2024年02月18日 19:30 【シャニマス】旧姓大崎、新婚甘奈 元スレ 全てのレス 1:ぶりゅううううみいいいい!!!!:2024/02/13(火) 21:37:13.04 :FpuL1fhKO 新婚n年目の甘奈とえっちなことします 甘奈の年齢はお好みでお願いします 2:ぶりゅううううみいいいい!!!!:2024/02/13(火) 21:38:44.13 :FpuL1fhKO Pさんおかえりなさい! ご飯にする? お風呂にする? それとも……甘奈? ……甘奈かー ……今日は甘奈が最初なんだ? そっか……甘奈がいいんだ? ふーん、そっか……えへへ ……じゃあ、その前におかえりのちゅー……んっ…… ん……んー!……っ……!……んー……! 読む →
2024年02月04日 07:00 【シャニマス】283プロの朝 元スレ 全てのレス 1:カミサマのBirthday:2024/01/31(水) 18:55:50.03 :+9C+H0BdO アイドルといっしょに朝を迎えるお話しです 各ユニットからひとりずつ2レスで朝チュンします 2:カミサマのBirthday:2024/01/31(水) 18:57:35.99 :+9C+H0BdO 【八宮めぐる編】 ん……っ……えへ、くすぐったいよ…… あはっ……おはよ、プロデューサー ……朝から元気だねー? お尻に……えっと、ね?……うぅ…… ……固いの……当たってる、けど…… ……私が起きるまでおっぱい触ってたでしょ? 昨日もいっぱい触ってたのに……プロデューサーのえっち! でも~、ちゃんとお願いできるならー……もっと触れちゃうかも? ……えへへ、どうするプロデューサー? 読む →
2024年01月05日 18:00 【シャニマス】透と円香が猥談を続けるだけ 関連SS 【シャニマス】透と円香が猥談するだけ 【シャニマス】透と円香が猥談を続けるだけ 元スレ 全てのレス 2:ひななーななーなな:2024/01/04(木) 22:09:55.34 :vT7gB+xWO 「樋口さー、今日プロデューサーに学校まで送ってもらってたよね」 「まあね」 「ヤってた?昨日、プロデューサーと」 「…………まあ、ね」 「話し、聞かせてよ」 「うん、私も浅倉に話したいことあるし……話そっか」 「……のろけばなし?」 「…………惚気話だったらごめん」 「いいよ、そっちのほうが興奮するし」 「……ほんとごめん……浅倉……」 「むしろありがと樋口」 「…………っ……!」 「じゃあ始めよっか、今日のお話し……あ、猥談!」 「なんで言い直したの?」 「ノるかなーって……気分が」 「……まあ、そう……かも……?」 読む →
2024年01月02日 21:05 【シャニマス】透と円香が猥談するだけ 関連SS 【シャニマス】透と円香が猥談するだけ 【シャニマス】透と円香が猥談を続けるだけ 元スレ 全てのレス 1:不足コストはデビ太郎から確保:2024/01/02(火) 16:35:52.41 :zZtK2hsXO 浅倉と樋口が猥談するだけです プロデューサーが樋口とヤってます 書けば書くほど浅倉透がわからなくなったので、だめかもしれないしだめじゃないかもしれない 2:不足コストはデビ太郎から確保:2024/01/02(火) 16:37:00.82 :zZtK2hsXO 「プロデューサーって上手そうだよね、セックス」 「……は?」 「樋口は知らないかな?セックス」 「いや知ってるけど……なに、急に……」 「セックス、上手なんだろうなって……プロデューサー」 「……そんなことないでしょ」 「そう?」 「……まあ、下手ではないかもね」 「ふーん」 読む →
2023年12月26日 07:00 【シャニマス】冷たい誕生日 元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/12/25(月) 19:36:20.91 :IlpdTuWDO ―283プロ シャニP(以下P表記)「よし、次はラ○ティスレコードで順番にジャケットの撮影だ」 「むん!頑張るよ!」 「またアンティーカがオリコン一位ばい!」 「皆さん!ファイトです!」 ―そんな事務所の熱狂の中で一人 読む →
2023年12月25日 19:30 【シャニマス】鈴木羽那と性夜にセイヤッ 元スレ 全てのレス 1:『努』の漢字の中には『女』の文字が入ってるでしょ?だから受けなのかもって思ったの、ふふっ:2023/12/25(月) 18:09:53.31 :IcPqLZJCO 鈴木とえっちなことします 鈴木羽那になんかぜったい負けない 2:『努』の漢字の中には『女』の文字が入ってるでしょ?だから受けなのかもって思ったの、ふふっ:2023/12/25(月) 18:11:06.93 :IcPqLZJCO ……最初にしたの、いつだったかなぁ Pさんと事務所でふたりきりだった時に、ちょっとだけえっちなイタズラしたらそのまま…… ……ふふっ、しちゃったんだよね♪ 1回しちゃったら2回目はすぐで…… 3回目の後はずいぶんご無沙汰?みたいな感じ でもPさん真面目に見えてけっこう旺盛というか…… ……始まるとさ、すごいんだよね ……いつも女の子に囲まれてるし、いろいろ溜め込んじゃうのかな? だからクリスマスなんて口実があったら当然……その、ね? クリスマス……聖夜じゃなくて性夜のほうになっちゃうよね♪ あは、行ってきまーす♪ 読む →
2023年07月28日 21:00 【シャニマス】大崎甘奈は甘やかしたい 元スレ 全てのレス 1:S級宇宙 アマナスキー:2023/07/28(金) 02:25:26.43 :gL1rfskKO 甘奈に(性的な意味で)甘やかしてもらう話しです 甜花ちゃんはおいてきた 2:S級宇宙 アマナスキー:2023/07/28(金) 02:26:52.86 :gL1rfskKO 甘奈とPさんはファンのみんなには言えない関係…… いわゆる恋人同士……なんだけど、未だにちょっと照れちゃうなぁ だって彼氏彼女の関係ってことはさ、一緒のベッドで寝ちゃったりするんだよ? うん………寝ちゃったり、しました……えへへ…… 初めてPさんと一緒に寝ることになった日に、甘奈の初めてをPさんにあげちゃった……☆ それからはお泊りの度にPさんと……その、ね……? え、えっちなこと……してたんだけど…… ……何回もしてるうちに、甘奈気づいちゃったんだ 普段は大人なPさんだけど、えっちの時はけっこう甘えん坊みたい……☆ 読む →
2023年07月22日 18:00 シャニP「めぐると楽しく会話をしよう」 元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/07/22(土) 11:04:27.15 :pJ3rlKdDO シャニP(以下P)「つまり、πタッチするべきだな」 P「よしっ!」 にちか「あの変態、ぶっ飛ばしていい?」 はづき「土用のうなぎを奢ってもらってからね」 読む →
2023年07月06日 21:00 【シャニマス】真乃「Pさんに早漏を克服させます」 元スレ 全てのレス 1:メガ真乃ロックドラゴン:2023/07/06(木) 13:42:35.91 :IktOKVLZO プロデューサーと真乃が付き合ってます えっちなこともたくさんしてます 多色マナは許しません 猛禽類かもしれません 2:メガ真乃ロックドラゴン:2023/07/06(木) 13:45:11.56 :IktOKVLZO Pさんと恋人同士になってそれなりに経ちました デートも、お泊りだって……たくさんしました ……恋人同士のお泊りですし、もちろんえっちなこともいっぱいしました いっぱい、してました ……残念ながら過去形です 別に倦怠期とかじゃないですよ? 相変わらず毎週末はお泊りデートもしてますし ……ただ、えっちだけがなくなってしまいました 読む →
2023年06月12日 12:00 【シャニマス】甘奈「Pさんの早漏を克服させる」 元スレ 全てのレス 1:メガ甘奈ロックドラゴン:2023/06/11(日) 19:53:38.03 :9YC67tqDO 甘奈がプロデューサーと付き合ってます えっちなこともたくさんしてる関係です 甜花ちゃんは見てるだけです いざ 2:メガ甘奈ロックドラゴン:2023/06/11(日) 19:55:15.81 :9YC67tqDO 甘奈はPさんに恋をしてた いつの間にか好きになってて、きっかけなんてあったのかもわからない アイドルをやってる間はずっとPさんと一緒にいられるから、お仕事もたくさんがんばれた おかげでそれなりに売れっ子になれたけど……Pさんと一緒にいる時間が増えたぶんだけ、好きって気持ちもどんどん膨らんでいった Pさんと一緒にいると幸せなのになんだかもやもやした ……そんなもやもやを晴らすために、甘奈はPさんに告白した 当たって砕けろってわけじゃないけど、甘奈はアイドルだし……フラれることも覚悟してた でもPさんは甘奈を受け入れてくれて、それからふたりは恋人同士 恋人になったからには手を繋いだり、キスだってしたし……それに、えっちなこともいっぱいした ……甘奈にはPさんとのえっちのことでひとつだけ悩みがある 甘奈の、っていうよりはPさんの悩みかな……? でもPさんのことは甘奈のことだもん、一緒だよね 読む →
2023年02月16日 07:00 シャニP「イルミネのくれたチョコがすごかった」 元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2023/02/15(水) 21:14:58.22 :gYDtp/RDO シャニマスプロデューサー(以下P)「昨日はバレンタインだったので、みんなからチョコをたくさん貰った」 「卑しかチョコばい!」 「ふふー、タバスコ入りですよー」 「プロテイン入りよ!」 「私の血を……入りましたので……」 「にへへ……デビ太郎チョコだよ」 「何を喜んでいるのですか、ミスター私で童貞を卒業した人」 「もちろん、厳しい私からも甘いチョコはあるぞ!」 P「……最後は忘れよう」 P「で、名前が出てないイルミネの三人なんだが……」 読む →
2023年01月16日 21:00 【シャニマス】樋口のスマホのエロ動画 元スレ 全てのレス 1:ストリングミニ:2023/01/11(水) 15:55:38.50 :2PcuERMxO 樋口円香のハメ撮りを見る浅倉透です ntrれ的ななにかかもしれない 2:ストリングミニ:2023/01/11(水) 15:58:04.45 :2PcuERMxO 現在地、樋口の部屋 樋口はお風呂に入ってる 私の手には樋口のスマホ ……ちょっと後悔してる、勝手に見たの めっちゃ肌色サムネの動画ファイル見つけちゃった 読む →
2022年12月04日 18:00 【シャニマス】桑山千雪の幸福論 元スレ 全てのレス 2:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2022/12/04(日) 15:38:11.86 :HTFk6Q23O Pさんと付き合い始めてもう半年 交際1ヶ月目の記念日に男女の仲になってからは徐々に頻度も増えていって、今は休みの度にえっちをするようになっていた お互いに初めて同士だったのが逆に良かったんだと思う 相手のしてほしいこと、気持ちいいことをすこしずつ見つけていく お互いがお互いに夢中になる時間 身体を重ねる度にもっとPさんのことが好きになっていく ……Pさんもそうだったら嬉しいな 読む →
2022年11月14日 21:00 【シャニマス】ちょこ同輩 元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2022/11/13(日) 12:40:52.44 :0y4uD/NpO 書き溜めあり 園田智代子の彼氏視点です 2:以下、名無しにかわりましてSS速報Rがお送りします:2022/11/13(日) 12:42:49.84 :0y4uD/NpO 園田智代子 同級生で、アイドルで、彼女 初めての彼女とお城みたいな……なんて言われる建物でふたりきり 親には友達の家に泊まると伝えてある 園田と付き合って3ヶ月目の今日、俺は園田とセックスをする 読む →
2022年11月12日 12:00 【シャニマス】変な語尾 元スレ 1:名無しさん@おーぷん:22/11/11(金) 23:59:15 :Bkb6 ――事務所円香「ふぅ……おはようございます」(今日は小糸の誕生日……)(だけど、あの二人のことだから、またろくでもないことになってそう……)「はぁ……」 読む →
2022年06月12日 21:00 【シャニマス】P「にへへ……」 元スレ 全てのレス 1: ◆tgqP2/xZS6:2020/06/19(金) 00:43:02.85 :BhLeBvIA0 「大変! 大変だよプロデューサーさん!」 「おはよう、甘奈。朝早くからそんなに慌てて一体どうしたんだ?」 「甜花ちゃんとプロデューサーさんが入れ替わっちゃったの!!」 「ははは、いくら書き慣れてないギャグssだからってそんな雑な導入があるわけ」 「ほら鏡見て!」 「俺が甜花になってるーっ!?」 「ねっ!」 「え、じゃあ本当の甜花は一体どこに」 「あっちのソファーだよ!」 「にへへ……もう食べられない……」 「マジか」 読む →
2022年05月05日 19:30 【シャニマス】摩美々「事務所対抗サッカー大会?」 元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/05/05(木) 11:37:39.61 :+TIzlW0iO 事務所対抗サッカー大会。少し前までは運動会だったらしいけれど、どこぞの事務所が他の事務所に勝ちを譲れと八百長を持ちかけていたことが発覚し、サッカー大会に変更されたらしい。 「まー、どうでもいいですけどー」 「そんなこと言って!さっきも大活躍だったじゃねぇか!」 そうやってMFの摩美々の肩を叩くのはFWの樹里。今大会のアシスト女王と得点女王だ。 読む →
2022年04月13日 07:00 【シャニマス】三峰「お◯ぱい触りたい」 元スレ 全てのレス 2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/04/13(水) 03:16:32.04 :oenMcZZX0 数日前 レッスン後のシャワー室 霧子『わぁ…恋鐘ちゃんの胸、おっきい…』 恋鐘『ふぇ!?なっ…なんね!?』 霧子『ふふっ…♪』 恋鐘『も、もう!/// 変な霧子やね!こんなことする霧子にはこうばい!』 霧子『わわっ…!恋鐘ちゃん…///』 恋鐘『それそれ~!』 霧子『こ、恋鐘ちゃん…だめっ…///』 キャッキャ 三峰「…」 読む →
2022年02月10日 21:00 【シャニマス】咲耶「結華、抱きしめてもいいかい?」結華「えっ」【CPSS22】 元スレ 全てのレス 1: ◆c4YEJo22yk:2022/02/10(木) 19:32:34.52 :hwwHSoT30 アイマスBBSカップリングSS祭への投稿作です。 http://imasbbs.com/patio.cgi?read=23873&ukey=0&cat=765 2: ◆c4YEJo22yk:2022/02/10(木) 19:35:03.85 :hwwHSoT30 ◆283プロ事務所/PM7:00 咲耶「結華、抱きしめてもいいかい?」 結華「えっ」 咲耶「抱きしめてもいいかい?」 結華「あ、三峰の聞き間違いじゃなかったんだ。えーと、ハグはちょっと恥ずかしいかも……」 咲耶「ハグが無理ならキスでも構わないけれど」 結華「要求が上がってる! 人のファーストキスを簡単に奪わないでよね!?」 咲耶「おや、結華は初めてなんだね」 結華「うっ……三峰、恋愛には疎いので……」 咲耶「それはすまなかったね。私も、結華の初めてをむやみに奪うつもりはないよ」 結華「ま、まぁ……それはいいとして、さくやんはどうしてハグをしたいの?」 咲耶「単純なことさ。大切な友人と、より絆を深めたいと思ったんだ」 結華「あー、ハグをすると親密になるって言うね」 咲耶「だから、私は結華を抱きたいんだ!」 結華「誤解を招く言い方ぁ!」 読む →
2022年02月01日 07:00 【シャニマス】透「じゃんけん、しよっか」【とおまど】 元スレ 全てのレス 1: ◆b2/ys3/tgw:2022/01/30(日) 23:22:02.55 :EtUMwxkl0 まだ寒さの残る、日曜日の午後三時。 天井近くからは乾いた暖房の音。 透明な空気をつらぬいて、日差しが床に影を落とす。 「樋口、充電」 「ん」 やりとりが終われば、また無音。 沈黙とは違う静けさ。 冷めた空気の安らぎ。 読む →
2022年01月29日 19:00 【シャニマス×ダンロン】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 CHAPTER 02 後編 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 全てのレス 2: ◆vqFdMa6h2.:2022/01/23(日) 15:24:46.29 :cnX2/6Pb0 【2章段階での主人公の情報】 ‣習得スキル…特になし ‣現在のモノクマメダル枚数…69枚 ‣現在の希望のカケラ…24個 ‣現在の所持品 【ココナッツジュース】 【ジャバの天然塩】 【ひまわりの種】 【エプロンドレス】 【新品のサラシ】 【オスシリンダー】 【メスシリンダー】 【トイカメラ】 【ドライビングニトロ】 【蒔絵竹刀】 【絶対音叉】 【七支刀】 【バール】 3: ◆vqFdMa6h2.:2022/01/23(日) 15:27:35.67 :cnX2/6Pb0 ‣通信簿および親愛度 【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】 【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…1.5 【超大学生級の写真部】 三峰結華…0 【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0 【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…1.0 【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…0.5 【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…0 【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…10.5【DEAD】 【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…2.0 【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…0.5 【超高校級のギャル】 和泉愛依…0 【超高校級の???】 浅倉透…0 【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…0 【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】 【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…0 4: ◆vqFdMa6h2.:2022/01/23(日) 15:28:51.09 :cnX2/6Pb0 ‣コロシアイ南国生活のしおり 【ルール その1 この島では過度の暴力は禁止です。みんなで平和にほのぼのと暮らしてくださいね】 【ルール その2 お互いを思いやって仲良く生活し、“希望のカケラ”を集めていきましょう】 【ルール その3 ポイ捨てや自然破壊はいけませんよ。この島の豊かな自然と共存共栄しましょう】 【ルール その4 引率の先生が生徒達に直接干渉する事はありません。ただし規則違反があった場合は別です】 【ルール その5 生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます】 【ルール その6 学級裁判で正しいクロを指摘した場合はクロだけが処刑されます】 【ルール その7 学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、校則違反とみなして残りの生徒は全員処刑されます】 【ルール その8 生き残ったクロは歌姫計画の成功者として罪が免除され、島から脱出してメジャーデビューが確約されます】 【ルール その9 3人以上の人間が死体を最初に発見した際に、それを知らせる“死体発見アナウンス”が流れます】 【ルール その10 監視カメラやモニターをはじめ、島に設置されたものを許可なく破壊することを禁じます】 【ルール その11 この島について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません】 【ルール その12 “コロシアイ南国生活”で同一のクロが殺せるのは2人までとします】 【注意 なお、修学旅行のルールは、学園長の都合により順次増えていく場合があります】 5: ◆vqFdMa6h2.:2022/01/23(日) 15:30:19.51 :cnX2/6Pb0 【2章学級裁判のコトダマ】 ‣【モノクマファイル2】 〔被害者は桑山千雪。死亡推定時刻は午後9時前後。死体は下腹部を矢で貫かれており、内臓の損傷も激しく、出血量も多量であるため、死因は失血死であると断定する〕 ‣【図書館の入退館管理カメラ】 〔図書館の入り口に設置されていたセンサー式のカメラ。利用者の入退館を感知して自動で写真を撮影する。千雪が入館する写真、冬優子が入館する写真、冬優子が退館する写真の三枚が撮影されていた〕 ‣【図書館利用規則】 〔①図書館の本はみんなの共有財産です。大切に使いましょう。 ②館内での飲食は禁止です。飲食物を持ち込む際はカバンに入れるようにしてください。 ③館内ではお静かに。他の利用者の迷惑にならないようにしてください。 ④本を借りる際は受付でバーコードを読み取り、その旨を記帳してください。 ⑤一部の本は貸出禁止となっていますので借りる前に確かめるようにしてください。〕 ‣【あさひの証言】 〔あさひは愛依と冬優子が花火大会を離れる際にその場に居合わせていた。愛依はあさひと冬優子に体調不良のためシャワールームのトイレに行くと告げて離脱。冬優子はあさひと結華に薬を取りにドラッグストアに行くと告げて離脱した〕 6: ◆vqFdMa6h2.:2022/01/23(日) 15:31:12.39 :cnX2/6Pb0 ‣【ボウガン】 〔図書館の二階に落ちていたボウガン。型番は『BT-38』で、同じ型番の矢でないと撃つことはできない〕 ‣【現場の血痕】 〔千雪から漏れ出た血の痕。腹から出た血液はその場に血だまりを作っており、ほかには散らされた様子もない。あくまで図書館内で千雪は殺害されたものと思われる〕 ‣【凶器の矢】 〔死体のそばに転がっていた銀色の矢。型番はBT-49で、先端の矢じりには千雪の血がべったりと付着している〕 ‣【血まみれの本】 〔千雪の死体の下敷きになっていた本。血液にまみれた本は中を読むこともできそうにない〕 ‣【モノミの証言】 〔花火大会の最中、透と雛菜の説得に向かったところ逆に部屋で二人立ち合いの下監禁状態となってしまったので、透と雛菜は事件に関与することができない〕 ‣【下剤の残りかす】 〔シャワールームのごみ箱に捨てられていた袋。中には粉末の下剤が入っていたものと思われる〕 ‣【かまいたちの真夜中】 〔モノクマが今回の事件の動機として用意したゲーム。ノンフィクションのゲームであると銘打ってあり、ゲーム中では283プロの人間によるコロシアイが収録されていた。ルカと美琴のプレイではノーマルエンドにしかたどり着けなかった〕 8: ◆vqFdMa6h2.:2022/01/23(日) 21:01:26.82 :cnX2/6Pb0 【学級裁判 開廷!】 9: ◆vqFdMa6h2.:2022/01/23(日) 21:02:28.79 :cnX2/6Pb0 モノクマ「まずは学級裁判のルールの確認から始めます」 モノクマ「学級裁判ではオマエラの中に潜む殺人犯のクロを探して議論していただきます」 モノクマ「議論の結果導き出した犯人がクロだった場合はクロだけがおしおき、シロだった場合はクロの生徒以外の全員がおしおきされ、クロのみが歌姫計画の成功者としてこの島を脱出できまーす!」 モノミ「うぅ……二回目なんて、聞きたくなかったでちゅ……」 モノミ「指をくわえることもできない自分が情けないでちゅ……歯がゆくて歯がゆくて……」 モノミ「あれ、あちしに歯ってあるのかな?」 摩美々「まさか私たちもここにまた来ることになるとは思いもしなかったケドー……」 夏葉「……この場に立つと、どうしても足が竦んでしまうわね」 果穂「夏葉さん……」 夏葉「大丈夫よ果穂、たとえ恐怖心がこみあげてきても私は逃げない」 夏葉「どんな真実であろうとも、正面から向き合う覚悟はできているわ」 ルカ「ウダウダ言ってても仕方ねえ、出来るところから始めるぞ」 (何としてもこの事件だけは……自分の手で、クロを導き出さなくちゃいけねえ) (それがあいつにできる、せめてもの罪滅ぼしだ……) (……千雪!) 読む →
2022年01月29日 18:00 【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 CHAPTER 02 前編 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 全てのレス 591: ◆zbOQ645F4s:2022/01/09(日) 17:37:43.10 :VIg00xsT0 ------------------------------------------------- GAMEOVER カザノさんがクロにきまりました。 おしおきをかいしします。 ------------------------------------------------- 592: ◆zbOQ645F4s:2022/01/09(日) 17:38:30.08 :VIg00xsT0 かつてこの国を席巻した大予言、ご存知の方も多いでしょう。 来る世紀末、空から恐怖の大魔王がやってくる。 地上は等しく滅ぼされ、人類も滅亡し、新しい世界がそこから始まるとかなんとかかんとか。 よくもまあこんな突拍子もない話をメディアやマスコミで持て囃し、終わりの時がやってくるなんて喚いていたんだからお笑いですよね! 子供世代はそんな話があったこともつい知らず、すくすくと育っとりますがな! ……でも、その予言は本当は外れてなんかいなかったんです。 滅亡の時は、今この時。 神殿の祭壇、その上で空を仰ぐ風野さん。 その眼前には今にも地上に降り注ごうとしている流星群の数々が……! 593: ◆zbOQ645F4s:2022/01/09(日) 17:39:02.83 :VIg00xsT0 ----------------------------------------------- 落下予測地点 超高校級の占い師 風野灯織処刑執行 ----------------------------------------------- 594: ◆zbOQ645F4s:2022/01/09(日) 17:40:09.40 :VIg00xsT0 神仏の怒りを鎮めるにはお供物と昔から相場が決まってますよね! 恐怖の大魔王だって、きっと捧げものをすれば鎮まってくれますよ! 風野さんも粛々とそのための儀式を執り行います。 トライアングルを象った魔法陣を描き、その四隅にはパリパリに焼いた餃子を並べていきます。 そして捧げるのは彼女の歌声。 イルミネーションスターズのアイドルとして活躍する彼女の歌声は聞く者すべてを魅了しますね。 清流のように澄んだハミングが空に響き、魔法陣もそれに共鳴するように輝き始めます! トライアングルの三頂点から発せられたピンクと黄色と蒼の光は空で交わり一つの閃光に。 さあ、届けよう! 私たちの希望、そして私たちの祈りを! 天に打ちあがる輝きを、恐怖の大魔王は受け入れてくれるのか________! 595: ◆zbOQ645F4s:2022/01/09(日) 17:41:33.32 :VIg00xsT0 *☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆* さあ、今日の運勢一位は獅子座かそれとも魚座かどっちなんでしょう〜? ごめんなさーい、今日一番悪い運勢なのは魚座のあなた! 神様にお願いしても、聞いてもらえないかも! どれだけ頑張っても無理なものは無理だと諦めるのも一つ選択肢ですよ! ラッキーアイテムは傘、空から降り注ぐ隕石もこれで防げちゃうかも? それでは今日も1日張り切っていきましょう! いってらっしゃ〜い! *☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆*:;;;:*☆* ……あ、いってらっしゃいも何ももう、風野さんは隕石が祭壇に直撃して瓦礫の下でペシャンコでしたね。 せっかく綺麗に焼いた餃子もこれじゃ台無しだよ! ラッキーアイテムをちゃんと持ち歩かないからこういうことになるんですよ? 皆さんはちゃんと朝の占いを聞いてから出かけるようにしましょうね♪ 599:更新前に現在の状況を整理します ◆zbOQ645F4s:2022/01/12(水) 21:00:35.72 :Gmun8+E70 現在の主人公の情報 【超社会人級のシンガー】斑鳩ルカ ‣習得スキル…特になし ‣現在のモノクマメダル枚数…70枚 ‣現在の希望のカケラ…18個 ‣現在の所持品 【キルリアンカメラ】 【家庭用ゲーム機】 【携帯ゲーム機】 【トイカメラ】 【表裏ウクレレ】 【バール】 600: ◆zbOQ645F4s:2022/01/12(水) 21:01:23.31 :Gmun8+E70 ‣親愛度 【超高校級の占い師】風野灯織…0【DEAD】 【超社会人級の料理人】 月岡恋鐘…0 【超大学生級の写真部】 三峰結華…0 【超高校級の服飾委員】 田中摩美々…0 【超小学生級の道徳の時間】 小宮果穂…0 【超高校級のインフルエンサー】 園田智代子…0 【超大学生級の令嬢】 有栖川夏葉…0 【超社会人級の手芸部】 桑山千雪…0 【超中学生級の総合の時間】 芹沢あさひ…0 【超専門学校生級の広報委員】 黛冬優子…0 【超高校級のギャル】 和泉愛依…0 【超高校級の???】 浅倉透…0 【超高校級の帰宅部】 市川雛菜…0 【超高校級の幸運】 七草にちか…0【DEAD】 【超社会人級のダンサー】 緋田美琴…0 601:それでは2章スタートです ◆zbOQ645F4s:2022/01/12(水) 21:02:40.82 :Gmun8+E70 _____みんながどう思うのか気になるんすよ! 602: ◆zbOQ645F4s:2022/01/12(水) 21:03:59.34 :Gmun8+E70 だって、こんなコロシアイだなんて外の世界じゃまずありえないじゃないっすか? 明日自分が生きているかもわからない、そんな状況映画でしか見たことがないっす! わたしもすごい毎日ドキドキして、夜になると体が意味もなく震えたりするんっす。 多分これって「怖い」って事だと思うんっすけど、それって本当にみんな同じなんすかね? だって、今から人を殺すって人が「怖い」って思ってたら殺すこともできないじゃないっすか。 だからきっと、わたしたちと違った気持ちの人がいると思うっす。 今はいなくても、やがて「怖い」じゃなくて別の気持ちになる人が出てくると思うんすよね。 そういう人が何を考えて、何を感じて、何を思って人を殺すのか。 そして、人を殺した後、学級裁判に挑んでる時はどんな気持ちになるのか。 わたしはそれがすっごく気になるっす。 ……だって、わたしはそんなこと今まで考えたこともなかったっすから! 603: ◆zbOQ645F4s:2022/01/12(水) 21:05:07.75 :Gmun8+E70 ------------------------------------------------- CHAPTER 02 厄災薄命前夜 (非)日常編 ------------------------------------------------- 読む →
2022年01月07日 21:00 【シャニマス】マッチ売りのにちか 元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/01/07(金) 02:05:49.12 :QiwimL520 寒い冬の夜、にちかという1人の女の子が歩いていました。 どこかを目指してるというわけではないのです。 持っているマッチが1つも売れず、途方に暮れているだけなのですから。 にちか「靴を、買わないと……!」 アイドルになるにはいろんなものが必要です。 見た目や才能なら諦めがつくかもしれませんが、そうじゃなくてお金で手に入るものというのは、頑張れば自分のものにできるかもしれないと思えてしまうから残酷で。 にちか「あれ、この建物……283プロ……?」 それは聞いたことのある名前でした。 気づけばにちかは、アイドルの事務所の前に着いていたのです。 しかし、彼女が中に入ることは許されません。 なぜって、部外者なのですから。 にちか「……はぁ。っ、さぶ……」 厳しい寒さに思わず縮こまるにちか。 すると、手元にあるマッチが目に留まりました。 そうだ! どうせ売れないのなら、このマッチで暖をとってしまおう。 にちかは、箱から1本のマッチを取り出して、建物の壁で擦って火をつけました。 マッチはメラメラと燃え始めます。 明るくてあたたかい……本当に不思議な火です。 まるで、事務所の中にいるような、そんな感じ。 いえ、本当にそうなのです。 暖房の効いた部屋の中で、優しいプロデューサーさんや仲間たちに囲まれているのです。 手を差し伸べてくれます。 にちかが捕まろうと手を伸ばしたその時、マッチの火は風に吹き消されて、部屋も仲間たちもいなくなったしまいました。 残ったのは、手の中の燃え滓と、煙かため息か区別のつかない白いなにかです。 読む →
2021年12月14日 21:00 【シャニマス】結華「さよならはとつぜんに」【SS冬祭Pドル21】 元スレ 全てのレス 1: ◆c4YEJo22yk:2021/12/14(火) 19:39:24.32 :Zb5mzGgT0 ☆283プロ事務所 / PM 8:00 結華「Pたんに質問です。人生最後の日に、あなたなら何をして過ごしますか?」 P「えっ!? どうしたんだよ急に」 結華「5、4、3、2、1……」 P「カ、カウントダウン!? 困ったな……うーん、アイドルのプロデュースをするかなあ」 結華「最後まで仕事する気!?」 P「咄嗟に出てきたのがこれだったんだよ。ところで、どうして急にそんな質問を?」 結華「今ね、これに答えてたの」 P「ああ、今度出演するトーク番組のアンケートか」 結華「そうそう。参考までにPたんならどう答えるかなーと思って」 P「ははは、面白くない回答で悪かったな」 結華「ほんとだよー。『最後までお仕事します』なんて喋ってもテレビ的には盛り上がらないんだから」 P「それなら、結華は何て書いたんだ?」 結華「高級焼肉を食べに行った後、回らないお寿司も食べる」 P「俗っぽいな!」 読む →
2021年12月05日 21:00 【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 CHAPTER 01 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 全てのレス 121: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:44:59.53 :Ojbp8S+g0 ------------------------------------------------- CHAPTER 01 MIDNIGHTのせいにして (非)日常編 ------------------------------------------------- 122: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:46:02.09 :Ojbp8S+g0 煌々と輝く満月の月光の元、沈黙だけが流れた。 伏目がちに猜疑の視線を送る人、仲間をかばうようにして背を向ける人、狼狽えた様子で口をパカパカさせる人…… その反応はまちまちだが、恐怖と不安というマイナス感情の鎖には全員が全員縛り上げられている。 気づけば全員顔を見合わせていた。 このコロシアイという言葉を前にして考えなかったわけではない。 殺し『あう』ということは、この場にいる全員が狙うだけでなく、狙われる側にもなるということ。 今私がこうしている間にも、誰かが私の命を狙っているかもしれない。 「……死にたくない」 誰かがそう言葉を零すまでにそう時間はかからなかったし、誰もそれを咎めようとはしなかった。 ここにいる全員が同じことを思い、その感情を発露しかけていたから。 重く、苦しい空気。 薄靄がかったような空気感の中で、手足を動かすのが辛い。 ずっと胸のあたりが痛くて、息も浅くて。 「……」 居心地の悪い沈黙だけが、続いていた。 ___その膠着を破ったのは、ナイフのように鋭い言葉だった。 123: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:46:55.53 :Ojbp8S+g0 ルカ「言っておくけど……私は殺れるからな」 124: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:48:52.97 :Ojbp8S+g0 押し黙る私たちを前に、伸びでもするように何気ない様子で宣言するルカさん。その口元には笑みすら滲んでいた。 これを好機とでも捉えているかのように。 にちか「……!?」 美琴「ルカ……?」 ルカ「私はほかの連中と違って283プロの仲良しのグループでもない。ここから出ていくために他の誰かを手にかけるなんてハードルが一番低いのは私だ」 ルカさんが言っていることは真理だ。 もし万が一にでも私たちが他の誰かを殺して出ていこうと決意したとしても、私たちには同じ事務所の仲間、長い時間を共に過ごした仲間という温情があって、それが最期の防波堤の役割を果たすことだろう。ルカさんには、【それ】がない。 むしろ彼女には美琴さんとの間の諍いという動機すら存在している。 ルカさんの言葉は、異様な質量をもっていた。 125: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:49:37.36 :Ojbp8S+g0 美琴「……ルカにはできないよ」 ルカ「ハッ! 美琴に私の何が分かるんだよ!」 美琴「……」 ルカ「むしろ美琴は自分自身の心配をした方がいいんじゃねえのか? 私からは勿論、事務所での新参なんて殺す上でほかの連中からしても格好の的だろ」 夏葉「そ、そんなわけないじゃない……! 誰かを殺して脱出なんて方法、私たちが選ぶはずがないわ!」 ルカ「……何を知った気になってるのか知らねえけどよ、モノクマも言ってたように他人の気持ちなんか完全に推し量ることは無理だろ」 ルカさんは含みを持たせた言葉を放ちながら、美琴さんの方を見やった。それに美琴さんは視線をそらして答える。 ルカ「さっきの『死にたくない』って言葉……それって要は誰かはコロシアイに参加してしまうかもしれないっていう疑いだろ? よくもそんなにお互い信頼してますって面出来るもんだな」 ルカ「もういいな? 私はこんなところで立ち止まってる時間なんかないんだよ、じゃあな283プロ」 ルカさんは捨て台詞のような言葉を吐いて、一人公園から出て行ってしまった。 ルカさんの発言を否定することは誰もできず。 だってそれは本当のことだから。 ……美琴さんが誰かを殺すなんてことは天地がひっくり返ってもあり得ないと思う。 ただそれをほかのユニットの全員にも言えるかというと、私には自信がない。 私だって____死にたくはない。 126: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:51:05.97 :Ojbp8S+g0 そして、公園に残された私たちは。 灯織「……そうはさせません」 千雪「灯織ちゃん……?」 にちか「うそ……風野さん……?」 あの、気弱な女の子のはずの風野さん…… その右手は、爪が食い込むまでに固く強く握りこまれていた。 まるで何かの怒りに打ち震えるかのように、彼女からはこれまでに感じたことのないような熱を感じる。 灯織「斑鳩さんのご指摘は間違いではないと思います。今この状況で、お互いを完全に信用することは難しい……それを否定することは欺瞞だと思います」 愛依「ぎ、ギマン……?」 冬優子「……本当の気持ちで向き合ってないって意味なんじゃないかな」 灯織「でも、だからといって信じることをやめてしまってはいけない……疑いながらも信じる、信じながらも疑う……私たちに今求められているのは、そういう付き合い方なんじゃないかと……そう思う次第です」 摩美々「信頼と疑念は両立できる……疑念にいつまでも囚われているようじゃダメ……そういうコトー?」 結華「ひおりん……すごいね、そんなこと思ってても、なかなか言えない……言う勇気なんか持てないよ」 灯織「以前、私も……誰も信用できないような【疑心暗鬼の状態】に陥ったことがありました。その時、私は大切なものをいくつも失って……そんな悲しみを、ここでも背負う訳にはいかないんです」 雛菜「ん~? それってなんのこと~?」 灯織「……それは、言えませんが……」 灯織「それでも、今こうして疑念だけをぶつけあってにらみ合っている状況のままではいけないのは確かだと思うんです」 風野さんは、市川さんの質問には口を噤んだ。 でも、風野さんの発した言葉は深く深くに突き刺さり、完全に凍り付いていた私たちの心臓を再びよみがえらせるには十分たるものだった。 127: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:52:48.84 :Ojbp8S+g0 千雪「私……灯織ちゃんの言うとおりだと思うな。私だって、もしかしたらって気持ちを持ってしまう……この状況だからこそ、みんなをもっと信じてみようと思う」 あさひ「よくわかんないっすけど……このままじっとしてても何も変わらないっすよね?」 恋鐘「そうばい! こげん顔していつまでも睨めっこしとったら疲れてしまうたい!」 透「考えるな、感じろ。……ってやつ?」 愛依「さっすが透ちゃん! うちもそれにサンセー!」 冬優子「あはは……透ちゃんの言葉があってるかはちょっとわからないけど、ふゆも皆を今一度信じなおすってことには賛成です」 灯織「皆さん……」 再び全身に血が通う。 膠着した疑心暗鬼の中で活動を停止していた心臓は痛いくらいに鼓動を速めていき、視界も徐々に元の明るさを取り戻してきた。 夏葉「何もモノクマの言うことに従うしか道がないわけではないわ、モノケモノは脅威だけれど、あのロボットを相手どらないで済む方法もあるかもしれない」 智代子「うん! この島の外の人たちだって動いてくれるかもしれないよね!」 果穂「はい! 困ったときには、ヒーローがたすけにきてくれます!」 128: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:53:45.72 :Ojbp8S+g0 結華「というか普通に考えて……こんなに一気に事務所のアイドルが消えたら、大騒ぎだよね?」 摩美々「プロデューサーなら今頃各所に通報してそうなもんだよねー」 結華「あはは、Pたん今頃血相変えて電話しまくってるんじゃない?」 灯織「並大抵の事件ではないはずです。きっと……助けはきますよ」 にちか「じゃあ今はとにかく生き残らなくちゃって感じです?」 愛依「かなー、まあさっきルカちゃんがかなり危なげなことは言ってたけど……」 美琴「……ルカのことは、私がどうにかしてみる」 にちか「美琴さん!」 美琴「大丈夫、今日明日にすぐ動きはしない……はずだから」 (ほ、ほんとかな……?) あさひ「じゃ、とりあえずここを出るっすよ!」 千雪「もともとモノミちゃんが用意していたように、この島には生活が行えるだけの設備はあるから……いったんはコテージに戻って体制を整えるのがいいかな」 冬優子「一人ひとりに専用の個室がありましたよね……ふゆもそれがいいと思います」 結華「まあそうしましょうかー、今の状況が悪い夢っていう可能性もないわけじゃないわけじゃないだろうし!」 摩美々「ふぁぁぁ……まあ、普通に結構遅い時間で眠たい感じだしぃ……」 恋鐘「うちもなんだかクタクタばい! 一気にいろんなことが起きすぎたとね~……」 にちか「私もです……キャパオーバーって感じで!」 ひとまず私たちは公園を後にして、それぞれのコテージへと戻った。 何も今の状況を受け入れたわけじゃない、今は自分たちの身を安全に保つことが大切。モノクマに逆らうことも、事を荒立てることも得策じゃない。 それよりも、これから先起こるかもしれない何かのために体力と精神力とを取り戻す必要がある。 129: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:55:36.68 :Ojbp8S+g0 ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 キーン、コーン…カーンコーン… 『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』 『ただいま、午後十時になりました』 『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』 『ではでは、いい夢を。グッナイ…』 「うーわ……なにこれ、ヤバ! ……めっっちゃくちゃ豪華なんだけど?!」 待ち構えていたのは高級ホテルも裸足で逃げ出すような最新設備に広々空間を兼ね備えた、『快適』の二文字そのもの。 クイーンサイズのベッドは手が沈むようにふかふかで、風呂とトイレはしっかり別々。手足を伸ばせるだけのバスタブまである。 「……ちょっとだけ、帰りたくないかも」 隙間風吹き込むごく狭コンクリアパート。 寝っ転がっているだけで小言を言われる我が家に比べると数倍、数十倍は居心地がいいだろう。 ……ただ一つのものを除いてだけど。 130: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:56:46.56 :Ojbp8S+g0 「なーんでここにもあるかなぁ……カメラ」 普通ホテルの部屋ってもっとプライバシーとか厳しいものでしょ? 部屋には堂々と我が物顔した監視カメラ。寝ようにもこいつが寝顔を撮ろうとしているからなかなか気が休まらない。 ……やっぱりここは、異常だ。 「……うん、やっぱり出なくちゃだよ。こんなところにいていいわけない……絶対、脱出しないと!」 俄かに心を持っていかれかけた快適にいったんは蓋をして、ベッドの上に倒れこんだ。 音もたてずに体はマットの中に沈んでいき、肌触りのやけにいいシーツは太陽の優しい香りを鼻孔に届けた。 ただ、今の私の状況にそんな優しさなんて一抹も残っちゃいない。 私の眼前にあるのは底知れない恐怖。黒々としてぶくぶくと太った醜悪な何かが聳え立って、どいてくれない。 感情をせき止めるようなそれが、やりようのないモヤモヤとした不安ばかりを募らせる。 これから先、どうなってしまうんだろう。もし今目を閉じてしまったら、次に目を開けた時が私の最後になってしまうんだろうか。 考えていたらきりがない、だけど思考はめぐる。 ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる。 思考は二転三転四転…………無限那由他。 無限にも思える一瞬の時間に、思考はメビウスの輪を描いて転がっていき…… 私は意識を手放した。 131: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:58:16.55 :Ojbp8S+g0 ------------------------------------------------- 【ビーチ】 「……来たかよ」 「……本気じゃないでしょ? 殺せる、なんて」 「ハッ! 言ったろ、人の気持ちなんか他人にわかるわけない」 「……わかるよ」 「……はぁ?」 「……ルカの気持ちなら、わかる」 「……」 「……同じユニットだったから。ルカと過ごした時間ならだれにも負けない、ルカの親にだって負けない。だから、ルカが今……すごく怯えていることだって」 「…………くくっ」 「……ルカ?」 「何勘違いしてるんだよ……美琴! お前が私の気持ちをわかってる? そんなわけないだろ……お前は誰よりも私に近くて、誰よりも私と一緒の時間を長く過ごして……」 132: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:59:02.85 :Ojbp8S+g0 「それでも私のことを知ろうともしなかったクソッタレだよ」 133: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 20:59:49.88 :Ojbp8S+g0 「……!」 「……ほかの連中に何を言われたのかは知らねえ。けど、私が美琴のことを信用して動くと思うなよ」 「……やっぱり、そうなんだ」 「お互い様だろ、美琴だって私のことを信用なんかしていない。丸わかりなんだよ、そういうの」 「……時間の無駄だったみたい」 「だな、さっさと消えろ」 「……それじゃ、行くから」 ザッザッ 「……」 「……くそっ!」 「違うだろ……違うだろ……! 私は……私は……美琴を信用しないんじゃなくて……」 「美琴に……美琴に……ただ……ただ……!」 134: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 21:01:15.84 :Ojbp8S+g0 ____ _______ __________ ========= ≪island life:day 2≫ ========= 【にちかのコテージ】 キーン、コーン…カーンコーン… 『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』 『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』 『さぁて、今日も全開気分で張り切っていきましょう~!』 ……夢では、なかった。 目を開けると部屋中に差し込むまばゆいばかりの陽光。部屋に取り付けられた両腕を開いても足らないほどの大きな窓、その廂の隙間かららしい。 それにしても無駄にセンスがいい、都会にいれば三歩歩けばデザイナーズ物件なんかにかち当たるものだけど、そういうところにあっても見劣りしない立派な窓。 これがこんな状況下じゃなければ最高の目覚めだったんだけど。 「……さいっっあく」 135: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 21:02:22.53 :Ojbp8S+g0 頭をもたげながら起き上がった。 濁声のアナウンスで目を覚ました今朝の目覚めは最悪。 瞼が漬物石のように重たく、なんだか手足もけだるさを感じるけどこれはきっと気のせい。というか精神由来。 あんなことがあった後でぐーすかできるはずなんかない。 数時間おきに悪夢で目を覚ました長い長い夜の果て、出来上がったのがこのボロボロボディ。 「……はぁ」 したくもないのにインド象が吐くみたいなバカでかい溜息を吐いた。 『憂鬱』なんて漢字書けやしないけど、頭の中はその二文字でいっぱい。 動くのもけだるさを感じるけど、そうこうしてもいられない。 昨日の今日で美琴さんがルカさんを説得に行ったはず、その成果を確認しなきゃだし、今の状況は部屋に閉じこもったとてどうにかなるものでもない。 イヤイヤ体を引き起こして顔を洗い、歯を磨いて。 そこでようやく部屋を出た。 136: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 21:03:43.87 :Ojbp8S+g0 ------------------------------------------------- 【ホテル レストラン】 ひとまずは朝ご飯を口に入れたい。 寝ている間の数時間のうちに胃袋の中はすっかり空っぽになっており、気が付けば私の足はレストランに踏み入っていた。 そしてそれは私以外の人たちも一緒だったらしく、そこにはルカさん以外の全員が待ち構えているではないか。 特に芹沢さんなんかはすでに食器の上に食パンを何枚も載せていて、脇にはフルーツも山積み。 それを愛依さんが宥めてペースを調整しながら餌付けしている、といった様子。 にちか「これって……?」 あさひ「朝起きたらもうあったんっすよ! にちかちゃんも食べるっす! 美味しいっすよ!」 愛依「アハハ、あさひちゃん落ち着いて食べないとのどに詰まるよ~?」 冬優子「それもそうだけど……みんなで一緒にいただきますしてからにしよっか?」 あさひ「え~? もうお腹ペコペコっすよ」 灯織「一番最初に来たのは私なんですが……その時にはすでにこちらの朝食は人数分用意されていました。ホテルに他の人間はいないはずなんですが……」 千雪「昨日も確認したもんね……どういうことなのかな」 にちか「えぇ……そんなもの食べて大丈夫です?」 摩美々「まぁ……毒見は済んでるしいいんじゃないー?」 あさひ「美味しいっす!」 冬優子「……はぁ」 137: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 21:04:50.84 :Ojbp8S+g0 ガツガツという擬音を恣にする芹沢さんを他所に私は美琴さんの隣に腰かけた。 美琴さんはここにきても必要最低限以上のものは取るつもりはないみたい。栄養価の高いバナナだけで済ませる様子。 にちか「美琴さん……その、どうでした……?」 美琴「……ルカのこと?」 にちか「は、はい……公園では、結構なこと言ってましたけど……」 美琴「……説得はしようとしたんだけどね」 にちか「……そ、そうですか」 美琴さんは気を落とすというよりは、前にルカさんのことを訪ねた時よりも苛立った様子だった。 昨夜二人の間に何があったのかは想像するに足る。 ……これ以上触れないほうがよさそう。 138: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 21:06:38.47 :Ojbp8S+g0 結華「はいはい! とりあえずはせっかくみんな集まってるんだし、今後のことを話し合いませんか?!」 摩美々「約一名足りてないケドねー」 美琴「……ごめんね」 恋鐘「しょうがなかよ、気落とさんといて! こんな状況やけん、ルカだって混乱してしもうとるだけばい!」 千雪「朝ご飯はちゃんと食べてるのかなぁ……」 雛菜「で、今後のことってなんなんですか~?」 冬優子「ふゆたちがコロシアイをせずにこの島からどうやって脱出するか……だよね、結華ちゃん」 夏葉「空港の航空機が使えればよかったのだけれど……あいにくあれはハリボテよ」 智代子「イカダで脱出ってわけにもいかないよね……にちかちゃんも前モノミに叱られちゃってたし」 摩美々「というかそんな目立つ方法じゃモノケモノが飛んでくるでしょー」 美琴「自分から能動的には出られそうにないみたい」 結華「そうなのですよ! ……となると外の助けを待つしかないわけで」 果穂「けいさつの人は、来てくれないんですか?」 夏葉「来るかもしれないけど、ここは海の上。いつに助けが来るのかは正直見当もつかないわね……」 結華「そう、ここからは何日かかるかわからない耐久戦!」 結華「……なので、どうでしょう! 毎朝レストランで揃って朝ご飯を食べるのを習慣にしてみては!」 139: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 21:07:32.41 :Ojbp8S+g0 透「あー、いいんじゃない。それ」 千雪「毎朝の習慣にしておけば生活リズムを作ることにもつながるし、私も賛成に一票!」 果穂「はい! みなさんでそろって朝ご飯を食べたほうがきっとおいしいですし、あたしも賛成です!」 結華「それもあるし、情報共有の場にもなりそうじゃない? ほら、脱出のためには協力が大事だよね!」 灯織「なるほど、定例報告会を兼ねているんですね」 愛依「ちゃ、ちゃんと起きれるかな~……うち」 冬優子「愛依ちゃんはふゆが起こしに行くから大丈夫だよ♡」 雛菜「あは~、それって自由参加ですか~?」 結華「まあ強制はしないけど、できる限りはひななんにも参加してほしいかも!」 雛菜「はい~、それじゃほどほどに参加します~」 結華さんからの提案で毎朝朝ご飯を全員で食べることが決定。 正直なところ、まだ事務所には完全に馴染めてるわけじゃないし、ちょっとだけ気後れするところもあるんだけど……この状況下じゃ言ってても仕方ないか。 私も毎朝ちゃんと集まるようにはしよう。 美琴「……どうしたの?」 にちか「い、いえ……!」 それに、毎朝美琴さんと朝ご飯が食べられるなんてちょっとラッキーじゃない……?! 140: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 21:12:24.77 :Ojbp8S+g0 ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 朝ご飯を食べ終えた私は一旦自分の部屋に戻ってきた。 (……ふぅ、やけにおいしかったからついつい食べすぎちゃったかも) (これ、消化しとかなきゃだなー……) 時計に目をやった。 まだ日も登ったばかりで一日も始まったばかり。 脱出を待つにしても時間は有り余って仕方ない。 「ここにいても仕方ないって感じだよね……よし!」 ここにいる限りはレッスンもお仕事もできないし、今やるべきことはヒントを探すこと! じっとしてるだけじゃ退屈だしぶくぶく太っちゃうって! とりあえずは行動あるのみ、それに尽きる! 【自由行動開始】 □■□■□■□■□■□■□■□■ ☆自由行動について お久しぶりです、イントロダクションの時間でございます。 さて、いよいよ(非)日常編の花形・自由行動でございますね。 自由行動とはコロシアイだとか物騒なことは俄かに忘れ、つかの間の平和的な交友を堪能することができる、いわばオアシス! 存分に親交を深めてくださいませ。 今回もアイドルの皆さまとの間には【親愛度レベル】が存在しております。 こちらはアイドルの方とお会いするたびに+1、プレゼントをお渡しすれば+0.5、プレゼントをお渡しして喜んでいただけたらさらに+0.5される仲良しのパラメータでございます。 親愛度レベルを上げて見事MAXである12に到達させると、その仲の深さを象徴するアイテムとともにスキルを獲得することができるのです。 ちなみにプレゼントはコンマの数値に応じてアイテムを排出するモノモノヤシーン、そしてほしいものを選んで購入できる自動販売機の二つで獲得可能です。 自動販売機には他にも便利な商品がいくつかございますので、ぜひご確認ください。 更に今回は親愛度レベルの一定の数値ごとに【希望のカケラ】を獲得することができます。 こちらは一定個数に応じて別種のスキルと交換できるアイテムになります。 自動販売機で交換できるほか、????開始前にも交換可能です。 え? この伏字、でございますか……? はて……? □■□■□■□■□■□■□■□■ 【現在のモノクマメダル枚数…23枚】 【現在の希望のカケラ…15個】 1.交流する【人物指定安価】※ルカを除く 2.モノモノヤシーンに挑戦する 3.自動販売機を使う 4.休む(自由時間スキップ) ↓1 141:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 21:29:11.42 :gsRmRnpl0 2 143: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 21:38:27.24 :Ojbp8S+g0 2 選択 【第1の島:ビーチ】 手持ち無沙汰になってしまった空き時間をつぶすために、島を散歩していた。 何かに誘われるように、と言ったら大げさだけど……私の足は自然とこの島にやってきたときに初めに立っていたあのビーチに引き寄せられていた。 ザザーン…… 「はぁ……なんか癒されるなぁ……」 生まれも育ちも町中で、波音なんかまともに聞いて育ってきちゃいないけど、これは本能的なものなんだろう。 波風と波音に身をゆだねて、ぼぅ……っとあたりを見渡すと。 「うげっ……なにこれ……趣味悪ッ……!」 ビーチに立つヤシの木の一つ、その幹には妙にゴテゴテした機械。 これは……どうやらガチャガチャみたい。 □■□■□■□■□■□■□■□■ ☆モノモノヤシーンについて 交友でほかのアイドルの皆様にお渡しするアイテムにお困りのそこのあなた! 是非ともモノモノヤシーンに挑戦ください! こちらの中身は本家『スーパーダンガンロンパ2』のプレゼントと中身を共有しております。 プレゼント番号(01~100)のアイテムがコンマの値に応じて排出される仕組みとなっております。 ※プレゼント番号は101以降も本家では存在しておりますが、省略しております。予めご了承ください。 □■□■□■□■□■□■□■□■ ふーん、ここで手に入ったやつは自由に使っていい感じなんだ…… もしかして、脱出に何か使えたりするのかな? 「……やるだけ、やってみる……?」 ------------------------------------------------- 【現在のモノクマメダル枚数…23枚】 【現在の希望のカケラ…15個】 1.モノモノヤシーンを回してみる【枚数指定安価】 2.やっぱりやめる ↓1 144:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 21:46:53.53 :lk6lUyP+0 1で13枚 145: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 21:49:38.65 :Ojbp8S+g0 1 選択 ま、物は試しってことで。 それにいいアイテムが出て、脱出の役に立ったら美琴さんに褒めてもらっちゃったりして……!? 「よーし、いっちょ回しちゃうぞ~!」 【コンマ判定を行います】 【このレスより直下13回連続でコンマ判定を行い数値に応じたアイテムを獲得します】 ↓1~13 146:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 21:50:05.94 :gsRmRnpl0 あ 147:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 21:51:50.61 :gykdOuzQ0 い 148:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 21:53:38.28 :gsRmRnpl0 う 149:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 21:54:46.01 :k033wRB1O え 150:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 21:56:12.44 :gsRmRnpl0 お 151:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 21:58:59.33 :lk6lUyP+0 か 152:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 21:59:28.54 :k033wRB1O き 153:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 22:05:47.83 :lk6lUyP+0 く 154:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 22:09:57.59 :k033wRB1O け 155:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 22:10:20.19 :lk6lUyP+0 こ 156:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 22:11:08.37 :ysgKiWmV0 さ 157:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 22:12:58.54 :lk6lUyP+0 し 158:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 22:17:44.58 :gsRmRnpl0 す 159: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 22:23:31.23 :Ojbp8S+g0 【ミネラルウォーター】 【ヤシの実】 【半分安全靴】 【希望ヶ峰の指輪】 【ジャバイアンジュエリー】 【キルリアンカメラ】×2 【家庭用ゲーム機】 【携帯ゲーム機】 【トイカメラ】 【表裏ウクレレ】 【バール】 を手に入れました! 「うわっ……なんか色々出てきた……けど」 「……どれも使えなさそーだな……」 ひとまず、捨てるわけにもいかないし持ち帰ろうか…… 誰かありがたがってくれる人とかいたり……いないか…… 「まあ、まだ時間はあるし……これの使い道でも探そうか……」 ------------------------------------------------- 【現在のモノクマメダル枚数…10枚】 【現在の希望のカケラ…15個】 1.交流する【人物指定安価】※ルカを除く 2.モノモノヤシーンに挑戦する 3.自動販売機を使う 4.休む(自由時間スキップ) ↓1 160:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 22:24:49.71 :ysgKiWmV0 1 美琴 161: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 22:30:28.73 :Ojbp8S+g0 1 美琴選択 【第1の島:空港】 脱出への糸口を探すための時間。とはいえもうほとんど調べは尽くしたわけで。 結局のところこの時間は誰と過ごすか、の大切な時間になっている。 ……それなら。 にちか「美琴さーーーん!」 美琴「……にちかちゃん?」 にちか「あ、あの……! い、一緒に調査、しちゃってもいいですか……?」 美琴「……いいけど、どうしたの? やけに疲れてるみたいだけど」 にちか「そ、そりゃもう美琴さんをさが___ (い、いやいや! 言えない言えない……美琴さんを探して島を三週半したなんて……重すぎでしょ!) 美琴「……? まあ、とりあえず……一緒に島を見て回ろうか」 にちか「は、はい!」 美琴さんと一緒に島を探索した…… ------------------------------------------------- ‣現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ヤシの実】 【半分安全靴】 【希望ヶ峰の指輪】 【ジャバイアンジュエリー】 【キルリアンカメラ】×2 【家庭用ゲーム機】 【携帯ゲーム機】 【トイカメラ】 【表裏ウクレレ】 【バール】 プレゼントを渡しますか? 1.渡す【所持品指定安価】 2.渡さない ↓1 162:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 22:31:32.96 :gsRmRnpl0 1 ミネラルウォーター 163: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 22:39:52.18 :Ojbp8S+g0 【ミネラルウォーター】を渡した…… にちか「み、美琴さん……これ、どうぞ!」 美琴「水……? どうして?」 にちか「美琴さん、つい自分の体をおろそかにしてしまいがちなので……えっと、水分補給とか、忘れないようにしてくださいね!」 美琴「気が利くね、ありがとう」 キュッ ゴク……ゴク…… にちか「もしかして……今もずっと飲むの忘れてた感じですか?」 美琴「朝ご飯以来だから……3時間くらいかな」 にちか「あんまり飲まなさすぎだとラクダになっちゃいますよ……」 美琴「ふふ……面白いね、にちかちゃん」 (やった……! 美琴さんに喜んでもらえたーーーーーーー!!) 【PERFECT COMMUNICATION】 【親愛度レベルがいつもより多めに上昇します】 ------------------------------------------------- ……しかし、こんな状況になっても美琴さんは冷静だな。 いつも通りクールで端正で整った横顔……思わず見惚れてしまいそう…… 美琴「……どうかした?」 にちか「あ、いえ! なんでもです! えっと、その……美琴さん、この島に来てから何か困ってることとかないです?」 美琴「困ってること……? そうだね……」 美琴「でも、この島は衣食住はどれも揃っていて……暮らす上で不便は感じないかも」 にちか「で、ですよねー! 私も、元々の暮らしなんかよりよっぽどランクが高い感じで……いっそここに永住しちゃおうかなみたいな!」 美琴「永住は……流石に困るかな。私は早く戻って、レッスンの後れも取り返したいし」 にちか「そ、そうですよねー! ここじゃトレーナーさんもいませんし、新しい振り付けも教えてもらえませんもんね!」 美琴「うん……練習も、できなくはないけどね」 にちか「そっか……そうですよね……」 (やっぱり美琴さんは違うな……) (私みたいに生活がどうこうじゃなくて、アイドルとしての活動とかを懸念してるんだもん) (……何か私が美琴さんのためにしてあげられることはないかな?) 1.き、基礎の練習ならお付き合いできますよ! 2.う、歌の練習とかどうですかね……! 3.自由安価 ↓1 164:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 22:55:24.95 :gsRmRnpl0 2 165: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:02:24.90 :Ojbp8S+g0 2 選択 にちか「う、歌の練習とかどうですかね……! それなら、私もお付き合いできますよ……!」 美琴「……? うん、今度にちかちゃんとも一緒に合わせようか」 にちか「は、はい……こ、今度っていうのは……?」 美琴「ううん、ごめん……昨日もみんなと別れてから自分のコテージで自主練はしてたから」 にちか「え」 美琴「コテージは窓を閉めれば防音性も高そうだったし、特に夜はやることもなかったから」 (う、噓でしょ……? 昨日のあの後に自主練……?) (さ、流石すぎる……) にちか「み、美琴さん……プロ意識の高さ、流石です……!」 美琴「別にそんなことじゃ……一日でも練習を欠くと、失ってしまうから」 (う……私、そんなこと考えもしなかった……) 美琴「私はいつでも大丈夫だから、歌のあわせも都合がいいタイミングを教えてくれるかな」 にちか「い、今からでも大丈夫です! わ、私……!」 (や、休んでなんかいられないよ……!) 【親愛度レベルが上昇しました!】 【緋田美琴の親愛度レベル…2.0】 【希望のカケラを入手しました!】 【現在の希望のカケラ…16個】 166: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:04:42.35 :Ojbp8S+g0 【にちかのコテージ】 美琴さんと歌の練習をご一緒させていただいた…… うう……精神的な問題なのかな、私は思った通りに歌えなかった。 「美琴さんの足引っ張っちゃったかな……」 こんなんじゃだめだ……! 喉を枯らしてでも歌の練習をしないと……! 「今日の晩からでも自主練やった方がいいやつだこれ……」 【自由行動開始】 ------------------------------------------------- 【現在のモノクマメダル枚数…10枚】 【現在の希望のカケラ…16個】 1.交流する【人物指定安価】※ルカを除く 2.モノモノヤシーンに挑戦する 3.自動販売機を使う 4.休む(自由時間スキップ) ↓1 167:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 23:10:40.29 :gsRmRnpl0 1 透 168: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:14:59.59 :Ojbp8S+g0 1 透選択 【第1の島:ロケットパンチマーケット】 にちか「あの……なにやってるんです……?」 透「え……なんだろ」 にちか「そもそも、なにもってるんです……?」 透「え……わからん」 にちか「……」 この人に答えを求めちゃいけない、それはこの短い付き合いでも嫌というほど理解してるんだけど…… 流石に、スーパーマーケットの真ん中でナンを焼く鍋を眺めてるのは謎が過ぎる…… 透「これ、タンドールって言うんだって」 にちか「は、はぁ……」 浅倉さんと見慣れない調理器具をいじって過ごした…… ------------------------------------------------- ‣現在の所持品 【ヤシの実】 【半分安全靴】 【希望ヶ峰の指輪】 【ジャバイアンジュエリー】 【キルリアンカメラ】×2 【家庭用ゲーム機】 【携帯ゲーム機】 【トイカメラ】 【表裏ウクレレ】 【バール】 プレゼントを渡しますか? 1.渡す【所持品指定安価】 2.渡さない ↓1 169:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 23:26:53.95 :gsRmRnpl0 1 ヤシの実 170: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:36:21.85 :Ojbp8S+g0 【ヤシの実】を渡した…… 透「お、本物」 にちか「はい……! 私もこんなの初めて見ました……!」 透「おっしゃ、作るかー」 にちか「え、ちょ、浅倉さん……? な、何を……?」 透「ココナッツミルク、飲みたくない?」 にちか「え、そうやって作るんですか? 包丁? そ、それ、ちゃんと切れます……?」 透「わからん」 にちか「ちょ、浅倉さんストップ! ストーーーーーップ!」 (うっ……別のものを渡せばよかったかな) ------------------------------------------------- 浅倉さんは美琴さんとはまた別の意味で冷静というか…… この人が取り乱すとかあるんだろうか…… 透「……」 にちか「あ、浅倉さん……すごいですね、全然、普段と変わんなくて……」 透「そうかな。……あー、雛菜いるし」 にちか「そっか……そうですよねー、この状況で幼馴染がいるのってすごく心強そうです」 透「……」 にちか「ん……?」 透「あー、うん。そう。樋口と小糸ちゃんはいないけどさ」 (い、今の間は……?) 透「友情パワー、イエーイ」 (うーん、なんだか気が抜けるなぁ……) にちか「あ、じゃあせっかくだし浅倉さんたちについて聞いてみたいことあるんですけど、いいです?」 透「え? うん」 (幼馴染でアイドルユニットなんて特殊な状況、色々聞き甲斐はありそうなんだよな……) (せっかくだし、今ここにいない人について聞いてみようかな) 1.樋口さんについて教えてください 2.福丸さんについて教えてください 3.自由安価 ↓1 171:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/21(日) 23:46:16.31 :gsRmRnpl0 2 172: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:52:49.92 :Ojbp8S+g0 2 選択 にちか「あ、それじゃあ福丸さんについて教えてもらってもいいですか?」 透「小糸ちゃん? あー、えーっと」 透「中学。別だったんだよね」 にちか「え……そ、そうなんですか?」 透「うん、小学は一緒だったけど、小糸ちゃんは別のガッコ受けて。でも、高校でまた一緒」 (そ、それって……進路をほかの三人に合わせた、とか……?) にちか「それって福丸さんが、自分で選んだんですよね?」 透「うん、たまたま一緒になった」 (絶対たまたまとかじゃないって……) 透「小糸ちゃん、めっちゃ頭いいからさ。うちからでも、多分いいとこ行くよ」 にちか「……そ、そうなんですね……今度勉強教えてもらっちゃおっかなー……なーんて」 (福丸さん……中学でどんな学生生活送ってたんだろ……) (な、なんだか心配になってきたな……) 【親愛度レベルが上昇しました!】 【浅倉透の親愛度レベル…1.5】 173: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:54:34.35 :Ojbp8S+g0 浅倉さんと別れてからもぼんやりとノクチルの四人の関係性のことを考えながら、自分のコテージへと戻った。 幼馴染という関係性にはちょびっとだけ憧れもするけど、単純な仲良しに終始する話でもなさそうだよね。 ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 ……今日も一日島をウロチョロしたけど新しい発見は特になし。 開放的な風景なのに、閉塞的な状況が広がっていることを再認して肩をがっくりと落とす。 それなのに今日がまた終わろうとしている。 「……なんかもったいないなー」 別に何をするでもない、ただぼーっと時間を浪費するのは流石に落ち着かない。 その居心地の悪さに突き動かされて、私は部屋を出てふらつくことにした。 174: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:56:20.88 :Ojbp8S+g0 ------------------------------------------------- 【第1の島:ビーチ】 海に沈んでいく太陽を追うように島の外周を歩いていくと、開けた場所に出た。 私たちがこの島に来た時に最初に足を踏み入れた場所、そしてこのコロシアイ南国生活が始まった場所。 そんなやたらと縁の深い場所にたどり着くのはもはや当然のことだったのかもしれない。 いや、きっと多分そういう……最悪の縁じゃなくて、ここに私を引き合わせたのは別。最悪じゃなくて、むしろ【最高】の縁だった。 美琴「……はぁっ……はぁっ」 (……美琴さん?!) そこにいることを知っていたわけじゃない。 私は本当に何気ない気持ちで、何の考えなしにやってきたというのに。 そこには私のたった一人で最高のパートナーである美琴さんの姿があった。 これが運命でないならなんというのだろう。 175: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:57:46.95 :Ojbp8S+g0 美琴さんはステップを練習している様子だった。 私との練習の中でも何度か見たことのある少し応用を聞かせた難しいステップ。 前に見た時、美琴さんのステップはもっと上手だったと思う。 それもそのはず、今美琴さんがステップを刻もうとしているのは砂浜の上。 どんどんと足を取られ、もつれていく劣悪な環境で、あえての練習をしているのだから。 (……す、すごい気迫……!) それでも美琴さんは表情を変えない。思うようにいかなくても、転んでしまっても。 ただ立ち上がってまた初めから。全身には汗の痕が浮かび上がり、キレのある動きをするたびにその飛沫が飛ぶ。 私には、その光景が水彩画のように見えた。 (こ、こんなの……ブロマイドものでしょ!) まるでイルカが海面から飛び上がったような、そんな刹那的な美しさを夕日をバックにした美琴さんの姿に見た。 にちか「うわ……すごい……」 美琴「……! にちかちゃん、いたんだ……」 176: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:58:22.85 :Ojbp8S+g0 にちか「あ、はい……すみません、お邪魔しちゃって」 美琴「大丈夫、ちょうど一セットのところだから」 にちか「……自主練、続けてるんですね」 美琴「……うん、そうだけど……どうして?」 