戻ってもいい頃合いか。
1 ホテルに戻ってゴーヤとまったり過ごそう
2 せっかくだから国際通りも歩くか
※安価下3多数決
64:【5】:2018/10/25(木)20:32:31.616 :tSt
2
65:【20】:2018/10/25(木)20:34:39.629 :B3E
2
66:◆C9vIqtyVF2:2018/10/25(木)20:54:49.946 :xH4
「せっかくだから国際通りも少し歩くか?ここで買えなかったのもいくつかありそうだし」
「でちね。今回、ろくに観光地行ってないし」
まあ元々観光地巡りは結婚式後とは決めてたが、ゴーヤ的にも消化不良感はあるんだろう。まだ店は開いてるだろうし、ちょっと行ってみるか。
#
国際通りは那覇の目抜き通りだ。土産物屋が立ち並ぶが、少し脇道に反れると地元民御用達の市場やちょっとしたカフェ、ビストロもある、らしい。
まあ今回は初めてなので、軽く往復する程度にしよう。
それにしても、夜だとあんまり人がいないな。冬ってこともあるんだろうが。
※コンマ下、!random
00〜10 何もなし
11〜40 あれっ、提督じゃん?
41〜70 あら提督、奇遇ですね
71〜90 再安価(別の艦娘登場)
91〜100 ?????
「せっかくだから国際通りも少し歩くか?ここで買えなかったのもいくつかありそうだし」
「でちね。今回、ろくに観光地行ってないし」
まあ元々観光地巡りは結婚式後とは決めてたが、ゴーヤ的にも消化不良感はあるんだろう。まだ店は開いてるだろうし、ちょっと行ってみるか。
#
国際通りは那覇の目抜き通りだ。土産物屋が立ち並ぶが、少し脇道に反れると地元民御用達の市場やちょっとしたカフェ、ビストロもある、らしい。
まあ今回は初めてなので、軽く往復する程度にしよう。
それにしても、夜だとあんまり人がいないな。冬ってこともあるんだろうが。
※コンマ下、!random
00〜10 何もなし
11〜40 あれっ、提督じゃん?
41〜70 あら提督、奇遇ですね
71〜90 再安価(別の艦娘登場)
91〜100 ?????
67:【32】:2018/10/25(木)20:57:01.339 :tSt
あ
68:◆C9vIqtyVF2:2018/10/25(木)21:15:35.442 :xH4
「あれっ、提督じゃん?」
大柄な男の腕にぶら下がるようにして、コートの長髪の女が向かい側から呼び掛けてきた。
「鈴谷か?お前らも今日はこっちか」
「そうそう。鈴谷たちも明日帰るからさー。沖縄最後の夜を満喫中!ってわけ」
鳴門がこほん、と咳払いをした。
「これから戻るとこでち?」
「お土産ちょっと買ったら戻ろっかなーって。沖縄の『塩』専門店があるから寄ってく?」
「お塩でちか?何か面白そうでち!」
女二人はぴょこぴょこと向こうに行ってしまった。むさ苦しい男二人が取り残される。
「ゴーヤはあのラーメン対決で料理に目覚めたからなあ……お前のところはやんの?」
「鈴はあれで家庭的でありますからな」
鳴門が少し顔を赤くしている。……ふむ。
「まあまだ未成年だから、程々にな。結婚式ってことになったら声かけてくれ」
「……恐縮です」
俺たちも店に向かおうとする。……そう言えば。
「ところでだ。……深海棲艦に通じている鎮守府の噂、知らないか」
俺は声を潜めた。鳴門は……
※コンマ下、!random
00〜25 初耳ですよ
26〜50 噂には
51〜75 ……聞いたことが
76〜95 ひょっとすると
96〜100 目を見開いた
「あれっ、提督じゃん?」
大柄な男の腕にぶら下がるようにして、コートの長髪の女が向かい側から呼び掛けてきた。
「鈴谷か?お前らも今日はこっちか」
「そうそう。鈴谷たちも明日帰るからさー。沖縄最後の夜を満喫中!ってわけ」
鳴門がこほん、と咳払いをした。
「これから戻るとこでち?」
「お土産ちょっと買ったら戻ろっかなーって。沖縄の『塩』専門店があるから寄ってく?」
「お塩でちか?何か面白そうでち!」
女二人はぴょこぴょこと向こうに行ってしまった。むさ苦しい男二人が取り残される。
「ゴーヤはあのラーメン対決で料理に目覚めたからなあ……お前のところはやんの?」
「鈴はあれで家庭的でありますからな」
鳴門が少し顔を赤くしている。……ふむ。
「まあまだ未成年だから、程々にな。結婚式ってことになったら声かけてくれ」
「……恐縮です」
俺たちも店に向かおうとする。……そう言えば。
「ところでだ。……深海棲艦に通じている鎮守府の噂、知らないか」
俺は声を潜めた。鳴門は……
※コンマ下、!random
00〜25 初耳ですよ
26〜50 噂には
51〜75 ……聞いたことが
76〜95 ひょっとすると
96〜100 目を見開いた
69:【22】:2018/10/25(木)21:19:07.452 :B3E
はい
70:◆C9vIqtyVF2:2018/10/25(木)21:41:22.811 :xH4
「初耳ですよ、そんな話」
「知らなかったか、ならいい」
「ならいい、じゃないですよ。どういうことなんです?」
俺は辺りを見渡した。人通りが少ないとはいえ、やはりここで話すことじゃない。
「詳しくは買い物の後でホテルで話す。カク秘事項だ」
#
俺たち4人はホテルの俺の部屋に集まっていた。ダブルの部屋に4人は狭いが、仕方がない。
「提督、なんなのさー。早く部屋でなるちゃんとイチャイチャしたいんですけどぉ〜」
「鈴谷、結構真面目な話でち。ちょうどいいから聞いてくでち」
俺は一通りのことを話した。鳴門の顔がみるみる険しくなっていく。
一通り話し終えると、鳴門が渾身の力でベッドを叩いた。ベッドに座っていた鈴谷がビクッと震えた。
「許せん……!!道理でこちらの行動が読まれていることがあると思っていたがっ……!!」
「そういうことだ。んで、防衛省と大本営が隠密裏に動いている。ただ、尻尾が見えないらしい。
国防の危機に関することだ。お前なら優秀だし、信頼もできる。是非、協力を仰ぎたい。
問題は、手掛かりらしいものがないってことだ。どうも調査開始から結構経ってるが、それでも成果がない。どう思う?」
鳴門は巨体を丸めるようにして考え込んだ。
「……連絡手段、それと動機ですかね。相手は電波も届かぬ海の底、普通に考えれば連絡なんてしようがない。しかも、憲兵にも不審な動きは監視されてる。
それと、処刑されるリスクを負うだけの動機は、そうそうない気が」
「そうだ。だから困っているらしい。知恵を借りたい」
4人全員が黙った。
「初耳ですよ、そんな話」
「知らなかったか、ならいい」
「ならいい、じゃないですよ。どういうことなんです?」
俺は辺りを見渡した。人通りが少ないとはいえ、やはりここで話すことじゃない。
「詳しくは買い物の後でホテルで話す。カク秘事項だ」
#
俺たち4人はホテルの俺の部屋に集まっていた。ダブルの部屋に4人は狭いが、仕方がない。
「提督、なんなのさー。早く部屋でなるちゃんとイチャイチャしたいんですけどぉ〜」
「鈴谷、結構真面目な話でち。ちょうどいいから聞いてくでち」
俺は一通りのことを話した。鳴門の顔がみるみる険しくなっていく。
一通り話し終えると、鳴門が渾身の力でベッドを叩いた。ベッドに座っていた鈴谷がビクッと震えた。
「許せん……!!道理でこちらの行動が読まれていることがあると思っていたがっ……!!」
「そういうことだ。んで、防衛省と大本営が隠密裏に動いている。ただ、尻尾が見えないらしい。
国防の危機に関することだ。お前なら優秀だし、信頼もできる。是非、協力を仰ぎたい。
問題は、手掛かりらしいものがないってことだ。どうも調査開始から結構経ってるが、それでも成果がない。どう思う?」
鳴門は巨体を丸めるようにして考え込んだ。
「……連絡手段、それと動機ですかね。相手は電波も届かぬ海の底、普通に考えれば連絡なんてしようがない。しかも、憲兵にも不審な動きは監視されてる。
それと、処刑されるリスクを負うだけの動機は、そうそうない気が」
「そうだ。だから困っているらしい。知恵を借りたい」
4人全員が黙った。
71:◆C9vIqtyVF2:2018/10/25(木)22:00:15.718 :xH4
「深海棲艦が、こっそり紛れ込んでいるってないかな?」
俺は鈴谷を見た。
「どうやって?何に?」
「そりゃあ分かんないよ。艦娘かもしれないし、提督かもしれない。でも、それぐらいしか思い付かないなあ」
「……なりすましが現実的に可能と思えんがな。ありゃ確か、ゾンビに近いものなんだろう?」
そうだ。深海棲艦は、死骸に戦争の怨念がとり憑いてできた、半死半生の生命体だ。行動原理は相手の死という名の鎮魂。
ぶっちゃけ言えば、殺し破壊することで怨念を晴らさんとする、とてつもなく厄介な怨霊ってことだ。
だが、その行動にはどこかしらの意思が働いているようにも思えた。ただ破壊衝動に身を任せているだけでなく、確実にこちらをハメようとする狡猾さも持っている。
戦闘行動にも組織だったものが見られる。あるいは向こうにも提督がいるって噂すらあったぐらいだ。
「ゾンビを操る、ネクロマンサーみたいなのがいるとかでちかね?」
「なるほどな……。そうなると」
1 一度帰って浜田嬢の話を聞こう
2 「那珂ちゃんNO.1決定戦」は確か全鎮守府がかでているんだっけか?
