253:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 15:28:54.03 :/PuZ+lDTo
ミート「そうなんです!」
キン肉マン「こうしちゃおれん! ミート!」
ミート「ハイ、王子!」
キン肉マン「今日のお昼の牛丼は、特盛にしてくれい!」
キン肉マン「私、お腹ペコペコなの! うふ!」
ミート「ハイ! わかりました!」
ミート「……って、アスタリスクの話はどうするんですか!?」
キン肉マン「どうもこうも、いつもの事ではないか」
ミート「違いますよ!」
キン肉マン「何?」
ミート「今回ばかりは、本当の事みたいなんですよ!」
キン肉マン「ええーっ!?」
キン肉マン「なっ……なな……!?」
キン肉マン「何だって~~~っ!?」
ミート「そうなんです!」
キン肉マン「こうしちゃおれん! ミート!」
ミート「ハイ、王子!」
キン肉マン「今日のお昼の牛丼は、特盛にしてくれい!」
キン肉マン「私、お腹ペコペコなの! うふ!」
ミート「ハイ! わかりました!」
ミート「……って、アスタリスクの話はどうするんですか!?」
キン肉マン「どうもこうも、いつもの事ではないか」
ミート「違いますよ!」
キン肉マン「何?」
ミート「今回ばかりは、本当の事みたいなんですよ!」
キン肉マン「ええーっ!?」
キン肉マン「なっ……なな……!?」
キン肉マン「何だって~~~っ!?」
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254:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 15:34:55.29 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
みく「――本日は、お集まり頂きありがとうございます」
パシャパシャパシャパシャッ!
李衣菜「……ふんだ、優等生ぶっちゃってさ」
みく「……うるさい」
李衣菜「……はいはい」
みく「……」
記者「アスタリスクが解散するというのは、本当なんですか!?」
パシャパシャパシャパシャッ!
李衣菜「はい、本当です。音楽性の違い、ってやつですね」
パシャパシャパシャパシャツ!
みく「……にわかが何か言ってるにゃ」
李衣菜「……何?」
みく「……別に」
李衣菜「……」
記者「しかし! それはもう、今更の話では!?」
パシャパシャパシャパシャッ!
みく・李衣菜「……」
・ ・ ・
みく「――本日は、お集まり頂きありがとうございます」
パシャパシャパシャパシャッ!
李衣菜「……ふんだ、優等生ぶっちゃってさ」
みく「……うるさい」
李衣菜「……はいはい」
みく「……」
記者「アスタリスクが解散するというのは、本当なんですか!?」
パシャパシャパシャパシャッ!
李衣菜「はい、本当です。音楽性の違い、ってやつですね」
パシャパシャパシャパシャツ!
みく「……にわかが何か言ってるにゃ」
李衣菜「……何?」
みく「……別に」
李衣菜「……」
記者「しかし! それはもう、今更の話では!?」
パシャパシャパシャパシャッ!
みく・李衣菜「……」
255:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 15:40:05.87 :/PuZ+lDTo
みく「……今更、というか、今だから、です」
みく「元々、みく達はまるで方向性が違うアイドルでした」
みく「Pチャンに言われてユニットを組んでたけど……」
みく「――もう、ここが限界だと思いました」
パシャパシャパシャパシャッ!
李衣菜「……」
李衣菜「……みくちゃ……前川さんの言う通りです」
李衣菜「個別の活動も増えて、ユニットとしての活動も減りました」
李衣菜「だから、プロデューサーには悪いけど……」
李衣菜「――別々にやっていくのが、一番だと思ってます」
パシャパシャパシャパシャッ!
みく「……」
みく「……今更、というか、今だから、です」
みく「元々、みく達はまるで方向性が違うアイドルでした」
みく「Pチャンに言われてユニットを組んでたけど……」
みく「――もう、ここが限界だと思いました」
パシャパシャパシャパシャッ!
李衣菜「……」
李衣菜「……みくちゃ……前川さんの言う通りです」
李衣菜「個別の活動も増えて、ユニットとしての活動も減りました」
李衣菜「だから、プロデューサーには悪いけど……」
李衣菜「――別々にやっていくのが、一番だと思ってます」
パシャパシャパシャパシャッ!
みく「……」
256:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 15:43:35.65 :/PuZ+lDTo
記者「解散の決定が覆ることは無い、と!?」
パシャパシャパシャパシャッ!
みく「……」
李衣菜「……」
みく・李衣菜「……」
みく・李衣菜「――はい」
みく「アスタリスクは、本日をもって――」
李衣菜「――解散します」
パシャパシャパシャパシャッ!
みく「……」
李衣菜「……」
記者「解散の決定が覆ることは無い、と!?」
パシャパシャパシャパシャッ!
みく「……」
李衣菜「……」
みく・李衣菜「……」
みく・李衣菜「――はい」
みく「アスタリスクは、本日をもって――」
李衣菜「――解散します」
パシャパシャパシャパシャッ!
みく「……」
李衣菜「……」
257:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 15:49:41.74 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
みく「あ~あ、本当に解散しちゃったね!」
李衣菜「そうだね……案外、あっけなかったね」
みく「何度も解散って口にしてはいたけど……ね」
李衣菜「……うん。いざ本当に解散してみると……」
みく「……」
李衣菜「……」
みく「――でも! これが一番だったにゃ!」
李衣菜「――うん。二人で話して、決めた事だからね」
みく「李衣菜ちゃんは、ずっとギターの練習を頑張ってきたにゃ!」
みく「そして、夏木チャン達との、ロックなお仕事も増えてきて!」
みく「李衣菜ちゃんの、望んでたアイドルの道が見えてきたにゃ!」
李衣菜「みくちゃんも、最近では声のお仕事が増えてきたもんね」
李衣菜「凄いじゃん! アニメのレギュラーの役も貰えたし!」
李衣菜「猫関係のお仕事の依頼も増えて……順調そのものって感じ!」
みく・李衣菜「……」
・ ・ ・
みく「あ~あ、本当に解散しちゃったね!」
李衣菜「そうだね……案外、あっけなかったね」
みく「何度も解散って口にしてはいたけど……ね」
李衣菜「……うん。いざ本当に解散してみると……」
みく「……」
李衣菜「……」
みく「――でも! これが一番だったにゃ!」
李衣菜「――うん。二人で話して、決めた事だからね」
みく「李衣菜ちゃんは、ずっとギターの練習を頑張ってきたにゃ!」
みく「そして、夏木チャン達との、ロックなお仕事も増えてきて!」
みく「李衣菜ちゃんの、望んでたアイドルの道が見えてきたにゃ!」
李衣菜「みくちゃんも、最近では声のお仕事が増えてきたもんね」
李衣菜「凄いじゃん! アニメのレギュラーの役も貰えたし!」
李衣菜「猫関係のお仕事の依頼も増えて……順調そのものって感じ!」
みく・李衣菜「……」
258:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 15:55:59.98 :/PuZ+lDTo
みく「だから……ね」
李衣菜「……うん」
みく「李衣菜ちゃんの、邪魔はしたくないにゃ」
李衣菜「みくちゃんの、足は引っ張れないよ」
みく・李衣菜「……」
みく「……あーっ、もう! やめやめ!」
李衣菜「……あははっ! うん、そうだね!」
みく「こ~んな辛気臭いのは――」
李衣菜「――私達らしくない!」
みく・李衣菜「ねっ!」
みく「……李衣菜ちゃん」
みく「お互い別々の道になるけど……頑張るにゃ!」
李衣菜「……みくちゃん」
李衣菜「ま、同じシンデレラプロジェクトだから顔を合わせるけどね」
みく「……でも」
李衣菜「……うん、だけど」
みく・李衣菜「――う~っ! 解散!」
みく・李衣菜「……あははははっ!」
みく・李衣菜「……」
みく「だから……ね」
李衣菜「……うん」
みく「李衣菜ちゃんの、邪魔はしたくないにゃ」
李衣菜「みくちゃんの、足は引っ張れないよ」
みく・李衣菜「……」
みく「……あーっ、もう! やめやめ!」
李衣菜「……あははっ! うん、そうだね!」
みく「こ~んな辛気臭いのは――」
李衣菜「――私達らしくない!」
みく・李衣菜「ねっ!」
みく「……李衣菜ちゃん」
みく「お互い別々の道になるけど……頑張るにゃ!」
李衣菜「……みくちゃん」
李衣菜「ま、同じシンデレラプロジェクトだから顔を合わせるけどね」
みく「……でも」
李衣菜「……うん、だけど」
みく・李衣菜「――う~っ! 解散!」
みく・李衣菜「……あははははっ!」
みく・李衣菜「……」
259:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 16:03:40.19 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
みく「……あれから一週間、か」
みく「……」
みく(お仕事は……うん、とっても順調)
みく(みくが、前からやりたかった仕事のスケジュールも入れられた)
みく(……アスタリスクが解散して、お仕事自体は増えたにゃ)
みく「……だけど」
みく「……」
みく「……お買い物に来たけど、なんだか食欲が無い」
キン肉マン「じゃあ、このお菓子買って~!」
キン肉マン「このあんま~いの、私のお気に入りなの!」
みく「ダメに決まってるでしょ!」
みく「お菓子じゃなく、ゴハンを食べないと力が出ない――」
キン肉マン「だったら、牛丼でも食べに行くかい?」
みく「――って、キン肉マン!?」
・ ・ ・
みく「……あれから一週間、か」
みく「……」
みく(お仕事は……うん、とっても順調)
みく(みくが、前からやりたかった仕事のスケジュールも入れられた)
みく(……アスタリスクが解散して、お仕事自体は増えたにゃ)
みく「……だけど」
みく「……」
みく「……お買い物に来たけど、なんだか食欲が無い」
キン肉マン「じゃあ、このお菓子買って~!」
キン肉マン「このあんま~いの、私のお気に入りなの!」
みく「ダメに決まってるでしょ!」
みく「お菓子じゃなく、ゴハンを食べないと力が出ない――」
キン肉マン「だったら、牛丼でも食べに行くかい?」
みく「――って、キン肉マン!?」
261:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 16:11:07.52 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
李衣菜「……あれから一週間、か」
李衣菜「……」
李衣菜(ギターの練習は……うん、凄く順調)
李衣菜(この分だと、次の次くらいにはステージで披露出来そう)
李衣菜(……アスタリスクが解散して、ロックな毎日が送れてる)
李衣菜「……なのに」
李衣菜「……」
トラック「!」
パーッ! パパーッ!
李衣菜「っ!? しまっ――赤だっ――」
李衣菜(――みくちゃんっ!)
ガシイイイイッ!
?????「ヘイ、ガール! 横断歩道を渡る時は、注意しなきゃいけないぜ!」
李衣菜「っ……!?」
李衣菜「私……トラックに轢かれて……」
テリーマン「ないだろう?」
李衣菜「貴方は……テリーマンっ!?」
・ ・ ・
李衣菜「……あれから一週間、か」
李衣菜「……」
李衣菜(ギターの練習は……うん、凄く順調)
李衣菜(この分だと、次の次くらいにはステージで披露出来そう)
李衣菜(……アスタリスクが解散して、ロックな毎日が送れてる)
李衣菜「……なのに」
李衣菜「……」
トラック「!」
パーッ! パパーッ!
李衣菜「っ!? しまっ――赤だっ――」
李衣菜(――みくちゃんっ!)
ガシイイイイッ!