にちか「い、いや……えっと……わ、私も練習、やっちゃおうかなー! な、なーんて」 美琴「うん、いいと思う。……砂浜だと、いつもと環境が違って刺激になるから」 (本当にどこまでいってもストイック……美琴さんって、すごい……!) 明日もわからないこの状況下でも美琴さんは元の生活に戻ってアイドルとして活動することを見据えている。 それなら、その隣に立つために私がすることは一つだった。 ____なんて、別に元々そんなつもりはなかったけど、覗いていたことを悟られないようにの照れ隠しで練習を一緒にすることに。 美琴「にちかちゃん、ちょっと遅れてる」 にちか「は、はい……!」 事務所のレッスン場でいつもやっているのと変わりないメニュー。 いやむしろそれよりもハードさすらあるメニュー。 失われた日常をせがむように、焦燥の色をにじませながら美琴さんはただひたすらにその汗を散らした。 177: ◆zbOQ645F4s:2021/11/21(日) 23:59:31.09 :Ojbp8S+g0 ____ ______ ________ そうしてしばらくの時間が過ぎて。 美琴「ちょっと休憩入れようか」 にちか「は、はい……」 それは美琴さんよりも私の疲労を理由にしたものだった。 手足は痺れて震えだし、肩は呼吸に合わせて荒馬のように上下している。体力の限界だ。 にちか「つ、疲れたー……!」 どさっと腰から砂浜に腰かけた。 いつものフローチングのかたい床とは異なり、砂浜は乳酸の溜まったその体を優しく抱き留め、潮風がその熱を冷まそうと吹き付けてくれる。 まるで直属のレッスントレーナーのピットインのような待遇が、どことなくくすぐったい。 美琴「……」 美琴さんはそんな私を他所に、海の向こうを見つめてじっと動かなかった。 きっと美琴さんは、今この瞬間だってあのステージのことを思っている。 あのライトの下でパフォーマンスを披露する、その瞬間を今か今かと待ちわびている。 日も沈み、登ってきたその月はステージライトの輝きには遠く及ばない。 ザッ その時だった。ふと背後で草木が揺れるような音がした。 178: ◆zbOQ645F4s:2021/11/22(月) 00:00:46.86 :tZlr+b7d0 美琴「……誰?」 にちか「え、えっ?! 誰かいるんですか?!」 しばらくの沈黙。 一時はそのまま身を隠してことを終えようとしたのだろうか、だがすぐに観念した様子で物音の主はその姿を現す。 ルカ「……なにやってんだよ、お前ら」 美琴「……練習再開しようか、にちかちゃん」 にちか「み、美琴さん……その、すみません、体がまだ」 これは本当のことだ。さっきの今で疲労困憊のこの体がもとには戻らない。 立ち上がってあのステップをまた刻むためには少しだけ時間が必要だった。 179: ◆zbOQ645F4s:2021/11/22(月) 00:02:29.72 :tZlr+b7d0 ルカ「……相変わらず無茶してんだな、美琴」 美琴「別に無茶なんかしてない、私はこれが必要なだけ」 ルカ「お前だけじゃねーよ、その緑髪だってお前につき合わされて無茶させられてんじゃねーか」 にちか「わ、私だって無茶なんかしてないですよ!」 ルカ「よく言うもんだな、そんな風に座り込んでおいて」 にちか「こ、これは……!」 ルカ「美琴は自分のことも、他人のことも顧みなさすぎなんだよ。……コンビ解消したのに、また同じことをやってるようじゃ救えないな」 美琴「ルカに何が分かるの?」 ルカ「ハッ! そこまでしてアイドルに縋りたいのかよ!」 美琴「……当然でしょ、私はそのためだけにここにいる。そのためだけに生きてきた。今更それ以外の生き方なんて、ないから」 ルカ「……くだらない拘りだな、ほとほと愛想がつきたよ」 美琴「……言いに来たのはそれだけ?」 ルカ「ああ、満足した。それじゃあな」 180: ◆zbOQ645F4s:2021/11/22(月) 00:03:16.79 :tZlr+b7d0 途中から私はルカさんに向ける視線を迷っていた。 彼女はまず間違いなく私たちに敵意を持っている。それは変わらない。 ただその敵意の中にある揺らぎもまた、私の目に焼き付いている。 練習をやめる素振りのない美琴さんのその反発を目にした時のルカさんの口元のゆがみ。 ただ恨んでいるだけで、あんな表情ができるんだろうか。 でもそんな疑念を帯びた視線を悟ったのか、ルカさんは最後に私に向かって。 ルカ「見てんじゃねーよ」 その言葉を吐き捨てて去っていった。 美琴「……ごめんね、邪魔が入っちゃった」 にちか「い、いえ……お構いなく」 美琴「立てる?……そろそろ練習再開したいな」 にちか「だ、大丈夫です! もういけます!」 そこからまたしばらく練習を再開した。 相変わらず手足は疲れ切っていたけど必死に我慢して、一生懸命美琴さんの背中を追うためだけにその体を動かした。 ≪ルカ「美琴は自分のことも、他人のことも顧みなさすぎなんだよ。……コンビ解消したのに、また同じことをやってるようじゃ救えないな」≫ 練習中、ルカさんの言葉がずっと脳裏にちらついていた。 181: ◆zbOQ645F4s:2021/11/22(月) 00:04:27.17 :tZlr+b7d0 ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 キーン、コーン…カーンコーン… 『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』 『ただいま、午後十時になりました』 『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』 『ではでは、いい夢を。グッナイ…』 シャワーを浴びた私は真正面からベッドに倒れこんだ。 もう無理、手も足も動かない。 美琴さん、私が来る前から練習をやってたけど……本当に大丈夫かな。 ルカさんじゃないけど、流石に少しだけ心配。 時間が少しでもあれば練習に生かそうとするストイックさは見習うべきものだけど、限界を超えて肉体と精神をすり減らしてまで挑み続けることが本当のストイックさなのかな。 ……いや、美琴さんがやってるのはそんな無謀なことじゃない。 美琴さんの一挙手一投足だって、無駄にならない。 だって美琴さんなんだもん、私じゃない。 ≪ルカ「美琴は自分のことも、他人のことも顧みなさすぎなんだよ。……コンビ解消したのに、また同じことをやってるようじゃ救えないな」≫ それなのに、ルカさんの言葉がやけに胸に突き刺さって、寝る前は少しだけ苦しかった。 185:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/23(火) 21:04:07.45 :NE14fKE10 ========= ≪island life:day 3≫ ========= 【にちかのコテージ】 キーン、コーン…カーンコーン… 『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』 『オマエラ、グッモーニンッ! 本日も絶好の南国日和ですよーっ!』 『さぁて、今日も前回気分で張り切っていきましょう~!』 ……熟睡。 こんな状況下なら悪夢の一つでも見そうなものだけど、幸か不幸か肉体は疲労に浸されて夢を見る余裕すらなかったらしい。 むしろ体のあちらこちらでずきっと刺すような筋肉痛を生み出すことで手いっぱいといった様子だ。 「いたた……」 おばあさんみたいな弱弱しい声を挙げながらその体を起こし、立ち上がる。 昨日から毎日レストランでの朝食会が義務付けられてるし、行かなくちゃ。 うぅ……こんなんじゃ賛成するんじゃなかったな…… 186: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 21:05:23.39 :NE14fKE10 ------------------------------------------------- 【レストラン】 果穂「おはようございますーーーー!!」 にちか「お、おはよう……げ、元気だね……」 寝ぼけ眼を擦りながら入れば脳をがんがんと揺らすような大声。 身を乗り出してまで朝の挨拶をしてくれて、ありがた迷惑って感じ…… いや、本人には絶対言わないけど。 夏葉「今朝は果穂も一緒にランニングをしたの、朝から汗をかくと気持ちいいのよ!」 果穂「はい! 島の周りを3周です!」 にちか「あ、あはは……いいですねー、そういうの」 (こっちは美琴さんとの夜の練習で十分足りてるんですけどねー……) 夏葉「美琴も今頃シャワーを浴びて、すぐに戻ってくると思うわ」 にちか「えっ!? み、美琴さんも一緒にやってたんですか?!」 智代子「うん……ほら、夏葉ちゃんと美琴さんはよく練習も一緒にやってるから! この島でもストイックさに拍車がかかっちゃってるみたいなんだよね……」 にちか「み、美琴さん……本当に大丈夫かな……」 智代子「付き合うわたしは大丈夫ではございません……」 にちか「あ、あはは……」 187: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 21:06:41.74 :NE14fKE10 夏葉さんの言葉通り、じきに美琴さんもその姿を現し…… 美琴「間に合った?」 にちか「あ、美琴さん! おはようございます! ここ、座ってください!」 美琴「うん、ありがとう」 他のメンバーもちらほらとその姿を現し、 摩美々「ふぁぁ……まだ眠いですよー」 恋鐘「摩美々、目ぇ覚ますばい! 朝ご飯はしっかり食べないといかんよ!」 結華「ほらほら、まみみん! みんな集まってるしさ……ごめんね、みんな。うちのやんちゃ娘がなかなか起きなくてさー」 摩美々「えぇー……これぐらいセーフでしょー」 それぞれの朝の風景を描き出しながら、 冬優子「おはようございます♡ 今日も一日頑張ろうね!」 あさひ「あ、冬優子ちゃん! 今日の朝ごはん、冬優子ちゃんの分も取っておいたっすよ!」 冬優子「わぁ……あさひちゃん、ありがとう! でも、みんなの分が少なくなっちゃうと悪いから、みんなでいただきますをしてからにしようか!」 あさひ「でも、これぐらい冬優子ちゃんなら食べられるっすよね」 冬優子「戻そっか♡」 お寝坊組も徐々にやってきて、 透「……ねむ」 雛菜「あは~、みんな早起きですね~」 灯織「お、お二人とも……朝食会、お忘れだったんですか……?」 透「おー……ナイス、灯織ちゃん」 灯織「できれば私が起こさずに行かずとも集まっていただきたいのですが……」 レストランにはルカさん以外の全員が集まった。 188: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 21:08:13.80 :NE14fKE10 結華「今日も出席率は良好! いや~、お集まりいただき感謝感謝ですよ!」 千雪「こういう状況だから、毎朝みんなの顔が見れるだけでも嬉しいなあ」 灯織「はい……なんだか安心できますから」 愛依「うちも昨日の夜とかなんだか心細くてさ~、ついあさひちゃんと冬優子ちゃんのとこ行っちゃった!」 智代子「わかるよ! 一人でいると、なんだかよくないことばっかり考えちゃう気がして……」 夏葉「ええ、何も孤独におびえる気持ちを恥じる必要はないわ。むしろそれに慣れてしまう方が恐ろしい……疑心暗鬼の種となりうるもの」 モノミ「うるうる……あちしもミナサンの元気な顔が見られて嬉しいなあ……」 愛依「アハハ、泣くほど~?」 愛依「……あれ?」 モノミ「どうかちましたか? 和泉さん」 にちか「え、え、ええええええええ??!?!?! ど、どうかしたどころじゃないですよーーーー?!」 (ど、どうなってるの?!) (モノミっておとといの晩に……モノケモノにガトリングで跡形もなく消し飛ばされたはずじゃ……?) 突然現れた【モノミ】。 その姿は数日前に見たあの寸胴体系のぬいぐるみ素材の姿そのものだった。 呆気にとられる私たちを逆にキョトンとした様子で見つめるその姿が、混乱を唐突にもたらした。 189: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 21:09:48.31 :NE14fKE10 美琴「びっくりした……モノミ、無事だったんだね」 結華「いやいや! あれで無事とかあり得るの?! これ以上はないってぐらいのハチの巣だったよね?!」 モノミ「ぷすーくすくす! 確かにあちしはあの時モノクマによってハチの巣でボロ雑巾以下のけちゃむくれにされてしまいまちたけど……あんなのヘッチャラなんでちゅ! あちしは死にまちぇん!」 千雪「……もしかして、スペアだったりするのかな?」 モノミ「はえ?!」 千雪「モノミちゃんはいくつも替えがあって、一時的に破壊されたとしても別のモノミちゃんを起動すればいい……そういうことなんじゃないかな?」 摩美々「ま、操作する人が無事なら乗り換えればいいだけだもんねー」 モノミ「こら~~~~~! あちしに中の人なんていまちぇ~~~~~~ん!」 モノミ「まあでもミナサンが言う通りで間違いないでちゅ、あちしの肉体は替えとなるスペアが一個や二個どころじゃなく存在しているんでちゅ。あちしのマジカルパワーで輪廻転ちぇいしたんでちゅ」 モノミ「お待たせしまちたね! あちしがいない寂しさともこれでサヨナラ! どうぞ好きなだけあちしの体をモフモフしてくだちゃい!」 あさひ「モノミはいくらでも替えがいるんすよね?」 モノミ「せ、芹沢さん……一応聞きまちゅけどそのプラスドライバーは……」 あさひ「スペアがあるなら、最悪壊しちゃってもいいってコトっすよね! どんな構造してるのか、見せてほしいっす!」 モノミ「いや~~~~~! 中綿はやめて~~~~~!」 ビューン まるで嵐のような一幕で、モノミは芹沢さんに追われるままに姿を消した。 取り残された私たちはまだ事態をそのまま飲み込むことはできず、ポカンとした様子で彼女たちを見送った。 190: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 21:10:57.96 :NE14fKE10 結華「め、めいめい……一応あさたんのこと追いかけて止めてあげて……モノミはよくわかんないけど、なんとなく止めたほうがいいかな……かわいそうだし」 愛依「りょ、りょーかい! 待って~! あさひちゃ~~~ん!」 冬優子「ま、待って、愛依ちゃん……」 タッタッタッタッ 透「元気だね。ヤングフル」 結華「とおるんもまだまだ若いでしょ?!」 雛菜「ストレイライトの人たちはいつも賑やかですね~」 千雪「ふふっ……本当に、羨ましいぐらい」 摩美々「もう三人抜けちゃったし、朝食会はこんなもんでいいー? 情報共有しとくような発見もどうせ特にないんでしょー?」 智代子「あはは……そ、それはそうかも……」 夏葉「だからといって諦めてはいけないわ。人事を尽くして天命を待つ、私たちは私たちのやれるだけのことをやりましょう」 果穂「はい! ぜったいにみんなで協力して脱出する方法があるはずです!」 透「っしゃ、やるかー」 にちか「お、おー……!」 191: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 21:12:23.76 :NE14fKE10 ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 朝食会を終えた私たちはそれぞれの部屋へといったん戻っていった。 諦めちゃいけない。それはまあ間違いないんだけど…… ……いやいや、こんなこと言っちゃダメだよね。 せっかくみんなが前向いて動いてるんだし、後ろ向きな発言なんかしたらパンチ。 今は私にできることをやるだけ。そうだよね! 【自由行動開始!】 ------------------------------------------------- 【現在のモノクマメダル枚数…10枚】 【現在の希望のカケラ…16個】 1.交流する【人物指定安価】※ルカを除く 2.モノモノヤシーンに挑戦する 3.自動販売機を使う 4.休む(自由時間スキップ) ↓1 192:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/23(火) 21:44:08.45 :jUiNkCSr0 1 灯織 193: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 21:53:02.51 :NE14fKE10 1 灯織選択 【中央の島:ジャバウォック公園】 にちか「あ……風野さん……どうしたんですか、こんなところで」 灯織「い、いえ……少し気になることがありまして……」 にちか「気になること?」 灯織「朝のモノミですよ……この前確かにモノケモノに射撃されて散り散りになっていたはずなのに……あんな完全体で復活するなんて」 灯織「ほら……見てください、この弾痕……あの時のものです」 にちか「スペアを使ったって言ってましたけど?」 灯織「ということはこの島には量産体制を可能にする設備があるということです……今はまだ私たちの踏み込むことのできないところにも、もしかしたら」 風野さん、深く集中して考え込んでる…… 慎重な人だとは思ってたけど、こんな探偵みたいな人だったっけ……? 風野さんと一緒にこの島のことを考えて過ごした…… ------------------------------------------------- ‣現在の所持品 【半分安全靴】 【希望ヶ峰の指輪】 【ジャバイアンジュエリー】 【キルリアンカメラ】×2 【家庭用ゲーム機】 【携帯ゲーム機】 【トイカメラ】 【表裏ウクレレ】 【バール】 プレゼントを渡しますか? 1.渡す【所持品指定安価】 2.渡さない ↓1 196:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/23(火) 22:23:20.77 :2U5tEOMe0 指輪 198: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 22:26:36.54 :NE14fKE10 【希望ヶ峰の指輪を渡した……】 にちか「風野さん、これ……どうぞです!」 灯織「え……そ、そんな申し訳ないです……! こんな意匠品……い、いいんですか……?」 にちか「風野さんにはずっと助けられてますし、ほら……友情の印、みたいなことです!」 灯織「……!」 にちか「なーんて、クサすぎますかね?!」 灯織「……友情の、印……」 (なんか、妙に気に入ったみたいだ……) 【PERFECT COMMUNICATION】 【親愛度レベルがいつもより多めに上昇します】 ------------------------------------------------- にちか「風野さん、すごいです!」 灯織「えっ……?! と、突然どうしたんですか……?!」 にちか「いやだって、今私たちがこうやって協力してるのだって、風野さんのおかげじゃないです?! なんかすっごく意外でした!」 にちか「事務所にいた時ってもっとこう……奥手なイメージだったというか」 灯織「そ、そうですね……確かに、以前までなら私もこんな風に皆さんの前に立って言葉を投げかけるなんてことしなかったかもしれません」 灯織「……でも、想いは口にしないと伝わりませんから」 にちか「……!」 (う、うわぁ……すっご、今日日ドラマでもそんなセリフ聞かないよ……!) (ダメダメ、多分本気なんだから! 風野さんってそういうとこある人だから! 茶化さず相手してあげないと!) にちか「で、ですよねー! 私もお姉ちゃんと喧嘩するときとか大体そんな感じです!」 灯織「喧嘩……ですか?」 にちか「私の言いたいこと、お姉ちゃん一個もわかってないから! すぐに喧嘩しちゃうんですよねー!」 灯織「ふふ……はづきさんが怒ってるところなんか想像できないな」 にちか「えー? そうですかー? めちゃくちゃキレますよ、あの人! 不動明王かってぐらいで!」 灯織「それは……すさまじいですね」 にちか「そうそうこの前も……」 1.夕食の時に…… 2.洗濯の時に…… 3.自由安価 ↓1 199:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/23(火) 22:37:51.63 :oKE09R4k0 1 200: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 22:45:34.53 :NE14fKE10 1 選択 にちか「この前の晩御飯の時なんかひどかったんですよ! せっかく私がお姉ちゃんをねぎらって夕食当番代わってあげたのに」 にちか「それを伝えたら『パートで忙しいから先食べててー』ってチェインで一言! こっちがどんな気持ちで用意したのかわかってるのって感じですよ!」 灯織「それは……ちょっと、寂しいですね……」 にちか「ですよね?! 別にこっちもお姉ちゃんめちゃくちゃ嫌いってわけじゃないので……たまには一緒に食べたい日ぐらいありますよ」 灯織「……ふふ、七草さんははづきさんのこと大切に思ってるんですね」 にちか「別にー? そんな風に達観ぶったこと言うのおじさんく____ 灯織「七草さん?」 にちか「……いや、なんでもないです。なんか……なんでだが、風野さんの発言で思い出しちゃう人がいて」 灯織「は、はぁ……」 にちか「でも、実際風野さんの言う通りですね……こんなことになるんだったらもっとお姉ちゃんと色々話しとけばよかったなぁ……」 灯織「そう、ですね……」 灯織「離れ離れになってからでは、遅いですから……」 にちか「……風野さん?」 灯織「い、いえ……七草さん、これからも一緒に頑張りましょうね!」 にちか「は、はぁ……」 【親愛度レベルが上昇しました!】 【風野灯織の親愛度レベル…2.0】 【希望のカケラを入手しました!】 【現在の希望のカケラ…17個】 201: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 22:48:04.59 :NE14fKE10 【にちかのコテージ】 お姉ちゃんのことも思い出すし…… プロデューサーさんのこともなんとなく思い出しちゃったし…… はぁ、なんだかんだ言ってやっぱり寂しいよ…… それにしても、風野さんやっぱりなんだか変わったよね。 事務所にいた時に比べると、どこか達観してるっていうか、大人になったっていうか…… うわうわ、これなんかめちゃくちゃおじさんっぽい!? 【自由行動開始】 ------------------------------------------------- 【現在のモノクマメダル枚数…10枚】 【現在の希望のカケラ…17個】 1.交流する【人物指定安価】※ルカを除く 2.モノモノヤシーンに挑戦する 3.自動販売機を使う 4.休む(自由時間スキップ) ↓1 202:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/23(火) 22:54:08.98 :oKE09R4k0 1 ふゆこ 203: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 22:59:46.38 :NE14fKE10 1 冬優子選択 【第1の島:ビーチ】 ……あれ? 誰もいないと思ったら、黛さん? こんなところで一人だなんて珍しいな、ちょっと声かけてみようかな…… にちか「こんにちは、なにやってるんです?」 冬優子「ひゃわぁ?! に、にちかちゃん……? ど、どうしたのかな? ふゆに何か用かな?」 にちか「用ってほどでもないですけど……ていうか、お邪魔でした? いま、なんかめっっちゃ飛び上がりませんでした?」 冬優子「え、えー……? 何のことだか……」 冬優子「ねえ、にちかちゃん、ふゆに話しかける前に何か聞こえた?」 にちか「え? なんのことです?」 冬優子「何も聞いてない?」 にちか「は、はい……見かけてすぐ声かけたので」 冬優子「そ、そっか! それなら大丈夫♡」 なんだかよそよそしい黛さんと一緒に過ごした…… ------------------------------------------------- ‣現在の所持品 【半分安全靴】 【ジャバイアンジュエリー】 【キルリアンカメラ】×2 【家庭用ゲーム機】 【携帯ゲーム機】 【トイカメラ】 【表裏ウクレレ】 【バール】 プレゼントを渡しますか? 1.渡す【所持品指定安価】 2.渡さない ↓1 204:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/23(火) 23:02:08.24 :oKE09R4k0 1 ジュエリー 205: ◆zbOQ645F4s:2021/11/23(火) 23:14:07.80 :NE14fKE10 【ジャバイアンジュエリー】を渡した…… にちか「これ、どうぞです!」 冬優子「わぁ……ペンダントだね、ありがとう……! ヤシの木をモチーフにしたアクセサリーなんだね!」 にちか「私じゃちょっと合わせるの難しそうなので……黛さんみたく、おしゃれに着こなせる人が持っておくのがいいかな、なんて!」 冬優子「……」 にちか「どうかしました?」 冬優子「う、ううん! なんでもないの! ありがとうね、にちかちゃん!」 (うーん……? 喜んでくれたんだよね……?) 【NOMAL COMMUNICATION】 ------------------------------------------------- 黛さん、すごいなぁ…… こんな状況でも毎日キュートな振る舞いが途絶えないし、ずっとかわいいイメージのまんま! これが素からにじみ出る可愛さってやつ……生まれたってのアイドル性ってやつなのかな……うぅ、ちょっと嫉妬。 冬優子「にちかちゃん、不安に感じてることとかない?」 にちか「え……? そりゃまあ、ありますけど……」 冬優子「だよね、こんな状況だもん……ふゆだって、怖くて怖くて……毎日寝るのがちょっぴり不安なんだ」 にちか「事務所の仲間はそばにいるとはいえ、こんな状況下だとどうしてもそうですよね。……寝れないとかですか?」 冬優子「ううん、眠れてないわけじゃないから心配しなくて大丈夫!」 冬優子「あさひちゃんと愛依ちゃんがいなかったらって思うと……心細くて仕方ないなぁ」 にちか「ですよねー、ストレイライトってすごく仲がいいですもんね!」 冬優子「うん♡ 二人とはユニット結成して以来のお友達だから!」 にちか「黛さんは面倒見がいいのもありますし、よくなつかれてる感じがします!」 冬優子「面倒見がよくて、なつかれてる……う、うん……そうだね!」 (……今、表情がちょっと引きつった?) (き、気のせいだよね……よーし!) 1.なんだか家族みたいな空気感ですよね 2.二人のどんなところが好きですか? 3.自由安価 ↓1 206:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/23(火) 23:25:16.84 :oKE09R4k0 1 209:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/24(水) 21:34:10.60 :5s5mVYwB0 1 選択 にちか「黛さんがお母さんで、愛依さんがお姉さん、芹沢さんが末っ子さんって感じで……家族みたいな空気感に感じます!」 冬優子「か、家族……? そっか、そんな風に見えるんだね……」 (なーんか反応が微妙に悪いんだよな……) にちか「ストレイライトっていつも仲が良く見えるから、喧嘩とかもしなさそーですもんね!」 冬優子「そうだね、愛依ちゃんはいい子だから喧嘩することもないかな!」 にちか「ん? 愛依さんは……?」 冬優子「え? あ、ちがうよ? あさひちゃんはホラ……年下で可愛らしいから、喧嘩なんてそんな」 にちか「そうですよね! 年だって5つも違うんだし、そんな喧嘩なんかしないですよね!」 冬優子「う、うん……」 にちか「普通はそうですよね!? それなのにうちのお姉ちゃんときたら……」 冬優子「……にちかちゃん?」 にちか「あれ……? お姉ちゃんってそういえば今、いくつだっけ……」 冬優子「もう、にちかちゃん……お姉さんの誕生日はちゃんと覚えておかないと! はづきさんは今……」 冬優子「……あれ?」 にちか「……なんか、この話はやめときましょうか」 冬優子「そ、そうだね……!」 【親愛度レベルが上昇しました!】 【黛冬優子の親愛度レベル…1.5】 210: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:36:27.34 :5s5mVYwB0 この世の深淵に触れてしまったようで、妙に冷えてしまった背筋を感じながら自分のコテージへと戻った…… それにしても、黛さんのあのユニットのトークの時のぎこちなさはなんなんだろう……? ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 さて、そろそろ夕方だけど…… 今日も美琴さんは練習するのかな……? それならぜひともご一緒しないと……! この前の疲れはまだ抜けきってはいないけど、今は自分の体よりも優先すべきことがある。 扉を乱暴に開けると急ぎ足で昨日の練習場所である海岸へと向かった。 211: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:37:27.33 :5s5mVYwB0 ------------------------------------------------- 【第1の島 外周】 ただ、海岸までには島の外周を通るわけで、当然誰かに鉢合わせるリスクがある。 そしてその『誰か』は……私には選べない。 ルカ「……ちっ」 ……最悪だ。なんでよりにもよって、この人と鉢合わせちゃうんだろう。 ルカさんも美琴さんとはまた別のばつの悪さを感じている様子で私から視線を逸らす、どうやら何事もなかった様子で通すらしい。 ルカ「……なんだよ、なんか文句でもあるのか」 にちか「あ、ありますよ、文句! めっちゃくちゃ!」 ルカ「……だろうな」 (でもそれを聞く気は無しってところかな……?) このまま、私も黙っていたって良かった。 実際この人と私はほとんど無関係だ。つないでいるのは美琴さんだけで、しかも美琴さんはすでに私との方がつながりが濃い。 美琴さんの取り合いってだけなら私にとっくに軍配が上がっている。 _____でも、そんな単純な話じゃない。 212: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:38:30.14 :5s5mVYwB0 にちか「ルカさんは……美琴さんと今のままでいいんですか?」 ルカ「……はぁ?」 にちか「ルカさんって美琴さんのこと悪く言うし、ぜんっっぜん褒めない分からず屋ですけど……」 ルカ「喧嘩売ってんのか?」 にちか「でも、それって言葉の上だけで……本当に美琴さんのことを恨んでたり、怒ってたりするわけじゃないんですよね?」 ルカ「……どういう意味だよ」 にちか「……っ!」 (……目の色が変わった) (諦観的な投げやりな敵意じゃない……これは、よく研がれた包丁のように、鋭くとがった……深く突き刺さる敵意) ルカ「何をわかった気になってるのか知らねえけど、お前に推し量れるようなものじゃねえんだよ。私と美琴の解散はな」 (……怖い) (今にも私ののどを掻っ切って来そうなまでの気迫と息遣い。完全に私が彼女の逆鱗に触れてしまっているのは明らかだ) (それでも……それでも!) 213: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:40:18.46 :5s5mVYwB0 にちか「本当に美琴さんのことが嫌いなら、どうして練習をやめるように言ったんですか?! ほっといて、体が壊れるのを待てばよかったじゃないですか!」 ≪ルカ「美琴は自分のことも、他人のことも顧みなさすぎなんだよ。……コンビ解消したのに、また同じことをやってるようじゃ救えないな」≫ にちか「いや、私がそうはさせませんけど!」 ルカ「……言っただろ、嫌いな相手でも一度は組んだ過去がある。そんなやつが怪我でもしたら夢見が悪いってだけ」 にちか「ちがう……嘘ばっか、嘘ばっっか! 自分にまで嘘ついて楽しいですか?!」 ルカ「は、はぁっ?! ガキの喧嘩じゃあるまいし……何言いだしてんだよお前……」 にちか「ガキ?! ガキってどっちがですか?! 本音を言う勇気も持てないで、仲直りすらできずにいる意気地なしとどっちがガキなんです?!」 ルカ「てめェ……黙って言わせてれば好き勝手いいやがって……!」 にちか「じゃあ言い返してみてくださいよ! 違うんですよね!? 美琴さんのこと、だいっっ嫌いなんですよね?!」 ルカ「お前なぁ……!!」 ルカ「……ちっ、付き合いきれねえ。どけ、お前と話してる時間なんかない」 にちか「わぁっ?!」 強く押されて尻もちをついた。走るまではいかない速足でその背中はどんどんと小さくなっていき、やがてルカさんは私の目の前から姿を消した。 結局、ルカさんには何も伝えられなかった……ただ私の感情をぶつけただけ。 でも、それでもきっと、何かルカさんとしても思うことがあった、そう信じたい。 ≪ルカ「お前なぁ……!!」≫ 最後に何かぶつけようとしたあの声は、震えていた。 私に対する怒りとはまた少しだけ違った色合いの震え。 私の見ているルカさんが、どこまで嘘なのかはわからないけど……きっとあの震えこそが、真実なんだと思う。 214: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:40:54.49 :5s5mVYwB0 ------------------------------------------------- 【ビーチ】 それからすぐに美琴さんと合流して練習に取り組んだ。 美琴「……次、ターン」 にちか「は、はい!」 直前でルカさんに会ったことは隠しておいた。 この件に関しては美琴さんには踏み入らないでほしいと言われているのに、私はその約束を破ったからだ。 美琴「ちょっと遅れてるよ。もう少し早くできるかな」 にちか「や、やってみます!」 慣れない秘密を抱え込んだ私の体は、いつもよりきっと数ミリグラムぐらい重たくて。 なんだか練習の時もぎこちなかったと思う。 215: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:42:39.10 :5s5mVYwB0 ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 キーン、コーン…カーンコーン… 『えーと、希望ヶ峰学園歌姫計画実行委員会がお知らせします…』 『ただいま、午後十時になりました』 『波の音を聞きながら、ゆったりと穏やかにおやすみくださいね』 『ではでは、いい夢を。グッナイ…』 私が踏み込むべきじゃないし、美琴さんにも止められている。 それでも、我慢ができなかった。 ごめんなさい、美琴さん。でも、しょうがないんです。 今、誰よりも近くにいる私だからこそ……今、このコロシアイ南国生活にいるからこそ……黙って指をくわえてみているなんて出来ないんです。 ≪ルカ「言っておくけど……私は殺れるからな」≫ ルカさんのあの言葉だけは、真実にしちゃいけない。 あの言葉を生むきっかけになった軋轢を、少しでも解消しないと。 それは私たちのためでもあり、なによりルカさんのために大切なことなんだ。 「……よし!」 どこまで私たちに時間の余裕があるのかはわからない。 でも、その時間がある限りは、絶対に……やめてやらないんだから。 美琴さんが嫌がっても……やめられない。 216: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:44:13.53 :5s5mVYwB0 ____ _______ __________ ========= ≪island life:day 4≫ ========= 【にちかのコテージ】 もうここで目を覚ますのも三回目。 慣れというのは恐ろしいもので、目を開いたときにこんなリゾート感ある内装が待ち受けていることにもはや違和感をほとんど抱かなくなってしまっていた。 それよりも、起きた瞬間に胸に湧き上がるのはルカさんと美琴さんのこと。 頭の中がなんだかそのことでいっぱいでやたら目が冴えて、いつものアナウンスよりも先に起きてしまった。 まだ集まるには早いけど……このままじゃ寝付けそうにもない。 なんとなく気が立ってしまった自分を抑えるために、これまたなんとなく部屋を出て、散歩をすることにした。 217: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:45:37.58 :5s5mVYwB0 ____ ______ ________ 【レストラン】 なんだかすっかり汗をかいてしまった。 朝の爽やかな散歩で済ませるつもりだったのに、息も上がり気味で傍目に不自然じゃないかな……? 平静を装って涼しい顔して席につく。 美琴「にちかちゃん……どうしたの? 朝、ジョギングでもしてきたの?」 にちか「あ、あはは……そんなところです」 透「おー、健康的」 にちか「そ、そうなんですよ! 昨日は夏葉さん達が美琴さんも交えてやったって聞いたので、私もやりたいなーと思って!」 夏葉「あら、そうだったの……水臭いわ、言ってくれれば今日もやったのに。にちかを交えたジョギングの回もやらなくてはならないわね」 果穂「はい! にちかさんもいっしょに走りましょう!」 美琴さんには少し気づかれたようだけど、それ以上は追及はしてこなかった。 むしろ取り繕うための言葉を並べているうちに、なぜだかジョギングの回が開かれることになっちゃったけど……まあ、いいか。 218: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:47:56.60 :5s5mVYwB0 摩美々「何か新しい発見はー?」 「……」 智代子「なかなかないみたいだね……」 美琴「もうこの島に来て4日目になるけど……なにも進展はないね」 冬優子「救助隊の船を見かけたりもしてないですよね……」 千雪「大丈夫かなぁ……助けは本当に来るんだよね……?」 透「おーい、助けろー。国―」 雛菜「もしかして雛菜たちのこと、みんな忘れちゃったのかな~?」 恋鐘「そんなわけなか! 少なくともプロデューサーは絶対にうちらのことは忘れんたい!」 結華「やっぱりなんだか妙なことに巻き込まれちゃってるよねー、これ」 朝食会の情報共有でも目立った進展は無し。 新しい情報を持ち出す者は誰もおらず、結局そのままただ食事だけをつついた。 そして、そのまま全員で朝食を終えると、またいつものように自分たちの部屋に戻る。 ……この繰り返しに終わりは来るんだよね? 219: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 21:49:24.27 :5s5mVYwB0 ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 部屋に戻ってシャワーを浴びて、服も着替えた。 一度汗をかいてしまったら乾いても気分が良くない。 サッパリ丸々入れ替わちゃわないと、汚いままの私が継続されたままだから。 さて、心機一転じゃないけど、ここからまた頑張んなきゃだ。 私にできることをやって、脱出の方法を探さないと! 【自由行動開始!】 ------------------------------------------------- 【現在のモノクマメダル枚数…10枚】 【現在の希望のカケラ…17個】 【事件発生前最終日の自由行動です】 1.交流する【人物指定安価】※ルカを除く 2.モノモノヤシーンに挑戦する 3.自動販売機を使う 4.休む(自由時間スキップ) ↓1 222:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/24(水) 22:20:56.91 :892YAtJu0 1 みつみね 223: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 22:25:43.60 :5s5mVYwB0 1 三峰選択 【第1の島:結華の部屋】 ピンポーン 結華「はいはーい……あれ、にっちゃん? どうしたの、何か用事?」 にちか「いや、用事って言うほどでもないんですけど……せっかくならちょっと一緒に過ごせたらなーって」 結華「……ふふ、流石はみんなの妹、年上の心をわしづかみにするための手練手管は心得てるってワケだ」 にちか「え、ちょ、そんな下心なんかないですよー!」 結華「あはは、ごめんごめん。にっちゃんは弄りがいがあるからつい……」 結華「でもちょうどよかった、この前スーパーで見つけたお菓子があるんだよね。上がって!」 にちか「あ、はい……お邪魔します!」 結華さんの部屋でお菓子を食べて過ごした…… ------------------------------------------------- ‣現在の所持品 【半分安全靴】 【キルリアンカメラ】×2 【家庭用ゲーム機】 【携帯ゲーム機】 【トイカメラ】 【表裏ウクレレ】 【バール】 プレゼントを渡しますか? 1.渡す【所持品指定安価】 2.渡さない ↓1 224:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/24(水) 22:29:43.97 :892YAtJu0 1 キルリアンカメラ 225: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 22:40:23.47 :5s5mVYwB0 【キルリアンカメラ】を渡した…… 結華「あれ、なんか変わったタイプ……あんまり見たことないかも」 にちか「キルリアン写真って知ってます?」 結華「キルリアン……? なんかで聞いた気が……あ、あれか! オーラを写真に収めるってやつ!」 にちか「そう、そうなんですよ! 結華さん、【超大学生級の写真部】でしたよね。もしかしたら興味ないかなーって」 結華「オーラとかは流石に俄かに信じがたいけど……純粋に興味はある! でかした、七草にちか隊員!」 (やった! 喜んでもらえた!) 【PERFECT COMMUNICATION】 【親愛度レベルがいつもより多めに上昇します】 ------------------------------------------------- 結華「にっちゃんってさ、元々アルバイトやってたんだよね?」 にちか「え、はい……どうしたんですか?」 結華「いやただの世間話! あんまりこうやってにっちゃんと二人で話すこともなかったから」 (何かと場を引っ張ってくれるし、やっぱりこうやって接してても年上のお姉さんって感じでリードしてくれるし、やっぱ気楽に話せていいな……) にちか「別に面白いこともないですけど、CDショップで働いてました。そこにプロデューサーさんが来て……まあなんやかんやって感じです」 結華「へぇ~、CDショップの店員さん! いいじゃんいいじゃん、おしゃれな感じでてるよ!」 結華「でも、どうしてまたCDショップで? ……あ、嫌だったら答えなくても全然大丈夫」 にちか「大丈夫です! えっと、元々レコードとかそういうのが好きで、音楽に近いところで働きたいってのがあったんですよね」 結華「にっちゃんなかなか渋いんだ、やるね」 にちか「えへへ、家に昔のレコードとかが残ってて、よく聞いてたんですよね。だから同級生とかにもついうっかり自分の趣味のレコードの話をしすぎちゃってポカンとされるとかも結構あって」 結華「あはは、わかるわかる。三峰も好きなものの話になるとつい調子に乗って話過ぎちゃったりするからさ」 にちか「そうなんですか? 結華さんが好きなものって……」 結華「まあアイド……げふんげふん、いや、何……風景写真とか撮るの好きなんだよね。写真部、なんて称号いただいちゃってますけど拘りは結構本気であって……被写体によってカメラ使い分けたりしちゃってますから!」 にちか「え、すごいじゃないですかー! カメラも色々ありますもんね、デジカメとか一眼レフとか、全然違うんですよね」 結華「まあね、一眼レフだと暗くても撮影がしやすかったりとかいろいろあって……最近のスマホも結構高性能ではあるけど、まだ追いつかないところも多いんだよ」 にちか「すごー! カメラ博士じゃないですかー!」 結華「よせやいよせやい! おだてても何も出やしないぞー!」 1.じゃあ今度は代わりに私が結華さんにレコードおすすめしますよ! 2.実際に撮ってるとこ見てもよかったりします? 3.自由安価 ↓1 226:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/24(水) 22:59:20.51 :892YAtJu0 2 227: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 23:06:56.51 :5s5mVYwB0 2 選択 にちか「じゃあ今度実際に撮ってるとこみてもよかったりします?」 にちか「ほら、結華さんのこだわりをせっかくなら生で見てみたいって!」 結華「え、いいの……? むしろこっちからお願いしたいぐらい!」 結華「せっかくなら二人で写真撮りに行こうよ、前に一度ふゆゆともカメラを持って出かけたことがあったんだけど……すごくいいフォトスポット知ってるから!」 にちか「うわうわ……それめっちゃいいじゃないですか!」 にちか「……あ、でも待ってください。その……うち、あんまりお金に余裕がある家庭じゃなくて、その……」 結華「大丈夫、三峰のお古でよければ用意いたしますから!」 にちか「結華さん……!」 結華「なにせ可愛い可愛い三峰の妹分なんだからねー、それぐらいは面倒見てやりますよ!」 にちか「ありがとうございますー! まともなカメラなんか触るの、初めてですよ!」 にちか「うわ、島から出るのめっっちゃ楽しみになりました! 結華さん、絶対一緒に生きて脱出しましょう!」 結華「に、にっちゃん……それ死亡フラグ……」 にちか「え? なんです?」 結華「……ううん、なんでもない」 【親愛度レベルが上昇しました!】 【三峰結華の親愛度レベル…2.0】 【希望のカケラを入手しました!】 【現在の希望のカケラ…18個】 228: ◆zbOQ645F4s:2021/11/24(水) 23:08:54.18 :5s5mVYwB0 ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 結華さんのカメラへのこだわり、気持ちはわかるなぁ…… 愛ってホント突き詰めても突き詰めてもキリがないし、お金もまるで足りない。 そういえばこっちにいる間のバイト代って…… ……うぅ、脱出したらシフト増やしてもらおう…… 【自由行動開始!】 ------------------------------------------------- 【現在のモノクマメダル枚数…10枚】 【現在の希望のカケラ…18個】 【事件発生前最終日の自由行動です】 1.交流する【人物指定安価】※ルカを除く 2.モノモノヤシーンに挑戦する 3.自動販売機を使う 4.休む(自由時間スキップ) ↓1 229:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/24(水) 23:49:48.82 :892YAtJu0 1 まみみ 232:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/25(木) 20:45:21.17 :R8XLdqbj0 1 摩美々選択 【第1の島:牧場】 摩美々「……」 にちか「あれ、田中さん……どうしたんですか? こんなところにいるの、珍しいですよね?」 摩美々「え? あー……仕込みってとこかなー」 にちか「仕込み? 牛の肉で何か料理でも作るんです?」 摩美々「何そのバイオレンス発想ー……牛、めちゃくちゃ生きてるんだケド……」 摩美々「せっかくイタズラの仕込みで牛のそれを使うっていうボケ仕掛けてたのに、にちかのとんでも発言で滅茶苦茶だよー」 にちか「知らないですよー……なんかすみません」 なぜか機嫌を悪くした摩美々さんを宥めながら過ごした…… ------------------------------------------------- ‣現在の所持品 【半分安全靴】 【キルリアンカメラ】 【家庭用ゲーム機】 【携帯ゲーム機】 【トイカメラ】 【表裏ウクレレ】 【バール】 プレゼントを渡しますか? 1.渡す【所持品指定安価】 2.渡さない ↓1 233:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/25(木) 21:35:25.07 :yfpu9+XA0 1 安全靴 234: ◆zbOQ645F4s:2021/11/25(木) 21:40:11.08 :R8XLdqbj0 【半分安全靴】を渡した…… にちか「これ、どうです?」 摩美々「や、どうですって言われてもー……つま先に鉄板が入った靴なんて履きようがなくないー?」 にちか「でも、外でロケとかする時に使えるかもしれませんよ!」 摩美々「芋ほりとかの農業ならまだしも、工業ロケなんか聞いたことないしー……」 摩美々「これは流石に、貰ってもどうしようもないかなー……」 (うっ……しまった、別のものを渡せばよかったな……) ------------------------------------------------- にちか「田中さんってよくプロデューサーさんにちょっかいだしてますよね!」 摩美々「……ちょっかいっていうか、からかってるっていうかぁ」 にちか「いや、別にいいんです! それがダメ!とかいう気もないですし、むしろもっとやってくれって感じなんです!」 摩美々「……はぁ?」 にちか「プロデューサーさんがイタズラやられた時の間抜け顔、めちゃくちゃ面白いんですよねー! いい大人が女子高生に振り回されるのって超ダサいしー!」 摩美々「ダサいかどうかはまあ別として……にちかも結構いいシュミしてますねー」 にちか「あはは、田中さんほどじゃないですってー! あー、この前車のカギを隠した時の慌てっぷりはケッサクだったなー!」 摩美々「……え」 にちか「それとかスマホのパスワードめちゃくちゃに入力しまくって制限かけた時、体震えてましたよー!」 摩美々「ちょ、ちょっとやりすぎじゃ……」 にちか「え? そうです? じゃあ普段……田中さんはどんなことしてるんですか?」 摩美々「え、落書きとか……突然写真撮ったりとか……」 にちか「……ぬるくないです?」 摩美々「こんなもんで十分でしょー……」 1.もっといいイタズラを考えましょう! 2.案外かわいいんですね 3.自由安価 ↓1 235:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/11/25(木) 22:18:07.99 :yfpu9+XA0 2 236: ◆zbOQ645F4s:2021/11/25(木) 22:31:03.42 :R8XLdqbj0 2 選択 にちか「案外田中さん、可愛らしいんですね」 摩美々「はぁー? な、なに急に……」 にちか「イタズラの内容も控えめですし、プロデューサーさんへのからかい方もじゃれてるみたいで……」 摩美々「……タバスコ」 にちか「へ?」 摩美々「これから毎日にちかの食事にいずれかのタイミングでタバスコを仕掛けることが今決定しましたー」 にちか「は、はあああああああ!?」 摩美々「年上に生意気な口を利く後輩にはきょーいく的指導が必要なのですー、ふははー」 にちか「り、理不尽過ぎません!?」 摩美々「それに……イタズラなら負けるつもりはないのでー、にちか、しばらく勝負だよー」 にちか「……! そういうことですか……! それなら私だって負けません!」 にちか「田中さんを驚かせて頭からひっくり返しちゃいますよ!」 摩美々「ふふー、やれるもんならやってみなよー」 【親愛度レベルが上昇しました!】 【田中摩美々の親愛度レベル…1.5】 ------------------------------------------------- 【今章におけるすべての自由行動パートが終了しました】 237: ◆zbOQ645F4s:2021/11/25(木) 22:33:21.39 :R8XLdqbj0 田中さんに正面から果たし状を叩きつけられてしまった。 イタズラならプロデューサーさん相手に磨き上げてきた……私だって負けていられないよ! コテージに帰ったら作戦準備! まずは泥水と墨汁を混ぜるところから始めようかな…… ------------------------------------------------- 【にちかのコテージ】 島の探索をあらかたし終えて、一日の疲れとともにコテージの扉を開けた。 シャワーの一つでも浴びて、早いところ寝てしまおうか。 そんなのんきなことを考えながら、ゆっくりと支度を始めたその直後。 キーンコンカーンコーン… にちか「え……? こ、こんな時間に……?」 夜時間の始まりと終わりを告げるチャイムとはまた別。 これまで過ごしてきた中で一度も聞いてこなかった時間でのチャイムに心臓が飛び上がる。 そしてその視線をモニターに向けると、砂嵐はうねり、モノクマがまたその姿を現した。 『島内放送、島内放送~! オマエラの楽しい楽しい南国生活の幕開けを祝して、楽しい催しをご用意しました~!』 『丹精込めて用意しましたので、ぜひジャバウォック公園の銅像前にお集まりくださ~い!』 うーわ、楽しい催しって絶対ろくなことじゃない。 『ろくなことじゃない』くらいで済めばむしろいいけど、最悪の場合何か命に係わる話の可能性だってある。 だって、あのモノクマなんだもの。 南国の陽気に中てられた間の抜けたムードから、急速にピりついた空気の張り詰めたムードが漂い始める。 生唾一つ飲み込んだ。 にちか「……とりあえず、行ってみよう」 読む →
2021年11月24日 15:00 【シャニマス】めぐる「食べさせあいっこ」 元スレ 全てのレス 8:wenppy ◇28goFgfuuI:2021/11/23(火) 20:34:17.04 :Rr9Z2Vx8O 「ねぇねぇ、プロデューサーは方舟って見たことある?」 とある日の昼下がりの午後のこと。 プロデューサーとめぐるは事務所で小休憩を取っていた。 「ノアの方舟のことか? 内容は知っているが、本や映画を観たことはないな」 プロデューサーは陶器のマグカップに口付け、唇を湿らせる。 コーヒーの香りが鼻腔をくすぐった。いつも通りの落ち着く香り。 「ううん、物語じゃなくて、実物の方舟!」 横に座っているめぐるがかぶりを振る。艶やかな金髪がさらさらと揺れた。 読む →
2021年11月20日 18:00 【シャニマス×ダンガンロンパ】にちか「それは違くないですかー!?」【安価進行】 プロローグ 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 全てのレス 1: ◆zbOQ645F4s:2021/11/18(木) 20:34:56.46 :uUkbKYqQ0 ------------------------------------------------- ※注意 ・本作は「ダンガンロンパ」シリーズのコロシアイをシャニマスのアイドルで行うSSです。 その特性上アイドルがアイドルを殺害する描写などが登場します。苦手な方はブラウザバックを推奨します。 ・キャラ崩壊・自己解釈要素が含まれます。 ・ダンガンロンパシリーズのネタバレを一部含みます。 ・舞台はスーパーダンガンロンパ2のジャバウォック島となっております。マップ・校則も原則共有しております。 ・越境会話の呼称などにミスが含まれる場合は指摘いただけると助かります。修正いたします。 ※前作シリーズ 【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1613563407/#footer 【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1616846296/ 【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1622871300/ 【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1633427478/ 以上のほどよろしくお願いいたします。 ----------------------------------------------- 2: ◆zbOQ645F4s:2021/11/18(木) 20:35:55.37 :uUkbKYqQ0 「……ねえ、大丈夫?」 3: ◆zbOQ645F4s:2021/11/18(木) 20:36:53.90 :uUkbKYqQ0 「……大変だよね、こんなに一気に訳のわからないことが起きて」 (……ここは?) 仰臥する私の耳には、どこか遠くで波が打ち寄せるような音が響く。そして視界には、照りつける太陽。肌もその熱でひりついている。 (……なんで、こんなところにいるんだっけ) 熱で茹で上がっているのか、思考がまるでまとまらない。 昨日の晩御飯は何食べたっけ、今日のレッスンいつからだったっけ。 そんな取り留めもないことばかりが浮き上がってきて、この“現実”を説明してくれる言葉が見当たらない。 「……ゆっくりでいいから、落ち着いて」 でも、それは私が悪いわけじゃない。なんてったって、今の状況が状況。 私の思考が、理性が、本能が理解しようとすることを拒むんだ。 4: ◆zbOQ645F4s:2021/11/18(木) 20:37:43.51 :uUkbKYqQ0 _____だって、突然南国にいることの説明なんて、つけようがないじゃん。 5: ◆zbOQ645F4s:2021/11/18(木) 20:39:17.58 :uUkbKYqQ0 Code:reproduce…………set. Acceration………………complete. 0102030405060809000218493157849 1541057312031948756468721094712 0414932587257849236432789532065 8372951610563021487320573280568 3209856320914321095673102568702 1515380901553021857325873205732 8416137856419247632189431249671 シャイニーダンガンロンパ2 ゼツボウノアイドルトキボウノシマ…………start 6: ◆zbOQ645F4s:2021/11/18(木) 20:41:05.42 :uUkbKYqQ0 ____________________________ SHINY DANGAN RONPA 2 絶望のアイドルと希望の島 __________________________ 読む →
2021年10月10日 13:00 【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「これが私たちの答えです」【安価進行】 CHAPTER 06 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 全てのレス 2: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 18:54:07.25 :Jsck/8oj0 【6章現在での主人公の情報】 【超高校級の占い師】風野灯織 ------------------------------------------------- ・習得スキル ・習得スキル 【一番星の魔法】 〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕 【ポシェットの中には】 〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕 【意地っ張りサンセット】 〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕 【包・帯・組・曲】 〔学級裁判で不正解時のペナルティを三回まで無効化する〕 【HAPPY-!NG】 〔交流による親愛度上昇が+0.5される〕 【摩的・アンチテーゼ】 〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕 【水色感情】 〔学級裁判で不正解時コトダマが減少して正解が導きやすくなる〕 【アップ・トゥ・ユー】 〔学級裁判中任意のタイミングで発動可能。モノクマメダルを消費することで回答を導く。要求枚数は回数ごとに増加(5→10→15→…)〕 【ギンコ・ビローバ】 〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕 ・現在のモノクマメダル枚数…8枚 3: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 18:55:10.33 :Jsck/8oj0 ・現在の所持品 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×2 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【はっぱふんどし】×2 【もちプリのフィギュア】 【ラジオ君人形】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【毛虫くん】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【聖徳太子の地球儀】 【ミレニアム懸賞問題】 【携帯ゲーム機】 【プロジェクトゾンビ】 【動くこけし】 【オブラート】 【スモールライト】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】×2 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ログインボーナス】 ・特殊アイテム 【虹の羽】 〔輝く羽は希望を語る。ロジカルダイブで誤答した時、どこの選択肢があっていてどこが違うのかがわかる〕 【スーパーはづきさん人形】 〔どんな事務仕事もたちどころに終わらせてしまう伝説の事務員を模した人形。反論ショーダウンでコンマ値をあげるスキル・アイテムがパニックトークアクション、議論スクラムでも適用されるようになる〕 【283プロのタオル】 〔ライブで流した汗は宝石の輝き。アイドルを応援する気持ちを吸ったタオルはそれだけ重くなる。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+10される〕 【サイリウムブレード】 〔二つに折れば開戦の合図。アイドル各色の明かりは星々の輝き。反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+20される〕 4: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 18:55:58.85 :Jsck/8oj0 【ここまでの親愛度】 ・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】 ・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)【DEAD?】 ・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……5.0【DEAD】 ・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0【DEAD】 ・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5【DEAD】 ・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……12.0 ・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0 ・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】 ・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0【DEAD】 ・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】 ・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】 ・【超高校級のギャル】和泉愛依……4.0 ・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】 ・【超高校級のディベート部】樋口円香……7.5【DEAD】 ・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……12.0 ・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】 ------------------------------------------------- 5: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 18:56:42.19 :Jsck/8oj0 【コトダマ】 ‣【思い出しライト】 〔照射した相手の記憶を呼び起こす不思議なライト。中央制御室の一角に落ちており、その近くの装置のモニターには『LOG:希望ヶ峰学園 78期生』とあった〕 ‣【キャンプの写真】 〔灯織を含む283プロ全員が登場しているキャンプの写真。加工編集がされたようには見えないが、灯織たちにその記憶は全く存在しない〕 ‣【コロシアイ合宿生活の運営】 〔コロシアイ合宿生活の運営はすべてがすべて人力で行われていたわけではない。物資の搬入などはオートメーション化されており、深夜の監視は黒幕自身は行わずAIに任せていた〕 ‣【モノクマの証言】 〔今回のコロシアイ合宿生活の参加者は、283プロの現役高校生アイドル15人のみ。そしてこのコロシアイはこの15人でなくては意味がなかったらしい〕 ‣【Aへのメール】 〔A、君のこれまでの功績は評価に値する。我々は実際君に高い期待を寄せていた。だからこそ、今回の独断での行動は看過することはできない。即座に計画を打ち切ってほしい、我々の要求に応じない場合立場を追われることも覚悟しておいてくれ。理解ある行動を我々は望む〕 6: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 18:57:22.82 :Jsck/8oj0 ‣【VERTEX】 〔アイドルのオーディションとして別格の規模を誇る最高峰のオーディション。これに優勝すればアイドルとその所属事務所は至上の名誉を得られると言われている。そのポスターがなぜか地下一階のトレーニングルームに貼られていた〕 ‣【コトキレルX】 〔液体型の遅効性の毒薬。咲耶と凛世の事件以降その所在がわからなくなっており、化学室に補充されることもなかった〕 ‣【被検体α】 〔我々の開発も一定の成果をあげた。マウスによる生体実験も無事に成功、いよいよ続いての段階に遷移することとした。本実験の最後では全被験者への適用が予定されているが、特に適正値の高い被検体αに先行して適用した。彼女はもとより性格面で類似性があったためか、特に拒絶反応も発生することなく実験も成功した〕 ‣【絶望の残党】 〔希望ヶ峰学園を襲っていたとされる集団の俗称。正体素性に関する情報はまるでない〕 ‣【プレゼン資料】 〔寄宿舎2Fの学園長の個室にあったプレゼン資料。新時代のアイドルを作り出すための計画について、プレゼンのスライドがまとめられている〕 ‣【プロデューサーの手記】 〔プロデューサーによる灯織を始めとした283プロのアイドルのプロデュース録。出会ってから今日に至るまでの記録に加え、これからの方針まで書き漏らしなく彼の所感と共に記されている〕 ‣【候補者リスト】 〔灯織たちコロシアイの参加者全員の名前と共に、謎の候補が書き添えられている。なぜか透の候補だけ黒塗りされ、矢印で灯織にその候補が切り替えられた旨が記されている〕 ‣【希望ヶ峰歌姫計画】 〔二階男子トイレ奥の空間に隠されていたファイルに記されていた、希望ヶ峰学園のシステムを利用したアイドル育成計画。『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画。人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする。計画には現役のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定。』〕 7: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 18:58:06.61 :Jsck/8oj0 ‣【学園内の見取り図】 〔二階男子トイレ奥の空間に隠されていたファイルに記されていた、希望ヶ峰学園内における見取り図。寄宿舎エリア2Fと学校エリア地下1Fの情報はない〕 ‣【2F男子トイレ奥の空間に存在したメモ】 〔このコロシアイは浅倉透のため〕 ‣【脱衣所前の監視カメラ映像】 〔めぐる殺害の事件の発生前夜のカメラ映像。円香とめぐるが二人で脱衣所に入り、物の数分で退室、学校エリアに向かうまでが記録されている〕 ‣【方舟計画】 〔おしおきメンテナンスルームのパソコンに隠されていた謎の計画のファイル。詳細は一切不明〕 ‣【新聞記事】 〔未成年の連続失踪事件を取材した記事。全国的に発生している事件であり、犠牲となった人数も少なくない。失踪者の全員が直前に闇サイトにアクセスしていた痕跡がある〕 ‣【人類史上最大最悪の絶望的事件】 〔超高校級の絶望が引き起こした、彼女と彼女に魅せられた者たちによる世界的なテロリズム事件。世界の文明は彼女らによって一度崩壊したと書いてある。代表者たる超高校級の絶望は既に死亡したが、彼女を崇拝する絶望の残党はなおも仲間を増やそうと暗躍しているらしい〕 ‣【コロシアイ学園生活】 〔希望ヶ峰学園第78期生を集めてのコロシアイ。開催場所、参加人数はどちらも灯織たちの今参加しているコロシアイ合宿生活と一致している〕 ‣【変色した簀子】 〔事件前夜、めぐると円香が寄っていた脱衣所では簀子の一部が変色していた。何かしらの液体がそこにこぼれたことを意味しているようだ〕 ‣【コロシアイの動機】 〔これまでの事件の引き金となったモノクマ提供の動機の数々。 ①【疑心暗鬼】黒幕が事務所の仲間内にいるという情報 ②【焦燥】身近な人物の身に危険が及ぶフェイク映像 ③【才能】それぞれに与えられた才能に関連する物品 ④【犠牲】裏切り者の暴露 そのいずれにおいても黒幕には何かしらの期待や狙いが存在していると思われる〕 9: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 20:31:32.32 :Jsck/8oj0 【学級裁判再開!】 10: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 20:33:50.59 :Jsck/8oj0 「ここまでのあらすじ!」 「外からの干渉を受けて、なぜかおしおきを回避して生きながらえることに成功した風野さん、本当に運がいいですね!」 「でも、幸運は悪運のはじまり……彼女が拾った命をそのままに生きながらえるためには自分自身のクロ判定を覆すしか方法はないのでした……!」 「しかも、それはコロシアイ合宿生活そのものの否定に直結する挑戦……天才でキュートで最高にエレガントなモノクマへの挑戦に他なりません」 「セクシーでギルティでイカしたモノクマが学級裁判で学園の真実を暴くのを同時に課題として与えるのも当然のこと、なにせ裁判の結果がどうあれこのコロシアイ合宿生活は終わりを迎えるのですから!」 「ですがさすがはここまで生き残った優秀な風野さんたち、協力して徹底した調査を行うことにより次々と証拠品を集めて、それをもとに推理して……」 「裁判では舌戦の限りを尽くすことにより、見事八宮さんの死の真相を明らかにすることができたのです!」 「さらにはそれにとどまらず、このコロシアイ合宿生活が人類史上最大最悪の絶望的事件およびコロシアイ学園生活に基づくものであることを証明してしまいました!」 「いやはや、本当に優秀な生徒ばかりで先生はうれしいね!」 「……だから、さ」 11: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 20:34:41.59 :Jsck/8oj0 モノクマ「そんな辛気臭い顔してないで、さっさとその顔をあげてチョーダイな!」 灯織「……」 雛菜「……」 愛依「……」 智代子「……」 摩美々「……」 モノクマ「やれやれ、みんなこんなんになっちゃったら議論が進まないじゃない!しょうがないなぁ、このままだんまりじゃつまらないし無理やりにでも議論を進めさせてもらうよ!」 モノクマ「さて、人類史上最大最悪の絶望的事件が実在したと明らかになったわけですが、これによって一つ証明できることがありますね?風野さん」 灯織「証明……?」 モノクマ「さ、学級裁判はまだまだ止まらないよー!むしろここからが本番なんだから……」 モノクマ「絶望のその先に行こうよ」 12: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 20:36:02.74 :Jsck/8oj0 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【人類史上最大最悪の絶望的事件】 ‣【モノクマの証言】 ‣【プロデューサーの手記】 ‣【コロシアイ学園生活】 ‣【思い出しライト】 ‣【絶望の残党】 ‣【方舟計画】 ‣【脱衣所前の監視カメラ映像】 モノクマ「【人類史上最大最悪の絶望的事件は現実のもの】でしたー!」 愛依「……もう、うちらの大切な事務所も残ってない」 智代子「アイドルとして目指すべき目標もないんだね……」 雛菜「学校もなくなっちゃってるんだ~……」 モノクマ「でも、それによって明らかになることがあるはずだよ!」 摩美々「人類史上最大最悪の絶望的事件があったならぁ……」 摩美々「【コロシアイ学園生活も本当にあった】ことになる……」 智代子「そっか……それならこの【コロシアイの黒幕も江ノ島盾子】ってことになるんだ」 愛依「そんなのわかったところでどうにもならない……」 愛依「うちらは、これから先、どうすればいいの……?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】 ↓1 13:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 20:38:30.08 :oMXOjhFk0 【コロシアイの黒幕も江ノ島盾子】に【人類史上最大最悪の絶望的事件】 14: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 20:41:02.54 :Jsck/8oj0 灯織「それは違います!」論破! 【解!】 灯織「人類史上最大最悪の絶望的事件、それに伴うコロシアイ学園生活……それらが現実にあったことだとしてもこのコロシアイ合宿生活の黒幕は江ノ島盾子にはなりえません」 灯織「彼女はもう亡くなってる……希望ヶ峰学園第78期生に敗北しているんです」 智代子「え……?でも、外の世界は今もこの映像みたいに崩壊を続けてるんだよね……?」 雛菜「そっか~……さっきの話にあった、絶望の伝播ってやつだね~?」 雛菜「江ノ島盾子が死んじゃった後も、江ノ島盾子の思想に毒された人間が遺志を引き継いでるってやつ~」 灯織「そう、その『絶望の残党』とも言うべき人間……その存在がこのモノクマを操ってる可能性は非常に高いよ」 モノクマ「うんうん、そうなりますな!」 モノクマ「江ノ島盾子の死体はもはやスクラップ状態!彼女が蘇るなんて転生でもしない限りはあり得ないね!」 愛依「でも、絶望の残党ってのは一般人なんでしょ?こんなコロシアイを強行できるもんなん?」 摩美々「もはや世界は無秩序状態……それなら社会的身分なんかを超えて協力関係が生まれててもおかしくは無いよねー……」 モノクマ「うぷぷ……絶望は来るもの拒まず、去る者存在しえずだよ」 モノクマ「どんな人間でもすぐにその色に染まり、一生魅了されるんだ。そして絶望に染め上がったものは、更なる絶望を生むべく行動する。ボクも言わずと知れたその一人になるわけなんだけど」 智代子「そのために私たちが利用されたってことなんだ……」 雛菜「このコロシアイの形式を見るに、どこまでも江ノ島盾子をなぞるつもりなんですね~」 モノクマ「うぷぷぷ……彼女の思想は素晴らしいからね!絶望に身を浸す悦楽は何物にも代えがたい!」 摩美々「で、その絶望の残党さんはこの議論をどう持っていきたいのー?正直なところ、絶望を振りまくのにはもう十分なぐらい煮詰まってますケド」 モノクマ「まだ!まだまだ足りないよ!オマエラはまだ真の意味で絶望をしていない!オマエラには改めて現実にぶつかってもらわないとね!」 (……現実?) モノクマ「さあ、それじゃあ次の議論に行こうか。絶望の残党について、話し合ってみよう!」 15: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 20:42:09.44 :Jsck/8oj0 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【希望ヶ峰歌姫計画】 ‣【絶望の残党】 ‣【候補者リスト】 ‣【キャンプの写真】 ‣【VERTEX】 ‣【コロシアイの動機】 ‣【学園内の見取り図】 ‣【コロシアイ学園生活】 摩美々「絶望の残党は、超高校級の絶望である江ノ島盾子に魅了された人たちを指す名称」 智代子「その人たちが私たちにコロシアイをさせてるんだよね……」 雛菜「絶望は一般市民にも伝播して~」 雛菜「今も残党は加速度的に増加してるんだって~!」 愛依「うちらは絶望の残党の、【目的達成の道具に使われた】……」 愛依「絶望の残党、【顔も名前も知らない相手】に拉致られて、強要されて……」 智代子「どうしてこんなことになっちゃったの……?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】 ↓1 16:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 20:50:30.75 :AtZTZeal0 【目的達成の道具に使われた】に【希望ヶ峰歌姫計画】 19: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 20:53:18.63 :Jsck/8oj0 愛依「ん……? それがうちの今の発言に、何か関係あんの……?」 愛依「ごめん、ちょっとうちにはよくわかんない系だわー……」 (うっ、別のことを話せばよかったな……) (うーん、この計画の内実がまだ明らかでない以上、推理を詰めていく証拠には使い難いかな……) (別のところを攻めたほうがいいかも……) 【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【絶望の残党】 ‣【候補者リスト】 ‣【キャンプの写真】 ‣【VERTEX】 ‣【コロシアイの動機】 ‣【学園内の見取り図】 ‣【コロシアイ学園生活】 摩美々「絶望の残党は、超高校級の絶望である江ノ島盾子に魅了された人たちを指す名称」 智代子「その人たちが私たちにコロシアイをさせてるんだよね……」 雛菜「絶望は一般市民にも伝播して~」 雛菜「今も残党は加速度的に増加してるんだって~!」 愛依「うちらは絶望の残党の、【目的達成の道具に使われた】……」 愛依「絶望の残党、【顔も名前も知らない相手】に拉致られて、強要されて……」 智代子「どうしてこんなことになっちゃったの……?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】 ↓1 20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 20:57:12.56 :oMXOjhFk0 【顔も名前も知らない相手】に【コロシアイ学園生活】 21: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 20:59:45.32 :Jsck/8oj0 灯織「それは違います!」