3 その他自由安価
※安価下5、多数決
「深海棲艦が、こっそり紛れ込んでいるってないかな?」
俺は鈴谷を見た。
「どうやって?何に?」
「そりゃあ分かんないよ。艦娘かもしれないし、提督かもしれない。でも、それぐらいしか思い付かないなあ」
「……なりすましが現実的に可能と思えんがな。ありゃ確か、ゾンビに近いものなんだろう?」
そうだ。深海棲艦は、死骸に戦争の怨念がとり憑いてできた、半死半生の生命体だ。行動原理は相手の死という名の鎮魂。
ぶっちゃけ言えば、殺し破壊することで怨念を晴らさんとする、とてつもなく厄介な怨霊ってことだ。
だが、その行動にはどこかしらの意思が働いているようにも思えた。ただ破壊衝動に身を任せているだけでなく、確実にこちらをハメようとする狡猾さも持っている。
戦闘行動にも組織だったものが見られる。あるいは向こうにも提督がいるって噂すらあったぐらいだ。
「ゾンビを操る、ネクロマンサーみたいなのがいるとかでちかね?」
「なるほどな……。そうなると」
1 一度帰って浜田嬢の話を聞こう
2 「那珂ちゃんNO.1決定戦」は確か全鎮守府がかでているんだっけか?
3 その他自由安価
※安価下5、多数決
72:名無しさん@おーぷん:2018/10/25(木)22:12:01.066 :Wdx
2
73:【6】:2018/10/25(木)22:16:36.945 :cLI
1
74:【96】:2018/10/25(木)22:20:15.195 :B3E
2
75:【67】:2018/10/25(木)22:23:50.567 :KP1
2
79:◆C9vIqtyVF2:2018/10/26(金)13:18:05.401 :VsE
「……確か『那珂ちゃんNO.1決定戦』は、全鎮守府が参加してるんだっけ?手掛かりがあるかもな」
「そうか!怪しい鎮守府があれば、そこから参加する那珂もおかしいかもしれない。そこから引っ掛けると」
俺は鳴門に頷いた。
「そう上手くいくかは分からん。そもそもこのお祭りに本気で参加してない可能性もある。極端な話、新兵を出してるかもしれない。
ただ、何かしらの違和感みたいなのがあれば、それが手掛かりになるかもな」
イベントは確か朝から首里城公園でやるはずだ。さあ、どうなるか……。
#
「結構な人でちねー」
ゴーヤが感心したようすで言う。那珂は一応「艦娘のアイドル」ってことになってる。
佐世保第一鎮守府のなんかは、完全に普通のアイドル並の人気だ。そういうのが何人かいるわけで、そりゃあオタは殺到する。
うちのはそういう柄じゃないから、特に露出もなんもしてないんだがな。というか、神通がガシガシ鍛えてるから出る暇がないのもある。
「全くだな。一応、控え室で激励でもしてやっか」
俺は提督なので控え室もフリーパスだ。入れ込んでる提督もいれば、緊張から泣き出す那珂を抱き締め慰めてる奴もいる。うちはといえば……
「はい右!そこから左鉤打ち、貫手!!」
神通がパンチンググロープを持って叫んでいる。「シュッシュッシュッ!」という声と共に、破裂音が控え室に響いた。……周りがドン引きしとるぞ。
「踏み込みが浅いっ!!……あら、提督?応援にいらしてくださったのですね」
俺に気付いた神通がグローブを構えながら顔だけ器用にこちらを向いて微笑んだ。当て身の誘導だけはちゃっかり続けている。
「だから武道大会じゃねえってんだろ……てか何で川内が魂抜けて転がってんだよ」
「姉さんにも仕上げに協力してもらいましたから。那珂ちゃん、仕舞いよ」
シュッ!という気合いと共に、豪快な右ストレートが繰り出された。那珂の目は血走って、完全な戦闘モードだ。
「……確か『那珂ちゃんNO.1決定戦』は、全鎮守府が参加してるんだっけ?手掛かりがあるかもな」
「そうか!怪しい鎮守府があれば、そこから参加する那珂もおかしいかもしれない。そこから引っ掛けると」
俺は鳴門に頷いた。
「そう上手くいくかは分からん。そもそもこのお祭りに本気で参加してない可能性もある。極端な話、新兵を出してるかもしれない。
ただ、何かしらの違和感みたいなのがあれば、それが手掛かりになるかもな」
イベントは確か朝から首里城公園でやるはずだ。さあ、どうなるか……。
#
「結構な人でちねー」
ゴーヤが感心したようすで言う。那珂は一応「艦娘のアイドル」ってことになってる。
佐世保第一鎮守府のなんかは、完全に普通のアイドル並の人気だ。そういうのが何人かいるわけで、そりゃあオタは殺到する。
うちのはそういう柄じゃないから、特に露出もなんもしてないんだがな。というか、神通がガシガシ鍛えてるから出る暇がないのもある。
「全くだな。一応、控え室で激励でもしてやっか」
俺は提督なので控え室もフリーパスだ。入れ込んでる提督もいれば、緊張から泣き出す那珂を抱き締め慰めてる奴もいる。うちはといえば……
「はい右!そこから左鉤打ち、貫手!!」
神通がパンチンググロープを持って叫んでいる。「シュッシュッシュッ!」という声と共に、破裂音が控え室に響いた。……周りがドン引きしとるぞ。
「踏み込みが浅いっ!!……あら、提督?応援にいらしてくださったのですね」
俺に気付いた神通がグローブを構えながら顔だけ器用にこちらを向いて微笑んだ。当て身の誘導だけはちゃっかり続けている。
「だから武道大会じゃねえってんだろ……てか何で川内が魂抜けて転がってんだよ」
「姉さんにも仕上げに協力してもらいましたから。那珂ちゃん、仕舞いよ」
シュッ!という気合いと共に、豪快な右ストレートが繰り出された。那珂の目は血走って、完全な戦闘モードだ。
80:◆C9vIqtyVF2:2018/10/26(金)13:22:48.849 :VsE
「フウッ、フウーッ……!!」
「どうどう、落ち着いて。本番まで力を溜めるのよ……」
「ダメでち。完全に勘違いしてるでち」
ゴーヤが呆れ返ったように呟く。全くだ。
「こいつらはほっとこう。鳴門のとこにも一応行ってみるか」
別の控え室を訪れると……
00 ??????
01〜10 た、大変だ!
