2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/09(日) 22:25:36.90 :Dar2WjyAO
私は右手をぎゅっと握る
その右手は世界を救った右手
私を救った右手
だけど貴方は――動かない
インデックス「――とうま、今日短髪が千羽鶴を置いたんだよ」
インデックス「短髪は涙でぐちゃぐちゃだったんだよ」
インデックス「とうまが早く起きればいいかも」
上条当麻「――」
私は右手をぎゅっと握る
その右手は世界を救った右手
私を救った右手
だけど貴方は――動かない
インデックス「――とうま、今日短髪が千羽鶴を置いたんだよ」
インデックス「短髪は涙でぐちゃぐちゃだったんだよ」
インデックス「とうまが早く起きればいいかも」
上条当麻「――」

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3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/09(日) 22:26:42.73 :Dar2WjyAO
私の言葉に彼は答えない
彼は蝋人形のように眠る
私は泣きたくなった
私の言葉に彼は答えない
彼は蝋人形のように眠る
私は泣きたくなった
4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/09(日) 22:31:59.61 :Dar2WjyAO
――その幻想をぶち殺す!
懐かしい言葉
私は眠っていたようだ
インデックス「とうまのことみんな心配してるんだよ」
彼は答えない
最後の一騎討ちで、彼は相討ちになった
彼は命をかけて世界を救い――そのまま動かなくなった
死んではいない
生きている
でも動かない
――その幻想をぶち殺す!
懐かしい言葉
私は眠っていたようだ
インデックス「とうまのことみんな心配してるんだよ」
彼は答えない
最後の一騎討ちで、彼は相討ちになった
彼は命をかけて世界を救い――そのまま動かなくなった
死んではいない
生きている
でも動かない
5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/09(日) 22:35:31.21 :Dar2WjyAO
インデックス「とうま」
ぎゅっと手を握る
彼の血潮が感じられる
インデックス「ねえとうま――わたしはとうまに伝えてない事があるんだよ」
インデックス「だから起きてほしいかも」
彼は答えない
インデックス「とうま」
ぎゅっと手を握る
彼の血潮が感じられる
インデックス「ねえとうま――わたしはとうまに伝えてない事があるんだよ」
インデックス「だから起きてほしいかも」
彼は答えない
6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/09(日) 22:39:12.70 :Dar2WjyAO
インデックス「――」
時計の針は無情にも進む
彼は起きない
マイセンの陶磁器見たいに彼は眠る
時が止まったように、動かない
インデックス「――」
時計の針は無情にも進む
彼は起きない
マイセンの陶磁器見たいに彼は眠る
時が止まったように、動かない
7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/09(日) 22:45:28.66 :Dar2WjyAO
インデックス「ねぇとうま――みんな待ってるかも」
彼はぴくりともしない
悲しくなる
強かった彼が、こうであると云うのは多くの人にショックを与えた
インデックス「――」
彼の額にキスをして、わたしはまた彼の横に座る
インデックス「ねぇとうま――みんな待ってるかも」
彼はぴくりともしない
悲しくなる
強かった彼が、こうであると云うのは多くの人にショックを与えた
インデックス「――」
彼の額にキスをして、わたしはまた彼の横に座る
8:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/09(日) 22:50:44.76 :Dar2WjyAO
桜は散って草は青々となり紅葉が散って雪が積もり四季は過ぎる
四季が過ぎるのが嫌になった
彼は起きない
わたしは一人だ
私も彼も共に記憶を失った者同士
だからだろうか
彼から離れたくない
桜は散って草は青々となり紅葉が散って雪が積もり四季は過ぎる
四季が過ぎるのが嫌になった
彼は起きない
わたしは一人だ
私も彼も共に記憶を失った者同士
だからだろうか
彼から離れたくない
13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/10(月) 23:57:18.78 :XPyBgjmAO
もし記憶がもう一度消えるなら――私は何を消すだろう?
彼が起きないなら、彼と一緒にいた時間を消すかもしれない
彼が起きないなら、この心は死んだ方がましだ
インデックス「辛いよ、とうま」
彼が起きなくなってもう二年
だけど――その二年はとても長かった
もし記憶がもう一度消えるなら――私は何を消すだろう?
