2:1/7 ◆cj95/MNHvA:2016/03/20(日) 15:26:06.64 :wsQNPkNs0
提督「……不知火」
不知火「おや、司令。お疲れ様です」
提督「なにをしていたんだ?」
不知火「いえ。海を見ていました」
提督「海を? 出撃で飽きるほど見てるだろう」
不知火「ええ、まあ。しかし、陸から見る海は、また違うのですよ」
提督「そういうものか?」
不知火「そういうものです」
提督「……不知火」
不知火「おや、司令。お疲れ様です」
提督「なにをしていたんだ?」
不知火「いえ。海を見ていました」
提督「海を? 出撃で飽きるほど見てるだろう」
不知火「ええ、まあ。しかし、陸から見る海は、また違うのですよ」
提督「そういうものか?」
不知火「そういうものです」

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韓国からポーランドに輸出されるはずだった戦車、軽戦闘機、自走砲などの「K防産」、すべて霧散して夢と終わる可能性も…
3:2/7 ◆cj95/MNHvA:2016/03/20(日) 15:26:33.67 :wsQNPkNs0
提督「そうか。提督になると、海に出ることがめっきりなくなったな」
不知火「司令も以前は、海に?」
提督「ああ、まあな。海自だったから」
不知火「では、連中が出る前ですか」
提督「そう。おまえたちが就役する前」
不知火「……提督は、陸から見る海に、何か感じませんか?」
提督「いや。俺にとって、海は恐怖の象徴でしかないからな」
不知火「それは不知火も同じです。出撃の度、死を覚悟して海に出ています」
提督「そうか。提督になると、海に出ることがめっきりなくなったな」
不知火「司令も以前は、海に?」
提督「ああ、まあな。海自だったから」
不知火「では、連中が出る前ですか」
提督「そう。おまえたちが就役する前」
不知火「……提督は、陸から見る海に、何か感じませんか?」
提督「いや。俺にとって、海は恐怖の象徴でしかないからな」
不知火「それは不知火も同じです。出撃の度、死を覚悟して海に出ています」
4:3/7 ◆cj95/MNHvA:2016/03/20(日) 15:27:06.02 :wsQNPkNs0
提督「お揃いだな。俺もおまえたちを失うのが怖くて仕方がない」
不知火「……しかし、不知火にとって、戦いの海と、陸から見る海は、違います」
提督「どういうことだ?」
不知火「それは……艦娘として生まれて、嬉しかったことがみっつ、あるのです」
提督「嬉しかったこと?」
不知火「はい。ひとつは、この日本が、未だあること」
提督「日本がか」
不知火「ええ。『不知火』の最後の記憶は、早霜乗員の救助に失敗し、船員も、この身も、すべてを失った記憶です」
提督「お揃いだな。俺もおまえたちを失うのが怖くて仕方がない」
不知火「……しかし、不知火にとって、戦いの海と、陸から見る海は、違います」
提督「どういうことだ?」
不知火「それは……艦娘として生まれて、嬉しかったことがみっつ、あるのです」
提督「嬉しかったこと?」
不知火「はい。ひとつは、この日本が、未だあること」
提督「日本がか」
不知火「ええ。『不知火』の最後の記憶は、早霜乗員の救助に失敗し、船員も、この身も、すべてを失った記憶です」
5:4/7 ◆cj95/MNHvA:2016/03/20(日) 15:27:50.26 :wsQNPkNs0
提督「……」
不知火「その後、守るべき国が、いったいどうなったのか、不知火には知る由もありませんでした」
不知火「艦娘としてこの世に生まれ、敗戦を知ったとき――涙が止まりませんでした。守るべき国が、守るべき民が、蹂躙されたのだと」
提督「不知火」
不知火「不知火の、帝国海軍の、力が及ばなかったばかりにです」
提督「おまえのせいじゃない」
不知火「いいえ。不知火のせいだけではないかもしれません。しかし、不知火に責任の一端があることは事実です」
不知火「しかし同時に、日本が、あの頃からは信じられないほど繁栄を遂げていることを、嬉しく思いました」
提督「……」
不知火「その後、守るべき国が、いったいどうなったのか、不知火には知る由もありませんでした」
不知火「艦娘としてこの世に生まれ、敗戦を知ったとき――涙が止まりませんでした。守るべき国が、守るべき民が、蹂躙されたのだと」
提督「不知火」
不知火「不知火の、帝国海軍の、力が及ばなかったばかりにです」
提督「おまえのせいじゃない」