?????「ヘイ、ガール! 横断歩道を渡る時は、注意しなきゃいけないぜ!」
李衣菜「っ……!?」
李衣菜「私……トラックに轢かれて……」
テリーマン「ないだろう?」
李衣菜「貴方は……テリーマンっ!?」
262:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 16:18:49.31 :/PuZ+lDTo
李衣菜「そんな……どうして、テリーマンがここに!?」
テリーマン「なあに、そんなのは簡単さ」
テリーマン「そこのバーガーショップで好物を食べていたら――」
ちょいちょい
テリーマン「――コイツのヒモが切れちまってね」
李衣菜「……」
テリーマン「嫌な予感がしてみれば、キュートなガールの大ピンチさ!」
テリーマン「だったら、飛び出すのが男ってもんだろう?」
李衣菜「きゅ、キュートって……///」
テリーマン「……とりあえず、どこか落ち着ける場所で話さないか?」
李衣菜「えっ?」
パーッ! パパーッ!
テリーマン「ここは……さすがに五月蝿すぎる」
テリーマン「それに、ハンバーガーがすっかり冷めちまったからね!」
李衣菜「……はい」
李衣菜「そんな……どうして、テリーマンがここに!?」
テリーマン「なあに、そんなのは簡単さ」
テリーマン「そこのバーガーショップで好物を食べていたら――」
ちょいちょい
テリーマン「――コイツのヒモが切れちまってね」
李衣菜「……」
テリーマン「嫌な予感がしてみれば、キュートなガールの大ピンチさ!」
テリーマン「だったら、飛び出すのが男ってもんだろう?」
李衣菜「きゅ、キュートって……///」
テリーマン「……とりあえず、どこか落ち着ける場所で話さないか?」
李衣菜「えっ?」
パーッ! パパーッ!
テリーマン「ここは……さすがに五月蝿すぎる」
テリーマン「それに、ハンバーガーがすっかり冷めちまったからね!」
李衣菜「……はい」
263:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 16:26:59.44 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
キン肉マン「う~ん! やっぱり牛丼は最高だのう!」
みく「……」
キン肉マン「ん? じぇ~んじぇん箸が進んでないではないか」
みく「……良かったら、みくの分も食べて良いよ」
キン肉マン「えっ!? 良いの!?」
みく「……最近、なんだか食欲が無くて」
みく「それに、元々キン肉マンがお金を出してるんだから」
キン肉マン「確かに! それじゃあ遠慮なく~!」
キン肉マン「はぐはぐむしゃむしゃ! うむ、ちょいと冷めても美味い!」
キン肉マン「すみませ~ん! 牛丼を二杯おかわり~!」
みく「……」
キン肉マン「おっ、もうきた!」
キン肉マン「あっ、一杯は私の分だが――」
キン肉マン「――もう一杯は、こちらの彼女に」
みく「……えっ?」
・ ・ ・
キン肉マン「う~ん! やっぱり牛丼は最高だのう!」
みく「……」
キン肉マン「ん? じぇ~んじぇん箸が進んでないではないか」
みく「……良かったら、みくの分も食べて良いよ」
キン肉マン「えっ!? 良いの!?」
みく「……最近、なんだか食欲が無くて」
みく「それに、元々キン肉マンがお金を出してるんだから」
キン肉マン「確かに! それじゃあ遠慮なく~!」
キン肉マン「はぐはぐむしゃむしゃ! うむ、ちょいと冷めても美味い!」
キン肉マン「すみませ~ん! 牛丼を二杯おかわり~!」
みく「……」
キン肉マン「おっ、もうきた!」
キン肉マン「あっ、一杯は私の分だが――」
キン肉マン「――もう一杯は、こちらの彼女に」
みく「……えっ?」
264:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 16:34:55.51 :/PuZ+lDTo
みく「み、みくは良いよ!」
キン肉マン「いいや、良くないさ」
みく「だからっ! 食欲が――」
キン肉マン「だからこそ!」
みく「っ!?」
キン肉マン「だからこそ……今のキミは、食べなきゃいけない」
キン肉マン「熱々の、一番美味し~い牛丼をだ」
みく「……キン肉マン」
キン肉マン「栄養バランスが気になるようなら、サラダもつけるぜ!」
キン肉マン「お新香だって野菜さ! 好きなだけ食べなさい!」
みく「……ふふっ、塩分摂りすぎになっちゃうよ」ニコッ
キン肉マン「んふっ! そいつは失敬!」
キン肉マン「……さあ、冷めない内に、牛丼をやっつけようぜ! みくちゃん!」
みく「うんっ!」
みく「はふっ……あっつ! うえぇ……猫舌だったの忘れてたにゃ!」
キン肉マン「あらら!」
みく「み、みくは良いよ!」
キン肉マン「いいや、良くないさ」
みく「だからっ! 食欲が――」
キン肉マン「だからこそ!」
みく「っ!?」
キン肉マン「だからこそ……今のキミは、食べなきゃいけない」
キン肉マン「熱々の、一番美味し~い牛丼をだ」
みく「……キン肉マン」
キン肉マン「栄養バランスが気になるようなら、サラダもつけるぜ!」
キン肉マン「お新香だって野菜さ! 好きなだけ食べなさい!」
みく「……ふふっ、塩分摂りすぎになっちゃうよ」ニコッ
キン肉マン「んふっ! そいつは失敬!」
キン肉マン「……さあ、冷めない内に、牛丼をやっつけようぜ! みくちゃん!」
みく「うんっ!」
みく「はふっ……あっつ! うえぇ……猫舌だったの忘れてたにゃ!」
キン肉マン「あらら!」
265:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 16:42:45.83 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
テリーマン「――なるほど、そういう事だったのか」
李衣菜「はい」
テリーマン「だから、あれっぽっちしかステーキが食べられなかったんだな」
李衣菜「い、いやいや! かなり食べましたよ!?」
テリーマン「そうかい? 何なら、おかわりしてもミーは構わないぜ?」
李衣菜「大丈夫です!」
李衣菜「あんまり食べすぎると、みくちゃんに怒られ――」
テリーマン「……」
李衣菜「――は……もうしないんだった」
李衣菜「アスタリスクは、もう解散しましたからね、あははは!」
李衣菜「……はぁ」
テリーマン「なるほど、君はパートナーと随分仲が良かったんだね」
李衣菜「とんでもない! いつも、ケンカばかりでしたよ!」
テリーマン「そ、そうなのかい?」
李衣菜「はい! 私はロックなアイドルを目指してて!」
李衣菜「なのに、みくちゃんはネコミミネコミミって!」
李衣菜「全っ然! 違うタイプだったんです、本当に!」
テリーマン「……」
・ ・ ・
テリーマン「――なるほど、そういう事だったのか」
李衣菜「はい」
テリーマン「だから、あれっぽっちしかステーキが食べられなかったんだな」
李衣菜「い、いやいや! かなり食べましたよ!?」
テリーマン「そうかい? 何なら、おかわりしてもミーは構わないぜ?」
李衣菜「大丈夫です!」
李衣菜「あんまり食べすぎると、みくちゃんに怒られ――」
テリーマン「……」
李衣菜「――は……もうしないんだった」
李衣菜「アスタリスクは、もう解散しましたからね、あははは!」
李衣菜「……はぁ」
テリーマン「なるほど、君はパートナーと随分仲が良かったんだね」
李衣菜「とんでもない! いつも、ケンカばかりでしたよ!」
テリーマン「そ、そうなのかい?」
李衣菜「はい! 私はロックなアイドルを目指してて!」
李衣菜「なのに、みくちゃんはネコミミネコミミって!」
李衣菜「全っ然! 違うタイプだったんです、本当に!」
テリーマン「……」
266:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 16:54:14.57 :/PuZ+lDTo
テリーマン「……それで?」
李衣菜「最初に組まされた時も、なんでこの子と、って思ったんです!」
李衣菜「それからも、ずっとケンカ続きで! もう、ずっとですよ!」
李衣菜「最初のライブの時だって、本当に運良く成功したようなものです!」
テリーマン「なんだ! やっぱり上手くいってたんじゃないか!」
李衣菜「でも……だけど……」
李衣菜「やっぱり、方向性の違いが出てきちゃって……へへ」
李衣菜「そ、そりゃそうですよ! だって、ネコミミとロックですよ!?」
李衣菜「いつかは……こうなる運命だったんです」
テリーマン「……なるほど」
テリーマン「そいつは――そこのキャットガールも同じ気持ちなのかな?」
李衣菜「……えっ?」
みく「……」
李衣菜「みっ、みくちゃん!? どうしてここに!?」
キン肉マン「す、すまんテリ~~っ!」
キン肉マン「もう一度話すべきだと思って連れてきただけなんだーっ!」
キン肉マン「だからお願い! 怒らないで!? ねっ、ねっ!?」
テリーマン「ハァ……キン肉マン、お前ってやつは」
テリーマン「……それで?」
李衣菜「最初に組まされた時も、なんでこの子と、って思ったんです!」
李衣菜「それからも、ずっとケンカ続きで! もう、ずっとですよ!」
李衣菜「最初のライブの時だって、本当に運良く成功したようなものです!」
テリーマン「なんだ! やっぱり上手くいってたんじゃないか!」
李衣菜「でも……だけど……」
李衣菜「やっぱり、方向性の違いが出てきちゃって……へへ」
李衣菜「そ、そりゃそうですよ! だって、ネコミミとロックですよ!?」
李衣菜「いつかは……こうなる運命だったんです」
テリーマン「……なるほど」
テリーマン「そいつは――そこのキャットガールも同じ気持ちなのかな?」
李衣菜「……えっ?」
みく「……」
李衣菜「みっ、みくちゃん!? どうしてここに!?」
キン肉マン「す、すまんテリ~~っ!」
キン肉マン「もう一度話すべきだと思って連れてきただけなんだーっ!」
キン肉マン「だからお願い! 怒らないで!? ねっ、ねっ!?」
テリーマン「ハァ……キン肉マン、お前ってやつは」
267:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 17:03:40.67 :/PuZ+lDTo
みく「キン肉マンが……もう一度話すべきだ、って」
李衣菜「そう……なんだ」
みく「だけど……やっぱり、もう話す事は無いよね」
李衣菜「……うん、十分に話し合って決めたんだもん」
みく・李衣菜「……」
キン肉マン・テリーマン「……」
テリーマン「――ヘイ! キン肉マン、一体どういうつもりだ!」
どんっ!
キン肉マン「おわあっ!? 急に何をするんじゃ、テリー!」
テリーマン「お前のせいで、色々と台無しだ!」
キン肉マン「私のせいだと!? さすがにそれは言い過ぎだぞ、テリー!」
どんっ!
テリーマン「オウッ!? なんだ、やる気か!?」
がしいっ!
キン肉マン「それはこっちの台詞だぜ!」
ぐぐぐぐっ!
キン肉マン・テリーマン「ぐむむむっ……!」
みく「ちょっ、ちょっと二人共!?」
李衣菜「なんで二人がケンカしてるわけ!?」
みく「キン肉マンが……もう一度話すべきだ、って」
李衣菜「そう……なんだ」
みく「だけど……やっぱり、もう話す事は無いよね」
李衣菜「……うん、十分に話し合って決めたんだもん」
みく・李衣菜「……」
キン肉マン・テリーマン「……」
テリーマン「――ヘイ! キン肉マン、一体どういうつもりだ!」
どんっ!
キン肉マン「おわあっ!? 急に何をするんじゃ、テリー!」
テリーマン「お前のせいで、色々と台無しだ!」
キン肉マン「私のせいだと!? さすがにそれは言い過ぎだぞ、テリー!」
どんっ!
