26: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:41:38.69 :rd60AkAz0
白銀髪の店員「ありがとうございました!」
食後、会計を終えた2人は店の外に出た。
5号「いやあ、美味しかったねぇ」
ノレア「そうですね」
白銀髪の店員「ありがとうございました!」
食後、会計を終えた2人は店の外に出た。
5号「いやあ、美味しかったねぇ」
ノレア「そうですね」

(ヽ´ん`)「なんで日本人ってもっと頭良く生きられないんだ?」

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27: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:42:35.38 :rd60AkAz0
ノレア「でも良かったんですか? ご馳走してもらっちゃって」
5号「もちろん。僕が誘ったしね。デート代は払うよ」
ノレア「・・・・・・デートって。私、知ってますからね。あなたがスレッタ・マーキュリーを口説(くど)いたこと」
5号「!? なんで知ってるの!? ・・・・・・って、そうか。そういえば、あの場にはソフィもいたんだっけ・・・・・・」
ノレア「でも良かったんですか? ご馳走してもらっちゃって」
5号「もちろん。僕が誘ったしね。デート代は払うよ」
ノレア「・・・・・・デートって。私、知ってますからね。あなたがスレッタ・マーキュリーを口説(くど)いたこと」
5号「!? なんで知ってるの!? ・・・・・・って、そうか。そういえば、あの場にはソフィもいたんだっけ・・・・・・」
28: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:45:58.08 :rd60AkAz0
ノレア「ええ。『街中で2人で遊んでたら、気持ち悪いやつがスレッタお姉ちゃんを口説いてきた』って
言ってましたよ。気持ち悪いやつって、あなたのことでしょう?」
5号「・・・・・・え、ちょっと待って。僕、ソフィと普通に面識あるし、何度も話してるよね?
ソフィの僕の評価って、そんな感じなの?」
ノレア「あなたの口説く姿が、相当気持ち悪かったんじゃないですか?
そんな男にデートと言われた所で、全然嬉しくないですね」
ノレアがジト目で5号を見る。
ノレア「ええ。『街中で2人で遊んでたら、気持ち悪いやつがスレッタお姉ちゃんを口説いてきた』って
言ってましたよ。気持ち悪いやつって、あなたのことでしょう?」
5号「・・・・・・え、ちょっと待って。僕、ソフィと普通に面識あるし、何度も話してるよね?
ソフィの僕の評価って、そんな感じなの?」
ノレア「あなたの口説く姿が、相当気持ち悪かったんじゃないですか?
そんな男にデートと言われた所で、全然嬉しくないですね」
ノレアがジト目で5号を見る。
29: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:47:09.02 :rd60AkAz0
5号「いや、あれは出来心だったというか・・・・・・!」
ノレア「へえ。じゃあ教えて下さいよ。なんで出来心を持ったのか」
5号「・・・・・・言わなきゃ駄目?」
ノレア「刺されたいですか?」
5号「いや、あれは出来心だったというか・・・・・・!」
ノレア「へえ。じゃあ教えて下さいよ。なんで出来心を持ったのか」
5号「・・・・・・言わなきゃ駄目?」
ノレア「刺されたいですか?」
30: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:48:24.29 :rd60AkAz0
再び鉛筆を取り出そうとするノレアを見て、5号は観念した。
5号「分かったよ・・・・・・ほら、僕達兄弟って、みんな同じ顔してるだろう?」
ノレア「6つ子ですからね」
※このSSでは、オリジナルのエラン様は末っ子(六男)の設定になっています。
再び鉛筆を取り出そうとするノレアを見て、5号は観念した。
5号「分かったよ・・・・・・ほら、僕達兄弟って、みんな同じ顔してるだろう?」
ノレア「6つ子ですからね」
※このSSでは、オリジナルのエラン様は末っ子(六男)の設定になっています。
31: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:50:33.33 :rd60AkAz0
5号「そうそう。つまり、端からみれば誰が誰だか分からないってわけ」
