419: ◆/4adlfiarI:2022/03/13(日) 15:02:51.99 :/UN7t0AIO
「バクシンバクシンバックシーン!!!」
怒涛の勢いでバクシンオーがゴール板を駆け抜ける。2着のヒシアケボノとは3バ身もの差がついていた。
おお~と、それを見ていた新入生から声が上がる。「ハッハッハ!!」とバクシンオーは胸を張ってそれに応えていた。
「バクちゃんすごいなあ。私も走りたかった~」
カレンが口を尖らせた。私は軽く彼女の頭を撫でる。
「模擬レースは高等部の担当だからな。バクシンオーと一度本気でやり合いたいか?」
「うん!でも、カレンは高松宮記念も出れないんでしょ」
「香港スプリントのダメージがまだ抜けきってないからな。スプリンターズまで待つしかない」
「むむー。京王杯まで我慢、か~」
トテトテと、誰かが近付く気配がした。黒い癖っ毛気味の小柄な少女だ。
「あ、あの……天王寺トレーナーさん、ですか?」
「ん、そうだが」
「はじめまして!あたし、キタサンブラックといいま「おお!キタちゃんじゃないですか!!」」
向こうから凄い勢いでバクシンオーがやってきた。キタサンブラックと名乗った少女の顔が明るくなる。
「あ、バクシンお姉ちゃん!!」
「おおっ!!あなたも私たちとバクシンするつもりなのですね!!いいでしょう、いいでしょうとも!!
短距離だろうが長距離だろうが、道はただ一つ!!ひたすらに鍛えてバクシンするのみですっ!!」
「あ、あのお……」
キタサンブラックはさすがに軽く引いている。私は咳払いをして割って入った。
「嬉しいのは分かるが、程々にな。ああ、キタサンブラックだったね。話は聞いている。私が彼女の担当トレーナー、天王寺だ」
「はい、よろしくお願いします!!お話はお姉ちゃんからかねがね聞いてます」
「話?」
「はいっ!とても優秀なトレーナーさんで、いつも美味しいラーメンを食べさせてくれるって」
※ゾロ目で……
「バクシンバクシンバックシーン!!!」
怒涛の勢いでバクシンオーがゴール板を駆け抜ける。2着のヒシアケボノとは3バ身もの差がついていた。
おお~と、それを見ていた新入生から声が上がる。「ハッハッハ!!」とバクシンオーは胸を張ってそれに応えていた。
「バクちゃんすごいなあ。私も走りたかった~」
カレンが口を尖らせた。私は軽く彼女の頭を撫でる。
「模擬レースは高等部の担当だからな。バクシンオーと一度本気でやり合いたいか?」
「うん!でも、カレンは高松宮記念も出れないんでしょ」
「香港スプリントのダメージがまだ抜けきってないからな。スプリンターズまで待つしかない」
「むむー。京王杯まで我慢、か~」
トテトテと、誰かが近付く気配がした。黒い癖っ毛気味の小柄な少女だ。
「あ、あの……天王寺トレーナーさん、ですか?」
「ん、そうだが」
「はじめまして!あたし、キタサンブラックといいま「おお!キタちゃんじゃないですか!!」」
向こうから凄い勢いでバクシンオーがやってきた。キタサンブラックと名乗った少女の顔が明るくなる。
「あ、バクシンお姉ちゃん!!」
「おおっ!!あなたも私たちとバクシンするつもりなのですね!!いいでしょう、いいでしょうとも!!
短距離だろうが長距離だろうが、道はただ一つ!!ひたすらに鍛えてバクシンするのみですっ!!」
「あ、あのお……」
キタサンブラックはさすがに軽く引いている。私は咳払いをして割って入った。
「嬉しいのは分かるが、程々にな。ああ、キタサンブラックだったね。話は聞いている。私が彼女の担当トレーナー、天王寺だ」
「はい、よろしくお願いします!!お話はお姉ちゃんからかねがね聞いてます」
「話?」
「はいっ!とても優秀なトレーナーさんで、いつも美味しいラーメンを食べさせてくれるって」
※ゾロ目で……
420:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/03/13(日) 15:13:49.76 :znTVegcuo
こいぞろー

【画像】主婦「マジで旦那ぶっ殺すぞおいこらクソオスが」

【速報】尾田っち、ワンピース最新話でやってしまうwwww

【東方】ルックス100点の文ちゃん

【日向坂46】ひなあい、大事件が勃発!?

韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
421: ◆/4adlfiarI:2022/03/13(日) 15:36:02.17 :/UN7t0AIO
※特になし
「ははは……君にまでラーメンの話が行っていたか」
思わず頭を掻く。すっかり「ラーメンのトレーナー」になっている気がする。
「あ、もちろんそれだけじゃないですよ?トレーニングとか、すごくちゃんと鍛えられるんだって。
見た目はちょっと怖いけど、頼れる人だって聞いてます」
「むむむ」とカレンがキタサンを覗き込んできた。
「あの、この方は……」
すぐに表情をいつもの営業用スマイルに変えて、カレンが答える。
「カレンチャンです♪ヨロシクね♪」
「あ、この方がカレンチャンですね!いつもウマスタ見てます!!」
「見ててくれるの!?うれしいな~」
といいつつも、目はそう笑ってもいない。意外とブラコンの彼女は、基本私に近付く異性を警戒する。
バクシンオーはあの性格だから、恋愛関係にはならないだろうと彼女も安心しているが。母を早くに亡くしたせいか、独占欲は強めなのだ。
「……まあ、とにかく4月からよろしく頼む。うちのチームは短距離からマイルに特化しているから、君に合うかは怪しいが」
「そうなんですか?」
「私のトレーニングは速筋を中心に鍛えるものだ。何分、ボディービルダーとしての顔もあるものでね。
だから、長距離が得意な君に合うかは自信がない。それでも、というなら歓迎するが」
※キタサンの反応
01~40 そうなんですか……
41~70 でもお姉ちゃんと一緒がいいです!
