1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/09/28(土) 22:56:39.40 :zmZjuACE0
その子はベッドに横たわっていた。
「ああ、すまぬな…先生。来てくれたか」
身動ぎをして、呻くように声を上げる。
やや掠れたその声は風邪でも引いているかのようで、病気のお見舞いに来ているような気分になった。
「楽にしててね」
先生は優しくそう言うと、来客用の椅子を自分で運んだ。
「出迎えもできず、礼を失してしまったのう…」
身を起こしてベッドが軋む。
布団をつまみながら、ベッドに座ったままキサキは笑顔を先生に向けた。
その表情は成熟していて、華奢で小さな体躯からはまるで不釣り合いなものだった。
「世話になっている先生にはせめて、失礼のないよう振る舞いたかったのじゃが」
「いいっこなしだよ。せめて私には気を張らないでいい」
「そうじゃったな…なんとも落ち着かない」
小さな手が、ぎゅっと布団の裾を掴む。
「先生のことは信用しておるが…裸を見せておるような気分じゃ」
「え、えっと」
「くふふ、冗談じゃ。それより先生、今日呼んだ理由じゃが」
そう言いさしてキサキは黙り込み、先生のことをただ見つめた。
小さな手で、自分の隣をぽんぽんと叩く。
先生は少し逡巡した後、椅子から立ち上がってベッドの端に座った。その間の距離をキサキがにじり寄る。
「うむ」
先生の腕に手を添えて、耳元へ近づく。
「それで、本題じゃが…」
その子はベッドに横たわっていた。
「ああ、すまぬな…先生。来てくれたか」
身動ぎをして、呻くように声を上げる。
やや掠れたその声は風邪でも引いているかのようで、病気のお見舞いに来ているような気分になった。
「楽にしててね」
先生は優しくそう言うと、来客用の椅子を自分で運んだ。
「出迎えもできず、礼を失してしまったのう…」
身を起こしてベッドが軋む。
布団をつまみながら、ベッドに座ったままキサキは笑顔を先生に向けた。
その表情は成熟していて、華奢で小さな体躯からはまるで不釣り合いなものだった。
「世話になっている先生にはせめて、失礼のないよう振る舞いたかったのじゃが」
「いいっこなしだよ。せめて私には気を張らないでいい」
「そうじゃったな…なんとも落ち着かない」
小さな手が、ぎゅっと布団の裾を掴む。
「先生のことは信用しておるが…裸を見せておるような気分じゃ」
「え、えっと」
「くふふ、冗談じゃ。それより先生、今日呼んだ理由じゃが」
そう言いさしてキサキは黙り込み、先生のことをただ見つめた。
小さな手で、自分の隣をぽんぽんと叩く。
先生は少し逡巡した後、椅子から立ち上がってベッドの端に座った。その間の距離をキサキがにじり寄る。
「うむ」
先生の腕に手を添えて、耳元へ近づく。
「それで、本題じゃが…」
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2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/09/28(土) 22:58:50.91 :zmZjuACE0
「近くない?」
「内密の話じゃからの」
「キサキの部屋なら誰にも聞かれることはないんじゃ…」
「誰が聞き耳を立てておるかわからぬからのう…日々の用心を欠かすようであれば門主は務まらぬよ」
「そ、そうなんだね…」
「うむ…ふーっ…」
「うわぁっ!!キサキ!なにを…」
「…すまぬ。出来心じゃ…先生ならゆるしてくれるかと思っての。後生じゃから戻ってきてくりゃれ」
「はぁ…心臓が保たないからやめてね…」
「謝罪を、ここに」
先生がベッドに身を降ろすと、キサキがまた腕に触れる。
「先生には嫌われとうない」
「こんなことで嫌うわけないよ…」
「ほう?そうさな、たしかに先生が生徒のことを嫌う想像はできんのう…?」
「先生だからね…」
「だが逆に特別好かれることも想像がつかん。先生は平等じゃからの」
「みんな好きだよ…は、嘘くさいか」