ノレア「・・・・・・まあ、普通はそうでしょうね」
5号「明確な違いなんて、小物類の身に着け方くらいだろう? だからさ、スレッタ・マーキュリーの前で
四男の真似をしても、バレないと思ったんだ。それにほら、スレッタ・マーキュリーのほうは
少なからずアイツ(四男)に気があるみたいだし。それを確かめてみたいなぁって思って・・・・・・」
ノレア「四男のフリして口説いたと」
5号「はい」
ノレア「・・・・・・気持ち悪」
5号「そうそう。つまり、端からみれば誰が誰だか分からないってわけ」
ノレア「・・・・・・まあ、普通はそうでしょうね」
5号「明確な違いなんて、小物類の身に着け方くらいだろう? だからさ、スレッタ・マーキュリーの前で
四男の真似をしても、バレないと思ったんだ。それにほら、スレッタ・マーキュリーのほうは
少なからずアイツ(四男)に気があるみたいだし。それを確かめてみたいなぁって思って・・・・・・」
ノレア「四男のフリして口説いたと」
5号「はい」
ノレア「・・・・・・気持ち悪」
32: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:52:12.92 :rd60AkAz0
5号「言わないでくれよ!!」
5号は泣きそうな勢いで言葉を続ける。
5号「頑張ってアイツ(四男)に寄せたのに、スレッタ・マーキュリーには速攻でバレるし、
ソフィには「少女マンガに出てくる、かませ犬みたい」とか言われたあげく、大爆笑されたんだよ!?
口説くフリをしたこと、本気で後悔したよ!」
今にも地面に崩れ落ちそうな5号に対し、ノレアは、
ノレア「・・・・・・一応聞いておくんですが、本当にフリなんですか?」
ほんの一瞬、不安げな表情をして、そう尋ねた。すると、
5号「言わないでくれよ!!」
5号は泣きそうな勢いで言葉を続ける。
5号「頑張ってアイツ(四男)に寄せたのに、スレッタ・マーキュリーには速攻でバレるし、
ソフィには「少女マンガに出てくる、かませ犬みたい」とか言われたあげく、大爆笑されたんだよ!?
口説くフリをしたこと、本気で後悔したよ!」
今にも地面に崩れ落ちそうな5号に対し、ノレアは、
ノレア「・・・・・・一応聞いておくんですが、本当にフリなんですか?」
ほんの一瞬、不安げな表情をして、そう尋ねた。すると、
33: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:53:42.05 :rd60AkAz0
5号「え? そりゃそうだよ」
あっけらかんと5号は答えた。
5号「だって、僕が好きなのは・・・・・・」
ノレア「・・・・・・好きなのは?」
5号「え? そりゃそうだよ」
あっけらかんと5号は答えた。
5号「だって、僕が好きなのは・・・・・・」
ノレア「・・・・・・好きなのは?」
34: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:54:28.14 :rd60AkAz0
ノレアと5号が見つめ合う形となり、そして・・・・・・。
5号「・・・・・・おっと、そろそろバイトの時間だ」
5号はそう言うと、視線を外した。
ノレアと5号が見つめ合う形となり、そして・・・・・・。
5号「・・・・・・おっと、そろそろバイトの時間だ」
5号はそう言うと、視線を外した。
35: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:55:11.46 :rd60AkAz0
ノレア「・・・・・・下手すぎません?」
5号「何が下手なのか分からないなぁ! というか、危うく個人情報をばらす所だったよ。ノレアは策士だね」
ノレア「あなたが勝手にばらそうとしただけです」
5号「・・・・・・そうとも言えるね」
ノレア「・・・・・・下手すぎません?」
5号「何が下手なのか分からないなぁ! というか、危うく個人情報をばらす所だったよ。ノレアは策士だね」
ノレア「あなたが勝手にばらそうとしただけです」
5号「・・・・・・そうとも言えるね」
36: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:56:05.98 :rd60AkAz0
ノレア「はあ。変なことばっかり言うからそうなるんですよ」
5号「あはは。でも、バイトがあるのはホントなんだよ。実は、2時間後にバイトが入ってる」
ノレア「・・・・・・そういえばあなた、よくバイトしてますよね。部活も入らずに」
5号「まあね。行きたい場所があるんだ」