71~90 もう行くところは決めているんです(再判定)
91~98 もう行くところは決めているんです
99、00 ???
※特になし
「ははは……君にまでラーメンの話が行っていたか」
思わず頭を掻く。すっかり「ラーメンのトレーナー」になっている気がする。
「あ、もちろんそれだけじゃないですよ?トレーニングとか、すごくちゃんと鍛えられるんだって。
見た目はちょっと怖いけど、頼れる人だって聞いてます」
「むむむ」とカレンがキタサンを覗き込んできた。
「あの、この方は……」
すぐに表情をいつもの営業用スマイルに変えて、カレンが答える。
「カレンチャンです♪ヨロシクね♪」
「あ、この方がカレンチャンですね!いつもウマスタ見てます!!」
「見ててくれるの!?うれしいな~」
といいつつも、目はそう笑ってもいない。意外とブラコンの彼女は、基本私に近付く異性を警戒する。
バクシンオーはあの性格だから、恋愛関係にはならないだろうと彼女も安心しているが。母を早くに亡くしたせいか、独占欲は強めなのだ。
「……まあ、とにかく4月からよろしく頼む。うちのチームは短距離からマイルに特化しているから、君に合うかは怪しいが」
「そうなんですか?」
「私のトレーニングは速筋を中心に鍛えるものだ。何分、ボディービルダーとしての顔もあるものでね。
だから、長距離が得意な君に合うかは自信がない。それでも、というなら歓迎するが」
※キタサンの反応
01~40 そうなんですか……
41~70 でもお姉ちゃんと一緒がいいです!
71~90 もう行くところは決めているんです(再判定)
91~98 もう行くところは決めているんです
99、00 ???
422:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/03/13(日) 15:39:13.40 :ReZYTM+10
あ
423: ◆/4adlfiarI:2022/03/13(日) 16:08:22.62 :/UN7t0AIO
キタサンブラックは肩を落とす。
「そうなんですか……」
「遅筋を鍛えるメニューを組んでやれなくはないが……申し訳ない。ステイヤー寄りなら、塩田……いや、三田村トレーナー辺りかな。よかったら紹介しよう」
塩田トレーナーの名前を出しかけてやめたのは、あのチームがあまりに個性派揃いだったからだ。
パーマーはともかく、ゴルシや海外留学中の「あの2人」は教育上あまりよろしくない。
「三田村トレーナーさんですね!分かりました!」
「キタちゃん、そろそろ行くよー」
栗色の髪の少女がキタサンブラックを呼んでいる。「ダイヤちゃんが呼んでるので、失礼しますね!」と彼女は去っていった。
「お兄ちゃん、よかったの?」
「適性が合ってないチームに入れさせるのも酷だろう。基本は個人の意志だ。お前こそ、随分と警戒してたが?」
「むう、まあそうだけどー」
「流石にそういう趣味は私にはないぞ」
「そういうのじゃなくて。お兄ちゃんが可愛がっていいのは、私だけだもん」
「私も結婚適齢期を過ぎかかってるのだがな……」
まあ、そもそもこの図体と風貌では、相手もいないか。苦笑しつつ、一度部屋に戻ることにした。
*
「キタちゃんの歓迎会をやりましょう!」
トレーニングが終わると、おもむろにバクシンオーが手を挙げてきた。
「歓迎会?」
「そうです!チームに入れずとも、トレセン学園でともに過ごす仲間!ならば学級委員長として、導いてあげるべきでしょう!」
「まあ、構わないが。今週末なら、いつも通りチートデイをやるから、その辺りだな。彼女の好物は聞いているか?」
「ハイッ!!『富山ブラック』というそうです!!」
「『富山ブラック』?」
レッグプレスを終えたカレンが、汗を拭きながら訊いてきた。
「富山のご当地ラーメンだ。醤油が利いていてしょっぱく、ご飯のおかずにもなるようなものだが……」
「何かあまり冴えない表情だね」
私は頷いた。
「はっきり言えば、東京、いや首都圏にマトモな富山ブラックの店は、ないのだ」
キタサンブラックは肩を落とす。
「そうなんですか……」
「遅筋を鍛えるメニューを組んでやれなくはないが……申し訳ない。ステイヤー寄りなら、塩田……いや、三田村トレーナー辺りかな。よかったら紹介しよう」
塩田トレーナーの名前を出しかけてやめたのは、あのチームがあまりに個性派揃いだったからだ。
パーマーはともかく、ゴルシや海外留学中の「あの2人」は教育上あまりよろしくない。
「三田村トレーナーさんですね!分かりました!」
「キタちゃん、そろそろ行くよー」
栗色の髪の少女がキタサンブラックを呼んでいる。「ダイヤちゃんが呼んでるので、失礼しますね!」と彼女は去っていった。
「お兄ちゃん、よかったの?」
「適性が合ってないチームに入れさせるのも酷だろう。基本は個人の意志だ。お前こそ、随分と警戒してたが?」
