604: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:01:02.20 :3d5dCKQ9o
シンジ(留守番電話)「はい、ただいま留守にしています。発信音の後にメッセージをどうぞ」
アスカ「最後の仕事か…」
アスカ「まるで血の赤ね」
シンジ「拉致された!?副指令が?」
諜報部員「今より2時間前です。西の第8管区を最後に、消息を絶っています」
シンジ「うちの署内で…!?消えようがないじゃないか」
諜報部員「身内に内報、および先導したものがいます。その人物に裏をかかれました」
シンジ「身内に内報……?…まさか!」
諜報部員「惣流・アスカ・ラングレー。この事件の首謀者と目される人物です」
シンジ「………!」
諜報部員「首謀者とあなたの過去の経歴を考えると…致し方ない処置かと思われます。作戦課長を疑うのは、同じ職場の人間として心苦しいのですが…」
シンジ「いいよ…。それが諜報部の仕事だもの…」
諜報部員「ご協力感謝します。お連れしろ!」
シンジ(留守番電話)「はい、ただいま留守にしています。発信音の後にメッセージをどうぞ」
アスカ「最後の仕事か…」
アスカ「まるで血の赤ね」
シンジ「拉致された!?副指令が?」
諜報部員「今より2時間前です。西の第8管区を最後に、消息を絶っています」
シンジ「うちの署内で…!?消えようがないじゃないか」
諜報部員「身内に内報、および先導したものがいます。その人物に裏をかかれました」
シンジ「身内に内報……?…まさか!」
諜報部員「惣流・アスカ・ラングレー。この事件の首謀者と目される人物です」
シンジ「………!」
諜報部員「首謀者とあなたの過去の経歴を考えると…致し方ない処置かと思われます。作戦課長を疑うのは、同じ職場の人間として心苦しいのですが…」
シンジ「いいよ…。それが諜報部の仕事だもの…」
諜報部員「ご協力感謝します。お連れしろ!」
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605: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:02:01.61 :3d5dCKQ9o
カヲル「……お久しぶりです、キール議長。ずいぶんと手荒な歓迎ですね」
キール「非礼を詫びる必要はない。君とゆっくり話をするためには、当然の処置だ」
カヲル「相変わらずですね……僕の都合はおかまい無しですか?」
ゼーレ「議題としている問題が急務なのでね。やむなくの処置だ」
ゼーレ「分かってくれたまえ」
カヲル「やれやれ…委員会ではなく、ゼーレのお出ましとは」
ゼーレ「われわれは、新たな神を作るつもりはないのだ!」
ゼーレ「ご協力を願いますよ、渚先生」
カヲル「……」
カヲル(渚先生、か…)
カヲル「……お久しぶりです、キール議長。ずいぶんと手荒な歓迎ですね」
キール「非礼を詫びる必要はない。君とゆっくり話をするためには、当然の処置だ」
カヲル「相変わらずですね……僕の都合はおかまい無しですか?」
ゼーレ「議題としている問題が急務なのでね。やむなくの処置だ」
ゼーレ「分かってくれたまえ」
カヲル「やれやれ…委員会ではなく、ゼーレのお出ましとは」
ゼーレ「われわれは、新たな神を作るつもりはないのだ!」
ゼーレ「ご協力を願いますよ、渚先生」
カヲル「……」
カヲル(渚先生、か…)
606: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:03:01.87 :3d5dCKQ9o
学生「先生!渚先生!」
カヲル「ん?ああ、君たちか」
学生「これからどないです?鴨川でビールでも」
カヲル「またかい?学生の本分は勉学じゃなかったのかな」
学生「そない言わんと。リョウコらが先生と一緒なら行くゆうとりますんや」
学生「教授もたまには顔出せゆうてはりましたで」
カヲル「……ああ、分かったよ」
学生「先生!渚先生!」
カヲル「ん?ああ、君たちか」
学生「これからどないです?鴨川でビールでも」
カヲル「またかい?学生の本分は勉学じゃなかったのかな」
学生「そない言わんと。リョウコらが先生と一緒なら行くゆうとりますんや」
学生「教授もたまには顔出せゆうてはりましたで」
カヲル「……ああ、分かったよ」
607: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:04:02.85 :3d5dCKQ9o
教授「たまにはこうして外で飲むのも良かろう」
カヲル「えぇ…まぁ…」
教授「…君は優秀だが、人の付き合いというものを軽く見ているのがいかんな」
カヲル「恐れ入ります」
教授「ところで渚君、生物工学部の葛城という生徒を知っているかね?」
カヲル「? いいえ、存じませんが」
教授「成績はいいのだがね…色々と悪い噂を耳にする。君のことも嗅ぎ回っているようだ」
カヲル「僕のことを?」
教授「おそらく…君の後ろにある組織にくみいろうという魂胆だろう。気を付けたまえ」
カヲル「……」
カヲル「肝に銘じておきます」
教授「たまにはこうして外で飲むのも良かろう」
カヲル「えぇ…まぁ…」
教授「…君は優秀だが、人の付き合いというものを軽く見ているのがいかんな」
カヲル「恐れ入ります」
教授「ところで渚君、生物工学部の葛城という生徒を知っているかね?」
カヲル「? いいえ、存じませんが」
教授「成績はいいのだがね…色々と悪い噂を耳にする。君のことも嗅ぎ回っているようだ」
カヲル「僕のことを?」
教授「おそらく…君の後ろにある組織にくみいろうという魂胆だろう。気を付けたまえ」
カヲル「……」
カヲル「肝に銘じておきます」
608: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:05:02.07 :3d5dCKQ9o
