155: ◆0rjCWOlcd8we:2019/08/19(月) 00:05:34.98 :MxzcDZH50
第12話
Twin Tenors(後編)
7月31日 午後9時24分
Lazy Bird
「お、おい!いまライブ中で...」
「いいの摩耶さん」
摩耶が制止にかかるが清霜はそれをはねのけた
「... ただ一緒に吹きたいって感じじゃないよね」
「勝ちに来た」
「いいよ... やろう 曲は?」
「Giant Steps」
「お、おい!マジで言ってんのか!? コルトレーン(※)の曲を!?」
※ジョンコルトレーン
第12話
Twin Tenors(後編)
7月31日 午後9時24分
Lazy Bird
「お、おい!いまライブ中で...」
「いいの摩耶さん」
摩耶が制止にかかるが清霜はそれをはねのけた
「... ただ一緒に吹きたいって感じじゃないよね」
「勝ちに来た」
「いいよ... やろう 曲は?」
「Giant Steps」
「お、おい!マジで言ってんのか!? コルトレーン(※)の曲を!?」
※ジョンコルトレーン

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww

【東方】ルックス100点の文ちゃん

【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?

韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
156: ◆0rjCWOlcd8we:2019/08/19(月) 00:06:00.92 :MxzcDZH50
「ふふ、朧ちゃん勝負しに来たわね」
「榛名! 呑気に言うなっての! おいガンビー! 行けるか?」
「ええっ!? いきなりやれなんて...」
「ほら言わんこっちゃねえ... また今度に...」
「あの! 私がやります!」
そう言いステージに上がったのは照月だった
彼女もまたビッグバンドをやっている、そして偶然にもピアノであった
あまりの事態に客席からどよめきが聞こえていた
一体これから何が起こるのか、ステージにいる彼女たちにも、神様にも分からなかった
「さ、ガンビーさん 変わりますね」
「照月ちゃん...」
「さ、揃った やるよ テンポはこのくらい」
朧が指を鳴らしテンポを出す
ピアノもベースもドラムも、そして2本のテナーサックスも準備は整った
榛名がカウントを出す
「ワン、ツー ワンツー」
「ふふ、朧ちゃん勝負しに来たわね」
「榛名! 呑気に言うなっての! おいガンビー! 行けるか?」
「ええっ!? いきなりやれなんて...」
「ほら言わんこっちゃねえ... また今度に...」
「あの! 私がやります!」
そう言いステージに上がったのは照月だった
彼女もまたビッグバンドをやっている、そして偶然にもピアノであった
あまりの事態に客席からどよめきが聞こえていた
一体これから何が起こるのか、ステージにいる彼女たちにも、神様にも分からなかった
「さ、ガンビーさん 変わりますね」
「照月ちゃん...」
「さ、揃った やるよ テンポはこのくらい」
朧が指を鳴らしテンポを出す
ピアノもベースもドラムも、そして2本のテナーサックスも準備は整った
榛名がカウントを出す
「ワン、ツー ワンツー」
157: ◆0rjCWOlcd8we:2019/08/19(月) 00:06:31.26 :MxzcDZH50
※イメージ
Giant Steps/Bob Mintzer Michael Brecker
バーラーラーバーラー!
バーラー バーラーラーバーラー!
(朧ちゃんの音! 鋭い! 突き刺さってくる!)
(清霜... この子、音に厚みがある!)
似ているようで似ていない二人の音、それらが混ざり合い化学反応を起こす
朧の技巧溢れる鋭いサウンド、対して清霜は重厚な音を出し、二人の音でバーを埋め尽くしていた
(アタシのソロ!)
バラバーバララーバラー!!
(す、すごい技術! 指回しもすごいけど上の音も下の音も全部に鋭さがある! 一体どうやったらこんなに!?)
真横で聞く清霜は朧の技術に圧倒されていた
サックスを操る正確無比な技術力、それによって可能となる数々の音が彼女の強みだった
そして技術だけでなく『心』も彼女には備わっていた
(もっと! ありったけ!! アタシはいま勝負をしにきている! 小手先のフレーズじゃ勝てない!!!)
バラバラバラバーーーー!!!
(まだ! 足りない!!)
バッバラババララーー!!
(もっとだ!!!)
バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ!!!!
(よし!! 行けた!! このまま照月にパス!!)
※イメージ
Giant Steps/Bob Mintzer Michael Brecker
バーラーラーバーラー!
バーラー バーラーラーバーラー!
(朧ちゃんの音! 鋭い! 突き刺さってくる!)
(清霜... この子、音に厚みがある!)
似ているようで似ていない二人の音、それらが混ざり合い化学反応を起こす
朧の技巧溢れる鋭いサウンド、対して清霜は重厚な音を出し、二人の音でバーを埋め尽くしていた
(アタシのソロ!)
バラバーバララーバラー!!
(す、すごい技術! 指回しもすごいけど上の音も下の音も全部に鋭さがある! 一体どうやったらこんなに!?)
真横で聞く清霜は朧の技術に圧倒されていた
サックスを操る正確無比な技術力、それによって可能となる数々の音が彼女の強みだった
そして技術だけでなく『心』も彼女には備わっていた
(もっと! ありったけ!! アタシはいま勝負をしにきている! 小手先のフレーズじゃ勝てない!!!)
バラバラバラバーーーー!!!
(まだ! 足りない!!)
バッバラババララーー!!
(もっとだ!!!)
バラバラバラバラバラバラバラバラバラバラ!!!!