ノレア「行きたい場所?」
ノレア「はあ。変なことばっかり言うからそうなるんですよ」
5号「あはは。でも、バイトがあるのはホントなんだよ。実は、2時間後にバイトが入ってる」
ノレア「・・・・・・そういえばあなた、よくバイトしてますよね。部活も入らずに」
5号「まあね。行きたい場所があるんだ」
ノレア「行きたい場所?」
37: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:57:11.85 :rd60AkAz0
5号「ああ。どうしてもそこに行きたい。だからお金を貯めてる」
そう言う5号の顔は、いつになく真剣だった。
ノレア「・・・・・・あなたがそこまで強く言うなんて珍しい。本気なんですね」
5号「ああ、もちろん。・・・・・・だからさ、ノレア。その時は一緒に・・・・・・」
5号が言葉を続けようとした、その時だった。
5号「ああ。どうしてもそこに行きたい。だからお金を貯めてる」
そう言う5号の顔は、いつになく真剣だった。
ノレア「・・・・・・あなたがそこまで強く言うなんて珍しい。本気なんですね」
5号「ああ、もちろん。・・・・・・だからさ、ノレア。その時は一緒に・・・・・・」
5号が言葉を続けようとした、その時だった。
38: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:58:12.06 :rd60AkAz0
ドォォオンッ!!!!!
突如、爆発音が聞こえた。
ドォォオンッ!!!!!
突如、爆発音が聞こえた。
39: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 19:59:19.46 :rd60AkAz0
それと同時に、2人の意識が途切れる。
その時間は一瞬にも思えたし、永遠のようにも思えた。
いつの間にか地面に膝をついていた2人は、まだ朦朧とした意識の中、辺りを見回す。
すると、現状が理解できた。
それと同時に、2人の意識が途切れる。
その時間は一瞬にも思えたし、永遠のようにも思えた。
いつの間にか地面に膝をついていた2人は、まだ朦朧とした意識の中、辺りを見回す。
すると、現状が理解できた。
40: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:00:19.99 :rd60AkAz0
自分たちが歩いていた街道。そこに並ぶように展開された商店の1つから、火の手が上がっていた。
勢いを増す炎。逃げまどう人々。崩落する街灯や看板。
小規模ながらも現実に起きた、疑いようのない地獄絵図を見て。
自分たちが歩いていた街道。そこに並ぶように展開された商店の1つから、火の手が上がっていた。
勢いを増す炎。逃げまどう人々。崩落する街灯や看板。
小規模ながらも現実に起きた、疑いようのない地獄絵図を見て。
41: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:02:00.33 :rd60AkAz0
----- 壊してやろう・・・・・・! 学園ごと、何もかも・・・・・・! -----
ノレアは、知らないはずの記憶を、断片的に思い出した。
----- 壊してやろう・・・・・・! 学園ごと、何もかも・・・・・・! -----
ノレアは、知らないはずの記憶を、断片的に思い出した。
42: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:03:22.74 :rd60AkAz0
5号「大丈夫か、ノレア!」
爆発は、本当に偶然起きたものだった。
黒幕なんて存在せず、奇跡のような確率で起きてしまった悲劇だった。
ゆえに、それが引き金となる。
5号「大丈夫か、ノレア!」
爆発は、本当に偶然起きたものだった。
黒幕なんて存在せず、奇跡のような確率で起きてしまった悲劇だった。
ゆえに、それが引き金となる。
43: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:04:12.75 :rd60AkAz0
ノレア「触るな! スペーシアンッ!」
5号「っ・・・・・・!」
ノレア「触るな! スペーシアンッ!」
5号「っ・・・・・・!」
44: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:05:03.23 :rd60AkAz0
ノレア「その反応と表情・・・・・・あなた、”覚えて”ますね?」