ゼーレ「S2機関を自ら搭載し、絶対的存在を手にしたエヴァンゲリオン初号機!」
ゼーレ「われわれには具象化された神は不要なのだよ」
キール「神を作ってはいかん」
ゼーレ「まして、あの男に神を手渡すわけにはいかんよ!」
ゼーレ「葛城。あの男、信用に足る人物かな?」
ゼーレ「S2機関を自ら搭載し、絶対的存在を手にしたエヴァンゲリオン初号機!」
ゼーレ「われわれには具象化された神は不要なのだよ」
キール「神を作ってはいかん」
ゼーレ「まして、あの男に神を手渡すわけにはいかんよ!」
ゼーレ「葛城。あの男、信用に足る人物かな?」
609: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:06:01.51 :3d5dCKQ9o
論文に没頭するカヲル
カヲル「……おっと」
カヲル「すっかり時間を忘れていたな…」
カヲル「……」
カヲル「…この時間なら、学食も空いてるか…」
葛城「B定を」
カヲル「B定食を」
葛城・カヲル「………」
おばさん「すみませんねぇ、B定こちらの学生さんで終わりなんですよ」
カヲル「そうですか……ではA定食を」
おばさん「すみません」
葛城「………」
論文に没頭するカヲル
カヲル「……おっと」
カヲル「すっかり時間を忘れていたな…」
カヲル「……」
カヲル「…この時間なら、学食も空いてるか…」
葛城「B定を」
カヲル「B定食を」
葛城・カヲル「………」
おばさん「すみませんねぇ、B定こちらの学生さんで終わりなんですよ」
カヲル「そうですか……ではA定食を」
おばさん「すみません」
葛城「………」
610: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:07:02.08 :3d5dCKQ9o
葛城「あの……取り替えましょうか?」
カヲル「え?」
葛城「迷っていたんです。だから…どちらでもよくて」
カヲル「ああ……定食のことか。気にしなくていいよ、僕もそんなに拘って決めたわけではないんだ」
葛城「そうですか……それじゃあ…」
カヲル「……おや、君は…」
葛城「?」
カヲル「その資料、生物工学部の子かい?」
葛城「はい、まぁ…」
カヲル「では、僕の講義は?」
葛城「…取っています」
カヲル「ちょうどよかった。意見を聞かせてくれないかな」
葛城「…自分のですか…?」
カヲル「そう。論文で行き詰まっててね、新しい風を入れたいんだ」
カヲル「君、名前は?」
葛城「あの……取り替えましょうか?」
カヲル「え?」
葛城「迷っていたんです。だから…どちらでもよくて」
カヲル「ああ……定食のことか。気にしなくていいよ、僕もそんなに拘って決めたわけではないんだ」
葛城「そうですか……それじゃあ…」
カヲル「……おや、君は…」
葛城「?」
カヲル「その資料、生物工学部の子かい?」
葛城「はい、まぁ…」
カヲル「では、僕の講義は?」
葛城「…取っています」
カヲル「ちょうどよかった。意見を聞かせてくれないかな」
葛城「…自分のですか…?」
カヲル「そう。論文で行き詰まっててね、新しい風を入れたいんだ」
カヲル「君、名前は?」
611: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:08:06.78 :3d5dCKQ9o
カヲル「そう…彼の第一印象は、不思議な男だった…」
カヲル「影のあるようにも見えるが…どこか人を惹き付ける」
カヲル「言葉少なで、人と距離を置きたがるために…誤解されることも多いが、少なくとも僕の目には善人に見えた」
カヲル「そしてあの時はこの国に季節、四季があった」
カヲル「そう…彼の第一印象は、不思議な男だった…」
カヲル「影のあるようにも見えるが…どこか人を惹き付ける」
カヲル「言葉少なで、人と距離を置きたがるために…誤解されることも多いが、少なくとも僕の目には善人に見えた」
カヲル「そしてあの時はこの国に季節、四季があった」
612: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:09:02.56 :3d5dCKQ9o
カヲル「いいことじゃないか。…パートナーの存在は人生をより良いものにしてくれるよ」
葛城「…しかし」
カヲル「何か問題が?」
葛城「彼女を……幸せにできる自信がありません」
カヲル「……」
カヲル「…ふふ、葛城君。そういうことは直接本人に聞くべきだよ」
葛城「?」
カヲル「自信があるとか、ないとかは関係ないんだ。人を変えるのはいつだって変わりたいという人自身の意思だからね」
葛城「…人自身の、意思…」
カヲル「彼女が君を愛しているならば、彼女自身が君の隣を選ぶだろう。それが幸せの道だからね」
葛城「……」
カヲル「そして君自身が選ぶ、幸せの道でもある」
カヲル「いいことじゃないか。…パートナーの存在は人生をより良いものにしてくれるよ」
葛城「…しかし」
カヲル「何か問題が?」
葛城「彼女を……幸せにできる自信がありません」
カヲル「……」
カヲル「…ふふ、葛城君。そういうことは直接本人に聞くべきだよ」
葛城「?」
カヲル「自信があるとか、ないとかは関係ないんだ。人を変えるのはいつだって変わりたいという人自身の意思だからね」
葛城「…人自身の、意思…」
カヲル「彼女が君を愛しているならば、彼女自身が君の隣を選ぶだろう。それが幸せの道だからね」
葛城「……」
カヲル「そして君自身が選ぶ、幸せの道でもある」
613: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:10:01.62 :3d5dCKQ9o
カヲル「…彼らは籍を入れた」
カヲル「その直後だった」