テリーマン「オウッ!? なんだ、やる気か!?」
がしいっ!
キン肉マン「それはこっちの台詞だぜ!」
ぐぐぐぐっ!
キン肉マン・テリーマン「ぐむむむっ……!」
みく「ちょっ、ちょっと二人共!?」
李衣菜「なんで二人がケンカしてるわけ!?」
268:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 17:15:44.64 :/PuZ+lDTo
みく「みく達のせいでケンカなんてダメだよっ!」
李衣菜「とにかく、落ち着いて話し合おうよ!」
キン肉マン・テリーマン「そいつは無理だ!」
ぐぐぐぐっ!
みく・李衣菜「何で!?」
キン肉マン「私達も、みくちゃんや李衣菜ちゃんと同じ様に……!」
テリーマン「ああ……タッグを組んで戦った事があってね……!」
ぐぐぐぐっ!…ぱっ!
キン肉マン「最高のタッグと言われちゃいるが……」
テリーマン「……こんな風に、衝突ばっかりしていたのさ!」
みく・李衣菜「……!」
キン肉マン「だが……ここじゃあ、店の人に迷惑になる」
テリーマン「おやおや、ちょっとは大人になったじゃないか」
キン肉マン「うるさいわい! 私だって、成長してるんだもんね!」
テリーマン「だが、その意見には賛成だ……場所を移そう」
キン肉マン・テリーマン「彼女達が所属する事務所――」
キン肉マン・テリーマン「――346プロダクションに!」
みく「みく達のせいでケンカなんてダメだよっ!」
李衣菜「とにかく、落ち着いて話し合おうよ!」
キン肉マン・テリーマン「そいつは無理だ!」
ぐぐぐぐっ!
みく・李衣菜「何で!?」
キン肉マン「私達も、みくちゃんや李衣菜ちゃんと同じ様に……!」
テリーマン「ああ……タッグを組んで戦った事があってね……!」
ぐぐぐぐっ!…ぱっ!
キン肉マン「最高のタッグと言われちゃいるが……」
テリーマン「……こんな風に、衝突ばっかりしていたのさ!」
みく・李衣菜「……!」
キン肉マン「だが……ここじゃあ、店の人に迷惑になる」
テリーマン「おやおや、ちょっとは大人になったじゃないか」
キン肉マン「うるさいわい! 私だって、成長してるんだもんね!」
テリーマン「だが、その意見には賛成だ……場所を移そう」
キン肉マン・テリーマン「彼女達が所属する事務所――」
キン肉マン・テリーマン「――346プロダクションに!」
269:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 17:25:03.54 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
ザアア――ッ!
みく「なんで……なんでこんな事になっちゃったの!?」
李衣菜「わかんない! 私にだって、わかんないよ!」
みく・李衣菜「……!」
キン肉マン「……フッ! 急な大雨とは、ついてないな!」
テリーマン「ノー・プロブレム! ミー達のファイトが行われるリングは――」
ゴゴゴゴゴゴゴッ…!
キン肉マン「――ああ! 遙か古来より、正義の在り処を決める場!」
テリーマン「346プロダクション――本来の名は、Missing law(ミッシング・ロウ)プロダクション!」
キン肉マン「見ろ! 屋上に現れた、あのドームを!」
テリーマン「大観衆とまではいかないが、何人かは雨に濡れず観戦出来そうだな」
みく・李衣菜「……」
・ ・ ・
ザアア――ッ!
みく「なんで……なんでこんな事になっちゃったの!?」
李衣菜「わかんない! 私にだって、わかんないよ!」
みく・李衣菜「……!」
キン肉マン「……フッ! 急な大雨とは、ついてないな!」
テリーマン「ノー・プロブレム! ミー達のファイトが行われるリングは――」
ゴゴゴゴゴゴゴッ…!
キン肉マン「――ああ! 遙か古来より、正義の在り処を決める場!」
テリーマン「346プロダクション――本来の名は、Missing law(ミッシング・ロウ)プロダクション!」
キン肉マン「見ろ! 屋上に現れた、あのドームを!」
テリーマン「大観衆とまではいかないが、何人かは雨に濡れず観戦出来そうだな」
みく・李衣菜「……」
272:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 18:09:17.55 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
吉貝「さあて! 遂に始まります、友情のマシンガンデスマッチ!」
中野「この試合を見るためなら、女房なんてこうですわ! こう!」
吉貝「実況は私、吉貝と」
中野「解説は、おまたせシマウマ~! 世界に羽ばたくアデランスの中野さんです~!」
吉貝「――で、お送りします!」
キン肉マン「……フフ! まさか、こんな形でお前とファイトするとはな!」
ぐっ…ぐっ…!
テリーマン「大王の座に着いて、体がなまってたなんて言い訳はナシだぜ!」
ぐるんっ……ぐるんっ…!
キン肉マン「――おうともよ! 私達の間に、そんなつまらんものはいらんわい!」
テリーマン「そいつを聞いて安心した! 遠慮なく、お前さんをぶちのめせるぜ!」
みく・李衣菜「……!?」
・ ・ ・
吉貝「さあて! 遂に始まります、友情のマシンガンデスマッチ!」
中野「この試合を見るためなら、女房なんてこうですわ! こう!」
吉貝「実況は私、吉貝と」
中野「解説は、おまたせシマウマ~! 世界に羽ばたくアデランスの中野さんです~!」
吉貝「――で、お送りします!」
キン肉マン「……フフ! まさか、こんな形でお前とファイトするとはな!」
ぐっ…ぐっ…!
テリーマン「大王の座に着いて、体がなまってたなんて言い訳はナシだぜ!」
ぐるんっ……ぐるんっ…!
キン肉マン「――おうともよ! 私達の間に、そんなつまらんものはいらんわい!」
テリーマン「そいつを聞いて安心した! 遠慮なく、お前さんをぶちのめせるぜ!」
みく・李衣菜「……!?」
273:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 18:18:00.09 :/PuZ+lDTo
みく「ほっ、本当にやる気!? 今ならまだやめられるにゃ!」
キン肉マン「やめる? おいおい、みくちゃん! 冗談はよしてくれ!」
みく「冗談なんかじゃないよ! みくたちのせいで戦うなんてダメ!」
ぐいっ!
キン肉マン「おわあっ!? パンツを引っ張っちゃダメ~!?」
李衣菜「どうしてこんな事する必要があるんですか!?」
テリーマン「どうしてかって? ハハハ! 面白い事を言うな!」
李衣菜「えっ?」
テリーマン「ただのケンカだよ!」
ダダダダダッ!
吉貝「ああ――っと! テリーマン、キン肉マンに猛ダッシュしていく――っ!」
テリーマン「どうしたキン肉マン! 隙だらけだぜ!」
キン肉マン「あっ、ずるい!?」
テリーマン「ソラァ――ッ!」
ドガアッ!
キン肉マン「うぐえっ!?」
カ――ンッ!
吉貝「テリーマンのナックルパートを合図に、開始のゴングが鳴った――っ!!」
みく「ほっ、本当にやる気!? 今ならまだやめられるにゃ!」
キン肉マン「やめる? おいおい、みくちゃん! 冗談はよしてくれ!」
みく「冗談なんかじゃないよ! みくたちのせいで戦うなんてダメ!」
ぐいっ!
キン肉マン「おわあっ!? パンツを引っ張っちゃダメ~!?」
李衣菜「どうしてこんな事する必要があるんですか!?」
テリーマン「どうしてかって? ハハハ! 面白い事を言うな!」
李衣菜「えっ?」
テリーマン「ただのケンカだよ!」
ダダダダダッ!
吉貝「ああ――っと! テリーマン、キン肉マンに猛ダッシュしていく――っ!」
テリーマン「どうしたキン肉マン! 隙だらけだぜ!」
キン肉マン「あっ、ずるい!?」
テリーマン「ソラァ――ッ!」
ドガアッ!
キン肉マン「うぐえっ!?」
カ――ンッ!
吉貝「テリーマンのナックルパートを合図に、開始のゴングが鳴った――っ!!」
275:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 18:29:13.85 :/PuZ+lDTo
テリーマン「どうしたどうした! キン肉マン!」
ガッ! ガッ! ドガァッ!
キン肉マン「うぐっ!? おわっ!? ぐあっ!?」
テリーマン「やっぱりなまってるんじゃないか!? ええーっ!?」
ガッ! ドガッ! ドガァッ!
キン肉マン「うぐうっ!? い、いかん……このままではっ!? ぐあっ!?」ヨロヨロッ…
吉貝「いった! いった! テリーがいった――っ!」
吉貝「まさに嵐! 嵐のような、ナックルパートの連打! 連打! 連打――っ!」
中野「開幕から凄い気迫ですね~っ」
テリーマン「こいつをくらいな! キン肉マンッ!」
ぐるんっ…ぐるんっ…!
吉貝「テリーマン、左手を振り回しとどめの一撃の体勢に入る――っ!」
中野「あのぐるぐる、何か意味があるんですかね?」
キン肉マン「い、いかんっ!?」
キン肉マン「――肉のカーテン!」
ガキィンッ!
吉貝「キン肉マン! それに対し、肉のカーテンで防御を固めたーっ!」
中野「肉のカーテンは、打撃はほとんど無効にしてしまいますからねぇ」
中野「女房に小言を言われた時、耳を塞ぐようなもんです、はい」
テリーマン「どうしたどうした! キン肉マン!」
ガッ! ガッ! ドガァッ!
キン肉マン「うぐっ!? おわっ!? ぐあっ!?」
テリーマン「やっぱりなまってるんじゃないか!? ええーっ!?」
ガッ! ドガッ! ドガァッ!
キン肉マン「うぐうっ!? い、いかん……このままではっ!? ぐあっ!?」ヨロヨロッ…
吉貝「いった! いった! テリーがいった――っ!」
吉貝「まさに嵐! 嵐のような、ナックルパートの連打! 連打! 連打――っ!」
中野「開幕から凄い気迫ですね~っ」
テリーマン「こいつをくらいな! キン肉マンッ!」
ぐるんっ…ぐるんっ…!
吉貝「テリーマン、左手を振り回しとどめの一撃の体勢に入る――っ!」
中野「あのぐるぐる、何か意味があるんですかね?」
キン肉マン「い、いかんっ!?」
キン肉マン「――肉のカーテン!」
ガキィンッ!
吉貝「キン肉マン! それに対し、肉のカーテンで防御を固めたーっ!」
中野「肉のカーテンは、打撃はほとんど無効にしてしまいますからねぇ」
中野「女房に小言を言われた時、耳を塞ぐようなもんです、はい」
276:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 18:40:36.23 :/PuZ+lDTo
キン肉マン「どうだ、テリー! これでナックルパートは意味をなさないぜ!」
ガキィンッ!
テリーマン「キン肉マン! ガードを固めたくらいで――」
ぐるんっ…ぐるんっ…!
テリーマン「ミーのテキサス魂は、止められないぜ――っ!」
ドガァッ!
キン肉マン「っ!? おおおっ――!?」ヨロヨロッ…!
吉貝「テリーマン! 関係無いとばかりに、テキサスブロンコをうちこんだーっ!」
吉貝「キン肉マン、たまらずその場から弾き飛ばされる――っ!」
中野「いやー! 私の頭皮と同じで、ダメージは無さそうですね!」
吉貝「……」
中野「何か?」
…バウンッ!