「むう、まあそうだけどー」
「流石にそういう趣味は私にはないぞ」
「そういうのじゃなくて。お兄ちゃんが可愛がっていいのは、私だけだもん」
「私も結婚適齢期を過ぎかかってるのだがな……」
まあ、そもそもこの図体と風貌では、相手もいないか。苦笑しつつ、一度部屋に戻ることにした。
*
「キタちゃんの歓迎会をやりましょう!」
トレーニングが終わると、おもむろにバクシンオーが手を挙げてきた。
「歓迎会?」
「そうです!チームに入れずとも、トレセン学園でともに過ごす仲間!ならば学級委員長として、導いてあげるべきでしょう!」
「まあ、構わないが。今週末なら、いつも通りチートデイをやるから、その辺りだな。彼女の好物は聞いているか?」
「ハイッ!!『富山ブラック』というそうです!!」
「『富山ブラック』?」
レッグプレスを終えたカレンが、汗を拭きながら訊いてきた。
「富山のご当地ラーメンだ。醤油が利いていてしょっぱく、ご飯のおかずにもなるようなものだが……」
「何かあまり冴えない表情だね」
私は頷いた。
「はっきり言えば、東京、いや首都圏にマトモな富山ブラックの店は、ないのだ」
424: ◆/4adlfiarI:2022/03/13(日) 16:29:01.89 :/UN7t0AIO
「そうなの?」
「あるにはある。が、基本的にはチェーンだ。あと、富山ブラックは好き嫌いがかなりハッキリ分かれるからな……。本物の富山ブラックを食べたいなら、本場に行くしかない」
私は腕を組んだ。そう、それしか手がない。
ただ、できるだけウマ娘の望むもので、かつ良いものを食べさせたいというのが、私のチートデイの心情だ。
すっぱりと諦めて、別のジャンルにするか……
……そういえば。
私はスマホを手に取った。
「どうしたんですか、トレーナーさん!?」
「いや、ひょっとしてと思ってな……あ、やはりそうだ」
レギュラーメニューではない。富山ブラックとも違う。見た目が近い、全く別のラーメンかもしれない。
さらに言えば、これは恐らく、いや間違いなく女性向きの店ではない。キタサンブラックが引く可能性はそれなりにある。
だが、「首都圏で富山ブラックらしいものをを食べる」なら、ここしかない。
「……決めたぞ。キタサンブラックに連絡を入れてくれ」
「そうなの?」
「あるにはある。が、基本的にはチェーンだ。あと、富山ブラックは好き嫌いがかなりハッキリ分かれるからな……。本物の富山ブラックを食べたいなら、本場に行くしかない」
私は腕を組んだ。そう、それしか手がない。
ただ、できるだけウマ娘の望むもので、かつ良いものを食べさせたいというのが、私のチートデイの心情だ。
すっぱりと諦めて、別のジャンルにするか……
……そういえば。
私はスマホを手に取った。
「どうしたんですか、トレーナーさん!?」
「いや、ひょっとしてと思ってな……あ、やはりそうだ」
レギュラーメニューではない。富山ブラックとも違う。見た目が近い、全く別のラーメンかもしれない。
さらに言えば、これは恐らく、いや間違いなく女性向きの店ではない。キタサンブラックが引く可能性はそれなりにある。
だが、「首都圏で富山ブラックらしいものをを食べる」なら、ここしかない。
「……決めたぞ。キタサンブラックに連絡を入れてくれ」
425: ◆/4adlfiarI:2022/03/13(日) 16:29:47.77 :/UN7t0AIO
第9R 「豚星。」
第9R 「豚星。」
436: ◆/4adlfiarI:2022/03/20(日) 16:20:05.83 :LvGjNSGZO
*
「おはようございます!」
手をブンブンと振ってキタサンブラックがやってきた。その横にいる、眼鏡の女性は……
「おはようございます……天王寺トレーナー」
「三田村トレーナー?貴女もですか」
遠慮がちに彼女が頷く。三田村嬢も来るとは、やや予想外だ。
「キタサンブラックさんは、私のチームに入ることになりまして。それで朝練体験をしていたところ、天王寺トレーナーに朝ご飯をごちそうしてもらう約束だと……」
エヘン、とキタサンブラックが胸を張った。
「はいっ!『お助けキタちゃん』ですから!」
「お助け……?」
「あ!いや、その、何でもないです。あはは……」
三田村嬢の様子といい、何か変だ。まあ、彼女の同行を断る理由はどこにもないが。
「バックシーン!!皆さん、おはようございます!!」
「おはよー♪あ、三田村トレーナーさんもですか?」
遅れて朝練のクールダウンを終えたバクシンオーとカレンもやってきた。
「ああ、キタサンブラックが呼んだそうだ」
※2人の反応
01~20 ヨ・ロ・シ・ク!お願いしますね……
21~70 何もなし
71~95 あー……なるほどお
96~99 そうでしたか!
00 ???