「そうじゃのう」
「あの…キサキ?」
もはやキサキは先生に寄りかかっていた。
肩に白い指が這い、上半身がくっついて先生の腕を温めていた。
「近くない?」
「内密の話じゃからの」
「キサキの部屋なら誰にも聞かれることはないんじゃ…」
「誰が聞き耳を立てておるかわからぬからのう…日々の用心を欠かすようであれば門主は務まらぬよ」
「そ、そうなんだね…」
「うむ…ふーっ…」
「うわぁっ!!キサキ!なにを…」
「…すまぬ。出来心じゃ…先生ならゆるしてくれるかと思っての。後生じゃから戻ってきてくりゃれ」
「はぁ…心臓が保たないからやめてね…」
「謝罪を、ここに」
先生がベッドに身を降ろすと、キサキがまた腕に触れる。
「先生には嫌われとうない」
「こんなことで嫌うわけないよ…」
「ほう?そうさな、たしかに先生が生徒のことを嫌う想像はできんのう…?」
「先生だからね…」
「だが逆に特別好かれることも想像がつかん。先生は平等じゃからの」
「みんな好きだよ…は、嘘くさいか」
「そうじゃのう」
「あの…キサキ?」
もはやキサキは先生に寄りかかっていた。
肩に白い指が這い、上半身がくっついて先生の腕を温めていた。
3:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/09/28(土) 23:00:23.09 :zmZjuACE0
キサキの唇が先生の耳元で動く。
「ああ、あれは気に入ってくれたかの?前に、他校の制服姿で撮って、送ってあげたじゃろ?」
「大事に保存してるけど…」
「くれぐれも他の者にはみられぬように。先生にだけ、じゃからな」
「可愛かったよ」
「…ふむ。不思議じゃな」
「何が?」
「さして服装に関心はなかった。じゃがこうも先生に褒められると…他の服も着てみたくなる」
「着てくれるの?」
「また、妾のために選んでくれるかえ?」
「私でいいなら」
「ふふ…あのとき、買ってくれた制服は言われた通り、先生のことを考えながら着ておるよ」
「…ちょくちょく着てはいるの?」
「誰に見せるでもないがの。ほれ、先生に褒められて、妾も調子にのってしまって…一人で着て、姿見の前で立って…くふふ。妾らしくないのう?」
「実際、めちゃくちゃ可愛いからね」
「…また送ったら、喜んでくれるかえ?」
「それはもう、めちゃくちゃ嬉しいけど」
「それなら、また今度に」
「やったー!」
「先生と遊んでまわった日のことを思い出して、ちょくちょく着ておるのじゃ」
「…また遊びに行こうね」
「うむ」
キサキの唇が先生の耳元で動く。
「ああ、あれは気に入ってくれたかの?前に、他校の制服姿で撮って、送ってあげたじゃろ?」
「大事に保存してるけど…」
「くれぐれも他の者にはみられぬように。先生にだけ、じゃからな」
「可愛かったよ」
「…ふむ。不思議じゃな」
「何が?」
「さして服装に関心はなかった。じゃがこうも先生に褒められると…他の服も着てみたくなる」
「着てくれるの?」
「また、妾のために選んでくれるかえ?」
「私でいいなら」
「ふふ…あのとき、買ってくれた制服は言われた通り、先生のことを考えながら着ておるよ」
「…ちょくちょく着てはいるの?」
「誰に見せるでもないがの。ほれ、先生に褒められて、妾も調子にのってしまって…一人で着て、姿見の前で立って…くふふ。妾らしくないのう?」
「実際、めちゃくちゃ可愛いからね」
「…また送ったら、喜んでくれるかえ?」
「それはもう、めちゃくちゃ嬉しいけど」
「それなら、また今度に」
「やったー!」
「先生と遊んでまわった日のことを思い出して、ちょくちょく着ておるのじゃ」
「…また遊びに行こうね」
「うむ」
4:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/09/28(土) 23:01:45.75 :zmZjuACE0
「…それで、今日私を呼んだ本題なんだけど」
「そうじゃったな。内密の話じゃ…」
キサキはさらに先生の耳にくっつくほどに近づいて、小さな声で言った。