キン肉マン「!? ロープに弾かれ――まさかっ!?」
テリーマン「そのまさかさ! キン肉マン!」
吉貝「ああ――っと! まさか! まさか、こんな試合の序盤で出てしまうのか!?」
中野「あれは、テリーマンのフィニッシュ・ホールドの一つ!」
テリーマン「くらいなっ、キン肉マン!」
ガシイッ!
テリーマン「カーフ・ブランディング(仔牛の焼印押し)――ッ!!」
ガガァンッ!
キン肉マン「……!?」
キン肉マン「ゲハァッ!」
キン肉マン「どうだ、テリー! これでナックルパートは意味をなさないぜ!」
ガキィンッ!
テリーマン「キン肉マン! ガードを固めたくらいで――」
ぐるんっ…ぐるんっ…!
テリーマン「ミーのテキサス魂は、止められないぜ――っ!」
ドガァッ!
キン肉マン「っ!? おおおっ――!?」ヨロヨロッ…!
吉貝「テリーマン! 関係無いとばかりに、テキサスブロンコをうちこんだーっ!」
吉貝「キン肉マン、たまらずその場から弾き飛ばされる――っ!」
中野「いやー! 私の頭皮と同じで、ダメージは無さそうですね!」
吉貝「……」
中野「何か?」
…バウンッ!
キン肉マン「!? ロープに弾かれ――まさかっ!?」
テリーマン「そのまさかさ! キン肉マン!」
吉貝「ああ――っと! まさか! まさか、こんな試合の序盤で出てしまうのか!?」
中野「あれは、テリーマンのフィニッシュ・ホールドの一つ!」
テリーマン「くらいなっ、キン肉マン!」
ガシイッ!
テリーマン「カーフ・ブランディング(仔牛の焼印押し)――ッ!!」
ガガァンッ!
キン肉マン「……!?」
キン肉マン「ゲハァッ!」
277:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 18:59:22.31 :/PuZ+lDTo
みく「本気……!? テリーマン、本気でキン肉マンに技を!?」
李衣菜「あっ、あんなの! あんなのケンカじゃないよ!」
みく「うん! みく達が止めないと!」
李衣菜「そうじゃないと、大変な事に――」
キン肉マン「……大変な事……?」ヨロヨロッ…
キン肉マン「フフ……そいつぁ面白い……!」
ググッ…!
みく・李衣菜「っ!?」
吉貝「キン肉マン、立ち上がった――ッ! しかし、そのダメージは大きそうだ!」
テリーマン「気が合うな、キン肉マン!」
テリーマン「ミーも……楽しくて仕方がない!」
テリーマン「……そして、わかっていたぜ!」
テリーマン「キン肉マン! お前が、この程度でおねんねしない事くらいはな――ッ!」
キン肉マン「……さすがテリー、わかっておるではないか!」
キン肉マン「お前のおかげで、ようやく体が温まってきたぜ!」
キン肉マン「おお、イテテ! よくもまあ、やってくれたな!」
キン肉マン「この借り、きっちりとお返しさせて貰う!」
キン肉マン・テリーマン「……ハッハッハ――ッ!!」
吉貝「笑っている……笑っています! ファイトの最中にも関わらず!」
吉貝「キン肉マン、テリーマン……両者ともに、笑っています!」
みく・李衣菜「……」
みく「本気……!? テリーマン、本気でキン肉マンに技を!?」
李衣菜「あっ、あんなの! あんなのケンカじゃないよ!」
みく「うん! みく達が止めないと!」
李衣菜「そうじゃないと、大変な事に――」
キン肉マン「……大変な事……?」ヨロヨロッ…
キン肉マン「フフ……そいつぁ面白い……!」
ググッ…!
みく・李衣菜「っ!?」
吉貝「キン肉マン、立ち上がった――ッ! しかし、そのダメージは大きそうだ!」
テリーマン「気が合うな、キン肉マン!」
テリーマン「ミーも……楽しくて仕方がない!」
テリーマン「……そして、わかっていたぜ!」
テリーマン「キン肉マン! お前が、この程度でおねんねしない事くらいはな――ッ!」
キン肉マン「……さすがテリー、わかっておるではないか!」
キン肉マン「お前のおかげで、ようやく体が温まってきたぜ!」
キン肉マン「おお、イテテ! よくもまあ、やってくれたな!」
キン肉マン「この借り、きっちりとお返しさせて貰う!」
キン肉マン・テリーマン「……ハッハッハ――ッ!!」
吉貝「笑っている……笑っています! ファイトの最中にも関わらず!」
吉貝「キン肉マン、テリーマン……両者ともに、笑っています!」
みく・李衣菜「……」
278:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 19:09:55.27 :/PuZ+lDTo
テリーマン「……だが、そう簡単にはいかないぜ! キン肉マン――ッ!」
ヒュッ――!
吉貝「テリーマン! 高く、高く跳ぶ! いや、飛び上がる――ッ!」
中野「あそこから放つテリーマンの技と言えば――」
テリーマン「くらえいっ! テキサス――」
キン肉マン「! 今だ――!」
ヒュッ――!
テリーマン「何ィッ!?」
吉貝「ああ――っと!? キン肉マン、テリーマン目掛けて跳躍――っ!」
中野「しかし、あの勢いでは、二人仲良く天井に激突ですよ~っ!?」
中野「あこりゃ仲良し、こよし、氷川きよし~っ!」
キン肉マン「そうりゃっ!!」
ガシィッ!
テリーマン「うおおっ!? こ、これは――!?」
吉貝「キン肉マン! テリーマンを空中でホールド――ッ!」
キン肉マン「天井に激突?……それが狙いさ! くらえいっ、テリ――ッ!」
テリーマン「うおおおおっ!?」
キン肉マン「ネオキン肉バスタ――ッ!!」
ガッシャァンッ!
テリーマン「……!?」
テリーマン「グハァッ!」
吉貝「キン肉マンの、天井を利用し放つネオキン肉バスターが炸裂した――っ!」
テリーマン「……だが、そう簡単にはいかないぜ! キン肉マン――ッ!」
ヒュッ――!
吉貝「テリーマン! 高く、高く跳ぶ! いや、飛び上がる――ッ!」
中野「あそこから放つテリーマンの技と言えば――」
テリーマン「くらえいっ! テキサス――」
キン肉マン「! 今だ――!」
ヒュッ――!
テリーマン「何ィッ!?」
吉貝「ああ――っと!? キン肉マン、テリーマン目掛けて跳躍――っ!」
中野「しかし、あの勢いでは、二人仲良く天井に激突ですよ~っ!?」
中野「あこりゃ仲良し、こよし、氷川きよし~っ!」
キン肉マン「そうりゃっ!!」
ガシィッ!
テリーマン「うおおっ!? こ、これは――!?」
吉貝「キン肉マン! テリーマンを空中でホールド――ッ!」
キン肉マン「天井に激突?……それが狙いさ! くらえいっ、テリ――ッ!」
テリーマン「うおおおおっ!?」
キン肉マン「ネオキン肉バスタ――ッ!!」
ガッシャァンッ!
テリーマン「……!?」
テリーマン「グハァッ!」
吉貝「キン肉マンの、天井を利用し放つネオキン肉バスターが炸裂した――っ!」
279:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 19:31:40.21 :/PuZ+lDTo
キン肉マン「う……おおっ……!」
フワッ…
テリーマン「な、中々の攻撃だが……甘かったな、キン肉マン……!」
テリーマン「この程度じゃ、借りは返したとは言えんぜ……!」
キン肉マン「テリー……!」
吉貝「テリーマン、ネオキン肉バスターを受けてなお健在!」
中野「恐らく、キン肉マンもかなりのダメージを負っていたからでしょうねぇ」
テリーマン「――さあ! お前はまだまだ、こんなもんじゃないはずだ!」
テリーマン「このオレに! お前の全てをぶつけて来いッ!」
テリーマン「その全てを! 全力で受けきってやるぜ――ッ!」
みく・李衣菜「……!」
キン肉マン「言われなくとも、そのつもりじゃ――いッ!」
キン肉マン「テリー! いや、テリーマンッ!」
キン肉マン「この私が、お前に遠慮なんぞをするはずが無いだろうが――ッ!」
みく・李衣菜「……!!」
キン肉マン「う……おおっ……!」
フワッ…
テリーマン「な、中々の攻撃だが……甘かったな、キン肉マン……!」
テリーマン「この程度じゃ、借りは返したとは言えんぜ……!」
キン肉マン「テリー……!」
吉貝「テリーマン、ネオキン肉バスターを受けてなお健在!」
中野「恐らく、キン肉マンもかなりのダメージを負っていたからでしょうねぇ」
テリーマン「――さあ! お前はまだまだ、こんなもんじゃないはずだ!」
テリーマン「このオレに! お前の全てをぶつけて来いッ!」
テリーマン「その全てを! 全力で受けきってやるぜ――ッ!」
みく・李衣菜「……!」
キン肉マン「言われなくとも、そのつもりじゃ――いッ!」
キン肉マン「テリー! いや、テリーマンッ!」
キン肉マン「この私が、お前に遠慮なんぞをするはずが無いだろうが――ッ!」
みく・李衣菜「……!!」
280:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 19:44:05.11 :/PuZ+lDTo
キン肉マン「おうりゃっ!」
ガシィッ!
テリーマン「ぐおっ!?」
吉貝「おおっ、キン肉マン! 落下しながらテリーマンの首を両足でフック!」
吉貝「同時に両腕を捕らえたーっ! あれは! あの体勢は――ッ!」
キン肉マン「超人!」
グワギシィッ!
キン肉マン「絞殺刑――ッ!」
テリーマン「……!」
テリーマン「ウグォハァッ!」
テリーマン「……ぐあっ……!?」
…ドサアッ!
吉貝「テリーマン! たまらずダウ――ンッ! このまま勝負が決まってしまうのか――っ!?」
中野「しかし、おかしいですねぇ? テリーマンは、あえて技を受けたように見えましたよ?」
テリーマン「……フフフ……!」
テリーマン「中々、きくじゃないか……!」ヨロヨロッ…
ググッ…!
キン肉マン「……フッ! テリー、お前ならまだ立つと思っていたぜッ!」
テリーマン「ああ! まだまだ、勝負はここからだぜ、キン肉マンッ!」
吉貝「ああ――っと! テリーマン、立ち上がった――ッ!」
キン肉マン「おうりゃっ!」
ガシィッ!
テリーマン「ぐおっ!?」
吉貝「おおっ、キン肉マン! 落下しながらテリーマンの首を両足でフック!」
吉貝「同時に両腕を捕らえたーっ! あれは! あの体勢は――ッ!」
キン肉マン「超人!」
グワギシィッ!
キン肉マン「絞殺刑――ッ!」
テリーマン「……!」
テリーマン「ウグォハァッ!」
テリーマン「……ぐあっ……!?」
…ドサアッ!
吉貝「テリーマン! たまらずダウ――ンッ! このまま勝負が決まってしまうのか――っ!?」
中野「しかし、おかしいですねぇ? テリーマンは、あえて技を受けたように見えましたよ?」
テリーマン「……フフフ……!」
テリーマン「中々、きくじゃないか……!」ヨロヨロッ…
ググッ…!
