648:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 20:26:25.07 :LsO6a7uXo
部長「おっ! 珍しいねぇ!」
武内P「いえ……たまにはと、思いまして」
部長「そうかそうか! それじゃあ、行こうか!」
武内P「はい」
部長「いやー! 喫煙室の設置を勝ち取った甲斐があった!」
ガチャッ…バタンッ
未央「喫」
卯月「煙」
凛「室……?」
部長「おっ! 珍しいねぇ!」
武内P「いえ……たまにはと、思いまして」
部長「そうかそうか! それじゃあ、行こうか!」
武内P「はい」
部長「いやー! 喫煙室の設置を勝ち取った甲斐があった!」
ガチャッ…バタンッ
未央「喫」
卯月「煙」
凛「室……?」
【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」
【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww
【東方】ルックス100点の文ちゃん
【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?
韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
649:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 20:29:42.24 :LsO6a7uXo
未央「えっ、ちょっと待って?」
卯月「プロデューサーさんって……タバコ、吸うんでしょうか?」
凛「喫煙室って言ってたし……そうなんじゃないの?」
未央「いやいや、でもさ? そんな素振り無かったじゃん?」
卯月「はい、吸ってる所なんて、見た事ありません」
凛「うん。それに、匂いも良い匂いだし」
未央・卯月「……」
凛「何?」
未央「あ、いや……」
卯月「……な、何でもありませんよ! 何でも!」
凛「?」
未央「えっ、ちょっと待って?」
卯月「プロデューサーさんって……タバコ、吸うんでしょうか?」
凛「喫煙室って言ってたし……そうなんじゃないの?」
未央「いやいや、でもさ? そんな素振り無かったじゃん?」
卯月「はい、吸ってる所なんて、見た事ありません」
凛「うん。それに、匂いも良い匂いだし」
未央・卯月「……」
凛「何?」
未央「あ、いや……」
卯月「……な、何でもありませんよ! 何でも!」
凛「?」
650:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 20:33:08.57 :LsO6a7uXo
未央「ううむ、これは……どうしたものか」
卯月「えっ? 何か、するつもりなんですか?」
凛「卯月は、プロデューサーがタバコ吸ってても良いの?」
卯月「わ、私ですか? え、ええと……」
未央・凛「……」
卯月「マナーを守ってれば……その、良いんじゃないでしょうか?」
未央「あー、やっぱり、しまむーならそう言うよねぇ」
凛「うん。卯月なら、言うと思った」
未央「ううむ、これは……どうしたものか」
卯月「えっ? 何か、するつもりなんですか?」
凛「卯月は、プロデューサーがタバコ吸ってても良いの?」
卯月「わ、私ですか? え、ええと……」
未央・凛「……」
卯月「マナーを守ってれば……その、良いんじゃないでしょうか?」
未央「あー、やっぱり、しまむーならそう言うよねぇ」
凛「うん。卯月なら、言うと思った」
651:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 20:38:18.11 :LsO6a7uXo
未央「ちなみに、私は別にオッケー派だよん!」
卯月「そうなんですか? 未央ちゃん、嫌だって言うと思ってました」
凛「そうだね、ちょっと意外かも」
未央「ほら、私って兄弟が居るでしょ?」
未央「だから、読む漫画もタバコ吸うシーンとか出てくるから、案外ね」
卯月・凛「……」
未央「でさ、プロデューサーが吸ってる姿を想像したら……ちょっと格好良くない?」
卯月「それは、その……なんとなく、わかります」
凛「……まあ、悪くないかな」
未央「ちなみに、私は別にオッケー派だよん!」
卯月「そうなんですか? 未央ちゃん、嫌だって言うと思ってました」
凛「そうだね、ちょっと意外かも」
未央「ほら、私って兄弟が居るでしょ?」
未央「だから、読む漫画もタバコ吸うシーンとか出てくるから、案外ね」
卯月・凛「……」
未央「でさ、プロデューサーが吸ってる姿を想像したら……ちょっと格好良くない?」
卯月「それは、その……なんとなく、わかります」
凛「……まあ、悪くないかな」
652:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 20:42:12.56 :LsO6a7uXo
凛「だけど、私は反対」
未央「まあ、しぶりんならそう言うと思ったよ」
凛「だってさ、ちゃんと見ててくれるって約束したんだよ?」
卯月「えっと……それと、タバコと何の関係が?」
凛「そんなの、決まってるでしょ」
未央・卯月「?」
凛「タバコなんて吸ってたら、長生き出来ないでしょ」
未央「……そういう理由か~」
卯月「今のは……ちょっと、予想外でした」
凛「だけど、私は反対」
未央「まあ、しぶりんならそう言うと思ったよ」
凛「だってさ、ちゃんと見ててくれるって約束したんだよ?」
卯月「えっと……それと、タバコと何の関係が?」
凛「そんなの、決まってるでしょ」
未央・卯月「?」
凛「タバコなんて吸ってたら、長生き出来ないでしょ」
未央「……そういう理由か~」
卯月「今のは……ちょっと、予想外でした」
653:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 20:46:31.21 :LsO6a7uXo
未央「でもさ、一本吸ったらズルズルと……って聞くよね」
卯月「ぷっ、プロデューサーさんなら、大丈夫ですよ!」
未央「いやー、わかんないよ~?」
凛「……」
凛「ちょっと、出てくる」
未央「しぶりん、プロデューサーを頼んだよ!」
卯月「凛ちゃん、頑張ってください!」
凛「……」
凛「そんなんじゃないから!」
未央「でもさ、一本吸ったらズルズルと……って聞くよね」
卯月「ぷっ、プロデューサーさんなら、大丈夫ですよ!」
未央「いやー、わかんないよ~?」
凛「……」
凛「ちょっと、出てくる」
未央「しぶりん、プロデューサーを頼んだよ!」
卯月「凛ちゃん、頑張ってください!」
凛「……」
凛「そんなんじゃないから!」
654:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 20:50:29.94 :LsO6a7uXo
・ ・ ・
部長「やっぱり、一服しないと……どうにもねぇ」
武内P「……」
部長「……」
カチッカチッ! シュボッ…
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「ああああああ来た来たこれだよこれええええええ」ガクガクガクガク!