*
「おはようございます!」
手をブンブンと振ってキタサンブラックがやってきた。その横にいる、眼鏡の女性は……
「おはようございます……天王寺トレーナー」
「三田村トレーナー?貴女もですか」
遠慮がちに彼女が頷く。三田村嬢も来るとは、やや予想外だ。
「キタサンブラックさんは、私のチームに入ることになりまして。それで朝練体験をしていたところ、天王寺トレーナーに朝ご飯をごちそうしてもらう約束だと……」
エヘン、とキタサンブラックが胸を張った。
「はいっ!『お助けキタちゃん』ですから!」
「お助け……?」
「あ!いや、その、何でもないです。あはは……」
三田村嬢の様子といい、何か変だ。まあ、彼女の同行を断る理由はどこにもないが。
「バックシーン!!皆さん、おはようございます!!」
「おはよー♪あ、三田村トレーナーさんもですか?」
遅れて朝練のクールダウンを終えたバクシンオーとカレンもやってきた。
「ああ、キタサンブラックが呼んだそうだ」
※2人の反応
01~20 ヨ・ロ・シ・ク!お願いしますね……
21~70 何もなし
71~95 あー……なるほどお
96~99 そうでしたか!
00 ???
437:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/03/20(日) 16:25:28.44 :JVVHeIHd0
あ
438: ◆/4adlfiarI:2022/03/20(日) 16:50:34.07 :LvGjNSGZO
※何もなし
「そうなのですね!分かりました!」
「よろしくお願いしますね♪あ、ライス先輩は一緒じゃないんですか?」
「……誘ったのだけど、レース前だからって断られてしまって」
ははは、とどこかぎこちない笑みを三田村嬢が浮かべる。何か隠している気がするが、気にするほどでもないか。
「そうですか。というかお兄ちゃん、なんで朝からなの?」
「理由は簡単だ。朝限定メニューだからだよ」
「朝限定?こんな早くからラーメン屋って開いてるの?」
「『朝ラー』というのがあってな。コロナで営業時間短縮を迫られた苦肉の策ではあるが、そこそこやる店は多いぞ。
ただ、今日行く所は朝にしてはややヘビーだが」
「ヘビー?」
「まあ行けば分かる」
*
行きの道中は妙な空気だった。後部座席の3人が和気藹々と盛り上がっている一方、助手席に座った三田村嬢はずっと無口でいたからだ。
何か言いたそうにはしているのだが、会話のきっかけが掴めない感じだ。私も女性慣れしているわけではないので、どうにも居心地が良くない。
かといって三田村嬢が嫌いとかそういうわけでもない。彼女は優秀なトレーナーであり、良い同僚だ。親睦を深めることの意義は小さくはない。
さて、どうしたものか……
……「彼」について話してみるか。事件があったのは、彼女が入る前だ。
何か知っているとは思えないが、彼女に芹沢さんのことを話しておくのは、後々の彼女のためにもなるだろう。
「……4月から来る、新しいトレーナーのことはご存知ですか」
01~70 お話だけは
71~85 ……!
86~00 実は、もうお会いしてます
※何もなし
「そうなのですね!分かりました!」
「よろしくお願いしますね♪あ、ライス先輩は一緒じゃないんですか?」
「……誘ったのだけど、レース前だからって断られてしまって」
ははは、とどこかぎこちない笑みを三田村嬢が浮かべる。何か隠している気がするが、気にするほどでもないか。
「そうですか。というかお兄ちゃん、なんで朝からなの?」
「理由は簡単だ。朝限定メニューだからだよ」
「朝限定?こんな早くからラーメン屋って開いてるの?」
「『朝ラー』というのがあってな。コロナで営業時間短縮を迫られた苦肉の策ではあるが、そこそこやる店は多いぞ。
ただ、今日行く所は朝にしてはややヘビーだが」
「ヘビー?」
「まあ行けば分かる」
*
行きの道中は妙な空気だった。後部座席の3人が和気藹々と盛り上がっている一方、助手席に座った三田村嬢はずっと無口でいたからだ。
何か言いたそうにはしているのだが、会話のきっかけが掴めない感じだ。私も女性慣れしているわけではないので、どうにも居心地が良くない。
かといって三田村嬢が嫌いとかそういうわけでもない。彼女は優秀なトレーナーであり、良い同僚だ。親睦を深めることの意義は小さくはない。
さて、どうしたものか……
……「彼」について話してみるか。事件があったのは、彼女が入る前だ。
何か知っているとは思えないが、彼女に芹沢さんのことを話しておくのは、後々の彼女のためにもなるだろう。
「……4月から来る、新しいトレーナーのことはご存知ですか」
01~70 お話だけは
71~85 ……!
86~00 実は、もうお会いしてます
439:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/03/20(日) 16:59:54.35 :FGmekT0DO
ほい
440: ◆/4adlfiarI:2022/03/20(日) 17:15:29.45 :LvGjNSGZO
「お話だけは。昔トレセン学園にいた方で、中国からこちらに戻られると。ご存知なのですか」
「ええ。私が新人の時にお世話になった……恩人の一人ですよ。ウマ娘との付き合い方、トレーニングのやり方は、彼から教わった」
「ラーメン……チートデイのやり方も、ですか」
私は頷いた。
「彼はラーメン屋店主としての顔も持っていましたからね。日本屈指の職人でもあった。
私の知識など、芹沢さんに比べたら赤子のようなものです」
「そこまでなんですか。でも、どうして一度辞めてしまったんですか」
「……ウマ娘に対するドーピング疑惑、と言われています。ただ、実際の所は分からない。
そしてなぜ今戻ってくるのかも。そこは、正直私も気になってます」
「……確かに。着任は、そろそろでしたね」
「もう日本に来ているかもしれませんね。会うのが愉しみでもあり……怖くもある」
そう。芹沢さんの心の内は読めない。タキオンにも詳しいことはまず話さないだろう。
プライドが高いあの人のことだ。本心は極力悟られないようにするはずだ。
車は首都高の汐入インターを降りた。ここから20分ほどで、目的地に着くことになる。
※店には……
01~70 誰もいない
71~98 誰かいる
99、00 !!?