5号「!? まさかノレア、思い出したのか?」
5号の問いかけは、「はい」と言っているのと同義だった。ノレアの感情に、怒りが生じる。
ノレア「その反応と表情・・・・・・あなた、”覚えて”ますね?」
5号「!? まさかノレア、思い出したのか?」
5号の問いかけは、「はい」と言っているのと同義だった。ノレアの感情に、怒りが生じる。
45: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:05:56.05 :rd60AkAz0
ノレア「本当に・・・・・・いい性格してますね。あなた、何も覚えてない私を見て、裏で笑ってたんでしょう?」
5号「違う! そんなことは・・・・・・!」
ノレア「違わない! このまがい物の世界が何なのかは知りませんが、元の世界で私達は、
仲良しでも何でもなく、使い捨ての道具としての繋がりしかなかった!」
ノレア「本当に・・・・・・いい性格してますね。あなた、何も覚えてない私を見て、裏で笑ってたんでしょう?」
5号「違う! そんなことは・・・・・・!」
ノレア「違わない! このまがい物の世界が何なのかは知りませんが、元の世界で私達は、
仲良しでも何でもなく、使い捨ての道具としての繋がりしかなかった!」
46: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:08:24.09 :rd60AkAz0
ノレア「それなのに! この世界で私は、あなたと仲を深めただけじゃなく、
殺したいほど憎いはずのスペーシアンとも、交流をしていた! これが笑えないはず無いでしょう!?」
ノレアが衣服から鉛筆を取り出し、5号へと向ける。その先端は、5号の首元から数ミリのところまで迫っていた。
いつ刺されてもおかしくない状況の中、
5号「・・・・・・そうだね。元の世界で僕らは別に、仲良しじゃなかった」
ノレア「それなのに! この世界で私は、あなたと仲を深めただけじゃなく、
殺したいほど憎いはずのスペーシアンとも、交流をしていた! これが笑えないはず無いでしょう!?」
ノレアが衣服から鉛筆を取り出し、5号へと向ける。その先端は、5号の首元から数ミリのところまで迫っていた。
いつ刺されてもおかしくない状況の中、
5号「・・・・・・そうだね。元の世界で僕らは別に、仲良しじゃなかった」
47: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:09:37.60 :rd60AkAz0
5号「でもさ、仲良くなれる兆(きざ)しはあったよ」
あくまで冷静に、ノレアの瞳を見つめ、5号はそう告げた。
ノレア「・・・・・・あなた、この期に及んでそれって。死にたいんですか?」
5号「いいや? 君も知ってるだろう? 僕は長生きがしたいんだ。死にたくなんてない」
ノレア「だったら! そのふざけた態度は何なんですか!? 本当に刺しますよ!?」
5号「でもさ、仲良くなれる兆(きざ)しはあったよ」
あくまで冷静に、ノレアの瞳を見つめ、5号はそう告げた。
ノレア「・・・・・・あなた、この期に及んでそれって。死にたいんですか?」
5号「いいや? 君も知ってるだろう? 僕は長生きがしたいんだ。死にたくなんてない」
ノレア「だったら! そのふざけた態度は何なんですか!? 本当に刺しますよ!?」
48: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:10:14.13 :rd60AkAz0
5号「・・・・・・だって君、ずっと震えてるじゃないか」
5号「・・・・・・だって君、ずっと震えてるじゃないか」
49: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:11:23.56 :rd60AkAz0
5号「それじゃあ、誰も殺せないよ」
そう言って5号は、ノレアから鉛筆を優しく取り上げた。
ノレア「あっ・・・・・・」
それと同時に、ノレアは崩れ落ちるように膝を地面につける。
しばらく沈黙していたノレアだったが、やがて口を開き、
ノレア「・・・・・なんで、あなたは平気なんですか?」
そう問いかけた。
5号「それじゃあ、誰も殺せないよ」
そう言って5号は、ノレアから鉛筆を優しく取り上げた。
ノレア「あっ・・・・・・」
それと同時に、ノレアは崩れ落ちるように膝を地面につける。
しばらく沈黙していたノレアだったが、やがて口を開き、
ノレア「・・・・・なんで、あなたは平気なんですか?」