凛「何なのそれ!?」
・ ・ ・
部長「やっぱり、一服しないと……どうにもねぇ」
武内P「……」
部長「……」
カチッカチッ! シュボッ…
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「ああああああ来た来たこれだよこれええええええ」ガクガクガクガク!
凛「何なのそれ!?」
656:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 20:53:52.37 :LsO6a7uXo
武内P「っ!? 渋谷さん!? どうして喫煙室に!?」
凛「どうしてじゃないでしょ! 何なの、あれ!?」
武内P「あれ……とは?」
凛「あれ!」
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「んんんんんんやっぱり一服は必要だねえええええええ」ガクガクガクガク!
武内P「…………」
武内P「タバコです」
凛「そんなわけないでしょ!?」
武内P「っ!? 渋谷さん!? どうして喫煙室に!?」
凛「どうしてじゃないでしょ! 何なの、あれ!?」
武内P「あれ……とは?」
凛「あれ!」
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「んんんんんんやっぱり一服は必要だねえええええええ」ガクガクガクガク!
武内P「…………」
武内P「タバコです」
凛「そんなわけないでしょ!?」
657:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 20:56:45.34 :LsO6a7uXo
凛「納得できない! ちゃんと説明して!」
武内P「いえ、それは……!」
凛「何か、変な薬か何かじゃないの!?」
部長「はっはっは、何を言っとるんだね!」ニコニコ!
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「ただのタバコだよおおおおおおただのおおおおおお」ガクガクガクガク!
武内P「……部長の、言う通りです」
凛「ふざけないでよ!」
凛「納得できない! ちゃんと説明して!」
武内P「いえ、それは……!」
凛「何か、変な薬か何かじゃないの!?」
部長「はっはっは、何を言っとるんだね!」ニコニコ!
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「ただのタバコだよおおおおおおただのおおおおおお」ガクガクガクガク!
武内P「……部長の、言う通りです」
凛「ふざけないでよ!」
659:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:01:23.14 :LsO6a7uXo
凛「有り得ない! ただのタバコで、あんなになるなんて!」
武内P「……」
凛「ねえ! アンタ、あんなの吸おうとしてたの!?」
武内P「……」
部長「ああ、そう大声を出さないで貰えるかな?」ニコニコ!
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「一服くらいいいいい静かにしたいいいいいい」ガクガクガクガク!
武内P「……との事ですので」
凛「……!?」
凛「有り得ない! ただのタバコで、あんなになるなんて!」
武内P「……」
凛「ねえ! アンタ、あんなの吸おうとしてたの!?」
武内P「……」
部長「ああ、そう大声を出さないで貰えるかな?」ニコニコ!
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「一服くらいいいいい静かにしたいいいいいい」ガクガクガクガク!
武内P「……との事ですので」
凛「……!?」
660:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:04:39.64 :LsO6a7uXo
武内P「あの……渋谷さん」
凛「何」
武内P「貴女は、未成年です」
凛「だから?」
武内P「喫煙室から、今すぐ出てください」
部長「そうだよおおおおお彼の言う通りだあああああ」ガクガクガクガク!
凛「……!」
グイグイッ!
武内P「あ、あの……渋谷さん?」
凛「……!」
グイグイッ!
武内P「そ、袖を引っ張ら……渋谷さん!?」
武内P「あの……渋谷さん」
凛「何」
武内P「貴女は、未成年です」
凛「だから?」
武内P「喫煙室から、今すぐ出てください」
部長「そうだよおおおおお彼の言う通りだあああああ」ガクガクガクガク!
凛「……!」
グイグイッ!
武内P「あ、あの……渋谷さん?」
凛「……!」
グイグイッ!
武内P「そ、袖を引っ張ら……渋谷さん!?」
661:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:07:52.71 :LsO6a7uXo
凛「言われた通り、喫煙室から出る」
グイグイッ!
武内P「あ、いえ、私は……」
凛「アンタ、本当にアレを吸う気なの!?」
グイグイッ!
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「んんんんんんふっふっふうううううう」ガクガクガクガク!