キン肉マン「……フッ! テリー、お前ならまだ立つと思っていたぜッ!」
テリーマン「ああ! まだまだ、勝負はここからだぜ、キン肉マンッ!」
吉貝「ああ――っと! テリーマン、立ち上がった――ッ!」
281:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 19:58:41.71 :/PuZ+lDTo
吉貝「なんというファイティング・スピリット! これぞテキサス魂だ――ッ!」
中野「キン肉マンも、凄い気迫ですねーっ! 親友同士のファイトとは思えませんよ、ええ!」
みく「……違う」
李衣菜「……うん」
中野「ななっ、何ですかチミ達は!? 私の解説に、ケチをつける気ですか!?」
吉貝「お二人とも! 一体、どういう事でしょうか!?」
みく「キン肉マンも、テリーマンも……親友同士だからこそ、にゃ!」
李衣菜「親友同士だからこそ、お互い、本気でぶつかり合えるんだよ!」
みく「相手に遠慮なんて、一切しない!」
李衣菜「自分の全力で、ぶつかっていける!」
みく・李衣菜「――本当の、全力のケンカが出来るっ!」
キン肉マン・テリーマン「……フッ!」
キン肉マン・テリーマン「――その通りッ!」
吉貝「……だ、そうですが?」
中野「いやね!? 私も、そう言おうと思ってたんですよ! あははは!」
吉貝「なんというファイティング・スピリット! これぞテキサス魂だ――ッ!」
中野「キン肉マンも、凄い気迫ですねーっ! 親友同士のファイトとは思えませんよ、ええ!」
みく「……違う」
李衣菜「……うん」
中野「ななっ、何ですかチミ達は!? 私の解説に、ケチをつける気ですか!?」
吉貝「お二人とも! 一体、どういう事でしょうか!?」
みく「キン肉マンも、テリーマンも……親友同士だからこそ、にゃ!」
李衣菜「親友同士だからこそ、お互い、本気でぶつかり合えるんだよ!」
みく「相手に遠慮なんて、一切しない!」
李衣菜「自分の全力で、ぶつかっていける!」
みく・李衣菜「――本当の、全力のケンカが出来るっ!」
キン肉マン・テリーマン「……フッ!」
キン肉マン・テリーマン「――その通りッ!」
吉貝「……だ、そうですが?」
中野「いやね!? 私も、そう言おうと思ってたんですよ! あははは!」
282:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 20:10:24.40 :/PuZ+lDTo
みく「二人共、その事を教えるために戦ってくれたんでしょ!?」
李衣菜「私達、もうわかったから! 二人が戦う必要は無いんだよ!」
キン肉マン「ん? な~にを言っとるんだ、みくちゃんも李衣菜ちゃんも」
キン肉マン「私達は、私達の事情でケンカしてるだけだもんね~!」
みく・李衣菜「!?」
みく「てっ、テリーマンなら、もう戦わなくて良いってわかるでしょ!?」
李衣菜「もうやめてくださいって! もう、十分ですよね!?」
テリーマン「ハッハハハ! ガールズ、おとなをからかっちゃいけないよ!」
テリーマン「ゴングが鳴った時から、そんな事は頭からふっとんでるさ!」
みく・李衣菜「はいっ!?」
テリーマン「そうだろう、キン肉マン! 今、試合を止めるって選択肢は無いよな!」
キン肉マン「当り前じゃい! お前の全力、まだまだ見ておらんからな!」
みく・李衣菜「……」
中野「……だ、そうですか?」
吉貝「中野さん、そういうのはやめましょう」
みく・李衣菜「もう……本当、バカ!」
キン肉マン・テリーマン「おお――ッ!」
みく「二人共、その事を教えるために戦ってくれたんでしょ!?」
李衣菜「私達、もうわかったから! 二人が戦う必要は無いんだよ!」
キン肉マン「ん? な~にを言っとるんだ、みくちゃんも李衣菜ちゃんも」
キン肉マン「私達は、私達の事情でケンカしてるだけだもんね~!」
みく・李衣菜「!?」
みく「てっ、テリーマンなら、もう戦わなくて良いってわかるでしょ!?」
李衣菜「もうやめてくださいって! もう、十分ですよね!?」
テリーマン「ハッハハハ! ガールズ、おとなをからかっちゃいけないよ!」
テリーマン「ゴングが鳴った時から、そんな事は頭からふっとんでるさ!」
みく・李衣菜「はいっ!?」
テリーマン「そうだろう、キン肉マン! 今、試合を止めるって選択肢は無いよな!」
キン肉マン「当り前じゃい! お前の全力、まだまだ見ておらんからな!」
みく・李衣菜「……」
中野「……だ、そうですか?」
吉貝「中野さん、そういうのはやめましょう」
みく・李衣菜「もう……本当、バカ!」
キン肉マン・テリーマン「おお――ッ!」
283:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 20:23:11.18 :/PuZ+lDTo
テリーマン「今度はこっちから行くぜ、キン肉マン――ッ!」
キン肉マン「おおっ! かかって来い、テリーマン――ッ!」
吉貝「少女達の制止も虚しく、試合続行――ッ!」
中野「全くもう! 小娘が、余計な口出しをするんじゃありませんよ!」
みく・李衣菜「……」
みく・李衣菜「……はぁ」
…スタスタ
吉貝「……おや? 二人は、どこへ行くのでしょうか?」
中野「あー、気にしない気にしない! ほら、実況に戻りなさい!」
吉貝「そ、そうですね!」
テリーマン「うおおおおっ!」
ダダダダダッ…ガシィッ!
キン肉マン「ううおっ!?」
…ズダーンッ!
吉貝「テリーマン、強ー烈なタックル! キン肉マン、リングに背中から叩きつけられた――ッ!」
中野「グラウンドに持ち込むつもりでしょうか?」
テリーマン「……ここから、何をするかはわかってるだろう?」
キン肉マン「ああ、わかっているさ! だからやめて! 痛いのイヤなの~っ!」
テリーマン「……」
キン肉マン「……うふっ!」
テリーマン「今度はこっちから行くぜ、キン肉マン――ッ!」
キン肉マン「おおっ! かかって来い、テリーマン――ッ!」
吉貝「少女達の制止も虚しく、試合続行――ッ!」
中野「全くもう! 小娘が、余計な口出しをするんじゃありませんよ!」
みく・李衣菜「……」
みく・李衣菜「……はぁ」
…スタスタ
吉貝「……おや? 二人は、どこへ行くのでしょうか?」
中野「あー、気にしない気にしない! ほら、実況に戻りなさい!」
吉貝「そ、そうですね!」
テリーマン「うおおおおっ!」
ダダダダダッ…ガシィッ!
キン肉マン「ううおっ!?」
…ズダーンッ!
吉貝「テリーマン、強ー烈なタックル! キン肉マン、リングに背中から叩きつけられた――ッ!」
中野「グラウンドに持ち込むつもりでしょうか?」
テリーマン「……ここから、何をするかはわかってるだろう?」
キン肉マン「ああ、わかっているさ! だからやめて! 痛いのイヤなの~っ!」
テリーマン「……」
キン肉マン「……うふっ!」
284:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 20:39:05.06 :/PuZ+lDTo
テリーマン「……はぁ、全く……お前という奴は」
ガシィッ!
キン肉マン「ああっ!? テリー、やめてって言ってるのに!」
テリーマン「フンッ!」
グルンッ!
キン肉マン「お、おお、おおおおっ!?」
吉貝「テリーマン! キン肉マンの両足を腕でフック!」
吉貝「そのまま体を返し――」
テリーマン「テキサス・クローバー・ホールドッ!!」
ガキィ! ギリギリギリギリッ!
キン肉マン「ああ~~~っ!? 痛い痛いの~~~っ!?」
吉貝「完全に極まっています! これは、脱出不可能かーっ!?」
中野「ひええ……! 見た目の派手さはありませんが、威力は超一級ですよ、あれは!」
テリーマン「そうら! どうしたキン肉マン! ギブ・アップか!?」
ギリギリギリギリッ!
キン肉マン「うぐぐぐぐっ……!? な、何を言うか、テリー……!」
キン肉マン「私の全力も、まだ見せちゃいないぜ――ッ!」
キン肉マン「火事場のクソ力――ッ!!」
テリーマン「……はぁ、全く……お前という奴は」
ガシィッ!
キン肉マン「ああっ!? テリー、やめてって言ってるのに!」
テリーマン「フンッ!」
グルンッ!
キン肉マン「お、おお、おおおおっ!?」
吉貝「テリーマン! キン肉マンの両足を腕でフック!」
吉貝「そのまま体を返し――」
テリーマン「テキサス・クローバー・ホールドッ!!」
ガキィ! ギリギリギリギリッ!
キン肉マン「ああ~~~っ!? 痛い痛いの~~~っ!?」
吉貝「完全に極まっています! これは、脱出不可能かーっ!?」
中野「ひええ……! 見た目の派手さはありませんが、威力は超一級ですよ、あれは!」
テリーマン「そうら! どうしたキン肉マン! ギブ・アップか!?」
ギリギリギリギリッ!
キン肉マン「うぐぐぐぐっ……!? な、何を言うか、テリー……!」
キン肉マン「私の全力も、まだ見せちゃいないぜ――ッ!」
キン肉マン「火事場のクソ力――ッ!!」
285:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 20:48:01.30 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
みく「ホーント! キン肉マンもテリーマンもおバカさんにゃ!」
李衣菜「みくちゃんの言う通りだよ! 心配して損した!」
みく・李衣菜「……」
みく「……うん、おバカさんだったね」
李衣菜「……心配なんて、いらなかったんだよね」
みく・李衣菜「……へへっ!」ニコッ!
みく「李衣菜ちゃん! 今日は、クールにロックにぶちかますにゃ!」
李衣菜「みくちゃん! 今日は、キュートなネコさんでいこうか!」
みく・李衣菜「えっ!?」
みく「ロック!」
李衣菜「ネコミミ!」
みく「んもーっ! 今日は、ロックな気分なの!」
李衣菜「私は、今日はネコミミで可愛くいく気分!」
みく・李衣菜「む~っ……!」
みく・李衣菜「とにかく! まずは衣装!」
コンコンッ!
みく・李衣菜「すみませ――ん!」
・ ・ ・
みく「ホーント! キン肉マンもテリーマンもおバカさんにゃ!」
李衣菜「みくちゃんの言う通りだよ! 心配して損した!」
みく・李衣菜「……」
みく「……うん、おバカさんだったね」
李衣菜「……心配なんて、いらなかったんだよね」
みく・李衣菜「……へへっ!」ニコッ!
みく「李衣菜ちゃん! 今日は、クールにロックにぶちかますにゃ!」
李衣菜「みくちゃん! 今日は、キュートなネコさんでいこうか!」
みく・李衣菜「えっ!?」
みく「ロック!」
李衣菜「ネコミミ!」
みく「んもーっ! 今日は、ロックな気分なの!」
李衣菜「私は、今日はネコミミで可愛くいく気分!」
みく・李衣菜「む~っ……!」
みく・李衣菜「とにかく! まずは衣装!」
コンコンッ!
みく・李衣菜「すみませ――ん!」
287:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 20:57:42.99 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
キン肉マン「お、おおおおっ……!」
グ……グググッ……!
テリーマン「むうっ!?」
吉貝「ああ――っと! キン肉マン、両腕の力だけで二人分の体重を持ち上げるーっ!」
キン肉マン「そうりゃっ!」
ダンッ!
吉貝「そのまま、テリーマンごと宙に跳び上がり――」
キン肉マン「おりゃあっ!」
グルンッ……ガツーンっ!