そう問いかけた。
50: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:12:18.60 :rd60AkAz0
ノレア「あなたも私も、ガンダムに乗ってたでしょう? その記憶を思い出して、どうして平気でいられるんですか?」
ノレア「ガンダムに乗るたび、私達は命を削っていました。パーメットスコアが上昇するたび、
死が間近に近づいてくる。その恐怖を思い出したら、とても正気じゃいられない」
ノレア「この甘ったれた世界に慣れてしまったから・・・・・・尚更です。それに私は、自分の最期も思い出してっ・・・・・・!」
ノレアの瞳から涙がこぼれる。その瞬間、
ノレア「あなたも私も、ガンダムに乗ってたでしょう? その記憶を思い出して、どうして平気でいられるんですか?」
ノレア「ガンダムに乗るたび、私達は命を削っていました。パーメットスコアが上昇するたび、
死が間近に近づいてくる。その恐怖を思い出したら、とても正気じゃいられない」
ノレア「この甘ったれた世界に慣れてしまったから・・・・・・尚更です。それに私は、自分の最期も思い出してっ・・・・・・!」
ノレアの瞳から涙がこぼれる。その瞬間、
51: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:14:18.73 :rd60AkAz0
5号「忘れよう」
そう言って、5号はノレアを抱きしめた。
5号「忘れよう」
そう言って、5号はノレアを抱きしめた。
52: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:15:03.71 :rd60AkAz0
5号「震えて泣くほど怖い記憶なんて、忘れてしまえ」
ノレア「・・・・・・簡単に言わないで下さい」
5号「簡単さ。ほら、こうやって何かに集中すれば、その事以外は希薄になる」
ノレア「それで抱きしめたんですか・・・・・・?」
5号「震えて泣くほど怖い記憶なんて、忘れてしまえ」
ノレア「・・・・・・簡単に言わないで下さい」
5号「簡単さ。ほら、こうやって何かに集中すれば、その事以外は希薄になる」
ノレア「それで抱きしめたんですか・・・・・・?」
53: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:16:17.13 :rd60AkAz0
5号「うーん。単に抱きしめたかったから、っていうのもあるね」
ノレア「なにそれっ・・・・・・!」
思わずノレアは笑う。
5号「うーん。単に抱きしめたかったから、っていうのもあるね」
ノレア「なにそれっ・・・・・・!」
思わずノレアは笑う。
54: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:16:56.16 :rd60AkAz0
ノレア「でも、ずっとこうしている訳にもいかないじゃないですか」
5号「あっ。それもそうだね」
そう言うと、5号は片手でスマホを取り出した。
ノレア「でも、ずっとこうしている訳にもいかないじゃないですか」
5号「あっ。それもそうだね」
そう言うと、5号は片手でスマホを取り出した。
55: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:18:20.91 :rd60AkAz0
5号「あ、もしもし、店長? 僕です、僕。今日のバイトなんですけど、ちょーっと都合が悪くなりまして。
申し訳ないんですがお休みさせていただきます。ああ、ハイ。この埋め合わせは必ず。じゃあまた!」
ノレア「・・・・・・今の何です?」
5号「いやほら、この後バイトがあるって言ったろう? だからキャンセルの電話をしたんだ。
これでまだこうしていられる」
ノレア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しばらく呆気にとられていたノレアだったが、
5号「あ、もしもし、店長? 僕です、僕。今日のバイトなんですけど、ちょーっと都合が悪くなりまして。
申し訳ないんですがお休みさせていただきます。ああ、ハイ。この埋め合わせは必ず。じゃあまた!」
ノレア「・・・・・・今の何です?」
5号「いやほら、この後バイトがあるって言ったろう? だからキャンセルの電話をしたんだ。
これでまだこうしていられる」
ノレア「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