「お話だけは。昔トレセン学園にいた方で、中国からこちらに戻られると。ご存知なのですか」
「ええ。私が新人の時にお世話になった……恩人の一人ですよ。ウマ娘との付き合い方、トレーニングのやり方は、彼から教わった」
「ラーメン……チートデイのやり方も、ですか」
私は頷いた。
「彼はラーメン屋店主としての顔も持っていましたからね。日本屈指の職人でもあった。
私の知識など、芹沢さんに比べたら赤子のようなものです」
「そこまでなんですか。でも、どうして一度辞めてしまったんですか」
「……ウマ娘に対するドーピング疑惑、と言われています。ただ、実際の所は分からない。
そしてなぜ今戻ってくるのかも。そこは、正直私も気になってます」
「……確かに。着任は、そろそろでしたね」
「もう日本に来ているかもしれませんね。会うのが愉しみでもあり……怖くもある」
そう。芹沢さんの心の内は読めない。タキオンにも詳しいことはまず話さないだろう。
プライドが高いあの人のことだ。本心は極力悟られないようにするはずだ。
車は首都高の汐入インターを降りた。ここから20分ほどで、目的地に着くことになる。
※店には……
01~70 誰もいない
71~98 誰かいる
99、00 !!?
441:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/03/20(日) 17:31:40.04 :a3jsqwPGo
ほい
444: ◆/4adlfiarI:2022/03/20(日) 21:00:11.04 :Rzszyc7VO
*
「ここ……ですか?」
戸惑い気味にキタサンブラックが言う。それもそのはずだ。
「お兄ちゃん、ここって『二郎インスパイア』じゃない?」
訝しげにカレンが言う。店内はもう満席で、何人かの学生らしき客が山のように積まれた野菜を崩しながら麺を啜っている。三田村嬢も目が点だ。
「『じろうインスパイア』?」
「ラーメンの一ジャンル、ですよ。ラーメン二郎という系列のラーメンを真似た……というよりインスパイアした店のことです。
山盛りの野菜に大量の麺、そしてこってりとした豚骨スープにニンニク、そして豚の塊がデフォルトですね。
ただ、量の多さと殺伐とした雰囲気から女性向きじゃない。私が少し躊躇したのも、そこにあります」
「え……朝から、この量ですか……」
「量を半分に減らせば、普通の量にはなりますよ。あと、富山ブラックに近いものを食べさせるとなると、クオリティーの面からここしかなかった」
「……分かりました。ものは試しです、やってみます」
食券機で「ブラックデビル」を5枚購入する。
基本大食のウマ娘たちはともかく、三田村嬢には麺半分を勧めたのだが、なぜか「そのままでいいです」と譲らなかった。……まあ、残したら私を含めて誰かが食べればいいだろう。
「お兄ちゃん、そもそもこの『ブラックデビル』って何なの?」
「それを説明するには富山ブラックとは何か、を説明しないとな。
富山ブラックの特徴は、『濃度の高い醤油スープ』『ブラックペッパーによるインパクトのある味わい』そして『それらを支える鶏ガラスープ』にある。
スープは店によっては鰹節を入れることもあるらしいがな。元々は労働者のために、塩分補給を主としておかずになるラーメンを、ということで作られたらしい」
「へえ。でもここって二郎インスパイアだよね?」
「そう。だからスープの骨格が違う。こっちは豚骨だから、味が本家よりマイルドだ。
さらに、野菜から来る甘みと豚の脂味が加わるので、また少し違う味だな。ただ、富山ブラックに近いものというと、ここしかなかった」
キタサンブラックが申し訳無さそうにうつむく。
「ごめんなさい、無理を言っちゃって……」
「何、構わんよ。美味しいものを好きなだけ食べる、これがチートデイだ。気にすることはない」
そう言っていると、まとめて席が空いた。私たちの順番のようだ。
*
「ここ……ですか?」
戸惑い気味にキタサンブラックが言う。それもそのはずだ。
「お兄ちゃん、ここって『二郎インスパイア』じゃない?」
訝しげにカレンが言う。店内はもう満席で、何人かの学生らしき客が山のように積まれた野菜を崩しながら麺を啜っている。三田村嬢も目が点だ。
「『じろうインスパイア』?」
「ラーメンの一ジャンル、ですよ。ラーメン二郎という系列のラーメンを真似た……というよりインスパイアした店のことです。
山盛りの野菜に大量の麺、そしてこってりとした豚骨スープにニンニク、そして豚の塊がデフォルトですね。
ただ、量の多さと殺伐とした雰囲気から女性向きじゃない。私が少し躊躇したのも、そこにあります」
「え……朝から、この量ですか……」
「量を半分に減らせば、普通の量にはなりますよ。あと、富山ブラックに近いものを食べさせるとなると、クオリティーの面からここしかなかった」
「……分かりました。ものは試しです、やってみます」
食券機で「ブラックデビル」を5枚購入する。
基本大食のウマ娘たちはともかく、三田村嬢には麺半分を勧めたのだが、なぜか「そのままでいいです」と譲らなかった。……まあ、残したら私を含めて誰かが食べればいいだろう。
「お兄ちゃん、そもそもこの『ブラックデビル』って何なの?」
「それを説明するには富山ブラックとは何か、を説明しないとな。
富山ブラックの特徴は、『濃度の高い醤油スープ』『ブラックペッパーによるインパクトのある味わい』そして『それらを支える鶏ガラスープ』にある。