武内P「はあ……一本だけ、ですが」
凛「有り得ない! そんなの、認めないから!」
凛「言われた通り、喫煙室から出る」
グイグイッ!
武内P「あ、いえ、私は……」
凛「アンタ、本当にアレを吸う気なの!?」
グイグイッ!
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「んんんんんんふっふっふうううううう」ガクガクガクガク!
武内P「はあ……一本だけ、ですが」
凛「有り得ない! そんなの、認めないから!」
662:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:10:52.55 :/ttP/io90
一本すったらずるずる行くやつですね完全に・・・
664:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:13:00.47 :LsO6a7uXo
部長「……渋谷凛くん」ニコニコ!
凛「……何……ですか」キッ!
部長「おおう、これは嫌われてしまったかな?」ニコニコ!
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「喫煙はああああああ個人の自由だよおおおおおお」ガクガクガクガク!
凛「プロデューサー! 絶対、吸っちゃ駄目だから!」
武内P「……」
凛「どうして困った顔してるの!? 何なの!?」
部長「……渋谷凛くん」ニコニコ!
凛「……何……ですか」キッ!
部長「おおう、これは嫌われてしまったかな?」ニコニコ!
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「喫煙はああああああ個人の自由だよおおおおおお」ガクガクガクガク!
凛「プロデューサー! 絶対、吸っちゃ駄目だから!」
武内P「……」
凛「どうして困った顔してるの!? 何なの!?」
665:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:16:14.16 :LsO6a7uXo
部長「そうだね……彼女には、言っても良いんじゃないか?」ニコニコ!
武内P「部長?」
部長「遅かれ早かれ、知ることだろう」ニコニコ!
武内P「はあ……ですが」
部長「……」ニコニコ!
武内P「……」
武内P「……渋谷さん」
武内P「あれは――普通のタバコではありません」
凛「馬鹿にしてるの!? 見ればわかるから!」
部長「そうだね……彼女には、言っても良いんじゃないか?」ニコニコ!
武内P「部長?」
部長「遅かれ早かれ、知ることだろう」ニコニコ!
武内P「はあ……ですが」
部長「……」ニコニコ!
武内P「……」
武内P「……渋谷さん」
武内P「あれは――普通のタバコではありません」
凛「馬鹿にしてるの!? 見ればわかるから!」
666:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:22:53.79 :LsO6a7uXo
凛「やっぱり、変なクスリとかなんでしょ!?」
武内P「いえ、そのような事は、決して」
凛「じゃあ、あれは何なの!?」
武内P「あれは、346プロダクション特製の――」
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「吸うううううううスタドリだよおおおおおお」ガクガクガクガク!
凛「吸うスタドリ!? あれって、スタドリなの!?」
武内P「はい。通常のものは、飲むスタドリ」
武内P「あちらは、効果の高い、吸うスタドリです」
部長「はああああああ漲る漲る漲るねえええええええ」ガクガクガクガク!
凛「……!?」
凛「やっぱり、変なクスリとかなんでしょ!?」
武内P「いえ、そのような事は、決して」
凛「じゃあ、あれは何なの!?」
武内P「あれは、346プロダクション特製の――」
部長「……スーッ」
部長「……フーッ」
…モワアアアァ
部長「吸うううううううスタドリだよおおおおおお」ガクガクガクガク!
凛「吸うスタドリ!? あれって、スタドリなの!?」
武内P「はい。通常のものは、飲むスタドリ」
武内P「あちらは、効果の高い、吸うスタドリです」
部長「はああああああ漲る漲る漲るねえええええええ」ガクガクガクガク!
凛「……!?」
667:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:27:15.37 :LsO6a7uXo
部長「……ふぅ、吸い終わってしまったよ」キリリッ!
凛「っ!?」ドキッ!
凛「……待って」
凛「何……何なの……!?」
部長「だが、一服したおかげで午後も頑張れそうだ」キリリッ!
凛「何か……部長さん、格好良くなってない!?」
武内P「あちらの姿が、部長の本来の姿です」
凛「はあっ!?」
武内P「普段は多忙のため……とても、疲れていらっしゃいますから」
部長「何、君ほどではないさ」キリリッ!
凛「……!?」
部長「……ふぅ、吸い終わってしまったよ」キリリッ!
凛「っ!?」ドキッ!
凛「……待って」
凛「何……何なの……!?」
部長「だが、一服したおかげで午後も頑張れそうだ」キリリッ!
凛「何か……部長さん、格好良くなってない!?」
武内P「あちらの姿が、部長の本来の姿です」
凛「はあっ!?」
武内P「普段は多忙のため……とても、疲れていらっしゃいますから」
部長「何、君ほどではないさ」キリリッ!
凛「……!?」
668:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:34:08.07 :LsO6a7uXo
凛「……ねえ、一つ聞いても良い?」
武内P「? はい、何でしょうか?」
凛「あれを吸ったら……プロデューサーも、その……なの?」
武内P「えっ? あの、すみません……よく、聞こえなかったのですが」
凛「っ……だから……!」
部長「――彼は、とても優秀だ」キリリッ!
部長「きっと、君が期待する以上だと、私は思うよ」キリリッ!