論破! 【BREAK!】 灯織「……!!」 (……このコロシアイ合宿生活は、あまりにも【コロシアイ学園生活】と酷似している) (……それに、私は大事なことを忘れていた) (いや、正確には忘れようとしていた。それは私たちにとってあまりにも都合が悪すぎる……というよりも、信じたくなさすぎるもう一つの現実) ------------------------------------------------- モノクマ「だからー、浅倉さんが黒幕と関係あるのは間違いないよ」 モノクマ「ていうかオマエラ全員、黒幕と関係があるんだけどね!」 灯織「……は?」 甘奈「なになになになに?!何を言ってるの?!」 モノクマ「オマエラ全員黒幕と会ったことも会話したこともあるんだよね!……なんなら同じ釜の飯を食べたりもしてるんじゃない?」 凛世「仰る意味が、わかりません……」 モノクマ「はぁ……しょうがないなぁ、わかりやすくかみ砕いて教えてあげるよ!クマだけに!」 モノクマ「このコロシアイ合宿生活を開いた人間は、オマエラもよく知る人間の誰かなのです!……ま、要は【事務所の誰か】ってことだね!」 ------------------------------------------------- 22: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:01:33.09 :Jsck/8oj0 真乃が、浅倉さんを手にかけたその動機は……『猜疑心』。 仲間の中に黒幕が混ざっている、その疑念は肥大することを止めることができず事件は起きてしまった。 この疑念は、現実に基づく疑念だ。モノクマは最悪なことは嘘をつかない。 私たちにとって最も信じたくない最悪こそ現実になる。 だから、このコロシアイを始めた絶望の残党も________ 灯織「事務所の中の、誰か……」 摩美々「……!!」 智代子「えっ……!?」 モノクマ「よく覚えてたね!そうそう、このコロシアイはそもそも大前提としてオマエラと同じ事務所のアイドルが引き起こしたという揺らがぬ事実があるんだよね!」 モノクマ「だから、これまでの議論で明らかになったことと組み合わせると……」 モノクマ「オマエラの事務所には絶望の残党が混ざりこんでたってことになるよねー!」 灯織「……そん、な」 モノクマ「ぷひゃひゃひゃ!オマエラってばホントに惨めだよね!あんなに仲良しこよしで切磋琢磨した日常、あの中にすでに絶望が混ざりこんでたんだからさ!」 モノクマ「そいつは毎日何を思ってたんだろうね!くだらない退屈な日常を、江ノ島盾子の思い描いた最高に絶望的な日常に変えるのを心待ちにしてたのかな?」 心の中のアルバム、皆さんと過ごした日々の一つ一つが赤い絵の具でバツ印に上書きされて行くのを感じる。 私たちがこれまで積み上げて来た記憶、友情……それらは偽りだったの……? 23: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:03:19.63 :Jsck/8oj0 モノクマ「はてさて、そうなるとボクの正体は一体誰なんだろうね?」 灯織「……っ!」 モノクマ「まあその種明かしはもう少し先に取っておくとして、話を大筋に戻そっか!このコロシアイはどうして始まったのか、その議論に立ち返ろう!」 愛依「このコロシアイが始まった理由……?それって、さっき言ってた絶望の伝播ってのじゃないの?」 摩美々「目的は多分そういうコトなんだろうし……てなると、どうして摩美々たちが選ばれたのか、とか?」 モノクマ「流石だねぇ、田中さんは目の付け所がシャープ!このコロシアイがオマエラで行われていることにも勿論理由があるんだよ!」 (私たちで行われている理由……?) モノクマ「そして、この学園で行われていることにも……コロシアイ学園生活をなぞる以外の理由があるんだよ」 雛菜「あは~?」 (『希望ヶ峰学園』で、『私たち』がコロシアイに参加する理由……?) (それってもしかして……?) 【正しいコトダマを選べ!】 >>5~8 ↓1 24:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 21:04:49.75 :SNQgewCz0 【希望ヶ峰歌姫計画】 25: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:06:05.83 :Jsck/8oj0 灯織「これです!」 【解!】 灯織「もしかして、『希望ヶ峰歌姫計画』の話ですか……?」 雛菜「それって円香先輩の部屋にあったやつだよね~?あれってアイドルの才能を伸ばすためのものじゃなかった~?」 摩美々「希望ヶ峰学園のシステムを使って、私たちの今持っている能力を伸ばしていく。そんな感じのカリキュラムだったよねー?」 灯織「はい……実はこの計画、私が見た時には一つ見落とし……というよりも樋口さんの手で伏せられていた情報があったんです」 雛菜「え~?」 灯織「この計画の参加者として、私たちの名前が挙がっているんです」 愛依「そうなんだ、うちらが……」 愛依「ええええええええええええええ!?!??」 智代子「ちょ、ちょっと待ってよ!そんなの記憶に……あっ」 雛菜「これもまた忘れてたことの一つなんだね~?」 灯織「うん……そう考えるしかない……今は」 智代子「そ、それじゃあわたしたちがコロシアイをしたのもその才能を伸ばすカリキュラムの一つなの……?」 摩美々「いや、そういうワケじゃないと思うよー。この計画自体はしっかりしたファイルで、この細かに練習メニューも書いてあるし、超高校級のアイドルの名前も書いてあるからぁ」 灯織「希望ヶ峰学園は公的な施設だし……流石に人の生き死にを軽んじることはないと思う……でも、この計画によって召集されたのはまず間違いないとみていいと思う」 雛菜「じゃあ黒幕は、その計画を後で丸々のっとったんだね~?」 雛菜「そうすれば、雛菜たちがここにいる理由も説明がつくし~~~!」 灯織「うん……黒幕が283プロの誰かっていう情報との整合性も取りやすいし、多分そういうことになる」 26: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:07:16.92 :Jsck/8oj0 愛依「ん?それじゃあうちらがここに来る直前の記憶の、あの合宿はどうなるん?」 愛依「ていうか、そもそもあの記憶ってばずっと他の記憶とムジュンしてるよね?」 ------------------------------------------------- めぐる「真乃!灯織!見てみて!これ!近くの山で鮎を釣って塩焼きにできるんだって!」 真乃「ほわっ……!すごいね、楽しそう!」 灯織「うん、釣った魚をその場で食べるなんてやったことがないから楽しみだね」 (合宿先はとある廃校を新たにレクリエーション施設として再建したところらしい。かつては多くの学生が通ったこの場所も、人口移動の煽りを受けたのか閉校して数十年になるとか) めぐる「楽しみだね!希望ヶ峰キャンプ場!」 ------------------------------------------------- 雛菜「……そろそろ、この記憶の食い違いに決着をつけなきゃだね~」 灯織「……うん、推理を続けていくうえでもどうしても障害になってくるのがこの記憶の食い違い。合宿直前の記憶と、これまでの私たちの希望ヶ峰学園のある日常の記憶との食い違い……これを無視したまま議論を進めるわけにはいかないよね」 摩美々「だねー、どう考えても合宿直前の摩美々たちは希望ヶ峰学園を『知らない』記憶……」 愛依「でもうち、希望ヶ峰学園の新入生発表を毎年楽しみにしてたよ!?」 智代子「そうなんだよね……どうしてわたしたちは、合宿の直前で希望ヶ峰学園のことを忘れちゃってたんだろう……」 灯織「……これを明らかにするために、一旦ここまでの議論で出て来た流れを整理してみない?」 雛菜「え~?流れ~?」 灯織「私たちの失った記憶……それを含めた時系列の並びだよ」 (なんなんだろう……ずっと何かがおかしい) (希望ヶ峰学園を知っている私と知らない私……まるで二人の人間が私の中にいるような居心地の悪さ) (黒幕は、私たちの記憶をどう弄ったの……?) 27: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:09:04.70 :Jsck/8oj0 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【コロシアイ合宿生活の運営】 ‣【キャンプの写真】 ‣【コロシアイ学園生活】 ‣【希望ヶ峰歌姫計画】 ‣【思い出しライト】 ‣【プロデューサーの手記】 ‣【方舟計画】 ‣【絶望の残党】 摩美々「時系列で整理するってなるとー」 摩美々「人類史上最大最悪の絶望的事件とコロシアイ学園生活より【合宿は前になる】よねー」 智代子「そうなるよね……人類史上最大最悪の絶望的事件で文明が破壊されてるとなると、【合宿どころじゃない】もんね」 雛菜「キャンプの写真もあったから~」 雛菜「雛菜たちは【希望ヶ峰キャンプ場で合宿をしっかりやり遂げた】ってことになるよね~?」 愛依「で、その二年後に人類史上最大最悪の絶望的事件が起きて……」 愛依「コロシアイ学園生活も【その後】ぐらいだよね?」 摩美々「で、そのコロシアイ学園生活に準えて摩美々たちは【コロシアイをすることになった】んだねー」 智代子「うーん、合宿の直前でどうして希望ヶ峰学園のことを忘れちゃってたんだろう……?」 雛菜「既にあの段階で≪黒幕に記憶を弄られちゃってた≫んですかね~?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】 ↓1 28:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 21:11:49.57 :7F467Epy0 その後 に 思い出しライト 29:ちょっとややっこしいところなので自分自身整理がつけがたい… ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:19:25.59 :Jsck/8oj0 愛依「え? 人類史上最大最悪……のナントカ?が起きてからコロシアイ学園生活は起きたんだよね?」 愛依「う、うちなんか間違ったこと言っちゃった?!」 (うっ、しまった……別のことを話せばよかったな……) (私たちのこのコロシアイ合宿生活はコロシアイ学園生活を踏まえた後で行われている……) (そして私たちは希望ヶ峰歌姫計画のメンバーとしてこの場に招集されている……) (そうなると、あの人の発言っておかしくないかな……?) 【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【コロシアイ合宿生活の運営】 ‣【キャンプの写真】 ‣【希望ヶ峰歌姫計画】 ‣【思い出しライト】 ‣【プロデューサーの手記】 ‣【方舟計画】 ‣【絶望の残党】 摩美々「時系列で整理するってなるとー」 摩美々「人類史上最大最悪の絶望的事件とコロシアイ学園生活より【合宿は前になる】よねー」 智代子「そうなるよね……人類史上最大最悪の絶望的事件で文明が破壊されてるとなると、【合宿どころじゃない】もんね」 雛菜「キャンプの写真もあったから~」 雛菜「雛菜たちは【希望ヶ峰キャンプ場で合宿をしっかりやり遂げた】ってことになるよね~?」 愛依「で、その二年後に人類史上最大最悪の絶望的事件が起きて……」 愛依「コロシアイ学園生活も【その後】ぐらいだよね?」 摩美々「で、そのコロシアイ学園生活に準えて摩美々たちは【コロシアイをすることになった】んだねー」 智代子「うーん、合宿の直前でどうして希望ヶ峰学園のことを忘れちゃってたんだろう……?」 雛菜「既にあの段階で≪黒幕に記憶を弄られちゃってた≫んですかね~?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】 ↓1 30:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 21:20:39.00 :7F467Epy0 合宿よりも前になる に 思い出しライト 31:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 21:21:26.50 :7F467Epy0 すいません 【合宿は前になる】に 思い出しライト です 32: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:30:10.38 :Jsck/8oj0 ちょっと修正します。 プロローグの段階での「合宿」とコロシアイ合宿生活とを自分自身混同してしまいそうなので「合宿」→「キャンプ」にします。 この議論あたまおかしなるで 摩美々「んー? 摩美々たちが思い出しライトで思い出した記憶は78期生の紹介の映像であれはキャンプより前にみたもの……」 摩美々「コロシアイ学園生活は、78期生の入学二年後に行われた……つまり摩美々たちのキャンプの後ってことだよねー?」 摩美々「何か矛盾してるかなー?」 (うっ、しまった……別のことを話せばよかったな……) (時系列として、78期生の入学と私たちのキャンプは同時期とみていい……) (そこから時間が経って、人類史上最大最悪の事件が起きて……コロシアイ学園生活も起きた……) (それを踏まえて私たちはコロシアイ合宿生活をしている……) (これって、何かおかしいよね……?) 【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【コロシアイ合宿生活の運営】 ‣【キャンプの写真】 ‣【希望ヶ峰歌姫計画】 ‣【プロデューサーの手記】 ‣【方舟計画】 ‣【絶望の残党】 摩美々「時系列で整理するってなるとー」 摩美々「人類史上最大最悪の絶望的事件とコロシアイ学園生活より【キャンプは前になる】よねー」 智代子「そうなるよね……人類史上最大最悪の絶望的事件で文明が破壊されてるとなると、【キャンプどころじゃない】もんね」 雛菜「キャンプの写真もあったから~」 雛菜「雛菜たちは【希望ヶ峰キャンプ場で合宿をしっかりやり遂げた】ってことになるよね~?」 愛依「で、その二年後に人類史上最大最悪の絶望的事件が起きて……」 愛依「コロシアイ学園生活も【その後】ぐらいだよね?」 摩美々「で、そのコロシアイ学園生活に準えて摩美々たちは【コロシアイをすることになった】んだねー」 智代子「うーん、合宿の直前でどうして希望ヶ峰学園のことを忘れちゃってたんだろう……?」 雛菜「既にあの段階で≪黒幕に記憶を弄られちゃってた≫んですかね~?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】 ※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能 ↓1 33:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 21:38:53.54 :7F467Epy0 キャンプどころじゃない に プロデューサーの手記 34: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:43:06.42 :Jsck/8oj0 (プロデューサーの手記には、人類史上最大最悪の絶望的事件の記述は特にない……) (キャンプとの前後関係を明らかにする材料とは、また違うような……) 【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【コロシアイ合宿生活の運営】 ‣【キャンプの写真】 ‣【希望ヶ峰歌姫計画】 ‣【プロデューサーの手記】 ‣【方舟計画】 摩美々「時系列で整理するってなるとー」 摩美々「人類史上最大最悪の絶望的事件とコロシアイ学園生活より【キャンプは前になる】よねー」 智代子「そうなるよね……人類史上最大最悪の絶望的事件で文明が破壊されてるとなると、【キャンプどころじゃない】もんね」 雛菜「キャンプの写真もあったから~」 雛菜「雛菜たちは【希望ヶ峰キャンプ場で合宿をしっかりやり遂げた】ってことになるよね~?」 愛依「で、その二年後に人類史上最大最悪の絶望的事件が起きて……」 愛依「コロシアイ学園生活も【その後】ぐらいだよね?」 摩美々「で、そのコロシアイ学園生活に準えて摩美々たちは【コロシアイをすることになった】んだねー」 智代子「うーん、合宿の直前でどうして希望ヶ峰学園のことを忘れちゃってたんだろう……?」 雛菜「既にあの段階で≪黒幕に記憶を弄られちゃってた≫んですかね~?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】 ※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能 ↓1 35:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 21:44:41.60 :7F467Epy0 【希望ヶ峰キャンプ場で合宿をしっかりやり遂げた】に 【キャンプの写真】 36: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:46:41.21 :Jsck/8oj0 申し訳ない、【】が論破ポイントで≪≫が同意ポイントなのを明記していなかった…… これは私のミスです…… 一応スキル効果発動しておきます。 【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【コロシアイ合宿生活の運営】 ‣【キャンプの写真】 ‣【希望ヶ峰歌姫計画】 ‣【方舟計画】 摩美々「時系列で整理するってなるとー」 摩美々「人類史上最大最悪の絶望的事件とコロシアイ学園生活より【キャンプは前になる】よねー」 智代子「そうなるよね……人類史上最大最悪の絶望的事件で文明が破壊されてるとなると、【キャンプどころじゃない】もんね」 雛菜「キャンプの写真もあったから~」 雛菜「雛菜たちは【希望ヶ峰キャンプ場で合宿をしっかりやり遂げた】ってことになるよね~?」 愛依「で、その二年後に人類史上最大最悪の絶望的事件が起きて……」 愛依「コロシアイ学園生活も【その後】ぐらいだよね?」 摩美々「で、そのコロシアイ学園生活に準えて摩美々たちは【コロシアイをすることになった】んだねー」 智代子「うーん、合宿の直前でどうして希望ヶ峰学園のことを忘れちゃってたんだろう……?」 雛菜「既にあの段階で≪黒幕に記憶を弄られちゃってた≫んですかね~?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】 ※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能 ↓1 37:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 21:50:21.71 :7F467Epy0 ≪黒幕に記憶を弄られちゃってた≫に方舟計画で 同意 38: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:54:10.08 :Jsck/8oj0 雛菜「え~? なにそれ~? 中身も何もわからないんじゃ、黒幕が関与してたかどうかもわからないよね~?」 (うっ、しまった……別のことを話せばよかったな……) (方舟計画は私にもまるで中身のわからない計画だ……正直なところ議論な材料にはしにくい……) (私たちが今ここにいる理由、それはあのコトダマが示していたはず……) (となると、この議論の整合性には揺らぎが生まれるんじゃないかな……) 【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【コロシアイ合宿生活の運営】 ‣【希望ヶ峰歌姫計画】 ‣【方舟計画】 摩美々「時系列で整理するってなるとー」 摩美々「人類史上最大最悪の絶望的事件とコロシアイ学園生活より【キャンプは前になる】よねー」 智代子「そうなるよね……人類史上最大最悪の絶望的事件で文明が破壊されてるとなると、【キャンプどころじゃない】もんね」 雛菜「キャンプの写真もあったから~」 雛菜「雛菜たちは【希望ヶ峰キャンプ場で合宿をしっかりやり遂げた】ってことになるよね~?」 愛依「で、その二年後に人類史上最大最悪の絶望的事件が起きて……」 愛依「コロシアイ学園生活も【その後】ぐらいだよね?」 摩美々「で、そのコロシアイ学園生活に準えて摩美々たちは【コロシアイをすることになった】んだねー」 智代子「うーん、合宿の直前でどうして希望ヶ峰学園のことを忘れちゃってたんだろう……?」 雛菜「既にあの段階で≪黒幕に記憶を弄られちゃってた≫んですかね~?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】 ※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能 ↓1 39:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 21:56:03.09 :oMXOjhFk0 【希望ヶ峰歌姫計画】で≪黒幕に記憶を弄られちゃってた≫に同意 40: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 21:59:55.30 :Jsck/8oj0 雛菜「え~? 希望ヶ峰歌姫計画ってそんな計画だったの~? 記憶をいじるとかそんなのあった~?」 (うっ、しまった……別のことを話せばよかったな……) (希望ヶ峰歌姫計画、これで私たちがこの場に集められたことは間違いない……) (別のところにぶつけてみれば……) 【スキル:水色感情の効果でコトダマの数が減少します】 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【希望ヶ峰歌姫計画】 ‣【方舟計画】 摩美々「時系列で整理するってなるとー」 摩美々「人類史上最大最悪の絶望的事件とコロシアイ学園生活より【キャンプは前になる】よねー」 智代子「そうなるよね……人類史上最大最悪の絶望的事件で文明が破壊されてるとなると、【キャンプどころじゃない】もんね」 雛菜「キャンプの写真もあったから~」 雛菜「雛菜たちは【希望ヶ峰キャンプ場で合宿をしっかりやり遂げた】ってことになるよね~?」 愛依「で、その二年後に人類史上最大最悪の絶望的事件が起きて……」 愛依「コロシアイ学園生活も【その後】ぐらいだよね?」 摩美々「で、そのコロシアイ学園生活に準えて摩美々たちは【コロシアイをすることになった】んだねー」 智代子「うーん、合宿の直前でどうして希望ヶ峰学園のことを忘れちゃってたんだろう……?」 雛菜「既にあの段階で≪黒幕に記憶を弄られちゃってた≫んですかね~?」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破もしくは正しい発言に同意しろ!】 ※スキル:アップ・トゥ・ユーの効果を任意のタイミングで一度使用可能 ↓1 41:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:01:04.61 :7F467Epy0 キャンプどころじゃない に 希望ヶ峰学園歌姫計画 42:ここの議論は色々と怪しかったですね…申し訳ない ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:03:23.10 :Jsck/8oj0 灯織「それは違います!」 【BREAK!】 灯織「……おかしい、やっぱりおかしいですよ……!」 灯織「どうして、崩壊した後の世界で希望ヶ峰歌姫計画が実施されるんですか……?エンタメ産業なんか壊滅していてもおかしくない、そもそも希望ヶ峰学園の運営自体も怪しい状況下なのに……!!」 愛依「確かに……!世界が滅んでるのにうちらの育成なんかしてる場合じゃないよね!」 摩美々「私たちの事務所自体存在してないってさっきモノクマが明言したばかりですしねー、たとえ計画があったとしても私たちにオファーが来るとは思えないですケド」 智代子「で、でもそれだったらどうしてわたしたちはこんなところにいるの?!誘拐でもされちゃったの!?」 (なんなんだろう……私たちがここにいる理由はそれぐらいしか思い当たらない、それなのに) (そもそもの記憶の矛盾、現実同士の矛盾、時間の矛盾……これらがどうしても沸き上がってしまう……) (これらを解決するための道筋は……) 摩美々「灯織、発想の逆転だよー」 灯織「摩美々さん……」 摩美々「矛盾が発生して、それに躓くぐらいならぁ……そもそもそんな矛盾がなかったことにすればよくない?」 灯織「え……?それって……」 摩美々「矛盾が生じるってことはそのうちのどれかが虚偽の可能性もある……灯織は言ったよね、この学園で生きていくには、人を疑うことも、常識を疑うことも大切……それを摩美々から学んだって」 灯織「……!!」 摩美々「なら今はその実践の時間だよー、摩美々の学級裁判レクリエーション・応用編スタートー」 (そうだ……今の私に求められているのは信じることじゃない、疑うこと……!!) (この悲壮な現実に打ちひしがれるんじゃない……現実を疑って疑って……) (希望を見つけ出すんだ……!!) 43: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:04:30.79 :Jsck/8oj0 ------------------------------------------------- 【ノンストップ議論開始!】 コトダマ ‣【キャンプの写真】 ‣【人類史上最大最悪の絶望的事件】 ‣【コロシアイ学園生活】 ‣【コロシアイの動機】 ‣【変色した簀子】 ‣【絶望の残党】 ‣【モノクマの証言】 ‣【コトキレルX】 摩美々「灯織、分かってるよねー?」 摩美々「大事なのは疑うコト、常識に縛られてちゃ落第ですからぁ」 智代子「わたしたちは記憶を失ってるんだよね……」 智代子「【合宿に行ってからの記憶】……」 モノクマ「【キャンプをした記憶】」 モノクマ「【人類史上最大最悪の絶望的事件の記憶】」 モノクマ「【コロシアイ学園生活が起きたという記憶】」 モノクマ「それまで【丸々二年の記憶がすっぽり無くなっちゃってまーす】!!」 愛依「うちらは希望ヶ峰学園歌姫計画で召集されたけど……」 愛依「既に人類史上最大最悪の絶望的事件で【世界は滅んだ後】」 愛依「どう考えても矛盾してるんだよね……」 雛菜「忘れてることは思い出せないし~」 雛菜「別の道を考えた方がいいかもですね~!」 【正しいコトダマで矛盾する発言を論破しろ!】 ↓1 44:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:16:41.33 :oMXOjhFk0 【丸々二年の記憶がすっぽり無くなっちゃってまーす】に【モノクマの証言】 46: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:18:30.70 :Jsck/8oj0 灯織「それは違います!」論破! 【BREAK!】 灯織「……そうだ、私たちは目先の大きな矛盾にとらわれて小さな矛盾を見逃していました」 灯織「この亀裂が、大きく風穴を開けるものだとも気づかずに……!」 摩美々「灯織、何か気づいたみたいだねー」 灯織「ええ、摩美々さんのアドバイスのおかげです。私たちは、人類史上最大最悪の絶望的事件が現実に起きたものだと仮定してきたがゆえに、見落としてしまった要素が一つあるんです」 智代子「見落とした……要素?」 灯織「私たちの年齢だよ、モノクマは前にもしっかりと明言してる。このコロシアイは現役の高校生のみが参加してるって。今この場にいる人間を見てもそれは間違いない」 灯織「でも、人類史上最大最悪の絶望的事件が起きた年月を踏まえると……どうしても二年の月日が経つことになる。そうなると摩美々さんや愛依さんは大学生相当の年齢、高校生とは呼べなくなります」 モノクマ「はぁ?ちょっと待ちなよ、風野さんもコロシアイ学園生活の記事には目を通したよね?」 モノクマ「彼らも二年の記憶をなくした状態でコロシアイに挑んだわけじゃん、だったら彼らも現役高校生じゃなくなるよね?それでもコロシアイ学園生活は運営され……」 灯織「コロシアイ学園生活とコロシアイ合宿生活とでは勝手が違うんです」 モノクマ「なにぃ?!」 灯織「だってそうですよね、あなたはこの共同生活が始まるときにも……」 47:「一度」に大きな意図は特にないです、、、 ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:20:54.18 :Jsck/8oj0 ------------------------------------------------- 樹里「おい!」 モノクマ「はりゃ?」 樹里「合宿だっつーんならなんで果穂と夏葉、他にもいないメンバーがいるんだ?」 モノクマ「あーそれね……さっき言った通りだよ。ここが希望ヶ峰学園だから、それだけ」 甘奈「説明になってない……」 甜花「千雪さんは……?」 霧子「結華ちゃんと、恋鐘ちゃんも……」 モノクマ「希望ヶ峰学園は高等学校の教育施設!入学資格があるのは【現役の】高校生に限られるからね!お子さまとお姉さまに、このプログラムに参加する権利はございません!」 ------------------------------------------------- 灯織「樹里の指摘に対し、現役の高校生であることをやたら強調していましたよね」 モノクマ「いや、そんなの揚げ足取りじゃん!」 灯織「それに、先ほどの捜査の時でも」 ------------------------------------------------- モノクマ「うん、宣言したね。そしてこれこそがオマエラを参加者に選んだ理由でもある。オマエラが現役の高校生で、かつ283プロダクションのアイドルだったから……これ以上でもこれ以下でもないよ!」 ------------------------------------------------- 灯織「現役という言葉を外すことはなかった。二年前の段階で高校生、ならこれは明確な嘘になる……あくまで公平な進行を守っているあなたがそんな嘘をつくんですか?」 モノクマ「ぐ、ぐぬぬぅ!?」 灯織「それに、あなたはこの16人でなくてはならないという言葉も口にしていた……現役の高校生であることと深い関係性があるのではないですか?」 モノクマ「お、オマエ……重箱の隅を妖刀村正でほじくるような真似を……!!」 48: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:22:15.72 :Jsck/8oj0 愛依「えっ、こ、これってどうなってんの!?モノクマは何で追い詰められてんの!?」 灯織「モノクマがこのコロシアイの参加者が現役の高校生であることに拘っているのだとすれば……二年の時が流れたなんて情報は無効化されるんですよ」 智代子「え!?そ、それってどうなるの……!?」 摩美々「私と咲耶と愛依は高校三年生なのでー、合宿の時から一年も経ってないってことになるんじゃないですかぁ?」 雛菜「え~?でもそれっておかしくない~?」 雛菜「だって、二年の時間があったからこそ人類史上最大最悪の絶望的事件は起きたんだし、コロシアイ学園生活も起きたんでしょ~?また矛盾が生まれるんじゃない~?」 愛依「そうなるよね……うちらはそんな事件の記憶がないけど……外の世界はほら、こんなことになってるし……」 (モノクマが言うには、この映像はライブ映像……らしいけど) (……ここまで来たら、もう止まるわけにはいかない!) 摩美々「……灯織、今度こそ発想の逆転が必要なのかもー」 灯織「……はい」 摩美々「それも、これまでとは規模の違う逆転……中身がどうとか、前提がどうとかそういうレベルの逆転じゃなくて―」 49: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:23:30.96 :Jsck/8oj0 摩美々「【真実と虚構の逆転】……とかぁ」 (真実と、虚構……?) _____それってつまり…… 50: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:24:26.58 :Jsck/8oj0 ------------------------------------------------- モノクマ「えーっと、オマエラはご存知の通り、希望ヶ峰学園主催の合宿プログラムに参加していただいております」 甘奈「甘奈身に覚えがないんだけど……」 咲耶「ちょっと待ってくれないかい?希望ヶ峰学園……私は既に数十年前に廃校になっていたと聞いているのだけど」 モノクマ「はぁ?何言ってんのさ、希望ヶ峰学園が廃校になるわけないじゃない!だってこの国の希望だぜ?未来だぜ?新時代のニューウェーブだぜ?」 モノクマ「まあそういうわけで、オマエラもここにいる限りは希望ヶ峰学園の生徒として参加してもらいます」 ------------------------------------------------- 凛世「学級日誌、とか書かれております……」 めぐる「ってことはこの学校の先生がつけたクラスの観察記録?」 凛世「はい、そのようです……こちらの希望ヶ峰学園でお過ごしになられた学生方が、事細かに……」 灯織「ちょっと見てみてもいい?」 凛世からノートを受け取ると、パラパラと開いて目を通していく。 希望ヶ峰学園、はるか昔に廃校になったと聞いていた学校の当時の生き生きとした学生生活が綴られている。 ……だけど、別に新たな手掛かりになるようなものはなく、文字通りただの学級日誌だという結論に至った。 灯織「うーん、結局学校は学校だもんね……」 めぐる「あ、でも楽しそうだったよね、このパレード!具体的には書いてなかったけど、学校でパレードなんてきっと文化祭が大賑わいだったんじゃないかな!?」 凛世「はい……皆揃っての凱旋、さぞや湧いたものかと思われます……」 灯織「そういえば、ここでもモノクマの言ってた『超高校級』っていうフレーズは何度も出てきてたよね」 めぐる「うん、『超高校級の割には普通の学生だ』とか『やっぱり超高校級はすごい』とか」 めぐる「でも、どういう意味なんだろう?わたしたちの才能とも関係してるのかな?」 灯織「この人たちと同じように『超高校級』のレッテルを貼ってモノクマは私たちに何をさせようとしてるんだろう……」 (聞き馴染みのないフレーズをこれほどまでに繰り返し目にしたり、耳にしたり……流石に気になっちゃうな) ------------------------------------------------- 51: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:25:29.48 :Jsck/8oj0 ------------------------------------------------- (……そうだ、なんで私たちは忘れていたんだろう) (希望ヶ峰学園、そして……超高校級という存在を) めぐる「き、希望ヶ峰学園……そうだ……希望ヶ峰学園はあったんだ……」 愛依「うちも思い出した……だって、そうだよ!」 愛依「テレビでもめっちゃやってたじゃん!予想番組とかもあってさ……!」 摩美々「……」 雛菜「あは〜?雛菜も毎年見てました〜!」 凛世「はい……もはや超高校級の選定は、国民にとって恒例行事のようなものでございます……」 (でもなんで……?なんでそんなことを丸々全て忘れていたの……?) ------------------------------------------------- 52: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:27:09.54 :Jsck/8oj0 ……まさか。 人類史上最大最悪の絶望的事件、コロシアイ学園生活…… この二つの存在に強く結びついている“それ”が……もし、そうなのだとしたら…… 私たちはとんでもない思い違い、いやそれどころじゃない…… 初めっからすべてを見誤っていたことになる! ------------------------------------------------- 【ひらめきアナグラム開始!】 『う/が/き/ね/ん/ぼ/く/み/が/え』は『い/ざ/じ/な/い/つ/し』 【正しい順番に並べ替えろ!】 ↓1 53:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:28:15.07 :SNQgewCz0 きぼうがみねがくねん/じつざいしない 54:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:29:42.78 :SNQgewCz0 がくねん× がくえん○ 本当にすいません・・・ 55: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:29:45.54 :Jsck/8oj0 灯織「……!!」 【COMPLETE!】 灯織「ひとつ、とんでもなく馬鹿げていて、考えもしなかった仮説があるんです」 灯織「私たちのここでの生活も、これまでの推理も私たち自身の記憶も……そのすべてを否定してしまうようなそんな仮説です」 摩美々「……」 灯織「思っても口にしない、できるはずがない……そんなのあっちゃならないんだから」 灯織「_____希望ヶ峰学園が実在しないなんて」 「「「「「「…………」」」」」」 私が口にした仮説。それを口にした瞬間、裁判場は静寂に包まれた。 宙を何かが舞っているかかのように視線を上に向けたまま、私の仮説を見つめなおす。 四方八方から、その面という面を捉えなおして……最終、困惑。 56:がくねん……普通に気付かずスルーしちゃいましたw ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:31:07.67 :Jsck/8oj0 愛依「い、いやいや……灯織ちゃん……それは流石に、どうなん……?」 雛菜「希望ヶ峰学園は世界中も注目する研究機関で、それこそ雛菜のパパとママが生まれるよりももっと前からあったんだよ~?」 智代子「毎年の新入生発表はもうお祭りみたいなものだったよ!?その光景も目に焼き付いてるし!」 灯織「……でも、希望ヶ峰学園がフィクションで、人類史上最大最悪の絶望的事件とコロシアイ学園生活も本当は存在しないって思ったら謎が全部消えませんか?」 愛依「い、いやいやそれは消えるかもしんないけどさ!?むしろなんも残んないよ!?」 愛依「大体うちらのこの十年以上の記憶はなんになんの!?」 (そう……それがずっと疑問だった) (たとえ記憶を操作する技術があるとはいえ、本来なら十数年も記憶に刻まれ続ける存在であるだろう希望ヶ峰学園を、あの瞬間までそれだけすっぽりと忘れることなんてあるんだろうか) (むしろ、私たちは……あの瞬間……思い出しライトの光を浴びた時に……) ------------------------------------------------- 【正しい選択肢を選べ!】 ・希望ヶ峰学園を思い出した ・他の記憶を忘れた ・希望ヶ峰学園の記憶を刷り込まれた ↓1 57:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:32:08.28 :7F467Epy0 希望ヶ峰学園の記憶を刷り込まれた 59: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:33:36.96 :Jsck/8oj0 灯織「これしかない!」 【解!】 灯織「思い出しライト……その名前の印象に私たちはずっと引きずられていたんです」 灯織「あれが、私たちの記憶を呼び起こすものなんかでなくその逆、記憶を刷り込むものだとしたらどうでしょうか」 智代子「記憶を刷り込む……ってあの光を見たことでわたしたちは希望ヶ峰学園って言う存在を初めて知ったってこと!?」 雛菜「え~?それじゃこの十数年の記憶は、あの瞬間に一気に刷り込まれたってことなの~?」 摩美々「十数年の記憶から、わざわざ希望ヶ峰学園の存在だけを選び出して抜き取る」 摩美々「十数年の記憶の隙間に、希望ヶ峰学園という存在を流し込む」 摩美々「そのどっちが楽かって考えたら割と一択かもねー」 モノクマ「ま、待ちなよ!な、なにを言ってるの風野さん!そんなでたらめでみんなを誤魔化しちゃダメだって!」 灯織「私の目から見れば、それはモノクマの方になりますよ」 モノクマ「ぐぅぅぅぅ……じゃ、じゃあ!希望ヶ峰学園がフィクションだっていうんだったら、今みんながここにいる場所はどこなのさ!?」 愛依「まあ……希望ヶ峰学園だよね、どっからどうみても……」 モノクマ「風野さんはそれを証明する証拠品も持ってるはずだよ!」 (モノクマが言いたい、この学園が希望ヶ峰学園である証拠って……) ------------------------------------------------- 【正しいコトダマを選べ!】 >>5~>>8 ↓1 60:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:34:35.92 :7F467Epy0 思い出しライト 61: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:37:05.00 :Jsck/8oj0 (いや、今は思い出しライトが捏造だという推理の延長線上だ……) (モノクマもみすみすそれを反証には使ってこないだろう……) (確かこの学園そのものに関する証拠があったはず……) モノクマ「ぐぅぅぅぅ……じゃ、じゃあ!希望ヶ峰学園がフィクションだっていうんだったら、今みんながここにいる場所はどこなのさ!?」 愛依「まあ……希望ヶ峰学園だよね、どっからどうみても……」 モノクマ「風野さんはそれを証明する証拠品も持ってるはずだよ!」 (モノクマが言いたい、この学園が希望ヶ峰学園である証拠って……) ------------------------------------------------- 【正しいコトダマを選べ!】 >>5~>>8 ↓1 62:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:38:11.67 :7F467Epy0 学園の見取り図 63: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:39:29.79 :Jsck/8oj0 灯織「これです!」 【解!】 灯織「男子トイレ奥の空間にあった、学園内の見取り図……これですか?」 モノクマ「そうそうそれそれ!ほら、希望ヶ峰学園の構造が綺麗にまとめられてるし、ちゃんとそこに『希望ヶ峰学園』の記載もあるでしょ?!」 智代子「たしかに書いてあるね……部屋の一つ一つまでちゃんと網羅してるし……」 雛菜「この学園の見取り図としてはこれ以上ないって感じですよね~」 モノクマ「希望ヶ峰学園は歴史ある学校だからね、学校内の見取り図があってもおかしくはない……そうでしょ!実際ここにそれがあるわけだし!」 灯織「……」 (学校の、見取り図……?) 愛依「てか変わってるよね……うちの学校も地図とかあるけど、教室の配置ぐらいのもんだし希望ヶ峰はマジで細かすぎって感じ!」 智代子「あはは、だね。ここまで立体的に廊下まで書いてたりするなんて流石だよねぇ」 灯織「……!!」 灯織「もしかして、そういうこと……?この見取り図って……」 雛菜「あは~?」 ------------------------------------------------- 【正しい選択肢を選べ!】 ・全く別の学校のもの ・本当は施工予定図 ・捏造されたもの ↓1 64:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:40:36.37 :7F467Epy0 全く別の学校のもの 66: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:45:46.67 :Jsck/8oj0 灯織「全く別の学校のものだったのではないでしょうか?」 モノクマ「はぁ? 馬鹿言うなよ! こんな五階建てで最新鋭の設備も取りそろえた学校が他にあると思うかい?!」 灯織「……そ、それは確かに……」 モノクマ「ここは確かに希望ヶ峰学園なの! それを否定なんてさせないからねー!」 (……この学園は自分で見た限りでも、ほかに類を見ない構造をしている……) (ともすると、モノクマの言うとおり、これは希望ヶ峰学園なんだろう……) (私たちの記憶の中にある、まがい物の希望ヶ峰学園と同じという意味で……!) モノクマ「風野さんはその見取り図が見取り図じゃないとでもいうつもり?!」 灯織「……この見取り図は、本当は」 ------------------------------------------------- 【正しい選択肢を選べ!】 ・全く別の学校のもの(済) ・施工予定図 ・捏造されたもの ↓1 67:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:46:30.41 :7F467Epy0 捏造されたもの 68: ◆zbOQ645F4s:2021/10/05(火) 22:49:38.09 :Jsck/8oj0 あ、申し訳ない…… 前にもお伝えしたとおり一部テキストデータが一度消えてしまった都合で捜査パートと裁判パートで作成時期が異なり、情報に齟齬があったようです…… 点検が甘かった…… ここの部分はそのまま通しますね…… ------------------------------------------------- 灯織「これです!」 【解!】 灯織「……モノクマ、これって本当に見取り図なんですか?」 モノクマ「え?ど、どういう意味だよ!」 灯織「来客者向け、内部の人間向けだとしても情報が細かすぎるんですよ……見取り図と言われたら、ふつうこんなに立体的な図に机椅子の台数、廊下まで記載はしないですよね?」 モノクマ「そ、それは製作者がマメだったからなんじゃ……」 灯織「だとしたらおかしいですね、マメな人間がページが一枚欠落した状態で普通放っておきますか?」 モノクマ「ギクゥ!?」 灯織「その抜け落ちた一ページ……何かまずい表記でもあったんではないですか?例えば、『希望ヶ峰学園建築計画』なんて」 智代子「ま、待って!何が起きてるのこ、これって……」 雛菜「だから~、今雛菜たちがいるこの学校は確かに希望ヶ峰学園ではあるけど~」 雛菜「何十年も歴史があるような、ずっとずっと古い建物なんかじゃなくて、ピカピカの新築さんってことなんだよ~~~~!」 愛依「え……?!確かに、設備は割と新しいと思ってたけど……にしても、新築!?」 摩美々「ってなると……寄宿舎二階のあれは、荒れてたって言うよりもー」 摩美々「工事途中だったってことになるんだー」 モノクマ「ふ、ふ、ふ、ふ、ふざけるなよ!希望ヶ峰学園を馬鹿にするのもいい加減にしろ!希望ヶ峰学園はオマエラが存在を否定していいほどちんけなもんじゃないんだよ!」 灯織「……モノクマ?」 モノクマ「もう怒った……許さないぞ!」 69:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/05(火) 22:50:42.60 :Jsck/8oj0 【モノクマ「ボクが正面から叩き潰してやるーーーーー!!」】意見対立! 愛依「な……こ、これって……」 智代子「わたしたちとモノクマの正面衝突……ってことだよね?」 摩美々「ふふー、面白いじゃないですかぁ」 雛菜「だね~!なんだかワクワクしてきちゃった~!」 愛依「え、ええ!?」 灯織「大丈夫です、愛依さん。モノクマがあそこまでの反応を見せていること、それはつまり私たちが真相にたどり着きかけていることの証左です」 摩美々「そういうこと、あの反応がむしろ答えを物語ってるんだよねー」 智代子「なら、今歩んでいる道を信じて進めばいい……そういうことなんだね?!」 モノクマ「希望ヶ峰学園の存在を否定なんかさせない……」 モノクマ「ボクの世界は、絶対の世界なんだーーーーーーーー!!」 73:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/06(水) 21:03:15.23 :nIJh/7Zu0 【意見対立】 【議論スクラム開始!】 「希望ヶ峰学園は実在する!」vs【希望ヶ峰学園はフィクションだ!】 モノクマ「オマエラの記憶の中にも希望ヶ峰学園は存在するよね!?何を疑うことがあるのさ!」 モノクマ「見取り図を見れば一目瞭然!この学園は希望ヶ峰学園と構造がまるっきり一緒だよ!」 モノクマ「コロシアイ学園生活に準えてこのコロシアイ合宿生活は行われてるんだ!同じ希望ヶ峰学園じゃなきゃおかしいだろ!」 モノクマ「希望ヶ峰学園歌姫計画は希望ヶ峰の教育カリキュラムあってこそじゃないか!学園の存在を否定したら元も子もないじゃん!」 モノクマ「学園の設備だって、こんなの常人にはかき集めようがないよ!希望ヶ峰学園じゃないんだとしたらどうするっていうのさ!」 モノクマ「希望ヶ峰学園は国民の象徴とも言うべき存在、世界の希望のシンボルとも言うべき存在なんだぞ!それを疑うなんて許されると思うのか!」 ------------------------------------------------- 意見スロット 【設備】 【見取り図】 【記憶】 【コロシアイ】 【希望】 【歌姫計画】 ------------------------------------------------- 【意見スロットを正しい順番に並び替え、敵スクラムを向かい討て!】 ↓1 74:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/06(水) 21:05:55.71 :nGz1h4B80 【記憶】 【見取り図】 【コロシアイ】 【歌姫計画】 【設備】 【希望】 75: ◆zbOQ645F4s:2021/10/06(水) 21:09:10.23 :nIJh/7Zu0 ------------------------------------------------- 【灯織「私たちは負けません!」】 モノクマ「オマエラの記憶の中にも希望ヶ峰学園は存在するよね!?何を疑うことがあるのさ!」 【灯織「チョコ!」 智代子「もう正直記憶とかしっちゃかめっちゃかで……もう頼りにならないって言うか……えへへ」】 モノクマ「見取り図を見れば一目瞭然!この学園は希望ヶ峰学園と構造がまるっきり一緒だよ!」 【灯織「摩美々さん!」 摩美々「流石にこれをただの見取り図って言うのは無理があるでしょー、どうみても工事のためのやつじゃないですかぁ」】 モノクマ「コロシアイ学園生活に準えてこのコロシアイ合宿生活は行われてるんだ!同じ希望ヶ峰学園じゃなきゃおかしいだろ!」 【灯織「雛菜!」 雛菜「え~?でもそのコロシアイ学園生活も、存在しない二年の記憶の中のやつだから~、実際には起きてないんじゃないの~?」】 モノクマ「希望ヶ峰学園歌姫計画は希望ヶ峰の教育カリキュラムあってこそじゃないか!学園の存在を否定したら元も子もないじゃん!」 【灯織「ここは私が!」 灯織「その希望ヶ峰学園歌姫計画すら、本当にあったか怪しい今……希望ヶ峰学園が存在しない方が筋が通ります!」】 モノクマ「学園の設備だって、こんなの常人にはかき集めようがないよ!希望ヶ峰学園じゃないんだとしたらどうするっていうのさ!」 【灯織「摩美々さん!」 摩美々「別に黒幕の持つ権力自体は否定してないのでー、設備を整えることも不可能ではないんじゃないですかぁ?」】 モノクマ「希望ヶ峰学園は国民の象徴とも言うべき存在、世界の希望のシンボルとも言うべき存在なんだぞ!それを疑うなんて許されると思うのか!」 【灯織「ここは私が!」 灯織「希望のシンボルの存在……絶望側に立つはずなのにモノクマは随分と希望の肩を持つんですね」】 ------------------------------------------------- 【CROUCH BIND】 【SET!】 【コンマの合計値600以上で相手のスクラムを打ち破れ!】 【スキルとアイテムの効果によりコンマ値が+70されます】 ↓直下より6回連続でコンマ判定 76:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/06(水) 21:10:33.10 :ccfhv42p0 ぴゅい... 77:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/06(水) 21:12:24.19 :nGz1h4B80 どうもです 78:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/06(水) 21:13:40.52 :nGz1h4B80 ガチで ぴょぷぷー 79:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/06(水) 21:14:23.38 :nGz1h4B80 ひぃん 80:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/06(水) 21:15:16.99 :nGz1h4B80 成りました 81:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/06(水) 21:15:46.01 :nGz1h4B80 ヤバいですね 83:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/06(水) 21:26:23.23 :nIJh/7Zu0 【コンマ判定 10+19+52+38+99+01+70×6>600】 「「「「「これが私たちの答えだ!」」」」」 【BREAK!】 灯織「希望ヶ峰学園の存在……もはやそこに信頼は置けません。今私たちがいるこの場所は、何か目的があって新たに建てられた別の“希望ヶ峰学園”なんです」 摩美々「才能の研究をしている何十年もの歴史と伝統ある、世界の希望たる希望ヶ峰学園なんて、どこにもないんだねー」 モノクマ「……」 雛菜「あれ~?だんまり~?」 灯織「雛菜、放っておこう。どうやら完全に向うは手詰まりみたいだし、今のうちにこっちで進めないと」 愛依「だね……!ね、灯織ちゃん!希望ヶ峰学園が存在しない、うちらの記憶が二年飛んだわけでもない……だとしたら」 愛依「世界は終わってなんか……ないんだよね?」 灯織「……はい!」 智代子「よかったぁ~~~~!本当に良かったよ~~~~!じゃあ今流れてる映像も良くできた偽物なんだよね!」 灯織「多分、ね」 読む →
2021年10月10日 12:00 【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 CHAPTER 06 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 全てのレス 650: ◆zbOQ645F4s:2021/09/29(水) 20:11:04.91 :w1WP8DMN0 ------------------------------------------------- GAMEOVER ハチミヤさんがクロにきまりました。 おしおきをかいしします。 ------------------------------------------------- 651: ◆zbOQ645F4s:2021/09/29(水) 20:11:47.97 :w1WP8DMN0 運動神経抜群の八宮さん、本当に人気者ですね! 彼女はスタイルも抜群、愛嬌も満点、嫌いになる人なんかいるはずもありませんとも! 今日もあっちこっちで運動部の助っ人。 お友達のためならなんのその! か〜っ!スポーツで描く汗は一際爽やかですよね! さあ、今日も青春に汗を流しましょう! ------------------------------------------------- HANAREBANARE‼️ 超高校級の助っ人 八宮めぐる処刑執行 ------------------------------------------------- 652: ◆zbOQ645F4s:2021/09/29(水) 20:12:53.94 :w1WP8DMN0 次から次へと運動部連中が押し寄せて参ります。 バスケ部、バレー部、サッカー部、野球部、水泳部……さらにはカバディ部なんてマイナー部活まで。 八宮さんはその全てに嫌な顔一つせず力を貸していきます。 流れるようなレイアップシュートを決めたかと思うと、 冴えわたるようなマイナステンポスパイクで一撃。 かと思うと今度は華麗なエラシコでごぼう抜き! 快音響かせホームランを打った後には、バタフライで新記録を塗り替える! 最後のおまけにドゥッキで相手の死角を突く! いやはや……八宮さんの卓越したスポーツセンスには舌を巻くばかりです。 そんな八宮さんの活躍を見ていた観客たちもどんどんヒートアップ! 「もっと彼女の活躍を見たい!」「別のスポーツではどうなんだ?!」 そんな声が聞こえてくるようです。 そして八宮さんはそんな声にもどんどん答えていきます。 卓球部、テニス部、バトミントン部、柔道部、レスリング部……さらには相撲部にも力を貸してくれるそうじゃないですか! ああ、なんと心優しき八宮さん! チキータで高速の返球を行い、 スライスでたたきつけるように得点を奪うと、 ヘアピンでテクニカルなポイントもゲット。 大外刈りも堂に入ってますね! アンクルホールドで自分の体も顧みない激しい戦いっぷりを見せた後は、 威風堂々の一本背負い。 すごい!すごすぎるぞ!八宮めぐるーーーーーッッッッッ! お前にできないスポーツはないのかーーーッッッ?! 653: ◆zbOQ645F4s:2021/09/29(水) 20:13:51.25 :w1WP8DMN0 そんな彼女の素晴らしいパフォーマンスに次々とスポーツのオファーが舞い込みます。 八宮さんの力を借りるために水球部にセパタクロー部、アルティメット部にペサパッロ部。ヤールギュレシ部もやってきました。 文字通りの引く手数多、引っ張りだこ! 彼女の運動センスを前に黙っていられる部活などあるはずもありません! 八宮、お前の力を貸してくれ! めぐるちゃん、私たちの部活を手伝ってよ! ___あっ、ちょっとちょっと! 八宮さんってば体は一つしかないんですよ!? ___そんなに一気にお願いされても無理なものは無理でしょう?! めぐる、お前ならうちでもやっていけるぞ! ミス・ハチミヤ、ともに世界を目指しましょう! ___引っ張らないで! 引っ張らないで! ___順番に、順番に、ね?! でもでも、運動部の底なしの体力とちっぽけな脳みそは暴走を止めません。 人気者の八宮さんはその手足をそこら中の運動部全員から四方八方に引っ張られ、引っ張られ…… ____ブチィッ!! 運動部といえばしゃらくさいミサンガをつけて、 千切れたら願いが叶うだなんてほざいていやがりますけど体そのものが千切れた場合はどうなんですかね。 ま、願いどころじゃないか! ガハハ! 654: ◆zbOQ645F4s:2021/09/29(水) 20:14:38.26 :w1WP8DMN0 ------------------------------------------------- GAMEOVER ヒグチさんがクロにきまりました。 おしおきをかいしします。 ------------------------------------------------- 655: ◆zbOQ645F4s:2021/09/29(水) 20:15:07.22 :w1WP8DMN0 本当に樋口さんは軽やかにステップを刻みますね。 複雑なステップだって目立って手こずる様子はありません。 指先まで伸びやかで、一挙手一投足のそのすべてが洗練されています。 見ているこちらが思わず目を奪われてしまう、 彼女のパフォーマンスは天性のアイドルの才能というやつでしょう。 きっと彼女は今日、ここに至るまで____ 大した苦労もしてこなかったんでしょうね。 ------------------------------------------------- 心臓を握る 超高校級のディベート部 樋口円香処刑執行 ------------------------------------------------- 656: ◆zbOQ645F4s:2021/09/29(水) 20:16:50.66 :w1WP8DMN0 薄明りのステージの中央で、彼女は歌い、踊り続けます。 それはもう軽やかに、音もたてることなく、悠然と。 ただ、その自分自身の軽やかさが樋口さんにとっては痛みであり憎しみでもありました。 樋口さんが見てきたアイドルたちはみんなその足取りが鈍重で、 彼女たち自身の存在を、努力、その歩みをステップの音に響かせていたのです。 その音を聞くうちに、樋口さんは自分自身の靴が奏でる音の空虚さに胸を押さえて悶えるようになりました。 ステージの音で響き渡る、ほかのアイドルたちの……靴の音。 ステップが刻まれるたびに、その何もかもが自分とは違っていて。 ___私たちはこんなにも苦労してきた 聞こえない幻聴がうるさい。 ___私たちはすべてを詰め込んでパフォーマンスをしている 靴の音は木槌の音。私の心臓に杭を打ち付ける、拷問の音。 ___それなのに、私たちはあなたのようにはなれない それは深く深く突き刺さって、私の心臓を蝕んでいく。 ___あなたは恵まれている 私という人間を、蝕んでいく。 ___あなたは私たちのことを憐れんでいるの? 657: ◆zbOQ645F4s:2021/09/29(水) 20:17:31.83 :w1WP8DMN0 樋口さんはその場に倒れこんでしまいました。 動悸が収まらず、呼吸も浅くなるばかり。 苦しみ悶える中でその視点も定まらなくなっていき、ほかのアイドルたちの姿が蜃気楼のように歪んでいき、そして消えていきます。 ステージに残されたのは、吹けば飛ぶような空虚なアイドルただ一人。 彼女には何もありません。 はじめからほかの人よりも多くのものが揃っていた彼女には、後から詰め込むようなものなど、何も。 彼女の軽やかさはその身軽さからくるものだったのです。 ……でも、彼女にもかつて“重みのあるもの”がありました。 それは遠い昔、いつからかクローゼットの隅に押し込んで、忘れてしまっていたもの。 彼女自身の心をえぐるもの。 丁寧に宝石箱の中に押し込んで、鍵をかけてしまいこんでいたもの。 ……いや、そうじゃない。 658: ◆zbOQ645F4s:2021/09/29(水) 20:18:15.23 :w1WP8DMN0 ステージの向こうに、きれいな宝石箱が見えます。 それに向かって手を伸ばす。 かつて自分からかなぐり捨てたそれを取り戻すために、元あるべき場所に戻すために。 その、【オルゴール】に手を伸ばす。 ___ズシーン! グチャ…グチャ… でも、遅かった。 オルゴールに指先が届くこともなく、もっと大きくて、重たいものに彼女の体は押しつぶされてしまいました。 ステージを揺るがすほどの大きな衝撃と音を伴って落下したそのプレス機。 樋口さんは死の間際にゾウの足みたいだと感じたんですって。 うーん、ポエミーな感性でございますわね! 664: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 19:59:31.77 :PKHgrFLn0 ------------------------------------------------- 【6章現在での主人公の情報】 ・習得スキル 【一番星の魔法】 〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕 【ポシェットの中には】 〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕 【意地っ張りサンセット】 〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕 【包・帯・組・曲】 〔学級裁判で不正解時のペナルティを三回まで無効化する〕 【HAPPY-!NG】 〔交流による親愛度上昇が+0.5される〕 【摩的・アンチテーゼ】 〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕 【水色感情】 〔学級裁判で不正解時コトダマが減少して正解が導きやすくなる〕 【アップ・トゥ・ユー】 〔学級裁判中任意のタイミングで発動可能。モノクマメダルを消費することで回答を導く。要求枚数は回数ごとに増加〕 ・現在のモノクマメダル枚数…43枚 665: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:00:12.31 :PKHgrFLn0 ・現在の所持品 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×2 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【はっぱふんどし】×2 【もちプリのフィギュア】 【ラジオ君人形】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【毛虫くん】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【聖徳太子の地球儀】 【ミレニアム懸賞問題】 【携帯ゲーム機】 【プロジェクトゾンビ】 【動くこけし】 【オブラート】 【スモールライト】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】×2 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ログインボーナス】 ・特殊アイテム 【虹の羽】 〔輝く羽は希望を語る。ロジカルダイブで誤答した時、どこの選択肢があっていてどこが違うのかがわかる〕 【スーパーはづきさん人形】 〔どんな事務仕事もたちどころに終わらせてしまう伝説の事務員を模した人形。反論ショーダウンでコンマ値をあげるスキル・アイテムがパニックトークアクション、議論スクラムでも適用されるようになる〕 666: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:01:13.73 :PKHgrFLn0 【ここまでの親愛度】 ・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】 ・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公)【DEAD?】 ・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……5.0【DEAD】 ・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0【DEAD】 ・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5【DEAD】 ・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……12.0 ・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0 ・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】 ・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0【DEAD】 ・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】 ・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】 ・【超高校級のギャル】和泉愛依……4.0 ・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】 ・【超高校級のディベート部】樋口円香……7.5【DEAD】 ・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……12.0 ・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】 ------------------------------------------------- 667: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:02:28.72 :PKHgrFLn0 ……どうもこんにちは! 668: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:03:17.06 :PKHgrFLn0 私、都内のある企業で勤続12年ほどになるサラリーマンなのですが、 こうして皆さんの前でお話しさせていただく機会はそうそうなく…… お恥ずかしながら現在少々緊張しております、何分普段は表に出る仕事ではありませんので。 そういったわけですので自己紹介なんかも今回は割愛させてもらいますね。 ええ、まあ私という人間なんて本当につまらないものですよ。 生まれた時から日陰暮らし、小中高大……いずれの学生生活でも目立った活躍なんて全く。 部活に入ったはいいもののレギュラーはもらえずずっとスタンド応援。 成績も並みで、そこそこの大学に入って研究もせずに遊び惚けて。 やっとつかんだ就職先では毎日頭を下げて日銭を稼ぐ毎日。 日々のノルマをこなすうちに、 いつの間にかこんなに年数も経ってしまい、家庭も築いてしまっておりました。 ええ、まあ……幸せは幸せでございます。 この不況の時代に、手に職をつけて一応は安定した収入をいただいておりますから。 669: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:04:29.34 :PKHgrFLn0 ですがやはりストレスというものは溜まってしまいます。 職場のストレスなんかはその代表ですね。 取引先のパワハラ、上司からの理不尽な要求、後輩に対する気回し……どうしても窮屈に感じる場面は多々ございます。 白状しますと妻のご実家に帰るのもかなりストレスですかね。 お義父さんが厳格な方でいらっしゃって、おちおち目の前で携帯を触ることもできないんです。 それにお義母さんには庭の草取りを頼まれますし、断るわけにもいきませんから…… それに最近は娘も反抗期に入りましてね、洗濯物は私と別にしてくれなんて言うんです。 同じ血を引いているというのに、どうにも心苦しいものですよ。 愛した妻だって、若いころの面影はもうすっかりありませんよ。 ゴミ出しぐらいは手伝いますが、少しは感謝の言葉をかけてもらいたいものです…… お酒でも飲んで気晴らし……若いころはそうでした。 ですがもう私もそれなりの年、だんだんと胃にたまるものもございます。 ……ガス抜きのための何かを、ずっと探しておりました。 670: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:05:19.21 :PKHgrFLn0 _____そんなときです、私が出会ったのは。 671: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:06:14.90 :PKHgrFLn0 ええまあ、出会ってからというもの、世界はガラッと変わりましたとも! しょうもない言いがかりをつけてくる営業先のジジイも、 加齢臭のしみ込んだ産業廃棄物じみたシャツを着ている上司も、 いっちょ前に権利だけを主張するでくの坊の若手社員も、 傲慢不遜な態度しか生き甲斐のない枯れ木のような義父も、 申し訳なさそうな態度さえしておけばすべてが許されると思い込んでいる義母も、 産んでもらった恩を忘れて文句を垂れる娘も、 不細工な肉付きをして加齢の色も隠せなくなった妻も、 全部全部、どうせ死ぬんですから! そう思ったら随分と楽になりましてね! ああ、こいつはどれほど惨めに死ぬんだろう。 どんな醜悪な辞世の句を並べ立てるんだろう。 そう思うとなんだか滑稽ですらありますよね! ……え? あはは、そんな直接手を下すなんてするはずないじゃないですか。 人が人を殺すなんて、そんなのフィクションですよ。 672: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:07:22.70 :PKHgrFLn0 ______ええ、フィクションですよ。 ______私たちとは縁遠い世界のお話なんです、人の生き死になんて。 673: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:08:03.77 :PKHgrFLn0 ------------------------------------------------- CHAPTER06 なんどでも祈ろう 非日常編 ------------------------------------------------- 674: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:08:37.27 :PKHgrFLn0 ………… …………………… ………………………………………… ………………………………………… 暗く、昏く、深い地の底。私の体は重力に導かれるままに、堕ちていく。 耳元では風がゴウゴウと吹き上がり、私の体の逆をいく。 全身に感じる強く引力が死というものを強く感じさせる。 おしおきは消化不良なまま終わった。 ただ、この落下速度と落下時間。 言うまでもなくその末路は悲惨なものになるはずだ。 675: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:09:47.81 :PKHgrFLn0 私は諦観にも似た感情を抱き、目を瞑っていた。 瞼の裏には走馬灯のように、これまでにめぐると過ごした記憶が流れていた。 めぐると出会った頃のぶっきらぼうな反応をしてしまった私、体調を崩して看病に来てくれためぐる。 思えばあの時から心を開くことができたんだっけ。 この学園に来てからも、めぐるは常に私の傍にいて、依代であり支えになってくれていた。 ……そのめぐるを、私が殺した。 自分の掌を見た。 おしおきの最中、抜けていく床と残された柱とに何度もしがみついたその手にはいくつもの擦り傷。 ただ、それを上塗りするかのように私の目には赤黒い染みが見えるのだ。 それは言うまでもなく、罪の証。 めぐるが最後に残した、生命の息吹。 覆面を外した時のあの瞬間、あの感触が染み付いている。 焦燥から私の手は手汗に塗れていて、掴んだ布地は妙に重たかった。 ……ただ、めぐるは私のことを恨んではいないと思う。 傲慢ではなく、これは親友だからこそわかる確信だ。 きっとめぐるは誰にどんな理由で殺されたとしても、それを受け入れてしまう。 そんな彼女の寛容さに私自身ずっと甘えてきた。 だからこの掌の赤い染みは、めぐるの怨恨ではなく私が私に課した、重責なのだ。 676: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:11:16.67 :PKHgrFLn0 ……まだ数秒、死までは時間があるらしい。 最期の最期に、私はもう一度目を閉じた。 死の間際に見る光景は、この学園の無情さではなく美しい記憶の残響がいい。 最期くらい、我儘を言っても許されるかな。 ……ただ、私は忘れていた。 この学園は、私たちの覚悟や決意、そして道理をも裏切って嘲笑う。 死を前にして行った私の葛藤の全ては…… ___徒労に終わった。 677: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:12:17.08 :PKHgrFLn0 ドサッ 「痛っ……?!」 全身を襲う鈍い痛み。 急速に異常なまでの滞空時間で落下した私の骨という骨は見るも無惨に砕け散り、 臓物はぐちゃぐちゃに掻き乱されて虫けらのような骸と化す……はずだった。 その痛みは死というにはあまりに優しく、まるでプールの飛び込み台から正面落下したような“打ち身”だったのだ。 「助かった……?」 そしてそれと同時に襲ってくるのが…… 「な、なに……この匂い……」 臭気。 夏の終わり、三角コーナーに溜め込んだ野菜が放つような鼻を刺す刺激臭。それがあたり一体に立ち込めている。 どうやら私の鼻の感覚はそれなりに信頼できるらしい、 つい今し方“夏の終わりの三角コーナー”と評したその臭いは、その比喩と当たらずも遠からずだったのである。 私の死を打ち身にとどめた緩衝材の正体は、ゴミ袋。 文字通りに山積みになったゴミ袋が私の体を優しく受け止めて、あたり一体に残飯を撒き散らしている。 中には数日前に食堂で見かけた食材なんかもある。 678: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:13:16.55 :PKHgrFLn0 どうやらここは“ゴミ捨て場”、その終着点のようである。 学園にはトラッシュルームが存在し、手頃なものなら焼却処分ができるが、そうでないものは全てここに押し込められているようだ。 故障したクローゼットや怪しい機材なども投棄されており、手付かず。 臭いものには蓋をする、煩わしいものは目の届かないところに押し込む。 なんとも杜撰な処理の形だ。 ただ、今回ばかりはそれに助けられたのも事実。 暫く打ち身に身を捩っていた私も、その身を起こしてあたりの散策を始めた。 つい先ほどまで死を覚悟していたというのに、いざ生を掴んだからといって縋るのは醜いだろうか。 ただ、どれほど醜くても生に縋らないのは不誠実だと思う。 それはこの学園で生きてきた私だからこそ、犠牲になった皆さんの思いを引き継いだ私だからこそ。 真乃とめぐるとも約束をしたんだから。 ……生きないと。 679: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:14:09.63 :PKHgrFLn0 強い決意と共に、手当たり次第にそこら中のゴミ袋に手をつけた。 食べられるもの、飲めるもの。 とにかく食いつなげるものを探した。 見上げた天井は目視できないほど遠く、そして暗い。ここから助けなしに脱出することは不可能だろう。 なら、摩美々さんたちを信じてなんとか生き延びる他ない。 「……うう、これも腐ってる」 だが、事はそううまくはいかなかった。ゴミ袋は、”ゴミ“が入っているからこそゴミ袋なのであり、実用性のあるものはそもそも入らない。 まして、口に入れていいものなんかは。 「……お腹空いたな」 空間の隅から隅まで、目につくものは一通り調べ尽くした。ただ、どれほど探そうとも成果を上げる事は出来ず。 体力を消費して汗をかいただけの骨折り損。腹の虫も癇癪を起こして煩い。 このままでは、まずい。 せっかく掴んだ生、それを繋げていくに必要なものが見当たらなかった私は…… ____ひたすらに眠った。 680: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:16:09.89 :PKHgrFLn0 全ての体力消費を抑えて、空腹や喉の渇きを体に感じさせる時間を削った。 目が覚めるたびに無理矢理に瞳を閉じて再度眠りにつく。 それを何度も繰り返し、数時間、数日……ただ、絆を信じて眠り続けた。 ___ドサッ そして、その時は来た。 いつもより鈍い音を立てて何かが落下した、その衝撃からか自然と目が覚めた。 硬い床に何も敷かずに長時間横になっていた全身がバキバキと聞いたことのない軋みを立て、痛みを伴う。 そんな満身創痍な体で落下した何かに向かって近づいていくと…… 「……え?」 モゾモゾとその“何か”は動き出す。 内側から蹴破ろうとしているのか、あちらこちらから内側で暴れている痕跡が浮き上がる。 そこから暫く、まるで蛹から蝶が孵化するかのように彼女は姿を表した。 「……ふー、やっと出れたぁ」 「ま、摩美々さん?!」 