カヲル「セカンドインパクト。20世紀最後の年に、あの悲劇は起こった」
カヲル「そして、21世紀最初の年は、地獄しかなかった…他に語る言葉を持たない年だ」
カヲル「…彼らは籍を入れた」
カヲル「その直後だった」
カヲル「セカンドインパクト。20世紀最後の年に、あの悲劇は起こった」
カヲル「そして、21世紀最初の年は、地獄しかなかった…他に語る言葉を持たない年だ」
614: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:11:01.88 :3d5dCKQ9o
2年後、南極調査船内
カヲル「これがかつての氷の大陸とはね。見る影もない…」
カヲル「…君があの日、帰国していなかったらと思うと…ゾッとするよ、葛城君」
葛城「…自分は、難を逃れましたが……多くのものを失いました」
カヲル「そうだね…その通りだ」
カヲル「何も取り戻せはしないが…少しでも情報を得ないと。二の舞だけは御免だからね」
葛城「……先生」スッ
カヲル「? …なんだい?」
葛城「…これを。妻からあなたへ渡すように言われています」
カヲル「これは、奥さんと…息子さんの写真かい?」
葛城「…娘です」
カヲル「なぜ僕に?」
葛城「…妻は、よく溢しています…自分たちより渚教授が大切なのか?と」
カヲル「はは…それは…一度怒られに行かなくてはね」
2年後、南極調査船内
カヲル「これがかつての氷の大陸とはね。見る影もない…」
カヲル「…君があの日、帰国していなかったらと思うと…ゾッとするよ、葛城君」
葛城「…自分は、難を逃れましたが……多くのものを失いました」
カヲル「そうだね…その通りだ」
カヲル「何も取り戻せはしないが…少しでも情報を得ないと。二の舞だけは御免だからね」
葛城「……先生」スッ
カヲル「? …なんだい?」
葛城「…これを。妻からあなたへ渡すように言われています」
カヲル「これは、奥さんと…息子さんの写真かい?」
葛城「…娘です」
カヲル「なぜ僕に?」
葛城「…妻は、よく溢しています…自分たちより渚教授が大切なのか?と」
カヲル「はは…それは…一度怒られに行かなくてはね」
615: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:12:01.78 :3d5dCKQ9o
カヲル「…最近、ゼーレについて良くない噂を耳にするよ。…力で、理事会を押さえ込んだとか」
葛城「………」
カヲル「たしかに、口利きをしたのは僕だが。情報はすべて入れるという約束じゃなかったかな?」
葛城「……すみません」
カヲル「……まぁ、いいさ…こんな時代だ。綺麗なだけの組織では生きていけないだろう」
葛城「…おっしゃる通りです。今回のセカンドインパクトの正式調査、これも…ゼーレの人間だけで調査隊を組めば、いろいろと面倒な事になります」
カヲル「僕たちはそのための間に合わせというわけか…」
葛城「…気を悪くされましたか…?」
カヲル「いいよ。……他ならぬ君の頼みだ」
葛城「…ありがとうございます」
カヲル「…最近、ゼーレについて良くない噂を耳にするよ。…力で、理事会を押さえ込んだとか」
葛城「………」
カヲル「たしかに、口利きをしたのは僕だが。情報はすべて入れるという約束じゃなかったかな?」
葛城「……すみません」
カヲル「……まぁ、いいさ…こんな時代だ。綺麗なだけの組織では生きていけないだろう」
葛城「…おっしゃる通りです。今回のセカンドインパクトの正式調査、これも…ゼーレの人間だけで調査隊を組めば、いろいろと面倒な事になります」
カヲル「僕たちはそのための間に合わせというわけか…」
葛城「…気を悪くされましたか…?」
カヲル「いいよ。……他ならぬ君の頼みだ」
葛城「…ありがとうございます」
616: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:13:02.53 :3d5dCKQ9o
暗闇で膝を抱えるシンジ
シンジ「暗いとこは、まだ駄目だな…いやな事ばかり思い出す…」
カヲル「……彼は?」
男「例の調査団ただ一人の生き残りです。名は、碇シンジ」
カヲル「碇?碇博士のご子息か…!」
男「はい、もう2年近くも口を開いていません」
カヲル「なんて…むごい…」
男「ええ…それだけの地獄を見たのです。体の傷は治っても、心の傷はそう簡単には治りませんよ」
カヲル「……」
カヲル「……あとは本人の生きる意思の問題か…」
カヲル「…こちらの調査結果も、簡単には出せそうにないな。この光の巨人…謎だらけだよ」
暗闇で膝を抱えるシンジ
シンジ「暗いとこは、まだ駄目だな…いやな事ばかり思い出す…」
カヲル「……彼は?」
男「例の調査団ただ一人の生き残りです。名は、碇シンジ」
カヲル「碇?碇博士のご子息か…!」
男「はい、もう2年近くも口を開いていません」
カヲル「なんて…むごい…」
男「ええ…それだけの地獄を見たのです。体の傷は治っても、心の傷はそう簡単には治りませんよ」
カヲル「……」
カヲル「……あとは本人の生きる意思の問題か…」
カヲル「…こちらの調査結果も、簡単には出せそうにないな。この光の巨人…謎だらけだよ」
617: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:14:05.03 :3d5dCKQ9o
カヲル「その後国連は、セカンドインパクトは大質量隕石の落下によるものと正式発表した」
カヲル「だが、僕の目から見れば、それは…あからさまに情報操作をされたものだった」
カヲル「その裏にはゼーレ、そして、キール議長の姿が見え隠れしていた」
カヲル「疑いたくなかった。葛城君を。彼の背中は、僕が押したのだから…」
カヲル「だが衝動は抑えきれず…」
カヲル「僕は、あの事件の闇の真相を探った」