11〜50 こ、こんにちは……
51〜86 やっほー、那珂ちゃんだよ
86〜95 はいはい、皆並んでね〜
96〜100 何かカメラがたくさん来てるな
「フウッ、フウーッ……!!」
「どうどう、落ち着いて。本番まで力を溜めるのよ……」
「ダメでち。完全に勘違いしてるでち」
ゴーヤが呆れ返ったように呟く。全くだ。
「こいつらはほっとこう。鳴門のとこにも一応行ってみるか」
別の控え室を訪れると……
00 ??????
01〜10 た、大変だ!
11〜50 こ、こんにちは……
51〜86 やっほー、那珂ちゃんだよ
86〜95 はいはい、皆並んでね〜
96〜100 何かカメラがたくさん来てるな
82:【23】:2018/10/26(金)13:24:22.071 :B9n
どう?
83:◆C9vIqtyVF2:2018/10/26(金)13:43:15.665 :VsE
「こ、こんにちは……」
鳴門のとこに行くと、小柄なお団子頭の子がペコリと頭を下げた。鈴谷もいる。
「ん?この子が鳴門の」
「そ。まだ新米ちゃんなんだってさ。大丈夫、皆緊張してるからさ」
「そうだ。何事も経験だ。結果は問わん、思い切りやってこい」
「は、はい……」
鳴門の那珂はうつむいた。まあ、鳴門は若手の部類だし、戦力は集中させているのだろう。
「小泉中佐はいいんですか?ご自分の所は」
「完全に明後日の方向に突っ走ってるからな、好きなようにやらせてる。確か、予選は5項目だったか」
「はい。ダンス、歌唱、格闘、トーク、そして料理です。その後、上位者が総合アピールと」
「料理??できたっけあいつ……」
※コンマ下、!random
00 磯風教狂信者
01〜35 からきし
36〜60 そこそこ
61〜85 まあまあ
86〜95 なかなか
96〜99 実は鳳翔並
100 磯風教信者、ただし……
「こ、こんにちは……」
鳴門のとこに行くと、小柄なお団子頭の子がペコリと頭を下げた。鈴谷もいる。
「ん?この子が鳴門の」
「そ。まだ新米ちゃんなんだってさ。大丈夫、皆緊張してるからさ」
「そうだ。何事も経験だ。結果は問わん、思い切りやってこい」
「は、はい……」
鳴門の那珂はうつむいた。まあ、鳴門は若手の部類だし、戦力は集中させているのだろう。
「小泉中佐はいいんですか?ご自分の所は」
「完全に明後日の方向に突っ走ってるからな、好きなようにやらせてる。確か、予選は5項目だったか」
「はい。ダンス、歌唱、格闘、トーク、そして料理です。その後、上位者が総合アピールと」
「料理??できたっけあいつ……」
※コンマ下、!random
00 磯風教狂信者
01〜35 からきし
36〜60 そこそこ
61〜85 まあまあ
86〜95 なかなか
96〜99 実は鳳翔並
100 磯風教信者、ただし……
84:【72】:2018/10/26(金)13:47:59.998 :gzf
ほい
86:◆C9vIqtyVF2:2018/10/26(金)21:55:14.065 :q2Q
「確かまあまあできるでち。うちの鎮守府の中では中の上ぐらいはあるでちね」
「……何で知ってんの」
「間宮さんの料理教室で一緒になったでち。煮物が得意らしいでちよ」
ああ、そういう。花嫁修行ってことでゴーヤは料理教室に行き始めたのだったな。元々それなりに上手い方だが、「てーとくには美味しいの食べてほしいでち」ということだ。
那珂が料理教室に行ったのは、多分この対策か。何気にやる気はあるのだな。
「しかし、何作るかってテーマは決まってたよな。確か、沖縄料理」
「でちね。話聞くでちか?」
「まあ一応な」
元の控え室に戻ると、試合前のボクサーよろしく那珂が頭からタオルを被っていた。
「あら、お戻りになられたんですね。ほら、那珂ちゃん。提督ですよ」
「……提督?集中してんの、那珂ちゃんの邪魔しないで」
「まあそれは勝手だが、料理は何にするか決めてんのか?ちと、助言をな」
那珂が少し顔を上げた。
「助言?」
「そう、助言。沖縄料理って何を作るつもりだ?」
「……ラフテーだけど」
「作り方は?」
※コンマ下、!randomで50以上なら知っている。90以上なら?
「確かまあまあできるでち。うちの鎮守府の中では中の上ぐらいはあるでちね」
「……何で知ってんの」
「間宮さんの料理教室で一緒になったでち。煮物が得意らしいでちよ」
ああ、そういう。花嫁修行ってことでゴーヤは料理教室に行き始めたのだったな。元々それなりに上手い方だが、「てーとくには美味しいの食べてほしいでち」ということだ。
那珂が料理教室に行ったのは、多分この対策か。何気にやる気はあるのだな。
「しかし、何作るかってテーマは決まってたよな。確か、沖縄料理」
「でちね。話聞くでちか?」
「まあ一応な」
元の控え室に戻ると、試合前のボクサーよろしく那珂が頭からタオルを被っていた。
「あら、お戻りになられたんですね。ほら、那珂ちゃん。提督ですよ」
「……提督?集中してんの、那珂ちゃんの邪魔しないで」
「まあそれは勝手だが、料理は何にするか決めてんのか?ちと、助言をな」
那珂が少し顔を上げた。
「助言?」
「そう、助言。沖縄料理って何を作るつもりだ?」
「……ラフテーだけど」
「作り方は?」
※コンマ下、!randomで50以上なら知っている。90以上なら?
87:【63】:2018/10/26(金)21:56:37.620 :XUl
はいな
88:◆C9vIqtyVF2:2018/10/26(金)22:19:31.248 :q2Q
「間宮さんのとこで教えてもらった。茹で豚作って、鰹だしに泡盛でさらに煮る。黒砂糖入れて、醤油も入れて大体1時間。仕上げに針しょうがで完成でしょ。
茹で豚は持ち込めるから、制限時間には間に合う……多分」
「お、大丈夫そうだな。……だがそれで勝てるか?」
「……え?」
那珂がさらに顔を上げた。俺はにっと笑う。
「せっかくだから、ラフテーそばと行こうじゃねえか。煮てる時間に下ごしらえすりゃいい。やり方は……」
沖縄そばは素人だが、あれだけ食べれば味の骨格とスープの作り方は分かる。鰹だしの引き方が分かるようなら、これでいけるはずだ。
#
「上手くいくでちかね?」
「ん、まあお手並み拝見だな。始まるぞ」
席につくと、司会のお笑い芸人とタレント——ありゃどっかの鎮守府の龍驤だな——がステージに現れた。まずは料理からだ。
「じゃ、いくでー!よーい、はじめぇ!!」
那珂は慣れた手付きでラフテーを煮始める。そして寸胴に水を張ると、ありったけの鰹節と少量の鯖節を投入した。
「おおっと横須賀第5鎮守府!!これは思い切ったでー!?」
沖縄そばは鰹だしが命だ。そして、いい鰹だしには鰹節の量が不可欠。そして豚のだしは……既に手中にある。
那珂は茹で豚を作った時の茹で汁に豚のクズ肉を入れて煮込む。大量に浮いたアクを、丹念に取り除く。
しばらくした後、鍋を火からおろし、ガーゼを張ったボウルに注ぎ込む。果たして余分な脂や肉は取り除かれ、ボウルには脂が浮いた透明なだしだけが残った。
隣にいた鳴門と鈴谷が俺を驚いたように見た。
「那珂ちゃんやるじゃん!これ、提督が教えたの?」
「おう。ラーメンのスープを作るときの応用な。本当は香味野菜とかも入れるんだが、ここはシンプルにな。
そもそも使ってるのがアグーだから、手を下手に加えない方がいい。後は鰹だしと豚だしを合わせ、ラフテーのタレを隠し味に入れればいっちょ上がりだ。鰹だしを多目にするのがみそだな」
ここには一通りの沖縄食材が揃っている。もちろん、沖縄そばの麺もだ。那珂はそれをゆがいて、スープを張った丼に入れる。これでラフテーと沖縄かまぼこを入れれば完成だ。
「間宮さんのとこで教えてもらった。茹で豚作って、鰹だしに泡盛でさらに煮る。黒砂糖入れて、醤油も入れて大体1時間。仕上げに針しょうがで完成でしょ。
茹で豚は持ち込めるから、制限時間には間に合う……多分」
「お、大丈夫そうだな。……だがそれで勝てるか?」
「……え?」
那珂がさらに顔を上げた。俺はにっと笑う。