「さみしくなっての…」
「…えっ?」
「門主という立場は難儀なものじゃのう。先生にはもう、事情がわかると思うが」
「あっ、えっ、まあ…うん」
「先生なら、これまでの会話だけでも察してくれていたやもしれぬな?妾の真意に」
「ん?」
「言葉にすることは簡単じゃが、細心の注意を払わねばならん。人の口を経るごとに、その重みは増していく。ましてや、妾ほどの立場ともなると、一挙手一投足を注目されておる」
「はぁ…」
「なれば、うかうかと弱音一つこぼすこともできぬ。だからといって、誰もおらぬ私室で独り言をこぼしたとて、かえって毒になりかねん」
「はい…」
「大事なことじゃ。そうは思わんか?忙しくて返信が滞りがちな先生?」
「うっ…ごめん」
「冗談じゃ…が、さて、妾の真意を聞いた其方は、何をしてくれるかのう?」
喋るたびに熱い吐息が耳にかかる。
部屋は香薬で満たされていて、体の奥にまで染み渡っていくようだった。キサキが常用している香りだ。
キサキが先生の腕を抱きしめ、華奢で柔らかな体の重みが伝わってきていた。
「先生は妾のことを大事にしてくれるからのう…」
「うん…そうだね…」
「楽しみじゃ」
ベッドがきしむ。
キサキが手をついて、体を乗り出していた。
「…それで、今日私を呼んだ本題なんだけど」
「そうじゃったな。内密の話じゃ…」
キサキはさらに先生の耳にくっつくほどに近づいて、小さな声で言った。
「さみしくなっての…」
「…えっ?」
「門主という立場は難儀なものじゃのう。先生にはもう、事情がわかると思うが」
「あっ、えっ、まあ…うん」
「先生なら、これまでの会話だけでも察してくれていたやもしれぬな?妾の真意に」
「ん?」
「言葉にすることは簡単じゃが、細心の注意を払わねばならん。人の口を経るごとに、その重みは増していく。ましてや、妾ほどの立場ともなると、一挙手一投足を注目されておる」
「はぁ…」
「なれば、うかうかと弱音一つこぼすこともできぬ。だからといって、誰もおらぬ私室で独り言をこぼしたとて、かえって毒になりかねん」
「はい…」
「大事なことじゃ。そうは思わんか?忙しくて返信が滞りがちな先生?」
「うっ…ごめん」
「冗談じゃ…が、さて、妾の真意を聞いた其方は、何をしてくれるかのう?」
喋るたびに熱い吐息が耳にかかる。
部屋は香薬で満たされていて、体の奥にまで染み渡っていくようだった。キサキが常用している香りだ。
キサキが先生の腕を抱きしめ、華奢で柔らかな体の重みが伝わってきていた。
「先生は妾のことを大事にしてくれるからのう…」
「うん…そうだね…」
「楽しみじゃ」
ベッドがきしむ。
キサキが手をついて、体を乗り出していた。
5:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/09/28(土) 23:06:43.01 :zmZjuACE0
「…気がのらぬか?どれ」
からかうように言うと、キサキはベッドに膝をついた。
「キサキ…」
「初めてではなかろ?」
先生の膝へ手をかけて、ニヤリと笑みを浮かべると、そのまま顔をそこへうずめる。
「…」
そうして、先生に膝枕をしてもらったキサキは、控えめに目をしょぼしょぼとさせていた。
「近頃、よく眠れてなくてのう…すまぬが、先生、また頼めるか?」
「いつもお疲れ様、キサキ」
「こんな甘えた姿、皆には見せられぬな…」
可愛くあくびを漏らすと、先生に頭を撫でてもらいながら、うとうとしはじめた。
スリットからのぞかせる脚をもぞもぞと動かす。
「…眠ったら、てきとうに運んでくれ。呼びつけておいて、悪いが」
「うん。わかった」
「…せっかく、先生に来てもらったというのに、寝て時間を浪費するのは損じゃの」
「また、当番に来てよ」
「…うむ…先生といると、目まぐるしくて、楽しいことばかりでな。たくさんのことを教えてくれる」
「それならよかった」
「やはり、先生は、手元に置いておきたい…それが、山海経のためにも、なる」
「私はみんなの先生だからねぇ」
「妾がおねだりしても、だめかえ?何でも、してあげられるが」