カヲル「その後国連は、セカンドインパクトは大質量隕石の落下によるものと正式発表した」
カヲル「だが、僕の目から見れば、それは…あからさまに情報操作をされたものだった」
カヲル「その裏にはゼーレ、そして、キール議長の姿が見え隠れしていた」
カヲル「疑いたくなかった。葛城君を。彼の背中は、僕が押したのだから…」
カヲル「だが衝動は抑えきれず…」
カヲル「僕は、あの事件の闇の真相を探った」
618: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:15:01.37 :3d5dCKQ9o
カヲル「なぜ巨人の存在を隠すんだい?…セカンドインパクトを知っていたんじゃないのか、君らは。その日、あれが起こる事を…!」
葛城「……」
カヲル「君は運良く事件の前日に引き揚げた……では、全ての資料を一緒に引き揚げたのも、幸運の内かい?」
葛城「……」
カヲル「…君の資産、いろいろと調べさせてもらったよ。子供の養育にお金はかかるだろうが、個人で持つには額が多すぎる」
葛城「……」
カヲル「……何か言ってくれ…!このままでは…セカンドインパクトの裏に潜む、君たちゼーレと、死海文書を公表することになる。あれを起こした人間たちを、許すわけにはいかない」
葛城「……お怒りはごもっともです。ですが…お別れの前に、お目にかけたいものがあります」
カヲル「なぜ巨人の存在を隠すんだい?…セカンドインパクトを知っていたんじゃないのか、君らは。その日、あれが起こる事を…!」
葛城「……」
カヲル「君は運良く事件の前日に引き揚げた……では、全ての資料を一緒に引き揚げたのも、幸運の内かい?」
葛城「……」
カヲル「…君の資産、いろいろと調べさせてもらったよ。子供の養育にお金はかかるだろうが、個人で持つには額が多すぎる」
葛城「……」
カヲル「……何か言ってくれ…!このままでは…セカンドインパクトの裏に潜む、君たちゼーレと、死海文書を公表することになる。あれを起こした人間たちを、許すわけにはいかない」
葛城「……お怒りはごもっともです。ですが…お別れの前に、お目にかけたいものがあります」
619: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:16:02.51 :3d5dCKQ9o
カヲル「随分潜るんだね…」
葛城「心配ですか?」
カヲル「得体が知れないからね」
カヲル「これは…!」
葛城「われわれではない、誰かが残した空間です。89%は埋まっていますが…」
カヲル「もとはきれいな球状の地底空間か…」
葛城「…あれが、人類がもてる全てを費やしている施設です」
ナオコ「あら、渚先生」
カヲル「赤木君……君もなのか」
ナオコ「ええ、ここは目指すべき生体コンピュータの基礎理論を模索する、ベストな所ですのよ」
カヲル「これは…」
ナオコ「MAGIと名づけるつもりですわ」
カヲル「MAGI?東方より来たりし三賢者か…見せたいものというのは、これかい?」
ナオコ「いいえ、こちらです」
カヲル「随分潜るんだね…」
葛城「心配ですか?」
カヲル「得体が知れないからね」
カヲル「これは…!」
葛城「われわれではない、誰かが残した空間です。89%は埋まっていますが…」
カヲル「もとはきれいな球状の地底空間か…」
葛城「…あれが、人類がもてる全てを費やしている施設です」
ナオコ「あら、渚先生」
カヲル「赤木君……君もなのか」
ナオコ「ええ、ここは目指すべき生体コンピュータの基礎理論を模索する、ベストな所ですのよ」
カヲル「これは…」
ナオコ「MAGIと名づけるつもりですわ」
カヲル「MAGI?東方より来たりし三賢者か…見せたいものというのは、これかい?」
ナオコ「いいえ、こちらです」
620: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:17:01.87 :3d5dCKQ9o
カヲル「これは…まさか、あの巨人を…!?」
ナオコ「あの物体をわれわれゲヒルンではアダムと呼んでいます。が、これは違います。オリジナルのものではありません」
カヲル「では…」
ナオコ「そうです。アダムより人の造りしもの、エヴァです」
カヲル「エヴァ…!」
葛城「われわれのアダム再生計画、通称E計画の雛形たる、エヴァ零号機です」
カヲル「神のプロトタイプか…!」
葛城「…先生、力を貸していただけませんか。…人類の、新たな歴史のために」
カヲル「……」
カヲル「これは…まさか、あの巨人を…!?」
ナオコ「あの物体をわれわれゲヒルンではアダムと呼んでいます。が、これは違います。オリジナルのものではありません」
カヲル「では…」
ナオコ「そうです。アダムより人の造りしもの、エヴァです」
カヲル「エヴァ…!」
葛城「われわれのアダム再生計画、通称E計画の雛形たる、エヴァ零号機です」
カヲル「神のプロトタイプか…!」
葛城「…先生、力を貸していただけませんか。…人類の、新たな歴史のために」
カヲル「……」
621: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:18:02.95 :3d5dCKQ9o
レイ「……」
ヒカリ「綾波さん?」
レイ「あぁ、ごめんなさい、リツコちゃんの再テスト、急ぎましょう」
ヒカリ「今日……碇くん、見かけないわね」
レイ「…そうね」
レイ「碇くん?」
シンジ「うん。碇シンジっていうんだ…よろしく」
(手紙)
レイ「先生、先日碇くんと言う子と知り合いました」
レイ「他の人たちは私を遠巻きに見るだけで、その都度先生の名前の重さを思い知らされるのですが、なぜか彼だけは私に対しても屈託がありません」