「せっかくだから、ラフテーそばと行こうじゃねえか。煮てる時間に下ごしらえすりゃいい。やり方は……」
沖縄そばは素人だが、あれだけ食べれば味の骨格とスープの作り方は分かる。鰹だしの引き方が分かるようなら、これでいけるはずだ。
#
「上手くいくでちかね?」
「ん、まあお手並み拝見だな。始まるぞ」
席につくと、司会のお笑い芸人とタレント——ありゃどっかの鎮守府の龍驤だな——がステージに現れた。まずは料理からだ。
「じゃ、いくでー!よーい、はじめぇ!!」
那珂は慣れた手付きでラフテーを煮始める。そして寸胴に水を張ると、ありったけの鰹節と少量の鯖節を投入した。
「おおっと横須賀第5鎮守府!!これは思い切ったでー!?」
沖縄そばは鰹だしが命だ。そして、いい鰹だしには鰹節の量が不可欠。そして豚のだしは……既に手中にある。
那珂は茹で豚を作った時の茹で汁に豚のクズ肉を入れて煮込む。大量に浮いたアクを、丹念に取り除く。
しばらくした後、鍋を火からおろし、ガーゼを張ったボウルに注ぎ込む。果たして余分な脂や肉は取り除かれ、ボウルには脂が浮いた透明なだしだけが残った。
隣にいた鳴門と鈴谷が俺を驚いたように見た。
「那珂ちゃんやるじゃん!これ、提督が教えたの?」
「おう。ラーメンのスープを作るときの応用な。本当は香味野菜とかも入れるんだが、ここはシンプルにな。
そもそも使ってるのがアグーだから、手を下手に加えない方がいい。後は鰹だしと豚だしを合わせ、ラフテーのタレを隠し味に入れればいっちょ上がりだ。鰹だしを多目にするのがみそだな」
ここには一通りの沖縄食材が揃っている。もちろん、沖縄そばの麺もだ。那珂はそれをゆがいて、スープを張った丼に入れる。これでラフテーと沖縄かまぼこを入れれば完成だ。
89:◆C9vIqtyVF2:2018/10/26(金)22:26:16.352 :q2Q
「ここでタイムアップやー!皆、思い思いのを作ったようやね。ゴーヤチャンプルが多いようやけど……横須賀第5鎮守府のは沖縄そば??これは楽しみやー」
予選ブロックとしては、なかなか良さそうな手応えだ。この組には上はいないだろう。問題は、それ以外だ。
※コンマ下、!random
00 ???????
01〜30 予選8位
31〜70 予選5位
71〜90 予選3位
91〜97 予選1位
98〜100 ……??
「ここでタイムアップやー!皆、思い思いのを作ったようやね。ゴーヤチャンプルが多いようやけど……横須賀第5鎮守府のは沖縄そば??これは楽しみやー」
予選ブロックとしては、なかなか良さそうな手応えだ。この組には上はいないだろう。問題は、それ以外だ。
※コンマ下、!random
00 ???????
01〜30 予選8位
31〜70 予選5位
71〜90 予選3位
91〜97 予選1位
98〜100 ……??
90:【34】:2018/10/26(金)22:28:02.683 :m2F
あ
91:◆C9vIqtyVF2:2018/10/26(金)22:38:44.420 :q2Q
#
「予選は5位か、まあ付け焼き刃のわりにはよく頑張ったな」
「でち。しかし上位はすごかったでちね。赤ミーバイの煮付けとか、マンゴーを使ったスペシャルパフェとか。鳳翔さん並みも何人かいたでち」
「まあ上には上がいるってことだな。しゃあない、次だ次」
さすがに料理で怪しいやつはいなかったな。問題はこれからだ。歌唱、トーク、ダンス……そして格闘。
怪しいのが分かるとするなら、最後の格闘だ。さあどうなるか……。
※コンマ下1〜3、!random
歌唱がコンマ下1、トークがコンマ下2、ダンスがコンマ下3。
判定内容は全て共通です。
00 ??????
01〜20 通過ライン圏外
21〜50 ほぼ平均
51〜70 上位20%
71〜90 上位10位前後
91〜95 上位5位
96〜98 上位3位
99〜100 1位
※ゾロ目でイベント、1位なら予選通過確定
#
「予選は5位か、まあ付け焼き刃のわりにはよく頑張ったな」
「でち。しかし上位はすごかったでちね。赤ミーバイの煮付けとか、マンゴーを使ったスペシャルパフェとか。鳳翔さん並みも何人かいたでち」
「まあ上には上がいるってことだな。しゃあない、次だ次」
さすがに料理で怪しいやつはいなかったな。問題はこれからだ。歌唱、トーク、ダンス……そして格闘。
怪しいのが分かるとするなら、最後の格闘だ。さあどうなるか……。
※コンマ下1〜3、!random
歌唱がコンマ下1、トークがコンマ下2、ダンスがコンマ下3。
判定内容は全て共通です。
00 ??????
01〜20 通過ライン圏外
21〜50 ほぼ平均
51〜70 上位20%
71〜90 上位10位前後
91〜95 上位5位
96〜98 上位3位
99〜100 1位
※ゾロ目でイベント、1位なら予選通過確定
92:【82】:2018/10/26(金)22:39:09.285 :A3B
ほ
93:【78】:2018/10/26(金)22:39:46.523 :XUl
はいな
94:【55】:2018/10/26(金)22:44:57.308 :m2F
あ
95:◆C9vIqtyVF2:2018/10/26(金)22:50:28.532 :q2Q
イベント内容を決定します。
コンマ下、!randomで
00〜15 ??????
16〜20 1位が鳴門の那珂
21〜50 あの那珂、ちょっと肌の色が……?
51〜80 あの那珂、動きが……
81〜95 あの那珂、動きが……え?
96〜100 ????????
イベント内容を決定します。
コンマ下、!randomで
00〜15 ??????
16〜20 1位が鳴門の那珂
21〜50 あの那珂、ちょっと肌の色が……?
51〜80 あの那珂、動きが……
81〜95 あの那珂、動きが……え?
96〜100 ????????
96:【71】:2018/10/26(金)22:51:48.291 :WwJ
はい
100:◆C9vIqtyVF2:2018/10/27(土)15:38:51.760 :8f8
#
「……何か普通に決勝進出しそうなんだが」
戸惑いながら途中経過のスコアボードを見る。横須賀第5鎮守府は、3種目が終わって何と6位だ。上位10人が進出する決勝のボーダーラインを大きく上回っている。
「那珂ってあんなできる子だったでちか?うちでは神通にしごかれてるイメージしかなかったけど、歌もトークも結構いけてたでち……」
うしろからフフン、という声が聞こえた。振り替えるとどや顔の川内と、ニコニコ笑顔の神通がいる。
「そりゃあ私らが鍛えに鍛えたからね。。歌とダンスは私、格闘は神通ってわけ。……格闘の比率がほとんどだけど」
「それでも那珂ちゃんはやはり才能の塊です。ここまでやるというのは、姉として鼻が高いですね。
それと提督の厳しい訓練も糧になったと思います。ありがとうございます」
「俺はなにもしとらんぞ。そりゃ、訓練は他の鎮守府よりキツい自覚はあるが」
ふふふ、と神通が笑う。何かどう反応したらいいか悩むなこれは。
「あ、次始まるでちよ。ダンスでち」
課題曲に合わせて思い思いに踊るらしい。アップテンポのユーロビートに合わせ、那珂たちが踊る。
うちのもなかなかの動きの切れだ。これならまだ決勝進出圏内だろう。……ん?
「ねえねえ提督、一人凄いのがいるねえ」
鈴谷が俺をつついた。そう、那珂の隣だ。少し長めの髪を振り乱し、鬼気迫るように頭を振っている。しかも、動きの俊敏性が半端ではない。
「何じゃありゃ、でたらめなようでリズムは合ってる……」
「でち。ちょっと乃○坂っぽいけど、あれよりさらに激しいでち」
会場全体が呆気に取られていた。那珂も集中しきれないのか、最後はやや動きが落ちた。
「この種目トップは間違いなくこいつだな。どこの鎮守府だ?……」
※コンマ下、!random
00〜35 鹿屋基地か、総合3位……
36〜60 佐世保……ああ、こいつが噂の
61〜80 呉?鳴門、知ってるか?