681: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:17:43.99 :PKHgrFLn0 ◆◇◆◇◆◇ 摩美々さんは首や肩をポキポキと鳴らしながら立ち上がると、私の顔を見ていつものほくそ笑みを披露した。 摩美々「お久しぶりです、覚えてますかぁ? 田中摩美々と申しますー」 灯織「覚えてますよ、当然じゃないですか!」 摩美々「おー、ツッコむ元気があるぐらいには健康そうでなによりー」 開口一番に揶揄いから入るあたりやっぱり摩美々さんだ。 数日間一人っきりで悪環境に置かれていたこともあり、いつも以上にコミュニケーションが心に沁みる。 そんな会話に思わず目頭が熱くなりかけたのだけど…… 灯織「……あの、摩美々さん」 摩美々「んー?」 灯織「その、頭にカップヌードルの容器が」 摩美々さんの頭に載っているそれがどうも目について涙は引っ込んでしまった。 摩美々「……」 本人はどうやら気づいていなかったらしい。 無言で後ろを向いて、頭のカップヌードルの容器を払うとすぐにこちらに平然と向き直った。 ……ただ、その耳は真っ赤に染まっている。 682: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:19:11.48 :PKHgrFLn0 摩美々「それよりお腹空いてないー?」 (なかったことにするんだ……) 灯織「ええ、まあ……食べるものどころか飲むものすら無くて今も息絶え絶えです」 摩美々「だと思ったのでー……じゃーん、摩美々からのプレゼントだよー」 摩美々さんが懐から取り出したのは水に入ったペットボトルとあんパン。 これまた数日ぶりに目にする文化的な食事。何も口にしていなかった体は、それを目視した瞬間に一気に口に涎を充満させた。 摩美々「その前に、ちゃんと手、拭いてからねー。今の灯織ってば手がネチャネチャだよー」 灯織「え」 久方ぶりに掌を見ると、成る程摩美々さんの言う通り。 食い繋ぐためにゴミ袋を漁ったその掌はこれまでに経験したことのないような感触の膜が貼られている。 ……このまま食べたらお腹を壊すどころじゃ済まなさそうだ。 摩美々さんから除菌ティッシュを譲り受け、ちゃんと清潔にしてから食事を口へと放り込んだ。 栄養が枯渇状態にあった体にはほんの一口でも染み渡るようで、思考が冴え渡り、肉体の疲労が吹き飛んでいくのを感じる。 なんとか私は、【生】を守り抜いたんだ。 683: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:20:59.72 :PKHgrFLn0 摩美々「数日ぶりの食事はどうだったー?」 灯織「大変美味しかったです……ありがとうございました」 摩美々「その調子だと本当に何も口にしてなかったんだねー、口元が緩みきってるよー」 灯織「め、面目ないです……」 摩美々「ま、仕方ないでしょー」 食い意地の張った私を一頻り揶揄い終えた摩美々さんは、近くに腰掛けて私に向き直る。 つい数瞬前とは異なる、真剣な面持ちだ。 摩美々「……ねえ、灯織」 灯織「……摩美々さん?」 その声色も、これまでと違った熱を帯びている。 胸を抑えながら声を絞り出すような、これまでに見たことない摩美々さんを前に思わずこちらも襟を正す。 摩美々「ごめんね、中々助けに行けなくてー……ずっと一人で大変な思いをさせて……辛かった、どころじゃないと思うしー」 灯織「い、いえそんな……」 684: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:23:18.43 :PKHgrFLn0 摩美々「おしおきが失敗した瞬間、なんとか灯織を助けなきゃって……みんなでどうにかここまでくる方法を考えて考えて、でも糸口が見つからなくて……なんとかチャンスを見つけ出して……」 摩美々「もしかして、こうしてる間にも灯織は死んじゃってるんじゃないかって……それでまた焦って……」 摩美々「本当に、生きてくれててよかった……生きてて、良かったよ灯織」 灯織「摩美々さん……」 初めての表情だった。 揶揄いや悪巧みで誤魔化していない、素のままありのままの摩美々さんの表明した【安堵】。 いつもなら取り繕うだろう頬の綻びもそのままに、優しい言葉をかけてくれる摩美々さんを前に、私の目頭は再度熱を帯び始めた。 灯織「私も……生きて、再度会うことができて……本当に良かったです……」 摩美々「……!! も、もぅ……泣かないでよー」 灯織「ふふ……摩美々さんこそですよ」 摩美々「え……はぁ、摩美々の涙なんかレア物なんだから、光栄に思いなよー」 摩美々さんは照れくさそうにしつつも、その涙を隠そうとはしなかった。 私のために流してくれているその涙、それを思うとより一層私の視界も滲む。 暫く、感情に身を委ねて泣き続けていた。 何か再会を喜んだり、励ましたり、言葉を交わすわけでもない。 ただかけがえのない友人との再会、その間のある絆を噛み締めて、身を浸していると自然とそれ以外の選択肢が消えていた。 これまでに過ごした時間や感傷が何度も何度も浮かび上がり、その度にピークを迎えて収まる余裕はなく。 落ち着くまでのどれほどの時間を要したのかはわからない。 ただ一言言えるのは全てが収まった時には私の服の裾はすっかり水に浸されていたということだけだ。 685: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:25:06.22 :PKHgrFLn0 摩美々「……さて、ようやく収まったわけだけど」 灯織「ええ、なんとか落ち着きました」 摩美々「そろそろ、脱出と行こうかぁ。いつまでもこんな臭いのするところにいるわけにもいかないし、いい加減にはねー」 そうだ、元々摩美々さんはそのためにわざわざやってきてくれたんだ。 摩美々さんが指さした先は、壁に取り付けられた簡易梯子。 私も落ちたすぐ後にそれを登ろうかと考えたが、 登った先に出口があると言う確証もない、無駄なリスクを踏む事は避けたかったので放置していたものになる。 摩美々「ここに落ちてくる前に、上で扉の鍵は開けておいたのでここを登れば元の生活に戻れるはずだよー」 灯織「なるほど……しかし、かなり長そうですね」 摩美々「まぁねー……何せ学園の本当の意味での地の底なんだしー」 灯織「でも、行きましょう……なんとしても、生きて戻らないと」 摩美々「覚悟は出来てるみたいだねー、それじゃ行こっかぁ」 灯織「はい!」 摩美々「……」 灯織「……」 灯織「…………摩美々さん?」 摩美々「何やってるのー? 灯織が先に登るに決まってるじゃーん」 灯織「え……わ、私ですか……?」 摩美々「だって、ほら。摩美々ってばスカートだしー」 (私もそれはそうなんだけど……) 摩美々さんの言い分には釈然といかない部分もあったけど、ここでごねていても仕方ない。 ひとまず飲み込むことにして、鉄の梯子へと手足をかけた。 686: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:26:34.17 :PKHgrFLn0 __ ____ _______ カンッ カンッ カンッ それから暫く。鉄と靴とが奏でる無機質な音だけが響く時間が流れた。 音が耳に届けば届くほど、自分はここまで奥深くまで落下していたのかと驚かされる。 上を見上げても暗闇が続くばかり、まだまだ終わりは見えなさそうだ。 摩美々「ねえ、灯織ー」 灯織「摩美々さん、どうしました?」 摩美々「登りながらでいいからさぁ、脱出した後のことを話しとこうかぁ」 灯織「そうですね……私がいない間の学園の事情なども伺いたいですし……」 摩美々「まぁそれも大事なんだケド……」 摩美々「多分灯織は、ここを出た瞬間モノクマに命を狙われると思うんだよねー」 灯織「ええ?!」 摩美々「しょうがないよー……だって灯織はおしおきが失敗して偶然命を拾った形……モノクマとしてはちゃんと殺すところまでやっておきたいはずでしょー?」 灯織「そ、それはそうかもしれませんが……」 摩美々「出た瞬間その場でおしおき、なんてこともあり得なくはないと思うよー」 灯織「そ、そんな……なら、脱出なんてしたところで……」 687: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:29:06.34 :PKHgrFLn0 摩美々「まぁ落ち着きなってー……それをどうにかするために私が来たんでしょー」 灯織「どうにかすると言われましても……」 摩美々「灯織がおしおきを回避する方法はひとつだけ……あのクロ判定が不適切なものだったと証明することだよ」 灯織「……え?」 摩美々「要は、灯織がクロじゃなかったことを証明しておしおき自体を不当なものだったと指摘するんだよー」 灯織「え、ええええ?! 摩美々さん、めぐるの命を奪ったあの爆弾は私の行動が引き金になってですね……?」 摩美々「もう一度、その議論をやり直そうよー。私たちは灯織に死んで欲しくないんだよー」 灯織「し、しかしですね?!」 摩美々「それに、あの議論は……まだ完全じゃないと思うんだー」 灯織「……議論が、完全じゃない……? でも、すべての証拠品を検討しましたし、あらゆる可能性はつぶしたと思うんですが……」 摩美々「確かに摩美々たちの知る証拠品と状況証拠はすべて検討したケド、それがすべてじゃないと思うんだよねー……」 灯織「……」 摩美々「それに、灯織自身はどうなのー?」 灯織「私、ですか……?」 摩美々「めぐるを殺したのが自分で、納得できるのー?」 ___納得なんかできるわけない。それは、当然の心理だ。 後にも先にもこれ以上はない親友を手にかけた事実、否定できるのなら私だって否定したい。 でも、その否定をしてしまうことは、めぐるの死から目を背ける以上に不義理だと思う。 自分自身にかかる責任を放棄する、最低最悪の身勝手。 灯織「……だとしても、受け入れるしか」 摩美々「はぁ……灯織ってば相変わらずいい子過ぎー……もっと自分の気持ちに素直になりなよー」 灯織「そうは言いますが……私はめぐるの死においては何よりも事実を尊重したいんです。それがめぐるに対しての誠意であり、義務だと思うんです」 摩美々「……灯織、この前の裁判の最後に見た映像、覚えてるよねー?」 灯織「映像、ですか……?」 (おそらくそれはきっと、めぐると樋口さんが事件の直前に交わした会話の映像……) 688: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:29:37.70 :PKHgrFLn0 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ めぐる『円香……本当に、やるの……? わたしを殺して、灯織たちに絶望させるつもりなの……?』 円香『……そうだけど』 めぐる『これ以外の方法はなかったの?……どうしても、みんなはわかり合えなかったの?』 円香『……しつこい、言ったでしょ。分かり合うとか分かり合えないとかの次元じゃない。国籍が変われば言葉は通じないのと同じ、そもそも別の種類の人間だったってだけ』 めぐる『ちがうよ』 円香『……は?』 めぐる『言葉が通じなくても、気持ちは通じ合える……円香が別の種類の人間だって思っても、心を通わせることはできるはず……! 灯織たちは、円香が思うような悪い子たちなんかじゃ……!』 円香『やっぱりわかってない。灯織たちの掲げる絆とやらの崇高さ、美徳は十分に理解してる。……そのうえで、それを掴む権利が私には無いってだけ』 めぐる『そんなことないよ!』 円香『……もういい?めぐると雑談している間に邪魔が入っても困るから』 めぐる『……わかった、でも最後に一つだけ円香に聞いてもらってもいいかな』 円香『……何?』 めぐる『わたしも、灯織も、摩美々も愛依もチョコも雛菜も……これまでに犠牲になったみんなも……全員が、円香のことを大好きだから!』 円香『……今からその相手に仲間を殺す道具として使われても?』 めぐる『円香のすることは許せないよ。確証のない計画で仲間の命を巻き込んで……でもね、円香という一人の女の子が元々すごく優しい子だってことは知ってるから』 円香『……罪を憎んで人を憎まずってわけ? お涙頂戴でも狙ってるの?』 めぐる『円香、助けてあげられなくてごめんね』 円香『……うるさい』 ブツンッ! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 689: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:32:06.70 :PKHgrFLn0 摩美々「あの映像の内容を振り返ってみると、一つだけ【不自然な点】があるよねー?」 灯織「不自然な点……ですか……?」 摩美々「めぐるの言葉、『確証のない計画で仲間の命を巻き込んで』……これってめぐるの視点から見ると不自然だよねー?」 灯織「……どういうことでしょう」 摩美々「確かにめぐるは今から自分自身が殺されることはわかってる、でも円香の計画まで知ってるのはおかしくないー? 覆面をかぶせて、薬品Aで全身を麻痺させて最終的に灯織に爆殺させる……そんな計画をめぐるは知ってて受け入れたってワケー?」 灯織「で、でも……あのめぐるは拘束されていましたし、受け入れざるを得ない状況だっただけなんじゃ……」 摩美々「……灯織、よく思い出して。八宮めぐるっていう女の子のことを、灯織の一番の親友のことをよく思い出してよー」 (めぐるのことを……?) 摩美々「自分の動きを封じられたぐらいで諦めるような女の子だったぁ? 仲間の命が危険にさらされる計画を聞かされて、黙っていられるような女の子だったぁ?」 灯織「……!!」 (……違う) (……めぐるはきっと、そんな状況下なら自分の命も顧みずに食ってかかるような……誰かのために動ける人間だ) (もし、樋口さんの『絶望計画』を聞かされていたなら……もっとそれに抗った痕跡があったはず) (でも、あの映像のめぐるは……衣服の乱れすら見えなかった。まるで計画そのものに賛同しているかのように) 690: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:32:37.73 :PKHgrFLn0 摩美々「……ねえ、灯織。あの映像で二人の言っていた計画って、本当にこの前の裁判の話だったのかなぁ」 灯織「……え?」 摩美々「めぐるはもっと別の何かを知っていて、それであの事件で命を落とすことを……受け入れたんじゃないかなぁ」 灯織「めぐるが……?」 摩美々「ま、あくまで私の想像でしかないんですけどねー。それでも、あの映像に違和感を感じたのは事実だよー」 (……) (……もし、仮に。もし仮に……あの事件の真相が違っていて、私がめぐるを殺害したのでなかったのなら) 灯織「……摩美々さん、我儘を一つ言ってもいいでしょうか」 摩美々「んー?」 灯織「……もう一度、私と一緒に戦ってはもらえませんか?」 摩美々「……ふふー、望むところですよー」 691: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:33:38.92 :PKHgrFLn0 __ ____ _______ カンッ カンッ カンッ そしてまた暫くの時間が流れた。 鉄の足場を掴んでは離して下へと送り、また上から足場が降りてきてそれを掴む。 何度も何度も同じ作業を繰り返すだけの時間、視界の一切も変わらない時間は妙に長く感じられた。 その長い長い単純作業の繰り返しは……今ようやく終わりの時を迎える。 灯織「……摩美々さん、着いたみたいです」 摩美々「ふー、もう腕も足もガクガクだよー」 灯織「天井の扉、こちらを押し開ければいいんですか?」 摩美々「そうだねー、降りてくる前に鍵は開けといたから押せば開くんじゃないかなぁ」 灯織「わかりました……それでは、いきます……!」 グッと体重を乗せて押し上げた。 分厚い鉄板を切り出したような扉は想像以上の重量で、気を抜くと押し負けそうなほどだ。 奥歯をぎゅっと噛みしめて、飛び上がるようにして一気に押し込んだ。 ガコンッ その力にこたえるかのようにして鉄板は押しあがり、一気に視界には光が飛び込んできた……! 692: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:36:10.30 :PKHgrFLn0 ------------------------------------------------- 【トラッシュルーム】 ……帰ってきた。 見慣れたような、見慣れないような、そんな不和に充満したこの空間は私もよく知るあの学園の一部屋だ。 灯織「着いた……」 地の底からの生還を喜ぶより先に、その場に倒れこんでしまった。 全身を襲うすさまじいほどの疲労感。手も足ももう棒のようで感覚がおかしい。 (確実に後々筋肉痛になるな……) 摩美々さんも私の後に継いで出てきたものの、むしろ私以上にぐったりした様子だ。床に溶けるように寝そべる様子がなんだかかわいらしい。 灯織「……帰ってこれたんですね」 摩美々「なんとかねー、できればもう地の底にはいきたくないかなー……」 ただ、休む暇など与えてはもらえない。私たちが疲労感に浸り、手足をそこらに伸ばしていたのもつかの間。 見慣れたような、見慣れないような、そんな最悪な存在はすぐにその姿を現した。 693: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:37:21.05 :PKHgrFLn0 モノクマ「こらー! なんで生きてんだタコこらー!」 摩美々「うわぁ……もう来た……」 モノクマ「なんだその言いぐさは! ボクだってね、これが仕事なんだよ! 決して学園内の女子高生濃度が上がったからそれをかぎつけてきたとかそういう話じゃないんだからね!」 灯織「はぁ……」 モノクマ「それより! 風野さん、キミもわかってるよね? キミは本来ここにいちゃいけない人間、生きてちゃいけない人間なんだよ」 灯織「……っ!」 (摩美々さんの言ってた通りだ……モノクマはここに私がいることをただ嗅ぎつけただけじゃない……) (私のことを、殺しに来てる……!) モノクマ「おしおきは一時失敗しましたがね、今度こそきっちりしっかり執行させてもらいますよ! そうじゃなきゃトッチラケだからね!」 摩美々「灯織、わかってるよね。覚悟を決めるんだよー」 (覚悟……) (……よし) 694: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:39:09.72 :PKHgrFLn0 灯織「モノクマ、私をおしおきする前に一ついいですか?」 モノクマ「ん?」 灯織「本当に、あのクロ認定は正当だったと思っているんですか?」 モノクマ「……なにそれ、どういう意味さ」 摩美々「言葉通りの意味だよ、あの事件は本当に灯織がクロだったと思ってるわけー?」 モノクマ「思ってるも何も、オマエラの推理で導き出した答えがそうなんでしょ! 急に無責任なことを言い出さないでもらえる?」 摩美々「だとしてもだよ、それに考えなしに便乗して灯織をおしおき……まぁ未遂だったケド、それまでしちゃって不正解でしたーなんて、絶対にあっちゃならないよねー?」 モノクマ「うぐっ……で、でもあの事件は状況からみても風野さんがクロで間違いない……」 摩美々「本当にそう? あの爆発の瞬間までめぐるが生きていたかどうか、モノクマは確かめたの?」 モノクマ「うぐぐぐ……」 (さすがは摩美々さんだ……交渉力というか、理で詰めていく凄みは摩美々さんには敵わないな……) 灯織「もし、モノクマがクロをしっかりと把握していない状況下で私を自己判断でクロとして処刑したのであれば……それはルールとして破綻していませんか?」 モノクマ「……オマエラ、自分たちが何言ってるのかわかってるの?」 モノクマ「今オマエラが口にしてるのはボクへのボートク、この合宿生活の管理体制への反発だよ? 特に田中さんはその意味をよく分かってるはずだよね?」 (……!!) 695: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:40:29.98 :PKHgrFLn0 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ モノクマ「でもさ、今オマエが口にしてるのってこの合宿生活の存亡にかかわる話なわけじゃん?」 モノクマ「ボクのミスだって指摘するんだったら、それに見合うだけの覚悟とリスクを背負ってもらわないと!」 灯織「覚悟と、リスク……?」 モノクマ「田中さんの筋が通らなかったとき、田中さんにはこの合宿生活の存続を妨げた罰としておしおきさせてもらうから!」 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 摩美々「それはモチロン誰よりも、ねー」 モノクマ「ふーん……ヨユーはシャクシャク。リスクも何もかもわかったうえで、ってことなんだね?」 灯織「もちろんです!」 (……そう、きっとこれはめぐるが私たちのために残してくれた道) (あの映像の中に見た違和感は、嘘じゃないはず……!) モノクマ「……よし、わかりました! それならオマエラの上告をボクも受理してあげよう!」 灯織「……!!」 モノクマ「ただし、白瀬さんの事件でも言った通り……もし、この指摘が間違いで、本当に風野さんがクロだと認定されたときにはその責任をとって」 696: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:41:00.49 :PKHgrFLn0 モノクマ「二人、いや……全員におしおきを受けてもらおうかな!」 697: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:42:24.10 :PKHgrFLn0 灯織「……えっ?」 (全員に、おしおき……?) 灯織「ちょ、ちょっと待ってください! なんでほかの人も巻き込むんですか?!」 モノクマ「だってオマエラの言ってることって学級裁判の否定どころか、ボク自身の管理責任にもかかわる話でしょ? それぐらいのリスクは背負ってもおかしくないよね?」 ……めちゃくちゃだ。 そもそもこんな生活に無理やり引きずり込んでいる時点で非は間違いなくあちらにあるというのに、なぜこんな責任まで背負わされねばならないんだ。 不条理を極限まで煮詰めたような理不尽に、一気に血の気が引いていく。 一度振り上げた拳の、その感覚がどんどん遠ざかるような悪寒が全身を襲う。この拳に、全員の命がかかっている……? そんなの、私は…… 698: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:42:51.28 :PKHgrFLn0 摩美々「了解でーす」 699: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:43:55.64 :PKHgrFLn0 灯織「ま、摩美々さん?!」 摩美々「いいよー、裁判の結果を否定できなければ摩美々たち全員その場でおしおきねー」 モノクマ「うぷぷぷ……随分と思い切りがいいんだね。赤信号、みんなで轢き殺されれば怖くないって?」 摩美々「お生憎ですケド、轢き殺されるつもりは毛頭ありませんのでー」 灯織「摩美々さん、そんなその場の勢いだけで啖呵を切るような真似……」 摩美々「灯織、さっきも言ったケド、“私たち”は灯織に死んでほしくないんだよー? これぐらいのリスク、全員背負う覚悟はしてるんだよねー」 灯織「……!!」 (まさか、私を助けると決めたその時から……?) モノクマ「やれやれ、勇敢でございますこと! でもそれってさ、蛮勇って言うんだよ? 向う見ずで自分の命を顧みない、さながらギャンブル狂いのようだよね」 摩美々「ギャンブル? ふふー、それだったらむしろ好都合ですねー、摩美々は負ける賭けはしないでおなじみですからー」 摩美々「これが賭けなら、摩美々は勝っちゃいますねー」 (摩美々さん……すごい、モノクマ相手に一歩も譲らない……!) 700: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:45:44.59 :PKHgrFLn0 モノクマ「クックックッ……面白い、面白いクマ! オマエラがそれほどの覚悟を持っているというのならボクもそれに答えてやるクマ!」 モノクマ「ボクとオマエラの最終決戦! 次の裁判で雌雄を決すクマーーーーーー!!」 灯織「最終決戦……!!」 モノクマ「風野さんのクロ判定を覆せなきゃおしおき……どうせそれで終わるんなら、もっと大々的なお祭りにしたいじゃない? だからもう一つとっておきの楽しみも用意しておこうかなって!」 摩美々「それってどういう……」 モノクマ「この学園の真実だよ!」 (……この学園の真実……!!) モノクマ「オマエラはなぜこの学園にいるのか、なぜコロシアイをしているのか、なぜこの学園には他に誰もいないのか、etc…そういう一切合切の謎を全部ここで解き明かしちゃおうよ!」 モノクマ「ビバ! 希望ヶ峰学園・真相編! これは忙しくなるぞーーーー!!」 (な、なんだかすごいことになってしまった……) (この学園のすべての謎を、この裁判で解き明かす……なんて!) 701: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:46:39.75 :PKHgrFLn0 摩美々「灯織、なんだかすごいことになってきちゃってるケド……」 灯織「……」 摩美々「ま、その顔を見ればどうするかなんて聞くまでもないかぁ」 モノクマ「決戦の日は明日! 今日は疲れてるだろうし、ひとまずは体調を万全にしておくことだね! オマエラがどこまでボクに迫れるか楽しみにしてるクマ!」 灯織「……はい」 灯織「モノクマ、いえ……黒幕のあなたこそ覚悟をしておいてください。すべて白日の下に晒されて、己が失態の下にすべてを台無しにする……その覚悟を!」 モノクマは私の言葉を誹りもせずに聞き入れ、そのまま姿を消した。 残された私たち、その体は妙に火照っている。 啖呵を切ったことで血が上っているのはモチロンだけど、それ以上に…… 私以外の皆さんが、私のために命をもかける覚悟でいてくれている。その実感が生の熱気を高めてならないのだ。 摩美々「やっぱりこういう展開になったねー、おおむね予想通りだケド」 灯織「やっぱりわかってたんですね……」 摩美々「ひとまず合流しよう、明日の作戦会議もしなきゃだしー」 灯織「は、はい!」 702: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:48:57.65 :PKHgrFLn0 ------------------------------------------------- 【食堂】 摩美々さんに連れられ食堂に踏み入ると…… 智代子「灯織ちゃんだ! 本当の本当に、灯織ちゃんだ!」 雛菜「あは~~~~~! 無事だった~~~~~~!」 愛依「だいじょーぶ?! ケガしてない?!」 すぐに皆さんが駆けつけてくれた。 どうやら摩美々さんを地下に見送った後はここで待機する手はずだったみたい。 でも、今この瞬間まで気が気でなかったらしい。机の上のお茶が手付かずでぬるくなっている。 私たちはすぐにここに至るまでの経緯を説明した。 地下でなんとか食いつないだこと、私の命をモノクマが狙っていること、そしてそれを跳ね除けるための裁判が行われること。 その裁判では学園の真実をも解き明かさねばならないこと。そして、皆さんの命もかかっているということ。 703: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:49:45.59 :PKHgrFLn0 だけど、やっぱり摩美々さんの言っていた通りらしい。 そんなリスクは織り込み済み、だったようだ。 チョコ、雛菜、愛依さん……誰一人としてそのリスクを前にして震え上がるような素振りはなく、むしろ決意を新たにしたような面持ちだった。 智代子「いやはや……とうとうこの時が来ましたかって感じだね!」 雛菜「これで勝ったら雛菜たちも学園から出られるんでしょ~? なら頑張るしかないよね~~~!」 愛依「おっし、うち、なんか燃えてきた!」 摩美々「お、頼もしいじゃーん」 智代子「えへへ、摩美々ちゃんが地下に行ってからわたしたちも色々話してたんだ。この学園に来てからのこととか、外の世界のこととか」 雛菜「やっぱり、雛菜たちは外に出なきゃだめだよ~。それが雛菜たちにみんなが託した願いでもあるんだしね~」 愛依「それに、灯織ちゃんを守るためって思うとなんか勇気が湧いてくるし!」 灯織「皆さん……」 智代子「だから大丈夫! わたしたちの命がかかってるからって、変に気負わなくていいからね! 同じリスクを背負って一緒に戦う者同士、結束を高めて参りましょう!」 (すごいな、この学園で過ごすうちに、皆の表情もだいぶん様変わりした……) (戸惑うばかりだった私たちも、今こうして武器をとれるようになった。これは成長といっても差し支えないんだろうか) 704: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:51:11.51 :PKHgrFLn0 雛菜「ね~、それより~」 灯織「……雛菜?」 雛菜「灯織ちゃん、なんだか臭いよ~?」 灯織「えっ」 摩美々「ずっと地下にいたから匂いが染みついてるんじゃないー? ふふー、案外自分じゃ気が付かないものですしねー」 愛依「……摩美々ちゃん、言いにくいんだけど……摩美々ちゃんもちょっとだけ匂う……的な」 摩美々「えっ」 智代子「くんくん……ホントだ! 二人とも雨の中散歩した後のマメ丸やカトレアみたいな匂いがするよ!」 雛菜「この匂い雛菜好きじゃない~~~……」 灯織「ご、ごめん……」 摩美々「……とりあえず、私たちはお風呂にでも入ろっか」 灯織「そうしましょうか……」 705: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:52:52.53 :PKHgrFLn0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 それから私たちはそれぞれの部屋に分かれ、ひとまず今晩はゆっくりと休むことにした。 明日はモノクマとの対決、どんな展開になるのかわからないし、きっと長丁場になる。 耐え忍ぶだけの体力はしっかりと回復させておかないとだめだろう。 ……正直、怖い。 これまでの学級裁判だってずっと命はかけてきたし、合宿生活そのものだって殺されるリスクはあった。 でも、今回はそんな単純な生死のやりとりじゃない。 一度確定した結論をひっくり返し、そのうえですべての謎を解き明かすという難易度の高い要求が為されていて、その上に私たちの命がある。 私に本当にできるのだろうか、その自信があるかといわれると疑問符が浮かぶことは否定できない。 私は弱い人間だ。 もう引くことができないこの状況下で、まだ意志と覚悟とを固めることができないでいるんだから。 引っ張ってくださる皆さんにおんぶにだっこ。 以前摩美々さんは私のことをリーダーだと評してくれたけど、そこに自信が備わっているかといわれると不安はある。 ____だから、もう少しだけ私には助けが必要だ。 私は自分の部屋の引き出し、そこにしまい込んでいた“それ”を取り出して、ある場所へと向かった。 706: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:54:51.49 :PKHgrFLn0 __ ____ _______ 「……よし、誰もいない」 別に見つかってもよかったのだけど、この期に及んでまだこれに頼るのかと思われると少しだけこっぱずかしい。 道中誰にも出会わなかったのは幸運かな。 音をたてないように扉を閉めて、ゆっくりと近くの席に腰かけて、そのディスプレイの電源をつけた。 真っ暗な部屋に青白い光が仄かに浮かび上がる。 私がやってきたのは【視聴覚室】。 小糸の事件が起きるきっかけとなった動機ビデオ、それを見たのはこの部屋だった。 ほかには甜花さんの用意したゲームをあのモニターにつないで、ゲーム大会なんかもやったんだったっけ。摩美々さんに勝ったのは我ながら驚いたな。 もうそれも、少し前の記憶。この学園で過ごした時間もかなりになるのが物悲しく感じられてしまう。 そんな悲嘆を押し込むように、DVDプレーヤーに自室から持ち込んだものを読み込ませた。 少しばかりの機械音とともに装置は作動し、画面上にもぷつりぷつりと波が生まれだす。 そして、それは始まった。 707: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:55:59.18 :PKHgrFLn0 『大人気のアイドルユニット、イルミネーションスターズ。かわいらしく、華やかな彼女たちにはアイドルのステージが本当によく似合いますね』 画面上に浮かび上がるのは、私たち。 真乃とめぐると私、もう二度と揃うことのない私たちがステップを刻み、必死に歌っている。 そう、これは【動機ビデオ】だ。 私たちのパフォーマンスの映像ののち、プロデューサーの身に危険が迫る映像が流れ、私たちの動揺を誘ったあの映像。 実際この映像の真偽はいまだにわかっていない。 ここに流れている出来事を前にすると心がざわつくことは否定できないけど、今私がここで映像を見ている理由は、そこじゃない。 私は必死に耳を澄ました。 モノクマの悪趣味なナレーションを他所において、その向こうに聞こえる私たちの歌声に耳を澄ませる。 それは確かな厚みと存在感があって、ナレーションを上乗せしたところで打ち消せるようなものじゃない。 真乃とめぐるの確かな“命”がそこに存在している。 708: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:57:19.94 :PKHgrFLn0 ≪ひらひら 織り重ねている 頭の中 今日までのキセキを ふわふわ 舞い上がってゆく 幸せが溢れてしまいそう≫ 今となっては随分と昔に感じられる、レッスンの日々。 ずっと隣で聞いてきて、自分の声を重ね合わせて作り上げてきたその全てが鮮明に呼び起こされる。 努力に葛藤、そして歓喜。共に過ごしたどの時間も他に代えがたい大切な宝物だ。 ……でも、私はその感傷に浸るために来たわけではない。 ≪ひとつのココロは些細なことで 潰されそうにもなるけど 重ね合わせれば 強くなれる そう教えてくれた≫ 私はやっぱり弱い人間だ。 一人でモノクマに立ち向かう勇気なんて全く持っていないし、いざそうなっても膝はガクガクで体の震えも止まらないだろう。 今だって、逃げ出したい思いを必死に抑え込んでいる。 709: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 20:58:28.11 :PKHgrFLn0 ≪大丈夫 泣いたりしないよもう ちゃんと胸に 刻まれてる あなたの優しい笑顔≫ それでも、折れたりなんかしない。 絶望がどれほど押し寄せようとも、不安がのしかかってこようとも、私たちには絆がある。 お互いを信じて、背中を託せる仲間がいる。私たちに思いを託してくれた仲間がいる。 ……だから、戦える。戦わなきゃ、いけないんだ。 ≪奏でるよ 私が 貰ってきた 輝きのハーモニー ほら スマイルシンフォニア≫ 「……真乃、めぐる。ありがとう」 最後まで聞き遂げた私はプレーヤーの電源を落として、部屋を後にした。 本当は、もっとずっと見ていたいし、聞いていたい。思い出の中の記憶に浸っていたい。 でも、二人はそんなことを望んでいないはずだ。 夜空を彩る星が二晩として同じ位置に出ることがないように、私たちの行く道に停滞はない。 星座ごと、夜空ごと、ゆっくりとでも着実に進んでいかなくちゃいけないんだ。 _____最高の輝きは、その行きつく先でこそ生まれる。 710: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:01:00.95 :PKHgrFLn0 ___ _____ _______ 【灯織の部屋】 キーンコーンカーンコーン…… モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!』 モノクマ『今日、ついにオマエラとの共同生活も終わる……クックックッ、今日の晩酌が勝利の美酒になるか、敗北の苦汁になるか……ボクもドキがムネムネだよね!』 ……ついに最後の朝が来た。 それは間違っても最期ではなく、【最後】。この学園で過ごす上での最後の朝だ。 昨晩は不思議とよく眠れた。寝る前に二人を見たからか自然と心臓の鼓動も穏やかで、むしろ落ち着いてすらいた。 やっと終わらせられるという安堵感のほうが強かったのかもしれない。 「……よし」 鏡の前で身だしなみを整え、大きく息をついた。鏡に映る私は顔色も悪くない、体調は万全みたいだ。 711: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:02:29.94 :PKHgrFLn0 ただ、少しばかり表情は硬い。 眉はセメントで固まったのかと思うぐらいに動かず、口元はへの字のアーチがかかっている。 「……これじゃだめだよね」 両の指で口元を吊り上げた。 無理やりに押し上げられた頬はニィっと不器用な微笑みになって、それが自分でも少し滑稽で思わず吹き出してしまった。 「……大丈夫、落ち着いていこう」 信じるべきものを信じて、疑うべきものを疑うだけ。 ちょっとばかり疑うことは苦手だけど、それを補ってくれる“仲間”だっている。 この合宿生活で犠牲になった皆さんの遺志を継ぐためにも立ち向かわないといけない。 その遺志をダイレクトに受け取り、前に進む覚悟を決めた“仲間”だっている。 学園の謎に迫ることで、不安や緊張にかられる場面だってあるかもしれないけど、逃げたりしない。 いつだって皆を気遣って精神の支えになってくれる“仲間”だっている。 協力して謎に挑めば、解けない謎なんてない。 私たちのことを認めてくれて、全幅の信頼を寄せてくれた、そんな勇気ある選択をしてくれた“仲間”だっている。 そんな仲間たちと挑む、いつも通りの戦いだ。何も身構えることはない。 「行こう……!!」 最後に鏡で確認した私の表情は、ほぐれていたと思う。 712: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:04:04.96 :PKHgrFLn0 ------------------------------------------------- 【食堂】 摩美々「さて、裁判に備えて作戦をしっかりと固めておこうかー。今回の目的は二つ、灯織の無実の証明と学園の謎の解明だよー」 智代子「だったらめぐるちゃんの事件を改めて調べる必要があるよね?」 雛菜「でももう死体も全部片づけられちゃってるよね~?」 摩美々「だから別の方向性で捜査をしていくしかないねー。例えば円香の部屋を調べるとか、そういうのでー」 灯織「可能性はわずかでも拾い集めなくちゃいけませんしね……」 愛依「学園の謎はどーすんの? これまでにも結構学園自体は調べてきたけどあんま手掛かりはなかったよね?」 摩美々「うーん……一応まだ未解禁なエリアはいくつかあったと思うケド……」 モノクマ「はいよ! もちろん解放してあげますよ!」 灯織「モノクマ……!!」 智代子「相変わらず突然だね……」 モノクマ「せっかく最終決戦をやるならフェアにいかないとね。お互い全力を尽くした勝負だからこそ、カタストロフィってあるわけじゃん?」 愛依「肩ローストロフィー……?」 モノクマ「だから情報の出し惜しみはしないよ! この学園の謎を最後まで解き明かしてもらうため、それに必要なものは全て調べられるようにしてあげます!」 雛菜「ってなると~、寄宿舎エリアの2Fが開くの~?」 灯織「あとこの学園で調べてないのはそれぐらいだよね……」 713: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:05:30.11 :PKHgrFLn0 モノクマ「チッチッチッ、それだけではございませんよ!」 摩美々「えー? でもこの学園って5階建てって話でしょー? もう階段もなかったし、ほかにどこを調べるっていうのー?」 モノクマ「その認識が間違ってるんでございますな! この学園は確かに地上5階建てですが……地下はまだまだあるんですぞ!」 灯織「え!? 裁判場だけじゃないんですか?!」 モノクマ「そういうわけでございますな!」 雛菜「え~? でも地下に行く階段なんかないよ~?」 (そうだ……地上にある階段は上に上るもののみ……地下階になんかどうやって行けば……) モノクマ「ま、それは各々頭を働かせてよね! さすがにそこまでは面倒見切れないからさ!」 摩美々「えー……なにソレ、ケチくさー……」 灯織「……となると、当面の方針としては寄宿舎エリアの二階、学校エリア地下階の捜索……ですか?」 摩美々「だねー、特に地下階はこれまでに情報がないから見つけたらすぐに共有するコトー」 智代子「承知しました!」 モノクマ「ま、せいぜい頑張ってチョーダイ! ボクはオマエラをおしおきするための準備を進めておくからさ!」 モノクマはそう言い残すと姿を消した。最後に脅しを入れたつもりだろうか、おしおきなんて文言をわざわざ持ち出して。 ただそれに怯むはずもなく、私たちはお互いの目を見合わせて深くうなずいた。 714: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:06:48.88 :PKHgrFLn0 摩美々「……これが正真正銘最後の戦いになるから、出し惜しみなんかしたら承知しないからねー」 雛菜「は~い! 全力で行きま~す!」 智代子「あはは、なんだか雛菜ちゃんが言うと気が抜けちゃうかな」 灯織「ふふっ、でもそれぐらいリラックスしてやったほうがいいかも。変に肩の力を入れると、逆に視野が狭くなっちゃうかも」 愛依「あっ、それ急がば回れってやつ?!」 摩美々「多分違うと思うー……」 灯織「……皆さん、頑張りましょう。絶対に……生きて帰りましょうね」 さあ、ここからが正念場だ。 泣いても笑っても……いや、生きても死んでも、これが最後。 ありとあらゆる可能性を拾い集め、どんなに小さな疑問であってもそれを昇華する。 この学園にあるすべてのものを検討し尽くした果てに残るもの。 _____それが私たちに残された道、黒幕の首筋に突き付けられる唯一の武器になるはずだから……! 715:導入が長かった……ここから安価になります ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:08:32.85 :PKHgrFLn0 ------------------------------------------------- 【捜査開始】 今回は捜査の労力もいつも以上だ。 すぐに私たちは個人で別れてそれぞれ別に調査することになった。 そうでもしないとこの学園のすべてを調べ尽くすのは困難だろう。 「ただし、危険を感じた場合はすぐにほかの人の助けを求めるコトー」 摩美々さんはそれだけ釘を刺していた。 もし、万が一ということがあれば私も他の皆さんを頼ることにしよう。 ……さて、ひとまずは【寄宿舎エリアの2F】の捜査に、【学校エリア地下階】の捜索をしないとだよね。 寄宿舎エリアの2Fは今すぐにでも調べに行ける。 食堂からも近いし、これまでに一度も踏み入れてない場所。 地下階に関しては特に今のところ手掛かりはないから……とにかく調べ回らなきゃいけない、かな? でも、地下に行けそうな場所って言うと一つぐらいしか思いつかないような…… ------------------------------------------------- ☆最終章における捜査パートについて 最終章は非日常編から開始いたしますが、 新しい調査エリアに踏み込むたびに行動指定安価でコンマ判定を行い、 末尾と同じ枚数のモノクマメダルを手に入れることができます。 自由行動がないのにメダルだけ手に入れても意味がない? ……ん?それでは前回の裁判で手に入れたメダルの使い道がないのでは? ご安心を、前回の裁判同様開始前に購買パートを挟む予定です。 購買パートで各種裁判を有利に働かせるアイテムを購入することもできますし、 前回習得した八宮さんのスキル【アップ・トゥ・ユー】でもメダルは使うことができます。 メダルの持ち腐れなんてことはございません、じゃんじゃん集めてくださいませ。 ------------------------------------------------- 1.寄宿舎エリア2F 2.エレベーターホール ↓1 716:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/09/30(木) 21:09:27.38 :1UTcyhAT0 エレベーターホール 717: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:12:32.64 :PKHgrFLn0 【コンマ判定 38】 【モノクマメダル8枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル…51枚】 ------------------------------------------------- 【エレベーターホール】 愛依「あっ、灯織ちゃん! お疲れ~!」 灯織「愛依さん……もしかして、地下階に行く方法を探して?」 愛依「せーかい! 学校の地下に行くと言ったら、やっぱりここしかないと思ってさ! でもショージキ全然手掛かりもなくて困ってたんだよね……」 灯織「……ぱっと見では何もなさそうですね」 愛依「でしょ? なんか謎解きとかならうちは割とお手上げだしさぁ……」 灯織「まあまあ、ここはひとつ諦めずに調査を続けてみましょう。案外発見があるかもしれませんよ」 普段は閉まっている空間ということもあり、私たちが日常生活で偶然に地下階に行ってしまうこともない。 黒幕が存在を隠すならこの上なくうってつけの場所だ。 でも、エレベーター自体は裁判場に行く機能しか私の知る限りでは存在しない。 ……ほかに、なにか方法が? もう一度この部屋を隅々まで調べてみよう……何か新しい手掛かりがあるかもしれない! 1.観葉植物を調べる 2.エレベーターのパネルを調べる 3.置物を調べる ↓1 718:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/09/30(木) 21:14:54.87 :FI0JBYoK0 2 719: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:20:49.37 :PKHgrFLn0 2 選択 ------------------------------------------------- 【エレベーターパネル】 壁に取り付けられたこのボタンを押せば、すぐに扉が開いて裁判場への道が開ける。 でも逆に、それ以外の用途は見えないように思えるけど……? 愛依「……あれ? 灯織ちゃん、こんなところにタッチパネルなんかあったっけ?」 愛依さんの指さした先、そこには彼女言うとおり見覚えのないパネルが鎮座していた。 私たちがこれまで見てきたパネルがスライドしてその下にあったパネルが姿を現しているらしかった。 灯織「モノクマなりの譲歩ということでしょうか……私たちが地下階を見つけやすくなるようにした、とか」 愛依「せっかくならもう直接行けるようにしてくれたら早かった系なんだけど……」 灯織「それはそうですね……」 どうやらこのパネルはパスワード入力式らしい。 今の私たちの状況を見るに、差し詰め『地下に行きたいならこのパスワード』を解いてみろってところかな。 そっちがそのつもりなら私たちだって引くつもりはない。 この程度のパスワード、すぐに解いて地下への道をすぐに暴き出してやる! ------------------------------------------------- ☆学校エリア地下階について 学校エリア地下階に行くためにはパネルにパスワードを入力する必要があります。 パスワードは数字四桁、このエリア内にそれを特定する手掛かりが隠されております。 簡単な謎解き、ショートショート脱出ゲームのようなものとお考え下さい。 学校の謎という真実を解き明かす前に、このささやかな真実を明らかにしてウォーミングアップと参りましょう! ------------------------------------------------- 【謎解きパート開始】 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる 3.置物を調べる 4.愛依に相談する(ヒント) ↓1 720:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/09/30(木) 21:24:45.11 :b8DDtyV00 1 721: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:27:33.89 :PKHgrFLn0 ※パスワード入力を安価指定する際には合わせて四桁の数字も記載する形でよろしくおねがいします 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる 3.置物を調べる 4.愛依に相談する(ヒント) 再安価↓1 722:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/09/30(木) 21:29:26.31 :b8DDtyV00 2 723: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:31:53.05 :PKHgrFLn0 2 指定 ------------------------------------------------- 【観葉植物】 部屋に置かれたあまり見なれない観葉植物だ……。 葉っぱには極細い産毛のようなものが立っていてなんとも薄気味悪い。 あまりこれまで触れてこなかったけど、なにか手掛かりがあるのかも…… 愛依「もしかして、その植木鉢を調べる感じ?」 灯織「ええ……もしかすると、なにかあるかもしれませんし……」 愛依「オッケー! それじゃあうち、こっち側持ち上げるわ!」 灯織「ありがとうございます、それじゃあいっせーのーでで行きましょう……いっせーのーで!」 思い切ってその鉢を持ち上げてみると……あった。 これは……暗号だろうか? 『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』 灯織「不規則な文字の並び方ですね……」 愛依「んー……なんか意味ありげなスペース、ここが区切りってことなんかな?」 灯織「となると、四つのブロックに分かれていることになりますね」 愛依「4……4……四文字熟語?!」 灯織「そもそも漢字じゃないですね……」 愛依「ありゃりゃ、そりゃそうか……」 でも、重要なキーワードであることは間違いないはず。 しっかりと覚えておいたほうがよさそう。 ------------------------------------------------- 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる(済) 3.置物を調べる 4.愛依に相談する(ヒント) ↓1 724:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/09/30(木) 21:32:36.05 :b8DDtyV00 3 725: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:34:36.27 :PKHgrFLn0 3 選択 ------------------------------------------------- 【置物】 どこまでも自分のことが好きなんだなと思わずため息が出る。 これ見よがしに置かれたモノクマの銅像は気色の悪いセクシーポーズを決めている。 しかたない、これも捜査のためだ…… 自分にそう言い聞かせて四方八方から見つめると……銅像の碑文に見せかけたプレートが実はそうではないことを発見した。 これはきっと……地下階に向かうために必要な手がかりだ。 『問26 8×3 余りは切り捨て』 灯織「これは算数の計算式……でしょうか……」 愛依「あちゃー……うち数学とか苦手だなぁ……」 灯織「愛依さん、落ち着いてください。数学じゃなくて算数です、できないと困るレベルの問題ですよ」 愛依「ホントだ! うち、これならわかるよ! 答えは24! ……ってあれ? 余り……?」 灯織「……どういうことなんでしょうか、掛け算に余りなんか生じないはずですが」 愛依「それに、問26って何? うちら、そんなに問題解いてきたっけ?」 ……こうなったら、これは算数としてみない方がいいのかも? 何か別のメッセージでもあるのかな……? ------------------------------------------------- 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる(済) 3.置物を調べる(済) 4.愛依に相談する(ヒント) ↓1 726:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/09/30(木) 21:35:16.43 :FI0JBYoKo 4 727: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:39:19.12 :PKHgrFLn0 4 選択 灯織「愛依さん、どうでしょう……地下に行くためのパスワード、わかりますか?」 愛依「うーん……現状はサッパリかなぁ……観葉植物と置物、これ以外に調べるものは特にないし、【材料はそろってる】系だと思うんだけど……」 (愛依さんの言うとおり、この部屋でほかに目につくものはない) 『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』 『問26 8×3 余りは切り捨て』 (この二つでパスワード自体は導き出せるんだろう……) 愛依「でも、この暗号意味わかんないんだよね……よく家族で見るクイズ番組だと、問題文を別の見方すると新しい意味になる……とかありがちなんだけどね」 (別の見方……) (算数の問題……これって本当に問題なのかな……) ------------------------------------------------- 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる(済) 3.置物を調べる(済) 4.愛依に相談する(ヒント) ↓1 728:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/09/30(木) 21:43:59.72 :1UTcyhAT0 4 729: ◆zbOQ645F4s:2021/09/30(木) 21:48:46.80 :PKHgrFLn0 4 選択 愛依「ねえ、灯織ちゃん? ここまでで算数の問題なんか解いたことってあった系?」 灯織「い、いえ……特に身に覚えはないですが……」 愛依「じゃあ、なんでこの問題【26問目】なんだろう……ほかに問題なんかないのに……」 (26問目……そう、それが妙なんだよね……) (1問目や2問目じゃダメだったのかな……? なにか26という数字に意味があるんだろうか……?) (身近にある、26という数字から考えてみるのがいいかも……) 愛依「てか、8×3のケーサンも割と答えは26に近いよね」 灯織「……確かにそうですね、24ですからその差は2……」 (もしかして、余りって……?) ------------------------------------------------- 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる(済) 3.置物を調べる(済) 4.愛依に相談する(ヒント) ↓1 730:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/09/30(木) 21:54:18.05 :1UTcyhAT0 4 732: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 20:55:01.65 :/fY6YMbW0 4 選択 愛依「あっ!うち、分かったかも……26って、アルファベットの総数と全く同じなんじゃん?!」 灯織「Aから数えてZまで……確かに全部合わせると26ですね」 愛依「問26って、アルファベットを使う問ってことなんだ!」 (アルファベットを使う問……!) 灯織「それと先ほども話したような、8×3に対する考察を含めると……」 愛依「アルファベットの総数との差は2……これが余りなんだとしたら、最後の二個を切り捨てる……的な?」 灯織「アルファベットの順序で言えば、YとZ、ですかね……?」 愛依「YとZ……YとZ……あれ?! よくみたらこっちの暗号にもYとZが出てきてないよ?!」 『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』 灯織「……どうやらここまでの推理は間違っていないようですね……!」 ------------------------------------------------- 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる(済) 3.置物を調べる(済) 4.愛依に相談する(ヒント) ↓1 733:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/01(金) 21:03:12.10 :unkD6adb0 4 734: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:10:42.36 :/fY6YMbW0 4 選択 灯織「……8×3、これが計算式でないのは薄々感じていましたが……」 愛依「列と行にしろってことだったんだ……!」 AIQ BJR CKS DLT EMU FNV GOW HPX 愛依「うーん、でもこれじゃまだよくわかんないよね……」 灯織「愛依さん、算数の基本です! 掛け算は左右を入れ替えても問題ない、ですよね!」 愛依「そっか……!」 AB CD EF GH IJ KL MN OP QR ST UV WX 愛依「あ、こっちのほうが……なんか、見えてきそう……!」 灯織「アルファベットを8×3(3×8)に整列させて、あまりのYとZはないものとして考える……プレートのメッセージはそれを指していたんです!」 愛依「てなると……あとは、あの暗号だけだね!」 『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』 ------------------------------------------------- 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる(済) 3.置物を調べる(済) 4.愛依に相談する(ヒント) ↓1 735: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:31:01.50 :/fY6YMbW0 30分が来たので一部修正 ヒントとしてもさっきのが出せるのは最後になるかなといった形なので 4を自動進行にして再安価 ------------------------------------------------- 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる(済) 3.置物を調べる(済) 4.愛依に相談する(自動進行) ↓1 736:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/01(金) 21:34:09.17 :unkD6adb0 1.パスワードを入力する【1234】 737: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:36:02.45 :/fY6YMbW0 1 選択 【1234】 灯織「とりあえず入れてみましたが……」 ブブー! 灯織「さすがに違いますね……」 愛依「まぁこれで通ったらセキュリティがガバいって感じだよね……」 (うーん……あと少しまで、出かかってるんだけどな……) ------------------------------------------------- 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる(済) 3.置物を調べる(済) 4.愛依に相談する(自動進行) ↓1 738:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/01(金) 21:42:19.90 :unkD6adb0 1.パスワードを入力する【1331】 739: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:44:27.87 :/fY6YMbW0 1 選択 【1331】 ブブー! 灯織「これも違うみたいですね……」 愛依「うーん、さっきの暗号をやっぱ読み解かなきゃいけない系だよね……?」 灯織「8×3で作った表、あれにも意味があるはずなんですが……」 ------------------------------------------------- 1.パスワードを入力する【数字4桁】 2.観葉植物を調べる(済) 3.置物を調べる(済) 4.愛依に相談する(自動進行) ↓1 740:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/01(金) 21:45:30.05 :ahL0JSiRO パスワードを入力する 0816 741:ヒントなし版のテキストになるので一部かぶります、ご容赦ください ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:47:01.22 :/fY6YMbW0 1 選択 『0816』 ピピッ よかった、正解みたいだ。 なんとか導き出したパスワードを入力するとその液晶は緑色に光り、部屋のそこら中から駆動音が聞こえてくる。 これでようやっと、この学園最後のエリア・地下階に行けるようになる……! 愛依「灯織ちゃんスゴ! なんでパスワードわかったん?!」 灯織「いえ、そう難しいものではありませんでしたよ。あの算数の問題を、別の形のものだと捉えなおすとすぐに結論にたどり着けました」 愛依「算数の問題を……?」 灯織「3×8の計算式。あれは計算式ではなく、集合の形式を現していたんです」 愛依「シューゴー……?」 灯織「……ほかのところから説明いたしますね。問26、あれは問題番号が26なのではなく、『26』という数字がまつわる問いだという意味なんです。身近なもので26というと何か思いつきませんか?」 愛依「んー……?」 灯織「……アルファベットです。AからZまでその総数は26。これを3×8の形式で並べなおします」 愛依「……あっ! 余り2ってそっから?! 26個のものを3×8で並べなおすから!」 (よかった、なんとかついてきてくださっているようだ) 『アルファベットは26個存在しているが、これを無理やり3×8で並べなおす。その時発生する末尾のあまり2個の文字、YとZは【切り捨て】=【なかったもの】とする』 灯織「この規則に従って並べなおすとこのようになります」 AB CD EF GH IJ KL ML OP QR ST UV WX 愛依「……あれ、この並びって!」 灯織「そうです、ちょうど四分割すると、それぞれのブロックと重なるような並びになって植木鉢下の暗号と合致するんです。あとはあの暗号の通りにアルファベットをなぞっていくと……」 『ABJRQIA DCKLTSKLD EMU HGOWXPO』 愛依「……あっ、『0816』!」 灯織「そう、ちょうどその軌跡が数字を現すことになるんです。デジタル時計と同じ要領ですね。それに従ってパスワードを入力すれば、無事解決といったところです」 愛依「は~……すっご、よく考えつくわ」 灯織「そんな……大したことないですよ」 742: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:48:05.91 :/fY6YMbW0 べた褒めする愛依さんを前に謙遜していた、その時だった。 ついに準備が整ったらしく、地下階への入り口が開かれた。 ……想定外の形で。 ドッカーーーーーーーン!! 愛依「え、えええええ?! か、壁が崩れ落ちたんだけど?!」 灯織「み、見てください愛依さん! あそこ、階段が見えます……下に下る階段が!」 てっきりエレベーターの行く先に地下階が追加されるものだとばかり思っていたけど、当てが外れた。 いや、モノクマならこういう意味のない裏の掻き方をしてくるものだとわかっていたのに。 すっかり騙されてしまったことが少し腹立たしい。 愛依「うち、みんなを呼んでくるね! 地下に行く階段が見つかったって!」 灯織「あっ、愛依さん……行っちゃった」 愛依さん、すっかり張り切って……制止する間もなく行ってしまった。 まだ崩れ落ちたばかりの壁からは砂煙が舞い上がっている。 ……でも、私も愛依さんほどではないがどこか体が舞い上がっているようで落ち着かない。 この砂煙が収まるまで、なんて待っていられないのだ。 「……よし」 私ははやる気持ちを抑えることも知らず、そのままその中へ飛び込んでいった。 743: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:49:26.38 :/fY6YMbW0 ------------------------------------------------- 【学園地下階】 突如として現れた階段を下っていくと、ついにこの学園の最後のエリア・地下階にたどり着いた。 学園の地上階は一応は学園としての体裁を守ってはいた。 教室然とした教室に、実際学校といえばで名前の挙がる専門教室の数々。 希望ヶ峰学園という高次元の尺度でそれらが再現されていた。 ……にも拘らず、地下階はそれらを鼻で笑うような。 「……なに、これは」 形容するなら研究所とでも言おうか。 あの目にどぎつい発色の電灯は廊下にも点灯していない、白を基調とした清潔感すら漂う内装。 それでいてどこかゴージャスな雰囲気もある装飾が為されている。正直地上とはまるで同じ建物とは思えない、こちら側が黒幕の趣味ということなのだろうか。 そんなこれまでにない雰囲気に気圧されながら、私は地下階の探索を開始した。 さて、どこから調べようか…… ------------------------------------------------- 1.中央制御室 2.モノクマプライベートルーム 3.おしおきメンテナンスルーム 4.トレーニングルーム 5.技術開発室 ↓1 744:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/01(金) 21:49:47.25 :ahL0JSiRO 1 745: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:52:50.87 :/fY6YMbW0 【コンマ判定25】 【モノクマメダル5枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル枚数…56枚】 ------------------------------------------------- 【中央制御室】 地下階の文字通り中央に構えているのがこの大きな部屋。 円柱状のその間取りをはじめ理解しがたかったが、実際に足を踏み入れてみると即座にその意味を理解する。 この部屋は、学園の中枢なのだ。 私が十人以上縦に並んでも足りないだろう巨大な発電機が堂々と鎮座し、そこから枝分かれするような無数のケーブルが壁に接続している。 この学園の設備ははっきり言って規格外だ。 高校、大学、研究施設……そんなどころの話ではない、下手すれば一自治体レベルの電力が必要になるやもしれない。 それをこの発電機一つで賄っているんだろう。 モノクマ「どう? すごいでしょ、これがこの学園の心臓……中央制御室だよ!」 灯織「……やっぱりそうなんですね、この学園の設備はすべてここで?」 モノクマ「うん! 原動力となる電力はこいつが生み出してるし、ここから機械も制御できるよ? 試しに空気清浄機を暴走させて学園を真空にしてみようか?」 灯織「や、やめてください!」 (……まったく、油断も隙もありゃしない) ひとまずこの学園にいるうちはこの部屋で暴れたりはしない方がよさそう。 巨大な発電機からは一度離れて、周囲を調べることにした。 746: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:55:15.93 :/fY6YMbW0 ------------------------------------------------- 【ジェネレーター】 部屋には中央の発電機から直接電力を引いている機械が置いてある。 これまた規格外のサイズ……だけど操作するモニターはかなり小さなものだ。触っては見たけど反応はない。 何かライセンス的なものが必要みたい。 「……あれ?」 操作はできないものの、ある程度いじることはできる。 手の届くところには透明なフィルター、その取っ手を引くとすんなりと開き……見覚えのあるそれが姿を現した。 これは……【思い出しライト】だ。 私たちがこの学園に踏み入る際にモノクマに奪われていた希望ヶ峰学園と第78期生の記憶。 それを取り戻すきっかけになった機械なんだけど、なぜこんなところに? モノクマはここからこのライトを持ち出したのだろうか、と改めて機械を観察すると操作盤とは別にまたモニターを見つけた。 しかもこっちは点灯していて、何か文字を読むことができる。 『LOG:希望ヶ峰学園 78期生』 ……これって? コトダマゲット!【思い出しライト】 〔照射した相手の記憶を呼び起こす不思議なライト。中央制御室の一角に落ちており、その近くの装置のモニターには『LOG:希望ヶ峰学園 78期生』とあった〕 747: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:57:09.94 :/fY6YMbW0 ------------------------------------------------- 【マザーコンピューター】 正直なところ、触れるか触れまいかずっと悩んでいたんだけど…… この部屋には明らかに異質なものがもう一つ。 それはなんなら超巨大発電機よりも存在感を放っていて……今にもこちらに話しかけてほしそうに視線を寄せているのだ。 『巨大なモノクマの頭部』、そうとしか形容のできない物体がコードに繋がれている。 『おーい! いい加減ボクにもかまってよ! ここに人が来るなんてめったにないんだしさ、お話の相手ぐらい……ねえ、いいでしょ?! ウサギとモノクマは寂しいと死んじゃうんだよ?!』 灯織「うさぎが孤独だと死ぬなんてデマカセですよ……ただ病気が他の動物に比べてわかりづらいから飼い主が放っておくと死んでしまうケースが多くて、そこから誤解されたそうです」 『おっ! やっとこっち向いてくれたね! お話、お話ししようよ!』 (……しまった、ついマメ知識を披露してしまった……) (まあ、いいか……どうせこれも調べる予定ではあったんだし) 灯織「……雑談の相手をしている暇はありません、我々の調査に協力していただけるなら少しの間聞き取りということで応じることはできますが」 『チェー、なんだか事務的だなぁ……風野さんって、情報通りの人なんだねー』 灯織「……情報?」 (今、何か気になることをこぼしたような……) 748: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 21:59:26.68 :/fY6YMbW0 (というか、このモノクマ……なんだか様子がおかしい、私たちが普段接するモノクマとまるで人格が違うような……そこまで不快感のない人懐っこさがあるというか……) 『うん、ボクはオマエラコロシアイ合宿生活の参加者全員のデータはインプットされてるけど、逆に言えばデータでしかオマエラのことを知らないんだ』 灯織「……あなたは黒幕とはまた別の存在、ということですか?」 『うーん……まあ、そういうことになるのかな? いや、でも黒幕って言えば黒幕なのかな……』 灯織「なんだか随分と歯切れが悪いですね……」 『うん、風野さんの言う黒幕の定義が今の文脈からではわからないんだ。ボクはこの学園の管理系統を指揮している、その意味合いでは黒幕ともいえるけど……コロシアイ合宿生活に招集した張本人ではないから、その意味合いでは黒幕ではないんだよ』 灯織「……え?」 『うーん、せっかくこの部屋に来てくれたお客さんだから正確な回答をしたいんだけど……なんだか難しいなぁ』 灯織「ちょ、ちょっと待ってください!? い、今あなたは……この学園を管理している、そう言ったんですか?!」 『うん、そうだよ。なんたってボク、モノクマはこの学園の学園長なんだからね!』 (それって……黒幕がすべてを管理していたわけではないってこと……?) 灯織「すみません、あなたの言う学園の管理、もう少し詳しくうかがえますか?」 『うぷぷぷ……興味津々って感じだね。いいよ、なんだかボクも話すのが楽しくなってきたところだから!』 749: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 22:00:43.10 :/fY6YMbW0 『このコロシアイ合宿生活の黒幕は当然だけど風野さんと同じく人間だからね。どうしても体力には限界があるし、休憩が必要になるタイミングがあるんだよ。だからそういうときに学園の監視を行っていたのはボクになるね!』 灯織「……! それはつまり、深夜などのタイミングなどは黒幕本人は監視していなかったってことですか?!」 『そうだね……一応、事件や異常が起きたら報告するプログラムになってるけどね。それ以外の情報は基本的にボクが預かる形かな。誰かが誰かを殺したり、脱出のために学園設備を破壊したり、そういうのはすぐに緊急事態として報告することになってたんだ』 (……それって、深夜なら一部黒幕の監視を免れることができたってことなんじゃ) 『あとはどうしても人間の力じゃ難しい物資の補給とかかな。黒幕の正体がうっかりばれてしまうリスクもあるし、ボクの管理のもとオートメーション化されてたんだよ、エッヘン!』 (……よくよく考えてみたら当然のことだ。もうここでの生活は一か月にも及ぶ。それを人間一人で管理しきれるはずがない) (なら、必然的にそこに付け入るスキは生まれるはず……!) コトダマゲット!【コロシアイ合宿生活の運営】 〔コロシアイ合宿生活の運営はすべてがすべて人力で行われていたわけではない。物資の搬入などはオートメーション化されており、深夜の監視は黒幕自身は行わずAIに任せていた〕 750: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 22:02:44.51 :/fY6YMbW0 灯織「ありがとうございます、大変有意義なお話が聞けました……でも、いいんですか? あなたは黒幕の側のコンピューターなのでは……?」 『大丈夫大丈夫! ボクは別にどっちの味方でもないんだ、だってそうでしょ? 完全に黒幕の側ならこんな情報を話しもしないし、キミたちの味方ならとっくにこの学園系統をすべて停止させて玄関ホールの扉だって開けてる』 『ボクはただ、このコロシアイ合宿生活を観測し続けるだけのAIなんだよ。本当にそれだけさ』 灯織「……なるほど」 なんだか不思議な体験をした気分だ。自立思考するAIとの会話なんて、テレビの中でしか見なかった……それでいえば貴重な体験なのかもしれないけど。ただ、このAIは本人が言う通り私たちにとって敵でも味方でもない。 私がすべきなのは、この体験に歓喜することでもAIに同情することでもない。 得た情報を使うべき使い方をするだけのことなんだ。 ……だって、ほら。振り向いたらマザーコンピュータは黒幕と全く同じ笑みを浮かべているんだから。 ------------------------------------------------- この部屋で調べられるのはこれくらいかな……? 少しでも真相に近づけているならいいんだけど…… 1.モノクマプライベートルーム 2.おしおきメンテナンスルーム 3.トレーニングルーム 4.技術開発室 ↓1 751:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/10/01(金) 22:03:52.13 :unkD6adb0 2 752: ◆zbOQ645F4s:2021/10/01(金) 22:07:12.28 :/fY6YMbW0 【コンマ判定13】 【モノクマメダルを3枚獲得しました!】 【現在のモノクマメダル枚数…59枚】 ------------------------------------------------- 2 選択 【おしおきメンテナンスルーム】 部屋の名前を見た時から、背中に悪寒が走っていた。 真乃、樹里、霧子さん、凛世、そして私。 5人の人間に牙をむいて、私を除いた全員の命を奪ってきた最悪の存在。 それを管理し、維持するためだけに存在する空間。 今すぐにでも爆弾を放り込んでめちゃくちゃにしてやりたくなる。 この部屋にいる限り、彼女たちの死が心臓を内側から刺してならないから。 でも、この痛みをぐっとこらえて調査を進めるしかない。 私には武力も、黒幕を凌駕する知力もないから。 ____それが彼女たちの死に報いる唯一の筋道だ。 読む →
2021年08月28日 18:00 【シャニマス】果穂「マイヒーロー」 元スレ 全てのレス 1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/08/28(土) 16:17:31.777 :+YS6EESbp.net 「樹里ちゃんって怖くない?」 「え?」 きっかけはある日の放課後。アタシの教室では女の子で集まって、好きなアイドルの話をしていた。どこの学校にだってありふれた風景。少し違うのは、アタシがそのアイドルグループの一員ということくらい。 読む →