凛「……」ジッ…
武内P「?」
凛「……」
凛「……ねえ、一つ聞いても良い?」
武内P「? はい、何でしょうか?」
凛「あれを吸ったら……プロデューサーも、その……なの?」
武内P「えっ? あの、すみません……よく、聞こえなかったのですが」
凛「っ……だから……!」
部長「――彼は、とても優秀だ」キリリッ!
部長「きっと、君が期待する以上だと、私は思うよ」キリリッ!
凛「……」ジッ…
武内P「?」
凛「……」
669:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:42:48.37 :LsO6a7uXo
凛「……良いよ、好きにすれば?」
武内P「渋谷さん?」
凛「体に、害は無いんでしょ?」
武内P「はい」
凛「なら、良いよ。待ってるから、早く」
武内P「? では……失礼します」
凛「……!」ワクワク
武内P「……」
カチッ! シュボッ…
武内P「……スーッ」
武内P「……フーッ」
…モワアアアァ
凛「!?」ビクンッ!
凛「っふううううううううううううううんんんんんんんんんんん!?」ガクガクガクガクガク!
部長「まずい!――副流煙だ!」キリリッ!
凛「……良いよ、好きにすれば?」
武内P「渋谷さん?」
凛「体に、害は無いんでしょ?」
武内P「はい」
凛「なら、良いよ。待ってるから、早く」
武内P「? では……失礼します」
凛「……!」ワクワク
武内P「……」
カチッ! シュボッ…
武内P「……スーッ」
武内P「……フーッ」
…モワアアアァ
凛「!?」ビクンッ!
凛「っふううううううううううううううんんんんんんんんんんん!?」ガクガクガクガクガク!
部長「まずい!――副流煙だ!」キリリッ!
671:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:49:40.92 :LsO6a7uXo
・ ・ ・
未央「――それで、医務室に運び込まれたの?」
凛「もうやめて、その話」
卯月「あの……体の方は、大丈夫なんですか?」
凛「うん……って、やめてって言ってるでしょ、卯月?」
卯月「す、すみません」
未央「とりあえずさ、しぶりん」
凛「……何?」
未央「吸った後のプロデューサー、どうだったの?」
卯月「あっ、そうですよ凛ちゃん! もう、普通に戻っちゃってますし!」
凛「どう……って」
凛「……」ニヘラッ
未央・卯月「!?」
・ ・ ・
未央「――それで、医務室に運び込まれたの?」
凛「もうやめて、その話」
卯月「あの……体の方は、大丈夫なんですか?」
凛「うん……って、やめてって言ってるでしょ、卯月?」
卯月「す、すみません」
未央「とりあえずさ、しぶりん」
凛「……何?」
未央「吸った後のプロデューサー、どうだったの?」
卯月「あっ、そうですよ凛ちゃん! もう、普通に戻っちゃってますし!」
凛「どう……って」
凛「……」ニヘラッ
未央・卯月「!?」
672:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 21:54:37.03 :LsO6a7uXo
未央「ねえ、何その笑い!?」
凛「えっ?」ニヘラッ
卯月「そっ、そんなに格好良かったんですか!?」
凛「……まあ、悪くないかな」ニヘラッ
未央・卯月「……!?」
ガチャッ
武内P「! 皆さん、お揃いで――」
未央「プロデューサー!」
卯月「プロデューサーさん!」
武内P「っ!? ど、どうかしましたか……?」
凛「……」ジッ…
凛「……」…ニヘラァ~ッ
未央・卯月「……!」イラァッ!
未央「ねえ、何その笑い!?」
凛「えっ?」ニヘラッ
卯月「そっ、そんなに格好良かったんですか!?」
凛「……まあ、悪くないかな」ニヘラッ
未央・卯月「……!?」
ガチャッ
武内P「! 皆さん、お揃いで――」
未央「プロデューサー!」
卯月「プロデューサーさん!」
武内P「っ!? ど、どうかしましたか……?」
凛「……」ジッ…
凛「……」…ニヘラァ~ッ
未央・卯月「……!」イラァッ!
673:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/07(土) 22:01:01.74 :LsO6a7uXo
未央「プロデューサー! 喫煙室行こ! 喫煙室!」
武内P「えっ!?」
卯月「疲れてますよね!? 一服、したくないですか!?」
武内P「あっ、いえ……渋谷さんの事があったので……」
武内P「完全に……禁煙しようと、そう、思いまして」
未央・卯月「はいっ!?」
未央「何言ってるの!? 禁煙なんて、する事ないって!」
卯月「そうです! 我慢する方が、体に良くありません!」
武内P「い、いえ、ですが……もう、決めましたので」
武内P「私はもう……吸いません」
未央・卯月「じゃあ、最後に! これで最後!」
未央・卯月「最後に、一本だけ!」
おわり
未央「プロデューサー! 喫煙室行こ! 喫煙室!」
武内P「えっ!?」
卯月「疲れてますよね!? 一服、したくないですか!?」
武内P「あっ、いえ……渋谷さんの事があったので……」
武内P「完全に……禁煙しようと、そう、思いまして」
未央・卯月「はいっ!?」
未央「何言ってるの!? 禁煙なんて、する事ないって!」
卯月「そうです! 我慢する方が、体に良くありません!」
武内P「い、いえ、ですが……もう、決めましたので」
武内P「私はもう……吸いません」
未央・卯月「じゃあ、最後に! これで最後!」
未央・卯月「最後に、一本だけ!」
おわり
690:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/08(日) 18:02:52.85 :O5zXVeie0
これぞチヒロポンってか
696:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/08(日) 22:07:05.76 :nttc9N46o
「……聞いた事があるんです」
背後――後部座席から、普段の彼女らしくない、神妙な声が聞こえてきた。
しかし、落ち着きがないという訳ではなく、むしろ、言動の端々には育ちの良さが窺える。
彼女とユニットを組んでいる方から聞いた話だが、料理も得意なようだ。
最も、その方とじゃれるような口論を繰り返し、騒々しいイメージがついてしまっているが。
「こういう時は――」
先程から、己の役目を放棄したかのように回らない車のタイヤ。
労働意欲に満ち溢れているのだが、いかんせん、状況が状況。
交通事故に加えて、大雨により、100キロ以上の渋滞。
地方での仕事帰りの私と彼女を乗せた社用車は、それに巻き込まれていた。
「――ペットボトルにする、って」
そして、その車内でも、事故……いや、人災が起ころうとしている。
長時間車内で過ごした彼女は、既に限界を迎えていた。
車内には、運転手である私と、その担当アイドルである、彼女の二人だけ。
だが、今の言葉を聞いて、この場で解散したくなったのは、言うまでもないだろう。
「待ってください! まだ、他に方法があるはずです!」
思わず大声が出てしまった。
それに驚いたのか、彼女がいつも持ち歩いているギターが倒れ、
後部座席のドアに当たって音を立てる。
ギターケース。
「……」
恐らく、私と彼女は、ある一つの結論を導き出した。
バックミラー越しに、後部座席に座る彼女の表情を確認する。
「……」
己の信じる物を信じ、突き進むと決めた彼女が見せた……躊躇い。
ギターを取り出し、そのケース内に……する。
用が済んだら、ケースを閉じ、封印する。
恐らくそれが、今、彼女がとれる最善の行動。
「……いや! ペットボトルで!」
にも関わらず、彼女は頑なにペットボトルを使用しようとしている。
詳細まではわからないが、彼女がこうまで頑なになるのは、
恐らく、彼女が目標とする人物に何か余計な事を吹き込まれたからだろう。
基本的には正しい知識を教えて頂けているのだが、
彼女はしばしば、その素直さからか冗談を本気と捉えている事がある。
「それが、ロックのLIVEじゃ普通みたいですから!」
ロックのLIVEでは、普通……ですか。
ですが、考え直してください。
ここは、車内です。
「……聞いた事があるんです」
背後――後部座席から、普段の彼女らしくない、神妙な声が聞こえてきた。
しかし、落ち着きがないという訳ではなく、むしろ、言動の端々には育ちの良さが窺える。
彼女とユニットを組んでいる方から聞いた話だが、料理も得意なようだ。
最も、その方とじゃれるような口論を繰り返し、騒々しいイメージがついてしまっているが。
「こういう時は――」
先程から、己の役目を放棄したかのように回らない車のタイヤ。
労働意欲に満ち溢れているのだが、いかんせん、状況が状況。
交通事故に加えて、大雨により、100キロ以上の渋滞。
地方での仕事帰りの私と彼女を乗せた社用車は、それに巻き込まれていた。
「――ペットボトルにする、って」
そして、その車内でも、事故……いや、人災が起ころうとしている。
長時間車内で過ごした彼女は、既に限界を迎えていた。
車内には、運転手である私と、その担当アイドルである、彼女の二人だけ。
だが、今の言葉を聞いて、この場で解散したくなったのは、言うまでもないだろう。
「待ってください! まだ、他に方法があるはずです!」
思わず大声が出てしまった。
それに驚いたのか、彼女がいつも持ち歩いているギターが倒れ、
後部座席のドアに当たって音を立てる。
ギターケース。
「……」
恐らく、私と彼女は、ある一つの結論を導き出した。
バックミラー越しに、後部座席に座る彼女の表情を確認する。
「……」
己の信じる物を信じ、突き進むと決めた彼女が見せた……躊躇い。
ギターを取り出し、そのケース内に……する。
用が済んだら、ケースを閉じ、封印する。
恐らくそれが、今、彼女がとれる最善の行動。
「……いや! ペットボトルで!」
にも関わらず、彼女は頑なにペットボトルを使用しようとしている。
詳細まではわからないが、彼女がこうまで頑なになるのは、
恐らく、彼女が目標とする人物に何か余計な事を吹き込まれたからだろう。
基本的には正しい知識を教えて頂けているのだが、
彼女はしばしば、その素直さからか冗談を本気と捉えている事がある。
「それが、ロックのLIVEじゃ普通みたいですから!」
ロックのLIVEでは、普通……ですか。
ですが、考え直してください。
ここは、車内です。
698:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/08(日) 22:31:34.72 :nttc9N46o
「もう少し! もう少しで、SAに着きます!」
ですから、我慢してください。
チラリと後ろに視線を向け、言葉を続けようとした私の目に、
彼女が、本当にペットボトルにすると決めたのがひと目でわかる光景が飛び込んできた。
「んっ……んっ……!」
飲んでいる。
ペットボトルの中身を飲み干そうとしている。
彼女の喉の動きから、流れ込む水の勢いがかなりのものとわかる。
本来ならば、健康的で魅力のある姿なのだろうが、
突貫で簡易トイレを作っているのだと思うと、残念ながら、何の魅力も感じなくなってしまう。
「ぷはぁっ!」
工事が、終わったらしい。
いそいそと、空になったペットボトルを後部座席の足元に置き、
役目を終えた筈のそれに、緊急の用向きを。
――止まらない。
彼女は、自分の信じるロックを信じているのだ。
我が道を突き進もうとする彼女を止めるのは、容易では無い。
だが、本当に、もう少しだけ我慢していただくだけで良いのだ。
だから……お願いします!