レイ「彼は例の調査隊ただ一人の生き残りと聞きました。一時失語症になっていたそうです。そのせいか…今も言葉少なですが、どこか優しさを感じます。彼の一挙一動から、心の内側が暖かくなるような、何かを…。これがロジックじゃないということでしょうか?」
ナオコ「レイちゃん、あなたにもとうとう春がきたんですね。こっちは相変わらず、地下に潜りっぱなしの男日照りです。支給のお弁当にも飽きました」
ナオコ「上では第二遷都計画による第三新東京市の計画に着工したようです」
レイ「……」
ヒカリ「綾波さん?」
レイ「あぁ、ごめんなさい、リツコちゃんの再テスト、急ぎましょう」
ヒカリ「今日……碇くん、見かけないわね」
レイ「…そうね」
レイ「碇くん?」
シンジ「うん。碇シンジっていうんだ…よろしく」
(手紙)
レイ「先生、先日碇くんと言う子と知り合いました」
レイ「他の人たちは私を遠巻きに見るだけで、その都度先生の名前の重さを思い知らされるのですが、なぜか彼だけは私に対しても屈託がありません」
レイ「彼は例の調査隊ただ一人の生き残りと聞きました。一時失語症になっていたそうです。そのせいか…今も言葉少なですが、どこか優しさを感じます。彼の一挙一動から、心の内側が暖かくなるような、何かを…。これがロジックじゃないということでしょうか?」
ナオコ「レイちゃん、あなたにもとうとう春がきたんですね。こっちは相変わらず、地下に潜りっぱなしの男日照りです。支給のお弁当にも飽きました」
ナオコ「上では第二遷都計画による第三新東京市の計画に着工したようです」
622: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:19:01.95 :3d5dCKQ9o
レイ「このところ碇くんが大学に来ないので、理由を問い詰めたら、呆れてしまいました。ずっと彼女とアパートで寝ていたそうです」
レイ「飽きもせず、一週間もだらだらと。彼の意外な一面を知った感じです」
レイ「今日紹介されました。可愛い子ですが、気性が荒く、私はどうも好きになれません」
ナオコ「恋に嫉妬…、順調ね。勉強以外でもあなたの成長が見られて嬉しく思います。たくさん悩んでください。大丈夫、あなたは気づいてないでしょうけど、周りの男の子はみんなあなたを気にしています。あなたがその気になれば、きっと碇くんをあなただけのものにすることもできるはず…」
ナオコ「…駄目ね、恋愛観を押し付けるのは。あなたの思う通りにやってみてください。決して後悔のないように。あなたのことを娘のように思っています。いつでも相談してください」
ナオコ「……」
ナオコ「…娘か…」
机の上、碇調査隊の写真
レイ「このところ碇くんが大学に来ないので、理由を問い詰めたら、呆れてしまいました。ずっと彼女とアパートで寝ていたそうです」
レイ「飽きもせず、一週間もだらだらと。彼の意外な一面を知った感じです」
レイ「今日紹介されました。可愛い子ですが、気性が荒く、私はどうも好きになれません」
ナオコ「恋に嫉妬…、順調ね。勉強以外でもあなたの成長が見られて嬉しく思います。たくさん悩んでください。大丈夫、あなたは気づいてないでしょうけど、周りの男の子はみんなあなたを気にしています。あなたがその気になれば、きっと碇くんをあなただけのものにすることもできるはず…」
ナオコ「…駄目ね、恋愛観を押し付けるのは。あなたの思う通りにやってみてください。決して後悔のないように。あなたのことを娘のように思っています。いつでも相談してください」
ナオコ「……」
ナオコ「…娘か…」
机の上、碇調査隊の写真
623: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:20:01.77 :3d5dCKQ9o
電話中の葛城
葛城「ああ、分かった……手続きは明日、お互いの弁護士を通してやろう」
葛城「ああ……それじゃあ」
カヲル「……」
カヲル「…これで良かったのかい」
葛城「彼女が決めたことです…自分はそばにいてやれなかった」
カヲル「しかし…」
葛城「…先生、幸せの道ですよ。彼女の道は、きっとまたどこかに続いている…」
カヲル「………」
レイ「先生、MAGIの基礎理論、完成おめでとうございます。そのお祝いと言うわけでもないのですが、私のゲヒルンへの正式入所が内定しました」
レイ「来月から、E計画勤務となります」
ナオコ「レイちゃん、おめでとう。これであなたも一人前ですね。優秀な助手を持てて嬉しく思います」
ナオコ「私もあなたに伝えたいことがあるのだけど…それは研究所で。きっと驚きますよ」
電話中の葛城
葛城「ああ、分かった……手続きは明日、お互いの弁護士を通してやろう」
葛城「ああ……それじゃあ」
カヲル「……」
カヲル「…これで良かったのかい」
葛城「彼女が決めたことです…自分はそばにいてやれなかった」
カヲル「しかし…」
葛城「…先生、幸せの道ですよ。彼女の道は、きっとまたどこかに続いている…」
カヲル「………」
レイ「先生、MAGIの基礎理論、完成おめでとうございます。そのお祝いと言うわけでもないのですが、私のゲヒルンへの正式入所が内定しました」
レイ「来月から、E計画勤務となります」
ナオコ「レイちゃん、おめでとう。これであなたも一人前ですね。優秀な助手を持てて嬉しく思います」
ナオコ「私もあなたに伝えたいことがあるのだけど…それは研究所で。きっと驚きますよ」
624: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:21:05.28 :3d5dCKQ9o
零号機、機動実験日
オペレータ「L.C.L.変化、圧力、プラス0.2」
オペレータ「送信部にデストルドー反応無し」
オペレータ「疑似回路、安定しています」
カヲル「なぜ、実験に零号機を?」
ナオコ「そのことですが、われわれは考えを改めました。初号機だけでは使徒には勝てない…」
カヲル「それは…」