81〜95 舞鶴?……
96〜100 向こう側で手を叩く音が聞こえる
#
「……何か普通に決勝進出しそうなんだが」
戸惑いながら途中経過のスコアボードを見る。横須賀第5鎮守府は、3種目が終わって何と6位だ。上位10人が進出する決勝のボーダーラインを大きく上回っている。
「那珂ってあんなできる子だったでちか?うちでは神通にしごかれてるイメージしかなかったけど、歌もトークも結構いけてたでち……」
うしろからフフン、という声が聞こえた。振り替えるとどや顔の川内と、ニコニコ笑顔の神通がいる。
「そりゃあ私らが鍛えに鍛えたからね。。歌とダンスは私、格闘は神通ってわけ。……格闘の比率がほとんどだけど」
「それでも那珂ちゃんはやはり才能の塊です。ここまでやるというのは、姉として鼻が高いですね。
それと提督の厳しい訓練も糧になったと思います。ありがとうございます」
「俺はなにもしとらんぞ。そりゃ、訓練は他の鎮守府よりキツい自覚はあるが」
ふふふ、と神通が笑う。何かどう反応したらいいか悩むなこれは。
「あ、次始まるでちよ。ダンスでち」
課題曲に合わせて思い思いに踊るらしい。アップテンポのユーロビートに合わせ、那珂たちが踊る。
うちのもなかなかの動きの切れだ。これならまだ決勝進出圏内だろう。……ん?
「ねえねえ提督、一人凄いのがいるねえ」
鈴谷が俺をつついた。そう、那珂の隣だ。少し長めの髪を振り乱し、鬼気迫るように頭を振っている。しかも、動きの俊敏性が半端ではない。
「何じゃありゃ、でたらめなようでリズムは合ってる……」
「でち。ちょっと乃○坂っぽいけど、あれよりさらに激しいでち」
会場全体が呆気に取られていた。那珂も集中しきれないのか、最後はやや動きが落ちた。
「この種目トップは間違いなくこいつだな。どこの鎮守府だ?……」
※コンマ下、!random
00〜35 鹿屋基地か、総合3位……
36〜60 佐世保……ああ、こいつが噂の
61〜80 呉?鳴門、知ってるか?
81〜95 舞鶴?……
96〜100 向こう側で手を叩く音が聞こえる
102:【78】:2018/10/27(土)15:40:13.885 :UKU
キャーナカチャーン
103:◆C9vIqtyVF2:2018/10/27(土)15:46:12.441 :8f8
「呉第2鎮守府……鳴門、知ってるか?」
鳴門は少し唸った。
「……確か、最近提督が変わったところですね。元はベテランがいたところですが、一身上の都合とかで交代になってます。東山大佐、という名前だったはずです」
「ふうん、で、あの那珂は前から有名だったのか?」
※コンマ下、!randomが40以上で?
「呉第2鎮守府……鳴門、知ってるか?」
鳴門は少し唸った。
「……確か、最近提督が変わったところですね。元はベテランがいたところですが、一身上の都合とかで交代になってます。東山大佐、という名前だったはずです」
「ふうん、で、あの那珂は前から有名だったのか?」
※コンマ下、!randomが40以上で?
104:【64】:2018/10/27(土)15:47:01.717 :voC
あい
105:◆C9vIqtyVF2:2018/10/27(土)15:59:06.211 :8f8
「いえ、全く。アイドル活動をやってたという話も聞かないですし。そもそも、前任の中河少将はやる気に欠けた人で、鎮守府の綱紀は緩み気味でしたから。
提督が変わると、艦娘も変わるものなんでしょうかね?」
それはあるかもしれない。だが、少々妙だ。そもそも東山大佐という名前に聞き覚えがない。少佐以上の階級なら、大体は名前を知っているはずだ。
つまり、いきなり大佐になれる特殊な立場の人間ということになる。キャリアか、あるいは……。
スコアボードに新しい順位が映し出された。那珂は10位まで落ちた。呉第2鎮守府のは……25位か。他の項目は冴えないというか、全くのようだったが。
「まあちょっと順位は落ちちゃったけど大丈夫!次は1位も狙えるもんねー」
「ええ。うちの那珂ちゃんに勝てる子はいません。じゃあ提督、セコンドに付きますので」
川内と神通が去っていった。次は最終項目、格闘だ。何人かのバトルロイヤルを何回かやって順位を決めるらしい。もちろん素手だ。
※コンマ下、!random
00 ??????
01〜05 初戦負け?
06〜10 2回戦負け?
11〜30 準決勝負け?
31〜50 何、あいつ……
51〜95 戦闘イベントへ
96〜100 ???????
「いえ、全く。アイドル活動をやってたという話も聞かないですし。そもそも、前任の中河少将はやる気に欠けた人で、鎮守府の綱紀は緩み気味でしたから。
提督が変わると、艦娘も変わるものなんでしょうかね?」
それはあるかもしれない。だが、少々妙だ。そもそも東山大佐という名前に聞き覚えがない。少佐以上の階級なら、大体は名前を知っているはずだ。
つまり、いきなり大佐になれる特殊な立場の人間ということになる。キャリアか、あるいは……。
スコアボードに新しい順位が映し出された。那珂は10位まで落ちた。呉第2鎮守府のは……25位か。他の項目は冴えないというか、全くのようだったが。
「まあちょっと順位は落ちちゃったけど大丈夫!次は1位も狙えるもんねー」
「ええ。うちの那珂ちゃんに勝てる子はいません。じゃあ提督、セコンドに付きますので」
川内と神通が去っていった。次は最終項目、格闘だ。何人かのバトルロイヤルを何回かやって順位を決めるらしい。もちろん素手だ。
※コンマ下、!random
00 ??????
01〜05 初戦負け?
06〜10 2回戦負け?
11〜30 準決勝負け?
31〜50 何、あいつ……
51〜95 戦闘イベントへ
96〜100 ???????
106:【99】:2018/10/27(土)16:00:06.196 :him
はい
107:【41】:2018/10/27(土)16:01:27.594 :voC
つよい
108:◆C9vIqtyVF2:2018/10/27(土)16:18:17.297 :8f8
#
「……強くね?」
俺はリング上を見て唖然とした。開始からわずか2分。予選1回戦とはいえ、6人いた選手はあっという間にうちの那珂だけになった。それも、ほぼ一撃でだ。
「い、いやー強すぎっしょ……那珂ちゃんって、あんなに強かったっけ?練度、そこまで高くないでしょ??」
「あ、ああ……練度だけならゴーヤやお前の方が高いはずだが。にしてもなあ」
リングサイドでは川内と神通が満足そうに頷いている。そりゃ確かに凄い特訓ではあったようだが……あそこまでとはな。
「投げ技が強いのは分かるでち。しかし打撃が……これから那珂ちゃんにはちょっかい出すのやめるでち」
リングから降りた那珂が、川内たちとハイタッチする。この分なら、決勝までは堅そうだな。
入れ替わりで、さっきの呉の那珂がリングに上がる。目には生気がないが、それがかえって不気味だ。
「じゃあ予選1回戦第2組いっくでー!!」
ゴングが鳴った瞬間、一人の那珂がリング外に凄まじい勢いで吹っ飛ばされていた。……鉄山靠?