彼が起きないなら、彼と一緒にいた時間を消すかもしれない
彼が起きないなら、この心は死んだ方がましだ
インデックス「辛いよ、とうま」
彼が起きなくなってもう二年
だけど――その二年はとても長かった
14:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/10(月) 23:59:10.71 :XPyBgjmAO
インデックス「とうま、とうまが起きないからステイルが禁煙に成功して、こもえにほめてもらってたんだよ」
他愛もない事を彼に話す
毒にも薬にもならない話し
上条当麻「」
いつか彼が起きると信じて
インデックス「とうま、とうまが起きないからステイルが禁煙に成功して、こもえにほめてもらってたんだよ」
他愛もない事を彼に話す
毒にも薬にもならない話し
上条当麻「」
いつか彼が起きると信じて
15:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/11(火) 00:03:13.97 :S56BUeZAO
チクタクチクタク
いつも無情に針は進む
彼の針は止まったまま
私の針は進んだまま
ああ――彼が進むか
――私が止まれば良いのに
ふっと、果物ナイフを手首に当てる
つーっと伝う血は、彼の寝具を濡らす
インデックス「あっ」
ぼうっとしすぎて、私は少し手首を切っていた
インデックス「・・・・・・」
疲れている
チクタクチクタク
いつも無情に針は進む
彼の針は止まったまま
私の針は進んだまま
ああ――彼が進むか
――私が止まれば良いのに
ふっと、果物ナイフを手首に当てる
つーっと伝う血は、彼の寝具を濡らす
インデックス「あっ」
ぼうっとしすぎて、私は少し手首を切っていた
インデックス「・・・・・・」
疲れている
16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/11(火) 00:14:36.66 :S56BUeZAO
インデックス「とうま」
インデックス「いまからわたしがいう事を聞いてほしいんだよ」
インデックス「多分とうまは鈍感だから気がついてないかもだけど」
言葉一つ一つをゆっくり吐き出す
インデックス「わたしを救ったあの時から」
喉が乾く
言葉を絞り出す
インデックス「私はとうまが好きだったんだよ」
インデックス「だから――」
死にたい
あなたが起きないなら、私の時計の針を止めたい
インデックス「――」
だから私は覚悟を決める
すっと刃物を手首に当てる
――どうせ今から死ぬんだ
だったら、最後のわがままくらい叶えたって良いだろう
インデックス「とうま」
インデックス「いまからわたしがいう事を聞いてほしいんだよ」
インデックス「多分とうまは鈍感だから気がついてないかもだけど」
言葉一つ一つをゆっくり吐き出す
インデックス「わたしを救ったあの時から」
喉が乾く
言葉を絞り出す
インデックス「私はとうまが好きだったんだよ」
インデックス「だから――」
死にたい
あなたが起きないなら、私の時計の針を止めたい
インデックス「――」
だから私は覚悟を決める
すっと刃物を手首に当てる
――どうせ今から死ぬんだ
だったら、最後のわがままくらい叶えたって良いだろう
17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/11(火) 00:15:12.70 :S56BUeZAO
チュ
チュ
18:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/11(火) 00:16:58.36 :S56BUeZAO
おそらく、最初で最後のキス
彼は目を開けない
だから――わたしが彼の時計にあわせよう
インデックス「大好きだよ、とうま」
手首を切ろうとした時――
おそらく、最初で最後のキス
彼は目を開けない
だから――わたしが彼の時計にあわせよう
インデックス「大好きだよ、とうま」
手首を切ろうとした時――
19:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/11(火) 00:19:21.86 :S56BUeZAO
上条当麻「俺もだ、インデックス」
ああ――そうだ
思い人の目を覚まさせるのはいつだって――
Fin
上条当麻「俺もだ、インデックス」
ああ――そうだ
思い人の目を覚まさせるのはいつだって――
Fin
21:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2014/03/11(火) 00:51:16.97 :YqCwhuD6o
乙
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