含みのある目つきで先生を見上げる。やけに甘ったるい声だった。
「今なら、何をされても許すというのはどうじゃ?」
甘ったるい匂いが鼻につく。
「…気がのらぬか?どれ」
からかうように言うと、キサキはベッドに膝をついた。
「キサキ…」
「初めてではなかろ?」
先生の膝へ手をかけて、ニヤリと笑みを浮かべると、そのまま顔をそこへうずめる。
「…」
そうして、先生に膝枕をしてもらったキサキは、控えめに目をしょぼしょぼとさせていた。
「近頃、よく眠れてなくてのう…すまぬが、先生、また頼めるか?」
「いつもお疲れ様、キサキ」
「こんな甘えた姿、皆には見せられぬな…」
可愛くあくびを漏らすと、先生に頭を撫でてもらいながら、うとうとしはじめた。
スリットからのぞかせる脚をもぞもぞと動かす。
「…眠ったら、てきとうに運んでくれ。呼びつけておいて、悪いが」
「うん。わかった」
「…せっかく、先生に来てもらったというのに、寝て時間を浪費するのは損じゃの」
「また、当番に来てよ」
「…うむ…先生といると、目まぐるしくて、楽しいことばかりでな。たくさんのことを教えてくれる」
「それならよかった」
「やはり、先生は、手元に置いておきたい…それが、山海経のためにも、なる」
「私はみんなの先生だからねぇ」
「妾がおねだりしても、だめかえ?何でも、してあげられるが」
含みのある目つきで先生を見上げる。やけに甘ったるい声だった。
「今なら、何をされても許すというのはどうじゃ?」
甘ったるい匂いが鼻につく。
6:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/09/28(土) 23:08:07.22 :zmZjuACE0
「…前も同じようなこと言ってなかった?」
「うむ。そうかもしれんの」
「前と同じように、繰り返すよ」
「そうか」
ごろりと身じろぎをして、先生から視線を外した。
「…また先生におんぶしてもらいたいのう」
「話がころころ変わるねぇ…誰もいないところだったら、いいよ」
「ふふ…ほんに先生は優しいのう…ますます側にいてほしくなる…」
「いつでも呼んでね」
「…」
じきにキサキは寝息を立てた。
先生はちゃんと寝入ったことを確認してから、キサキをお姫様抱っこで、頭を枕で敷いて横たえさせた。
「軽いな…」
布団をかけながら、先生は独り言をいった。
あどけない寝顔を眺めて、頭を撫でて、静かに部屋を出ていった。
「…またの、先生」
そうつぶやきながら、キサキは寝返りをうって、また寝息を立てた。
「…前も同じようなこと言ってなかった?」
「うむ。そうかもしれんの」
「前と同じように、繰り返すよ」
「そうか」
ごろりと身じろぎをして、先生から視線を外した。
「…また先生におんぶしてもらいたいのう」
「話がころころ変わるねぇ…誰もいないところだったら、いいよ」
「ふふ…ほんに先生は優しいのう…ますます側にいてほしくなる…」
「いつでも呼んでね」
「…」
じきにキサキは寝息を立てた。
先生はちゃんと寝入ったことを確認してから、キサキをお姫様抱っこで、頭を枕で敷いて横たえさせた。
「軽いな…」
布団をかけながら、先生は独り言をいった。
あどけない寝顔を眺めて、頭を撫でて、静かに部屋を出ていった。
「…またの、先生」
そうつぶやきながら、キサキは寝返りをうって、また寝息を立てた。
7:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/09/28(土) 23:09:48.60 :zmZjuACE0
終わり
サ・ソ・イ・受ケ・・・・・・・・
サ・ソ・イ・受ケ・・・・・・・・
9:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2024/09/29(日) 03:23:36.16 :HjSwsPdjo
おつおつ
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