しばらく呆気にとられていたノレアだったが、
56: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:20:35.42 :rd60AkAz0
ノレア「・・・・・・あはっ。あはははっ!」
堰を切ったように、爆笑した。
ノレア「・・・・・・あはっ。あはははっ!」
堰を切ったように、爆笑した。
57: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:22:46.72 :rd60AkAz0
ノレア「そ、そういう意味で言ったんじゃなく・・・・・・て、あははっ 駄目、笑いが止まらないっ」
ノレアはしばらく笑い続け、その後、言葉を続けた。
ノレア「ふふっ。私、これだけ笑ったの、元の世界を含めて初めてですよ」
5号「・・・・・・なんかいまいち釈然としないけど、涙が止まったのなら良かったよ」
ノレア「そ、そういう意味で言ったんじゃなく・・・・・・て、あははっ 駄目、笑いが止まらないっ」
ノレアはしばらく笑い続け、その後、言葉を続けた。
ノレア「ふふっ。私、これだけ笑ったの、元の世界を含めて初めてですよ」
5号「・・・・・・なんかいまいち釈然としないけど、涙が止まったのなら良かったよ」
58: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:23:52.53 :rd60AkAz0
ノレア「まあ、別の意味で震えは止まらないですけどね」
5号「・・・・・・ねえ。君の方がいい性格してると思うんだけど」
ノレア「何か言いました?」
5号「別にぃー」
軽くふてくされた5号を見て、ノレアは再び笑みを浮かべた。
ノレア「まあ、別の意味で震えは止まらないですけどね」
5号「・・・・・・ねえ。君の方がいい性格してると思うんだけど」
ノレア「何か言いました?」
5号「別にぃー」
軽くふてくされた5号を見て、ノレアは再び笑みを浮かべた。
59: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:25:09.02 :rd60AkAz0
◇ ◇ ◇
5号「それでどう? もう大丈夫?」
ノレア「ええ。おかげさまで」
5号とノレアは手を繋ぎ、帰路へと向かう。
◇ ◇ ◇
5号「それでどう? もう大丈夫?」
ノレア「ええ。おかげさまで」
5号とノレアは手を繋ぎ、帰路へと向かう。
60: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:27:09.34 :rd60AkAz0
5号「また怖い目にあったら言ってよ。いつでも駆けつけるからさ。
まあ、今回みたいなことはそうそう無いと思うけど」
ノレア「・・・・・・それはどうも。でも、大変じゃないですか?」
5号「約束したからね。隣にいるって」
ノレア「・・・・・・あっ」
5号「また怖い目にあったら言ってよ。いつでも駆けつけるからさ。
まあ、今回みたいなことはそうそう無いと思うけど」
ノレア「・・・・・・それはどうも。でも、大変じゃないですか?」
5号「約束したからね。隣にいるって」
ノレア「・・・・・・あっ」
61: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:28:05.31 :rd60AkAz0
----- 生き方が分からないなら、一緒に探してやる! 怖いなら隣にいてやる! -----
----- 生き方が分からないなら、一緒に探してやる! 怖いなら隣にいてやる! -----
62: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:30:10.88 :rd60AkAz0
5号「それとも、僕と一緒にいるのは嫌かい?」
5号がそう問いかけると、ノレアの頬が朱色に染まった。
ノレア「そ、そんなことは、ない、です」
頬の変化を隠すためか、ノレアが顔を背ける。その姿を見て、5号は笑みを浮かべた。
5号「それとも、僕と一緒にいるのは嫌かい?」
5号がそう問いかけると、ノレアの頬が朱色に染まった。
ノレア「そ、そんなことは、ない、です」
頬の変化を隠すためか、ノレアが顔を背ける。その姿を見て、5号は笑みを浮かべた。
63: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:31:36.15 :rd60AkAz0
5号「それは良かった。ただ残念ながら、隣にいるのがどうしても難しい時ってあるからさ。