「こ、これはマズいですよ?いくらバケツがあるからって……」
鳴門が震える声で言った。そう言っている間にも、次から次へと那珂が吹っ飛ばされていく。1分もしないうちに、そこにはあの那珂だけが残った。
「し……勝者、呉第2鎮守府っ……!!」
会場がざわつく。2組続けての瞬殺劇に、空気が妙な緊張感を帯び始めていた。
#
「……強くね?」
俺はリング上を見て唖然とした。開始からわずか2分。予選1回戦とはいえ、6人いた選手はあっという間にうちの那珂だけになった。それも、ほぼ一撃でだ。
「い、いやー強すぎっしょ……那珂ちゃんって、あんなに強かったっけ?練度、そこまで高くないでしょ??」
「あ、ああ……練度だけならゴーヤやお前の方が高いはずだが。にしてもなあ」
リングサイドでは川内と神通が満足そうに頷いている。そりゃ確かに凄い特訓ではあったようだが……あそこまでとはな。
「投げ技が強いのは分かるでち。しかし打撃が……これから那珂ちゃんにはちょっかい出すのやめるでち」
リングから降りた那珂が、川内たちとハイタッチする。この分なら、決勝までは堅そうだな。
入れ替わりで、さっきの呉の那珂がリングに上がる。目には生気がないが、それがかえって不気味だ。
「じゃあ予選1回戦第2組いっくでー!!」
ゴングが鳴った瞬間、一人の那珂がリング外に凄まじい勢いで吹っ飛ばされていた。……鉄山靠?
「こ、これはマズいですよ?いくらバケツがあるからって……」
鳴門が震える声で言った。そう言っている間にも、次から次へと那珂が吹っ飛ばされていく。1分もしないうちに、そこにはあの那珂だけが残った。
「し……勝者、呉第2鎮守府っ……!!」
会場がざわつく。2組続けての瞬殺劇に、空気が妙な緊張感を帯び始めていた。
109:◆C9vIqtyVF2:2018/10/27(土)16:26:42.399 :8f8
#
そこからは二人の独壇場だった。うちの那珂が打撃と投げ技で沈黙させていくと思えば、向こうは鉄山靠で次々と吹っ飛ばす。
どちらも相手はたまったものではない。……特に呉のを相手にした子たちには、骨折どころか内臓破裂など重篤な怪我人も少なくなかった。
真面目にバケツ(高速修復剤)がなければ、何人か死人が出ていても不思議ではなかったようだ。運営が慌ただしくなっているが、「ルールには基づいている」ということで続行するらしい。
「……中止にすべきだろ、これ……というか、やっぱりあいつおかしいぞ」
「ええ。明らかに攻撃力が人間のそれじゃない。小泉中佐の那珂さんとは、似て非なる『暴力』です」
鳴門が険しい表情で言う。会場はどよめきと怒声と興奮とが入り交じった、カオスな空気になっていた。
※コンマ下、!randomが50以上で??登場
#
そこからは二人の独壇場だった。うちの那珂が打撃と投げ技で沈黙させていくと思えば、向こうは鉄山靠で次々と吹っ飛ばす。
どちらも相手はたまったものではない。……特に呉のを相手にした子たちには、骨折どころか内臓破裂など重篤な怪我人も少なくなかった。
真面目にバケツ(高速修復剤)がなければ、何人か死人が出ていても不思議ではなかったようだ。運営が慌ただしくなっているが、「ルールには基づいている」ということで続行するらしい。
「……中止にすべきだろ、これ……というか、やっぱりあいつおかしいぞ」
「ええ。明らかに攻撃力が人間のそれじゃない。小泉中佐の那珂さんとは、似て非なる『暴力』です」
鳴門が険しい表情で言う。会場はどよめきと怒声と興奮とが入り交じった、カオスな空気になっていた。
※コンマ下、!randomが50以上で??登場
110:【43】:2018/10/27(土)16:30:32.729 :voC
はいな
113:◆C9vIqtyVF2:2018/10/28(日)21:33:38.742 :WOp
#
「じゃあ決勝戦行くでー!まず第一コーナー、佐世保第1鎮守府!総合1位や!!」
リングアナの龍驤がノリノリで叫ぶ。さすが全国区のアイドル、歓声が大きい。ここまで見ても、実にアイドルらしい子だ。
「第二コーナー、横須賀第2鎮守府!こちらは総合3位や、おおっとファンが何かやっとるで?」
うちのエース鎮守府の一つか。確か、大神大将のとこだな。俺もよく世話になっている。
所帯としては最も大きな鎮守府ではあるな。問題は、この次だ。
「第三コーナー、呉第2鎮守府!おおっとすごいブーイングやでぇ、しかし一切動じとる様子もないな」
呉第2鎮守府の那珂は、無表情でそこに立っていた。こいつは何を考えてる?
「そして第四コーナー、横須賀第5鎮守府!!予選では呉第2鎮守府と匹敵する圧勝っぷりのダークホース、このまま頂点に立てるかやな」
那珂はシャドーボクシングをしている。見るからに切れはありそうだ。……さて。
カァン!
ゴングが鳴った。と同時に、呉第2鎮守府の那珂とうちの那珂が対角線上の那珂に攻撃を仕掛ける!片や鉄山靠、片や大きく踏み込んでの右ストレート。食らった一人はリング外へと吹っ飛び、もう一人は前のめりに倒れた。
「ああっと開始わずか10秒!!注目の二人があっという間に勝負を決めたで!一気に一騎討ちや!!」
二人が構えながら間合いを詰める。しかし両方とも手を出さない。
「探ってるんでちかね?」
「というか、向こうがカウンターを警戒してる感じだな。うちのがどう動くか、探ってる感じだ」
左手のグローブを緩やかに円状に回し、那珂がじわりとプレッシャーをかける。来るなら来い、という構えだ。
#
「じゃあ決勝戦行くでー!まず第一コーナー、佐世保第1鎮守府!総合1位や!!」
リングアナの龍驤がノリノリで叫ぶ。さすが全国区のアイドル、歓声が大きい。ここまで見ても、実にアイドルらしい子だ。
「第二コーナー、横須賀第2鎮守府!こちらは総合3位や、おおっとファンが何かやっとるで?」
うちのエース鎮守府の一つか。確か、大神大将のとこだな。俺もよく世話になっている。
所帯としては最も大きな鎮守府ではあるな。問題は、この次だ。
「第三コーナー、呉第2鎮守府!おおっとすごいブーイングやでぇ、しかし一切動じとる様子もないな」
呉第2鎮守府の那珂は、無表情でそこに立っていた。こいつは何を考えてる?
「そして第四コーナー、横須賀第5鎮守府!!予選では呉第2鎮守府と匹敵する圧勝っぷりのダークホース、このまま頂点に立てるかやな」
那珂はシャドーボクシングをしている。見るからに切れはありそうだ。……さて。
カァン!
ゴングが鳴った。と同時に、呉第2鎮守府の那珂とうちの那珂が対角線上の那珂に攻撃を仕掛ける!片や鉄山靠、片や大きく踏み込んでの右ストレート。食らった一人はリング外へと吹っ飛び、もう一人は前のめりに倒れた。
「ああっと開始わずか10秒!!注目の二人があっという間に勝負を決めたで!一気に一騎討ちや!!」
二人が構えながら間合いを詰める。しかし両方とも手を出さない。
「探ってるんでちかね?」
「というか、向こうがカウンターを警戒してる感じだな。うちのがどう動くか、探ってる感じだ」
左手のグローブを緩やかに円状に回し、那珂がじわりとプレッシャーをかける。来るなら来い、という構えだ。
114:◆C9vIqtyVF2:2018/10/28(日)21:34:09.874 :LQ4
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「じゃあ決勝戦行くでー!まず第一コーナー、佐世保第1鎮守府!総合1位や!!」
リングアナの龍驤がノリノリで叫ぶ。さすが全国区のアイドル、歓声が大きい。ここまで見ても、実にアイドルらしい子だ。
「第二コーナー、横須賀第2鎮守府!こちらは総合3位や、おおっとファンが何かやっとるで?」
うちのエース鎮守府の一つか。確か、大神大将のとこだな。俺もよく世話になっている。
所帯としては最も大きな鎮守府ではあるな。問題は、この次だ。
「第三コーナー、呉第2鎮守府!おおっとすごいブーイングやでぇ、しかし一切動じとる様子もないな」
呉第2鎮守府の那珂は、無表情でそこに立っていた。こいつは何を考えてる?
「そして第四コーナー、横須賀第5鎮守府!!予選では呉第2鎮守府と匹敵する圧勝っぷりのダークホース、このまま頂点に立てるかやな」
那珂はシャドーボクシングをしている。見るからに切れはありそうだ。……さて。
カァン!