スープは店によっては鰹節を入れることもあるらしいがな。元々は労働者のために、塩分補給を主としておかずになるラーメンを、ということで作られたらしい」
「へえ。でもここって二郎インスパイアだよね?」
「そう。だからスープの骨格が違う。こっちは豚骨だから、味が本家よりマイルドだ。
さらに、野菜から来る甘みと豚の脂味が加わるので、また少し違う味だな。ただ、富山ブラックに近いものというと、ここしかなかった」
キタサンブラックが申し訳無さそうにうつむく。
「ごめんなさい、無理を言っちゃって……」
「何、構わんよ。美味しいものを好きなだけ食べる、これがチートデイだ。気にすることはない」
そう言っていると、まとめて席が空いた。私たちの順番のようだ。
445: ◆/4adlfiarI:2022/03/20(日) 21:11:04.53 :Rzszyc7VO
しばらく待つと、「ニンニク入れますか?」と訊かれた。
「え、ニンニク?」
「ああ、三田村トレーナーとキタサンブラックは二郎系は初めてだったね。要はトッピングだ」
上にはトッピング一覧が貼られている。ラーメンとつけ麺、まぜそばと辛麺とでそれぞれトッピングが異なるのも、ここの特徴だ。
「二郎系では『呪文』のようにトッピングを注文することもあるが、基本気にしなくていい。私は、ヤサイニンニクでお願いしよう」
「うーん、カレンはデフォにしよっかな。あまり積むとウマスタ映えしないし」
「ハイッ!!私は全部で「彼女もデフォで」」
「何で止めるんですかトレーナーさん!!」
私は無言で向こうの太めの客を見るようバクシンオーに促した。視線の先には、別盛りの野菜だけが入った丼と、すり鉢状の巨大丼がある。
「あれを食べられるのは、トレセン学園でもオグリとスペくらいだぞ」
「にょわっ!!?わ、分かりました……」
「というわけで、あとのもデフォで頼む」
しばらくすると、店員が丼を運んできた。うず高く積まれた野菜の下に、どす黒いスープが見える。豚は恐らく底に沈んでいるのだろう。
「これが『ブラックデビル』だ」
しばらく待つと、「ニンニク入れますか?」と訊かれた。
「え、ニンニク?」
「ああ、三田村トレーナーとキタサンブラックは二郎系は初めてだったね。要はトッピングだ」
上にはトッピング一覧が貼られている。ラーメンとつけ麺、まぜそばと辛麺とでそれぞれトッピングが異なるのも、ここの特徴だ。
「二郎系では『呪文』のようにトッピングを注文することもあるが、基本気にしなくていい。私は、ヤサイニンニクでお願いしよう」
「うーん、カレンはデフォにしよっかな。あまり積むとウマスタ映えしないし」
「ハイッ!!私は全部で「彼女もデフォで」」
「何で止めるんですかトレーナーさん!!」
私は無言で向こうの太めの客を見るようバクシンオーに促した。視線の先には、別盛りの野菜だけが入った丼と、すり鉢状の巨大丼がある。
「あれを食べられるのは、トレセン学園でもオグリとスペくらいだぞ」
「にょわっ!!?わ、分かりました……」
「というわけで、あとのもデフォで頼む」
しばらくすると、店員が丼を運んできた。うず高く積まれた野菜の下に、どす黒いスープが見える。豚は恐らく底に沈んでいるのだろう。
「これが『ブラックデビル』だ」
446: ◆/4adlfiarI:2022/03/20(日) 21:43:12.09 :Rzszyc7VO
「すごい量……というかこれって?」
カレンが細長く黒い物体を指差した。
「キクラゲだな。これもいいアクセントになる。じゃあ食おう「バックシーン!!!」」
すごい勢いでバクシンオーが食べ始めている。
「これはっ!しょっぱいですっ!!でもコクがあって……むぐっ、箸が、止まりません!!」
麺をリフトアップし、レンゲを使いながら野菜と位置を逆転させる。そして全体を混ぜた後、一気に太麺を啜り込んだ。
パシーンッッ!!!
ワイシャツのボタンが弾け飛んだ。……美味い。濃厚な二郎系ならではのスープに、醤油がしっかり絡んでいる。
普段のカネシ醤油とは違い、醤油そのものが強く主張する。そこにピリッとしたペッパーの刺激。
本家よりも、しょっぱさは感じない。いや、あるいはご飯の代わりを野菜がしているのか。野菜の甘さが、スープの強さを中和しているとでも言おうか。
「あっ!!……意外と、食べやすいです。それに、クドいかと思ったけど……飽きが来ないですね」
「はいっ!富山ブラックとは違うけど、これはこれで美味しいです!!でも、富山ブラックといえばご飯……」
「追い飯は頼めるぞ、無料で。……全部食べ切れるならだが」
「本当ですか!!じゃあ頼んじゃお♪」
キタサンブラックは上機嫌だ。しかし、このブラックデビルの問題は、ここからにある。
半分ほど食べたところで、やっと豚の頂上が顔を出した。そう、この豚は……
「ツァーッ!!?」
バクシンオーが奇声をあげた。箸には、巨大な豚のブロックがある。
「え……これって」
「『豚』ですよ。チャーシューに相当しますが、ここの豚はとにかくデカい。柔らかいし、脂多めなので実際食べる所は多くはないですが」
三田村嬢が顔を青くしている。一般女性客は普通の二郎系より多めの店だが、さすがにこれは刺激が強かっただろうか。
私も豚に取り掛かるとする。箸だけで千切れるほど、豚は柔らかく煮込まれている。噛むと脂がジュワッと広がった。このしょっぱいスープには、この脂がまたよく合う。
そしてクドくなった口内を、キクラゲで中和する。食感が違うのもいい箸休め。非常によく考えられた組み立てだ。
※三田村トレーナーは
01~60 残した
61~85 頑張って食べきった
86~99 ごちそうさまです!