ナオコ「使徒との戦闘は必ず厳しいものになります。そのためには…この子にも動いてもらわないと」
傍らの子どもを見つめるナオコ
ナオコの視線を追うカヲル
カヲル「……その子は…?」
レイ「赤木先生のお子さんです」
零号機、機動実験日
オペレータ「L.C.L.変化、圧力、プラス0.2」
オペレータ「送信部にデストルドー反応無し」
オペレータ「疑似回路、安定しています」
カヲル「なぜ、実験に零号機を?」
ナオコ「そのことですが、われわれは考えを改めました。初号機だけでは使徒には勝てない…」
カヲル「それは…」
ナオコ「使徒との戦闘は必ず厳しいものになります。そのためには…この子にも動いてもらわないと」
傍らの子どもを見つめるナオコ
ナオコの視線を追うカヲル
カヲル「……その子は…?」
レイ「赤木先生のお子さんです」
625: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:22:01.55 :3d5dCKQ9o
カヲル「赤木君の…?」
ナオコ「リツコといいますのよ」
ナオコ「ほら、リッちゃん。ご挨拶して?」
リツコ「…こんにちは」
カヲル「こんにちは」
カヲル「…どういうことだい?君は独身のはずでは?」
ナオコ「あら。今時分、父親がいないことなんてそう珍しくはないでしょう?」
カヲル「それは…そうだが、今日は…」
ナオコ「大丈夫です。ちゃんと言って聞かせますから。ねっ?リッちゃん」
リツコ「はい」
カヲル「赤木君……君の実験なんだよ?」
ナオコ「だからこそですよ。この子には明るい未来を見せておきたいんです」
レイ「先生…」
カヲル「赤木君の…?」
ナオコ「リツコといいますのよ」
ナオコ「ほら、リッちゃん。ご挨拶して?」
リツコ「…こんにちは」
カヲル「こんにちは」
カヲル「…どういうことだい?君は独身のはずでは?」
ナオコ「あら。今時分、父親がいないことなんてそう珍しくはないでしょう?」
カヲル「それは…そうだが、今日は…」
ナオコ「大丈夫です。ちゃんと言って聞かせますから。ねっ?リッちゃん」
リツコ「はい」
カヲル「赤木君……君の実験なんだよ?」
ナオコ「だからこそですよ。この子には明るい未来を見せておきたいんです」
レイ「先生…」
626: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:23:01.90 :3d5dCKQ9o
ナオコ「レイちゃん…葛城所長に、渚先生も」
ナオコ「…私に、もしものことがあったときは…その時は娘を頼みます」
リツコ「ママ…」
ナオコ「大丈夫よ。…必ず帰ってくるから」
レイ「それが先生の最後の言葉でした。イレギュラーな事件は、先生をこの世から消し去ってしまった…」
レイ「先生の右腕となって、先生を支える…」
レイ「そんな願いとは裏腹に。私だけではない…いったい誰が組織の頭脳を失うことを望んだでしょうか。ゲヒルンは一時騒然としました」
レイ「ただ…葛城所長だけは、平静を保っているように見えました」
ナオコ「レイちゃん…葛城所長に、渚先生も」
ナオコ「…私に、もしものことがあったときは…その時は娘を頼みます」
リツコ「ママ…」
ナオコ「大丈夫よ。…必ず帰ってくるから」
レイ「それが先生の最後の言葉でした。イレギュラーな事件は、先生をこの世から消し去ってしまった…」
レイ「先生の右腕となって、先生を支える…」
レイ「そんな願いとは裏腹に。私だけではない…いったい誰が組織の頭脳を失うことを望んだでしょうか。ゲヒルンは一時騒然としました」
レイ「ただ…葛城所長だけは、平静を保っているように見えました」
627: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:24:01.56 :3d5dCKQ9o
内線「所長、弁護士の方からお電話ですが。お繋ぎしますか」
葛城「繋いでくれ」
葛城「……」
葛城「…!」
レイ「何をおっしゃっているんですか…!先の事件で先生を失ったばかりなのに…、あまりに危険すぎます!」
葛城「時間がないんだ、どいてくれ…!」
レイ「あっ…!…渚教授、教授からも言ってください!」
カヲル「……」
レイ「教授!」
内線「所長、弁護士の方からお電話ですが。お繋ぎしますか」
葛城「繋いでくれ」
葛城「……」
葛城「…!」
レイ「何をおっしゃっているんですか…!先の事件で先生を失ったばかりなのに…、あまりに危険すぎます!」
葛城「時間がないんだ、どいてくれ…!」
レイ「あっ…!…渚教授、教授からも言ってください!」
カヲル「……」
レイ「教授!」
628: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:25:07.06 :3d5dCKQ9o
葛城「本当にいいんだな?」
妻「いいわ…あの子といられるなら…」
葛城「……」
妻「それに…今度は、あなたの仕事場だもの…」
妻「きっともう、寂しくない…」
葛城「…!」
葛城「すまない…」
レイ「そして…「無事に」事件を起こすことに成功した葛城所長は、姿を消した」
葛城「本当にいいんだな?」
妻「いいわ…あの子といられるなら…」
葛城「……」
妻「それに…今度は、あなたの仕事場だもの…」
妻「きっともう、寂しくない…」
葛城「…!」
葛城「すまない…」
レイ「そして…「無事に」事件を起こすことに成功した葛城所長は、姿を消した」
629: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:26:03.35 :3d5dCKQ9o
カヲル「…ずいぶんと長かったじゃないか。赤木君もいない、所長の君もいないでは、ここは回らないよ」
葛城「…分かっている」
カヲル「…それで?話はつけてきたのかい」