「どうか! どうか、考え――」
ぷぽうっ!
「――直して……くださ……い」
エアー。
だが、その音は、どこか狭い空間へ向けて放たれたような、くぐもった音。
「あ、あのっ!? 何が――」
ぷぽうっ!
エアー。
二度目のその音を聞き、私は確信し……言葉を失った。
彼女は、とんでもない事を実行しようとしている。
「きっ、聞かないでくださいよ! プロデューサー!」
――ペットボトルに、大をしようとしているのだ。
恥ずかしそうに顔を赤くする彼女とは逆に、私の顔は血の気が引き真っ青になっていた。
「もう少し! もう少しで、SAに着きます!」
ですから、我慢してください。
チラリと後ろに視線を向け、言葉を続けようとした私の目に、
彼女が、本当にペットボトルにすると決めたのがひと目でわかる光景が飛び込んできた。
「んっ……んっ……!」
飲んでいる。
ペットボトルの中身を飲み干そうとしている。
彼女の喉の動きから、流れ込む水の勢いがかなりのものとわかる。
本来ならば、健康的で魅力のある姿なのだろうが、
突貫で簡易トイレを作っているのだと思うと、残念ながら、何の魅力も感じなくなってしまう。
「ぷはぁっ!」
工事が、終わったらしい。
いそいそと、空になったペットボトルを後部座席の足元に置き、
役目を終えた筈のそれに、緊急の用向きを。
――止まらない。
彼女は、自分の信じるロックを信じているのだ。
我が道を突き進もうとする彼女を止めるのは、容易では無い。
だが、本当に、もう少しだけ我慢していただくだけで良いのだ。
だから……お願いします!
「どうか! どうか、考え――」
ぷぽうっ!
「――直して……くださ……い」
エアー。
だが、その音は、どこか狭い空間へ向けて放たれたような、くぐもった音。
「あ、あのっ!? 何が――」
ぷぽうっ!
エアー。
二度目のその音を聞き、私は確信し……言葉を失った。
彼女は、とんでもない事を実行しようとしている。
「きっ、聞かないでくださいよ! プロデューサー!」
――ペットボトルに、大をしようとしているのだ。
恥ずかしそうに顔を赤くする彼女とは逆に、私の顔は血の気が引き真っ青になっていた。
702:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/08(日) 23:01:04.62 :nttc9N46o
「もっ、申し訳ありません!」
図らずも、盛大な放屁音を聞いてしまったことを詫びる。
抗議の視線を向けられているが、私とて、聞きたかったけではありません。
そもそも、ペットボトルにするのは実際にある事ですが、
大までも受け入れるほど、ペットボトルとは万能な容器では無いのです!
「これ、着けててください!」
背後から、少し乱暴に、頭にヘッドホンを被せられる。
それは、彼女がいつも首から下げているもので、
彼女の小さな頭に合わせた幅が、その時、少し広がり音を立てた。
聞こえてくるのは、闇を切り裂く流星のような、爽やかな、彼女のソロ曲。
「……!」
そして、そのまま彼女は運転席のシートに身を寄せ、
私の背後から腕を突き出し、前方を指差した。
後ろを見るな、というそのジェスチャーで、私も覚悟を決めた。
……もう、後戻りは出来ない。
ならば、私も信じよう。
自分の信じるものがロックと言った、私の担当するアイドルを――!
「……」
ハンドルを握る手に、自然と力が入る。
そうした所で、この渋滞が解消する事はない。
だが、握りしめる。
彼女の成功を祈るように。
「うわっ、わ、わわわっ!? えっ、えっ!? あっ、ああっ!」
ヘッドホンをしているが、声が聞こえてくる。
そもそも、彼女はかなり耳が良く、音楽を聞く時の音量は小さい。
大声を出してしまえば、車内という密室においては、
いくらヘッドホンをしていようと、完全に聞こえなくなる事は……はい、ありません。
「全然的が定まらなっ――あっ!?……あああっ!? うそうそうそうそっ!」
一際大きな焦る声と共に、モワリと漂ってくる異臭。
ヘッドホンの位置を調整し、鼻に当てたらこの臭いも……いや、どう考えても現実的ではない。
窓をすぐにでも開けたいが、万が一にでも、彼女の声を並走する車に届けるわけにはいかない。
彼女は、アイドル。
届けるべきは、歌声と、笑顔なのだから。
「……あははははっ! あっははははっ!」
……この笑い声も、聞かせられませんね。
「もっ、申し訳ありません!」
図らずも、盛大な放屁音を聞いてしまったことを詫びる。
抗議の視線を向けられているが、私とて、聞きたかったけではありません。
そもそも、ペットボトルにするのは実際にある事ですが、
大までも受け入れるほど、ペットボトルとは万能な容器では無いのです!