2021年08月12日 13:00 【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「私はこの絆を諦めません」【安価進行】 CHAPTER 05 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 全てのレス 144: ◆zbOQ645F4s:2021/07/21(水) 21:04:32.62 :2fsxRw+e0 ------------------------------------------------- GAMEOVER シラセさんがクロにきまりました。 おしおきをかいしします。 ------------------------------------------------- 145: ◆zbOQ645F4s:2021/07/21(水) 21:05:31.75 :2fsxRw+e0 さあさあ、今年も始まりました! モノクマガールズコレクション! 全国の女子高生が注目するこのファッションショーに、なんと!ななななんと! あの伝説的カリスマモデル、白瀬咲耶が戻ってきたァーーーーーーッ!!! ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 殲夜アリア 超高校級のモデル 白瀬咲耶 処刑執行 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 流石は白瀬さん、抜群のスタイルに誰もを唸らせるクールな表情で魅せてくれますね。 ファーストルックからクールにスーツスタイルでキメッ☆ 観客の女子高生たちも黄色い歓声をあげます! 146: ◆zbOQ645F4s:2021/07/21(水) 21:06:29.53 :2fsxRw+e0 このファッションショーは白瀬さんの独壇場、次々から次へとスタイルチェンジしては何度もランウェイへ。 赤に緑に青に黄、スパンコールにドレスにワンピース。 意匠を凝らした色鮮やかな美しい衣装に身を包み、回転寿司のレーンのように出ては入って出ては入ってを繰り返します。 過酷ですがこれがモデル業! 白鳥が水面下でバタ足をするように、華々しい世界の裏には弛まぬ努力があるのです! 白瀬さんも疲れが溜まってきてはいますが、表情は鉄仮面をつけたかのように崩しません。 ランウェイで表情を崩すのはタブー。笑うなんて持ってのほか。 それがモデルとしての義務であり矜持なのです! しかし、芸能業界には大きな闇があります。 _______それは『嫉妬』。 堂々とライトを集めれば集めるほどそのライトの下にいない、暗中の少女たちは嫉妬の炎を燃やしてしまうのです。 147: ◆zbOQ645F4s:2021/07/21(水) 21:08:09.99 :2fsxRw+e0 ああ、可哀想に寸胴体系に生まれてしまったばかりにモデルモノクマはライトを浴びることはできません。 それなら嫉妬に走っても仕方ないですよね。 白瀬さんもトップモデルですしヒールに細工をされたぐらいじゃ大丈夫なはず…… ……あれ? あらら、ブッサイクに転んじゃってますね。ドレスも破けちゃってあれまあ! そりゃ観客たちも怒り狂いますよ! 彼女たちが見たかったのはクールビューティ白瀬咲耶。こんな新喜劇みたいなのはお呼びじゃない! 白瀬さんの全身を包み込むのはランウェイのライトなんかではなく、カメラのフラッシュの好奇の光。 光の合間を縫って投げ込まれる観客からの罵声とゴミ。 埋もれるような失望に飲み込まれ、飲み込まれ…… ごみ山の中で誰にも見られることなく、 ボロ切れみたいなドレスを着たままひっそりとスーパーモデルは息を引き取りましたとさ。 153: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 20:55:20.58 :W2C/KaPl0 予定通り5章より再開いたします。 学級裁判を跨ぎ一か月以上空いたので改めて主人公周りの情報を整理しておきます。 なお、今回の更新では自由行動まで進むことはないと思うので予めご了承を。 ------------------------------------------------- 【5章現在での主人公の情報】 ・習得スキル 【一番星の魔法】 〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕 【ポシェットの中には】 〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕 【意地っ張りサンセット】 〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕 【包・帯・組・曲】 〔学級裁判で不正解時のペナルティを三回まで無効化する〕 【HAPPY-!NG】 〔交流による親愛度上昇が+0.5される〕 【摩的・アンチテーゼ】 〔反論ショーダウン・PTAでコンマ値の基礎値が+15される〕 【水色感情】 〔学級裁判で不正解時コトダマが減少して正解が導きやすくなる〕 ・現在のモノクマメダル枚数…123枚 154: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 20:56:42.37 :W2C/KaPl0 ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】×2 【おでこのメガネ】×2 【はっぱふんどし】×2 【白うさぎの耳あて】 【もちプリのフィギュア】×2 【ラジオ君人形】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【毛虫くん】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【聖徳太子の地球儀】 【ミレニアム懸賞問題】 【携帯ゲーム機】 【プロジェクトゾンビ】 【動くこけし】 【オブラート】 【スモールライト】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】×2 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ログインボーナス】 155: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 20:58:48.16 :W2C/KaPl0 【ここまでの親愛度】 ・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】 ・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公) ・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0 ・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0【DEAD】 ・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5【DEAD】 ・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……12.0 ・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0 ・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】 ・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0【DEAD】 ・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】 ・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】 ・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0 ・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】 ・【超高校級のディベート部】樋口円香……6.0 ・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……12.0 ・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】 ------------------------------------------------- 以上です、それでは第5章開始いたします。 156: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:00:21.72 :W2C/KaPl0 ___________一人目は不運に巻き込まれて。 157: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:02:41.65 :W2C/KaPl0 一人目は不運に巻き込まれて。 突然放り込まれた状況を理解も出来ず、ただわめくうちに仲間を手にかけてしまいました。 まさかそれが、この長い長い物語の始まりになるとも思わずに。 二人目は強さに憧れて。 強さの象徴と弱さの象徴が巡り合ったのは運命のいたずらか。 不思議と引き付けられた二人はみんなが寝静まった夜中に秘密の会合。 二人で強さを語らいます。その結果、二人は強さの倒錯を知り、本当の強き者は本当の弱き者の前に散り果てました。 三人目はエゴイズムに飲まれて。 ただ己が欲求を満たすためだけに二人もの人間を手に駆けました。 想いを同じくした二人の仲を引き裂いて、わざわざ不審者の存在を作り出してまで。 混迷で煙に巻こうとするのは人間の浅ましさか。 四人目は仲間のため。 裏切り続けた罪悪感と自己嫌悪。 自分の心に打ち込まれた楔は日を重ねるごとに大きくなり、やがて心臓もろとも突き破りました。 その結果の選択は仲間を救うと信じて、大きな決断に踏み切ったのです。 五人目は…………………… ……………………… ……………………… ……………………… ……………………… ……………………… ……………………… ……………………… 158: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:03:23.77 :W2C/KaPl0 ………………………五人目なんか、いたか? 159: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:04:22.95 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- CHAPTER05 Die the sky. (非)日常編 ------------------------------------------------- 160: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:06:04.25 :W2C/KaPl0 ………… …………………… ………………………………………… ………………………………………… ………………………………………… ………………………………………… …………………………………………ダメ。 161: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:06:46.88 :W2C/KaPl0 灯織「……はぁ」 裁判を終えて、もう動く気力も湧かず。 樋口さんの殺意を食い止める術を考えても、答えが出るはずもなく。 思考の堂々巡りがより一層靄を濃くするばかり。 ただひたすらに夢の世界に篭りたい一心で瞳を閉じ続けてきたけどこれ以上は眠れないらしい。 灯織「……なんだか、お腹が空いたな」 動きたくもないのに、誰かと話したくもないのに。 体は私の意思とは無関係に栄養を欲する。 別に何もいらないけど、眠ることもできそうにない。 むしろ眠るためには何かを口に入れて血糖値をあげたほうがいいかもしれない。 灯織「そういえば今、何時なんだろう」 睡眠も食事もいつのまにか疎かになっていた、モノクマのアナウンスも聞いていないしこの部屋には窓一つない。 もしかしたら夜時間真っ只中なのかもしれない。 ……一応、出歩きは禁止だけど。 灯織「……行こうか」 162: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:08:42.76 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【寄宿舎エリア 廊下】 廊下に出ても人の気配はない。みんな寝ているのか、それとも学校エリアにいるのか。 ……まあ、いいか。 食堂に行こう。夜時間なら閉鎖されてるだろうから、ダメだった時は倉庫かな。 ------------------------------------------------- 【食堂】 ガチャガチャ ダメ、閉まってる…… やっぱり今は夜時間なんだ。あの事件から、咲耶さんと凛世の死から数えて……何日めなんだろう。 ……寝過ぎて頭痛すらする。 考えがまとまらない。 とりあえず、倉庫に行こうかな。 ------------------------------------------------- 163: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:10:01.89 :W2C/KaPl0 【倉庫】 倉庫には生活用品以外にも豊富な食料が保管されている……小糸やチョコとの交流でも確認した通り。 お菓子でもなんでも口に入れるだけならなんとかなるだろう。 大きなあくびをしながら扉を開けた。 ……何も考えずに。 愛依「……えっ?!灯織ちゃん?!」 灯織「め、愛依さん?!」 倉庫の扉を開けるとそこには蹲み込んで段ボールの箱を漁る愛依さんの背中があった。 愛依「え、ひ、灯織ちゃん大丈夫なん?!病気とかじゃ……」 私の姿を確認するなり、飛びつかんばかりの勢いで側にやってきて私の手を取った。 寝起きそのままの形で出てきてしまったのに愛依さんが顔をマジマジと見てくるのでよろけてしまった。 愛依「わ、灯織ちゃん?!やっぱチョーシ悪い系?!保健室行く?!」 灯織「い、いえ!そういうわけではないので……」 愛依「そ、そうなん?でも久しぶりに灯織ちゃんの姿見れてマジでよかった〜〜〜!うちらみんな心配してたんだかんね!」 灯織「そ、そうなんですか……?」 愛依「うん!裁判の後から部屋から出なくなっちゃったから……めぐるちゃんとか毎日部屋のインターホンも鳴らしてたと思うんだけど」 そういえば何回か部屋のインターホンが鳴らされていたような気もする。 私はそれにすら耳を閉ざしてしまっていたけれど……あれはめぐるだったんだ。 164: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:11:29.29 :W2C/KaPl0 愛依「ご飯とかちゃんと食べてる?!睡眠はとってる?!」 灯織「め、愛依さん……ありがとうございます、ご心配をおかけしました」 塞ぎ込んでいたのは……私だけだったみたいだ。 あれだけ周りに希望だなんだの強いて来たのに、結局足を引っ張ってしまっている。情けない限りだ。 灯織「……立ち止まってるだけじゃダメだって、みなさんに偉ぶって伝えてきたのに私が一番できてなかったですね」 愛依「灯織ちゃん……うちが言うのもおかしな話だけどさ、弱い気持ちを隠したり意地張ったりする必要って無いと思う」 灯織「愛依さん……」 愛依「うちらは友達じゃん?」 灯織「はい……すみません、友達……を裏切ってしまうような真似を……」 愛依「いや、それも違う!」 灯織「愛依さん……?」 愛依「灯織ちゃんはうちらのことを考えて考えて……その結果パンクしちゃっただけなんだから何も悪くない!自分のせいだとか考えなくてマジでいいから!」 愛依「灯織ちゃんがしょげてるなら、その分うちらが頑張る!応援するし、支えるから!」 愛依「……ね?ちょっとずつ頑張れれば、それでいいじゃん!」 愛依さんは胸を張ってそう答えた。弱り切った今の私には何より頼もしくて、なによりも嬉しい言葉だ。 ガチガチになっていた心の凝りがほぐれて、モチモチになっていくのを感じる…… 私の中で大きな峠を一つ越えたんだろう。 165: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:12:37.08 :W2C/KaPl0 灯織「愛依さん、私がいなかった間のことを詳しく教えてもらえないでしょうか。……許されるなら、今からでも皆さんと共に前を向いて行きたいですから」 愛依「モチ!……てゆーか、もう来てもらったほうが早いかな」 灯織「……え?」 愛依「今、みんなで体育館にいるんだよね。灯織ちゃんも来てもらったほうが早いかも?」 夜時間に体育館に集まってる……? なんのために……? 灯織「わ、わかりました……体育館、ですね」 愛依「大丈夫?一緒に行く?」 灯織「い、いえ……大丈夫です!お手数をおかけするわけには……!」 愛依「いやいや、遠慮しなくていいから!うちもどうせ行くんだし!」 灯織「あ、あの……その……」 愛依「?」 灯織「シャワー、浴びてから行ってもいいでしょうか……?」 愛依「あっ……」 166: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:14:03.99 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【体育館】 愛依さんと一旦分かれ、シャワーを浴びてから体育館の扉を開く。 何日も扉を開けていなかった右腕にはその扉は重厚に、そして威圧感を持って感じられた。 中から差してくる光の中に見たのは…… _______モノクマを解体している皆さんの姿?!?! めぐる「灯織〜〜〜〜〜!!」 驚くのも束の間、正面から抱きついてきためぐるで遮られる。 灯織「め、めぐる……苦しいってば……」 摩美々「お熱いですねー」 めぐる「灯織、大丈夫なの?!心配したよ〜〜!!」 灯織「ご、ごめん……めぐる、もう大丈夫だから。心配かけてごめんね」 めぐる「病気はしてない?!怪我はしてない?!」 灯織「うん、そういうのとはまた違うの……ちょっとだけ、元気がなくなってたけどもう大丈夫だから」 めぐる「本当に?!無理してない?!」 灯織「してない、してないから」 めぐるの目元には涙が携えられていて、私を抱きしめる力も強く。 感情を真正面からぶつけられたような感覚だ。その両腕からじんわりと優しいものが広がるのを感じる。 私はめぐるの頭にそっと右の掌を添えて、撫で下ろした。 167: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:15:29.34 :W2C/KaPl0 摩美々「ご堪能のところ申し訳ないですケド、灯織にも今の状況を説明したいんだよねー」 灯織「あ、はい!むしろこちらからお願いしたいぐらいで……このモノクマは一体?」 雛菜「あは〜?でも正直雛菜たちにもよくわかってないよね〜?」 灯織「えっ……?」 智代子「うん……凛世ちゃんの裁判が終わった後のことなんだけどね……」 摩美々「いつもと同じように、エリアの開放があってー。その探索をした後はまたいつもと変わらず生活を続けてたんだケド、今朝になって愛依がこの状態のモノクマを発見したんだよねー」 雛菜「もともとアナウンスも流れなくなってておかしいなとは思ってたんだよね〜」 愛依「うちが校内で適当に散策してるとポツンってモノクマがいてさ!マジでビビったんだよね!」 そういえば、今日は朝と晩のアナウンスを聞いてないような気がする。 モノクマがここで動かなくなっていることと無関係なわけ、ないよね…… 摩美々「あ、灯織これ渡しとくねー」 灯織「え?これは……?」 摩美々「モノクマの体に入ってた爆弾だよー」 灯織「ば、ばく……?!」 摩美々「ふふー、スイッチは切ってるから大丈夫だよー」 摩美々さんのからかいを受けるのも数日ぶりだな…… それにしても爆弾がモノクマの中に……何を目的として…… 168: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:16:42.85 :W2C/KaPl0 ……いや、目的なら知ってる。 実際私も目にしたじゃないか……この学園に来た初日、樹里が単身モノクマに抵抗したあの時。 ____もう、そんな樹里はこの世にはいないんだけど。 摩美々「爆弾は置いとくにしても、モノクマの体はかなり緻密な機械設計みたいだよー。詳しいことはわからないけど、運動性能は信じられないほど高いと思う」 智代子「まあ実際あのおしおきをやってるぐらいだもんね……」 灯織「開発費用なんかもかなりかかってそうですね……」 雛菜「その結果やってるのがコロシアイの強要ってわけわかんない〜〜〜!」 摩美々「……まぁ、せっかく灯織に来てもらったことだし5階の調査報告をしとこうかぁ。モノクマに関しては摩美々たちもさっぱりですしー」 灯織「……あ、助かります」 めぐる「はいはい!それじゃあわたしが灯織に教えてあげるね!灯織のために一生懸命調べたんだよ!」 灯織「めぐる……うん、ありがとう」 モノクマのことは気にかかるけど、今はそれよりみなさんに追いつくことが先だよね。 ひとまずめぐるの報告に集中しよう。 灯織「じゃあ、聴かせてもらえる?」 めぐる「うん……あのね!」 ______________ __________ ______ 169: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:18:08.71 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【めぐるの部屋】 キーン、コーン…カーン、コーン モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』 朝が来た…… 凛世の事件の直後、円香の言い残した絶望計画。 それが頭から離れなくていても経ってもいられず、学校中を夜中は駆け回ってたけど円香の姿は見えず。 わたしが寝不足になっただけで終わっちゃった。 うぅ……わたしは灯織みたいに推理したりできないから、こういう時こそ力にならなきゃなのに…… ううん!だからってへこたれないよ! 諦めない限り、希望はあるって学んだから! 真乃から、みんなから受けついだ絆を果たすんだ! とりあえずは灯織を起こすところから! 170: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:20:17.42 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【廊下 灯織の部屋前】 めぐる「おはよーーーーーー!!灯織ーーーーーー!!」 インターホンを何度も鳴らしてるのに灯織からの反応はない。 こんなの初めてだよ……灯織はいつも早起きで、わたしと一緒に食堂に行ってるのに…… めぐる「まさか……事件が……!?」 ガチャガチャ!ガチャガチャ! 何度もドアノブを下ろすけど、内側からかけられた鍵が外れることはない。 廊下にはわたしのあくせくと漏らす声と耳障りな音だけが響く。 めぐる「灯織!!返事してーーー!!」 モノクマ「あーもう!ストップ、ストップだよ八宮さん!」 めぐる「モノクマ?!この扉を開けてくれる?!灯織が……灯織が中で……!」 モノクマ「はいはい分かった、分かったから!いったん落ち着いてみよっか!ほら、1から素数を数える!」 めぐる「そ、素数……?えっと、3.141592……」 モノクマ「それは円周率!全然違うよ、せめて自然数とか無理数とかでボケてよ!」 171: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:21:44.70 :W2C/KaPl0 モノクマ「とにかく落ち着いてボクの話を聞くんだ、ベイビー。いい知らせと悪い知らせ、二つある。どちらから聞きたい?」 めぐる「え……?そ、それじゃあ悪い知らせ……?」 モノクマ「今日のボクは便秘なんだ、というかここ1週間ほどずっとご無沙汰でね。今朝なんか腸の働きを促進にする薬を飲んでみたんだけ_____」 めぐる「で?!?!いい知らせって?!?!」 モノクマ「圧がすごいよ圧が……入社4年目が新卒に説教するときぐらい圧を感じるよ……」 モノクマ「風野さんは無事!何も起きてないから!だからそのドアノブガチャるのやめてくれるよね?!」 めぐる「そ、そうなんだ……」 モノクマ「まあ、メンタルが無事とは限らないけどね?今みたいにガチャガチャすると逆に彼女にとって負担になっちゃうかもしれないから」 めぐる「……!?」 モノクマ「ボクとしては鍵が摩耗するような真似はやめて欲しいってだけだから!風野さんを部屋から出したいなら別の方法でも考えるんだね!」 モノクマはわたしにそれだけ注意を伝えると何処かに行っちゃった。 灯織は昨日の事件で閉じこもっちゃったってことだよね…… これまでわたしたちを引っ張ってくれてた分、やっぱり負担をかけちゃってたんだ…… 灯織、ごめんね…… めぐる「……うぅ、灯織」 ドアの向こうにはきっと落ち込んじゃってる灯織がいて……体を震わせてるかもしれない。 ギュゥって抱きしめてあげて、これまでの分もいっぱい「ありがとう」って伝えたい。 でも、それをするには遅すぎたみたい。 扉は、わたしの力じゃ開けられない。 扉に沿わせた掌が無気力にずるずると落ちていく。 めぐる「……でも、わたしは……円香を止めないと」 灯織が動けないのなら、それは今わたしの役目。 灯織の想いを、願いを引き継いで……わたしがみんなを守る! だから、今はちょっとだけ灯織のそばを離れないといけない。 めぐる「灯織、待っててね。わたしが灯織の分まで、頑張ってくる!」 わたしは最後に灯織のネームプレートにタッチした。 172: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:23:05.24 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【食堂】 みんなが集まったけど、やっぱり灯織はやってこなかった。円香も変わらず。 昨日の事件で二人を失っただけでなく、中心核だった灯織がいなくなったことでいつもよりも食堂はしんみりしちゃってる。 愛依「灯織ちゃん……やっぱ抱え込んでたんだね」 智代子「……灯織ちゃんに、応援の言葉をかけて欲しかったな」 雛菜「……どんよりした空気、雛菜きらい〜」 摩美々「……」 でも、だからこそ。 今はわたしが頑張らないとダメなんだ…… この嫌な空気も丸ごとギュッと抱きしめて、大丈夫にしてあげないとダメなんだ……! めぐる「みんな、灯織がいっつもなんて言ってたか忘れてない?!」 愛依「えっ?……ひ、灯織ちゃんが言ってたこと……?」 雛菜「……絆、ですか〜?」 めぐる「雛菜正解!そう、わたしたちが大事にしなくちゃなのは絆……それは今でも変わらないよ!」 めぐる「灯織がいないからこそ、灯織との絆を大事にしないと……ダメなんじゃないかな?!」 摩美々「なんかふんわりしすぎてよくわかんないケド」 摩美々「要は『灯織がここにいれば何をしてたか』『私たちは灯織のためにも何をすべきか』ってことだよねー?」 めぐる「えっと……うん!多分!」 智代子「灯織ちゃんのために……」 愛依「……止まってる時間はないってことだよね」 雛菜「それに、円香先輩を止めないといけないですね〜」 摩美々「まあ、そんなのめぐるにわざわざ言われなくてもでしたケド」 めぐる「……ありゃ?」 摩美々「でも、摩美々のキャラ的に言いづらい話だったのでー……頑張り賞ぐらいはあげましょうかねー」 173: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:25:17.39 :W2C/KaPl0 モノクマ「はい!お話はまとまりましたでしょうか!」 雛菜「あ、来た〜!」 モノクマ「まあ、一応これもお約束というやつなのでアナウンスはしとくね?」 モノクマ「おめでとう!そなたたちはついに第四の壁を乗り越えた!その努力と成果を称えて新しき世界の扉を開こうではないか!」 愛依「5階……ってことだよね?」 モノクマ「そして大事なことなので、これも」 モノクマ「今そなたらの開いた扉は、この世界における最後の扉である!」 智代子「最後の……扉……?」 モノクマ「はやい話がこの学園は5階建てってこと!これ以上はもう無いってことだね!」 摩美々「……なるほどぉ」 5階が最後のフロア……ってことは、これが最後の手がかりってこと? なら、なんとしても探索で成果を上げなきゃだよね! モノクマ「それと合わせて、4階の学園長室も開放しておいたから探索はご自由に!」 モノクマ「きっと……オマエラの知りたい真相に近づくヒントが隠されてるはずだよ」 めぐる「……!!」 モノクマはそう言ってほくそ笑むと姿を消しちゃった。残されたわたしたちは、迷うこともなく一気にお互いを見合わせた。 摩美々「最後のフロアなら、気合入れなきゃですねー」 めぐる「うん!絶対に手がかりを見つけ出してみせるよ!」 智代子「……そうだね、頑張らないと」 愛依「おしっ!気合入れた!うちも本気で、死ぬ気で頑張るから!」 雛菜「円香先輩もきっともう探索してるよね……よし」 その一歩は力強く。 食堂を後にした。 174: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:26:47.81 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- さて、新しく開かれた五階にあるのは……武道場に植物庭園、生物室。それと教室みたい。 あとモノクマの話だと学園長室の扉も解放されたんだっけ? 灯織がいない分、いつも以上に気合を入れないと! めぐる「よーし、がんばるぞー!」 ------------------------------------------------- 【探索について】 場所指定の安価と同時にコンマを判定し、末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます。 ※めぐるの獲得したモノクマメダルがそのまま灯織の枚数に加算されます ------------------------------------------------- めぐる「どこから探索しようかな……?」 1.学校エリア5F 武道場 2.学校エリア5F 植物庭園 3.学校エリア5F 生物室 4.学校エリア4F 学園長室 ↓1 175:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/24(土) 21:39:32.81 :K+gajc9v0 4 176: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:41:41.94 :W2C/KaPl0 4 選択 ------------------------------------------------- 【学園長室】 4階の閉ざされていたはずの部屋。観音開きの重厚な扉は意外なほどにすんなりと開いた。 中はいかにもと言った感じな厳かな空間。 樫の木のデスクは威圧感を放っていて、壁にかけられた歴代の学園長の肖像画はわたしたちを睨みつける。 本当に通っている学園ではないのに、背筋をついつい正しちゃう。そんな雰囲気が漂っている。 摩美々「この部屋、ここまで隠してただけあって、結構色々あるねー」 めぐる「うん……摩美々は何か気になったものとかある?」 摩美々「とりあえずはあれかなー」 摩美々が指差した先にあったのは……ショーケース?中にはファイルホルダーといくつかの小物が見える。 摩美々はその一冊を手に取ると、わたしの目の前でパラパラとめくった。 摩美々「『コロシアイ合宿生活動機概要』……なんだか見覚えないー?」 目の前の書類には、見覚えどころか実際にわたしたち自身が経験したあの残酷な動機について手段からその狙いまで細かに記されている。 177: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:42:32.55 :W2C/KaPl0 めぐる『一つ目の動機は【疑心暗鬼】、あえて黒幕との接点を公開することにより必要のない疑いあいに持ち込む。お互いがお互いを信じ合えない状況下でアイドルたちは信頼をどんな形で発揮してくれるのか』 摩美々「透と真乃の事件……黒幕の目論見通り、真乃が疑心暗鬼の果てに透を手にかけた」 めぐる『二つ目の動機は【焦燥】、フェイク映像による近縁者の危機を告示する。この学園から出たいという意思を一層駆り立てた上で、真のアイドルになるための決断力を養成する』 摩美々「小糸は脱出しようと意思が強まった結果、殺害以外の方法を見つけるために樹里を頼って……事故に巻き込まれた」 めぐる『三つ目の動機は【才能】、各人の才能を伸ばすためのヒントを授ける。柔軟な思考力のもと、与えられた道具をどう活用するかに着目したい。 備考:当初の予定と異なり、コロシアイがそこまで精力的に行われなかったため一部変更。後の計画の予備実験としての役割も兼ね、被験体Aに人格の移植を行う』 摩美々「霧子はモノクマに人格を植え付けられて、自我の崩壊を起こして凶行に及んだ……」 めぐる『4つ目の動機は【犠牲】、集団としての生存のために1人を切り捨てる決断を迫る。損得勘定と個人の感情との間のすり合わせを適正化し、これから先生き残っていく上での野心を研ぎ澄ますのも狙いの一つである』 摩美々「私たちに紛れた裏切り者、咲耶と凛世はそれぞれ考えを別にして……凛世は私たちのために、咲耶を殺害した」 めぐる「ここまでのわたしたちと完全に一致してるね……」 摩美々「まぁ学園長室ってだけあってモノクマの書類なんだろうねー」 178: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:44:25.83 :W2C/KaPl0 めぐる「……あれ?第3の動機のところはもっと続きがあるみたいだよ?」 摩美々「……ああ、それは渡されたプレゼントの詳細についてみたい。見てみるー?」 数ページめくると、わたしたちに渡されたプレゼントが私たちの名前と才能、そしてそのプレゼントの写真付きで記されていた。 『八宮めぐる【超高校級の助っ人】ゼッケン』 『風野灯織【超高校級の占い師】水晶玉』 今生き残っているわたしたちの分は当然として、すでにあの動機が配られた段階で犠牲になっていたみんなの分も。一応用意はされていたらしい。 『櫻木真乃【超高校級の飼育委員】止まり木』 めぐる「……真乃の分」 摩美々「……ショーケースの中に入ってるケド、めぐる持って帰る?」 めぐる「うーん、流石にちょっと手で持って帰るにはおっきすぎるかな」 摩美々「……そうだねー」 『浅倉透【超高校級のカリスマ】テープレコーダー』 めぐる「あれ、透の才能ってこれ……」 摩美々「見るのは初めて……だけどある程度納得はいくよねー、カリスマってそれっぽいじゃーん」 透自身も才能のことは明かされてなかったらしいし、電子生徒手帳にも記載はなかった…… その才能が、カリスマ…… 179: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:45:20.46 :W2C/KaPl0 『福丸小糸【超高校級の学級委員】タスキ』 摩美々「実用性のなさそうなプレゼント、私たちの中にも渡されてる人はいたけど小糸もそのパターンだったみたいだねー」 めぐる「『あんたが主役』……パーティとかで使うやつ?」 摩美々「つくづくモノクマって悪趣味だよねー」 と、亡くなった三人のリストを見た後パージをめくって……その手が止まった。 そこにあるはずの部分が、樹里の項目がまるまるバッサリと切り取られていたから。 めぐる「あれ?!樹里のページは?!」 摩美々「落丁ってわけでもなさそうだねー……もしかして、円香……?」 めぐる「えー?!もう先に来てたのー?!」 摩美々「かもね、モノクマにも円香が気に入られてるみたいだし……その程度の加担はしててもおかしくないでしょー」 めぐる「でも、なんで樹里のページが……?」 摩美々「……樹里の、プレゼント……?」 円香の行動の意図はわからないけど、今手元にない限りは諦めるしかない…… この謎は解消しようにもできない謎だ。 180: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:46:53.67 :W2C/KaPl0 【額縁】 学園長室の壁にはあんまり見慣れないおじいさんたちの肖像画。 うーん、下のプレートをよく見てみると……『希望ヶ峰学園歴代学園長』……? ってことはこのおじいさんたちはみんな校長先生、だったのかな。 一番古いのは、これみたい。 『初代学園長・神座出流』……? 何て読むんだろう、『かみ、ざ、で、る』……? 人の名前、なんだよね……? ------------------------------------------------- 【コンマ判定81】 【末尾1】 【モノクマメダル1枚を手に入れました!】 1.学校エリア5F 武道場 2.学校エリア5F 植物庭園 3.学校エリア5F 生物室 ↓1 181:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/24(土) 21:48:06.64 :Qqvqa1iu0 1 182: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:50:55.27 :W2C/KaPl0 1 選択 ------------------------------------------------- 【武道場】 これは……弓道場? 人工で植えられてる桜が綺麗、その向こうには弓道の的が並んでる。 結構な奥行きはありそうだな、練習にはちょうどいいかも? 愛依「わー……すっご、マジで和風系じゃん」 めぐる「愛依!そういえば愛依は小さい頃から書道をやってたんだっけ?」 愛依「まーね♪ばーちゃんに教えてもらって、それなりには書けるんだけどさ、なんかこの武道場の雰囲気は懐かしい感じがすんね」 めぐる「そうだね、ザ・ジャパニーズスタイルって感じがするよ!」 弓道だけじゃなく鎧甲冑や掛け軸もあるし、モノクマが意匠を凝らして作ったのかな? ……とと、何か使える手がかりを見つけないと。 愛依「この部屋で気になるのは、このロッカーぐらい?」 めぐる「ロッカー……木の札を差し込んで開閉するタイプか……」 愛依「うん、それぞれのロッカーに対応した番号の札があるから……替は効かないっぽいね」 ロッカーを一つ一つ開けてみると、その一つに書類が無造作に押し込められているのを見つけた。書面には『塔和シティ大規模暴動事件』と書いてある。 183: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:52:10.89 :W2C/KaPl0 めぐる「塔和シティ……?なんだろう、愛依は聞いたことある?」 愛依「いや、うちもピンとこない……どっか有名なとこなのかな?」 『この暴動は国内有数の財閥グループ、塔和グループの管理する大規模埋立居住区・東和シティで起きた子供による大人に対する反乱である』 めぐる「そもそもこの塔和グループ、って聞いたことがないんだよね……」 愛依「めっちゃ有名なカイシャみたいに書いてるけど、聞いたことなくね?」 めぐる「うん……それに子供による大人に対する反乱って……?」 『未来機関は即座に事態の沈静化のため、14支部支部長の十神白夜を中心とした部隊を派遣。その際に新開発兵器・メガホン型ハッキング銃を隊員たちには所持させた。これは新開発された兵器の実用性を試験する意味合いもあった』 愛依「み、未来機関……?なんかよくわかんない言葉ばっかで……頭こんがらがってくるんだけど?!」 めぐる「……あれ?この十神白夜って名前、どこかで……」 ------------------------------------------------- 『十神財閥の御曹司も確か高校生でしたよね?彼も今年デイトレードでかなり有名になりましたが』 ------------------------------------------------- めぐる「……そうだ!あの時のテレビで見た第78期生の名前だよ!希望ヶ峰学園の新入生徒!」 愛依「確かにそうじゃん!なんか聞いたことあると思ったら!……あれ?でもだとしたらおかしくない?なんで十神って人は希望ヶ峰学園じゃなくて未来機関って方にいるの?」 そう、明らかにこれはおかしい…… わたしの知らない情報が多すぎる…… 184: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:53:53.48 :W2C/KaPl0 『メガホン型ハッキング銃にはいくつかの機能を搭載している。 専用の特殊な弾薬を使い分けることで、電子機器類を『破壊』『燃焼』『噴出』『操作』『麻痺』などさせることができる』 めぐる「なんかすごい機械だったんだね」 愛依「てかなんでメガホン型なんだろう……普通に銃じゃダメだったん?」 めぐる「でもすごい技術だよね、銃で撃つことで機械を破壊したりできるなんて!」 愛依「ハッキングってマジすごいね!」 『未来機関とレジスタンスとの攻防は長期にわたり、多くの犠牲を伴った。都市機能は完全に停止し、生き残るために暴徒化した大人たちを新たに鎮静する必要も生じ事態は混迷を極める。その際に鎮静に一役買ったのは他でもないあの【超高校級の希望】の妹の……』 めぐる「あれ?これで終っちゃってる……」 愛依「え〜?!ここからがめちゃくちゃ気になるところじゃん!」 めぐる「この暴動がどう治ったのか、きっとモノクマにとって秘密にしたいことなんだね」 愛依「う〜ん、わっかんないね……そもそもこの超高校級の希望ってなんなん?」 めぐる「希望ヶ峰学園の生徒に、そんな称号の生徒って今までいなかったよね?」 愛依「だと思う……うちも割と毎年生徒の発表は見てたけど、聞き覚えない系」 めぐる「この情報、どこかで活きてくるのかな」 武道場で得られた情報はこれぐらい。 聞き覚えのない場所で起きた聞き覚えのない事件。それを鎮静化したのもまた聞き覚えのない組織。 これって本当にあったことなの……? ------------------------------------------------- 【コンマ判定64】 【末尾4】 【モノクマメダル4枚を手に入れました!】 【現在のモノクマメダル…128枚】 1.学校エリア5F 植物庭園 2.学校エリア5F 生物室 ↓1 185:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/24(土) 21:54:19.13 :aY7QKwEW0 1 186: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:57:09.97 :W2C/KaPl0 1 選択 ------------------------------------------------- 【植物庭園】 すごい……入った瞬間おっきな花が目に入る。 思わず目を奪われ、近づいていくと…… モノクマ「あっぶなーーーーーい!!」 めぐる「うわぁっ?!も、モノクマ?!なになに、どうしたの?!」 モノクマ「八宮さん、迂闊に近づいちゃダメだよ!それはモノクマフラワー、雑食性の食虫植物だよ!」 めぐる「ざ、ざっしょく……?!」 モノクマ「超高校級の植物学者が開発した植物でね、プラスチックだろうと鉄だろうと人だろうと、なんでもお構いなしに溶かしちゃうんだから!」 めぐる「え、えぇ?!」 モノクマ「うおォン!さながら植物火力発電所だね!」 めぐる「そ、そんな植物あり……?」 モノクマ「まあ肝心の開発者の色葉田田田くんはそのモノクマフラワーの餌z……ゲフンゲフン」 めぐる「よ、よくわからないけど近寄ると危ないんだね……?」 モノクマ「そういうこと、まあ太陽の光が出てる時だけ活性化してそうなるんだけどさ。夜時間は静かなもんだよ」 めぐる「え?た、太陽……?でもこの学園じゃ太陽なんてどこも……」 モノクマ「今まではそうでした!が!熱い要望にお応えして!ついに!」 モノクマ「この植物庭園では人工太陽を導入しているのですーーーーー!!」 めぐる「じんこうたいよう……?」 モノクマ「紫外線を含む光を放つ、文字通りの太陽だよ!植物の生育のためには暖かい太陽光が不可欠だからね!」 確かにモノクマの言う通り、植物庭園自体は他の部屋同様窓も何もない部屋だけど天井には他の部屋とは表情の違う照明がついている。 この光が多分人工太陽ってことなんだよね。 灯りだけでも外の環境を再現してるってことなんだ…… 187: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:58:10.49 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【智代子に話しかける】 智代子「……」 めぐる「……チョコ」 チョコは咲耶の裁判で、凛世を失った。 この生活が始まった時には放クラは三人いたのに、もう2人は…… 明らかにチョコの元気は無くなっている。 智代子「めぐるちゃん……ごめんね、心配してもらっちゃって。大丈夫、ちょっとだけ時間をもらえれば……立ち直れるから」 それに凛世の死を前にしてなお犯行の意思を変えようとしない円香の存在。 灯織と同じく、抱えているものは多分わたし以上…… めぐる「……」 人と人はみんな違う。似てはいても、絶対に同じものは一つとしてない。 だから不用意に踏み込むようなことをすれば、かえってチョコを傷つけちゃう。 ……こんな時、真乃や灯織ならどうするのかな。 なにかわたしが、チョコのためにしてあげられることは…… 188: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 21:59:59.63 :W2C/KaPl0 智代子「……凛世ちゃんも、わたしに裏切り者だったって話はしてくれなかったし……やっぱり頼りなかったのかな」 めぐる「……チョコ!そんな風に、自分を責めちゃダメだよ!」 智代子「……でも、私がもっとちゃんとしてたらこうはならなかったんじゃないかなって……」 めぐる「チョコ……気持ちはわかるけど、それはチョコ自身が凛世の思いを反故にしてることになるんじゃないかな」 智代子「……え?」 めぐる「凛世は、最後のその瞬間までチョコのことを想ってた。わたしたちにその真意まではわからないけど、そのために事件を起こしたんだよね?」 智代子「確かに、そう言ってたけど……それは逆に私たちが凛世ちゃんを追い詰めたことになるし……」 めぐる「ちがう!追い詰めたのはモノクマの方だよ!チョコが責任に感じることじゃ……」 智代子「……」 めぐる「それに、凛世が最後にチョコに託した言葉……えっと、断じて行えば……ええっと……」 智代子「断じて行えば鬼神もこれを避く……だった、かな。信念を強く持てば、どんな障害も乗り越えられる……そういう言葉、なんだよね」 めぐる「チョコ……」 智代子「……うん、私の中でもきっと答えはもう出てるんだ。それなのに、その一歩を踏み出す勇気を寂しさが、孤独感が邪魔しちゃってたんだ……」 智代子「ごめんね、めぐるちゃん。なんだか吹っ切れたよ!泣くのはいつでもできるけど、前を向けるのは、向くべきなのは今だけだもんね!」 めぐる「……うん、頑張ろうチョコ!一緒にこの難局を乗り越えるんだよ!そのための応援なら、いつでもわたしが頑張るから!」 智代子「えへへ、そうだね!よし、それじゃあ意気込む意味も込めて……これを!」 めぐる「……?それって?」 智代子「凛世ちゃんの好きだったお菓子、なんだかもったいなくて食べれずにいたんだけど……はむっ!」 智代子「おいひ〜〜〜!!」 智代子「よーし!力が湧いてきちゃった!ここからまた、園田智代子再始動だよ!」 チョコはまだ少しだけ不安げだけど、元気を取り戻した。 無理をしているように見えるけど、今は無理をしてでも前を向くべきだってそう感じるから……それを指摘することはできなかった。 それに、チョコの意思を何よりも尊重すべき。 わたしはその側でチョコを支えることで、答えていかないと。 189: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:02:29.38 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【鶏小屋】 こんなところに鶏が……1、2、3、4ちょうど4羽だね。真乃がいればすごく喜んだと思うんだけど…… 【倉庫】 ここには園芸用品がいっぱい詰め込まれてる。 肥料にブルーシート、芝刈り機に……ツルハシ? ツルハシって園芸に使うのかな……? 【スプリンクラー】 入り口付近にはスプリンクラーを制御する装置。 でも管理者権限はモノクマにしかないみたい。 【毎朝7時半】に水やりをするように設定されてる。その時間に植物庭園にいると水を浴びちゃうから気をつけないとだね! ------------------------------------------------- 【コンマ判定13】 【末尾3】 【モノクマメダル3枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル…131枚】 ------------------------------------------------- 【残り選択肢が1つとなったので自動進行します】 【獲得モノクマメダル枚数の判定のため直下のレスでコンマ判定を行います】 ↓1 190:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/24(土) 22:12:47.37 :W/OQ59zX0 わくわくぅ! 191: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:15:06.62 :W2C/KaPl0 【生物室】 5階廊下の最奥部、のっぺりとしたグレーの扉が生物室みたい。 ゆっくりとその扉を開け……開け…… めぐる「開かない!」 結局まだ全部の部屋に行けるようになったわけじゃないんだ……がっくし。 雛菜「あ〜、やっぱりそこって入れないんですね〜」 めぐる「あ、雛菜!お疲れ様、探索は進んでる?」 雛菜「ん〜、まずまずですかね〜。この部屋も中を見てみたかったんですけど、開きませんし〜」 これまでにも閉鎖されてる部屋はあったけど、なんで生物室が? 学園長室とか情報処理室とかは重要そうなのも納得がいくけど生物室ってそこまで重要にも感じないような…… 雛菜「この部屋、なんだか不気味ですよね〜……最上階のこんな一番奥でまるで隠すみたいに存在してる部屋ですし」 めぐる「うん……なんだか、他の部屋とも空気感が違うよね……」 空気感が違う、その言葉は部屋の見た目から発したものだったんだけど…… どうやら当たらずも遠からずだったみたい。 雛菜「ていうか……なんだか部屋の下から冷気が漏れ出てませんか〜?」 めぐる「え?……わっ、ホントだ!なんだか寒いと思ったら!」 雛菜「この中で何やってるんですかね〜」 めぐる「うーん……検討もつかないや……」 ------------------------------------------------- 【コンマ判定37】 【末尾7】 【モノクマメダル7枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル…138枚】 192: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:17:09.37 :W2C/KaPl0 ……さて、残すところはあと一つ。 入る前から異様な雰囲気を感じ取り、何故か先回し先回しにしてしまった教室。 _______意を決してその扉を開けた。 ------------------------------------------------- 【教室】 めぐる「……っ!」 明らかに異様だった。 部屋に入った瞬間鼻を刺す刺激的な匂い。 それはここでの生活を送るうちに、嗅ぎ慣れてしまった匂い。 人の命を凝縮した、想いや感情を詰め込んだものが、無残にも散り果てた時の匂い。 血の匂い……人がそこで、死んだ時の匂いだった。 円香「……」 赤黒く染め上げられた教室は机や椅子も無残に破壊されており、その退廃的な光景の中心に円香は立っている。 わたしの入室に気づくと、そっとわたしの近くに寄った。 円香「……この教室にいると、思い出すでしょ?」 めぐる「お、思い出す……?」 円香「最初の事件……透も教室で、真乃に殺された」 めぐる「……っ!」 円香「……まあ、ここまでの惨状ではなかったけど。この教室はもっと遥かに凄惨な現場のようだから」 193: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:18:12.85 :W2C/KaPl0 円香はわたしの返答も待たずつらつらと言葉を綴る。 円香「殺人が起きたの事態は遥か前……それこそ私たちがここでの生活を始める前だったりするのかもしれないけど。それでもこの様子だと、死んだのは1人や2人じゃないんだろうね」 円香「……人の熱気を今でも感じるようじゃない?机に、椅子に、血痕に。手を触れただけで阿鼻叫喚の声が浮かび上がってくるみたい」 円香の言葉のままの想像が次々に浮かび上がり、胸のあたりがキュゥっとし始める。口のあたりに胃酸のような香りもする。 円香「でも、足りない」 めぐる「……え?」 円香「こんなものじゃ、私は満足しない。ただあなたたちを殺すだけじゃ満足しない。命を散らすだけじゃなく、そこに絶望を……生きる希望の一切を奪うだけの『最悪』をぶつける」 円香「灯織もめぐるも摩美々さんも愛依さんも智代子も……その瞳から希望の一切を失わせて見せる」 円香はその言葉とともに、私の胸に手を当てた。奥歯を噛みしめ、睨みつけ、そのドスの効いた声を上げる。 円香「その心臓を、潰す」 めぐる「……円香!」 わたしの制止に耳をかすはずもなく、円香は最悪の所信表明を下すとそのまま教室を後にした。 残されたのは地獄のような惨状となっている教室とわたし。 194: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:19:48.51 :W2C/KaPl0 モノクマ「ふぅ〜〜〜、樋口さんたら殺気放ちすぎだよ!怖くて出てくるタイミングを逃しちゃったじゃん!」 めぐる「わ?!モノクマ?!」 モノクマ「ボクは空気が読めるクマなので!シリアスムードの時にはROM専なんだよね!だってほら、ボクってば口を開けば口説き文句が出るじゃない?」 めぐる「よ、よくわからないけど……この教室ってなんなの?!円香が言ってたみたいに、何かの事件現場なの?!」 モノクマ「良い質問ですねぇ、全くもってその通り!」 モノクマ「この部屋は、とある凄惨な殺人事件の現場そのままなのです!死体は避けてるけど、他は一切手を加えてないそのままの形だね!」 うっ……やっぱりそうなんだ。 この匂いも、熱も……全てが本物。 これなら紛い物の方がよかったよ…… モノクマ「まあこれもオマエラの知りたがってる真実の一部だったりして?」 めぐる「えっ……それってどういう」 モノクマ「はいはい!これ以上は教えないよ!お母さんにネタバレする大人にだけはなるなって育てられたからね!」 めぐる「モノクマのお母さん……?」 モノクマ「まあ、手掛かりになりそうなものも残ってたりするし……結局オマエたち次第だよね!」 モノクマがそう言って目を向けたのは、机に突き立てられたままになっているナイフ。 あれも、その事件とやらで使われたものなのかな。 モノクマ「じゃ、頑張ってその足りない脳味噌で考えるんだね!ファイト〜〜〜!」 めぐる「……行っちゃった」 結局モノクマはまだ断片的な情報しか教えてくれない。 ……この合宿生活の真実に、わたしたちは本当に近づいているんだよね……? ひとまず、モノクマも気にかけていたあのナイフが気になるな。机に突き立てられていたナイフを引き抜く。刃渡りは10cm程度で、特殊な形状。 柄の部分にはモノクマの目元みたいな装飾。 これだけじゃ何にもわからないけど……ナイフをこのままにしておくわけにはいかない、よね。 いったんわたしで回収しておこう。 195: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:21:24.11 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------ 【食堂】 探索を終えたわたしたちは再度食堂に集まっていた。 目立った成果はないものの、徐々にこの学園の真相に近づくヒントが集まっていることで落胆はあまりなく、むしろ真剣な表情が並んでいる。 摩美々「この学園の全貌、少しずつ見えてきたって感じだよねー」 智代子「うん……希望ヶ峰学園、まだまだわたしたちの知らない秘密がいっぱいあったんだね!」 雛菜「というか、雛菜たちの知ってる希望ヶ峰学園と食い違う点が所々にあるような気がするんですよね〜……」 雛菜と同じ違和感をわたしも感じている。 希望ヶ峰学園の存在はずっと知っていた。日本中の憧れの学園、それは間違いないんだけど…… 合宿前の記憶との矛盾も解決してないし、5階の疑問点の数々もこれと関係あるのかな…… めぐる「そうだ!探索中に円香に会ったよ!」 雛菜「……!!円香先輩は、なんて言ってました……?」 めぐる「……気持ちは変わらないみたいだよ」 愛依「……円香ちゃん、マジでうちらの誰かを殺すつもりなんかな」 智代子「め、愛依ちゃん……」 摩美々「間違いないだろうねー……」 雛菜「……」 摩美々「……でも、円香と単身交渉なんて真似はやめてよねー。誰かが相討ちなんか、そんなの望んでないので」 雛菜「……それ雛菜に言ってますー?」 摩美々「ここにいる全員だケド」 でも、これまでとは円香の話題になったときのみんなの顔は違った。 戸惑い、怯えるような顔じゃなくて……食い止めるという強い意志。 そして、それはわたしも同じ。真乃と灯織、この場にいない二人の気持ちも同じはずだから。 __________ ________ ______ 196: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:22:45.22 :W2C/KaPl0 めぐる「……って感じかな!」 めぐるの報告を聞いた一通り聞き終わった私は、まずみなさんに改めて頭を下げた。 めぐる「ひ、灯織?!」 愛依「あ、謝られるようなことじゃないって!さっきも言ったじゃん?うちらは友達だから気を使わなくても……」 灯織「いえ……これは、謝罪だけでなく感謝の意味も込めた礼なので。受け取ってもらえませんか」 雛菜「灯織ちゃん、相変わらず義理堅いよね〜」 摩美々「まぁ、灯織はこうでもしないと気が済まないんだろうし気持ちは受け取ってあげようよー。お互いに負い目とか蟠りとかない状態じゃないと結束はできないしー」 灯織「……すみません」 めぐる「灯織、大丈夫!わたしたちも灯織にはずっと感謝してるんだから!」 めぐるは私の手を取ると、そのまま上体を引き起こしてみなさんを見るように顎で指示した。 めぐる「大事なのはこれから!でしょ!」 灯織「うん……」 197: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:24:21.12 :W2C/KaPl0 摩美々「じゃあこれからの話をしよっかー」 めぐる「うんうん!これからどうするかを決めなくっちゃだね!」 摩美々「灯織に渡した爆弾、これを使って情報処理室の扉を破壊しにいこっかー」 智代子「うん!そうだね!扉を破壊しにいこー!」 智代子「……え?!は、破壊?!」 愛依「ま、摩美々ちゃん?!そんなことしたら校則違反でおしおきされちゃうよ?!」 摩美々「コロシアイの首謀者……が操ってるモノクマが機能してない状態で誰が摩美々たちにおしおきを加えるわけー?」 灯織「……!!」 摩美々「今が絶好のチャンスだよー。円香が動いていない、こちらには灯織も帰ってきた。……脱出のためのヒントを得るための決死の作戦が今なら結構できるんじゃないー?」 愛依「た、たしかにそうかもだけど……」 めぐる「ひ、灯織……どう思う?」 灯織「え?」 めぐる「摩美々の言う通り、多分大きな意味がある作戦なんだと思うんだ。でも、灯織がやめておくべきだって思うなら……それにみんな従うよ」 ふと周りを見ると、みなさんが私のことを見つめている。 それは期待の視線ではなく、まして好奇の視線なんかでもない……信頼の視線。 一度逃げ出した私を、再び代表として迎え入れてくれる温かい視線だった。 198: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:25:26.39 :W2C/KaPl0 摩美々「灯織はどう思うか聴かせてもらってもいいー?」 灯織「摩美々さん……」 灯織「……」 灯織「行きましょう」 めぐる「灯織……!」 灯織「もう、逃げません。足踏みもしません。目の前に進むべき道があるのなら、それが悪路だろうと、危険な道だろうと、私は絆という指針がある限り折れはしません」 雛菜「やは〜〜〜!!」 愛依「そうだよね……やっぱ、ここまできたらもう進むしかないよね!」 智代子「……よし!わたしも一緒に行くよ!勇気と一握りのお菓子を持って!」 摩美々「ふふー、そう言ってくれると思ってたケドねー」 先程摩美々さんが私に爆弾を手渡したのは、ただのからかいだけではなかった。私に戦う覚悟があるかどうかを試したんだ。私にもう一度みなさんとの絆を背負う力があるかどうかを。 なら、それに答えないと。 恐怖なんか感じている時間が勿体無い。 前へ、前へ、前へ……!! ______行くしかないんだ……!! 199: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:26:04.50 :W2C/KaPl0 と、我武者羅に踏み出したのに。 __________絶望は私たちを簡単に逃そうとはしなかった。 200: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:27:23.69 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【情報処理室前】 灯織「なん、で……」 めぐる「うぅ……」 摩美々「……最悪」 愛依「ど、どうなってんの……!?」 智代子「そ、そんなぁ……」 雛菜「……」 モノクマ「みなさんお揃いでお散歩とは健康的ですね!新しい生活様式でもやっていけそうで何より何より!」 体育館で解体されていたはずのモノクマが私たちを待ち構えていた。 体表の毛皮には僅かなほつれもなく、挙動にもなんら不自然な点はない。完全体のモノクマだ。 摩美々「ちょっとぉ……下で解体したはずなんですケド……」 モノクマ「あー、あれね!第162代モノクマことモノトトスの死は何とも痛ましいものでした……」 モノクマ「動けなくなった隙を狙って、オマエラの手でバラバラに……小学生が蝶の羽を毟るようにそれはそれはバラバラに……」 モノクマ「そうかいそうかい!オマエラはそういう奴だったんだな!」 めぐる「な、なんで?!モノクマは、黒幕はいま動けないんじゃなかったの?!」 モノクマ「はぁ……いつの話してるのさ、確かに諸事情で動けなくなった瞬間はあったし、うっかりモノトトスはそこで手放したけどさ」 モノクマ「もう用件は済んじゃったし、普通に通常制御で元どおりなんだよね!うぷぷぷぷ!」 考えてみればそうだ。モノクマは複数体、しかもこちらで把握しきれないほどの台数がいるなんてわかり切ってたことだった。 一瞬の隙があったからって、こちらの思い通りになんか進むはずなかった。 201: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:28:17.92 :W2C/KaPl0 モノクマ「それよりオマエラ何しに来たわけ?この部屋の扉は閉め切ってるので入室できませんが?」 摩美々「……」 モノクマ「ねえ、黙ってないで教えてよ!喋らないならその体に聞いちゃうよ?ぐへへへ」 雛菜「うわ〜……」 灯織「そ、それはその……」 摩美々「……別にぃ?雑談しながら校舎散歩してただけなのでー、もう帰りまぁす」 モノクマ「ん?そうなの?センブリ茶くらいなら出しておもてなしするけど?」 摩美々「結構でーす」 口籠る私を他所に、摩美々さんはまともな言い訳すらせずに踵を返してしまった。慌てて後を追う私たち。 灯織「ま、摩美々さん!?諦めるんですか?!」 摩美々「トーゼンでしょー?モノクマがいるんじゃ、扉を破壊なんかしても無駄死にだしー……」 めぐる「で、でも……!」 摩美々「まぁ収穫はあったし、とりあえず今は撤退でいいんじゃなーい?」 愛依「しゅ、シューカク?なんもなくない?」 戸惑う私たちに、摩美々さんは声を潜めてその答えを返した。 202: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:30:00.94 :W2C/KaPl0 摩美々「第一に灯織が今隠し持ってる爆弾。モノクマに対しても、円香に対しても対抗策になり得るでしょー」 灯織「……!!」 摩美々「危機に迫られた時、使い道によっては状況を打破できる可能性のある代物だよねー。流石に玄関のあの重厚な扉は破壊できなくても、他の学園内設備を破壊することは容易なはずだよー」 思わずポケットに仕舞い込んでいる爆弾を強く握り込む。 そうだ、これは私たちの今持てる最高武力。これは抑止力にも、最終兵器にもなり得る。 摩美々「そして今モノクマが言った通り、モノクマには動けない瞬間が存在するっていう事実。この事実の裏を解明することができればぁ、自然とチャンスはまたやってくるんじゃないかなー」 確かにそうだ。モノクマは先程確かに、動けない瞬間があったことを認めた。 つまり摩美々さんたちで解体していたモノクマは何らかの意図があって停止していたわけではない、イレギュラーの産物だったということ。 愛依「なんか理由があって止まってたってことなんだよね?」 智代子「食事とか、トイレとか睡眠とか?」 摩美々「そこら辺をどうやってるのかはわからないケド、これまでの生活で目立ったボロはなかったからそういう整理的な要因ではないと思うんだよねー……もっと何か、別な理由が」 灯織「そうですよね……モノクマが停止するなんてこれまでになかった事態、ですもんね」 摩美々「……この学園の外で何かが起きた、とか」 智代子「け、警察が来たのかな?!」 雛菜「だとしたら遅すぎないですか〜?そろそろ雛菜たち、一ヶ月ぐらいここで住んでると思うんですよね〜」 愛依「うーわ、そういやもうそんなになんの……?」 めぐる「うーん、でも一ヶ月経ってやっと見つかったのかもしれないし可能性はないってことじゃないよね?!」 灯織「うん……それはそうだと思う、けど」 (コロシアイが始まった当初に言っていたあの言葉……モノクマは警察を恐れてすらいない様子だった) (だとすると、警察が来たからってモノクマが離席することもないんじゃ……) 203: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:31:06.57 :W2C/KaPl0 摩美々「仲間割れ、とかー?」 智代子「な、仲間?!黒幕って一人じゃないの?!」 灯織「……!!そうですね、その可能性がありました……だって、私たちは実際黒幕に加担していた人間を知っているんですから……!」 めぐる「咲耶と凛世……そっか、脅迫されてたとはいえ黒幕側の人間として動いてたのは事実だもんね」 愛依「え?!裏切り者って他にもいんの?!」 摩美々「この前の裁判でのモノクマの発言を考えるとその可能性は流石に無さそうかなぁ」 智代子「じゃあもっと、根本的な……主犯格側の存在、とかなのかな?」 灯織「あくまで可能性、だけど」 摩美々「……なにかこちらからのアプローチで再度モノクマに隙を生む余地はあるかもしれないよねー」 智代子「もしも仲間割れが起きてるのなら、その仲間割れ相手はこっちの味方になるかもしれないんだもんね!」 めぐる「そうだよね!」 黒幕の仲間割れ、じゃなかったとしても間違いなく黒幕にとっての不都合が生じた結果なのは間違いないんだ。 希望はないわけじゃない……! 摩美々「さて、とりあえずこのまま帰るとして……爆弾はそのまま灯織が持っとくー?」 灯織「……みなさんがよろしければ、預からせていただきます」 愛依「うん、灯織ちゃんなら心配ないと思う!」 雛菜「雛菜も異議なしです〜」 智代子「でも大丈夫?灯織ちゃんは怖くない?」 灯織「……ううん、これぐらい平気。むしろ武器が手元にあって心強いよ」 摩美々「うっかり爆発させたりしないでよねー」 灯織「し、しませんよ!……多分」 愛依「そこは言い切ろ?!」 204: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:32:21.43 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 情報処理室の開放は一時諦めて、それぞれの部屋へと戻った。 道中体育館に再度立ち寄ったけど、モノクマの姿はもう無くなっていた。黒幕に回収されてしまったんだろう。 結果として手元に残ったのはこの爆弾のみ。 灯織「慎重に、管理しないと……」 刺激しないように、丁寧に布に包んでデスクの引き出しにしまい込んだ。部屋の鍵をかけている限りは盗まれることもないはず。 みなさんに託された希望、大事に保管しておかないと。 さて、今からはみなさんは睡眠時間をとるらしい。 動作が停止していたモノクマの監視ですっかり遅くなっていたこともあり、別れ際には欠伸が止まないぐらいだったし……しっかりと休んでほしいな。 私はというと、ここ数日ひたすらに睡眠をとって現実逃避をしていたので寝足りている。 夜時間の外出は禁じられていたけれど……流石に時間を持て余しちゃうな。 少し、散歩でもしようかな。 205: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:34:12.10 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【学校エリア】 コツ…コツ… 太陽光なんか微塵も入らないし、温度も空調で制御されて一定になっているから、正直昼と夜とでこの学園に違いはない。 ただそれでも昼間より無機質に感じるのは、私以外のみんなが眠っているという事実がそうさせるんだろう。 階段を上り、上の階へ。 そういえばまだ私は自分の目で5階は確認していなかったな。めぐるの話を自分で確かめて見るのもいいかもしれない。 そんなふうに考えながら一段一段登っている時だった。 ……ズズ 灯織「……ん?」 (二階の男子トイレ?から、聴き慣れない音がしたような……) 灯織「……入って、確かめてみる?」 (いやいや!流石に……異性のトイレに入るのは倫理的にも問題があるし……万が一、他の人に見られでもしたら……) 灯織「……いや、なにを言い訳してるんだろう」 この学園で、そんなしがらみに囚われていたら前に進むことなんてできないのはこれまでの経験でも分かりきってること。 さっきはその一歩をモノクマに遮られたけど、今ここにはこの一歩は妨げるものはない。 灯織「……行こう!」 私は無駄に仰々しく意志を固めると、そのままお手洗いの扉を引いた。 206: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:35:21.58 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【2F 男子トイレ】 灯織「だ、男子トイレってこんな感じなんだ……」 よくよく考えれば男子トイレなんてこれが人生で初めての入室かもしれない。 個室以外に壁にくっつく形で設置されているのは、小便器……なんだよね。全然見慣れない。 灯織「……あれ?」 小恥ずかしさから脱せず、しばらく視線のやり場に困っていたけど冷静を取り戻すとともにあることに気がついた。 並んでいる個室トイレの一番奥、そこだけ扉が半開きになっている。 この学園にいるのは私たちだけ、利用者なんているはずもない。となるとさっきの音は……ここだ。 その個室を覗き込めば、タイルの壁があるはずの空間にはポッカリと人一人潜れるぐらいの穴が空いている。 偶然開いた風ではない、ちゃんと切り取られた空間。 灯織「……隠し通路?」 途端に心臓が破裂しそうなほどに拍動する。 聞こえるはずのないドクンドクンという音が耳元でうるさい。 緊張、不安、怯え……そういう感情がごちゃ混ぜになって体が震えだす。 だからそれは、武者震いということにした。 この穴の先に感じているのは、期待と興奮。そういうことにして。 無理やりにその一歩を踏み出した。 207: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:36:07.22 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【謎の空間】 その空間は異常なまでに無機質だった。 コンクリートが打ちっぱなしの教室に、簡素な机と本棚。 照明も白熱電球で、明かりとして頼りない。 まるで独房のような、冷たくなんの匂いもしない空気が漂っている。 灯織「この空間は、一体……?」 男子トイレの最奥、明らかに人目を避ける目的で設けられた部屋だ。 この、簡素なつくりの部屋には隠しておきたい秘密があるはず。 灯織「……よし!」 ……隅々まで、調べ尽くす! 208: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:37:43.95 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【本棚】 本棚はスカスカ。数冊の本を収めるには私の背丈以上の本棚は流石に過剰な大きさじゃないかな。 まず目についた青いファイルを手に取る。ラベリングには【希望ヶ峰学園歌姫計画】と書かれている。 『超高校級のアイドル、超高校級のマネージャーをはじめとした学園の生徒協力のもと日本のエンタメ産業を担う新時代の“歌姫”を育成する計画』 『人為的に才能を生みだす意図ではなく、環境からのアプローチで才能を伸ばすことを目的とする』 『計画には現役のアイドルに参加してもらい、学園の生徒同様のトレーニングを実施する。適宜別のメニューも考案し、“超高校級”に匹敵する実力を習得する。成功した暁には、その生徒を【超高校級の歌姫】として迎え入れる予定』 ……こんな計画が行われてたんだ。 超高校級のアイドルって、あの舞園さやかさんのことだよね……もし彼女と一緒にトレーニングさせてもらえたら、大きな成長を見込めそう。 なんだか羨ましくなっちゃうな。 でも、この学園は今こんな状態なわけだし……実際には実施されたわけでもないのかな。 続いて手に取ったのは赤のホルダーファイル。 膨大な数の紙がクリッピングされている、全部に目を通すのは厳しいけど……ザッピング的に見てみよう。 図説……これは、この学園の見取り図?各階ごとに解説が纏められている。 そこには、この隠し部屋のことも。男子トイレから繋がるこの空間は意図して作られたものみたい。 それと気になるのは、自分たちでは入ることのできない部屋。 情報処理室と生物室の2部屋が気になるな。何に使われている部屋なのか、どんな間取りなのか……ある程度掴めるかもしれない。 情報処理室は……なるほど、コンピュータがいくつも並んでいる。これは図書室にあったおもちゃとは別物、だよね。 さらにその奥にはもう一つ部屋があるみたい。そっちの情報は書いてない……? いや、情報がないということは、むしろその部屋が重要なことの証拠。他の書類と併せて見ることで考察を深めて見るのがいいかも。 そして生物室。こちらは予想と違ったな……実験台などはほとんどなく、あるのは冷凍庫?かなりの収納スペースがあるみたい。何に使うんだろう……? うーん、具体的に新たに得られた情報はあまりないかも。でも、見取り図としては使えそうだし、有力な材料かも。 209: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:38:50.86 :W2C/KaPl0 ------------------------------------------------- 【机】 本当に簡単な作りの木製のデスクだ。 ただ、こんなところにあるのに不思議と埃が溜まっていない。……ということは、誰かが近いうちに使っていたことの現れになる。 そして気になるのは引き出し。 物を隠すなら、この中だよね。鍵すらついていない辺り、ここに私たち生徒がやってくることは想定していないんだろう。 一つ目の引き出しを引くと現れたのは……弾薬? ドラマとかで見るのとは少し違う角張った形だ。リボルバー式の拳銃とかじゃ使えない、何か専用の銃がありそうなものだ。 危険物には変わりないし、これも回収しておいたほうがいいかな……? そして2つ目の引き出しを引くと現れたのは……一枚の紙切れ。 メモ用紙を破ったような簡素な一枚。 それを軽い気持ちで手にして、裏へと目を向けた。 もしかしたらただのゴミで、手がかりなんか皆無の証拠未満の品かもしれない……そんな感じで本当に、軽い気持ちだった。 210: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:39:45.41 :W2C/KaPl0 『このコロシアイは浅倉透のため』 「……え?」 ガンッ 迂闊だった。 そもそも私がこの部屋に気づいたのは、物音がしたから。 なら、何者かがそこに出入りしていたということ。その【何者か】を完全に見落としていた。 突然の後頭部への強い衝撃は、一瞬で世界を揺るがせ、私を地に伏させ、意識を手離させるには十分すぎた。 犯人の姿を見ることすらなく、私はわずか数秒のうちに……………… 211: ◆zbOQ645F4s:2021/07/24(土) 22:40:15.14 :W2C/KaPl0 ______意識を失った。 217: ◆zbOQ645F4s:2021/07/27(火) 20:02:00.39 :Ai6SuBuE0 ……あれからどれくらいの時間がたったんだろう。 目を覚ますと私は冷たい床の下、あの白熱電球の薄明かりの中にいた。 立ち上がると後頭部がガンガンと痛む。 腫れ上がってないかな、タンコブになってないかなと摩りながら立ち上がると、衝撃的な光景を目にした。 「…………ない」 本棚に入っていた数冊の本とファイルは忽然とその姿を消し、机の引き出しを引いてもそこには何一つなくなっていた。 「……やられた」 私が意識を失っている間に、あの何者かが全て持ち出してしまったんだ。 せめて姿さえ見ることができれば、何か手掛かりになったかもしれないのに。 それすらできず、気絶してしまって…… この足元のふらつきは、気絶の反動か自分自身に対する落胆か。 ひとまず私はふらつきながらも部屋を後にした。 218: ◆zbOQ645F4s:2021/07/27(火) 20:03:22.23 :Ai6SuBuE0 ------------------------------------------------- 【2F 男子トイレ前】 めぐる「えぇーーーーーー?!」 灯織「め、めぐる……?」 しまった、気を失っているうちにもう夜時間が空けていたんだ。 めぐるは男子トイレから出てきた私をみて凍りついてしまった。 灯織「違う、違うのめぐる……これはそういうことじゃなくて……」 めぐる「う、うん……?」 灯織「細かいことは後で話すから、とりあえず今は落ち着いて」 めぐる「わかった、灯織のことを信じるよ……」 (どんな勘違いをされてるんだろう……) 219: ◆zbOQ645F4s:2021/07/27(火) 20:04:48.62 :Ai6SuBuE0 ------------------------------------------------- 【食堂】 めぐると二人で食堂に行くと、そこには誰もおらず。 私は座って他のみなさんが戻るのを待つように指示された。 昨日まで塞ぎ込んでいたこともあって、朝食に顔を出さない私をみなさんはかなり心配してくださったらしい。 私を視界に捉えると愛依さんはまた駆け寄ってきてガクガクと肩を揺すった。 灯織「すみません、またしてもご心配をおかけしてしまって……」 愛依「ううん!灯織ちゃんが無事なのがマジで一番だから!大丈夫?どうしたん?!」 灯織「そうですね、まずは何があったのかをお伝えしないと……」 めぐる「うん!灯織が男子トイレから出てきた理由を聞かせてよ!」 灯織「え」 めぐる「……あれ?」 摩美々「灯織、もしかして……」 灯織「ち、違います!もしかしてに続くものが何か分かりませんが、とりあえず違うと思います!」 220: ◆zbOQ645F4s:2021/07/27(火) 20:05:56.40 :Ai6SuBuE0 灯織「私は昨晩みなさんとお別れしてから、その……眠りにつくことができず、学園の散策に向かったんです」 雛菜「灯織ちゃん、夜時間って出歩き禁止じゃなかった〜?」 灯織「それは……ごめん、申し開きもできない」 智代子「まあまあ、とりあえずはそれで夜の散策で何があったのかを聞いてみようよ!」 灯織「二階へ登っていた時、何かを引きずるような音が……男子トイレから聞こえてきたんです。昨晩、情報処理室に入ろうとしたところをモノクマに妨害されたこともあって、はやる気持ちもありました」 めぐる「それで灯織は男子トイレに入っちゃったんだね?」 灯織「うん……そうしたら、その中の一室。壁が隠し扉みたいになっている部屋があって、私はその中に入ったんです」 愛依「か、隠し扉?!マジで?!」 摩美々「……男子トイレじゃぁ、ここまで発見できなくてもおかしくないですねー」 智代子「そ、それで?!何をみたの?!」 灯織「うん……順を追って説明するね」 現物を持ち出すことはできず、何者かに持ち出されて手元にないので私の記憶の中からの話になる。 思い出せる限りで、情報の全てを伝えた。 221: ◆zbOQ645F4s:2021/07/27(火) 20:07:20.56 :Ai6SuBuE0 摩美々「『希望ヶ峰学園歌姫計画』……」 灯織「みなさん、聞いたことは……?」 愛依「ううん、初耳。全然聞いたことない……」 めぐる「希望ヶ峰学園って才能の研究をやってる学園だし、やっぱり変わったことをやってたんだね!」 智代子「わたしのチョコアイドルとしての個性もグンと伸ばせたりしたのかなぁ」 摩美々「…………それより、気になるのはやっぱり紙切れの方じゃない?」 雛菜「……うん、雛菜もそっちの方が気になる」 愛依「雛菜ちゃんに心当たりは無い系?」 