00 ???
「すごい量……というかこれって?」
カレンが細長く黒い物体を指差した。
「キクラゲだな。これもいいアクセントになる。じゃあ食おう「バックシーン!!!」」
すごい勢いでバクシンオーが食べ始めている。
「これはっ!しょっぱいですっ!!でもコクがあって……むぐっ、箸が、止まりません!!」
麺をリフトアップし、レンゲを使いながら野菜と位置を逆転させる。そして全体を混ぜた後、一気に太麺を啜り込んだ。
パシーンッッ!!!
ワイシャツのボタンが弾け飛んだ。……美味い。濃厚な二郎系ならではのスープに、醤油がしっかり絡んでいる。
普段のカネシ醤油とは違い、醤油そのものが強く主張する。そこにピリッとしたペッパーの刺激。
本家よりも、しょっぱさは感じない。いや、あるいはご飯の代わりを野菜がしているのか。野菜の甘さが、スープの強さを中和しているとでも言おうか。
「あっ!!……意外と、食べやすいです。それに、クドいかと思ったけど……飽きが来ないですね」
「はいっ!富山ブラックとは違うけど、これはこれで美味しいです!!でも、富山ブラックといえばご飯……」
「追い飯は頼めるぞ、無料で。……全部食べ切れるならだが」
「本当ですか!!じゃあ頼んじゃお♪」
キタサンブラックは上機嫌だ。しかし、このブラックデビルの問題は、ここからにある。
半分ほど食べたところで、やっと豚の頂上が顔を出した。そう、この豚は……
「ツァーッ!!?」
バクシンオーが奇声をあげた。箸には、巨大な豚のブロックがある。
「え……これって」
「『豚』ですよ。チャーシューに相当しますが、ここの豚はとにかくデカい。柔らかいし、脂多めなので実際食べる所は多くはないですが」
三田村嬢が顔を青くしている。一般女性客は普通の二郎系より多めの店だが、さすがにこれは刺激が強かっただろうか。
私も豚に取り掛かるとする。箸だけで千切れるほど、豚は柔らかく煮込まれている。噛むと脂がジュワッと広がった。このしょっぱいスープには、この脂がまたよく合う。
そしてクドくなった口内を、キクラゲで中和する。食感が違うのもいい箸休め。非常によく考えられた組み立てだ。
※三田村トレーナーは
01~60 残した
61~85 頑張って食べきった
86~99 ごちそうさまです!
00 ???
447:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/03/20(日) 21:49:03.41 :PZVCt/vY0
お
448: ◆/4adlfiarI:2022/03/20(日) 22:03:48.48 :Rzszyc7VO
*
「ごめんなさい、やっぱり忠告に従うべきでした……」
店を出ると、三田村嬢が申し訳なさそうに頭を下げた。結局半分強を食べた所でギブアップし、その分は私が食べたのだった。
「いや、最初からはなかなか難しいですよ。にしても、なぜ普通盛りを」
「それは……せっかくだから、同じものを食べてみたかったんです。でも、ご迷惑をおかけすることに……」
「ハッハッハ、この程度なら問題ないですよ。食べた分はトレーニングで燃焼させればいいだけのこと。
むしろ筋肉が喜んでくれたので、これはこれで問題ありませんな」
「フフッ、やはり、天王寺トレーナーは優しいですね」
「……優しい?」
「ええ。いつも人のことを第一に考えてくれます。キタちゃんのリクエストにも、なんとか応じてくれようとしましたし」
「そうですよ!本当に美味しかったです!!今度、お父ちゃんにもお店を紹介してあげたいくらいです!!」
キタサンブラックがピョンと飛び跳ねた。
「そうか、気に入ってくれたならよかった。……さて、まだ昼前だがどうする?休日だし、どこかに寄ってもいいが」
※その時……
01~35 電話が鳴った
36~70 じゃあ、せっかくだし中華街へ!
71~90 えへへ、実は……
91~00 誰か登場
*
「ごめんなさい、やっぱり忠告に従うべきでした……」
店を出ると、三田村嬢が申し訳なさそうに頭を下げた。結局半分強を食べた所でギブアップし、その分は私が食べたのだった。
「いや、最初からはなかなか難しいですよ。にしても、なぜ普通盛りを」
「それは……せっかくだから、同じものを食べてみたかったんです。でも、ご迷惑をおかけすることに……」
「ハッハッハ、この程度なら問題ないですよ。食べた分はトレーニングで燃焼させればいいだけのこと。
むしろ筋肉が喜んでくれたので、これはこれで問題ありませんな」
「フフッ、やはり、天王寺トレーナーは優しいですね」
「……優しい?」
「ええ。いつも人のことを第一に考えてくれます。キタちゃんのリクエストにも、なんとか応じてくれようとしましたし」
「そうですよ!本当に美味しかったです!!今度、お父ちゃんにもお店を紹介してあげたいくらいです!!」
キタサンブラックがピョンと飛び跳ねた。
「そうか、気に入ってくれたならよかった。……さて、まだ昼前だがどうする?休日だし、どこかに寄ってもいいが」
※その時……
01~35 電話が鳴った
36~70 じゃあ、せっかくだし中華街へ!