ゴングが鳴った。と同時に、呉第2鎮守府の那珂とうちの那珂が対角線上の那珂に攻撃を仕掛ける!片や鉄山靠、片や大きく踏み込んでの右ストレート。食らった一人はリング外へと吹っ飛び、もう一人は前のめりに倒れた。
「ああっと開始わずか10秒!!注目の二人があっという間に勝負を決めたで!一気に一騎討ちや!!」
二人が構えながら間合いを詰める。しかし両方とも手を出さない。
「探ってるんでちかね?」
「というか、向こうがカウンターを警戒してる感じだな。うちのがどう動くか、探ってる感じだ」
左手のグローブを緩やかに円状に回し、那珂がじわりとプレッシャーをかける。来るなら来い、という構えだ。
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「じゃあ決勝戦行くでー!まず第一コーナー、佐世保第1鎮守府!総合1位や!!」
リングアナの龍驤がノリノリで叫ぶ。さすが全国区のアイドル、歓声が大きい。ここまで見ても、実にアイドルらしい子だ。
「第二コーナー、横須賀第2鎮守府!こちらは総合3位や、おおっとファンが何かやっとるで?」
うちのエース鎮守府の一つか。確か、大神大将のとこだな。俺もよく世話になっている。
所帯としては最も大きな鎮守府ではあるな。問題は、この次だ。
「第三コーナー、呉第2鎮守府!おおっとすごいブーイングやでぇ、しかし一切動じとる様子もないな」
呉第2鎮守府の那珂は、無表情でそこに立っていた。こいつは何を考えてる?
「そして第四コーナー、横須賀第5鎮守府!!予選では呉第2鎮守府と匹敵する圧勝っぷりのダークホース、このまま頂点に立てるかやな」
那珂はシャドーボクシングをしている。見るからに切れはありそうだ。……さて。
カァン!
ゴングが鳴った。と同時に、呉第2鎮守府の那珂とうちの那珂が対角線上の那珂に攻撃を仕掛ける!片や鉄山靠、片や大きく踏み込んでの右ストレート。食らった一人はリング外へと吹っ飛び、もう一人は前のめりに倒れた。
「ああっと開始わずか10秒!!注目の二人があっという間に勝負を決めたで!一気に一騎討ちや!!」
二人が構えながら間合いを詰める。しかし両方とも手を出さない。
「探ってるんでちかね?」
「というか、向こうがカウンターを警戒してる感じだな。うちのがどう動くか、探ってる感じだ」
左手のグローブを緩やかに円状に回し、那珂がじわりとプレッシャーをかける。来るなら来い、という構えだ。
117:◆C9vIqtyVF2:2018/10/28(日)21:56:25.049 :WOp
向こうの那珂はじわりとロープに詰まる。
もう後がない。と思ったその時。
ダァアンッ!!!
ここにいても聞こえるぐらいの踏み込みで、呉第2鎮守府の那珂が那珂に背中を向けた。その刹那、那珂は左にサイドステップし、左フックを放つ。
……しかし。
ギュギュギュッ
奴はそれを読んでいたかのように、急激に身体を捻った。人間ではあり得ない方向に身体が捻れる。そして、そのままの勢いで体当たりしてきた。
「まずいっ!!」
食らった、と誰もが思ったその時だ。
バァァァンッ!!!
破裂音が場内に響いた。と同時に、呉第2鎮守府の那珂が、前のめりにゆっくりと倒れる。うちの那珂は、さっとバックステップをしていた。
「カウンター……!?」
「右アッパーだな。左フックは囮。カウンターに合わせてカウンターを打つ『クリスクロス』に、さらにカウンターを合わせたという具合か。
プロのボクサーでもそう見られん、高等技術だぞ」
呆れる鳴門に俺は言った。完璧なカウンターアッパーだ、これで立ち上がったら、完全に人間じゃない。
「おおっとぉ!!!横須賀第5鎮守府、凄まじい一撃や!!これで勝負あった……え"???」
場内を包んでいた歓声は、一転どよめきに変わった。
ゆらり……と呉第2鎮守府の那珂が立ち上がったのだ。そして、顎の辺りには、亀裂が。
「……マサカココマデナマミデオイツメルトハ……オドロイタゾ」
「やっぱりね。那珂ちゃん、あなたが生身とは思えなかったから覚悟はできてたよ」
にぃ……とその「那珂」は笑い、亀裂に手をかける。そして、マスクを脱ぐようにしてそれを破り捨てた。その素顔は……
「「「キャアアアアア!!!!!」」」
向こうの那珂はじわりとロープに詰まる。
もう後がない。と思ったその時。
ダァアンッ!!!
ここにいても聞こえるぐらいの踏み込みで、呉第2鎮守府の那珂が那珂に背中を向けた。その刹那、那珂は左にサイドステップし、左フックを放つ。
……しかし。
ギュギュギュッ
奴はそれを読んでいたかのように、急激に身体を捻った。人間ではあり得ない方向に身体が捻れる。そして、そのままの勢いで体当たりしてきた。
「まずいっ!!」
食らった、と誰もが思ったその時だ。
バァァァンッ!!!
破裂音が場内に響いた。と同時に、呉第2鎮守府の那珂が、前のめりにゆっくりと倒れる。うちの那珂は、さっとバックステップをしていた。
「カウンター……!?」
「右アッパーだな。左フックは囮。カウンターに合わせてカウンターを打つ『クリスクロス』に、さらにカウンターを合わせたという具合か。
プロのボクサーでもそう見られん、高等技術だぞ」
呆れる鳴門に俺は言った。完璧なカウンターアッパーだ、これで立ち上がったら、完全に人間じゃない。
「おおっとぉ!!!横須賀第5鎮守府、凄まじい一撃や!!これで勝負あった……え"???」
場内を包んでいた歓声は、一転どよめきに変わった。
ゆらり……と呉第2鎮守府の那珂が立ち上がったのだ。そして、顎の辺りには、亀裂が。
「……マサカココマデナマミデオイツメルトハ……オドロイタゾ」
「やっぱりね。那珂ちゃん、あなたが生身とは思えなかったから覚悟はできてたよ」
にぃ……とその「那珂」は笑い、亀裂に手をかける。そして、マスクを脱ぐようにしてそれを破り捨てた。その素顔は……
「「「キャアアアアア!!!!!」」」
118:◆C9vIqtyVF2:2018/10/28(日)22:16:43.870 :WOp
そこにいたのは。
足こそちゃんとある。顔も那珂と言われれば那珂だ。
だが、それは那珂というよりむしろ。
「軽巡棲鬼ッ!!!」
「ククク、コノママヤリスゴシテ、ケッショウデミナゴロシニスルツモリダッタガ……。
シカタナイ、ヨテイヲハヤメル。ミンナ……シネェッ!!!」
艦装が急に出現する。カノン砲が2つ。こんなところでぶっぱなされたら……多数の犠牲者が出てしまう!
「那珂ちゃんを忘れてない?」
那珂が軽巡棲鬼の方に突っ込んでいく!
「やめろぉ!!無謀だっ!!!」
軽巡棲鬼はカノン砲を撃とうとしていたからか、若干反応が遅れた。そこに、がら空きの顎に打ち下ろしの右(チョッピングライト)。
返す刀で左のボディフック。右のアッパーに左のショートフック。凄まじいコンビネーションは反撃すら許さない。
「……真面目に何なんでちか?那珂、強過ぎるでち」
口をあんぐりとさせてゴーヤが言う。神通の猛特訓の成果とはいえ、これはちょっと凄すぎる。
「これで、とどめだよ!!」
動きが完全に止まった軽巡棲鬼に接近すると、那珂は奴に組み付いた。クリンチ?いや違う、このモーションは……
「お、おおっと横須賀第5鎮守府!!右足を大きく踏み込んで、引き付け……これは小川○也必殺の!!S!T!O!やぁぁぁっ!!!!」
ズダァァァン……
軽巡棲鬼は、頭から叩き付けられた。
※コンマ下、!randomが50以上で確保成功
そこにいたのは。
足こそちゃんとある。顔も那珂と言われれば那珂だ。
だが、それは那珂というよりむしろ。
「軽巡棲鬼ッ!!!」
「ククク、コノママヤリスゴシテ、ケッショウデミナゴロシニスルツモリダッタガ……。
シカタナイ、ヨテイヲハヤメル。ミンナ……シネェッ!!!」
艦装が急に出現する。カノン砲が2つ。こんなところでぶっぱなされたら……多数の犠牲者が出てしまう!