「これ、着けててください!」
背後から、少し乱暴に、頭にヘッドホンを被せられる。
それは、彼女がいつも首から下げているもので、
彼女の小さな頭に合わせた幅が、その時、少し広がり音を立てた。
聞こえてくるのは、闇を切り裂く流星のような、爽やかな、彼女のソロ曲。
「……!」
そして、そのまま彼女は運転席のシートに身を寄せ、
私の背後から腕を突き出し、前方を指差した。
後ろを見るな、というそのジェスチャーで、私も覚悟を決めた。
……もう、後戻りは出来ない。
ならば、私も信じよう。
自分の信じるものがロックと言った、私の担当するアイドルを――!
「……」
ハンドルを握る手に、自然と力が入る。
そうした所で、この渋滞が解消する事はない。
だが、握りしめる。
彼女の成功を祈るように。
「うわっ、わ、わわわっ!? えっ、えっ!? あっ、ああっ!」
ヘッドホンをしているが、声が聞こえてくる。
そもそも、彼女はかなり耳が良く、音楽を聞く時の音量は小さい。
大声を出してしまえば、車内という密室においては、
いくらヘッドホンをしていようと、完全に聞こえなくなる事は……はい、ありません。
「全然的が定まらなっ――あっ!?……あああっ!? うそうそうそうそっ!」
一際大きな焦る声と共に、モワリと漂ってくる異臭。
ヘッドホンの位置を調整し、鼻に当てたらこの臭いも……いや、どう考えても現実的ではない。
窓をすぐにでも開けたいが、万が一にでも、彼女の声を並走する車に届けるわけにはいかない。
彼女は、アイドル。
届けるべきは、歌声と、笑顔なのだから。
「……あははははっ! あっははははっ!」
……この笑い声も、聞かせられませんね。
703:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/08(日) 23:02:24.06 :/d6sVnN60
小かと思ったら大だった…
704:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/08(日) 23:23:24.46 :nttc9N46o
「……大丈夫ですか?」
恐らく彼女は、足元に置いたペットボトルに狙いを定めたのだろう。
だが、完璧にロックオンしたつもりでも、当然、必中するはずもない。
失敗の確率の方が遙かに高いとわかっていたので、
その事に対する心構えは、悔しいことに出来てしまっていた。
だが、
「居ない……?」
彼女の姿は、どこにも見えなかった。
バックミラー越しに確認してみるも、その姿はどこにも見当たらない。
後部座席のドアが開いた形跡も無く、逃げ出した可能性も無い。
もしかしたら、先程までの出来事は、ただの悪夢だったのではないだろうか?
「……」
そんな現実逃避をしてみるも、車内に充満するアンモニア臭が鼻と脳と刺激する。
そして、後部座席のシートには、彼女の相棒であるギターが鎮座している。
彼女は、一体どこへ消えてしまったというのだろうか。
後を振り返り、確認してみると――
「……」
――居た。
彼女は、その目に絶望をたたえながら、車の天井を見ている。
そんな今の彼女を見て、私の脳裏には、一つの言葉が浮かんだ。
――大惨事。
「……」
彼女は、その体を横たえている。
そして、異臭だけが彼女の行動が夢では無かったと伝えてくる。
……そう、私の目には、彼女の出した物が一切入らないのだ。
ならば、それは、どこにあるのか?
「このジャケット、お気に入りだったんだけどなぁ」
――答えは、彼女の後ろ。
正確に言えば、シートの足元に倒れている、彼女の背中の下敷きになっている。
「……」
的外れな解決方法で、的を外して焦った彼女は、失敗を大失敗に変えた。
アイドルというのは、時にこちらの予想を大きく飛び越えてくる。
ですが……この結果は、あまりにも大きく飛び過ぎだと、そう、思います。
「……大丈夫ですか?」
恐らく彼女は、足元に置いたペットボトルに狙いを定めたのだろう。
だが、完璧にロックオンしたつもりでも、当然、必中するはずもない。
失敗の確率の方が遙かに高いとわかっていたので、
その事に対する心構えは、悔しいことに出来てしまっていた。
だが、
「居ない……?」
彼女の姿は、どこにも見えなかった。
バックミラー越しに確認してみるも、その姿はどこにも見当たらない。
後部座席のドアが開いた形跡も無く、逃げ出した可能性も無い。
もしかしたら、先程までの出来事は、ただの悪夢だったのではないだろうか?