71~90 えへへ、実は……
91~00 誰か登場
449:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/03/20(日) 22:04:23.06 :9s/1Jwt0O
そろそろ何か起きよう
450: ◆/4adlfiarI:2022/03/20(日) 22:23:21.88 :Rzszyc7VO
その時、電話が鳴った。……知らない番号だ。
何か胸騒ぎがする。スマホの通話ボタンをタップした。
「もしもし、天王寺ですが」
『久し振りだな、天王寺』
少し高めの、男の声がした。この声には、聞き覚えがある。……まさか。しかしどうやって?
「……あなたは」
『オイオイ、忘れたのか?まあ10年以上も会ってないから仕方ないか。それとも、俺のような人間は取るに足らないか』
間違いない。この、皮肉めいた言い方。この男は。
「……芹沢さん、ですね」
『やはり覚えていたか。まあ、さっきのは冗談だ。トレセン学園に来たら、お前は外出中と聞いてな。それでトキノ……じゃなかった、駿川君に電話番号を聞いて、連絡を取ってみたというわけだ。今、どこだ』
「元住吉です。戻るまでは、1時間以上かかるかと」
『元住吉……ああ『豚星。』か。大方チートデイってとこだな』
行動パターンを当てられている。いや、むしろ驚くべきはその知識だ。何年も日本を離れていたのに、有名店の情報が頭に入っている。
「流石、ですね……どうして電話を」
01~50 お前に紹介したいウマ娘がいる
51~95 いや、声を聞きたかっただけだ
96~00 この後、飲みに行かないか
その時、電話が鳴った。……知らない番号だ。
何か胸騒ぎがする。スマホの通話ボタンをタップした。
「もしもし、天王寺ですが」
『久し振りだな、天王寺』
少し高めの、男の声がした。この声には、聞き覚えがある。……まさか。しかしどうやって?
「……あなたは」
『オイオイ、忘れたのか?まあ10年以上も会ってないから仕方ないか。それとも、俺のような人間は取るに足らないか』
間違いない。この、皮肉めいた言い方。この男は。
「……芹沢さん、ですね」
『やはり覚えていたか。まあ、さっきのは冗談だ。トレセン学園に来たら、お前は外出中と聞いてな。それでトキノ……じゃなかった、駿川君に電話番号を聞いて、連絡を取ってみたというわけだ。今、どこだ』
「元住吉です。戻るまでは、1時間以上かかるかと」
『元住吉……ああ『豚星。』か。大方チートデイってとこだな』
行動パターンを当てられている。いや、むしろ驚くべきはその知識だ。何年も日本を離れていたのに、有名店の情報が頭に入っている。
「流石、ですね……どうして電話を」
01~50 お前に紹介したいウマ娘がいる
51~95 いや、声を聞きたかっただけだ
96~00 この後、飲みに行かないか
451:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/03/20(日) 22:25:31.56 :JVVHeIHd0
あ
452: ◆/4adlfiarI:2022/03/20(日) 22:34:36.68 :Rzszyc7VO
『いや、声を聞きたかっただけだ。俺もこの後、用事があるんでね。
何より、デートを邪魔するほど無粋じゃない』
クックック、という笑いが聞こえてきた。
「用事?」
『そうだ。まあそれはいずれ分かる。まだ着任までは間がある。その時になったら、また会おう』
そう言うと、一方的に電話は切られた。
「誰、ですか?」
心配そうに三田村嬢が訊いてきた。
「芹沢さん、です。今トレセン学園に挨拶に来たと。用事はそれだけのようでしたが」
「本当に、それだけですか」
ただ事ならぬ気配を察したのだろう。私は彼女に微笑みかけた。
「ええ、大丈夫です。……とりあえず、場所を変えましょうか」
*
その後、私たちはひとしきり中華街とみなとみらいで遊んだ。だが、心はどうにも晴れなかった。
何故芹沢さんは、私に連絡をしてきた?そしてなぜ、休日のトレセン学園を訪れていた?
それが分かるのは、しばらくしてのことだ。
第9話 完
『いや、声を聞きたかっただけだ。俺もこの後、用事があるんでね。
何より、デートを邪魔するほど無粋じゃない』
クックック、という笑いが聞こえてきた。
「用事?」
『そうだ。まあそれはいずれ分かる。まだ着任までは間がある。その時になったら、また会おう』
そう言うと、一方的に電話は切られた。
「誰、ですか?」
心配そうに三田村嬢が訊いてきた。
「芹沢さん、です。今トレセン学園に挨拶に来たと。用事はそれだけのようでしたが」
「本当に、それだけですか」
ただ事ならぬ気配を察したのだろう。私は彼女に微笑みかけた。
「ええ、大丈夫です。……とりあえず、場所を変えましょうか」
*
その後、私たちはひとしきり中華街とみなとみらいで遊んだ。だが、心はどうにも晴れなかった。
何故芹沢さんは、私に連絡をしてきた?そしてなぜ、休日のトレセン学園を訪れていた?
それが分かるのは、しばらくしてのことだ。
第9話 完









































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