(よし!! 行けた!! このまま照月にパス!!)
158: ◆0rjCWOlcd8we:2019/08/19(月) 00:06:59.43 :MxzcDZH50
(朧ちゃん! ナイスソロ! よし! 照月も...!)
ポポポロポロロロ
(アドリブソロなんてひさびさ... やっぱり楽しい!!)
ポポロロロロロ
(おっと! あくまでもメインはこの二人... さ! 清霜ちゃん! 見せて!)
(清霜の番!!)
バララーラ バララーラ!!
(朧ちゃんはきっと全力で勝負しにきたんだ...!)
バラバラバラバラバラバババ!!
バーラッバーラッバーララー
(私も本気を出す!!)
バラッババラバラー!!
(... 違う いつもはこんなのじゃない! どうして!?)
(何か... 何か違う... わたしだけ... 一人...?)
バラバーバラッバー!
(...違う! 朧ちゃんと勝負することに夢中になってた! もっと後ろをきかなきゃ!)
バラバーバー バラバラバラ!!
(よし! 噛み合った! 基本を忘れてた!)
バラバラバラッバーラッバババ!!!
(行ける! もっと! フレーズが溢れ出る!)
清霜の重厚な音がバッキングと噛み合う瞬間だった
この変化を朧は感じ取り、それと同時に笑みを浮かべる
(清霜と勝負してみてわかった、やっぱり...)
(ジャズって楽しい...!)
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
(朧ちゃん! ナイスソロ! よし! 照月も...!)
ポポポロポロロロ
(アドリブソロなんてひさびさ... やっぱり楽しい!!)
ポポロロロロロ
(おっと! あくまでもメインはこの二人... さ! 清霜ちゃん! 見せて!)
(清霜の番!!)
バララーラ バララーラ!!
(朧ちゃんはきっと全力で勝負しにきたんだ...!)
バラバラバラバラバラバババ!!
バーラッバーラッバーララー
(私も本気を出す!!)
バラッババラバラー!!
(... 違う いつもはこんなのじゃない! どうして!?)
(何か... 何か違う... わたしだけ... 一人...?)
バラバーバラッバー!
(...違う! 朧ちゃんと勝負することに夢中になってた! もっと後ろをきかなきゃ!)
バラバーバー バラバラバラ!!
(よし! 噛み合った! 基本を忘れてた!)
バラバラバラッバーラッバババ!!!
(行ける! もっと! フレーズが溢れ出る!)
清霜の重厚な音がバッキングと噛み合う瞬間だった
この変化を朧は感じ取り、それと同時に笑みを浮かべる
(清霜と勝負してみてわかった、やっぱり...)
(ジャズって楽しい...!)
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ーーーーーーーーーー
159: ◆0rjCWOlcd8we:2019/08/19(月) 00:07:33.76 :MxzcDZH50
パチパチパチパチパチ
ヒューッ!!
会場は二人の話題で持ちきりだった
どっちが良かったか? どっちがうまかったか?
しかし当の二人にはここまでくれば些細な問題であった
「朧ちゃん... すごいね!!」
「... 最初勝とうって思ってた」
「すごかったね、朧ちゃん」
「でも途中でそんなこと忘れて無我夢中で、自分をさらけだすことに夢中になってて... アタシはまだまだだった 清霜は途中からバッキングちゃんと聴いてたでしょ?」
「わ、わかっちゃうんだ...」
「アタシは... まだまだ自分勝手だった だからこの勝負はまた今度やりたい」
「...いいよ! もっと一緒にやろう!」
「またね! いこう照月」
そう言い残し客席に戻った
ーーーーーーーー
ーーーーーーーー
客席で秋雲は二人を迎えていた
茶化すように彼女は言う
「うっすヒーロー、勝負はどうだった?」
「負けたつもりはないけど...」
「ほう?」
「次は勝つ」
第12話
終わり
パチパチパチパチパチ
ヒューッ!!
会場は二人の話題で持ちきりだった
どっちが良かったか? どっちがうまかったか?
しかし当の二人にはここまでくれば些細な問題であった
「朧ちゃん... すごいね!!」
「... 最初勝とうって思ってた」
「すごかったね、朧ちゃん」
「でも途中でそんなこと忘れて無我夢中で、自分をさらけだすことに夢中になってて... アタシはまだまだだった 清霜は途中からバッキングちゃんと聴いてたでしょ?」
「わ、わかっちゃうんだ...」
「アタシは... まだまだ自分勝手だった だからこの勝負はまた今度やりたい」
「...いいよ! もっと一緒にやろう!」
「またね! いこう照月」
そう言い残し客席に戻った
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客席で秋雲は二人を迎えていた
茶化すように彼女は言う
「うっすヒーロー、勝負はどうだった?」
「負けたつもりはないけど...」
「ほう?」
「次は勝つ」
第12話
終わり
160: ◆0rjCWOlcd8we:2019/08/19(月) 00:11:02.92 :MxzcDZH50
今日はここまで
Giant Stepsですが前半はマイケルブレッカー、後半はボブミンツァーだそうです(多分)
マイケルブレッカーは超絶技巧のサックス奏者として有名でした(白血病で死去)、死の間際に出したアルバム「聖地への旅」は命を削るように紡ぎ出された彼の音を聴くことができます、是非どうぞ
Giant Stepsですが前半はマイケルブレッカー、後半はボブミンツァーだそうです(多分)
マイケルブレッカーは超絶技巧のサックス奏者として有名でした(白血病で死去)、死の間際に出したアルバム「聖地への旅」は命を削るように紡ぎ出された彼の音を聴くことができます、是非どうぞ
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