葛城「ああ…今日から新たな計画を推奨する」
カヲル「始めるのか…あれを」
葛城「連中はもう止まらない。我々も止まるつもりはない…」
カヲル「…かつて誰もが為し得なかった神への道」
カヲル「人類補完計画か…」
カヲル「…ずいぶんと長かったじゃないか。赤木君もいない、所長の君もいないでは、ここは回らないよ」
葛城「…分かっている」
カヲル「…それで?話はつけてきたのかい」
葛城「ああ…今日から新たな計画を推奨する」
カヲル「始めるのか…あれを」
葛城「連中はもう止まらない。我々も止まるつもりはない…」
カヲル「…かつて誰もが為し得なかった神への道」
カヲル「人類補完計画か…」
630: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:27:01.79 :3d5dCKQ9o
ゲヒルン本部
レイ「おはようございます」
リツコ「おはようございます」
葛城「ああ、おはよう」
レイ「所長…今日は面会の日では?」
葛城「いいんだ…私に会う資格はない」
葛城「……リツコ。調子はどうだ?」
リツコ「…げんき、です…」
葛城「そうか…」
レイ「………」
カヲル「赤木リツコに関する全ファイルが、抹消済み?どういう事だ…」
レイ「その件については、私からお話しします」
ゲヒルン本部
レイ「おはようございます」
リツコ「おはようございます」
葛城「ああ、おはよう」
レイ「所長…今日は面会の日では?」
葛城「いいんだ…私に会う資格はない」
葛城「……リツコ。調子はどうだ?」
リツコ「…げんき、です…」
葛城「そうか…」
レイ「………」
カヲル「赤木リツコに関する全ファイルが、抹消済み?どういう事だ…」
レイ「その件については、私からお話しします」
631: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:28:09.64 :3d5dCKQ9o
(ナオコ「MAGI-CASPER、MAGI-BALTHASAR、MAGI-MELCHIOR。MAGIは三人の私。科学者としての私、母親としての私、女としての私」)
レイ「その3つがせめぎあっている…」
レイ「3人の先生か…。後は電源を入れるだけね」
レイ「あら…リツコちゃん、どうしたの?」
リツコ「…ママは迷子なの…?」
レイ「……!」
リツコ「どこにもいないの…ママはどこへ行ったの」
レイ「……リツコちゃん。私も、ずっと前にママがいなくなって…ママを探してたの」
リツコ「…あやなみ博士も?」
レイ「そう。ママは見つからなかったけど…赤木先生…あなたのお母さんと出会えたわ。私のママの代わりになってくれたのよ」
リツコ「ママが…?」
(ナオコ「MAGI-CASPER、MAGI-BALTHASAR、MAGI-MELCHIOR。MAGIは三人の私。科学者としての私、母親としての私、女としての私」)
レイ「その3つがせめぎあっている…」
レイ「3人の先生か…。後は電源を入れるだけね」
レイ「あら…リツコちゃん、どうしたの?」
リツコ「…ママは迷子なの…?」
レイ「……!」
リツコ「どこにもいないの…ママはどこへ行ったの」
レイ「……リツコちゃん。私も、ずっと前にママがいなくなって…ママを探してたの」
リツコ「…あやなみ博士も?」
レイ「そう。ママは見つからなかったけど…赤木先生…あなたのお母さんと出会えたわ。私のママの代わりになってくれたのよ」
リツコ「ママが…?」
632: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:29:02.61 :3d5dCKQ9o
レイ「そうよ。リツコちゃん、あなたのママは本当に素晴らしい人だったの…姿は見えなくても、今もこの場所を支えてる。科学の礎となって、隅々にまで存在しているのよ」
リツコ「……いるのに、会えないの」
レイ「リツコちゃん…。今はまだ分からないかもしれないけど、必ずお母さんの存在を感じるときがくるわ…」
レイ「……それまで、私がママの代わりじゃ、ダメかな…?」
リツコ「……」
リツコ「…いい。……ママは、ママひとりだから」
リツコ「会えるまで…まつ」
レイ「そう……」
レイ「そうね……先生は、ひとりよね…」
リツコ「……」
レイ「そうよ。リツコちゃん、あなたのママは本当に素晴らしい人だったの…姿は見えなくても、今もこの場所を支えてる。科学の礎となって、隅々にまで存在しているのよ」
リツコ「……いるのに、会えないの」
レイ「リツコちゃん…。今はまだ分からないかもしれないけど、必ずお母さんの存在を感じるときがくるわ…」
レイ「……それまで、私がママの代わりじゃ、ダメかな…?」
リツコ「……」
リツコ「…いい。……ママは、ママひとりだから」
リツコ「会えるまで…まつ」
レイ「そう……」
レイ「そうね……先生は、ひとりよね…」
リツコ「……」
633: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:30:02.63 :3d5dCKQ9o
リツコ「泣いてるの…?」
レイ「え……?」
リツコ「……だいじょうぶ、だいじょうぶ」
レイの手を撫でるリツコ
レイ「リツコちゃん…」
リツコ「泣いてるとき、ママがこうしてくれると、悲しくなくなるのよ」
(ナオコ「大丈夫よ、あなたなら…」)
レイ「リツコちゃん…!」
リツコ「だいじょうぶ…だいじょうぶ、」
レイ「うっ…う、う…っ」
リツコ「…だいじょうぶ」
カヲル「……」
リツコ「泣いてるの…?」
レイ「え……?」
リツコ「……だいじょうぶ、だいじょうぶ」
レイの手を撫でるリツコ
レイ「リツコちゃん…」
リツコ「泣いてるとき、ママがこうしてくれると、悲しくなくなるのよ」
(ナオコ「大丈夫よ、あなたなら…」)
レイ「リツコちゃん…!」