雛菜「はい〜、透先輩がここに来てから変わった様子もなかったですし、コロシアイなんてそれまで一言も口にしたこともないですよ〜?」 智代子「透ちゃん本人はもう亡くなっちゃってるし、謎のままだね……」 めぐる「大体コロシアイに誰かのためも何もないよ!絶対に許されないことなのに!」 (それはそう、なんだけど……何かこの言葉には大きな裏がありそうな気がしてるんだよね……) 222: ◆zbOQ645F4s:2021/07/27(火) 20:09:35.72 :Ai6SuBuE0 摩美々「浅倉透のためってことはぁ、透にこのコロシアイを捧げるって意味合いだよねー」 摩美々「円香の暴走と何か関係があったりしないのかなぁ」 雛菜「円香先輩が何かを知ってるってことですか〜?」 智代子「うーん、でも円香ちゃんが変わっちゃったのは小糸ちゃんの事件が起きてからだしなぁ」 摩美々「円香が知ってたことじゃなくて、円香が暴走することまでが浅倉透のためのコロシアイ……だったりしてー」 (……え?) 摩美々「このコロシアイ、誰かの描いた絵図通りになってるような気がしてたんだよねー。まるで、あらかじめ存在していたシナリオをなぞるようなコロシアイっていうかぁ」 (ここで起きた事件が、何かをなぞっている……?いや、そんなこと……ありえない) (真乃も、樹里も、霧子さんも、凛世も……事件が起きた理由は彼女たち自身の葛藤や苦悩から来たものなんだ) (人の感情を予想したシナリオなんて……組めない、はず……だよね……) 灯織「すみません、現物を持ち出すことができず……あろうことか襲撃されてしまうなんて」 愛依「ううん!灯織ちゃんが無事だったことが一番なんだし気に止む必要ないって!」 摩美々「それにしても、灯織を襲ったのって誰なんですかねー」 雛菜「やっぱり、黒幕なんじゃないですか〜?雛菜たちはモノクマの監視でクタクタになってましたし、夜時間の間はぐっすりでしたよ〜?」 めぐる「うん……流石にわたしたちの中の誰かってことはないと思うな!」 摩美々「……」 223: ◆zbOQ645F4s:2021/07/27(火) 20:12:14.06 :Ai6SuBuE0 摩美々「もし灯織を襲ったのが黒幕なら、灯織は警戒しておくべきかもしれないねー」 灯織「え?」 摩美々「ファイルが持ち出されていたところを見るに、その情報は黒幕にとっても重要機密。それを知ってしまっている以上、灯織の存在はかなり厄介に感じているだろうからぁ」 それもそうだ。もしかすると黒幕はあの後頭部への一撃で私のことを殺そうとすらしていたのかもしれない。そう思うとゾッとする。 ……と同時に、私はあの黒幕の急所に辿り着けたのだという効力感を抱いた。 この痛みは、これまでで一番の進歩を物語っているんだ。 灯織「ご忠告ありがとうございます、でも大丈夫です。私には、信頼出来る皆さんがいますから。そう簡単に殺されはしませんよ」 雛菜「あは〜?灯織ちゃん、はじめの頃から見ると図々しくなっちゃったね〜!」 灯織「ふふ、そうかも。でもこれは本当の気持ちなんだ。ここまで一緒に生き残ってきたみなさんのお力があれば、黒幕にも負けることはないって思うから」 めぐる「うん!ぜ〜〜〜ったいに!黒幕に灯織を殺させなんかしないよ!」 摩美々「摩美々もここで灯織を殺されたら困るので、協力ぐらいはしてあげますー」 愛依「うん、何かあったらうちらにすぐ言って!いつでもどこでも助けに行くから!」 智代子「頼りないかもしれないけど、精一杯力になるよ!」 灯織「……はい!」 こうして私たちは食堂を後にした。 命がけで手にした大きな手掛かり、これが学園の真実と黒幕の正体に近づく大きな一歩なんだ……! 224: ◆zbOQ645F4s:2021/07/27(火) 20:14:06.14 :Ai6SuBuE0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 さて、休んでいる暇はないな。 後頭部は少し腫れちゃってるけど、このぐらい平気。 それより今は皆さんと協力して前に進むことの方が大事だよ。 絶対に真実に辿りついてみせる……! 【自由行動開始】 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル138枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 225:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/27(火) 21:13:23.78 :7Vbdrbcno 2.円香 参加遅れた…… 230: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 21:55:08.65 :OG0SNMWi0 2 円香選択 【円香の部屋】 私があの空間で見つけた、「このコロシアイは浅倉透のため」という謎のメッセージ…… その真相を明らかにするに、どんな手掛かりでも欲しい…… そう思って歩いていると、自然と彼女の部屋の前にたどり着いていた。 樋口さん……あの裁判以降、どう動いているんだろう…… めぐるが探索の時に一度出会ったとは言っていたけどそれ以降の詳細は不明だ。 ピンポーン 出るはずも、ないか_____ ------------------------------------------------- 【5章における樋口円香の交流について】 樋口円香は本章では灯織からでは出会うことすら叶わない状況下にあります。 この章においては雑談パートは発生しません。 プレゼントを部屋の前に置いておくことで渡すこと自体は可能なので、親愛度上昇の判定は発生いたします。 ------------------------------------------------- なにかプレゼントを置いておけば、反応があるかな……? ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】×2 【おでこのメガネ】×2 【はっぱふんどし】×2 【白うさぎの耳あて】 【もちプリのフィギュア】×2 【ラジオ君人形】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【毛虫くん】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【聖徳太子の地球儀】 【ミレニアム懸賞問題】 【携帯ゲーム機】 【プロジェクトゾンビ】 【動くこけし】 【オブラート】 【スモールライト】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】×2 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ログインボーナス】 ↓1 231:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/30(金) 21:59:45.70 :a7qEOMLF0 スカラベのブローチ 233: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 22:04:50.34 :OG0SNMWi0 【スカラベのブローチを置いておいた……】 樋口さん、今は会うこともできないけど…… 私たちはずっと仲間だと思ってる、その証明としてこれを置いていくよ…… ~~~~~~~ 円香「……なにこれ、プレゼントボックス?」 円香「……」 円香「……ひっ」ビクッ 円香「虫をかたどったブローチ……?なにこれ、敵対の意志表明……?」 円香「……そっちがその気なら、こっちも遠慮なくいっていいってこと?」 円香「……上等」 (うっ……別のものを渡せばよかったかな……) 【親愛度が上昇しました!】 【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】 【現在の樋口円香の親愛度…7.5】 235: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 22:06:36.54 :OG0SNMWi0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 樋口さんに渡したプレゼント、あれで釣るわけじゃないけど何かしらのとっかかりにならないかな? ……可愛いブローチだったし、喜んでもらえるといいけど。 灯織「まだ少しだけ時間はあるかな」 【自由行動開始】 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル138枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 236:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/30(金) 22:08:05.40 :a7qEOMLF0 雛菜 238: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 22:16:02.96 :OG0SNMWi0 2 雛菜選択 【植物庭園】 雛菜「ぬくぬく~~~♡」 灯織「あ、雛菜……お疲れ様、今は調査中?」 雛菜「う~ん、今はただの日向ぼっこかな~」 灯織「そ、そうなんだ……」 雛菜「円香先輩にももしかしたらどこかで会えないかな~とか思わなくもなかったり~」 灯織「……雛菜」 (そういう割にニワトリ小屋をのぞき込んだりしているのはなんなんだろう……) ------------------------------------------------- 【親愛度がMAXになっているキャラの交流について】 これ以上ないほど灯織との友情が成熟しているキャラからはもうスキルを得ることはできません。 代わりに交流の終わりにコンマ判定を行い、その末尾に応じた枚数分のモノクマメダルを獲得できます。 ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×2 【あしたのグローブ】×2 【おでこのメガネ】×2 【はっぱふんどし】×2 【白うさぎの耳あて】 【もちプリのフィギュア】×2 【ラジオ君人形】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【毛虫くん】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【聖徳太子の地球儀】 【ミレニアム懸賞問題】 【携帯ゲーム機】 【プロジェクトゾンビ】 【動くこけし】 【オブラート】 【スモールライト】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】×2 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ログインボーナス】 ↓1 239:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/30(金) 22:21:28.10 :a7qEOMLF0 もちぷりフィギュア 240: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 22:24:27.95 :OG0SNMWi0 【もちプリのフィギュアを渡した……】 灯織「雛菜、これどうかな」 雛菜「……え゛っ゛」 灯織「ひ、雛菜……?」 雛菜「灯織ちゃん、これ……もしかして、雛菜に『かわいい』ものを渡そうとしてコレ持ってきたの……?」 (そ、そんな怪訝そうな目で見ないで……) (うっ、別のものを渡せばよかったな……) ------------------------------------------------- 雛菜「……」 灯織「……雛菜?」 雛菜「あっ、ごめん灯織ちゃん……ちょっとだけ考え事~」 (雛菜が私に心を開くようになって数日、気兼ねなくお互い話はできるようになったけれど……) (時々こうやってどこか物憂い気な表情を浮かべることがある) (これはきっと私に対する関わり方ではなく、樋口さんの幼馴染であることによって生じる負い目のようなものなんだろう) 灯織「雛菜、樋口さんのことだよね?」 雛菜「あは~……やっぱ灯織ちゃんにはバレちゃってる~?」 灯織「雛菜はわかりやすいから。……まあ、私も人のことは言えないんだけどね」 雛菜「だよね~、灯織ちゃんってばお腹がすいてるときって露骨に『空腹~』って顔してるから」 灯織「えっ?!そんなに分かりやすい?!」 雛菜「あは~~~~!灯織ちゃんの分かりやすいのってそういうとこだよね~~~!」 雛菜「アンティーカの子がよくからかうのも気持ちがわかるな~!」 灯織「……もう、雛菜」 1.誤魔化さなくていいから 2.雛菜、間違っても一人で抱え込まないでよ 3.自由安価 【本セリフ指定安価で同時にモノクマメダル獲得枚数のコンマ判定を行います】 ↓1 241:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/30(金) 22:29:00.81 :a7qEOMLF0 2 242: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 22:39:52.80 :OG0SNMWi0 2 選択 灯織「雛菜、間違っても一人で抱え込まないでよ」 雛菜「え~?」 灯織「言ったでしょ、雛菜はわかりやすいって。今、雛菜が樋口さんのことで一人で責任とか後悔とか……一人で色々と背負い込もうとしてるのが丸わかりだから」 雛菜「……」 灯織「その……雛菜は優しいし、万が一のことがあれば……私は悲しい」 雛菜「……灯織ちゃんは心配性だな~」 灯織「……なっ!」 雛菜「灯織ちゃんも知ってるよね~?雛菜は、灯織ちゃんのおかげで変わることができた、幼馴染とそれ以外のみんなとの間にあった線を飛び越えることができたって~~~!」 雛菜「それに、雛菜は灯織ちゃんが側にいてくれてることは知ってるから!灯織ちゃんが悲しむことは雛菜もしあわせじゃないし~」 灯織「雛菜……その言葉に嘘はないんだよね」 雛菜「うん~~~♡なにかあればまず相談、それがお友達でしょ~?」 灯織「……うん、信頼してるよ」 (大丈夫、今の雛菜なら間違いは起こらない、起こさせない) (それが私たちの培ってきた、積み重ねて来た絆……) 【コンマ判定81】 【モノクマメダル1枚を手に入れました!】 【現在のモノクマメダル枚数…139枚】 ------------------------------------------------- 【スキル:一番星の魔法を発動できます】 【モノクマメダルを10枚消費して自由行動を追加できます】 【現在のモノクマメダル枚数…139枚】 【スキル:一番星の魔法を使用しますか?】 ↓1 243:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/30(金) 22:42:39.46 :Byq+S8buO 使う 244: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 22:44:20.37 :OG0SNMWi0 【スキル:一番星の魔法を使用しました】 【残りのモノクマメダル枚数…129枚】 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 樋口さんのあの一言で、みんな大きく変わってしまっている。 私がふさぎ込む一方で、雛菜のように何かを考え込んでいる人もいる。 ……何も間違いが起きなければいいんだけど。 【自由行動開始】 灯織「まだ、時間はあるかな」 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル129枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 245:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/30(金) 22:44:52.97 :a7qEOMLF0 めぐる 246: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 22:49:15.62 :OG0SNMWi0 2 めぐる選択 【体育館】 灯織「めぐる……?何してるの、こんなところで」 めぐる「あっ、灯織ー!えっとね、この前モノクマがここで動かなくなってたことで何かヒントが残ってないかって思ったんだー!」 灯織「そっか……どうだった?」 めぐる「うーん、手掛かりは何も……」 灯織「そっか……」 めぐる「でもでも、絶対に諦めないよ!あのモノクマの挙動……何か秘密があるはずだからねっ!」 (めぐるの底なしの明るさ……それがある限り、私はまだ戦っていける……) ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×2 【あしたのグローブ】×2 【おでこのメガネ】×2 【はっぱふんどし】×2 【白うさぎの耳あて】 【もちプリのフィギュア】 【ラジオ君人形】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【毛虫くん】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【聖徳太子の地球儀】 【ミレニアム懸賞問題】 【携帯ゲーム機】 【プロジェクトゾンビ】 【動くこけし】 【オブラート】 【スモールライト】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】×2 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ログインボーナス】 ↓1 247:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/30(金) 22:51:45.06 :g566MPpK0 ミネラルウォーター 248: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 23:01:55.36 :OG0SNMWi0 【ミネラルウォーターを渡した……】 灯織「これ、めぐる。使って」 めぐる「ん?……わぁ!水だ!ありがとう灯織!わたしのために持ってきてくれたの?!」 灯織「うん、めぐるは何かと毎日走り回ったり私たちのために尽力してくれたりでエネルギーを使ってるから……水分補給をおろそかにしたら駄目だよ?」 めぐる「うん!灯織はわたしのことを気遣ってくれて優しいなぁ……ありがとう!」 灯織「ううん、これぐらいなんてことないよ」 【PERFECT COMMUNICATION】 【親愛度がいつもより多めに上昇します】 ------------------------------------------------- めぐる「灯織!灯織灯織灯織ー!」 灯織「めぐる……どうしたの?」 めぐる「えへへ、呼んでみただけ!なんだか、灯織の名前が呼びたいなーって!」 灯織「もう……なにそれ」 めぐる「灯織の名前を口に出すと、なんだかすごく力がもらえるんだよ!」 灯織「力?そんなの私がむしろめぐるから貰ってることで……」 めぐる「ちがうよちがうよ!わたしも灯織に力をもらってばっかりなんだから!」 灯織「もぅ……」 めぐる「わたしには灯織がいる、かけがえのない仲間がいる……この仲間を失っちゃダメなんだぞって!」 (めぐるの言う『力』は……真乃を失ったことに基づくものなのかもしれない) (イルミネはもう、あのトライアングルを描くことはない……それを寂しく思う気持ちは私にだってある) (それが無自覚なうちに、意識することなく、私への執着という形で現れたのが、今の掛け合いなのかもしれない) 1.じゃあ今度は私からめぐるの名前を呼んじゃうから 2.めぐる、手を握ろっか 3.自由安価 ↓1 249:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/30(金) 23:06:03.63 :VLbhsbmS0 2 250: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 23:10:40.11 :OG0SNMWi0 2 選択 灯織「めぐる……手、握ろっか」 めぐる「へ?」 灯織「私とめぐるは切っても切れない仲間、いつまでもどこまでも切れない絆を持っている。それを改めて確認したいなって」 めぐる「う、うん……」 ギュッ 灯織「めぐる……どうかな」 めぐる「……灯織の手、つめたいね」 灯織「え?!ご、ごめん……」 めぐる「ううん!ちがうの!……ほら、手が冷たい人って心はあったかいって言うでしょ?」 めぐる「それをわたしは知ってるから!この手から感じるものが、灯織の優しさの表れだって思うと……なんだか離したくなくなっちゃう!」 灯織「そ、そんな……照れるから」 めぐる「えへへっ、灯織!」 灯織「……もう」 めぐる「灯織灯織灯織ーーーー!!」 灯織「……もうったら……」 【親愛度が上昇しました!】 【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】 【現在の八宮めぐるの親愛度…2.5】 ------------------------------------------------- 【スキル:ポシェットの中にはの判定に移ります】 【直下コンマの末尾の数字と同じ枚数のモノクマメダルを獲得できます】 ↓1 251:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/07/30(金) 23:16:37.48 :g566MPpK0 あ 252: ◆zbOQ645F4s:2021/07/30(金) 23:19:05.66 :OG0SNMWi0 【コンマ48】 【モノクマメダル8枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル枚数…138枚】 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 ピンポーン こんな時間に来訪者。……流石に黒幕がインターホンを鳴らしてはやってこないよね。 ある程度緊張を解いて来客を受け入れる。 扉を開くと、そこに立っていたのは…… めぐる「こんばんは、灯織!」 灯織「めぐる……どうしたの、何か用事?」 めぐる「えへへ、用事って言うか少し心配で……」 灯織「もしかして、私が黒幕に襲われないかってこと?」 めぐる「うん……灯織は今怪我もしてるから、万が一のことがあったら心配なの」 灯織「ありがとうめぐる……でも大丈夫、夜はちゃんと施錠してこの部屋に閉じこもるつもりだから」 めぐる「う~~~ん、足りないんじゃないかな。だってモノクマはいつでもどこでも出てこれるんだよ?鍵だけじゃ心配だよ~!」 灯織「そ、それはそうだけど……」 めぐる「ねえ灯織、今から一緒に護身用の武器を取りに行かない?何か自分の手で使える武器があった方が安心だよ!」 めぐるの口から武器なんてものが出てきて少し驚いたけど、めぐるの言う通りだ。 夜時間の個室は絶対安全なように見えて、その実自分を閉じ込める檻のようなもの。黒幕相手じゃ心細い。 灯織「でも、護身用の武器なんてどこに……」 めぐる「わたしにいい考えがあるんだ!体育館の前のトロフィとかの陳列スペース、あそこに立派な模擬刀があったと思う!」 灯織「模擬刀……確かに私でも使い方がわかるし、護身用にはいいかもね」 めぐる「よし、そうと決まったら善は急げだよーーー!」 読む →
2021年06月27日 15:00 【シャニマス】P「夏葉と樹里」 元スレ 全てのレス 1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/06/27(日) 09:36:38.702 :++eGgY78p.net 夏葉(私の名前は有栖川夏葉、世界一以外は目指さない283プロダクションのアイドルよ!) 樹里「おーい、夏葉ー」 夏葉(そして、こちらは西城樹里。とても頼りになる私のユニット仲間よ!) 樹里「話ってなんだよ?アタシだけじゃなく、プロデューサーまで呼んで…」 P「何かあったのか?」 読む →
2021年06月23日 12:00 果穂「チョコ先輩!“お◯にー”ってなんですか!」 元スレ 全てのレス 1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/06/23(水) 00:29:40.936 :+lJbmN010.net 智代子「ちょっ……!果穂いきなりどうしたの!?」 果穂「クラスの男子に訊かれました!『小宮はおなにーしたことあるのか』って!」 樹里「ちょっとその男子ぶん殴ってくる……!」 智代子「樹里ちゃん、落ち着いて!気持ちはわかるけど!」 読む →
2021年06月22日 18:00 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 後編 関連SS 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 前編 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 中編 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 後編 元スレ 全てのレス 533:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/21(水) 14:26:40.66 :cc1ZwoO6O P(人の才能を見抜く――だなんて、簡単なことじゃない) P(世の中に天才は一定数いるけど、それでも圧倒的な天才だらけじゃないから) P(天才にもいろいろいる。天才なのに知名度が低いなんてまったくもって珍しいことじゃないんだ) P(才能に貴賎はないが、才能ごとの中では貴賎はある) P(アイドルで言えば、そう……歌、ダンス、演技、見た目――なんでもいい。放っておいても人をひきつける圧倒的な天才……) P(そんなものをお目にかかれる機会なんて巡ってくるのだろうか……俺は、そう思っていた) P(けど、思ったよりも早く――) 「よっ……ほっ……っと」 P(それは、偶然か、必然か) 「――ここは……こう?――」 P「!」 「――っと……うん、決まった!」 P「君、ちょっといいかな?」 「? わたしっすか?」 P「ああ、さっきのダンスって――」 P(――一瞬で“それ”だと確信できる存在に、俺は出会ったんだ) 読む →
2021年06月22日 15:00 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 中編 関連SS 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 前編 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 中編 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 後編 元スレ 全てのレス 240:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2020/11/21(土) 02:19:27.80 :qQJmCYDOO P(人の才能を見抜く――だなんて、簡単なことじゃない) P(世の中に天才は一定数いるけど、それでも圧倒的な天才だらけじゃないから) P(天才にもいろいろいる。天才なのに知名度が低いなんてまったくもって珍しいことじゃないんだ) P(才能に貴賎はないが、才能ごとの中では貴賎はある) P(アイドルで言えば、そう……歌、ダンス、演技、見た目――なんでもいい。放っておいても人をひきつける圧倒的な天才……) P(そんなものをお目にかかれる機会なんて巡ってくるのだろうか……俺は、そう思っていた) P(けど、思ったよりも早く――) 「よっ……ほっ……っと」 P(それは、偶然か、必然か) 「――ここは……こう?――」 P「!」 「――っと……うん、決まった!」 P「君、ちょっといいかな?」 「? わたしっすか?」 P「ああ、さっきのダンスって――」 P(――一瞬で“それ”だと確信できる存在に、俺は出会ったんだ) 読む →
2021年06月22日 12:00 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 前編 関連SS 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 前編 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 中編 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-Straylight編- 【安価】 後編 元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2020/09/05(土) 15:44:32.58 :TUxOY/VZ0 ・シャニマスのSSです。二次創作や解釈違いを敬遠される方はブラウザバックを推奨します。 ・ストーリーは、途中提示される選択肢を安価で選ぶことによって分岐することがあります。 ・エンディングにたどり着いたら冒頭に戻ります。 ・前作は 【シャニマス】P「よし、楽しく……」-noctchill編- 【安価】 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1594223305/ ですが、読まなくても大丈夫です。また、前作を読まれた方々におかれましては、このスレでの前作のネタバレになるレスはご遠慮願います。 2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2020/09/05(土) 16:08:12.01 :TUxOY/VZ0 P(人の才能を見抜く――だなんて、簡単なことじゃない) P(世の中に天才は一定数いるけど、それでも圧倒的な天才だらけじゃないから) P(天才にもいろいろいる。天才なのに知名度が低いなんてまったくもって珍しいことじゃないんだ) P(才能に貴賎はないが、才能ごとの中では貴賎はある) P(アイドルで言えば、そう……歌、ダンス、演技、見た目――なんでもいい。放っておいても人をひきつける圧倒的な天才……) P(そんなものをお目にかかれる機会なんて巡ってくるのだろうか……俺は、そう思っていた) P(けど、思ったよりも早く――) 「よっ……ほっ……っと」 P(それは、偶然か、必然か) 「――ここは……こう?――」 P「!」 「――っと……うん、決まった!」 P「君、ちょっといいかな?」 「? わたしっすか?」 P「ああ、さっきのダンスって――」 P(――一瞬で“それ”だと確信できる存在に、俺は出会ったんだ) 読む →
2021年06月20日 15:35 夏葉「智代子がちょこかほモノのエロ本隠し持ってた」 元スレ 全てのレス 1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/06/20(日) 12:32:37.262 :FQBVS9rJp.net 樹里「果穂ぉぉぉお!逃げろぉぉお!」 智代子「誤解だから!誤解だから!」 樹里「チョコに犯されるぞぉぉぉお!」 智代子「やめて!果穂にそんな言葉教えないで!」 読む →
2021年06月09日 12:00 【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 CHAPTER 04 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 元スレ 全てのレス 全てのレス 580: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 21:56:15.69 :W8+S8sUS0 ------------------------------------------------ GAMEOVER オオサキさんがクロにきまりました。 おしおきをかいしします。 ------------------------------------------------- 581: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 21:58:33.88 :W8+S8sUS0 女の子に生まれたからには誰もが一度が夢に見る雑誌モデル。 色とりどりのファッションに身を包み、ガーリーに決めたりキュートに決めたり、おしゃれはまさに魔法のようなもの。 _______雑誌に出てくる女の子を見て、世の女の子たちはもっともっと可愛くなるのです! そんな憧れの読者モデルになるチャンスが、甘奈さんに与えられました! ------------------------------------------------- 【薄桃色に事切れて】 【超高校級のスタイリスト 大崎甘奈処刑執行】 ------------------------------------------------- 甘奈さんが走っているのは高速で動くベルトコンベアの上。 そのすぐ背後には、雑誌を模してバタンバタンと何度も繰り返し閉じるプレス機が。 もちろんその雑誌の表紙には『アプリコット』の文字が。 女の子のあこがれの雑誌といえば『アプリコット』ですよね! ……え?ちょっと古い?年代がばれるぞ? うるさいうるさい! 『kawaii』はいつの時代も万国共通なんですー! 582: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 21:59:57.74 :W8+S8sUS0 必死に必死に走る甘奈さん。 甘奈さんの横を通り過ぎて行く可愛い衣装に身を包んだトルソーの数々。 _____バタン!バタン! 片っ端から雑誌に押しつぶされていく、もとい『掲載』されていきます! 甘奈さんは掲載されたくないのでしょうか? 汗だくになって走り続けてベルトコンベアに逆らいます。 _____バタン!バタン! どんどん加速するコンベア。甘奈さんの横を流れるトルソーの数も増えていく。 おや?見覚えがありますね……あれはwing初優勝の時の衣装? あれは愛しのお姉さんとお祭りに行った時の浴衣? _____バタン!バタン! そんな思い出の服も次々に掲載掲載! そんなに悲しそうな眼をするなら、甘奈さんも一緒に掲載されてしまえばいいのにね。 それでも甘奈さんは諦めません。 流れて来るファッションアイテムの数々にぶつかり、体がボロボロになろうとも。 583: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 22:00:48.99 :W8+S8sUS0 _____バタン!バタン! そしてコンベアの道にも終わりが見えてきました。 行き着く先で待っていてくれたのは……大好きな大好きなお姉ちゃんの甜花さん。 「なーちゃん、頑張ったね」そんな声が聞こえてきます。 _____バタン!バタン! なーんて、そんなの幻聴ですよ。 お姉ちゃんだと思って甘奈さんが手を伸ばしたのは、デビ太郎パーカーを着せられただけのトルソー。 披露の果てに見てしまった幻影のお姉ちゃんと共に、最後には甘奈さんも…… _____バタン!グチャァッ! ちゃんと『掲載』してもらえましたとさ。 でも、アプリコットなんて流行おくれの雑誌に載ったところで誰も見てもらえませんよ。 廃品回収に出された雑誌の山、その頂点に『専属モデル 大崎甘奈特集』と書かれたボロボロのアプリコットがありましたとさ。 584: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 22:02:09.11 :W8+S8sUS0 ------------------------------------------------- GAMEOVER オオサキさんがクロにきまりました。 おしおきをかいしします。 ------------------------------------------------- 585: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 22:02:59.29 :W8+S8sUS0 三度の飯よりゲームと睡眠!そんな甜花さんはおしおきのときでもお布団の上。 ぬくぬくのお布団で気持ちよさそうですね。 ……でも、いつまでもそんなぐうたらではいけません。 ほら、見てください。甜花さんが『ジャンプマスター』ですよ! ------------------------------------------------- Victory Royale!! 超高校級のゲーマー 大崎甜花処刑執行 ------------------------------------------------- 甜花さんはそのまま無慈悲にも空中に投げ出されます! でも大丈夫、このゲームは3人一組で戦います。 横を見ればどこか桑山さんと甘奈さんの面影を感じるロボットたち。 甜花さんの判断に従って彼女たちは動きます。 地上に降り立った彼女たちは共に銃撃戦を突破突破! 狭まり続けるエリアの中でライバルたちをなぎ倒していきます。 しかし、強者にも隙あり。遠く構えたスナイパーの斜線にうっかり甜花さんが! _____危ない! 586: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 22:05:36.86 :W8+S8sUS0 危うく射殺されかけたその瞬間、千雪さんロボが身代わりになってくれました! ああ、美しきかなユニットの愛情! おかげで甜花さんは残りのライバルを撃ち抜いて見事一位に! ……と思うのもつかぬ間、その背後には2mを超えるような殺人鬼の姿が! 巨人のような殺人鬼相手に銃も無力。発電機を修理して早く脱出しないと! 来た道を引き返し、廃墟を潜り抜け……ようやく発見した発電機。 殺人鬼はどんどんと迫っています……早く直さなきゃ! ここから出るためには発電機を直して、ロケットを修理しなくてはいけないのです。 ですが焦る気持ちがミスを誘い、なかなか修理は進まない。 仕方ありません、キャラごとに適正というのがありますから。 そうこうしている合間に殺人鬼はもうすぐ後ろ! _____万事休すか! 587: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 22:07:06.90 :W8+S8sUS0 危うく殺人鬼の右手が甜花さんの頭をわしづかみにしかけたその瞬間! なーちゃんロボが身代わりになってくれました! ああ、美しきかな姉妹の愛情! なーちゃんロボが巨大なフックにつるされてる間に発電機を修理して無事脱出! ロケットに乗って逃げてしまおう! ……と思ったら、ロケットは今度は六角形の足場に不時着! 足場はどんどん重みで抜けていきますが、その真下はマグマが待ち構えています! ここで生き残るには、他の参加者を蹴落とすほかありません! そんなの、非力な甜花さんには無理ゲー……と思っていたら……?! なんと、この足場で戦っているのはゆるふわな着ぐるみたちではありませんか! ______にへへ……これなら甜花も戦える……! 588: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 22:08:50.84 :W8+S8sUS0 細腕で手押し相撲の要領で押し出し寄り切り、順調に勝ち残る甜花さん。 この調子この調子!……と、次の着ぐるみに手をかけた時。 ___ずるんっ。 ついうっかり着ぐるみの皮を剥いでしまいました。 ダメだよね、そんなことしちゃ。ゲームは人々にとって癒しを求める夢の世界。 たとえ開発者だろうと夢をぶち壊すような真似をしちゃダメだよね。 まして着ぐるみの中に【骨格のねじ曲がった人間のような化け物】がいるんじゃ、それを明るみにしちゃあ……お終いよ。 ______ドボン! 残念ながら甜花さんのすべてをかけたバトルロイヤルではドン勝も生存も優勝もできませんでしたとさ。 いやぁ、ゲームって難しいですね。 589: ◆zbOQ645F4s:2021/05/21(金) 22:11:53.47 :W8+S8sUS0 突発的ですが、大崎姉妹のおしおきで少しばかり更新させていただきました。 と言いますのも、最近のご時世の影響もあり、 今月末より開始予定だった大きな用事が丸々無くなってしまったので4章執筆の時間をとることができちゃいまして… 近いうちに4章を更新したいのですが、よろしいでしょうか? 5/22(日)21:00~で今のところ考えています。 突然のお知らせで申し訳ない! 591:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/22(土) 02:31:59.46 :MccJ93eBo 乙乙 592: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:03:31.41 :jdC9QLoi0 予定通り4章より再開いたします。 学級裁判をはさんだので4章開始段階での情報を整理するところから開始します。 ------------------------------------------------- 【4章現在での主人公の情報】 【超高校級の占い師】風野灯織 ・習得スキル 【一番星の魔法】 〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕 【ポシェットの中には】 〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕 【意地っ張りサンセット】 〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕 【包・帯・組・曲】 〔学級裁判で不正解時のペナルティをわずかに軽減する ※効果は後に調整します〕 ・現在のモノクマメダル枚数…91枚 593: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:04:53.91 :jdC9QLoi0 ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【携帯ゲーム機】 【古代ツアーチケット】 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 ------------------------------------------------- 【ここまでの親愛度】 ・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】 ・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公) ・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0 ・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0 ・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……3.5 ・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……7.5 ・【超高校級の幸運】園田智代子……3.0 ・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】 ・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……2.0 ・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……3.0【DEAD】 ・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0【DEAD】 ・【超高校級のギャル】和泉愛依……2.0 ・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】 ・【超高校級のディベート部】樋口円香……0 ・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……7.0 ・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】 594: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:05:34.81 :jdC9QLoi0 ???「お疲れさまで〜す♡」 595: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:06:49.37 :jdC9QLoi0 ???「……誰もいないじゃない、はぁ」 ???「レッスンまでそんなに時間ないわよね?あいつら、時間ギリギリで来るつもり?……はぁ、ったく」 ???(暇つぶしにテレビ見るくらいいいわよね……?) ピッ 『今後の業務体制を見直し、連携の強化を図っていくものと思われます』 ???「なーんも面白い話題ないわねー……つまんない世の中」 『与党議員の献金不正受給問題を受け、国会では本日も野党議員から厳しい追及がなされました』 ???「そうっすかね?冬優子ちゃんは、どういうのが見たいんすか?」 冬優子「ひゃああああ?!あんた、いっつも音出さずに現れるのはやめなさいって言ってるでしょ?!」 あさひ「別に何もしてないっすよ。冬優子ちゃんが鈍いだけっす」 冬優子「うっさい!」 596: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:07:55.35 :jdC9QLoi0 あさひ「で、何見てたんすか?」 冬優子「ニュースよニュース、こういうのでも仕入れとくとトークの引き出しの質が変わってくんの」 『金融大手M銀行で先日発生したATMの不具合を受け、代表取締役のA氏が会見を開き……』 あさひ「でも、つまんないんすよね?」 冬優子「まあねー……企業の合併とか、政治とか……そんなのふゆたちが下手に口出すと炎上の元よ。もっと新しいスイーツとかそういうのを仕入れないと」 『続いてのニュースです』 あさひ「ふーん……そういうものなんすね」 冬優子「そういうこと」 『近年増加している若者の連続失踪事件について、警察当局は専用の捜査本部を立ち上げ、操作を本格化することが決定しました』 冬優子「あんたももう少しマシなトークテーマを考えてちょうだい、いっつもその場その場で話してるでしょ?」 あさひ「えっ、ダメなんすか」 『相次いで失踪する人々には、共通してインターネット上に存在する通称裏サイトにアクセスしていた痕跡があるため、サイバーセキュリティに強い専門部署を積極的に登用していく見通しです』 597: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:08:49.32 :jdC9QLoi0 冬優子「いっつもあんたが横で何話すかこっちは気が気じゃないの。この前も大御所俳優にもらったカブトムシの話なんか急に持ち出すから焦ったじゃない!」 あさひ「あはは、すごいおっきなカブトムシもらったんすよ?」 『なお、失踪した方と思われる遺体が発見される事件もこれまでに数件起きており、警察は事実関係を調査中です』 冬優子「知らないわよそんなこと、もっとアイドルらしい話をしなさい」 あさひ「え〜、つまんないっす」 『続きましてスポーツです!プロ野球シーズンが開幕し、今年も……』 冬優子「ていうかなんか愛依遅くない?あいつ何してるわけ?」 あさひ「愛依ちゃんなら今日は■■■■■っすよ?」 冬優子「え?あー……そういえばもうそんな時期だったのね」 あさひ「わたしも早く行ってみたいっす、■■■■!」 冬優子「はいはい、いい子にしてたらプロデューサーが連れてってくれるわよ」 あさひ「えっ?!そうなんすか?!」 冬優子「……多分ね、知んないけど」 あさひ「やったっす〜〜〜!わくわく〜〜〜!」 598: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:09:36.22 :jdC9QLoi0 ------------------------------------------------- CHAPTER04 Marionetteは絶望と眠る (非)日常編 ------------------------------------------------- 599: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:10:48.99 :jdC9QLoi0 【食堂】 霧子さんの事件の翌日、私たちは朝礼のために食堂に集まっていた。 咲耶「さあ、今日も頑張ろうじゃないか!」 摩美々「もう、咲耶張り切りすぎー」 昨晩の霧子さんの裁判、そこで受けた精神的なショックは大きなものだったけど… めぐるの熱いエールのおかげで、私たちは立ち直るどころか、やる気に満ち溢れてすらいた。 愛依「うちだってやる気じゃ負けないかんね!今回こそ脱出口見付けちゃうっしょ!」 めぐる「えへへ、わたしも負けないよー!」 (それは空元気のようなものだったかもしれない) (でも、そうだとしても……凹んでいるより、よっぽどマシだ) 智代子「う〜ん、でも肝心のモノクマがなかなか来ないね……」 摩美々「どうせ新エリア広げるんだろうしさっさと用件すましに来て欲しいですよねー」 モノクマ「こんちゃーす!モノクマ登場でーす!」 愛依「出た、モノクマ!」 600: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:12:19.23 :jdC9QLoi0 咲耶「四階が解放されたんだね?」 モノクマ「あーちょっと!セリフ取らないでよ!」 めぐる「流石に3回目だもん!もうわかるよ!」 (そう、ここまでにもう私たちは三回の学級裁判を経験してきたんだ……) (……) モノクマ「ボクとしては新鮮な反応を楽しみたいんだけどな……まあ、いいや!」 モノクマ「ご期待通り学校エリア4階を新たに開放したよ!」 モノクマ「もちろん、この学校について調べることは自由ですので思う存分気の済むまで調べてちょ!」 咲耶「言われなくてもそのつもりさ」 凛世「はい……埃の一つに至るまで、全て凛世たちの手で調べ尽くしあげましょう……」 めぐる「よーし、がんばるぞー!」 (これまでの調査では、明確な手掛かりは手に入ってはいない) (でも、だからって諦めるわけにはいかないんだ……!) ------------------------------------------------- 【探索について】 場所指定の安価と同時にコンマを判定し、末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます。 ------------------------------------------------- めぐる「灯織、どこから探索する?」 灯織「えーっと……そうだね」 ------------------------------------------------- 1.【学校エリア4F】音楽室 2.【学校エリア4F】職員室 3.【学校エリア4F】学園長室 4.【学校エリア4F】化学室 ↓1 601:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/23(日) 21:18:44.96 :NrPWEGVn0 1 602: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:21:47.13 :jdC9QLoi0 【音楽室】 めぐる「うわっ?!すっごい広ーい!」 4階の中でもやっぱり目を引くのはこの部屋。音楽に携わるものとして、見ておかなくてはならないのは音楽室。 ただその部屋は私たちの予想をはるかに超えていた。音楽ホールとしてみても一級品。今すぐにでもコンサートを開催できるような設備が整っている。 めぐる「天井も高ーい……わーーーーーーっ!」 めぐるの叫び声も心地よい反響をする。 音楽をする上ではかなり上質な空間だ。 咲耶「このピアノは……スタイン・ベーゼンのものだね……」 灯織「咲耶さん、お詳しいんですね」 咲耶「いやなに、以前仕事で目にした程度さ。この艶々とした黒さには見覚えがあってね」 めぐる「なんだかすごく高そーな雰囲気だよね……」 咲耶「ああ、確か2億円はくだらないんじゃなかったかな?」 灯織「に、2億?!」 (な、なんでそんな高級品がこんなところに……!?) 咲耶「フフ、冗談さ。流石に値段までは知らないよ。ただグランドピアノというのは総じて高級品だからね、それなりの値打ちはあると思うよ」 (あ、あまりこのピアノには近づかないようにしよう……) 【コンマ96】 【モノクマメダル6枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル枚数…97枚】 ------------------------------------------------- 1.【学校エリア4F】職員室 2.【学校エリア4F】学園長室 3.【学校エリア4F】化学室 ↓1 603:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/23(日) 21:27:03.29 :NrPWEGVn0 3 604: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:29:30.49 :jdC9QLoi0 【化学室】 踏み入れた瞬間鼻を刺す独特な香り…… 化学薬品特有のものだ。 智代子「あ、灯織ちゃんにめぐるちゃん!ど、どどどどうしよう……!」 灯織「えっ?!ど、どうしたのそんなに焦って!」 愛依「こ、これ見て!」 二人が慌ただしく私たちに向けてきたのは……薬品ケース? パッケージにはわかりやすい髑髏のマークとエクスクラメーションマーク。 灯織「……?」 ゆっくりと眺めていくと、あった。 『種別…毒薬』 灯織「ど、毒薬?!」 愛依「ひ、灯織ちゃん落ち着いて!危ないよ、落としたら危ないから!」 めぐる「な、なんでそんな危険な毒なんかが……!?」 智代子「見てよ……この教室には薬品棚が置いてあるんだけどね?健康にいいものから有害なものまで全部そろっちゃってるんだ」 チョコの言う通り…… 棚にはプロテインと銘打つものもあれば、わかりやすく硫酸や青酸カリといったものまで揃えてある。 愛依「中には気体になって吸うだけで危ないやつとかもあるみたいなんだよね……」 灯織「いかにもこれで殺してくださいって言わんばかりだね……」 めぐる「モノクマ、許せないよ!もしもプロテインと毒薬を間違えて飲んじゃったらどうするつもりなんだろう!」 (そ、そこ……?) 【コンマ29】 【モノクマメダル9枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル枚数…106枚】 ------------------------------------------------- 1.【学校エリア4F】職員室 2.【学校エリア4F】学園長室 ↓1 605:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/23(日) 21:31:46.47 :NrPWEGVn0 1 606: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:35:40.47 :jdC9QLoi0 【職員室】 職員室といえば学校の先生が集まるところだけど……4階なんてこんな高いところにあって不便じゃないのかな? 職員室の中はいかにもといった感じで見慣れた感じの灰色のデスクが向き合う形でいくつも並んでいる。 灯織「凛世、何か発見はあった?」 凛世「はい、こちらなのですが……」 既に私たちより先に入室していた凛世は一冊のノートをその手に持っていた。 凛世「学級日誌、とか書かれております……」 めぐる「ってことはこの学校の先生がつけたクラスの観察記録?」 凛世「はい、そのようです……こちらの希望ヶ峰学園でお過ごしになられた学生方が、事細かに……」 灯織「ちょっと見てみてもいい?」 凛世からノートを受け取ると、パラパラと開いて目を通していく。 希望ヶ峰学園、はるか昔に廃校になったと聞いていた学校の当時の生き生きとした学生生活が綴られている。 ……だけど、別に新たな手掛かりになるようなものはなく、文字通りただの学級日誌だという結論に至った。 灯織「うーん、結局学校は学校だもんね……」 めぐる「あ、でも楽しそうだったよね、このパレード!具体的には書いてなかったけど、学校でパレードなんてきっと文化祭が大賑わいだったんじゃないかな!?」 凛世「はい……皆揃っての凱旋、さぞや湧いたものかと思われます……」 灯織「そういえば、ここでもモノクマの言ってた『超高校級』っていうフレーズは何度も出てきてたよね」 めぐる「うん、『超高校級の割には普通の学生だ』とか『やっぱり超高校級はすごい』とか」 めぐる「でも、どういう意味なんだろう?わたしたちの才能とも関係してるのかな?」 灯織「この人たちと同じように『超高校級』のレッテルを貼ってモノクマは私たちに何をさせようとしてるんだろう……」 (聞き馴染みのないフレーズをこれほどまでに繰り返し目にしたり、耳にしたり……流石に気になっちゃうな) 【コンマ47】 【モノクマメダル7枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル枚数…113枚】 ------------------------------------------------- 【残り選択肢が一つなので自動進行します】 【モノクマメダル獲得のためのコンマ判定を行います】 【直下レスの末尾で判定】 ↓1 607:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/23(日) 21:40:40.65 :FPJojhiXO あ 609: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:41:43.26 :jdC9QLoi0 【学園長室】 他の部屋に比べても重厚で厳格な雰囲気を漂わせる扉。明らかにこの部屋だけ様子が違う。 摩美々「あっ、開けようとしても無駄だよー」 灯織「摩美々さん……既にいらしてたんですか」 摩美々「私も開けようとしたけどダメ、完全に鍵がかけられてるんだよねー」 めぐる「えー、せっかく4階に行けるようになったばっかりなのにこんなのずるいよー!」 摩美々「あっ、無駄骨ついで言っておくと情報処理室も同じだよ」 めぐる「情報処理室……まだ行ってなかった!」 摩美々「あっちもロックがかかってたから」 摩美々「学校エリア一階の保健室みたいに後から解禁するつもりなんですかねー」 (後から解禁って……いつまでこの生活を続けさせるつもりなんだろう……) 【コンマ65】 【モノクマメダル5枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル枚数…118枚】 ------------------------------------------------- 610: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:43:09.37 :jdC9QLoi0 【食堂】 4階での探索を終えた私たちは食堂に戻り、報告会を開いた。 咲耶「さて、今回も調査結果を共有しようか」 雛菜「と言っても今回は鍵が閉まったままの部屋がありましたよね〜」 愛依「えっと、学園長室と情報処理室……だっけ?」 摩美々「学校について調べるのは自由、なんて言う割に制約かけてるのずるくなぁい?」 灯織「学園長室に情報処理室……どれも入室できれば核心に迫れそうな雰囲気があるんだけど……」 咲耶「だからこそだろうね、意図的に私たちに公開する情報を選んでいる」 凛世「モノクマさんはこの学校なら開場も施錠も思うがまま……」 凛世「凛世たちは、掌の上で踊らされる他ないのですね……」 摩美々「うざー」 モノクマ「え?!いまなんか聞こえたけど?!」 智代子「わ?!モノクマ?!」 モノクマ「ボクの流し目がセクシーな鋭さを醸し出していてエモいだって?!」 摩美々「しかも話全然聞いてないしー」 愛依「誰の話なんそれ……」 611: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:44:43.71 :jdC9QLoi0 モノクマ「まあ冗談はさておいて……蔭口は感心しませんな!」 灯織「か、蔭口?」 モノクマ「やれせっかく4階を解放したのに開いてない部屋があるだの、やれ情報統制してるだの、やれスーパーで割り箸を多めにもらってるだの」 モノクマ「あのねえ!最初っから全部明らかにしちゃったらつまらないでしょ!」 摩美々「最初なんていう段階はとっくに通り過ぎてると思うんですケド」 モノクマ「うぷぷぷ……まあ安心しなよ、いつかは必ず扉は開かれるからさ」 雛菜「そのいつかっていつになるんですかね〜」 凛世「期待は、できません……」 モノクマ「それとボクの名誉回復のために言っておくけど」 モノクマ「キミらのために必要な場合ならボクは鍵を開けてあげるからね!」 モノクマ「エリアの解放だとか、不法侵入のためだとかそんな不健全な目的ならダメだけど」 モノクマ「もしも鍵のかかった部屋の中で事件が起きてたりしたら、ボクは開けてあげるからさ!」 摩美々「要はこのコロシアイの円滑な進行のためなら、鍵は言われれば開けるってコト?」 (確かに……甘奈の事件の時にも個室の鍵をモノクマに開けてもらったっけ) (事件に関係する場合なら解錠もするってことかな) 612: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:46:05.55 :jdC9QLoi0 モノクマ「そうだね、まあそういうわけなんであんまりボクの悪口は言わないように!」 めぐる「別に言ってるつもりなかったんだけどなー……」 摩美々「むしろ今図々しく現れたことに対して文句言いたい気分ですよー」 モノクマ「あんまり悪口言うとボクのヨロイモグラゴキブリ並みの心臓がドッキンドッキンしちゃうんだから!」 智代子「よ、よくわかんない例えだね……」 円香「……ご、ゴキ……!?」 雛菜「あは~?」 咲耶「で、わざわざ言いにきたのはそれだったのかい?」 モノクマ「ん?あー、忘れてたいっけねいっけね」 モノクマ「ここまでオマエラが頑張ってきたからご褒美をあげようかなって!」 灯織「……ご褒美?」 摩美々「もしかして、次の動機ですかぁ?」 (……!?) 613: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:47:20.02 :jdC9QLoi0 摩美々「霧子の一件があるんでモノクマからはできれば何ももらいたくないんですケド」 モノクマ「大丈夫、動機はまた別にしてあるからさ!今回のは文字通りのご褒美だよ!」 モノクマ「じゃじゃーん!これだよ、【思い出しライト】~~~!!」 灯織「か、懐中電灯……?」 モノクマの手に握られていたのは持ち手が緑のやたら大きな懐中電灯。 こんなので照射されたら目も開けれなさそうだ。 智代子「ど、洞窟探検でもするの?」 モノクマ「そんな身構えなくても大丈夫だよ!これはただのプレゼントだからさ!」 愛依「いやいや、どうみてもただのプレゼントじゃないっしょ!それ普通の懐中電灯じゃなさそーだし!」 モノクマ「うだうだ言われても面倒なんで早速やっちゃいましょう、そーれ!」 咲耶「……っ?!みんな!見ないように……っ!」 間に合わなかった。 まぶたを下ろすより先にモノクマはボタンを押し終えていた。 ……凄まじい閃光が一気に突き抜ける。 視界は真っ白に染まり……そして、一気に記憶が流れ込んできた。 614: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:48:24.37 :jdC9QLoi0 ------------------------------------------------- 『さあ、今年もこの季節がやってきました!希望ヶ峰学園第78期生の発表です!』 『今年はどんな学生が選ばれたんでしょうか、気になりますね』 『やっぱり、去年ワンマンプレーで一気に甲子園優勝まで導いた子……桑田くんやっけ?あの子なんか手堅いんちゃいます?』 『十神財閥の御曹司も確か高校生でしたよね?彼も今年デイトレードでかなり有名になりましたが』 『さあ、どんな学生たちが選ばれたのでしょうか!視聴者の皆さん、こちらが私たちの希望です!』 『驚いた……!こいつはすごい……!』 『やっぱわしのいうた通り桑田はおるやないか!』 『十神家の御曹司もいますよ!』 『超高校級のギャンブラー……?こんな子もいるんですね……』 『どうでしょう、気になる学生はいらっしゃいますか?』 『そうですね、どれも目を引くんですが……やっぱりテレビに出てる身としては、同業者の彼女は気になってしまいますね』 『舞園さやか……超高校級のアイドルですわ』 ------------------------------------------------- 615: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:50:20.78 :jdC9QLoi0 (……!!) (何、今の記憶……?) モノクマ「うぷぷぷ……どう?思い出した?」 咲耶「い、今の記憶は……?」 モノクマ「オマエラがずっと前に忘れてしまっていた記憶だよ、これで思い出したんじゃないかな?」 モノクマ「自分たちがいる場所について、さ」 (……そうだ、なんで私たちは忘れていたんだろう) (希望ヶ峰学園、そして……超高校級という存在を) めぐる「き、希望ヶ峰学園……そうだ……希望ヶ峰学園はあったんだ……」 愛依「うちも思い出した……だって、そうだよ!」 愛依「テレビでもめっちゃやってたじゃん!予想番組とかもあってさ……!」 摩美々「……」 雛菜「あは〜?雛菜も毎年見てました〜!」 凛世「はい……もはや超高校級の選定は、国民にとって恒例行事のようなものでございます……」 (でもなんで……?なんでそんなことを丸々全て忘れていたの……?) 616: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:52:00.07 :jdC9QLoi0 モノクマ「ほら、これでオマエラの知りたがってた謎が一つ解けたでしょ?」 灯織「え……?」 モノクマ「オマエラのいるここがどこなのか、そして超高校級とはなんなのか……だよ!」 智代子「た、確かにそれはそうなんだけど……」 雛菜「違いますよね〜?」 めぐる「雛菜……?」 雛菜「モノクマは雛菜たちに謎の答えを渡したかったんじゃなくて新しい謎を与えたかったんですよね〜?」 咲耶「ど、どういう意味だい……?」 摩美々「超高校級という存在が鮮明になったことで逆にここに来る以前の記憶に矛盾が起きるんだよねー……」 (ここに来る以前の記憶……?) 灯織「あっ……!!」 (そうだ、ここに来たのは、私たちは廃校に合宿に来るためだったはず……) (希望ヶ峰学園が廃校……?そんなわけない、私はここに来る直前までテレビで希望ヶ峰の特集を見ていたんだから……) 灯織「何が、どうなって……」 モノクマ「うぷぷぷ……そこから先の答えは自分で見つけないとね!」 モノクマ「若者たちよ、動くのだ!指示待ち人間にだけにはなるんじゃない!」 モノクマは一方的に謎を押しつけたまま、消えてしまった。 617: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:53:21.83 :jdC9QLoi0 咲耶「……動機じゃない、モノクマはそう言っていたけど揺さぶりとしては十分だね」 雛菜「そうですね〜……どっちも鮮明な記憶なのに、なんでこんな食い違いがあるんですかね〜……」 愛依「マジでどうなってんのこれ……」 めぐる「わーーーーーー!!」 灯織「め、めぐる?!」 めぐる「ほら、また止まっちゃってるよ!」 めぐる「謎があるってことは、その答えもあるってことでしょ?だったらその答えを見つけるために動かなきゃ!」 摩美々「なにソレ、超めちゃくちゃじゃーん」 咲耶「だけど、めぐるの言う通りだね……ここで頭を悩ませても仕方のない疑問だよ」 雛菜「結果としてモノクマと言ってること同じですね〜」 めぐる「わっ、ほんとだ!」 愛依「でもモノクマに言われて動くのとめぐるちゃんに言ってもらって動くのじゃだいぶ違うじゃん?」 凛世「はい……めぐるさんの言葉には、希望が詰まっております……」 摩美々「まぁ完全な謎ってわけじゃないですしー、記憶を手がかりに頑張れば答えも出るかもしれませんねー」 灯織「はい……!」 618: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:54:48.96 :jdC9QLoi0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 キーン、コーン…カーン、コーン モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』 モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』 突然モノクマに与えられた記憶…… これまでの根底から覆るような事実は大きな謎を生んだ。 だけど、私たちはそれに臆さない。 動いて動いて……その謎にも答えを見つけ出す。 三度の事件を経て、私たちはそのための心構えを学んだから。 私はベッドに横たわり、静かに眠りに落ちていった…… ------------------------------------------------- 619: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:56:40.73 :jdC9QLoi0 _____ ________ ____________ 【灯織の部屋】 キーン、コーン…カーン、コーン モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!』 モノクマ『起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』 ……さて、新しいエリアが解放されたけどやるべきことは変わらない。とりあえずは食堂に行こう。 ------------------------------------------------- 【食堂】 食堂には咲耶さんと凛世、それにめぐるの姿があった。 咲耶「おはよう、灯織」 灯織「おはようございます」 灯織「……少し、寂しくなってしまいましたね」 咲耶「そうだね、毎朝食堂の卓上に花を添えてくれていた霧子……どうしても恋しくなってしまうね」 めぐる「あ、あれってやっぱり霧子だったんだ!」 凛世「はい、毎朝違った花をモノモノマシーンで探していらっしゃいました……」 めぐる「お花大好きだったもんね!そういえば真乃も前一緒にお出かけしたって言ってたなぁ」 霧子さん…… モノクマによって人格を変えられてしまっていたがために、お別れはあんな形になってしまったけど…… 私たちにとって、変わらぬ太陽であり続けたことは今更疑いようもない。 私たちは、霧子さんの分も前に進まないといけないんだ…… ------------------------------------------------- 620: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 21:58:22.28 :jdC9QLoi0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 (咲耶さん、やっぱり寂しそうだよね……私たちが何かしてあげられることがあればいいんだけど……) (みんなで前に進むために……希望を抱くために) 【自由行動開始】 (よし、今日も) ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル118枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 621:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/23(日) 21:59:19.25 :I2BqxSVZ0 1 622: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 22:04:24.74 :jdC9QLoi0 ------------------------------------------------- 【購買】 灯織「さて……せっかくだし何か買っておこうかな?」 【自動販売機】 【贈答用】 『メダル10枚で購入可能』 ・希望のパーカー ・最高にカッコいいネックレス ・即席ちゃんぽん ・EYE GRASS ・無銘の巾着 ・ジャスティスV変身ベルト ・ダンベル君主論 ・冬優子ちゃん育成キット ・デウス・エクス・翁 ・ノロマ号 ・にちかちゃん人形 ・柄入りブルゾン ・カミサマの憤懣 『メダル20枚で購入可能』 ・親愛のお守り 【お役立ち品】 ・ロボット掃除機 30枚…生活が豊かなものになるかも? ・283プロのタオル 30枚…裁判で有利に働くかも? ・サイリウムブレード 40枚…裁判で有利に働くかも? ・虹の羽 50枚…生活が豊かなものになるかも? ・敏腕記者の名刺 60枚…交流がやりやすくなるかも? ・スーパーはづきさん人形 99枚…????? ------------------------------------------------- 【現在モノクマメダルを118枚所持しています】 どうしますか?(※複数選択可) 1.自動販売機で購入(商品名指定) 2.モノモノマシーンに挑戦(枚数指定) 3.やっぱりやめる ↓1 623:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:08:16.68 :I2BqxSVZ0 1 ノロマ号✕2 624: ◆zbOQ645F4s:2021/05/23(日) 22:14:27.94 :jdC9QLoi0 灯織「とりあえずこれでいいかな……?」 【アイテム:ノロマ号を二つ手に入れました!】 ‣【ノロマ号】 〔いつか船で海に出るとしたらこんな感じ?キャプテン、クルー……あと、なんだっけ?〕 【モノクマメダルを20枚消費しました】 【残りのモノクマメダル…98枚】 灯織「とりあえず必要そうなものはこれで十分、かな……?」 ------------------------------------------------- 1.ひき続き購買で買い物を続ける(複数選択可能) a.自動販売機で購入(商品名指定) b.モノモノマシーンに挑戦(枚数指定) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 626:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/23(日) 22:29:51.96 :I2BqxSVZ0 2雛菜 630: ◆zbOQ645F4s:2021/05/24(月) 22:03:02.44 :yFxtHJbw0 2 選択 【化学室】 灯織「い、市川さん……こんなところでどうされたんですか?」 雛菜「ん~?あ、こんにちは~」 雛菜「ここの薬、色々あるから~、もしかしたらしあわせ~になれるお薬もあるかと思いまして~」 灯織「は、はぁ……」 (それは……合法なんだろうか……) 雛菜「冗談ですよ~」 ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【携帯ゲーム機】 【古代ツアーチケット】 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ノロマ号】×2 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 631:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/24(月) 22:04:07.85 :dmXHR2k70 1 ノロマ号 632: ◆zbOQ645F4s:2021/05/24(月) 22:08:02.58 :yFxtHJbw0 【ノロマ号を渡した…】 雛菜「ん~、これって……?」 灯織「購買で入手したボトルシップです。工芸品としてかなり優れたものみたいですが…」 雛菜「ふ~ん……たしかにこれ、作るの簡単そうじゃないですよね~」 灯織「ピンセットでかなり時間をかけて丁寧に作るみたいですよ…」 雛菜「ん~……こんな船に乗って雛菜も冒険してみたいかも~!」 灯織「ふふっ、ノクチルの四人なら楽しそうな船旅になりそうですね!」 雛菜「はい~!透先輩が船長で~、小糸ちゃんと雛菜がクルーで~」 雛菜「円香先輩が海賊!」 灯織「か、海賊ですか?!」 雛菜「あは~♡」 【PERFECT COMMUNICATION】 【親愛度がいつもより多めに上昇します】 ------------------------------------------------- 灯織「市川さん、お話しませんか!」 雛菜「ん~?あ、いいですよ~?」 (市川さんとこうやって交流するのもだいぶ数を重ねた…) (おかげで交流も前よりスムーズに、心を開いていただけているように思う……) 雛菜「そういえば、すっごくいい位置にほくろありますよね~」 灯織「……え、えっ?!あ、ありがとう……ございます……」 雛菜「すごくカッコいいし、かわいいな~って、アイドル向きじゃないですか~?」 灯織「そうでしょうか……そう言っていただけると幸いですね……」 雛菜「はい~、円香先輩もいい位置にほくろあるんですけど~」 灯織「……た、確かに……俗にいう泣きぼくろというやつですよね」 雛菜「うん~!円香先輩目元にあるから、すっごく似合ってるんですよ~!」 雛菜「でも、顔がいい割にメイクとかあんまりしないの勿体ないですよね~」 灯織「そ、そうですね……」 雛菜「せっかくだしもっと色々すればかわいくなるのにな~」 灯織「……」 1.市川さん、メイクにお詳しいんですね 2.市川さん、樋口さんのことが本当に好きなんですね 3.その他 ↓1 633:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/24(月) 22:24:20.12 :dmXHR2k70 2 15分経過したので書き込ませていただきます 634: ◆zbOQ645F4s:2021/05/24(月) 22:32:47.47 :yFxtHJbw0 2 選択 灯織「市川さん、樋口さんのことが本当にお好きなんですね」 雛菜「……え~?」 灯織「……今のお二人の関係性は承知の上です。ただ、やはり幼馴染のことを語っているときの市川さんの表情は…」 灯織「私たちのものとは明確に違う……友愛以上のものから成り立っていると、そう思う次第でして……」 雛菜「……でも、もう円香先輩とは絶交してますし~」 灯織「……だとしても、です。今は仲たがいしていても、市川さんが本当の意味で樋口さんを嫌いになるなんてことは……」 雛菜「……」 (し、しまった……言い過ぎたかな……) 雛菜「……そ~ですね~」 雛菜「円香先輩のことは今、すっごく嫌いですけど~」 雛菜「それと同じくらい円香先輩がいないとつまんないとも思うので」 灯織「市川さん……!」 雛菜「……そろそろ行きますね~」 市川さんは照れ臭そうに去っていった… 以前にも似たようなことを話したことがあったけど、その時は機嫌を損ねてしまった。 でも今回は、自分の中の樋口さんに対する気持ちと真正面から向き合っていただけたような気がする… 市川さんと樋口さん……わかりあえる時が来るといいんだけど…… 【親愛度が上昇しました!】 