これを僕だと思って、お守り代わりに持っててよ」
そう言って5号は、ノレアに品物を渡す。それを受け取ったノレアは、訝しげな表情で問いかけた。
ノレア「・・・・・・・・・・・・何ですか、これ?」
5号「それは良かった。ただ残念ながら、隣にいるのがどうしても難しい時ってあるからさ。
これを僕だと思って、お守り代わりに持っててよ」
そう言って5号は、ノレアに品物を渡す。それを受け取ったノレアは、訝しげな表情で問いかけた。
ノレア「・・・・・・・・・・・・何ですか、これ?」
64: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:33:36.79 :rd60AkAz0
5号「見ての通り、れんげだよ。天下一品ってキャンペーン期間中、
スマホのアプリでポイントが貯められるんだけど、その交換商品。実はさっき、店で交換してきたんだ」
ノレア「いや、そういう事じゃなく」
5号「お守りをれんげにした理由ってこと?」
ノレア「はい」
5号「・・・・・・まあ、別にれんげじゃなくても良かったんだけどさ。分かりやすいじゃないか」
ノレア「分かりやすい? 何がです?」
5号「見ての通り、れんげだよ。天下一品ってキャンペーン期間中、
スマホのアプリでポイントが貯められるんだけど、その交換商品。実はさっき、店で交換してきたんだ」
ノレア「いや、そういう事じゃなく」
5号「お守りをれんげにした理由ってこと?」
ノレア「はい」
5号「・・・・・・まあ、別にれんげじゃなくても良かったんだけどさ。分かりやすいじゃないか」
ノレア「分かりやすい? 何がです?」
65: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:35:13.82 :rd60AkAz0
5号「今日一緒にラーメンを食べたのが、僕らの初デートだったってこと」
5号はいつも通りに振る舞うが、ほんの少しだけ、頬が赤く染まっていた。
5号「今日一緒にラーメンを食べたのが、僕らの初デートだったってこと」
5号はいつも通りに振る舞うが、ほんの少しだけ、頬が赤く染まっていた。
66: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:37:08.39 :rd60AkAz0
5号「それで、ときどきでいいから『そういえばあの日が初デートだったなあ』って思い返してくれたら、嬉しい」
ノレア「・・・・・・馬鹿なの? あなた」
そう言って呆れながらも、ノレアは微笑んだ。
終わり
5号「それで、ときどきでいいから『そういえばあの日が初デートだったなあ』って思い返してくれたら、嬉しい」
ノレア「・・・・・・馬鹿なの? あなた」
そう言って呆れながらも、ノレアは微笑んだ。
終わり
67: ◆WLqChR3KymnV:2023/06/25(日) 20:50:58.41 :rd60AkAz0
以上で完結です。
後半まで読んで下さった方々、ありがとうございました!
ちなみに、完全に余談ですがこのSSは、昔書いた、
【DOD3】ゼロ「天下一品に行ったことがないだと・・・」 というSSと同じ世界の話になっています。
今回のSSの茶髪の店員や白銀髪の店員の正体は、ドラッグオンドラグーンシリーズやニーアシリーズを
ご存知の方なら察しがつくかと思います。もし興味があればご覧下さい。
(また、ネタバレになりますが、上記のSSを書いた2014年当時は、中野に天下一品はありませんでした。
何の事を言ってるのかは、SSを読めばお分かりになるかと思います)
それでは最後までご覧いただき、本当に、本当にありがとうございました!
後半まで読んで下さった方々、ありがとうございました!
ちなみに、完全に余談ですがこのSSは、昔書いた、
【DOD3】ゼロ「天下一品に行ったことがないだと・・・」 というSSと同じ世界の話になっています。
今回のSSの茶髪の店員や白銀髪の店員の正体は、ドラッグオンドラグーンシリーズやニーアシリーズを
ご存知の方なら察しがつくかと思います。もし興味があればご覧下さい。
(また、ネタバレになりますが、上記のSSを書いた2014年当時は、中野に天下一品はありませんでした。
何の事を言ってるのかは、SSを読めばお分かりになるかと思います)
それでは最後までご覧いただき、本当に、本当にありがとうございました!
コメント 2
コメント一覧 (2)
よーしよしよし良作発見!
森きのこ
が
しました
森きのこ
が
しました