「……」
そんな現実逃避をしてみるも、車内に充満するアンモニア臭が鼻と脳と刺激する。
そして、後部座席のシートには、彼女の相棒であるギターが鎮座している。
彼女は、一体どこへ消えてしまったというのだろうか。
後を振り返り、確認してみると――
「……」
――居た。
彼女は、その目に絶望をたたえながら、車の天井を見ている。
そんな今の彼女を見て、私の脳裏には、一つの言葉が浮かんだ。
――大惨事。
「……」
彼女は、その体を横たえている。
そして、異臭だけが彼女の行動が夢では無かったと伝えてくる。
……そう、私の目には、彼女の出した物が一切入らないのだ。
ならば、それは、どこにあるのか?
「このジャケット、お気に入りだったんだけどなぁ」
――答えは、彼女の後ろ。
正確に言えば、シートの足元に倒れている、彼女の背中の下敷きになっている。
「……」
的外れな解決方法で、的を外して焦った彼女は、失敗を大失敗に変えた。
アイドルというのは、時にこちらの予想を大きく飛び越えてくる。
ですが……この結果は、あまりにも大きく飛び過ぎだと、そう、思います。
705:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/07/08(日) 23:57:15.04 :nttc9N46o
「いけると思ったんですけどねぇ」
彼女は、なおもシートの足元に寝転がりながら、言葉を続ける。
左手で何かを抱えるようにしながら、右手で空をかき鳴らす。
その弾き方は、どことなく郷愁を感じさせる。
……ああ……早く、帰りたい。
「ロックに対する思いが足りなかったのかな」
そうやって巻き込むのは、ロックに対して失礼なのでは?
そう、思いますが……はい、迂闊に声をかけたら、もっと被害が拡大する気がします。
しかし、このまま放って置く訳にもいかない。
何故ならば、渋滞はまだ、続いているのだから。
「いえ……そんな事は、ありません」
前を向き、言う。
このような状況でも、最後まで諦めず、信じた道を貫く。
たとえ結果はどうあれ、彼女の行動は、紛れもなく――ロックだった。
なので、貴女のロックに対する思いは、決して、足りないという事はありません。
ロックとは、また別の話なだけです。
「ですから……」
フォローの言葉を入れようと、バックミラーを覗き込んだ時、
「……――えっ?」
私の目に……ある、白い物が映り込んだ。
それを目にした私は、彼女へと話しかける気力が、一瞬にして露と消えてしまっていた。
しかし、途中まで発した言葉だけは、最後まで言う必要がある。
それすらも億劫に感じるのだが、仕方が無いだろう。
「笑顔で、頑張ってください」
そう言い放ち、いつの間にかずれていたヘッドホンの位置を正し、音量を上げる。
流れてくる歌声は、この、やるせない気持ちを少しでも流してくれる。
ふと、フロントガラスから見上げた空は既に暗く、美しい三日月が輝いていた。
これで、臭いさえなんとかなれば、まだマシなのだが。
「……」
今日の事は、忘れよう。
こんな記憶は、捨ててしまおう。
「……」
先程視界に飛び込んだ、ペットボトルが入っていた、真っ白い――
――ビニール袋につめて。
おわり
「いけると思ったんですけどねぇ」
彼女は、なおもシートの足元に寝転がりながら、言葉を続ける。
左手で何かを抱えるようにしながら、右手で空をかき鳴らす。
その弾き方は、どことなく郷愁を感じさせる。
……ああ……早く、帰りたい。
「ロックに対する思いが足りなかったのかな」
そうやって巻き込むのは、ロックに対して失礼なのでは?
そう、思いますが……はい、迂闊に声をかけたら、もっと被害が拡大する気がします。
しかし、このまま放って置く訳にもいかない。
何故ならば、渋滞はまだ、続いているのだから。
「いえ……そんな事は、ありません」
前を向き、言う。
このような状況でも、最後まで諦めず、信じた道を貫く。
たとえ結果はどうあれ、彼女の行動は、紛れもなく――ロックだった。
なので、貴女のロックに対する思いは、決して、足りないという事はありません。
ロックとは、また別の話なだけです。
「ですから……」
フォローの言葉を入れようと、バックミラーを覗き込んだ時、
「……――えっ?」
私の目に……ある、白い物が映り込んだ。
それを目にした私は、彼女へと話しかける気力が、一瞬にして露と消えてしまっていた。
しかし、途中まで発した言葉だけは、最後まで言う必要がある。
それすらも億劫に感じるのだが、仕方が無いだろう。
「笑顔で、頑張ってください」
そう言い放ち、いつの間にかずれていたヘッドホンの位置を正し、音量を上げる。
流れてくる歌声は、この、やるせない気持ちを少しでも流してくれる。
ふと、フロントガラスから見上げた空は既に暗く、美しい三日月が輝いていた。
これで、臭いさえなんとかなれば、まだマシなのだが。
「……」
今日の事は、忘れよう。
こんな記憶は、捨ててしまおう。
「……」
先程視界に飛び込んだ、ペットボトルが入っていた、真っ白い――
――ビニール袋につめて。
おわり
コメント 3
コメント一覧 (3)
森きのこ
がしました
森きのこ
がしました
後最近手動でコピペしてる奴は何がしたいのか分からん
去年アイマス系SSに延々と文句を投下してた荒らしは分かりやすいんだがw
森きのこ
がしました