【市川雛菜の現在の親愛度…9.0】 635: ◆zbOQ645F4s:2021/05/24(月) 22:34:43.26 :yFxtHJbw0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 (それにしても私と樋口さんをほくろで連想するんだ…) (……そんなにこのほくろ、いい位置なのかな) 【自由行動開始】 (まだ時間はあるかな) ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル98枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 636:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/24(月) 22:45:41.62 :8bafCAIW0 2雛菜 637: ◆zbOQ645F4s:2021/05/24(月) 22:50:05.47 :yFxtHJbw0 2 雛菜選択 【娯楽室】 灯織「市川さん、こんにちは」 雛菜「ん~?……あ、また会いましたね~」 灯織「こちらで何を……」 雛菜「さっきもらったボトルシップで思い出したんですけど~」 雛菜「ここにもモノクマのフィギュアが入ってるボトルがあるんですよね~……」 灯織「……本当ですね」 雛菜「これってどうやって作るんですかね~、ピンセットで組み立てたりはできないですよね~」 灯織「流石に既製品をボトルで覆う形で作るのでは……?」 ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【携帯ゲーム機】 【古代ツアーチケット】 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ノロマ号】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 638:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/24(月) 22:51:11.98 :dmXHR2k70 1 ノロマ号 639: ◆zbOQ645F4s:2021/05/24(月) 23:02:52.67 :yFxtHJbw0 【ノロマ号を渡した…】 灯織「市川さん、こちら…」 雛菜「ん~?さっきもらいましたよね、それ~」 灯織「……この船は、市川さんたち……ノクチルのみなさんが、アイドルとして海に漕ぎ出した証……」 灯織「それなら、樋口さんにも渡してあげてくれませんか?」 雛菜「……」 雛菜「円香先輩かぁ……雛菜とお揃いなら喜んでくれるかなぁ……」 灯織「そ、その……」 雛菜「でも、確かにこれ見てると思いだすんですよね~、あの時の騎馬戦!」 雛菜「小糸ちゃん、頑張ってたなぁ……」 灯織「市川さん……」 【PERFECT COMMUNICATION】 【親愛度がいつもより多めに上昇します】 ------------------------------------------------- 雛菜「実はあれから円香先輩と会ったんですけど~」 灯織「そうなんですか……」 灯織「……えっ?!ひ、樋口さんとですか?!」 雛菜「……そんな驚きます~?」 灯織「い、いえ……その、私たちは樋口さんと遭遇すらできていないので……何をしてるのかも定かではない状況と言いますか……」 雛菜「幼馴染だからなんですかね~?」 雛菜「で、円香先輩と話をしたんですよ、仲直りしよ~って!」 灯織「そ、それで……?」 雛菜「ダメでした~」 残念そうに言うものの、市川さんのその表情は… 「しあわせ」を語るときのあの柔らかな笑顔の面影が見えていた。 雛菜「円香先輩ってすっごく意固地だから、何回も言ってあげないと素直にならないんですよね~」 (あの市川さんが一方的に何回も絡んだ末に樋口さんが鬱陶しそうに本音を言うのは、市川さんからはそういう認識なんだ…) 雛菜「だから今回のこのコロシアイも多分一緒、円香先輩は今殻に閉じこもってるだけなので~」 雛菜「雛菜が外に引っ張り出してあげる~!」 灯織「市川さん……」 1.市川さん、自分のお気持ちの整理がついたんですね 2.市川さんは強いんですね 3.自由安価 ↓1 640:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/24(月) 23:12:39.11 :XbgFPRJM0 1 641: ◆zbOQ645F4s:2021/05/24(月) 23:21:49.81 :yFxtHJbw0 1 選択 灯織「市川さん……自分のお気持ちの整理がついたんですね」 雛菜「ですね~」 灯織「はじめ市川さんに話しかけた時とは表情も違いますよ」 雛菜「ん~、よく話しかけてくれるし、きっとそうなんでしょうね~」 灯織「……はい」 雛菜「……雛菜にとって、最後の幼馴染は円香先輩だから」 雛菜「円香先輩が他のみんなにどれだけ憎まれても、恨まれても……」 雛菜「雛菜だけは、円香先輩のことを好きでいてあげられるんですよね~♡」 雛菜「じゃないと、円香先輩が可哀想だし!」 灯織「ふふっ、市川さんらしい結論ですね」 雛菜「そうですか~?」 雛菜「雛菜は雛菜がしたいことしかやらないだけですよ~」 今ここでその言葉を持ち出すということは、 幼馴染を救い出したいという気持ちは本物だということ。 市川さんは……もう揺るがない。 雛菜「……ありがとうございました~」 灯織「……え?」 雛菜「雛菜だけなら、この結論にもたどり着かなかったかもしれないので~」 雛菜「……また今度、お礼させてね~!」 灯織「市川さん……!」 【親愛度が上昇しました!】 【市川雛菜の現在の親愛度…11.0】 ------------------------------------------------- 【スキル:一番星の魔法を発動できます】 【モノクマメダルを10枚消費して自由行動を追加できます】 【スキル:一番星の魔法を使用しますか?】 ↓1 642:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/24(月) 23:41:58.12 :dmXHR2k70 使用しない 643:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/24(月) 23:48:46.81 :yFxtHJbw0 【スキル:一番星の魔法を使用しませんでした】 【モノクマメダルは変動せず98枚のままでした】 【スキル:ポシェットの中にはの判定に移ります】 【直下コンマの末尾の数字と同じ枚数のモノクマメダルを獲得できます】 ↓1 644:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/24(月) 23:54:54.96 :dmXHR2k70 コンマは取っても大丈夫でしょうか 不可なら安価下でも可です 645: ◆zbOQ645F4s:2021/05/24(月) 23:58:15.09 :yFxtHJbw0 【コンマ96】 【モノクマメダル6枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル枚数…104枚】 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 キーン、コーン…カーン、コーン モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』 モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』 (夜時間か……) (特に今日も進展はなかった……) (樋口さんも何かをしている感じでもないし……) (良いようにも悪いようにも働いてないって感じだよね) (ひとまず眠って、また明日頑張ろう……) 646: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 00:00:50.25 :sTXbswdk0 ------------------------------------------------- 【食堂】 摩美々「おはようございまーす」 灯織「あれ……摩美々さん……!?」 摩美々「ちょっとーなんでそんなお化けを見たようなリアクションなんですかー?」 灯織「い、いえ……こんな朝早くに珍しいと思いまして……」 摩美々「言うほどそんなに早くもないでしょー、 ただの気まぐれー」 摩美々さんはどこか照れ臭そうにぷいっと顔を逸らしてしまった。 その先には……なぜか新しい花が卓上にいけてある。 咲耶「ふふっ、霧子はお節介だね。私たちのことを見かねて天国から花を届けてくれたらしい」 灯織「……この花って」 凛世「それ以上は野暮、でございます……」 摩美々「……ふふー」 (……摩美々さん) 647:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 00:03:23.43 :sTXbswdk0 【灯織の部屋】 あれも摩美々さんなりの弔い方、だったのかな。 ……ふふっ、摩美々さんも可愛らしいところがあるんだな。 私も一緒にお花を備えたりしてもいいかな……? 灯織「さて、時間はまだあるよね」 【自由行動開始】 灯織「さて、どうしようか」 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル104枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 648:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 00:05:57.82 :sMTTDLzG0 2.雛菜 653: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 22:00:10.86 :sTXbswdk0 2 雛菜選択 【雛菜の部屋】 ピンポーン 雛菜「は~い!」 灯織「こんにちは……市川さん、よろしければまたお話を」 雛菜「あは~、来てくれると思ってました」 灯織「え?」 雛菜「雛菜のお話、聞いてくれます~?」 (市川さんに部屋へと歓迎された…) ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【携帯ゲーム機】 【古代ツアーチケット】 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 654:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 22:00:40.87 :pI9iXtj+0 2 655: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 22:07:00.97 :sTXbswdk0 【プレゼントを渡しませんでした】 ------------------------------------------------- 雛菜「ねえ、一つ聞いてもらってもいいですか?」 灯織「市川さん……?」 (いつになく真剣な表情だ……) 雛菜「……雛菜、この学園に来るまでも、来てからも……ずっと雛菜は雛菜のままだったじゃないですか~」 雛菜「雛菜にとって、透先輩と円香先輩と小糸ちゃんの四人が大切な存在で……」 雛菜「他のアイドルとは壁を作ってた感じっていうか~……」 雛菜「でも、それでも……【灯織ちゃん】はずっと雛菜のために会いに来てくれたじゃないですか……」 灯織「……!!」 (……い、今……私の名前を……!?) 雛菜「だったら、雛菜も少しぐらいなら変わってみるのもありなのかな~って」 雛菜「灯織ちゃんは、雛菜とか他の人のために力になれることがしあわせ~って言ってたし、そういうのに触れてみるのも悪くはないのかな~って」 雛菜「だって、しあわせ~なことは少しでも多い方がいいですもんね~」 雛菜「ねえ、どう思います~?」 灯織「……」 (市川さんは真っすぐと私の目を見つめている……) (……市川さんは私の名前を呼んで……大きな一歩を踏み出したんだ) (なら、私も真剣に答えないと) 1.雛菜、頑張ったね 2.雛菜には私がついてるよ 3.自由安価 ↓1 656:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 22:14:43.55 :Xq3uzRXQo 2 657: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 22:20:34.80 :sTXbswdk0 2 選択 灯織「……雛菜には、私がついてるよ」 雛菜「……!!」 灯織「雛菜が勇気を出して、一歩を踏み出したのなら私はそのすぐ隣で応援する」 灯織「雛菜の言うしあわせが色んなものに見つけられるように、私もそのお手伝いをしても……いいかな?」 雛菜「あは~~~!!灯織ちゃんやっぱりお節介だね~~~!」 灯織「お、お節介?!」 雛菜「え~?だって、そうじゃな~い?やっぱりプロデューサーと一緒だ~♡」 灯織「そういえば前もそれ言ってたけど……」 雛菜「え~?でもプロデューサーと一緒ってことはいいことだよ~?」 灯織「ええっと……」 雛菜「だって雛菜も、プロデューサーのことも、灯織ちゃんのことも大好きだよ~?」 灯織「え、ええっ?!だ、だい……?!」 雛菜「あは~~~!顔真っ赤にしてる灯織ちゃんかわいいね~~~♡」 灯織「も、もう……雛菜、からかわないで……」 (雛菜との間に確かな絆を感じる……) (心の内側からじんわりと広がっていく温かさ、確かな友情がここにある) (この絆は、絶対に切れない) 【親愛度が上昇しました】 【親愛度MAX!】 658: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 22:24:01.58 :sTXbswdk0 【アイテム:豚の貯金箱を手に入れました!】 〔中に詰まっているのはお金か夢か。幼い頃の約束が収められた貯金箱〕 【スキル:HAPPY-!NGを習得しました!】 〔交流による親愛度上昇が+0.5される〕 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 (雛菜の本当の意味での笑顔、初めて見た気がする……) (雛菜に、友達として認めてもらえたのかな……) (……ふふっ) (それにしても、一気に距離をつめ過ぎな気はしないでもないけど) 【自由行動開始】 灯織「よし、これからどうしようかな!」 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル104枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 659:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 22:30:46.75 :MkeUeL620 2.円香 いけるのか…? 660:可能です!……展開に影響はありませんが ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 22:38:22.38 :sTXbswdk0 2 円香選択 【化学室】 灯織「……あれ?」 円香「……最悪」 灯織「樋口さん?!い、いったい今の今までどこに!?」 円香「……うるさい」 灯織「に、逃がしませんよ……!お話、伺わせていただきます……!」 (尋問は無駄に終わった……) ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【携帯ゲーム機】 【古代ツアーチケット】 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 661:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 22:44:07.27 :ojaJADVe0 1 【ルアックコーヒー】 662:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 22:50:14.87 :sTXbswdk0 【ルアックコーヒーを渡した…】 灯織「……これ、どうぞ」 円香「プレゼントなんか渡してどういう精神状態なの?……まあ、もらうけど」 円香「これ、コーヒー?」 灯織「ええ、モノモノマシーンから出てきたものなのですが……」 円香「……コーヒーとか、あの人のことを嫌でも思い出す」 円香「いい度胸してるね」 灯織「ええ?!」 円香「しかもこれ……ジャコウネコの糞から煮だすコーヒーでしょ?」 円香「……最悪」 (うっ……別のものを渡せばよかったかな……) ------------------------------------------------- 灯織「……樋口さん」 円香「……」 (む、無視……!?) 灯織「あの、樋口さん……!!少し、お話を……!!」 円香「どういう心境なわけ?改心でもさせようとしてる?」 灯織「……それがとてつもなく困難なことは察して余りあります」 円香「困難というか不可能。そもそも私は正常だから」 (うう……取り付く島もない……) 円香「……まあ、邪魔しないならそこにいてもいいけど」 灯織「何をしているんですか……?」 円香「……ここには薬がたくさんあるじゃない?」 円香「毒薬もね」 灯織「……ま、まさか……!」 1.そ、そんなことさせませんよ……! 2.早まらないでください……! 3.自由安価 ↓1 663:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 22:52:56.19 :MkeUeL620 2 664: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 22:59:08.54 :sTXbswdk0 2 選択 灯織「ひ、樋口さん……早まらないでください……!」 円香「……は?」 灯織「その毒薬を使えば、確かに確実かもしれませんが……それを果たして浅倉さんと小糸が望んでいるかどうか……」 灯織「よ、よく考えてください!」 円香「……」 円香「……ふふっ、なにそれ。私が二人を想って自殺を考えてるとでも?」 灯織「……えっと」 円香「そんなわけないでしょ。言ったはず。私は必ず誰かを殺す」 円香「これはそのための品定め……間違っても、この胸にくすぶる怨恨を晴らさずに自殺なんてしないから」 灯織「……そんなのって!」 円香「退いて、もうここに用はないから」 バンッ! (……押し飛ばされてしまった) 【親愛度が上昇しました!】 【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】 【現在の樋口円香の親愛度…2.0】 ------------------------------------------------- 【スキル:一番星の魔法を発動できます】 【モノクマメダルを10枚消費して自由行動を追加できます】 【現在のモノクマメダル枚数…104枚】 【スキル:一番星の魔法を使用しますか?】 ↓1 665:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 23:02:51.23 :sMTTDLzG0 使う 666: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:05:22.16 :sTXbswdk0 【スキル:一番星の魔法を使用しました】 【残りのモノクマメダル枚数…94枚】 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 (樋口さん……いくら話しても暖簾に腕押しって感じだな……) (……もう、和解は難しい……のかな) 【自由行動開始】 灯織「まだ、時間はあるかな」 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在モノクマメダル94枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 667:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 23:11:33.10 :ojaJADVe0 2 まみみ 668: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:14:39.87 :sTXbswdk0 2 摩美々選択 【学園長室前】 摩美々「あれ、灯織ー?どうしたの、こんなとこでー」 灯織「摩美々さん……何か手掛かりはないかと学園を散策中でして……」 摩美々「ふーん、一緒だねー」 摩美々「どうにかここの扉が開かないかと思って確かめてるケド、やっぱ無理そうだねー」 灯織「そうですか……やはりモノクマがひた隠しにする手掛かりがここに眠っている、ということでしょうか……」 摩美々「んー、可能性は高そうですよねー」 (摩美々さんと一緒に学園を改めて調べまわった……) ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【携帯ゲーム機】 【古代ツアーチケット】 【もしもFAX】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 669:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 23:17:20.71 :MkeUeL620 1 スカラベのブローチ 670: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:23:52.44 :sTXbswdk0 【スカラベのブローチを渡した…】 灯織「摩美々さん、こちらのブローチをどうぞ」 摩美々「えー?……これ、虫ー?」 灯織「えっと……スカラベと書いてあったのですが……」 摩美々「スカラベって確かフンコロガシじゃないー?」 灯織「ふ、フンコロガシ……!?」 摩美々「ま、デザインとしては可もなく不可もなく……ですかねー」 (まあ、普通の反応だったかな……) ------------------------------------------------- 摩美々「……さっきから何ー?そんなに見つめられても、なにも出ませんケド」 灯織「あ、いえ……」 (今朝食堂に花瓶を供えてくれたのはおそらく摩美々さん……) (霧子さんにもきっとその想いは通じている……) 摩美々「……なんか言いたいことでもあるのー?」 灯織「言いたいことと言いますか、なんというか……」 摩美々「……まあ、摩美々からはちょっとありますケド」 灯織「……え?」 摩美々「だって、この前の裁判で灯織に助けられましたからー」 摩美々「霧子に投票……つらい決断だったのは事実で……灯織がいなかったら、今頃どうなってたかわからないじゃーん?」 灯織「摩美々さん……」 1.助け合うのが仲間じゃないですか 2.私も前、摩美々さんに助けられましたから 3.自由安価 ↓1 671:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 23:31:31.05 :MkeUeL620 2 672: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:36:45.09 :sTXbswdk0 2 選択 灯織「私も前、摩美々さんに助けられましたから。その恩返しですよ」 摩美々「灯織は義理堅いねー」 灯織「大丈夫です、私たちは疑いあうだけじゃなくて信じあうことができる……だから、少し道を外れたからって誰も咎めたりしないし、それを補え会えるんですよ」 摩美々「……よくそういうくさいセリフを真顔で言えるよねー」 灯織「く、くさ……!?」 摩美々「……ま、そういうのも灯織の魅力の一つだと思うよー」 灯織「は、はぁ……」 摩美々「……でも、施されっぱなしなのもなんとなく居心地悪いですねー」 灯織「ほ、施しなんてそんな……」 摩美々「ふははー、灯織には『摩美々を一つだけなんでも言うコト聞かせる権利』を進呈しましょうー」 灯織「え?!」 摩美々「なんでも、一つだけだけど摩美々がかなえてあげるよー」 灯織「ど、どういう風の吹きまわしですか?!」 摩美々「ふふー、ご利用は計画的にー」 【親愛度が上昇しました!】 【スキル:HAPPY-!NGの効果により親愛度上昇値がわずかに増えます!】 【現在の田中摩美々の親愛度…9.5】 ------------------------------------------------- 【スキル:ポシェットの中にはの判定に移ります】 【直下コンマの末尾の数字と同じ枚数のモノクマメダルを獲得できます】 ↓1 673:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/25(火) 23:40:23.41 :sMTTDLzG0 はい 675: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:43:21.71 :sTXbswdk0 【コンマ41】 【モノクマメダル1枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル枚数…95枚】 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 ピンポンパンポーン 『あー、あー、校内放送、校内放送!……なんかこうやってお話しするの久しぶりじゃない?』 『まあいいや、今日は代り映えのないくっそつまんねー毎日を送るオマエラのために、学園長自らレクリエーション企画をご用意いたしました!』 『ぜひ奮ってご参加ください!詳しい情報は番組公式SNSを要チェックだ!』 『じゃ、体育館で待ってるよ~!』 …プツン ……レクリエーション? いや、このタイミングで私たちを招集するってことはつまり……【動機の提供】、そのタイミングなんだろう。 前回の動機提供は、理不尽極まりない人格改変……今回もそれに似たようなことをされないとは限らない。 ……正直、怖い。 灯織「……はぁ、行くしかない……か」 676: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:44:31.23 :sTXbswdk0 ------------------------------------------------- 【体育館】 私が体育館に足を踏み入れると、すでにその場所にはモノクマが待ち受けていた。 モノクマ「おっ、早いね!流石は風野さん、優等生!」 灯織「ど、どうも……」 モノクマ「ちょっと待ってね!みんなが揃ったらすぐに始めるから!」 ……始める? 確かにさっきの校内放送で「レクリエーション」って言ってたけど… モノクマ自体は何も持ってなさそうに見える。 何が始まるというの……? そうこうしているうちにすぐに他の皆さんが集まり、モノクマの話は始まった。 モノクマ「お待ちかね!待ちに待ったレクリエーションタイムですよーーー!!」 摩美々「うるさー……」 咲耶「キミの魂胆はわかっているんだ、さっさと本題を話してくれないかい?」 めぐる「そうだよ!どうせこれもコロシアイの動機に関係することなんでしょ!」 677: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:45:47.80 :sTXbswdk0 モノクマ「えぇ……ノリ悪いなぁ……せっかくボクがお前らの運動不足を解消するための遊びを考えたっていうのに」 雛菜「遊びー?」 円香「……」 モノクマ「おっ、市川の旦那!聞いてくれはりますか?!」 雛菜「うん~!聞く聞く~!」 愛依「ちょっ、雛菜ちゃんそんなケーソツな……!」 雛菜「え~?でもどうせその遊びって強制参加だし~、今のうちにさっさと聞いとくべきじゃないですか~」 モノクマ「うんうん、理解が早いことはいいことだよ。時は金なり、陣内はとものりってね」 智代子「全然関係性無いよね?!それ?!」 灯織「私も雛菜に賛同します、結局のところモノクマの意図も現状見えませんから…」 摩美々「はぁ、さっさと話してくれますー?」 モノクマ「そんな渋々聞かれてもテンション上がんないけど……まあいいや!話しまーす!」 モノクマ「今から始めるのは親睦会!しかもオマエラにとってご褒美になる商品付きだよ!」 凛世「商品、でございますか……」 円香「……それはどういう意味で?ここでの生活が有利になるわけ?」 モノクマ「ステイカーム!!落ち着きなされ!!」 モノクマ「では、まずはオマエラに何をしてもらうかの発表です!」 モノクマ「今からオマエラには……」 678: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:46:14.14 :sTXbswdk0 モノクマ「【かくれんぼ】をしてもらいます!」 679: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:48:59.40 :sTXbswdk0 灯織「……え?」 思わず素っ頓狂な声が漏れてしまった。 ……かくれんぼ? かくれんぼってあの……子供たちが休み時間に校舎や校庭でやったりする……あれのこと? モノクマ「オマエラ、かくれんぼって知ってる?ハイドアンドシークなんて別名もあるんだけどさ」 咲耶「鬼とそれ以外に分かれて、鬼が隠れた相手を時間以内に見つけ出す……そういう遊びだよね?」 モノクマ「ザッツライ!よくできました!」 愛依「えっ……?そ、それをうちらが今からやんの?」 円香「……はぁ」 雛菜「あは~!雛菜かくれんぼ得意~!」 凛世「凛世も、隠れん坊なら心覚えがございます……山陰の児雷也と呼ばれて久しく……」 智代子「まさかの本格派?!」 摩美々「そんな平和なかくれんぼならいいですケド」 (……!!) 摩美々「今やってるのはコロシアイ合宿生活……見つかったら死、なんてこともないわけじゃ……」 愛依「う、ウソ?!」 680: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:50:08.88 :sTXbswdk0 モノクマ「はいはいストップストップ!そんなんじゃないから安心して!」 モノクマ「言ったでしょ!あくまでこれはレクリエーション、オマエラの親睦を深めるための取り組みです!」 智代子「そ、それじゃあ本当に遊ぶだけなの?」 円香「……理解できない」 雛菜「円香先輩って、昔っからずっと隠れるのも見つけるのも下手だよね~」 円香「はぁ?」 凛世「ふふ……♪でしたら凛世が手ほどきを……」 円香「いらない」 めぐる「かくれんぼかー……だったら上の階に隠れるのがいいかな?!」 灯織「確かに遮蔽物は学校エリアの方が多そうだよね」 咲耶「……隠れるんだったら体格の大きい私はすこし不利だね」 モノクマ「……ん?何オマエラ隠れるの前提で話してるの?」 681: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:51:48.10 :sTXbswdk0 めぐる「え?でも……わたしたちが隠れて、モノクマが鬼で探すんじゃないの?」 モノクマ「これだからステレオタイプなウーマンは困るね!違う違うよ!」 モノクマ「オマエラはみーんな【鬼】なの!」 灯織「鬼?」 摩美々「……しかも今、みーんなって言いましたよねー?」 咲耶「鬼は一人じゃないのかい?」 雛菜「じゃあ雛菜たちで隠れたモノクマを見つけ出すってことですか~?」 モノクマ「それは違うよ!」論破! 【BREAK!】 モノクマ「ボクは参加しないよ!だってこれは、オマエラの親睦を深めるためのレクリエーションだからね!だから参加者はオマエラだけ!」 めぐる「ちょっと待って!だったら誰が隠れるの?わたしたちはみんな鬼なんだよね?」 愛依「……確かに!ムジュンしてるよ!」 モノクマ「クックックッ……その質問を待ってたクマ」 摩美々「また思い出したように語尾をつけてるー」 モノクマ「オマエラが鬼となって見つけ出す相手は……」 682: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:52:18.40 :sTXbswdk0 モノクマ「ずばり!オマエラの中に隠れた【裏切り者】だよ!」 683: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:53:50.46 :sTXbswdk0 灯織「……え?」 モノクマ「え?何?オマエラもみんな知ってることじゃんか」 モノクマ「この前樋口さんからみんな聞いてたよね?裏切り者の存在」 そうだ。そうなんだけど…… なんで、裏切り者の話がモノクマの口から出てくるの? だって裏切り者はモノクマの側だからこそ、裏切り者なわけで…… 要するに、モノクマが裏切り者の存在を口にするということは更にその裏切り者を裏切ったことになる? 愛依「ま、待って!う、裏切り者っていないって話じゃなかったの?!そうだよね?!灯織ちゃん?!」 灯織「……そ、その……」 そうだ。私は樋口さんの話を聞いた時はその存在を否定した。 摩美々さんと二人で結託して、そのことについては全員の目が向かないように、必死に逸らし続けた。 でも、その存在はモノクマの手によって、明確に存在が確証づけられてしまった。 684: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:55:03.41 :sTXbswdk0 円香「……だから言ったでしょ?私は嘘はついてないって」 智代子「い、言ってたっけ……?」 モノクマ「まあ信じてなかったそこのあなたも、今ので信じるしかないよね!このボクが断言しちゃってるんだから!」 愛依「……マジで……?」 めぐる「そんな……」 灯織「……っ!」 めぐる「な、ならなんでその裏切り者をわたしたちに見つけさせようとするの?!」 円香「……何を考えてるの?」 モノクマ「はぁ、これで何度目かな?このレクリエーションはオマエラの親睦を深めるため!あくまでそれが目的なの!」 モノクマ「オマエラも仲間内に裏切り者がいるって思ったら仲良くできないでしょ?だからこの際その膿を出してもらおうかなって!」 智代子「う、膿……」 咲耶「それがこの、【かくれんぼ】というわけかい」 モノクマ「裏切り者は本当に文字通りの裏切り者だからね!コロシアイ合宿生活が始まったころからの協力関係で、情報もガンガン横流ししてた極悪犯!」 685: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:56:12.81 :sTXbswdk0 モノクマ「コロシアイをやめよう!っていう風野さんとは真逆の思考を持ってたわけだね!」 モノクマ「とか言いつつ、そんな風野さんが本当は……?」 灯織「ち、違います!」 慌てて否定する。 私が裏切り者なんてそんなわけない、それは自分が一番よく知っている。 でも、周りの人にはどう見えている? めぐるはまだしも、他の人には信じていただけなかったら? モノクマ「まあ、あくまでこれは一つの可能性だからさ、オマエラで必死こいて見つけ出してほしいんだよね!」 摩美々「……」 円香「芸がないですね」 灯織「ひ、樋口さん?」 円香「くだらない。裏切り者の存在を公言して、それでまた疑心暗鬼の渦にでも落とし込むつもりなの?」 円香「一度やった手の焼き直し。……まあ、私が殺しに踏み切るのにあなたの動機は関係ないですが」 (……!!) この状況は、初めの事件によく似ている。 あの時もモノクマは、私たちの中に黒幕の内通者がいる可能性を流して同士討ちを企てていた。 そのせいで、浅倉さんと真乃は…… 686: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:57:38.12 :sTXbswdk0 ……いや、でも私たちはあの時の疑心暗鬼を乗り越えてここにいる。 樋口さんに乗じる形なのは若干受け入れがたいけど、これで私たちが殺し合うとは思い難い。 灯織「樋口さんの言う通りです……同じ手で引き裂かれるほど私たちの絆は生易しいものではありません!」 円香「……」 灯織「疑心暗鬼なんて、もう二度と陥りません!」 めぐる「灯織……!そうだよ、灯織の言う通りだよ!こんなんで疑いあったりなんかしないんだから!」 咲耶「二人の言う通りだな、これがキミの言うレクリエーションのすべてなら拍子抜けと言わざるを得ないね」 モノクマ「ムムム……」 愛依「そうそう!うちらの信頼関係はマジで固いんだから!」 雛菜「あは~、雛菜普通のかくれんぼがよかった~」 モノクマ「ムムムムムム……」 モノクマ「先生の話は最後まで聞きなさーーーーーーーーい!」 687: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:58:36.98 :sTXbswdk0 モノクマ「あのねえ、オマエラすっかり忘れてない?!このレクリエーションには賞品があるって言ったよね?!」 そういえばそんなことも言っていた。 かくれんぼにおける賞品ということは、裏切り者を見つけ出すと私たちにメリットが生じるということだ。 ということはその賞品が本命の動機……! モノクマ「これを聞いたらオマエラも見つけ出したくて仕方なくなっちゃうよ?……準備はいいかい?」 モノクマ「ばばん!豪華賞品は……これだ!」 688: ◆zbOQ645F4s:2021/05/25(火) 23:59:38.00 :sTXbswdk0 モノクマ「コロシアイ合宿生活終わらせますの権利~!」 689: ◆zbOQ645F4s:2021/05/26(水) 00:00:51.08 :sfDlRV2p0 灯織「……え?」 コロシアイ合宿生活を、終わらせる……? モノクマの口から出て来た言葉を咀嚼できず、暫く硬直していた。 それは私たちが心の底から臨んだことで、そのためにこの生活を送ってきたと言っても過言ではない甘美な言葉。 すべてを覆し、元通りにしてくれる。 そういう意味合いの言葉。それを聞いた瞬間、『生還』。 その二文字が唐突に目の前に現れたのである。 モノクマ「どうどう?オマエラ、これは欲しくて仕方ないでしょ?」 愛依「ほしいっていうか……え?ま、マジ?」 モノクマ「マジ」 智代子「ほ、ホントのホントに?」 モノクマ「ホントのホントに」 凛世「真でございますか?」 モノクマ「真でございます」 雛菜「あは~?」 モノクマ「あは~」 どうやらモノクマは本気で言っているらしい。 いくら質問を投げられようとも肯定の言葉を即座に返す。強い意志を感じる。 _______この【かくれんぼ】にこの合宿生活自体の存亡を、本気で賭けるつもりだ。 690: ◆zbOQ645F4s:2021/05/26(水) 00:02:11.77 :sfDlRV2p0 灯織「それならこちらとしても願ったりかなったりですが……」 咲耶「待つんだ」 灯織「咲耶さん?」 咲耶「モノクマがどう考えているかもわからない。しかもこんなうまい話だ……必ずその裏があるはずだ」 摩美々「まぁ……そうだよねー」 モノクマ「裏?裏って何さ?なんなのさ?」 モノクマ「あのね、表か裏かなんて結局は物の味方の一側面でしかないんだよ。見ようによってはどちらも表であり裏!] モノクマ「キミらの狭い了見で崇高なるモノクマを語るべきじゃないとボクは思うんだよね」 咲耶「そうやって回りくどい言い回しで煙に巻くのはやめてくれるかい?」 摩美々「咲耶がそれ言うー?」 モノクマ「気持ちはわかるけどね、裏というほどの裏はないよ。邪推ってやつだね」 モノクマ「オマエラは裏切り者を見つけてぶっ殺せばコロシアイ合宿生活を終わらせられる!本当にそれだけなんだ!」 愛依「マジでたったそれだけで?」 雛菜「コロシアイ合宿生活が終わるんだ~……」 めぐる「裏切り者を見つけて殺すだけ……」 めぐる「……ん?!こ、こ、こ、殺す?!」 691: ◆zbOQ645F4s:2021/05/26(水) 00:04:15.87 :sfDlRV2p0 モノクマ「あれ?言ってなかった?このかくれんぼでオマエラには」 モノクマ「裏切り者をぶち殺して、この【コロシアイ合宿生活の終結】を目指してもらいまーす!」 灯織「なっ……」 めぐる「そ、そんなのって……!」 本当の狙いはこれだった。 モノクマが今回持ってきた動機は疑心暗鬼のタネに終わらない。 それは【天秤】。今ここで一人の命を切り捨てて、他全員の命を救うかどうかの天秤。 命の重さを天秤にかけることを迫ってきているんだ。 そしてその天秤は、人ごとにその基準は違う。 もしかすると今この瞬間にも、それが揺らいでいる人がいる可能性も…… モノクマ「一応言っておくと、裏切り者をそれ以外の生徒が殺した時点で賞品は贈呈されまーす!だから、学級裁判もその事件に関しては行われないからね!」 灯織「学級裁判が……行われない……?」 めぐる「それって、裏切り者以外は全員生きて還れるってこと……?」 モノクマ「So you caught on!」 愛依「な、なんて?」 咲耶「そーゆーこーとおん……そういうこと、と言いたいんだろうね」 692: ◆zbOQ645F4s:2021/05/26(水) 00:05:19.23 :sfDlRV2p0 摩美々「……どういうつもりー?」 摩美々「これじゃモノクマには文字通りメリットがないんですケド」 モノクマ「まあ本音を言うとさ、もう飽きちゃってるんだよね。このコロシアイに」 モノクマ「オマエラはどこまでいっても折れそうにないし、やるだけ無駄かなーって。見込みがあったのはせいぜい樋口さんぐらいのもんだよ」 円香「……どうも」 モノクマ「その樋口さんもなかなかコロシアイしてくれないしさ、いっそこれで終わらせた方がいいのかなって」 飽きたから? 本当にそれだけの単純な理由で、ここまで行ってきた残虐極まりないコロシアイを放棄するの? どこまでモノクマのことを観察しても、その毛皮の向こうに秘めた考えは見通せない。 693: ◆zbOQ645F4s:2021/05/26(水) 00:06:39.96 :sfDlRV2p0 モノクマ「というわけで最終的に整理すると、【かくれんぼ】は以下の通りのルールです!」 【かくれんぼのルール】 1.オマエラは鬼となって、オマエラの中に潜む裏切り者を探してもらいます。 2.見つけ出した裏切り者をぶっ殺します。 3.裏切り者をオマエラが殺した場合、学級裁判は行われずそのままコロシアイ合宿生活はおしまいとなります。 4.みんなで協力して裏切り者をぶち殺して仲良くなりましょう。 5.なお、このかくれんぼにはモノクマは参加しません。 モノクマ「どう?簡単でしょ?」 簡単だ。単純明快極まりない。 裏切り者を殺せばいい。ただそれだけ。 たった一人の命で、他の全員の命が救えてしまう。 智代子「ど、ど、どうしよう……」 咲耶「……」 正直なところ、合理的な判断を下すとすればこのゲームは乗らない理由がない。 裏切り者はそもそもが自分たちにとって敵。 その敵を殺してさえしまえば、残った味方だけで生き残ることができる。 でも、それは……これまで【味方として過ごしてきた】敵を切り捨てることと等しい。 これまでその人間と積み重ねてきた時間、そして通わせた心を否定することと同じ。 そして、それを割り切れる人間なんて…… モノクマ「特に時間制限を設けてはいないから、存分にこのかくれんぼを楽しんでね!」 モノクマは立ち尽くす私たちを放り、その姿を消してしまった。 694: ◆zbOQ645F4s:2021/05/26(水) 00:07:46.51 :sfDlRV2p0 愛依「かくれんぼ……か……」 凛世「これより、凛世たちは……どうすれば……」 当然、コロシアイの終結を前にして私たちは揺れていた。 これは餌だ。モノクマがこのコロシアイの最期に、私たちがエゴのために殺しを行うことを望んで、つるしている餌だ。 ただその餌は、あまりにも魅力的。これまでの苦痛を一瞬で取り返すような魔性の力を持つ餌なんだ。 その餌を前にして、私は…… 灯織「断固無視しましょう」 自分の舌を噛んで、迷いを断ち切った。 めぐる「ひ、灯織……?」 灯織「皆さん、落ち着いて下さい!ここで判断を誤ってはいけません……それこそモノクマの思うつぼです」 灯織「モノクマの狙いはあくまで私たちにコロシアイをさせること……この合宿生活を終わらせるのが目的だったとしても、私たちがコロシアイを行った時点でそれはモノクマに対する敗北なんです!」 そう、私たちはこれまで三回の事件で……そのたびに誓ってきたものがある。 それは「もうこれ以上はコロシアイはしない」という誓いだ。 全員でモノクマに立ち向かい、生還する。その誓いを皆さんと立てたからには、こんなところで放棄できない。 695: ◆zbOQ645F4s:2021/05/26(水) 00:09:00.93 :sfDlRV2p0 灯織「だから、いったんここは冷静になりましょう。何があっても私たちの間でコロシアイなんて……もう、絶対に起こすわけにはいかないんです!」 めぐる「灯織の言う通りだよ!わたしたちは一歩も足を止められない……」 めぐる「けど、この道を進むのは違う!誰かを犠牲にして進む道は違うって、わたしもそう思うんだ!」 めぐるも私の決断に付き従ってくれることに迷いはなかった。 私のすぐ後に,私以上の熱量で皆さんに訴えかけてくれた。 咲耶「フフ、イルミネは相変わらずだね」 凛世「ふふ……♪おかげで靄が吹き飛んでしまいました……」 凛世「凛世の心は、迷いの雲なき晴天でございます……」 摩美々「ま、二人に言われるまでもなかったんですケド」 めぐる「……ありゃ?」 摩美々「私はしっかりモノクマに勝つつもりなのでー、こんな終わり方は違うと思うんですよねー」 愛依「だよね……そうだよね!」 愛依「うちも誰かをギセイにして生き残んのは違うと思う!」 雛菜「あは~、雛菜も普通のかくれんぼじゃないなら興味ない~」 智代子「うん!そうだよ、もっと別の方法がきっとあるはずだよ!」 灯織「皆さん……」 咲耶「強くなったね、灯織」 誰もその返事には曇り一つなかった。 ここまで私たちは三回の事件に向き合うこととなった。そこには絶望の別れがあり、前へと進む希望のタネも同時に存在した。 今ここにいる全員が、そのタネを持っている。誰もが成長をしている。 こんなことで揺らぐほど、弱くはない。 696: ◆zbOQ645F4s:2021/05/26(水) 00:10:13.67 :sfDlRV2p0 円香「……はぁ、時間の無駄」 灯織「樋口さん……もう行くんですか?」 摩美々「ほっときなよ、灯織―」 灯織「摩美々さん……」 摩美々「むしろ今のモノクマの【かくれんぼ】によって円香は動きづらくなるよねー」 摩美々「だってうっかり裏切り者を殺しちゃったら私たち全員を殺すことはできなくなっちゃうんだしー」 愛依「あ、確かに!そしたら円香ちゃんの狙う全滅は絶対叶わないじゃん!」 智代子「そっか……むしろ全員生きて還ることになるんだもんね!」 咲耶「裏切り者の正体が明らかになるまでは、円香も行動に移せないということかい」 凛世「モノクマさまの動機が、楔となるのですね……」 円香「……はぁ」 樋口さんはため息をつきながら体育館を後にした。 摩美々さんの指摘通り、今回の動機提供でむしろ樋口さんは動きづらくなる。 それなら私たちはむしろ安全になったとすらいえるのかもしれない。 モノクマの言う【かくれんぼ】についてしばらく意見共有をした後、私たちはそれぞれの部屋へと戻っていった…… 697: ◆zbOQ645F4s:2021/05/26(水) 00:11:03.01 :sfDlRV2p0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 キーン、コーン…カーン、コーン モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』 モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』 モノクマの動機提供。またしても異色のものだったけど… 今度こそ大丈夫なはずだ。コロシアイなんて絶対にしない、その信念はみんなに共通するものだし、ここで疑心暗鬼になんてならないはず。 だからこそ、平和的に全員が協力して生きて還る方法を早いところ見つけないと。 ……でも、裏切り者は今どう思っているんだろう? その存在はもはや疑いようもない。モノクマ自身が存在すると言っているんだ。そこに嘘はないだろう。 裏切り者は、生きて還ろうとしている私たちのことを……どう思っているんだろう。 どうして彼女は、裏切っているんだろう? いつまで考えても答えの出るはずのない難問。それに思い悩みながら、私は瞳を閉じた。 704: ◆zbOQ645F4s:2021/05/27(木) 22:01:40.70 :OJ/S1blG0 ------------------------------------------------- ___ _____ _______ 【灯織の部屋】 キーンコーンカーンコーン…… モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』 気が付けば朝になっていた。昨日はかくれんぼのこと、裏切り者のこと…… 色々と考えこんでしまったけど、ひとまずは皆さんを信じるほかない。 摩美々さんの言っていた通り、 今回の動機は私たちを焚きつける一方で抑止力としても働く可能性があるわけだし…… 樋口さんも動きづらくなっているはずだ。 ……お腹がすいたな、とりあえず食堂に行ってみよう。 ------------------------------------------------- 読む →
2021年05月25日 21:00 【シャニマス 】果穂(16)「普通って、なんですか?」 元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/14(金) 00:52:13.25 :97gKkE/X0 おそらく自分は、普通の人生を送れない。 なんとなくそう意識し始めたのは、たぶん中学生の時だったと思う。 放クラの活動が軌道に乗ってきて、アイドルをすることにも慣れてきた頃、周りの同級生たちが部活を始め、それまでお遊びだったクラブ活動とは打って変わって、本気で「大会」を目指すような部活動を始めて、なんとなく感じ始めた。 もちろんあたしは部活動はどこにも入っていなくて、アイドル活動で成果を出すことで特例として認められていた。他のみんなにその話をするときは、ちょっと誇らしい気持ちだったのを覚えている。普通じゃない、特別な優越感。 でもわがままなことに、同級生たちと競い合う時間を、ちょっと羨ましく思うこともあった。 蝉が鳴いている。その蝉の声と同じくらいの音量で、吹奏楽部が練習している音が聞こえてくる。 高校の教室は校門から遠いところにあって、中庭を通っていると、教室で練習している吹奏楽の音がよく聞こえる。こんなに大きな音を出す楽器より大きく聞こえる蝉の鳴き声って、すごい。 なんとなく「あー」と声を出してみると、芝生を踏む自分の足音が、消えてしまったような気がした。 読む →
2021年05月24日 07:00 【シャニマス】結華「キスの日……か」 元スレ 全てのレス 1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/05/23(日) 20:06:02.00 :ZG4df+nDO 結華「ははっ、やめやめ。三峰にPたんとキスだなんて似合わないよ」 結華「それに、薄い本じゃないんだから、そんなチャンスなんてないって……」 ギャーギャー 結華「ん?」 ウチガスルバイ! 結華「あちゃ……こがたん辺りフラグを立てそこねたかな?」 結華「どれどれ」 読む →
2021年05月23日 15:00 【アイマス】果穂「クライマックスガールズ」【シャニマス】 元スレ 全てのレス 1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/05/23(日) 11:02:00.351 :XOVgl0shp.net 「おばぁぢゃぁぁぁぁぁあん!?」 「あらあら、どうしたの?」 ある土曜日の昼下がり、可愛い可愛い孫娘が私を訪ねてやってきました。 読む →
2021年05月09日 22:40 【シャニマス×ダンガンロンパ】灯織「その矛盾、撃ち抜きます!」【安価進行】 CHAPTER 03 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 全てのレス 1: ◆zbOQ645F4s:2021/03/27(土) 20:58:17.12 :wsdCZq+f0 ‣前スレ 【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1613563407/#footer ------------------------------------------------- ※注意 ・本作は「ダンガンロンパ」のコロシアイ学園生活をシャニマスのアイドルで行うSSです。 その特性上アイドルがアイドルを殺す描写などが登場します。苦手な方はブラウザバックを推奨します。 ・キャラ崩壊注意です。 ・ダンガンロンパシリーズ(1,2,3,v3,絶対絶望少女等)のネタバレを一部含みます。 ・舞台は初代ダンガンロンパの希望ヶ峰学園となっております。マップ・校則も原則共有しております。 ・越境会話の呼称などにミスが含まれる場合は指摘いただけると助かります。修正いたします。 以上のほどよろしくお願いいたします。 ------------------------------------------------- 2: ◆zbOQ645F4s:2021/03/27(土) 21:00:24.46 :wsdCZq+f0 【3章現在での主人公の情報】 【超高校級の占い師】風野灯織 ・習得スキル 【一番星の魔法】 〔自由行動二回目終了時にモノクマメダル10枚を消費することで、その日の自由行動を一回プラスすることができる〕 【ポシェットの中には】 〔自由行動のある日に限り一日の終わりにコンマ判定を行い、末尾の数字の枚数分だけのモノクマメダルを獲得できる〕 【意地っ張りサンセット】 〔反論ショーダウン・PTAのコンマ値の基礎値が+10される〕 ・現在のモノクマメダル…75枚 ・所持アイテム 【色恋沙汰リング】 【スカラベのブローチ】 【新品のサラシ】 【斬鉄剣】 【昭和ラジオ】 【携帯ゲーム機】 【超技林】 【ジャスティスV変身ベルト】 3: ◆zbOQ645F4s:2021/03/27(土) 21:01:30.26 :wsdCZq+f0 【校則】 【1】生徒達はこの学園内だけで共同生活を行いましょう。共同生活の期限はありません。 【2】夜10時から朝7時までを"夜時間"とします。夜時間は立ち入り禁止区域があるので注意しましょう。 【3】就寝は寄宿舎エリアに設けられた個室でのみ可能です。他の部屋での故意の就寝は居眠りとみなし罰します。 【4】希望ヶ峰学園について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません。 【5】学園長ことモノクマへの暴力を禁じます。監視カメラの破壊を禁じます。 【6】仲間の誰かを殺したクロは"卒業"となりますが、自分がクロだと他の生徒に知られてはいけません。 【7】生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、生徒全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます。 【8】学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます。 【9】学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、クロだけが卒業となり、残りの生徒は全員処刑です。 【10】コロシアイ合宿生活で同一のクロが殺せるのは、2人までとします。 4: ◆zbOQ645F4s:2021/03/27(土) 21:02:41.35 :wsdCZq+f0 【通信簿および親愛度】 ・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】 ・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公) ・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0 ・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0 ・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……0 ・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……1.5 ・【超高校級の幸運】園田智代子……1.0 ・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】 ・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……0 ・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……0 ・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0 ・【超高校級のギャル】和泉愛依……0 ・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】 ・【超高校級のディベート部】樋口円香……0 ・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……1.0 ・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】 8: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 22:58:51.75 :tCjji0x70 _______あなたたちの言う絆なんて嘘っぱち。 9: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:00:52.93 :tCjji0x70 死を超えた人と人との繋がり? 想いの継承? そんなの自分の感情に対するただの逃避行動。 本当にその人のことを思うなら、仇はとって然りでしょ。 憎しみは何も生まないだなんて偽善者がよく口にする論調があるけど、あんなの欺瞞。 憎しむことで救われる想いもあるのに、清廉潔白という理想を追うがために蔑ろにしているだけ。 _______私は、憎しみ続ける。 精神の支柱とも言うべき幼なじみを、強引に、乱暴に、理不尽に奪い去ったあなた達を絶対に許さない。 悪いのはこんな状況に陥れた黒幕。 それはそうかもしれないけど、私の憎しみのベクトルは同じだけの尺度であなた方にも向けられていることをお忘れなく。 10: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:02:12.80 :tCjji0x70 感情はそんな簡単に割り切れるものじゃない。 あなた方はそれをわかってて見過ごしているだけ。 だから私が教えてあげる。 _______あなた達の【絆】をめちゃくちゃにして、 _______生きる希望を奪って、 _______仲間との別れに絶望させて、 _______憎しみの種を植え付けて、 11: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:03:31.29 :tCjji0x70 それでもあなたたちは今の【絆】を追い続けるの? 12: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:04:01.47 :tCjji0x70 ------------------------------------------------- CHAPTER03 部屋とオーパーツとワタシ (非)日常編 ------------------------------------------------- 13: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:05:07.43 :tCjji0x70 【食堂】 樹里と小糸の事件の翌日。 朝礼にいつも早めに集まるメンバーも歯抜けになってしまい、すこし寂しい雰囲気が漂っていた。 咲耶「やあ、灯織。よく眠れたかい?」 灯織「……ほどほど、ですね」 咲耶「いや、すまない……不躾な質問だったね」 灯織「いえ!お気遣いなく!あ、あの……凛世は?」 やはりこのメンバー内に気にかかるのは凛世。 放クラのメンバーであった樹里があんな感じで抜けてしまったからには凛世の心中も穏やかではないはず。 咲耶「今日も変わらず出席しているよ。……声をかけてやってくれるかい?」 灯織「は、はい!……もちろん!」 14: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:06:05.25 :tCjji0x70 【食堂 厨房】 凛世は厨房でテキパキと朝ごはんを拵えていた。 咲耶さんは自分が代わろうかと申し出たらしいけど、凛世はそれを断ったらしい。 灯織「凛世……おはよう」 凛世「灯織さん、おはようございます……」 灯織「その、凛世……大丈夫?無理はしてない?」 凛世「いえ、無理などは……ただ、凛世はこちらに来てから毎朝樹里さんと朝食を作っていたので……」 凛世がちらりと視線を寄せた先には生前樹里が使っていたエプロン。 樹里のことに気持ちの整理をつけるためにも、体を動かしていたいようだ。 灯織「……凛世、今日も変わらず美味しいご飯をお願いできるかな」 凛世「はい、お任せを……!」 そう言って腕まくりする凛世の姿には樹里の姿がどこか重なって。 ……私がわざわざ心配しなくても凛世なら大丈夫そう。 凛世も二回の事件を経て大きく変わろうとしているんだ。 15: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:06:40.14 :tCjji0x70 私は厨房を後にすると徐々にみんなが集まり出していた。 8時にもなれば、ほぼ全員が集まり、朝礼が始まった。 ________ただやはり、樋口さんの姿だけはそこになかった。 咲耶「みんな、集まってくれてありがとう。昨日の今日で色々と割り切れないものもあると思うけど、少しずつでも前に進んで行こう」 めぐる「うん、まだまだ頑張るからね!」 智代子「……絶対、生きて帰ろうね!」 摩美々「で、また事件が一つ終わったわけだからもしかして新しいエリアが解放されたりするんじゃないのー?」 甘奈「あ、確かに!」 甜花「浅倉さんの事件の後に、二階が開いたんだよね……」 霧子「それじゃあ、今回は3階……?」 モノクマ「その通りー!」 智代子「わああああああ?!?!」 雛菜「どこから湧いてきたんですか〜?」 16: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:10:41.35 :tCjji0x70 モノクマ「オマエラのご期待に応えてアナウンスだよ!」 モノクマ「こんぐらっちゅれーしょん!福丸さんと西城さんの尊い犠牲のおかげで学校エリアを一部新たに解禁いたしましたー!」 愛依「犠牲って……今更言ってもしゃーないけど……マジにムカつく系」 摩美々「なんか周りくどい言い方ですねー」 灯織「え?」 摩美々「ただ三階を開けるだけならそう言えばいいですよねー?」 モノクマ「いい質問ですねぇ!その通り!今回は新たに一階の保健室もオープンいたします!」 霧子「保健室……!」 モノクマ「簡単な薬なら倉庫にも入れておいたけど、こっちの方が本格的な治療は行えるからね!興味があったら覗いてみてね!」 めぐる「うんうん、何をするにも怪我はつきものだからね!」 雛菜「保健室ならベッドもあるんですかー?」 モノクマ「もちろん!……あ!保健室でも居眠りは禁止だからね!」 モノクマ「病気の治療で泊まる必要があるとかじゃない限り保健室登校は許可しませんので、悪しからず!」 雛菜「ちぇ〜」 (い、市川さんに対するツッコミ役が不足している……) 咲耶「よし、それじゃあ今日は三階の調査からだね」 愛依「おっし、絶対手がかり見つけるかんね!」 めぐる「灯織!」 灯織「うん、めぐる……行こう、私たちも」 (今度こそ、脱出の糸口を見つけないと……!) ------------------------------------------------- 【探索について】 場所指定の安価と同時にコンマを判定し、末尾の数字と同じ枚数だけモノクマメダルが獲得できます。 ------------------------------------------------- めぐる「灯織、どこから探索する?」 灯織「えーっと……そうだね」 ------------------------------------------------- 1.【学校エリア3F】娯楽室 2.【学校エリア3F】美術室 3.【学校エリア3F】物理室 4.【学校エリア1F】保健室 ↓1 17:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/03/30(火) 23:12:39.47 :jrepNfB90 4 19:そういえば昨日前スレで購買パートをやったのでメダル枚数が変動してます、悪しからず ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:15:26.19 :tCjji0x70 4選択 【保健室】 これがモノクマの言っていた保健室らしい。学校エリア一階で唯一閉鎖されていた部屋。この部屋が……もしも小糸の事件の段階で開いていたらもしかして…… いや、こんなことを考えても仕方ない…… 霧子「うん、大体の怪我は治療ができそう……輸血パックもあるから、緊急時にも使えるかも……」 灯織「アンティーカの皆さん……どうでしょうか、設備は使えそうですか?」 咲耶「ああ、霧子に見てもらっているけど今のところは実用的みたいだ」 摩美々「うっかり灯織が階段から落ちてもヘーキだねー」 灯織「お、落ちませんよ!」 霧子「ふふ、病気になっても安心だね……!」 めぐる「霧子がいれば看病もしてもらえるもんね!」 摩美々「ただ設備が充実してるってことはその分警戒もした方がいいかもねー」 灯織「え……?」 摩美々「医療の現場にあるものって大体悪用できそうじゃない?ほら、注射器とかー、チューブとかー」 咲耶「……大丈夫、考えすぎさ」 摩美々「だといいですケド」 (……これからお世話になりそうな部屋だけど、扱いは慎重にした方がいいかも) 【コンマ47】 【モノクマメダル7枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル…52枚】 ------------------------------------------------- 1.【学校エリア3F】娯楽室 2.【学校エリア3F】美術室 3.【学校エリア3F】物理室 ↓1 20:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/03/30(火) 23:25:27.16 :FoOVCUpe0 3 21: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:28:19.00 :tCjji0x70 3 選択 【物理室】 ……なんだこれ。 部屋に入るなり仰々しい装置が目につく。 よくテレビなんかで静電気発生マシーンをやっているけれど、あれによく似た形状の半透明な装置……何に使うんだろうか。 モノクマ「キミは今!因果律の歴史を作り替える装置に向かって一歩踏み出した!」 めぐる「わぁっ?!モノクマ?!」 灯織「な、何の用ですか……?」 モノクマ「忠告しにきたんだよ、このまま放っておいたら風野さんが危ないところだったからね!」 灯織「こ、この装置危ないものだったんですか?」 モノクマ「ああ、うっかり触れちまうと因果律の彼方、全ての物理が起する前段階に戻されるんだ!」 めぐる「んー?」 モノクマ「要は過去に戻るってことだね!」 灯織「た、タイムマシーン?!」 モノクマ「そういうこと、超高校級の物理学者が残した遺産さ。いつでもどこでも2秒前の世界に戻ることができる優れもの!」 灯織「……え?に、2秒?」 モノクマ「2秒」 (つ、使えない……!!) めぐる「2秒じゃ意味ないよ……もっと一ヶ月ぐらい戻れたら真乃にもう一回会えたのに!」 モノクマ「……ぶひゃひゃひゃひゃ!嘘だよ嘘!タイムマシーンなんかじゃないよ、現代の人間の力じゃ2秒どころか0.000000001秒戻ることも不可能だからね!」 灯織「……は?」 モノクマ「これは空気清浄機!オマエラがこの学園で澄んだ空気を吸えるのはこいつのおかげ!だからくれぐれも壊さない様に!」 めぐる「……行っちゃった」 何やらくどくどと話していたけど…… 要は空気清浄機には近づくな、ってことらしい。 こんなに大層な装置が必要なのかはわからないけど従っておいた方が良さそう。 【コンマ16】 【モノクマメダル6枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル…58枚】 22: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:29:57.32 :tCjji0x70 【物理準備室】 物理室の奥の空間には実験器具などが並べられた倉庫の様な空間がある。 至って事務的で無機質な空間だ。 その空間の中央にポツリと置かれているのは……今度はカメラ? めぐる「デジカメ……みたいだね?」 灯織「このカメラ……なんだか見たことがあるような……」 めぐる「え?……誰かが持ってたやつ?」 灯織「……これ、結華さんが持ってたカメラと同じ型じゃないかな」 めぐる「確かに、そうかも……!前に一度猫のスナップを見せてもらったよ!」 灯織「そっくりだよね……いや、流石に結華さん自身のものってことはないと思うけど……」 (でもアンティーカの皆さんに一度見てもらった方がいいかもしれない……) 灯織「これ、預かっててもいいかな?」 めぐる「えっ?うん……壊さないように気を付けてね!」 ------------------------------------------------- 1.【学校エリア3F】娯楽室 2.【学校エリア3F】美術室 ↓1 23:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/03/30(火) 23:30:33.91 :jrepNfB90 1 24: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:33:28.21 :tCjji0x70 1 選択 【娯楽室】 ここは……学校には珍しいスペースだ。 ビリヤード台やダーツスペース、漫画雑誌まで置いてある。 雛菜「あ~、これ読みたかったやつ~!」 めぐる「なんか本当にここが学校なのか自信を失っちゃいそうな空間だね……」 灯織「うん、うちの学校にはこんなのなかったよ」 めぐる「うーん……ビリヤードとかって知ってはいるけどルールがわかんないよね」 灯織「そうだね、プレイしてる人とかすごく大人でカッコいいなって思うんだけど……実際プレイするとなるとね」 甜花「甜花、ルールぐらいなら大体わかるよ……?」 灯織「甜花さん?!」 甜花「ビリヤードなら簡単なナインボール、ダーツならカウントアップかな……?どれもヤクザ屋さんのゲームで、ミニゲームにあったから……」 (どんなゲームなんだろう……) 甘奈「甜花ちゃんさっすが!せっかくだしみんなでやってみようよ☆」 雛菜「いいですね~、雛菜はオセロがいいかも~」 灯織「うん、また今度。甜花さん……私にもルールを教えてもらってもいいでしょうか?」 甜花「に、にへへ……うん!甜花、遊びの先生だから……」 【コンマ91】 【モノクマメダル1枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル…59枚】 ------------------------------------------------- (よし、あとはあそこだけだね……) 【選択肢が最後の一つとなったので、残った探索先の美術室へ向かいます】 【コンマ判定でモノクマメダル獲得枚数の判定を行います】 ↓1 25:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/03/30(火) 23:36:03.42 :FoOVCUpe0 ほい 26: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:38:02.29 :tCjji0x70 【美術室】 ここは美術室、みたい。 石膏像やキャンバスがこれ見よがしに並べられてるし……壁はステンドグラス。 どこからこんなに予算を回してきたんだか。 灯織「彫刻刀とか絵具とか……設備も充実してるんだね」 めぐる「みたいだね、なんだか事務所でペンキを塗ったの思い出すなー」 灯織「流石にここで作品を作る気には、ならないかも……」 愛依「あれ……墨汁なんかもあるんだ……」 灯織「愛依さん?それは?」 愛依「あー灯織ちゃん!これ、墨汁っぽいんだよね。書道教室は流石に単体じゃ無いかー」 灯織「そういえば愛依さんは書道がお得意でしたよね」 愛依「んー?まあ、ボチボチ?昔っからおばあちゃんに教えてもらってたからねー」 愛依「あーなんかあさひちゃんのこと思い出しちゃうわ〜、あさひちゃんの書いた字も味があっていいんだよね!」 めぐる「灯織灯織!こっち、もう一つ部屋があるよ?」 灯織「えっ……?」 (美術倉庫……ここの扉は鍵付きだ、内側からかけるタイプみたいだけど……) 【コンマ42】 【モノクマメダル2枚を獲得しました!】 【現在のモノクマメダル…61枚】 27: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:40:31.25 :tCjji0x70 【美術倉庫】 美術倉庫の名前の通り、美術の授業で使うような用具がこちらにもゴロゴロと転がっている。 中でも目につくのは大きなハンマーの数々かな? 壁にかけられたハンマーは石膏像を作るときに使うんだろう。 だけど、一番目を引いたのは部屋の隅に落ちていた一枚の写真。 灯織「写真……?誰が撮ったんだろう……?」 そう、純粋な興味で私はその写真を手に取った。 この学校に関係するものだろうか、外の世界に関係するものだろうか。ただそれだけの興味だった。 でも、そこに残されていたのは。 (……え?) _______真乃と小糸が二人で料理をしている写真だった。 (……な、なんで?) めぐる「こ、これって……?」 モノクマ「わーーーーー!!なに見てるのさーーーー!!」 思わずめぐるも私もたじろいでいると、どこからともなくモノクマが現れて、手に持っていた写真を引ったくってしまった! モノクマ「プライバシーもあったもんじゃないね!この野郎!……いや、野郎じゃないか」 灯織「も、モノクマ?!今のは?!」 モノクマ「あー、あー!知りませーん!ボクはなにも知りませんよーだ!」 私の質問になにも答えることもなくそのまま逃げてしまった。 めぐる「い、今の写真……」 灯織「小糸と真乃ってそんなに仲良かったのかな……あの写真、背景から見てどこかのキャンプ場だったよね……?」 めぐる「ずるいなー真乃!わたしももっと小糸と仲良くなりたかったのにー!」 (なんだろうこの違和感……二人とも知り合いだったわけだし、あんな写真があったとしてもおかしくはないんだけど……) (なにか、重大な見落としが……?) 28: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:42:14.20 :tCjji0x70 【空き教室】 学校という施設である以上当然ながら教室も存在する。 三階にもこれまでの階と同様にいくつかの教室があり、その中の一つを何気なく開いてみた。 円香「……」 灯織「ひ、樋口さん?!どうしてここに……?」 円香「どうしても何も無いでしょ、私も灯織達と同じ生徒。モノクマがお節介焼いただけだから」 乱暴な口調で樋口さんは私に言い訳をするとそそくさと部屋を後にしようとドアノブに手をかける。 めぐる「待って!」 灯織「めぐる……?」 円香「……何?」 めぐる「円香は今何を考えてるの?」 円香「……は?」 めぐる「お願い……教えてもらえないかな。わたしね、ここにいる皆で協力すれば絶対モノクマに負けないって思うんだ」 めぐる「円香は透と小糸が死んじゃって……わたしたちのことを信じられないのもわかる……わかるけど!」 めぐる「円香も一緒に帰らないと意味がないから!円香だってわたしの友達だと思ってるから!」 円香「……お生憎様、私に協力の意思はない」 めぐる「……円香」 円香「変に期待を持たれても困るから先に言っておく」 29: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:43:30.47 :tCjji0x70 円香「私は必ず誰かを殺す」 30: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:45:06.47 :tCjji0x70 灯織「……!?」 めぐる「……え?」 円香「灯織とめぐるが真乃にほだされて見出した【絆】……そんなのただの綺麗事。向き合うべき感情に対する逃避行動でしかない」 めぐる「ち、違うよ!真乃に透に樹里に小糸!四人の思いを引き継いで……」 円香「勝手に透と小糸を入れないで」 めぐる「……っ!」 円香「あんたに死んだ人間の何が分かるっていうの?透も小糸も……私の方が分かってる」 灯織「そ、それは……」 円香「なかよしごっこするならご自由にどうぞ。私は知ったこっちゃないから」 樋口さんが去り際に吐き捨てるように残した言葉がしばらく胸に刺さっていた。何も言い返せなかった。 幼なじみを立て続けの失った樋口さんの心境なんか私たちにわかるはずもないし、分かろうとすることすら樋口さんは嫌がるはずだ。 めぐる「灯織……」 灯織「……」 でも、だからといってここで折れるわけにはいかない。 それこそ絆を樋口さんの言うように独りよがりなものだと認めたことになるから。 背負って生きると決めた以上、止まるわけにはいかない。 灯織「めぐる、行こう」 めぐる「……うん」 絶対に皆で生きて帰るんだ……!! 31: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:46:59.16 :tCjji0x70 【食堂】 新しく広がったエリアの探索を終え、食堂に戻るとすぐに報告会が始まった。 咲耶「さて、みんな一通り探索を終えたところで今回も報告会と行こうか」 甘奈「甘奈と甜花ちゃんと雛菜ちゃんは娯楽室を色々と調べてたんだけど、沢山ゲームがあって楽しそうだったよ!」 甜花「ダーツにビリヤード……ゲームとして申し分なし……!」 雛菜「漫画雑誌も読みたい奴がありましたよ~」 摩美々「オセロなんかもあったし今度灯織一緒にやろうよー」 灯織「……お、お手柔らかにお願いします」 愛依「美術室は画材?とかもめっちゃあって色々できそうだったよ!」 咲耶「彫刻造りの材料もひとしきり揃っていたね、芸術をするにはうってつけな環境のようだ」 智代子「うんうん、しかも愛依ちゃんの得意な書道セットもあったよね!」 愛依「マジマジ!久しぶりに一筆、書いてみますかー!」 凛世「物理室には、かなり仰々しい装置がございました……」 智代子「モノクマが言うには空気清浄機、らしいね!」 灯織「私は初め、タイムマシーンだとからかわれました……」 摩美々「確かにそう見えなくてもないケド、信じたのー?」 灯織「し、信じてません!」 霧子「保健室には、倉庫以上の設備が充実してたよ……」 霧子「怪我をしちゃっても、これで安心できる……かな……」 咲耶「私たちには白衣の天使がいるからね、もしもの時には頼らせてもらおうか」 霧子「さ、咲耶さん……」 32: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:49:41.78 :tCjji0x70 報告がひと段落したので、私たちはずっと気になっていた話題を持ち出した。 灯織「その……私とめぐるから一ついいでしょうか」 咲耶「なんだい?聞かせて欲しいな」 めぐる「あの写真のことだよね?」 甜花「しゃ、写真……?」 灯織「はい……モノクマに回収されたので手元には残っていないんですが、美術準備室に入った際に一枚の写真を拾ったんです」 愛依「あー、あん時?写真なんかあったんだ!」 めぐる「愛依は美術準備室には入らなかったの?」 