テリーマン「うおっ!?」
吉貝「鍛え上げられた腹筋の力で、上半身を曲げ、そのままヘッドバッド――ッ!」
中野「あんな脱出方法、超人レスリングならではですよ~っ!」
――スタッ!
テリーマン「……あのまま決まるとは思っちゃいなかったが……」
テリーマン「フィニッシュ・ホールドを外されると、さすがにクルものがあるな!」
――スタッ!……ドテーンッ!
キン肉マン「アイタッ!?」
キン肉マン「……だが、両足へのダメージは深刻だぜ、テリー!」
キン肉マン・テリーマン「……ハッハァ!」
・ ・ ・
キン肉マン「お、おおおおっ……!」
グ……グググッ……!
テリーマン「むうっ!?」
吉貝「ああ――っと! キン肉マン、両腕の力だけで二人分の体重を持ち上げるーっ!」
キン肉マン「そうりゃっ!」
ダンッ!
吉貝「そのまま、テリーマンごと宙に跳び上がり――」
キン肉マン「おりゃあっ!」
グルンッ……ガツーンっ!
テリーマン「うおっ!?」
吉貝「鍛え上げられた腹筋の力で、上半身を曲げ、そのままヘッドバッド――ッ!」
中野「あんな脱出方法、超人レスリングならではですよ~っ!」
――スタッ!
テリーマン「……あのまま決まるとは思っちゃいなかったが……」
テリーマン「フィニッシュ・ホールドを外されると、さすがにクルものがあるな!」
――スタッ!……ドテーンッ!
キン肉マン「アイタッ!?」
キン肉マン「……だが、両足へのダメージは深刻だぜ、テリー!」
キン肉マン・テリーマン「……ハッハァ!」
288:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 21:14:00.38 :/PuZ+lDTo
吉貝「笑っている! 笑っています! キン肉マン、テリーマン! 笑っています!」
中野「お互い、力を認めあった者同士の笑顔ですね~っ」
中野「いや~っ! この試合、見に来てよかった!」
キン肉マン「行くぜ、テリ――ッ!」
ダダダ…ダダッ!
テリーマン「来い、キン肉マンッ!」
吉貝「キン肉マン、痛めているはずの足でテリーマンへ猛ダッシュ!」
吉貝「そして、そのまま――」
キン肉マン「48の殺人技! No.3――ッ!」
ガキィ!
テリーマン「うおおっ!?」
キン肉マン「疾きこと風の如く――っ!」
ギュルンギュルンギュルンッ!
吉貝「ダブルアームの体勢のとらえて大回転――っ!」
キン肉マン「そりゃああっ!」
テリーマン「ぐああっ!?」
ズダーンッ!
吉貝「その勢いのまま、テリーマンをリングに叩きつけた――っ!」
吉貝「笑っている! 笑っています! キン肉マン、テリーマン! 笑っています!」
中野「お互い、力を認めあった者同士の笑顔ですね~っ」
中野「いや~っ! この試合、見に来てよかった!」
キン肉マン「行くぜ、テリ――ッ!」
ダダダ…ダダッ!
テリーマン「来い、キン肉マンッ!」
吉貝「キン肉マン、痛めているはずの足でテリーマンへ猛ダッシュ!」
吉貝「そして、そのまま――」
キン肉マン「48の殺人技! No.3――ッ!」
ガキィ!
テリーマン「うおおっ!?」
キン肉マン「疾きこと風の如く――っ!」
ギュルンギュルンギュルンッ!
吉貝「ダブルアームの体勢のとらえて大回転――っ!」
キン肉マン「そりゃああっ!」
テリーマン「ぐああっ!?」
ズダーンッ!
吉貝「その勢いのまま、テリーマンをリングに叩きつけた――っ!」
289:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 21:26:40.12 :/PuZ+lDTo
キン肉マン「まだまだ――ッ!」
ガキィ!
吉貝「キン肉マン、ダウンしたテリーマンの体を両足でとらえ――」
キン肉マン「静かなること林の如く!」
テリーマン「……!?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
吉貝「ドームの天井へと、ローリングクレイドルで登っていく――っ!」
キン肉マン「侵略すること火の如く――ッ!」
ドォゴォ!
テリーマン「っぐうううおっ!?」
吉貝「そしてっ! 強烈なパイルドライバーで一気に下降!」
キン肉マン「動かざること――」
グワァキィ!
キン肉マン「――山の如し!」
テリーマン「……!?」
テリーマン「グハァッ!」
吉貝「連続技の締めは、空中でのロメロ・スペシャルだ――っ!」
中野「これ、どうして最後は空中に浮くんでしょうかねぇ?」
キン肉マン「まだまだ――ッ!」
ガキィ!
吉貝「キン肉マン、ダウンしたテリーマンの体を両足でとらえ――」
キン肉マン「静かなること林の如く!」
テリーマン「……!?」
ゴゴゴゴゴゴゴ
吉貝「ドームの天井へと、ローリングクレイドルで登っていく――っ!」
キン肉マン「侵略すること火の如く――ッ!」
ドォゴォ!
テリーマン「っぐうううおっ!?」
吉貝「そしてっ! 強烈なパイルドライバーで一気に下降!」
キン肉マン「動かざること――」
グワァキィ!
キン肉マン「――山の如し!」
テリーマン「……!?」
テリーマン「グハァッ!」
吉貝「連続技の締めは、空中でのロメロ・スペシャルだ――っ!」
中野「これ、どうして最後は空中に浮くんでしょうかねぇ?」
290:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 21:37:28.10 :/PuZ+lDTo
・ ・ ・
キン肉マン「……ハァ……ハァ……!」ヨロヨロッ…
テリーマン「……ハァ……ハァ……!」ヨロヨロッ…
キン肉マン「ど、どうしたテリーよ……ふらついとるではないか……!」ヨロヨロッ…
テリーマン「それはノーだぜ……お前が揺れてるから、そう見えるだけさ……!」ヨロヨロッ…
吉貝「死闘! この二人が、ここまでの死闘を繰り広げると、誰が予想出来たでしょうか!」
吉貝「この私ですら、今、目の前で起こっているにも関わらず信じられません!」
中野「これは、次の一撃で勝負が付きそうですねぇ」
キン肉マン・テリーマン「……ハァ……ハァ……!」ヨロヨロッ
…グッ!
キン肉マン・テリーマン「おおおおりゃああっ!」
―ドゴォッ!
キン肉マン・テリーマン「うぐうっ!?」
…ドサアッ!
吉貝「だ……ダウン! ダウ――ンッ! ナックルパートの相打ちだ――っ!」
中野「これは、両者ともに立ち上がる力は残っていないでしょうねぇ」
キン肉マン・テリーマン「……ハァ……ハァ……!」
みく・李衣菜「ちょっと待った――っ!」
キン肉マン・テリーマン「っ……!?」
・ ・ ・
キン肉マン「……ハァ……ハァ……!」ヨロヨロッ…
テリーマン「……ハァ……ハァ……!」ヨロヨロッ…
キン肉マン「ど、どうしたテリーよ……ふらついとるではないか……!」ヨロヨロッ…
テリーマン「それはノーだぜ……お前が揺れてるから、そう見えるだけさ……!」ヨロヨロッ…
吉貝「死闘! この二人が、ここまでの死闘を繰り広げると、誰が予想出来たでしょうか!」
吉貝「この私ですら、今、目の前で起こっているにも関わらず信じられません!」
中野「これは、次の一撃で勝負が付きそうですねぇ」
キン肉マン・テリーマン「……ハァ……ハァ……!」ヨロヨロッ
…グッ!
キン肉マン・テリーマン「おおおおりゃああっ!」
―ドゴォッ!
キン肉マン・テリーマン「うぐうっ!?」
…ドサアッ!
吉貝「だ……ダウン! ダウ――ンッ! ナックルパートの相打ちだ――っ!」
中野「これは、両者ともに立ち上がる力は残っていないでしょうねぇ」
キン肉マン・テリーマン「……ハァ……ハァ……!」
みく・李衣菜「ちょっと待った――っ!」
キン肉マン・テリーマン「っ……!?」
291:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 21:49:19.06 :/PuZ+lDTo
キン肉マン「ふ……二人共……」
テリーマン「その……格好は……?」
みく「その格好は? じゃないにゃ! 二人共、男でしょー!?」
李衣菜「まさか、二人共このまま倒れて終わるつもり!?」
キン肉マン「……だとさ、テリー」
テリーマン「……ああ、キン肉マン」
キン肉マン・テリーマン「――うおおおおおっ!!」
グ……グググッ……!
吉貝「ああ――っと!? 満身創痍の二人が、立ち上がっていきます!」
中野「信じられません! そんな力は、残っていなかったはずですよ!?」
キン肉マン「へ……へへ……! 私も、そう思ってたさ……!」
テリーマン「ああ……! だが、あんな事を言われちゃあな……!」
…グアッ!
キン肉マン・テリーマン「――だがっ!」
ガシィッ!
キン肉マン・テリーマン「この続きは――お互い、万全の状態で!」
カンカンカンカ――ンッ!
吉貝「ここでゴング!? 一体誰が――」
みく・李衣菜「……」
中野「……なんだか、今回の私は良い所を取られっぱなしな気がしますです、はい」
キン肉マン「ふ……二人共……」
テリーマン「その……格好は……?」
みく「その格好は? じゃないにゃ! 二人共、男でしょー!?」
李衣菜「まさか、二人共このまま倒れて終わるつもり!?」
キン肉マン「……だとさ、テリー」
テリーマン「……ああ、キン肉マン」
キン肉マン・テリーマン「――うおおおおおっ!!」
グ……グググッ……!
吉貝「ああ――っと!? 満身創痍の二人が、立ち上がっていきます!」
中野「信じられません! そんな力は、残っていなかったはずですよ!?」
キン肉マン「へ……へへ……! 私も、そう思ってたさ……!」
テリーマン「ああ……! だが、あんな事を言われちゃあな……!」
…グアッ!
キン肉マン・テリーマン「――だがっ!」
ガシィッ!
キン肉マン・テリーマン「この続きは――お互い、万全の状態で!」
カンカンカンカ――ンッ!