リツコ「だいじょうぶ…だいじょうぶ、」
レイ「うっ…う、う…っ」
リツコ「…だいじょうぶ」
カヲル「……」
634: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:31:03.75 :3d5dCKQ9o
カヲル「キールローレンツを議長とする人類補完委員会は、調査組織であるゲヒルンを即日解体。全計画の遂行組織として特務機関ネルフを結成した」
カヲル「そしてわれわれは、そのまま籍をネルフへと移した。二人の女性の魂を宿した、エヴァ零号機、初号機と共に…」
監禁を解かれるカヲル
カヲル「君か…」
アスカ「ご無沙汰ね。少し痩せたんじゃない?」
カヲル「…さすがに老体には堪えるよ」
アスカ「外の見張りには、眠ってもらってるから。逃げるんなら今よ」
カヲル「分からないな……僕を拐っておいて、また助けるのかい」
アスカ「こっちにも色々と都合があんのよ。どうやらゼーレや委員会より、ネルフのほうが真実に近いみたいだし」
アスカ「私はそれが知りたいだけよ」
カヲル「真実か…しかし、この行動は君の…」
アスカ「もとより、覚悟の上よ」
カヲル「キールローレンツを議長とする人類補完委員会は、調査組織であるゲヒルンを即日解体。全計画の遂行組織として特務機関ネルフを結成した」
カヲル「そしてわれわれは、そのまま籍をネルフへと移した。二人の女性の魂を宿した、エヴァ零号機、初号機と共に…」
監禁を解かれるカヲル
カヲル「君か…」
アスカ「ご無沙汰ね。少し痩せたんじゃない?」
カヲル「…さすがに老体には堪えるよ」
アスカ「外の見張りには、眠ってもらってるから。逃げるんなら今よ」
カヲル「分からないな……僕を拐っておいて、また助けるのかい」
アスカ「こっちにも色々と都合があんのよ。どうやらゼーレや委員会より、ネルフのほうが真実に近いみたいだし」
アスカ「私はそれが知りたいだけよ」
カヲル「真実か…しかし、この行動は君の…」
アスカ「もとより、覚悟の上よ」
635: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:32:02.03 :3d5dCKQ9o
諜報部員「ご協力、ありがとうございました」
シンジ「……もういいの?」
諜報部員「はい、問題は解決しましたから」
シンジ「そう…」
シンジ「……彼女は?」
諜報部員「存じません」
諜報部員「ご協力、ありがとうございました」
シンジ「……もういいの?」
諜報部員「はい、問題は解決しましたから」
シンジ「そう…」
シンジ「……彼女は?」
諜報部員「存じません」
636: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:33:01.23 :3d5dCKQ9o
諜報部員「ご協力、ありがとうございました」
シンジ「……もういいの?」
諜報部員「はい、問題は解決しましたから」
シンジ「そう…」
シンジ「……彼女は?」
諜報部員「存じません」
アスカ「遅かったじゃないの。…さっさと済ませなさいよ」
響く銃声
諜報部員「ご協力、ありがとうございました」
シンジ「……もういいの?」
諜報部員「はい、問題は解決しましたから」
シンジ「そう…」
シンジ「……彼女は?」
諜報部員「存じません」
アスカ「遅かったじゃないの。…さっさと済ませなさいよ」
響く銃声
637: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:34:01.83 :3d5dCKQ9o
シンジ「ただいま…」
ミサト「……」
シンジ「……!」
留守電の再生音
アスカ「…シンジ?あたしよ。あんたがこれを聞いてるときは…ずいぶん迷惑かけた後でしょうね。まぁ、あんたのことだから、自分より私の心配してるんでしょうけど」
アスカ「大丈夫よ、後悔はしてないわ…自分のためにやったことだもの。だから…シンジ、あんたもうじうじしてんしゃないわよ?」
シンジ「ただいま…」
ミサト「……」
シンジ「……!」
留守電の再生音
アスカ「…シンジ?あたしよ。あんたがこれを聞いてるときは…ずいぶん迷惑かけた後でしょうね。まぁ、あんたのことだから、自分より私の心配してるんでしょうけど」
アスカ「大丈夫よ、後悔はしてないわ…自分のためにやったことだもの。だから…シンジ、あんたもうじうじしてんしゃないわよ?」
638: ◆gcWj88zLkc:2020/12/06(日) 15:35:03.44 :3d5dCKQ9o
アスカ「あんたが胸張らないから…あたしが叱らなきゃいけないんじゃない」
アスカ「次会うときくらい、優しくさせなさいよね」
アスカ「……」
アスカ「信じてるって言ってくれて…嬉しかった。…それじゃあ」
電話「午後、0時、2分、です」
シンジ「………うっ」
シンジ「うっ、く……アスカ…!どうして…」
ミサト「……」
ミサト「その時私は、シンジさんから逃げる事しかできなかった。他には何もできない、大人になったつもりでいても…大切な人を支えることもできない、子どもなんだと…私は分かった」
弐拾壱話分終わり
アスカ「あんたが胸張らないから…あたしが叱らなきゃいけないんじゃない」
アスカ「次会うときくらい、優しくさせなさいよね」
アスカ「……」
アスカ「信じてるって言ってくれて…嬉しかった。…それじゃあ」
電話「午後、0時、2分、です」
シンジ「………うっ」
シンジ「うっ、く……アスカ…!どうして…」
ミサト「……」
ミサト「その時私は、シンジさんから逃げる事しかできなかった。他には何もできない、大人になったつもりでいても…大切な人を支えることもできない、子どもなんだと…私は分かった」
弐拾壱話分終わり
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