不知火「いいえ。不知火のせいだけではないかもしれません。しかし、不知火に責任の一端があることは事実です」
不知火「しかし同時に、日本が、あの頃からは信じられないほど繁栄を遂げていることを、嬉しく思いました」
6:5/7 ◆cj95/MNHvA:2016/03/20(日) 15:28:29.57 :wsQNPkNs0
提督「……そうだな。俺は大戦を知らないが、その頃からは想像もできないだろう」
不知火「はい。これがひとつめです」
提督「ふたつめは?」
不知火「司令は、海自にいらしたのですね。では御存知と思いますが、海自の艦の名です」
提督「ああ。艦娘と同じ名を持つ艦も多いな」
不知火「残念ながら、『しらぬい』はいませんが。妹の『くろしお』を始め、『ゆうばり』、『あたご』、『こんごう』……多くの名が、受け継がれています」
提督「そうだな。俺の乗っていた艦もそのひとつだった」
不知火「名は体を表す、と言いますが、不知火たちが戦ったことが、無意味ではなかったのだと。私たちが守ろうとしたもの……その思いは受け継がれているのだと、実感できます」
提督「……そうだな。俺は大戦を知らないが、その頃からは想像もできないだろう」
不知火「はい。これがひとつめです」
提督「ふたつめは?」
不知火「司令は、海自にいらしたのですね。では御存知と思いますが、海自の艦の名です」
提督「ああ。艦娘と同じ名を持つ艦も多いな」
不知火「残念ながら、『しらぬい』はいませんが。妹の『くろしお』を始め、『ゆうばり』、『あたご』、『こんごう』……多くの名が、受け継がれています」
提督「そうだな。俺の乗っていた艦もそのひとつだった」
不知火「名は体を表す、と言いますが、不知火たちが戦ったことが、無意味ではなかったのだと。私たちが守ろうとしたもの……その思いは受け継がれているのだと、実感できます」
7:6/7 ◆cj95/MNHvA:2016/03/20(日) 15:29:02.69 :wsQNPkNs0
提督「当たり前だ。おまえたちの過去が、無意味なわけがあるものか」
不知火「ふふ。司令はお優しいですね」
提督「いい上司だろう?」
不知火「まったくです」
提督「それで、最後のひとつは?」
不知火「ああ、最後のひとつですか」
提督「みっつ、あるんだろう?」
不知火「ええ。みっつめは当然―――」
提督「当たり前だ。おまえたちの過去が、無意味なわけがあるものか」
不知火「ふふ。司令はお優しいですね」
提督「いい上司だろう?」
不知火「まったくです」
提督「それで、最後のひとつは?」
不知火「ああ、最後のひとつですか」
提督「みっつ、あるんだろう?」
不知火「ええ。みっつめは当然―――」
8:7/7 ◆cj95/MNHvA:2016/03/20(日) 15:29:29.88 :wsQNPkNs0
不知火「―――再び、守るべきもののために、戦えることです」
不知火「もう二度と、負けはしない。……ああ、そうだ、陸から見る海の話でしたね」
提督「そういえば、そうだった」
不知火「こうして陸から海を見ると、守るべきものが見える」
提督「守るべきもの」
不知火「不知火の背中には日本の民が、日本の大地が、日本人の誇りがある。ここから先へ行かせてはならぬと、想えるのです」
提督「そうだな。俺たちが、守らねばならん」
不知火「ええ。司令、よろしくお願いします」
提督「任せておけ」
不知火「……はい。不知火は、司令を信じておりますよ」
不知火「―――再び、守るべきもののために、戦えることです」
不知火「もう二度と、負けはしない。……ああ、そうだ、陸から見る海の話でしたね」
提督「そういえば、そうだった」
不知火「こうして陸から海を見ると、守るべきものが見える」
提督「守るべきもの」
不知火「不知火の背中には日本の民が、日本の大地が、日本人の誇りがある。ここから先へ行かせてはならぬと、想えるのです」
提督「そうだな。俺たちが、守らねばならん」
不知火「ええ。司令、よろしくお願いします」
提督「任せておけ」
不知火「……はい。不知火は、司令を信じておりますよ」
9: ◆cj95/MNHvA:2016/03/20(日) 15:30:24.70 :wsQNPkNs0
以上です。
陽炎型では不知火が一番好きです。
ありがとうございました。
陽炎型では不知火が一番好きです。
ありがとうございました。
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