吉貝「ここでゴング!? 一体誰が――」
みく・李衣菜「……」
中野「……なんだか、今回の私は良い所を取られっぱなしな気がしますです、はい」
292:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 22:00:18.21 :/PuZ+lDTo
キン肉マン「テリーよ……お前さん、足を痛めてただろう?」
テリーマン「フッ……やはり、わかっていたか」
キン肉マン「ああ。でなければ、テキサス・コンドルキックの上昇は捉えられなかった」
テリーマン「それを言うならキン肉マン……お前も、旅の疲れが抜けてないだろう」
キン肉マン「急いで地球に来たものだからのう、しょうがないわい」
テリーマン「お互い万全なら、こうやって立って話をするのもままならなかったさ」
キン肉マン・テリーマン「……」
キン肉マン・テリーマン「ハッハッハッハ!」
みく「ほんっ……っと! 二人共おバカさんにゃ!」
李衣菜「心配して損しちゃいましたよ! 全く、もう!」
キン肉マン「……なあに、バカでなければ、全力のケンカは出来んものだ」
テリーマン「相手の心配をするのは結構だが、気の遣い過ぎは良くないぜ」
キン肉マン「お互い、全力でぶつかるからこそ、見えるものがある!」
テリーマン「相手の事ばっかり気にしてちゃ、自分も全力なんか出せっこないぜ、ガールズ!」
みく・李衣菜「ニャ――――ッ!!!」
キン肉マン・テリーマン「おおうっ!?」
キン肉マン「テリーよ……お前さん、足を痛めてただろう?」
テリーマン「フッ……やはり、わかっていたか」
キン肉マン「ああ。でなければ、テキサス・コンドルキックの上昇は捉えられなかった」
テリーマン「それを言うならキン肉マン……お前も、旅の疲れが抜けてないだろう」
キン肉マン「急いで地球に来たものだからのう、しょうがないわい」
テリーマン「お互い万全なら、こうやって立って話をするのもままならなかったさ」
キン肉マン・テリーマン「……」
キン肉マン・テリーマン「ハッハッハッハ!」
みく「ほんっ……っと! 二人共おバカさんにゃ!」
李衣菜「心配して損しちゃいましたよ! 全く、もう!」
キン肉マン「……なあに、バカでなければ、全力のケンカは出来んものだ」
テリーマン「相手の心配をするのは結構だが、気の遣い過ぎは良くないぜ」
キン肉マン「お互い、全力でぶつかるからこそ、見えるものがある!」
テリーマン「相手の事ばっかり気にしてちゃ、自分も全力なんか出せっこないぜ、ガールズ!」
みく・李衣菜「ニャ――――ッ!!!」
キン肉マン・テリーマン「おおうっ!?」
293:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/31(木) 22:13:23.12 :/PuZ+lDTo
みく「二人に言われなくても、もうわかってるにゃ!」
李衣菜「もうっ! この格好を見て、わからないんですか!?」
キン肉マン「テリーはわかる? 私、じぇんじぇんわかんな~い!」
テリーマン「ミーにもサッパリだ! 格好だけなら、何とでも言える!」
みく・李衣菜「むむむむむっ……!」
みく・李衣菜「――マイクッ!」
吉貝・中野「は、はいっ!」
みく「わからないなら、耳かっぽじってよ~く聞くにゃ!」
李衣菜「そっちが超人でも、こっちはアイドルですから!」
みく「そっちがファイトで証明するなら!」
李衣菜「こっちはLIVEで証明するよ!」
テリーマン「――なら、聞かせてもらおうかっ!」
パチィンッ!
ゴゴゴゴゴゴッ…!
みく「! ドームの天井が開いて……!」
李衣菜「でも、雨はやんでるけど……まだ、曇ってるね」
キン肉マン「――だったら、こいつはサービスだぜ!」
キン肉マン「フェイス・フラッシュ!」
ピカアアアア……パアッ!
みく・李衣菜「……!」
キン肉マン・テリーマン「――さあ、聞かせてくれ、お二人さん!」
キン肉マン・テリーマン「……そして、何と呼べば良いのかな?」ニヤリ
みく・李衣菜「……勿論!」
みく・李衣菜「――アスタリスクで!」
おわり
みく「二人に言われなくても、もうわかってるにゃ!」
李衣菜「もうっ! この格好を見て、わからないんですか!?」
キン肉マン「テリーはわかる? 私、じぇんじぇんわかんな~い!」
テリーマン「ミーにもサッパリだ! 格好だけなら、何とでも言える!」
みく・李衣菜「むむむむむっ……!」
みく・李衣菜「――マイクッ!」
吉貝・中野「は、はいっ!」
みく「わからないなら、耳かっぽじってよ~く聞くにゃ!」
李衣菜「そっちが超人でも、こっちはアイドルですから!」
みく「そっちがファイトで証明するなら!」
李衣菜「こっちはLIVEで証明するよ!」
テリーマン「――なら、聞かせてもらおうかっ!」
パチィンッ!
ゴゴゴゴゴゴッ…!
みく「! ドームの天井が開いて……!」
李衣菜「でも、雨はやんでるけど……まだ、曇ってるね」
キン肉マン「――だったら、こいつはサービスだぜ!」
キン肉マン「フェイス・フラッシュ!」
ピカアアアア……パアッ!
みく・李衣菜「……!」
キン肉マン・テリーマン「――さあ、聞かせてくれ、お二人さん!」
キン肉マン・テリーマン「……そして、何と呼べば良いのかな?」ニヤリ
みく・李衣菜「……勿論!」
みく・李衣菜「――アスタリスクで!」
おわり
305:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/06/01(金) 20:53:44.47 :A7KOgODJo
「少し、歩きにくいかも」
率直な感想をプロデューサーに言う。
それを聞いたプロデューサーは、右手を首筋にやって、少し困った顔をした。
多分それは、今の私の表情が、あまり良いものではないから。
だけど、しょうがないでしょ? 本当の事だし。
「セットの中の移動に、支障が出そうですか?」
だけど、仕事は仕事。
慣れていない格好だからって、あまり文句は言えない。
それに、これはシンデレラプロジェクトのイメージに関わる、大事な仕事だから。
だから、そんなに心配そうにしなくても、大丈夫だから。
「その程度なら……うん、大丈夫」
控室の中を軽く歩いて見せる――魅せる。
私が一歩踏み出すたびに、純白のドレスの裾が揺れる。
髪もメイクも、スタイリストさんがバッチリ決めてくれている。
何より、極めつけは――
「お話の中みたいに、踊るわけじゃないから」
――ガラスの靴。
透明で、キラキラしてて……まあ、本物のガラス製じゃないんだけどね。
LIVEの時に履く靴と違って、ヒールが高い。
私物の靴にもこんなのは無い……というか、
ここまでヒールの高い靴を履く女子高生って居ないでしょ。
「どう、かな?」
ドレスの裾を持ち上げて、プロデューサーに感想を聞く。
裾は膝下まであるから、その必要はないんだけど……まあ、なんとなく。
「……はい」
プロデューサーの視線が、私の足元に向く。
何について尋ねたのか、ちゃんと言わずにいたのに、わかって貰えた。
それが、なんとなく照れ臭くて……だけど、それを悟られたくなくて。
クールだと言われる、いつもの私の表情を無理矢理作る。
「とても、良くお似合いです」
作って、
「……うん、ありがと」
すぐ、壊された。
「少し、歩きにくいかも」
率直な感想をプロデューサーに言う。
それを聞いたプロデューサーは、右手を首筋にやって、少し困った顔をした。
多分それは、今の私の表情が、あまり良いものではないから。
だけど、しょうがないでしょ? 本当の事だし。
「セットの中の移動に、支障が出そうですか?」
だけど、仕事は仕事。
慣れていない格好だからって、あまり文句は言えない。
それに、これはシンデレラプロジェクトのイメージに関わる、大事な仕事だから。
だから、そんなに心配そうにしなくても、大丈夫だから。
「その程度なら……うん、大丈夫」
控室の中を軽く歩いて見せる――魅せる。
私が一歩踏み出すたびに、純白のドレスの裾が揺れる。
髪もメイクも、スタイリストさんがバッチリ決めてくれている。
何より、極めつけは――
「お話の中みたいに、踊るわけじゃないから」
――ガラスの靴。
透明で、キラキラしてて……まあ、本物のガラス製じゃないんだけどね。
LIVEの時に履く靴と違って、ヒールが高い。
私物の靴にもこんなのは無い……というか、
ここまでヒールの高い靴を履く女子高生って居ないでしょ。
「どう、かな?」
ドレスの裾を持ち上げて、プロデューサーに感想を聞く。
裾は膝下まであるから、その必要はないんだけど……まあ、なんとなく。
「……はい」
プロデューサーの視線が、私の足元に向く。
何について尋ねたのか、ちゃんと言わずにいたのに、わかって貰えた。
それが、なんとなく照れ臭くて……だけど、それを悟られたくなくて。
クールだと言われる、いつもの私の表情を無理矢理作る。
「とても、良くお似合いです」
作って、
「……うん、ありがと」
すぐ、壊された。
306:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/06/01(金) 21:23:40.41 :A7KOgODJo
「良い、笑顔です」
何度も聞いた……聞き慣れた、プロデューサーのいつもの言葉。
スルリと耳を通り抜け、私の中にストンと落ちる、大切な言葉。
またそれ? と、苦笑を返すけれど、それでも、また言ってくれるよね。
じゃないと、こういう他愛の無い反応が出来なくなっちゃう。
「ねえ、他には?」
だけど、今日は少しだけ欲張ってみる。
プロデューサーが、どんな言葉を続けてくるか、わからない。
わからないから、少し、聞いてみたくなった。
だって、今日の私は――お姫様だから。
「他に、ですか?」
……まあ、お姫様なんて、ガラじゃないんだけどさ。
でも、私は、此処に居る。
純白のドレスを纏って、ガラスの靴を履いて。
物語の中から抜け出してきた、お姫様であるために。
お姫様……シンデレラとして。
「うん。何か、無いの?」
私はこれから、シンデレラプロジェクトの、イメージガールとして撮影に臨む。
勿論、最初にこの話をされた時は断ったよ。
だって、私よりも、プロジェクトの代表として相応しい子が居ると思ったから。
だけど、メンバー全員が、私がやるべきだと言ってくれた。
……まあ、皆、それぞれに言いたいことを言ってくれたけどね。
その一人一人の、一つ一つの言葉が、私に力をくれてる。
でも、まだ、ほんの少しだけ足りない。
「……」
プロデューサーは、右手を下ろし、気をつけの姿勢を取った。
高い身長、低い声、怖い顔……とても誠実で、不器用で、いつも見ててくれる人。
私をアイドルの世界に引き入れ、毎日を輝かせてくれた人。
そんな、プロデューサーの一言があるだけで、私は、
「私は、貴女のような素晴らしいアイドル――シンデレラの担当をする事が出来て」
とても、嬉しく思います。
「……ふーん。まあ、悪くないかな」
物語の中みたいに、ロマンチックな言葉は期待してなかったから、ね。
「良い、笑顔です」
何度も聞いた……聞き慣れた、プロデューサーのいつもの言葉。
スルリと耳を通り抜け、私の中にストンと落ちる、大切な言葉。
またそれ? と、苦笑を返すけれど、それでも、また言ってくれるよね。
じゃないと、こういう他愛の無い反応が出来なくなっちゃう。
「ねえ、他には?」
だけど、今日は少しだけ欲張ってみる。
プロデューサーが、どんな言葉を続けてくるか、わからない。
わからないから、少し、聞いてみたくなった。
だって、今日の私は――お姫様だから。
「他に、ですか?」
……まあ、お姫様なんて、ガラじゃないんだけどさ。
でも、私は、此処に居る。
純白のドレスを纏って、ガラスの靴を履いて。
物語の中から抜け出してきた、お姫様であるために。
お姫様……シンデレラとして。
「うん。何か、無いの?」
私はこれから、シンデレラプロジェクトの、イメージガールとして撮影に臨む。
勿論、最初にこの話をされた時は断ったよ。
だって、私よりも、プロジェクトの代表として相応しい子が居ると思ったから。
だけど、メンバー全員が、私がやるべきだと言ってくれた。
……まあ、皆、それぞれに言いたいことを言ってくれたけどね。
その一人一人の、一つ一つの言葉が、私に力をくれてる。
でも、まだ、ほんの少しだけ足りない。
「……」
プロデューサーは、右手を下ろし、気をつけの姿勢を取った。
高い身長、低い声、怖い顔……とても誠実で、不器用で、いつも見ててくれる人。
私をアイドルの世界に引き入れ、毎日を輝かせてくれた人。
そんな、プロデューサーの一言があるだけで、私は、
「私は、貴女のような素晴らしいアイドル――シンデレラの担当をする事が出来て」
とても、嬉しく思います。
「……ふーん。まあ、悪くないかな」
物語の中みたいに、ロマンチックな言葉は期待してなかったから、ね。
307:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/06/01(金) 22:02:39.84 :A7KOgODJo
・ ・ ・
「お疲れ様でした」
撮影が終わり、プロデューサーに声をかけられた。
お疲れ様とは言われたけれど、撮影時間は、とても短かった。
本当だったら、もっと、何回も撮り直したりする予定だったみたいだけどね。
だけど、気難しいと評判のカメラマンの人が、アッサリとオーケーを出した。
――まるで、魔法がかかったみたい。
他のスタッフさん達は、口々にそう言っていた。
カメラマンさんも、
――素晴らしい。
って、言ってたから、まあ、出来上がりは期待出来そうだけど。
「とても、良い写真が出来上がると思います」
プロデューサーも、こう言ってるし。
言ってるだけじゃなく……少しだけ、口の端が上がってるのが、わかる。
笑顔が苦手なこの人が稀にする、とても優しい笑顔。
それを向けられるだけの仕事は出来た事は、私としても誇らしい。
「すぐ終わったけど、本当に良かったの?」
一応、確認のために聞いてみる。
もう少し撮っても良いかなと思うのは、私だけ?