「那珂ちゃんを忘れてない?」
那珂が軽巡棲鬼の方に突っ込んでいく!
「やめろぉ!!無謀だっ!!!」
軽巡棲鬼はカノン砲を撃とうとしていたからか、若干反応が遅れた。そこに、がら空きの顎に打ち下ろしの右(チョッピングライト)。
返す刀で左のボディフック。右のアッパーに左のショートフック。凄まじいコンビネーションは反撃すら許さない。
「……真面目に何なんでちか?那珂、強過ぎるでち」
口をあんぐりとさせてゴーヤが言う。神通の猛特訓の成果とはいえ、これはちょっと凄すぎる。
「これで、とどめだよ!!」
動きが完全に止まった軽巡棲鬼に接近すると、那珂は奴に組み付いた。クリンチ?いや違う、このモーションは……
「お、おおっと横須賀第5鎮守府!!右足を大きく踏み込んで、引き付け……これは小川○也必殺の!!S!T!O!やぁぁぁっ!!!!」
ズダァァァン……
軽巡棲鬼は、頭から叩き付けられた。
※コンマ下、!randomが50以上で確保成功
119:【52】:2018/10/28(日)22:18:23.044 :Xb5
お
120:◆C9vIqtyVF2:2018/10/28(日)22:45:31.762 :WOp
「……カハッ……!!」
軽巡棲鬼は、そのまま沈黙した。……生身で深海棲艦の、しかも鬼級に勝てるとは。
一瞬シン……と場内は静まりかえり、その直後爆発したかのような歓声が響き渡った。
「しょ、勝者!横須賀第5鎮守府!!!」
誇らしげに手を掲げる那珂に、川内と神通が抱き付いている。俺とゴーヤ、鈴谷もたまらずリングに上がった。
「凄いな!艦装なしで倒せるなんて……」
「でち!那珂、そこまで強いなんて思わなかったでち」
ヘヘンと那珂が胸を張った。
「そりゃスーパーヒロイン、那珂ちゃんだからね!これくらい、楽勝楽勝!!」
神通が軽く那珂の頭を叩く。
「私たちの協力も忘れないように。それと、スパーで相手してくれた、あの人にもね」
「あの人?」
川内がにししと笑った。
「私たち、座間の出身なのよ。で、そこ出身の格闘家といえば……提督なら分かるでしょ?」
座間の格闘家……まさか。
「『怪物』か?彼のスパーを?」
「そう、その彼。子供の頃からの付き合いなんだ。今回、沖縄に来る前にも相手してもらってたってわけ」
そりゃあ彼の相手をしてたら強くなるわけだが。しかし、女性でしかも生身で彼とやり合うとは……どういうことなんだ。
視線を深海棲鬼に移すと、ワイヤーでグルグル巻きにされていた。気を取り戻しても、これなら逃げ出せまい。
呉第2鎮守府の話、東山大佐の話。これから尋問が行われるのだろう。俺も参加することにしよう。
「……カハッ……!!」
軽巡棲鬼は、そのまま沈黙した。……生身で深海棲艦の、しかも鬼級に勝てるとは。
一瞬シン……と場内は静まりかえり、その直後爆発したかのような歓声が響き渡った。
「しょ、勝者!横須賀第5鎮守府!!!」
誇らしげに手を掲げる那珂に、川内と神通が抱き付いている。俺とゴーヤ、鈴谷もたまらずリングに上がった。
「凄いな!艦装なしで倒せるなんて……」
「でち!那珂、そこまで強いなんて思わなかったでち」
ヘヘンと那珂が胸を張った。
「そりゃスーパーヒロイン、那珂ちゃんだからね!これくらい、楽勝楽勝!!」
神通が軽く那珂の頭を叩く。
「私たちの協力も忘れないように。それと、スパーで相手してくれた、あの人にもね」
「あの人?」
川内がにししと笑った。
「私たち、座間の出身なのよ。で、そこ出身の格闘家といえば……提督なら分かるでしょ?」
座間の格闘家……まさか。
「『怪物』か?彼のスパーを?」
「そう、その彼。子供の頃からの付き合いなんだ。今回、沖縄に来る前にも相手してもらってたってわけ」
そりゃあ彼の相手をしてたら強くなるわけだが。しかし、女性でしかも生身で彼とやり合うとは……どういうことなんだ。
視線を深海棲鬼に移すと、ワイヤーでグルグル巻きにされていた。気を取り戻しても、これなら逃げ出せまい。
呉第2鎮守府の話、東山大佐の話。これから尋問が行われるのだろう。俺も参加することにしよう。
121:◆C9vIqtyVF2:2018/10/28(日)23:12:36.114 :WOp
#
「……完全黙秘か」
鳴門が首を振った。
「ダメですね。処分される前にとは思ってたんですが。東山大佐は?」
「雲隠れだ。身元はこれから洗うらしいが。どうも下手したら東山大佐自身、深海棲艦だったりするかもな」
「それは色々と笑えないですね。呉第2鎮守府の調査は、これからですかね」
「そうなるな。で、あとリング上に残ってたマスクの残骸。あっちは即解析に回されたよ」
向こうから大きな歓声が沸き起こっている。決勝が始まったらしい。
「使われてる材質とかから分かることがあるかもしれんな。多分、義兄かその部下から連絡が来るだろう」
「随分と大事になりましたね……しかし、これだけ派手にバレた以上、深海棲艦側もそう簡単には動けないでしょうね」
「だな。……他に似たような鎮守府がないといいんだが」
この分だと、結婚前にどうやら一仕事しないといかんらしい。
#
大会はうちの那珂の優勝で終わった。というかあれだけの騒動でも続けた実行委員会は一体何なのだ。
やはり、軽巡棲鬼の撃退が大きなアピールになったらしい。こりゃうちがまた騒がしくなりそうだ。
「何か妙な旅になっちゃったでちね。……でもまあ、終わりよければなんとやらでちけど」
「まあな。さっき義兄さんから連絡があって、浜田嬢が明後日来るそうだ。今回の件の連絡と、結婚新聞の打ち合わせらしい」
「両方やるんでちか?180度違う話題でちけど」
「生真面目な子らしくてな。まあ、那珂目当てのマスコミ対応含め、忙しくなりそうだなあ」
#
川内たちが後に「川内三姉妹」としてバラエティー番組でどっかの兄弟と対決し、空気読まずにフルボッコにしてしまったのはまた別の話だ。
#
「……完全黙秘か」
鳴門が首を振った。
「ダメですね。処分される前にとは思ってたんですが。東山大佐は?」
「雲隠れだ。身元はこれから洗うらしいが。どうも下手したら東山大佐自身、深海棲艦だったりするかもな」
「それは色々と笑えないですね。呉第2鎮守府の調査は、これからですかね」
「そうなるな。で、あとリング上に残ってたマスクの残骸。あっちは即解析に回されたよ」
向こうから大きな歓声が沸き起こっている。決勝が始まったらしい。
「使われてる材質とかから分かることがあるかもしれんな。多分、義兄かその部下から連絡が来るだろう」
「随分と大事になりましたね……しかし、これだけ派手にバレた以上、深海棲艦側もそう簡単には動けないでしょうね」
「だな。……他に似たような鎮守府がないといいんだが」
この分だと、結婚前にどうやら一仕事しないといかんらしい。
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大会はうちの那珂の優勝で終わった。というかあれだけの騒動でも続けた実行委員会は一体何なのだ。
やはり、軽巡棲鬼の撃退が大きなアピールになったらしい。こりゃうちがまた騒がしくなりそうだ。
「何か妙な旅になっちゃったでちね。……でもまあ、終わりよければなんとやらでちけど」
「まあな。さっき義兄さんから連絡があって、浜田嬢が明後日来るそうだ。今回の件の連絡と、結婚新聞の打ち合わせらしい」
「両方やるんでちか?180度違う話題でちけど」
「生真面目な子らしくてな。まあ、那珂目当てのマスコミ対応含め、忙しくなりそうだなあ」
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川内たちが後に「川内三姉妹」としてバラエティー番組でどっかの兄弟と対決し、空気読まずにフルボッコにしてしまったのはまた別の話だ。
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