こんなに綺麗な格好、する機会もそうそう無いだろうし。
「はい、問題ありません」
と、言われるとは思ったけど、やっぱり、少し残念。
女の子は誰だって、小さい頃はお姫様に憧れるものだ。
まさか、自分がこういう格好をするようになるとは思ってなかったから……多分、余計に。
でも、もう撮影は終わりだって言うんだから、仕方ないよね。
「……渋谷さん?」
プロデューサーは、私が返事をしないのを不思議に思っているようだ。
あまり表情が変わるわけじゃないけど、キョトン、という空気が伝わってくる。
でも、いつまでもこうしてはいられない。
撮影という名の舞踏会は終わり、シンデレラの魔法はとけなきゃいけない。
「ううん、何でもない」
だけど、私は、アイドルで居続けるし、これからも輝いていこうと思う。
今日は、とても大事だけど、あくまでも仕事の一つなんだから。
変に気持ちを残してちゃ、次の仕事、次のステージで全力を出せない。
「……」
しっかり、切り替えていかなきゃ。
・ ・ ・
「お疲れ様でした」
撮影が終わり、プロデューサーに声をかけられた。
お疲れ様とは言われたけれど、撮影時間は、とても短かった。
本当だったら、もっと、何回も撮り直したりする予定だったみたいだけどね。
だけど、気難しいと評判のカメラマンの人が、アッサリとオーケーを出した。
――まるで、魔法がかかったみたい。
他のスタッフさん達は、口々にそう言っていた。
カメラマンさんも、
――素晴らしい。
って、言ってたから、まあ、出来上がりは期待出来そうだけど。
「とても、良い写真が出来上がると思います」
プロデューサーも、こう言ってるし。
言ってるだけじゃなく……少しだけ、口の端が上がってるのが、わかる。
笑顔が苦手なこの人が稀にする、とても優しい笑顔。
それを向けられるだけの仕事は出来た事は、私としても誇らしい。
「すぐ終わったけど、本当に良かったの?」
一応、確認のために聞いてみる。
もう少し撮っても良いかなと思うのは、私だけ?
こんなに綺麗な格好、する機会もそうそう無いだろうし。
「はい、問題ありません」
と、言われるとは思ったけど、やっぱり、少し残念。
女の子は誰だって、小さい頃はお姫様に憧れるものだ。
まさか、自分がこういう格好をするようになるとは思ってなかったから……多分、余計に。
でも、もう撮影は終わりだって言うんだから、仕方ないよね。
「……渋谷さん?」
プロデューサーは、私が返事をしないのを不思議に思っているようだ。
あまり表情が変わるわけじゃないけど、キョトン、という空気が伝わってくる。
でも、いつまでもこうしてはいられない。
撮影という名の舞踏会は終わり、シンデレラの魔法はとけなきゃいけない。
「ううん、何でもない」
だけど、私は、アイドルで居続けるし、これからも輝いていこうと思う。
今日は、とても大事だけど、あくまでも仕事の一つなんだから。
変に気持ちを残してちゃ、次の仕事、次のステージで全力を出せない。
「……」
しっかり、切り替えていかなきゃ。
310:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/06/01(金) 22:30:09.75 :A7KOgODJo
・ ・ ・
「……」
控室へ戻る道を無言で歩く。
前を歩く、プロデューサーの広い背中を追いながら。
いつもより高いヒールだからか、自然と、視線が上の方へ向く。
あ、寝癖。
「――渋谷さん」
突然、プロデューサーが立ち止まった。
「っ!?」
その挙動が、あまりにも唐突で、ぶつかりそうになる。
どうやら、色々な事に気を取られ、かなり距離を詰めて歩いてたみたい。
咄嗟に両手を前に出して、顔がプロデューサーの背中にぶつからないようにする。
黒い背広にメイクがついたら、困っちゃうだろうから。
「す、すみません! お怪我は!?」
肩越しに、見下ろされる。
私も身長は高い方で、高いヒールを履いてるけど、プロデューサーの背はもっと高い。
上着越しに手に感じる、プロデューサーの背中の感触が、それを明確にする。
それが……その身長差が、まるで、そのまま私達の距離の様に感じて、急いで離れた。
「……ううん、平気」
どれだけ綺麗な格好をしても。
どれだけ高いヒールを履いても。
私は子供で、この人は大人。
アイドルと、プロデューサー。
「急に立ち止まって、どうしたの?」
体をこちらに向け、まだ心配そうにしているプロデューサーに、聞く。
すると、プロデューサーは右手を首筋にやって、バツが悪そうに、
「その……私も、一枚だけ撮影したいと、そう、思いまして」
そう、言った。
プロデューサーは、私から視線を外し、ある場所に視線を送る。
そこの何が、プロデューサーの琴線に触れたのか、わからない。
白い手すりの、何の変哲もない、非常階段。
この、素敵な格好に相応しい場所とは、普通は思えない。
「――うん、わかった」
……はずなのに、私の口からは自然と言葉が出ていた。
ガラスの靴を履いた足取りは、今日一番の軽さを見せた。
・ ・ ・
「……」
控室へ戻る道を無言で歩く。
前を歩く、プロデューサーの広い背中を追いながら。
いつもより高いヒールだからか、自然と、視線が上の方へ向く。
あ、寝癖。
「――渋谷さん」
突然、プロデューサーが立ち止まった。
「っ!?」
その挙動が、あまりにも唐突で、ぶつかりそうになる。
どうやら、色々な事に気を取られ、かなり距離を詰めて歩いてたみたい。
咄嗟に両手を前に出して、顔がプロデューサーの背中にぶつからないようにする。
黒い背広にメイクがついたら、困っちゃうだろうから。
「す、すみません! お怪我は!?」
肩越しに、見下ろされる。
私も身長は高い方で、高いヒールを履いてるけど、プロデューサーの背はもっと高い。
上着越しに手に感じる、プロデューサーの背中の感触が、それを明確にする。
それが……その身長差が、まるで、そのまま私達の距離の様に感じて、急いで離れた。
「……ううん、平気」
どれだけ綺麗な格好をしても。
どれだけ高いヒールを履いても。
私は子供で、この人は大人。
アイドルと、プロデューサー。
「急に立ち止まって、どうしたの?」
体をこちらに向け、まだ心配そうにしているプロデューサーに、聞く。
すると、プロデューサーは右手を首筋にやって、バツが悪そうに、
「その……私も、一枚だけ撮影したいと、そう、思いまして」
そう、言った。
プロデューサーは、私から視線を外し、ある場所に視線を送る。
そこの何が、プロデューサーの琴線に触れたのか、わからない。
白い手すりの、何の変哲もない、非常階段。
この、素敵な格好に相応しい場所とは、普通は思えない。
「――うん、わかった」
……はずなのに、私の口からは自然と言葉が出ていた。
ガラスの靴を履いた足取りは、今日一番の軽さを見せた。
311:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/06/01(金) 23:02:47.88 :A7KOgODJo
「どんなのが撮りたいの?」
カツカツと、ガラスの靴が音を立てる。
階段へ向かって、ステップを踏むように足が進む。軽い。
ようやく、この靴にも慣れてきたってことかな。
本当の事を言うと、撮影中も違和感があったし、ね。
「いえ、特に……決めてはいませんが」
決めてないのに、此処で撮ろうと思ったの?
なんだ、てっきり良い構図でも考えついたのかと思ってた。
そうじゃなかったら、もっと、他に場所があるんじゃないの。
こんな、ちょっと変わった場所じゃなくってさ。
「ふーん、そうなんだ」
だけど、多分、この白い手すりがポイントだよね。
「どうする?」
体の右側にある手すりに、左手をかける。
そして、一段上に左足を乗せ、そこを軸に、クルリと回る。
白いドレスのスカートがフワリと揺れる。
綺麗にセットされた髪が流れ、少し乱れる。
物語の中のお姫様みたいに、上品じゃないけれど。
渋谷凛として――私らしく、振り返る。
「プロデューサー」
多分……ううん、きっと、私は今、笑ってる。
シンデレラプロジェクトのメンバーじゃない。
ただ一人の、アイドルとして。
「……」
あっ……視線、同じくらいだ。
「……渋谷さん。今すぐ、スタジオに戻りましょう」
プロデューサーの、いつになく真剣な表情。
どうしてそうなるの? と、問返せるような空気じゃない。
……まあ、良いか。
後でまた、写真撮るチャンスはいくらでもあるもんね。
アンタ、私のプロデューサーだから。
「うん」
差し出された大きな手を取り、小さく返事をした。
おわり
「どんなのが撮りたいの?」
カツカツと、ガラスの靴が音を立てる。
階段へ向かって、ステップを踏むように足が進む。軽い。
ようやく、この靴にも慣れてきたってことかな。
本当の事を言うと、撮影中も違和感があったし、ね。
「いえ、特に……決めてはいませんが」
決めてないのに、此処で撮ろうと思ったの?
なんだ、てっきり良い構図でも考えついたのかと思ってた。
そうじゃなかったら、もっと、他に場所があるんじゃないの。
こんな、ちょっと変わった場所じゃなくってさ。
「ふーん、そうなんだ」
だけど、多分、この白い手すりがポイントだよね。
「どうする?」
体の右側にある手すりに、左手をかける。
そして、一段上に左足を乗せ、そこを軸に、クルリと回る。
白いドレスのスカートがフワリと揺れる。
綺麗にセットされた髪が流れ、少し乱れる。
物語の中のお姫様みたいに、上品じゃないけれど。
渋谷凛として――私らしく、振り返る。
「プロデューサー」
多分……ううん、きっと、私は今、笑ってる。
シンデレラプロジェクトのメンバーじゃない。
ただ一人の、アイドルとして。
「……」
あっ……視線、同じくらいだ。
「……渋谷さん。今すぐ、スタジオに戻りましょう」
プロデューサーの、いつになく真剣な表情。
どうしてそうなるの? と、問返せるような空気じゃない。
……まあ、良いか。
後でまた、写真撮るチャンスはいくらでもあるもんね。
アンタ、私のプロデューサーだから。
「うん」
差し出された大きな手を取り、小さく返事をした。
おわり
312:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/06/02(土) 00:14:58.82 :MeigRd+KO
しぶりんでキレイに終わると、そこはかと無い不安に苛まれる
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