愛依「うん、うちはさらっと美術室の方しか見てなかったカンジ」 灯織「その、写真には……真乃と小糸が写っていて」 雛菜「……小糸ちゃんが?」 灯織「は、はい……二人で屋外で料理をしていて……まるでキャンプの様でした」 摩美々「それ、この合宿よりも前に撮られたやつってコトだよねー?」 33: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:50:49.99 :tCjji0x70 雛菜「……」 咲耶「どうだろう、雛菜。何か心当たりはないかな?」 雛菜「……小糸ちゃんはアンティーカの人とは仲良かったみたいですけど、他のアイドルとは別に聞いてないですね〜」 霧子「わたしのことかな……?」 灯織「真乃は誰とも打ち解けやすいとは思いますが……小糸と特別仲が良かったとかはイルミネも聴いてないですね……」 甘奈「二人が実は生きてて、キャンプの真っ最中とか?」 摩美々「流石にないでしょー……真乃に至っては、私たちが目の前で死んだのを確認してるんだしー……」 (そうだ……真乃は間違いなく、モノクマのおしおきで命を落とした) (それをここにいる全員が目撃している) 愛依「うーん、現物見てないしなんとも言えんカンジだね」 めぐる「ほ、ホントなんだよ?!」 咲耶「大丈夫さ、疑ってるわけじゃない」 摩美々「……」 34: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:52:50.51 :tCjji0x70 摩美々「一旦考えても仕方ない謎は置いとこうよー」 灯織「あ、それでしたらこちらのカメラの話をしませんか?」 凛世「カメラ、ですか……」 灯織「はい……こちらは物理準備室で拾ったものなんですが」 智代子「すごいね灯織ちゃん……いろいろ見つけたんだね!」 めぐる「このカメラ、アンティーカのみんなは見覚えないかなー?」 咲耶「……おや?これは結華の持っていたものと同じ型のカメラかい?」 摩美々「まさかそっくりそのまま同じやつー?」 霧子「結華ちゃんのカメラさん、なのかな……」 灯織「どうでしょう、何かわかりませんか……?」 咲耶「うーん、データは残っていないみたいだね」 摩美々「似てはいるけど、これだけじゃ判別つかないですねー」 凛世「……」 智代子「凛世ちゃん?」 35: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:53:27.44 :tCjji0x70 凛世「いえ、その……カメラと聞いて、プロデューサーさまのことを思い出してしまいました……」 咲耶「……そうか、凛世はこの前のクリスマスにプロデューサーにインスタントカメラを渡したんだったね」 凛世「はい……」 智代子「凛世ちゃん……」 凛世「夏には、プロデューサーさまに随伴して海に行ってお写真を撮ったこともありました……」 凛世「凛世にとってカメラにはプロデューサーさまとの思い出が、忘れ難く……」 摩美々「……」 摩美々「……凛世、このカメラ使うー?」 凛世「摩美々さん……?!」 霧子「摩美々ちゃん……ふふっ、うん……♪」 霧子「凛世ちゃんが持ってた方がカメラさんも嬉しいかもしれないね……!」 凛世「で、ですが……」 摩美々「正直私たちが持ってても仕方ないし凛世が持っててよー」 咲耶「カメラを見て、元気を取り戻せるなら持っておくべきは私たちじゃないさ」 凛世「皆さん、ありがとうございます……」 こうしてカメラは凛世の元へと渡った。 カメラから手がかりを得ることはできなかったけど、結果として誰かの支えになったのならそれは成功だよね。 36: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:55:23.59 :tCjji0x70 咲耶「報告会はこれで終わりだけど……円香は結局来なかったね」 雛菜「円香先輩朝から見てないですし、もうほっといていいんじゃないですか〜?」 愛依「うーん、やっぱり気になんだよね……小糸ちゃんのことで相当うちらに恨みをもっちゃってるみたいだし……」 灯織「樋口さんのことなんですが……探索中に一度お会いしました」 摩美々「そうなのー?」 灯織「は、はい……しかし、取りつく島もないといった感じでして……」 智代子「そうだろうね……うーん、困り物ですな」 ------------------------------------------------- 円香「私は必ず誰かを殺す」 灯織「……!?」 めぐる「……え?」 ------------------------------------------------- (流石に……あれは黙っておいたほうがいいよね) めぐる「……でも、円香の協力なしにはモノクマには勝てないよ!」 咲耶「……そうだね、円香も含めて一丸とならないと私たちに希望はない」 咲耶「何かしらの手は講ずるべきだろう」 摩美々「お人好しですねー」 雛菜「雛菜はもう円香先輩ほっといていいと思う〜」 樋口さんという大きな懸念材料を残し、その日の報告会は終わった。 37: ◆zbOQ645F4s:2021/03/30(火) 23:56:45.72 :tCjji0x70 【灯織の部屋】 キーン、コーン…カーン、コーン モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』 モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』 (……夜時間) 新しいエリアが増えたからといって手がかりが増えるわけでもない。 もちろん脱出口なんてものもない。 ……私たちはまだ、モノクマの手の上で踊っているだけなんだろう。 ……だから何? 私は樹里の姿から何を学んだ? どんなに苦しくたって立ち向かっていく勇気じゃないの……!? そう、これまでに二度の裁判を終えてきた…… 弱音を吐くような自分じゃ、その二度を無駄にしてしまうだけ。 大丈夫、樋口さんのこともきっとどうにかなる。 それに、必ず活路は見出せる……! 無理やりにでもポジティブにならなきゃ、 蟠りを見ないようにして、私は無理やり眠りについた。 40: ◆zbOQ645F4s:2021/03/31(水) 00:01:52.83 :1lzqO7fE0 最後に前スレで購買パートをやった後の結果をこちらのスレにもコピペしておきます。 次回自由行動の際の生徒選びにお役立てください。 ------------------------------------------------- ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【ローズヒップコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【ツルカメダイヤモンド】 【ブルベリの香水】 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【新品のサラシ】 【もちプリのフィギュア】 【高級チンチラシート】 【残鉄剣】 【むらまさ】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【水晶のドクロ】 【黄金のスペースシャトル】 【月の石】 【携帯ゲーム機】 【超技林】 【蝶ネクタイの変声機】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【キャットドッグプレス】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ダンベル君主論】 【冬優子ちゃん育成キット】 42: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:03:25.88 :hCqXwXeT0 【灯織の部屋】 キーン、コーン…カーン、コーン モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』 灯織「よし!」 決意を新たに顔を叩いて無理やり奮い立たせる。 落ち込んでいる時間なんかない…… さあ、今日もがんばろう! ------------------------------------------------- 43: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:05:46.69 :hCqXwXeT0 【食堂】 寝ぼけ眼をこすりながら扉を開けると、出迎えたのは意外な人物だった。 円香「……灯織」 灯織「ひ、樋口さん……!?」 昨日は探索途中に一度鉢合わせただけで、以後姿を見せていなかった樋口さんが食堂の椅子に堂々と腰かけていた。 灯織「ど、どうしてここに……?」 円香「どうして?……私も灯織たちと同じく283プロダクション所属のアイドルなんだけど」 灯織「そ、それはそうですが……」 つい昨日まで私たちを避けて行動していた人とは思えないほどに冷静な様子でいるのがかえって不気味。 何か腹に抱えたものがありそうな気配を感じる…… 咲耶「円香はどうやら何か話があるみたいだよ」 灯織「は、話……ですか?」 霧子「うん……みんなが来てから、話すらしいんだ……」 めぐる「だからみんなを待ってたんだよー」 円香「そう、これは全員が聞くべき話」 円香「……特に、今のあなたたちの中心核である灯織にこそ聞いてほしい話」 灯織「……私に?」 樋口さんは冷たい視線を真っすぐに私に向けていた。 樋口さんは宣言通り、それ以降は食事に手を付けることもなく静かに全員が揃う時を待っていた。 雛菜「……円香先輩、なんでここにいるわけ~?」 円香「……」 前回の裁判で仲たがいした二人も会話はそれだけ。 樋口さんは最後の一人が食堂の席に着いたのを確認して、ようやくしゃべり始めた。 44: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:07:22.50 :hCqXwXeT0 円香「……全員揃った」 甜花「ひ、樋口さん……どうしたの……?」 甘奈「甘奈たちに話って何?もしかして、脱出の方法が分かったとか☆」 円香「……」 摩美々「否定するときぐらい喋りなよー」 愛依「で、話ってなんなん?めっちゃ重要な話なんだよね?」 円香「……まあ、私からすればどうでもいい話なんですが」 雛菜「え~?どうでもいい話ならいいじゃ~ん、引っ込んでてよ~」 智代子「し、辛辣すぎるよ雛菜ちゃん?!」 円香「あなた方は知っておくべき事実だと思いまして」 (わ、私たちが知っておくべき事実……?) 灯織「ど、どういう意味でしょう……」 凛世「円香さんにとっては無価値でも、凛世たちは知るべき情報……」 凛世「先の裁判での発言を顧みると……コロシアイ、これを防ぐための有効な情報なのではないでしょうか……」 めぐる「えっ?!それだったらすっごく助かるよ?!」 甘奈「うんうん!甘奈たちが何よりも一番望んでることなんだし!」 甜花「樋口さん、お手柄……!」 円香「……」 いや、違う…… そんな私たちにとって助けになる情報なら、樋口さんはあんな表情をしない…… 45: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:08:37.16 :hCqXwXeT0 円香「私は小糸の裁判以降、あなた方に非協力的な姿勢を貫いてきた」 円香「……まあ、それは別に変らないんだけど」 円香「昨日、ひとつ面白いものを見たから」 霧子「面白いもの……?」 霧子さんの問いかけに樋口さんは不敵に微笑むと、私の正面に向き直った。 円香「このコロシアイ……私たちが戦うべき相手は誰だと思う?」 (私たちが戦うべき相手……?そんなの、決まってる) 灯織「モノクマ……このコロシアイをけしかけた首謀者、黒幕ですよ!」 円香「そう、ゲームに乗らないなら戦うべきはモノクマ。当然じゃない?」 円香「コロシアイのルール自体に抗わなきゃいけない……最終的に行き着くのは黒幕との直接対決かもね」 46: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:10:06.50 :hCqXwXeT0 霧子「コロシアイなんて、だめだよ……」 霧子「でも、そうなると黒幕さんと戦わなくちゃ、ダメなんだよね……」 愛依「戦う……そっか、そうだよね……」 愛依「モノクマが途中でコロシアイを投げ出すなんて、そんなんありえないか……」 咲耶「要領を得ないね、円香が見たという面白いものの正体を早く聞かせてもらえないかい?」 円香「……せっかちですね」 凛世「モノクマさんと、円香さんのお話に何か関連があるのでしょうか……」 めぐる「もー、早く本題に入ってよ!」 樋口さんの話にやきもきする私たちの様子を見ると、 樋口さんは満足したのか、また元の無表情に戻って冷たい口調で言い放った。 円香「結論から言う」 47: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:12:36.91 :hCqXwXeT0 円香「私たちの中に、黒幕側の人間がいる」 48: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:14:17.76 :hCqXwXeT0 (……!?) 灯織「……え?」 樋口さんの発した言葉の意味が暫く分からなかった。 円香「もう一度言う?」 円香「私たちの中に、黒幕側の人間がいる」 急激に火照る肌を、汗が撫でた。 樋口さんが口にしたのは、これまで考えもしなかった事実。 いや、あってはならない事実だからこそ…… 考えようとする気もわかなかったというべきか…… それだけ、根底を覆すような一言だった。 めぐる「ま、待ってよ……何を言ってるの、円香?」 凛世「あ、ありえません……そのような、ことなど……」 円香「……説明、いる?」 めぐる「いるよ!いるいる!そんなの……円香の言葉だけじゃ信じられないって!」 49: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:16:37.12 :hCqXwXeT0 円香「オッケー。それじゃあ全部話す、それで決めて」 円香「昨日の夜時間、私は美術室で物色中でした」 咲耶「……物色とはね」 摩美々「何をしてたか……いや、やっぱいいや」 円香「お察しの通り」 円香「あの部屋には彫刻刀やハンマーなど、使えそうなものがたくさんありますから」 霧子「円香ちゃん……何か、作品を作りたかったのかな……?」 愛依「そんな隠れて作らなくてもうちら馬鹿になんかしないよ!?」 摩美々「……」 円香「……で、あらかた目を付けたので美術室を出ようとしたとき。美術倉庫の方から話声が聞こえて来たんです」 灯織「……話し声、ですか?」 50: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:17:49.60 :hCqXwXeT0 ------------------------------------------------- モノクマ「はーいお疲れさーん、どうだった?西城さんの処刑の後のみんなは?」 ???「…………」 モノクマ「ふーん、別にみんな凹んでなかったしそんなもんか」 ???「…………」 モノクマ「やっぱり彼女の活躍が大きいんだね。ボクもみんなも予想外だったわけだけど、すごくいい感じだ。彼女のおかげだよね」 ???「…………」 モノクマ「次の動機?それはまだ言えないよ!大丈夫大丈夫、絶対コロシアイはまた起こるんだからさ、心配する必要はないよ!」 ???「…………」 モノクマ「そうそう、とっておきのやつが残ってるからね!」 ------------------------------------------------- 51: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:19:03.11 :hCqXwXeT0 智代子「ちょ、ちょっと待ってよ!な、なにこの会話……」 智代子「モノクマは誰と話してるの?!」 円香「……さあ?」 灯織「……え?」 円香「生憎だけどモノクマが話してた相手までは。モノクマは特徴的なダミ声だから聞こえただけ、ドア越しなら会話なんて聞こえない」 甘奈「え、で、でも……今の話って……」 甘奈「モノクマと同じ、コロシアイの黒幕側の人間だよね……?」 円香「さっきも言ったでしょ?あなたたちの中に黒幕側の人間がいるって」 灯織「違う……!そんな、私たちの中にいるかどうかなんてまだわからないですよ……!」 めぐる「そうだよ、今の話じゃ……!」 円香「話はまだ終わってない」 灯織「……え?」 52: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:21:00.39 :hCqXwXeT0 ------------------------------------------------- モノクマ「にしてもキミがいてくれて本当助かるよ!ボクの視力はマサイ族並みとはいえ、限界があるからね」 ???「…………」 モノクマ「ん?ああ、そうだよ。キミにはこの調子でお願いするから……その調子でみんなの様子をボクに伝えてよね」 モノクマ「やっぱコロシアイを主催する側として、活かせる情報を見逃すわけにはいかないからね、逐一教えてもらわないと!」 ???「…………」 モノクマ「うんうん、頼んだよ。それじゃあ早いとこ戻ってくれる?夜時間とはいえ、不在でバレる可能性もあるしさ」 ???「…………」 モノクマ「はーい、お疲れー。ほんじゃ、またねー」 ------------------------------------------------- 53: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:22:16.63 :hCqXwXeT0 (……は?) 円香「わかったでしょ?モノクマと話してた相手……黒幕側の協力者」 円香「いわば裏切り者はあなた方の中に紛れ込んでいる」 違う。そんなわけない。 だって、私たちは既に二度のコロシアイを生き抜いてきた仲間なんだ。 甘奈「嘘、だよね……?」 愛依「ないない……そんなん、うちは……信じないから……」 めぐる「うらぎり、もの……?」 それなのに、黒幕と同じ…… コロシアイを企んでいる人間がこの中にいるわけ…… 円香「灯織」 灯織「……な、なんですか」 円香「どう?この場にいるお仲間のうち一人は……灯織の言う【絆】を前提から否定するような存在みたいだけど?」 灯織「……!?」 円香「……笑える。どれだけ灯織がお仲間を信じようともそのお仲間ははなっから協力する気がないなんて」 54: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:23:30.49 :hCqXwXeT0 摩美々「はいストップー」 55: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:25:22.23 :hCqXwXeT0 灯織「ま、摩美々さん……?」 摩美々「みんな学級裁判で何を学んだんですかー?」 摩美々「この学園で生き残っていくために必要なのは、真実を見つけ出すことですよねー?」 円香「……は?」 摩美々「円香の話しか根拠はないのに、鵜吞みにする必要ありますー?」 (……!!) 円香「……まあ、好きにすればいいですが」 摩美々「お言葉に甘えて好きにさせてもらっちゃいまーす、ねー、灯織―」 (ま、摩美々さん……) (……そうだ。ここで私が認めてしまうわけには、いかない) (私は、自分のためにも……みなさんのためにも、否定をしなければ……!) 灯織「そうですね……私も摩美々さんと同じく、信憑性には欠けると思います」 智代子「そ、そうだよね……裏切り者なんか、いるわけないよね……」 56: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:27:28.34 :hCqXwXeT0 灯織「だって考えてもみてください……裏切り者が本当に要るのなら、私たちの結束をもっと邪魔するはずじゃないですか?」 めぐる「そ、そうだよ!コロシアイをさせたいんだったら、こんな風に集まるのだって妨害するはずだよ!」 灯織「大体あのモノクマに協力するメリットがないですよ」 灯織「モノクマのようにコロシアイを心から熱望するような人……私たちの中にはいないですよ!」 そう、私たちには283プロで共に過ごした歴史の積み重ねがある。実感がある。 一緒に夢を追った仲間たちなんだ……その内面だって知り尽くしている。 そんな裏切りなんて、ありえない! 雛菜「まあ円香先輩って、雛菜たちと敵対してるみたいなものだから~、不安を掻き立てるためだけの作り話って可能性もありますもんね~」 円香「……雛菜、あんたは」 雛菜「べ~!!!雛菜は円香先輩と話す時間なんてありませ~ん!」 摩美々「よくできた話だよねー、円香小説家でも目指したらー?」 円香「……それが、あなたたちの選択?」 凛世「円香さん、凛世たちは……仲間を信じます」 凛世「凛世たちは、揺らぎません……!」 霧子「そうだよ……わたしたちは、裏切ったりなんか……しないよ……」 57: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:29:06.75 :hCqXwXeT0 円香「……はぁ」 樋口さんは私たちに辟易とした様子でため息を一つつくと、食堂から姿を消した。 (作り話、そう思うしかない……) (でも、樋口さんの語り口は、妙なリアリティがあった……) (……ダメ、考えちゃダメ) 摩美々「……さ、円香も帰ったし解散しますかー」 愛依「今の話、ウソ……なんだよね」 咲耶「……ああ、当然さ」 甜花「甜花……甜花は、信じない……」 摩美々「考えるだけ無駄だってー」 全員、信じないという言葉を別れの言葉にそれぞれへの個室へと戻った。 ……私も、信じない。裏切り者なんて、そんなの……あってはならないんだから。 58: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:31:41.57 :hCqXwXeT0 【灯織の部屋】 裏切り者……あの話は嘘なんだ。 間違いない。樋口さんの、私たちをばらばらにするための策略。 ……それなら、私たちはより結束を強固にして立ち向かわないと。 今の私にできることは、これだ。 【自由行動開始】 灯織「さて、どうしようかな」 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…61枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 59:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/01(木) 22:32:08.67 :Py3cVXuo0 2雛菜 60: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:37:35.91 :hCqXwXeT0 2 雛菜選択 【娯楽室】 灯織「市川さん……今、お暇ですか?」 雛菜「ん~?あ~、こんにちは~」 雛菜「雛菜に何か用ですか~?」 灯織「も、もしよろしければ一緒に過ごさせていただいても……?」 雛菜「え~?う~ん……」 (……な、何を悩むことがあるんだろう) (も、もしかしてなにか失礼をしてしまった?!だとしたら?!) 雛菜「オセロでもやります~?」 (よ、よかった……ただゲームで悩んでいただけだった……) 市川さんとオセロで遊ばせていただいた…… ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【ローズヒップコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【ツルカメダイヤモンド】 【ブルベリの香水】 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【新品のサラシ】 【もちプリのフィギュア】 【高級チンチラシート】 【残鉄剣】 【むらまさ】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【水晶のドクロ】 【黄金のスペースシャトル】 【月の石】 【携帯ゲーム機】 【超技林】 【蝶ネクタイの変声機】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【キャットドッグプレス】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ダンベル君主論】 【冬優子ちゃん育成キット】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 61:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/01(木) 22:46:22.58 :3G/t8N8Q0 1.ブルベリの香水 62: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 22:55:04.08 :hCqXwXeT0 【ブルベリの香水】を渡した… 灯織「い、市川さん……どうでしょう、香水なんですが」 雛菜「あ~、ありがとうございます~」 雛菜「確かにいい匂いですね~」 灯織「で、ですよね!清涼感がある香りで、爽やかな印象……」 雛菜「でもこれ、パパの香水にそっくりな匂いですね~」 灯織「……え?」 雛菜「これ、男性用香水じゃないですか~?」 灯織「えっ?!?!?し、失礼しました!!」 ------------------------------------------------- 灯織「い、市川さん……あの、この前の裁判では」 雛菜「ん~?」 灯織「そ、その……樋口さんとは、結局どういう状態になられたのでしょうか」 雛菜「……」 灯織「樋口さんと、その……仲たがいしたような形に、見受けられましたので……」 雛菜「……」 灯織「し、失礼しました……!差し出がましい真似を……!」 雛菜「言う通りですよ~、そのまま~」 雛菜「雛菜は円香先輩と文字通り絶交したので~」 灯織「ぜ、絶交?!」 雛菜「当たり前でしょ~?だって円香先輩は透先輩と小糸ちゃんの気持ちを……理解しようともしてなかったんですから~」 1.本当にそうでしょうか……? 2.仲直りする気はないんですか? 3.自由安価 ↓1 63:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/01(木) 22:58:31.32 :Py3cVXuo0 2 64: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 23:09:16.65 :hCqXwXeT0 2 選択 灯織「その……市川さんは仲直りをする気はないんでしょうか……?」 雛菜「仲直りですか~?」 灯織「市川さんと樋口さんの関係性って……ここにいる誰よりも深い関係性、だと思うんです」 灯織「幼馴染として積み重ねた時間は……私たちユニット同士のつながりよりも濃い、と思うのですが」 雛菜「まぁそれはそうですけど」 灯織「い、市川さん……?」 雛菜「だからこそ、この前の事件での円香先輩は許せないんですよ」 灯織「……そう、ですよね」 雛菜「透先輩の気持ちも、小糸ちゃんの気持ちもわかってない……むしろそれを踏みにじってましたよね?」 灯織「……い、いえ……その……」 雛菜「雛菜には、今の円香先輩がわからないんですよね~」 雛菜「それと雛菜自身のことも」 灯織「……え?」 雛菜「雛菜は、円香先輩のことどうしたいんですかね~」 灯織「え、あっ!ちょっと……!」 市川さんは機嫌を悪くしたのか、その場を離れてしまった…… 絶対に、市川さんと樋口さんの関係性も今のままじゃいけない…… それは、そうなんだけど…… 私に何かできるのかな……? 【親愛度が上昇しました!】 【福丸小糸の現在の親愛度…2.5】 65: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 23:10:47.15 :hCqXwXeT0 【灯織の部屋】 市川さんと樋口さんのことを考えながら部屋に戻ってきた…… (喧嘩、なんて次元の話じゃないんだよね……) (根源的な部分にできてしまった蟠り……どうすればいいんだろう) 【自由行動開始】 (さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?) ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…61枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 66:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/01(木) 23:19:04.21 :YJvEvu120 2 市川 67: ◆zbOQ645F4s:2021/04/01(木) 23:23:15.82 :hCqXwXeT0 2 雛菜選択 【雛菜の部屋】 ピンポーン 雛菜「……は~い」 灯織「あ、あの……市川さん、先ほどは」 雛菜「……なんですか~?」 灯織「す、すみませんでした!必要以上に踏み込んだ真似を……デリケートな問題のはずなのに……!」 雛菜「……別に気にしてないんでいいですよ~」 雛菜「それより、雛菜の部屋の前であんまりこういう話はしたくないので~」 (あ……ここで騒いでたら他の皆さんに見られてしまう……そっか、そうだよね) 灯織「す、すみません!配慮が届かず……!」 雛菜「とりあえず散歩でもしながら話します~?」 市川さんと散歩しながら平謝りした…… ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【ローズヒップコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【ツルカメダイヤモンド】 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【新品のサラシ】 【もちプリのフィギュア】 【高級チンチラシート】 【残鉄剣】 【むらまさ】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【水晶のドクロ】 【黄金のスペースシャトル】 【月の石】 【携帯ゲーム機】 【超技林】 【蝶ネクタイの変声機】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【キャットドッグプレス】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ダンベル君主論】 【冬優子ちゃん育成キット】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 68:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/01(木) 23:24:01.44 :Py3cVXuo0 1【高級チンチラシート】 70:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/01(木) 23:35:32.03 :hCqXwXeT0 【高級チンチラシート】を渡した… 灯織「あ、あの……こちらお詫びのしるしといいますか……」 雛菜「……これって?」 灯織「毛皮を使用した座り心地のよいシートです……かつて王族が使用していたのと同じモデルと聞きました」 雛菜「なんかすごいですね~」 雛菜「わっ、フカフカ~!これだったら何時間座っても大丈夫かも~!」 (よ、よかった……) 雛菜「ありがとうございます~、またよろしくお願いしま~す」 ------------------------------------------------- (……さっきは、市川さんの機嫌を損ねてしまった) (樋口さんとのことは気になるけど、直接言及しない方がいいかも) 灯織「市川さん、その……」 雛菜「ん~?」 灯織「えっと……その……」 (ダメだ……わ、話題が出てこない……!) 雛菜「あの~」 (市川さんとはこの学園に来るまで交流もまだそこそこだったし……今は状況が状況) 雛菜「あの~」 (当たり障りのない……楽しい話題を提供しなければ!) 雛菜「もしも~し!」 灯織「い、市川さん?!」 雛菜「あの……そんな気を使わなくていいですよ~?雛菜も仲間の一人なんで~」 雛菜「それよりむしろ、雛菜から質問してもいいですか?」 灯織「し、質問……ですか?」 雛菜「小糸ちゃんと……仲良かったんですよね~?」 (……!!) 雛菜「小糸ちゃんのこと……どう思います?」 1.小糸は私の友達です 2.小糸には勇気をもらいました 3.自由安価 ↓1 71:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/01(木) 23:48:28.32 :3G/t8N8Q0 1 72:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/01(木) 23:56:54.27 :hCqXwXeT0 1 選択 灯織「……小糸は私の友達です」 雛菜「……ふ~ん」 灯織「この学園に来たとき、私と小糸はまだお互いのこともよく知らないで、おたがい人見知りで……」 灯織「全然、仲良くはなかった……と思います」 雛菜「小糸ちゃん、あんまりそういう話聞きませんでしたしね~」 灯織「でも、何度も会話をするたびに、小糸には強い芯があって……思いやりもあって……」 灯織「見習うべき点の多い、すごい人なんだって……」 灯織「大切にしたい友達なんだって思うようになっていって……」 雛菜「……」 灯織「小糸は、命を落としてしまいました……それでも、私の胸の中で生き続ける最高の友達の一人であることには変わりありません」 (ど、どうだろう……割と赤裸々にすべてを話してしまったけど……) 灯織「い、市川さんの聞きたかった質問にそぐわなかったでしょうか……」 雛菜「ううん、ありがとうございました~」 雛菜「小糸ちゃん……本当に、強くなってたんだね」 灯織「市川さん?今何か……?」 雛菜「なんでもないです~!それより、話聞かせてもらったので、お礼に何かしないとですね~」 灯織「え?!お、お礼なんてそんな……っ!」 雛菜「また今度、何か用意しときますね~」 【親愛度が上昇しました!】 【福丸小糸の現在の親愛度…4.0】 ------------------------------------------------- 【スキル:一番星の魔法を発動できます】 【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】 【現在のモノクマメダル 61枚】 【スキル:一番星の魔法】を使用しますか? ↓1 73:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/01(木) 23:58:16.50 :Py3cVXuo0 使う 74:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/02(金) 00:00:15.75 :nhXa7SMD0 【スキル:一番星の魔法を使用しました】 【現在のモノクマメダル…51枚】 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 市川さんとお話をして自分の部屋に戻ってきた…… (市川さんにお礼をもらう……?) (一体、どんなものが……?) 【自由行動開始】 (さて、もう少しぐらいは行動する時間があるかな?) ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…61枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 75:途中送信… ◆zbOQ645F4s:2021/04/02(金) 00:00:46.81 :nhXa7SMD0 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…51枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 77:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/02(金) 00:19:21.13 :NXrtwbB10 2雛菜 えっと親愛度の表記が、福丸小糸になっているのと2回目プレゼント成功していれば4.5ではないでしょうか 78: ◆zbOQ645F4s:2021/04/02(金) 00:23:00.77 :nhXa7SMD0 >>77 安価雛菜把握しました 親愛度表記ですが、福丸小糸になっていたのは完全にコピペミスです!すみません! プレゼント判定はパフェにはしてないので数値はこのままです 雛菜の反応がちょっとわかりにくかったですね ちょっと今日はガバが多くてすみませんでした… 83: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:03:48.58 :dNWZ7uNU0 2 雛菜選択 【食堂】 雛菜「ん〜?あ、ここ座ります〜?」 灯織「い、市川さん……もう晩ご飯は済まされたんですか?」 雛菜「まだですけど……」 雛菜「……」 灯織「……」 雛菜「一緒に食べます〜?」 灯織「は、はい……ぜひ……」 雛菜「あは~?」 (かなり考えた末に誘っていただけた……) ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【ローズヒップコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【ツルカメダイヤモンド】 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【新品のサラシ】 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【むらまさ】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【水晶のドクロ】 【黄金のスペースシャトル】 【月の石】 【携帯ゲーム機】 【超技林】 【蝶ネクタイの変声機】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【キャットドッグプレス】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ダンベル君主論】 【冬優子ちゃん育成キット】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 84:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/05(月) 22:08:50.16 :zPGvLSxg0 1渡す【月の石】 86: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:15:31.39 :dNWZ7uNU0 【月の石】を渡した… 灯織「市川さん、こちらどうでしょうか……」 雛菜「え~……石じゃないですか?」 灯織「石は石でも、月面でとれた石らしいんです」 雛菜「あは~?」 灯織「月面の石は場所ごとに成分も異なっていて…これは『静かの海』でとれたものだそうです」 雛菜「そうなんですね~」 雛菜「ロマンってやつですか~?」 灯織「……!は、はい!その、ロマンを感じていただければと」 雛菜「そういうのって円香先輩がすきそうですよね~」 灯織「え、あ……そ、そうかも、しれないですね……」 雛菜「一応雛菜、もらっときますね~」 灯織「……」 ------------------------------------------------- 雛菜「はいコレ〜!」 灯織「えっ?!い、市川さん?!こ、これってどうしたんですか?!」 雛菜「クッキー焼いたんですよ〜?この前小糸ちゃんの話聞かせてもらったのでそのお礼です〜」 (そういえば、そんなことを言っていた気もするけど……) 灯織「あ、ありがとうございます……これは……市川さんが、手作りで……?」 雛菜「小糸ちゃんが、前ハロウィンの時に焼いてくれて、その時に教わったんですよね〜」 雛菜「……」 (じっと私の顔を見ている……味の感想を求めているんだろうか) 灯織「……い、いただきます」 灯織「……」 灯織「美味しいです、口触りが良くて指が進みますし、サクサクとした食感も抜群です」 雛菜「あは〜?」 灯織「クッキーの形も、市川さんのお好きなキャラクター……ユアクマ、でしたよね?」 雛菜「よく知ってますね〜、可愛いですよね〜」 灯織「は、はい!とても!」 雛菜「やは〜!」 (私の拙い感想を飛び跳ねたり身振り手振りで喜んでくれる市川さん) (……ただ、市川さんのこの憂いげな表情はなんなんだろう) 雛菜「雛菜の顔に何か付いてます〜?」 1.無理、なさってないですか……? 2.やはり、小糸のことが引っかかってらっしゃるんですか……? 3.自由安価 ↓1 87:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/05(月) 22:23:01.32 :zPGvLSxg0 1 88: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:40:53.39 :dNWZ7uNU0 1 選択 灯織「無理、なさってないですか……?」 雛菜「え~?」 灯織「その、市川さんは……私たちと交流を、あまり好ましく思っていない印象があったので……」 (この学園に来た直後もまだそうだった……) (口では明らかな態度にしていなかったが、私たちとの間に明確な線引きをしていたような……) (なのに、今の市川さんはむしろ距離を詰めようとすらしている印象を受ける) 雛菜「そんなことないですよ~!雛菜そんなに変わった風に見えますか~?」 (その原因は、小糸のことだろう……) (この前も私に小糸とのことを訪ねてきたように……) (私たちとの距離感で思うところがあったんじゃないかな……) 灯織「……その、私が言えたことではないと思うんですが」 灯織「別に、無理やり前に進む必要はないと思います」 雛菜「……」 灯織「あの……?」 雛菜「雛菜は、透先輩が死んじゃって……もう前にも後ろにも進めなくなっちゃった」 雛菜「小糸ちゃんは、それでも一生懸命前を向いててすっごく偉くて……」 雛菜「でも、雛菜は小糸ちゃんの頑張りを横で見るしかできなくて……」 雛菜「雛菜が小糸ちゃんの想いを受け継ぐとしたら、雛菜も頑張るしかないのかなって……」 灯織「市川さん……」 灯織「……でしたら、私にそのお手伝いをさせてもらえませんか」 雛菜「え?」 灯織「そばで、見ておくくらいはできますから」 雛菜「……優しいんですね~」 (市川さんはそういうと会釈を一つして去っていった) (市川さんの中で起きている変化……それを私も見届ける必要があると思う) 【親愛度が上昇しました!】 【市川雛菜の現在の親愛度…5.5】 89: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:44:03.97 :dNWZ7uNU0 ___ _____ _______ 【灯織の部屋】 キーン、コーン…カーン、コーン モノクマ『えー、校内放送でーす。午後10時になりました。ただいまより、“夜時間”になります。間もなく、食堂はドアをロックされますので、立ち入り禁止となりま~す』 モノクマ『ではでは、いい夢を。おやすみなさい…』 夜時間のチャイム。 今日もそろそろ寝ようかとベッドに向かって足をうごかしたその時、インターホンが鳴った。 ガチャ 灯織「はい……?」 そこに立っていたのは、摩美々さんだった。 摩美々「ちょっと今……いいー?」 その声色は淡々としており、いつもの私をからかう時のそれとは大きく異なっていた。 並みならぬ様子に気おされた私はそのまま摩美々さんを部屋へとあげた。 90: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:46:00.23 :dNWZ7uNU0 灯織「どうしたんですか?摩美々さん……め、珍しいですね」 摩美々「まぁねー……」 摩美々さんは言葉に困っているのか、しばらくツインテールを指先でいじっていた。 こんな時間にわざわざ訪問するのに、言葉に詰まる…… それなら話題は…… 灯織「裏切り者……の件でしょうか」 摩美々「……わかるー?」 灯織「わざわざ個室に上がってってことは他の人に聞かれたくないということですから……」 摩美々「……だいぶ灯織も察しが良くなってきたよねー」 灯織「それ、どういう意味なんですか……」 摩美々「この学園生活に慣れて来たんじゃないのー?」 灯織「や、やめてください……そんなの……」 摩美々「……ごめん」 摩美々「……で、本題なんだケド、灯織はどう思ってる?」 灯織「どう……と言いますと」 摩美々「裏切り者、いると思う?」 (……!!) 摩美々さんの言葉は真っすぐだった。おふざけなんて一つもない。 私の真意を聞きたがっている。 ……なら、隠すわけにはいかない。 91: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:51:08.91 :dNWZ7uNU0 灯織「……可能性の完全な否定は、難しいかと思います」 摩美々「……やっぱりそう思うよねー」 ほんの少しだけ、本当にわずかな可能性として…… 裏切り者がいる可能性は、あると思う。 そのことを私はこの瞬間まで隠していた。 灯織「この大規模なコロシアイ……単独犯で運営する方が無理がありますから」 灯織「それに、樋口さんの作り話にしては突飛すぎます……」 摩美々「……だよねー」 あの時は咄嗟に強く否定したけれど、この学園において絶対はない。 むしろ自分にとって不都合で信じたくないものの方がこの学園では実現してしまう。 それを痛いほど知っているから。 灯織「……無いとは、思うんですが」 自分でもその口調の弱さが感じ取れた。 摩美々「……私も、裏切り者はいると思うんだよねー」 灯織「ま、摩美々さん……?」 摩美々「てゆーか、最初から思ってたみたいなー……」 灯織「最初から……ですか?」 摩美々「モノクマの狙いはコロシアイの中でも私たちを仲間割れさせることなのはなんとなく感じ取れるでしょー?」 摩美々「だったら、内実を良く知っておかないと……情報を絶えず取り入れないと駄目だと思うんだよねー……」 灯織「……」 92: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:52:40.56 :dNWZ7uNU0 摩美々「ごめん……全員が全員、絶対に裏切り者がいないって思ってたらキケンじゃーん?だから確認しとこうかなって思ってー」 灯織「い、いえ……摩美々さんのおっしゃる通りですから」 摩美々「……それでも、不安を抑えてくれてありがとうね灯織ー」 灯織「……え?」 摩美々「朝、食堂でー。私に合わせてくれたでしょー」 灯織「あ、あれは……」 摩美々さんの言葉にただ私は乗っかっただけだ。 あそこで樋口さんに圧されていたら、まずい。ただその一心だったから。 摩美々「ふふー、やっぱり灯織はリーダーに向いてるよー」 灯織「り、リーダーだなんて……」 摩美々さんは私の謙遜の言葉を背中に浴びながら扉へ向かっていき、その手をドアノブにかけた。 摩美々「今から寝る所だったの、邪魔してごめんねー」 灯織「ま、摩美々さん……いえ、気になさらないで下さい」 摩美々「明日からも頑張ろうねー」 摩美々さんはそのまま部屋を後にした。 93: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:54:58.64 :dNWZ7uNU0 摩美々さんを見送り、ベッドに突っ伏す。 実際のところ、裏切り者の真偽はわからない。 ……ただ、勘ではあの話は真実だ。 可能性の砂粒一つ一つまで疑っても足りないくらい、 この学校は、この日常は歪んでいるから。 目をつむればモノクマの邪悪な笑い声が頭に響くよう。 疑念と不安のスパイラル、それが浮かび上がることを止めることはできなかった。 ……その日は眠りにつくまで時間がかかった。 94: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:56:32.77 :dNWZ7uNU0 ___ _____ _______ 【灯織の部屋】 キーンコーンカーンコーン…… モノクマ『オマエラ、おはようございます!朝です、7時になりました!起床時間ですよ~!さぁて、今日も張り切っていきましょう~!』 朝だ…… とりあえずは食堂に行かないと 朝を告げるアナウンスが鳴り、いつも通りに部屋を出ようとしたんだけど…… _____ガチャガチャ ……あれ? いや、鍵を閉めて寝たのはそうなんだけど…… 鍵を開けても何かが引っかかっていて開かない。 おかしいなと首を傾げ、何回も何回もドアノブを下ろしてみても一向に扉は開かない。 灯織「ま、まさか……」 誰かに襲われてる……?! この部屋は完全防音、内側から助けを呼ぶことはできない。もしもこのまま扉が開かなかったら、いずれ餓死してしまう……? それを誰かが狙って、私を標的にでもしているのなら……? 灯織「開いて!開いて!」 ______ガチャガチャ!ガチャガチャ! 95: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:57:55.38 :dNWZ7uNU0 モノクマ「ちょっと!何やってんのさ、ステイだよステイ!」 灯織「うわっ?!」 部屋には自分以外誰もいないと思っていたために自分でも想像以上の声が出た。 そうだった……モノクマは学園内ならいつでもどこでもすぐに現れることができるんだった。 灯織「も、モノクマ……ドアが開かないんです!」 モノクマ「そりゃそうだよ!ボクが閉めてるんだから!」 灯織「え……?」 モノクマ「風野さんも持ってるマニュアルキーとは別に、中央制御のロックキーがあるの!今はボクが風野さんの部屋をそれで閉鎖してるってわけ!」 灯織「な、なんだよかった……」 (いや良くないけど!) モノクマ「まあまあ、ボクからのお話を聞いてくれたらすぐに開放するからさ。ちょっとの辛抱だよ」 そういうとモノクマはどこに仕舞い込んでいたのか、両腕で抱え込むぐらいの大きさのプレゼントボックスを持ち出した。 モノクマ「じゃじゃーん!これはボクからの気持ちだよー!」 灯織「は、はぁ……」 モノクマ「風野さんのためにボクが三日三晩考え抜いたプレゼントだよ、喜んでくれると嬉しいな!」 そういって無理やり私に手渡したプレゼントとやらは見た目のわりには軽い。 それに持ち上げるとカラカラという音がした。 モノクマ「ほら、見て見て!」 モノクマに促されるままにその箱を開けてみると…… 96: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 22:59:33.59 :dNWZ7uNU0 灯織「水晶玉……?」 球の形に加工された透き通った物体。 台座に使ってくれと言わんばかりの紫紺の布地の上に鎮座してあった。 モノクマ「そう!ほら、入学したときにボクがオマエラの才能を考えてあげたでしょ?」 灯織「そういえばそんなのもありましたね……」 希望ヶ峰学園に閉じ込められた初日。モノクマに手渡された電子生徒手帳にそんな項目があったような気もする。 【才能】なんて銘打ってはいたものの、私たち等の本人にはそれを裏付けるようなものも無いので完全に忘れ去っていた。 モノクマ「ほら、必死に考えた割にあれが死にステになっちゃってるのがもったいないと思ってさ!少しでもその才能を発揮してもらいたいと思ってまずは形から入ることにしました!」 灯織「それで、水晶玉ですか……」 モノクマ「うぷぷぷ……どう?未来とか過去とか見えてこない?」 灯織「以前も話した通り私は別に占いができるわけでは……」 モノクマ「えー?せっかく超高校級の占い師本人が使ってたのと同じモデルのを用意したのにー?」 灯織「前からちょくちょく言ってますけどそれ誰なんですか…?」 モノクマ「どんな占いでも必ず3割の確率で的中させちゃう占い師がいたんだよ……」 灯織「さ、3割ですか……」 (すごいのかそうじゃないのか微妙なラインだ……) 97: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:00:58.77 :dNWZ7uNU0 モノクマの言動は理解に苦しむものばかりだけど、この超高校級というワードは頻出の割に聞き馴染みもない。 それなのにモノクマの口ぶりはあたかもそんな人間が実在したかのようで…… まあ、モノクマの話なんてまともに聞く必要はないとは思うんだけど…… モノクマ「確か彼はその水晶を一億円出して買ったとか言ってたっけね!」 灯織「い、い、一億円?!」 手に持っていたガラスのような軽さの球体が一気に重くなったように感じる! これ以上手に持っていることに耐えられず、私は箱の中に水晶玉を戻した。 モノクマ「やれやれ、ゲンキンだなぁ風野さんも」 灯織「い、一億なんて言われて冷静じゃいられませんよ……」 モノクマ「もう、売れっ子アイドルになれば一億何て端金でしょ?こんなんに動揺してちゃダメだよ?」 灯織「無理ですよ……」 そ、そんな一億円の価値のある代物をポンと渡してきたってことなの……? モノクマの財力は一体どこから…… 98: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:03:29.66 :dNWZ7uNU0 モノクマ「まあそういうわけで、ボクからのプレゼントを有効に使って存分に才能磨いチャイナ!」 モノクマ「才能が成熟した暁にはそのプレゼントも活用して殺しチャイナ!」 灯織「結局はそこに行き着くんですね……」 モノクマ「そりゃね、これが今回の【動機】でございますから!」 灯織「【動機】……」 真乃の時の『秘密』、樹里の時の『仲間』…… モノクマはこれまでに二回私たちを犯行へと焚きつけるための【動機】を用意していた。 どちらも悪意に満ちて、残酷なものだったけど…… ______今回は、この水晶玉? 灯織「……何を考えてるんですか?」 モノクマ「んー?」 灯織「これを渡されたからと言って、殺意も何も抱くとは思えませんけど……」 モノクマ「まあ確かにすぐには動機には結びつかないかもね!」 灯織「……というと?」 モノクマ「もっと多面的に見るんだよ、例えばその安物のガラス玉!ボクは占いに使う道具って言ったけど、人に投げて当てれば十分な凶器だよね!」 灯織「……!!」 99: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:06:23.13 :dNWZ7uNU0 モノクマ「布で包んでぶん回したら撲殺にも使えちゃう!あらやだ便利!」 モノクマ「風野さん以外のみんなにも才能にまつわるプレゼントをお渡ししております!他のみんなは一体どんなプレゼントもとい凶器をもらったのかな?」 モノクマの狙いが見えてきた…… モノクマは全員に凶器を握らせることこそが目的だった。 モノクマ「うぷぷぷ……」 これまでの動機で揺さぶりをかけられても耐えてきた私たち、それに突然凶器を渡すことで精神をコロシアイという場に無理やり持ってこようとした。 他の人が手に入れたものが、もし殺害に使われたら…… 自分のもらったプレゼントで可能になる殺害方法が、有効だったら…… そうやって疑心暗鬼を引き起こす、そんな企みだ。 モノクマ「まっ、好きに使用方法は考えて頂戴よ、ストレートにそれで誰かを呪い殺したりなんかもいいかもね!ばいばーい!」 ……だとしても、些か周りくどすぎるような気もする。 特に前回の【動機】のビデオ…… あれが直接殴りつけるほどの衝撃のものだった後。 比べてしまうと本気で私たちにコロシアイをけしかける意思があるのかを疑いすらしてしまう。 ______でも、油断するわけにはいかないのも重々承知。 ひとまずモノクマも去って部屋から出ることもできるし、この一件は皆さんと共有して対策を考えよう。 ……流石に一億円の水晶を持って出歩くのは恐ろしいので、部屋に残したまま。 100: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:08:54.32 :dNWZ7uNU0 ------------------------------------------------- 【食堂】 食堂に着くと、まばらな集まり方をしていた。 いつも早くに来ている凛世がいなかったり、割と遅めな集まりの甜花さんが既に来ていたり…… すこし新鮮な光景だ。 霧子「おはよう、灯織ちゃん……」 灯織「霧子さん、おはようございます……あの、これはまた、どういった状況なんでしょうか……」 愛依「多分みんな理由は一緒だと思う!灯織ちゃんもついさっきまでモノクマに捕まってたんでしょ!」 灯織「え……はい、そうなんです。もしかして皆さんも?」 甜花「うん……なーちゃんと一緒にゆっくり寝てたら、突然モノクマがやってきて……」 甘奈「叩き起こされたかと思ったらそのままこんなの渡されちゃったんだ!」 灯織「……ヘアアイロン?」 甘奈「才能のためのプレゼント……って、みんなもそうだったんだよね?」 霧子「うん……わたしも同じ理由で、注射器を渡されたんだ……」 愛依「うちはなんとかっていうファッション雑誌を……山積みで。まあ表紙のツインテの子は可愛いし、暇つぶしにはなるけどさ……」 咲耶「……私は体型維持のため、と言われて下剤を渡されたよ」 灯織「だ、だいぶまちまちですね……」 愛依「灯織ちゃんは?」 灯織「わ、私は水晶玉でした……ふ、普通の」 (い、一億円の価値があるなんてとても言えないよ……) 101: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:11:20.33 :dNWZ7uNU0 甜花「ふっふっふっ……これなら、甜花が一番、大当たり……!」 灯織「甜花さんは何を渡されたんですか?」 私が何気ない気持ちで尋ねると、 甜花さんは得意げに机の下から両腕で抱えるほどの大きさの段ボールを箱を持ち上げた。 甜花「じゃじゃん……ゲームの詰め合わせ……!」テッテレー! 甘奈「甜花ちゃんよかったねー☆」 愛依「え……すご?!めっちゃあんじゃん……!」 甜花「甜花、超高校級のゲーマーだから……才能の研鑽に努めます……!」 甜花「ふんす……ふんす……!」 愛依「め、めっちゃ鼻息荒くなってる……」 段ボールの中には私も見覚えがあるような携帯機や、テレビに接続するタイプのものまで様々。 甜花さんのゲーマーとしての心に火をつけるにはこれ以上ないだろう。 甜花「せっかくだし、視聴覚室のテレビを使ってみんなでゲームとか、やりたいな……」 咲耶「それはいい考えだね、パーティ用のゲームなんかはあるのかい?」 甜花「えっと、資産を奪い合って友情を破壊するゲームと……日本全国を駆け巡るって友情を破壊するゲーム……どっちがいいかな」 咲耶「で、できれば友情を破壊しないゲームで頼むよ……」 102: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:13:49.20 :dNWZ7uNU0 灯織「しかしものすごい数のゲームですね……甜花さん、全部ご存知なんですか?」 甜花「もちろん……!基本ハードは全部抑えてるから……あ、風野さんにも分けた方がいい、かな……?」 灯織「え、わ、私にですか?」 甜花「いやむしろ、分けてあげるべき……布教はゲーマーとして、闘うものとしての、義務……!!」 灯織「は、はぁ……」 甜花「例えばこの携帯機なんだけど……」 灯織「これって……男子がモンスターを狩りに行くときに持ってたゲーム機では……?」 甜花「更にそれをアップグレードしたやつ……!液晶タッチ操作に背面タッチパッドを搭載してたんだ……!」 甜花「でも、末期にはちょっとエッチなゲームの移植版ばっかりになっちゃったんだけど……」 灯織「え、えぇ……?」 甜花「甜花はやったことないけど、これなんか人気だったらしいんだ……ノベルゲームらしいし、風野さんの好みに合う……かな……?」 (なんだか悪趣味なパッケージだ……) 甜花「デスゲームを題材にしてるらしいんだけど……」 (しかも今の私たちと同じような……) 甜花さんに半ば強引にゲーム機を手渡されてしまったけど、流石にこの状況ではプレイする気は起きそうにないな…… 103: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:15:45.31 :dNWZ7uNU0 そうしてモノクマにもらったものを見せ合っているうちに 食堂にはポツリポツリ人が集まっていき、やがて樋口さん以外の全員が揃った。 智代子「突然でびっくりしたよね!部屋から出れなくて驚いちゃった!」 めぐる「うんうん、一人一人に手渡しするために一律で扉が閉められてたみたいだね!」 雛菜「これが今回の【動機】ってことでいいんですかね〜?」 灯織「おそらくは……モノクマ自身もプレゼントした品を犯行に使うように促す趣旨の発言をしていましたし……」 愛依「にしては随分と差があんね……うちとか甜花ちゃんとか、どうやっても人なんか殺せなくない?」 摩美々「適当なんじゃなーい?」 甜花「甜花は、ゲームがもらえたので満足……!」 甘奈「えへへ、良かったねー☆」 智代子「の、呑気だ……」 凛世「しかし、今回のプレゼントで犯行の幅が広がったという事実も否定はできません……」 咲耶「……ああ、私のもらった下剤や灯織の水晶玉、甘奈のヘアアイロンなどは犯行に組み込むことは可能だろうね」 智代子「そ、それはそうだけど……怖がりすぎじゃない?」 霧子「不安だったら、みんなのもらったものを集めて保管するのはどうかな……」 摩美々「悪くないアイデアだけど、それを管理するのも監視がいるし、余計な手間がかかりすぎるかもねー」 雛菜「あは〜、結局は自主性ってことですね〜」 めぐる「大丈夫だよ!わたしたちのもらった道具はあくまで犯行も可能ってだけ、それを使うための【動機】が今はないんだし!」 摩美々「まぁねー、モノクマが余計なことしてこなければ、とりあえずは様子見でいいかもー」 甜花「むしろ、生活を豊かにする可能性すらあるから……!」 愛依「アッハハ、甜花ちゃんそんな必死にならなくても誰もゲームは取らないってー!」 油断は禁物…… それはこれまでの経験で痛いほど分かっているけど…… モノクマの真意が見えない…… 本当に凶器を私たちに渡すためだけだったの? それにこんな回りくどい形で……? 104:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/05(月) 23:17:52.66 :dNWZ7uNU0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 モノクマによって動機は渡されたけど、今回は自主性に任せることにしてそれぞれの個室に戻った。 今回は何を狙ったものなのか、モノクマがまだ二の手三の手を隠し持っているのか。 それはわからない…… とりあえず今は皆さんと対策を考えるべきなのかな…… よし、今はできることをしよう……それしかない。 【自由時間開始】 灯織「さて、どうしようかな」 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…51枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 105:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/05(月) 23:21:38.80 :zPGvLSxg0 2 摩美々 106:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/05(月) 23:24:36.00 :QUTtUBhP0 1 小糸のスキルの効果は発動しますでしょうか 107:あ、小糸のスキルの判定忘れてますね 更新終わりにやります ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:26:33.01 :dNWZ7uNU0 2 摩美々選択 【美術室】 灯織「摩美々さん、こんにちは」 摩美々「んー?あ、灯織かー、おつかれー」 灯織「美術室に何か御用が……?珍しいですね」 摩美々「えー、なにそれー。わたしに芸術のイメージゼロなわけー?」 灯織「い、いえ……」 摩美々「ま、別にいいケド。今日はそういうんじゃないしー」 灯織「……え?」 摩美々「忘れたのー?昨日の円香の話、裏切り者の情報の出どころ、ここだったでしょー」 灯織「そ、そういえば……」 摩美々「なにか手がかりでもあればって思ったんだケド……無駄足みたーい」 灯織「まあ、そう簡単に証拠を残しはしないですよね……」 ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【ローズヒップコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【ツルカメダイヤモンド】 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【新品のサラシ】 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【むらまさ】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【水晶のドクロ】 【黄金のスペースシャトル】 【携帯ゲーム機】 【超技林】 【蝶ネクタイの変声機】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【キャットドッグプレス】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ダンベル君主論】 【冬優子ちゃん育成キット】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 108:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/05(月) 23:33:55.43 :zPGvLSxg0 1.渡す 【水晶のドクロ】 109: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:44:04.23 :dNWZ7uNU0 【水晶のドクロ】を渡した… 灯織「摩美々さん、こちらをどうぞ」 摩美々「なにこれー……ドクロ?」 灯織「はい、とある古代文明の遺跡から発掘された、水晶製のドクロなんですけど……」 摩美々「へー……水晶自体はホンモノっぽいねー」 灯織「いわゆるオーパーツの一つ、みたいです」 摩美々「……ふふー、イカすじゃーん」 摩美々「灯織、プレゼントのセンスいいんだねー、そういうのモテるよー」 灯織「も、モテるって……こんなところでそのように褒められても、こ、困ります……」 摩美々「ふふー」 ------------------------------------------------- 灯織「……摩美々さん」 摩美々「めちゃくちゃ真剣な顔してるねー、皺残るよー?」 灯織「……今日のモノクマによる【動機】についてなんですが」 摩美々「……灯織は、水晶玉だったっけー」 灯織「はい、今手元に持ってはいないですけど……モノクマの言っていた通り、人を殴打して殺害するには十分な大きさと重量がありました」 摩美々「灯織のことは心配してないケド、人を殺せる道具なら他にももらってる人いたよねー」 灯織「……はい、今は自主性に任せた形ですが」 摩美々「はぁ……つくづく性格悪いよねー、モノクマ」 灯織「ですね……どこまでいっても疑心暗鬼の罠を仕掛けてあって……陰湿な印象を受けます」 摩美々「……でも、今回の動機はそれにまして不気味なんだよねー」 摩美々「真の狙いが裏にある感じがして、すっごく気持ち悪いカンジがするっていうかー」 (やはり摩美々さんも同じ考えみたい……) 1.ところで、摩美々さんのもらったプレゼントを伺っても? 2.裏切り者のことと何か関係が……? 3.自由安価 ↓1 110: ◆zbOQ645F4s:2021/04/05(月) 23:46:14.27 :dNWZ7uNU0 あ、抜けてましたがプレゼントはパフェ判定です ↓1 111:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/05(月) 23:52:17.61 :zPGvLSxg0 2 112: ◆zbOQ645F4s:2021/04/06(火) 00:01:45.19 :7ilcFB/90 2 選択 灯織「今回の動機、裏切り者のことと何か関係があるんでしょうか……」 摩美々「裏切り者って、昨日の円香の話だよねー?」 灯織「はい……モノクマの動機提供、前回の事件から日にちもそうあかないうちに今回は行われましたから……」 灯織「もしかすると、裏切り者の存在が透けたから黒幕が焦ったのかもしれない、と思いまして……」 摩美々「それも一理あるかもねー」 摩美々「円香の話が本当なら裏切り者はあの食堂の中にいたわけだし、モノクマもその情報はつかんでるでしょー」 灯織「ですよね……」 摩美々「灯織ってホント私のコト疑わないよねー」 灯織「え、はい……摩美々さんは、私たちを裏切ったりはしないですから……」 灯織「いや、それを言ってしまえば事務所の皆さん当然そうなんですが……」 摩美々「……灯織ってホント悪い子とは無縁だねー」 灯織「え、ええ……?そうでしょうか……」 摩美々「灯織が悪い子だったら全人類悪い子でしょー」 摩美々「やっぱり灯織が今の私たちには大切だしー、頑張ってよねー」 灯織「は、はぁ……」 【親愛度が上昇しました!】 【田中摩美々の現在の親愛度…3.5】 113: ◆zbOQ645F4s:2021/04/06(火) 00:04:12.33 :7ilcFB/90 最後に昨日分の判定を。 【スキル:ポシェットの中にはの判定を行います】 【末尾の数字と同じだけのモノクマメダルが獲得できます】 ↓1 114:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/06(火) 00:12:54.77 :k06ASEzS0 あ 115: ◆zbOQ645F4s:2021/04/06(火) 00:16:05.80 :7ilcFB/90 【コンマ77】 【スキル:ポシェットの中にはの効果でモノクマメダルを7枚手に入れました!】 【現在のモノクマメダル…57枚】 ------------------------------------------------- 【ここまでの親愛度】 ・【超高校級の飼育委員】櫻木真乃……1.0【DEAD】 ・【超高校級の占い師】風野灯織……(主人公) ・【超高校級の助っ人】八宮めぐる……0 ・【超高校級の保健委員】幽谷霧子……0 ・【超高校級のモデル】白瀬咲耶……0 ・【超高校級の服飾委員】田中摩美々……3.5 ・【超高校級の幸運】園田智代子……1.0 ・【超高校級の応援団長】西城樹里……3.0【DEAD】 ・【超高校級の日本舞踊家】杜野凛世……0 ・【超高校級のゲーマー】大崎甜花……0 ・【超高校級のスタイリスト】大崎甘奈……1.0 ・【超高校級のギャル】和泉愛依……0 ・【超高校級の???】浅倉透……0【DEAD】 ・【超高校級のディベート部】樋口円香……0 ・【超高校級の帰宅部】市川雛菜……5.5 ・【超高校級の学級委員】福丸小糸……12.0【DEAD】 ------------------------------------------------- というわけで今回の更新はここまで、 次回自由行動より再開いたします。 4/08(水)22:00~更新予定です。 本日は前スレの方埋めネタ更新をやってるのでよろしければそちらもどうぞ。 それではまた、おやすみなさい…… 116:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/06(火) 00:18:58.64 :rKGBqRvh0 1 勘違いでしたら申し訳無いですが小糸のスキルが発動してないような気がします 117: ◆zbOQ645F4s:2021/04/06(火) 00:22:14.10 :7ilcFB/90 >>116 >>113~114の判定が忘れてた分のスキル判定になります! 分かりにくくて申し訳ない、以後忘れないようにします…… 130: ◆zbOQ645F4s:2021/04/28(水) 20:53:19.29 :FyTVo8qK0 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 灯織「摩美々さんも言っていたけど、今回の動機はかなり特殊……」 灯織「対策はしっかり練っておくべきかもしれない」 灯織「加えて、裏切り者の存在……」 (……今はただ、皆さんを信じるほかない) 【自由時間開始】 灯織「さて、どうしようかな」 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…57枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 131:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/28(水) 21:03:37.18 :0R5lL3eJ0 2.甜花 132: ◆zbOQ645F4s:2021/04/28(水) 21:08:26.96 :FyTVo8qK0 2 甜花選択 【視聴覚室】 灯織「……あ、甜花さんこんにちは。もしかしてさっき食堂で話してたパーティゲームの準備中ですか?」 甜花「あ、風野さん……うん、いいゲームが見つかったから……あとは接続だけ……」 灯織「なるほど……いったいどんなゲームなんですか?」 甜花「友情破壊ゲームがダメらしいから……拳と拳の、真っ向からのぶつかり合いにした……!」 灯織「え……?」 甜花「格闘ゲーム……!小足からの昇龍で余裕でした……!」 灯織「て、甜花さん……その……」 (甜花さんにゲームの選びなおしを進言した……) ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【ローズヒップコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【ツルカメダイヤモンド】 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【新品のサラシ】 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【むらまさ】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【携帯ゲーム機】 【超技林】 【蝶ネクタイの変声機】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【キャットドッグプレス】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ダンベル君主論】 【冬優子ちゃん育成キット】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 133:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/28(水) 21:10:48.27 :bRwJfhN0o 1 むらまさ 134: ◆zbOQ645F4s:2021/04/28(水) 21:26:16.84 :FyTVo8qK0 【むらまさを渡した…】 灯織「えーっと……甜花さん、こちらはどうでしょうか」 (いや、流石に無いか……どうみてもただの刃物……甜花さんのイメージとは程遠い) 甜花「え、プレゼント……?」 甜花「……これを、甜花に?」 灯織「あ、はい……いや、いらなければ別に」 甜花「……風野さん、ありがとう!!」 灯織「……え?」 甜花「これを使えば、ダンジョンのワープも壁抜けもできる!あの名作ゲームのファンアイテム……!甜花、滅茶苦茶嬉しい……!」 灯織「こ、この刀、そんなものだったんですか……」 (意外と喜んでいただけた……) 【PERFECT COMMUNICATION】 【親愛度がいつもより多めに上昇します】 ------------------------------------------------- 甜花「~~~♪」 (甜花さん、上機嫌だ……よっぽどモノクマの動機でゲーム機が手に入ったことが嬉しいんだろう……) 灯織「甜花さん、本当にゲームがお好きなんですね」 甜花「にへへ……うん、ゲームずっと我慢してた分、余計に嬉しい……!」 灯織「甜花さんのお好きなゲームもあったんですか?」 甜花「えっと……ハード自体はちょっと古いのしかなかったんだけど……」 甜花「シリーズとしては、甜花が好きな奴もあったよ……?」 灯織「そうなんですか……その、例えば?」 甜花「……!!話しても、いいですか……!?」 (……あれ、なんかスイッチが入った……?) 甜花「えっと、それじゃあ風野さんでも知ってそうなとこから行くと……」 甜花「じゃーん……!!モンスターを狩るゲーム……!!」 甜花「それか……!!ばーん……!!インクで撃ち合うゲーム……!!」 甜花「どっちについて……お話すればいいかな……?」 (目をらんらんと輝かせている……) (こ、これはお話を伺わなければいけない……) 1.モンスターを狩るゲーム 2.インクで撃ち合うゲーム 3.自由安価 ↓1 135:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/28(水) 21:28:35.07 :0R5lL3eJ0 1 136: ◆zbOQ645F4s:2021/04/28(水) 21:35:59.01 :FyTVo8qK0 1 選択 灯織「そ、それではモンスターを狩るゲームの方についてお話窺えますか……?」 甜花「任せて……!甜花、このゲームも結構やりこんだ……!」 甜花「言うまでもなく、いろんな武器を使って、いろんなモンスターを狩るゲームなんだけど……」 甜花「オンラインで、協力するのが激熱……!」 灯織「さ、最近のゲームは知らない人とも簡単に繋がれるとお聞きしました……甜花さんもそのような楽しみ方を?」 甜花「うん……えっとね、最新のはまだ甜花そこまでやってないけど……オープンワールドの方はよくやったかな……」 甜花「古龍の竜玉集めに……救難信号ガン待ちしたりして……」 (……しょ、正直出てくるワードはまるで分らない) 甜花「でも、周回しまくった甜花より先に……香川県のプレイヤーさんとか、ハッシュタグ使いのサメさんとかのほうがあっさりドロップしたりして……」 (……?) 甜花「でも、そうやって深夜に一喜一憂する時間の浪費が……すごく、楽しい……にへへ」 灯織「な、なるほど……」 甜花「でも、ここにはWi-Fiがないから……」 灯織「あっ……」 甜花「甜花、絶対脱出して……ライズもやる……!」 (動機はどうあれ、甜花さんの瞳は未来を見据えている……希望の色だ) 灯織「はい、絶対生きて帰りましょうね……!」 甜花「うん、甜花……頑張りましゅ……!」 【親愛度が上昇しました!】 【大崎甜花の現在の親愛度…2.0】 ------------------------------------------------- 【スキル:一番星の魔法を発動できます】 【モノクマメダルを10枚消費することにより、本日の自由行動をもう一度だけ追加することができます】 【現在のモノクマメダル 57枚】 【スキル:一番星の魔法】を使用しますか? ↓1 137:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/28(水) 21:36:58.42 :0R5lL3eJ0 使おう 138: ◆zbOQ645F4s:2021/04/28(水) 21:40:20.85 :FyTVo8qK0 【スキル:一番星の魔法を使用しました】 【残りのモノクマメダル枚数:47枚】 ------------------------------------------------- 【灯織の部屋】 灯織「甜花さん、本当にゲームが好きなんだな……」 灯織「甜花さんはあのままゲーム大会の準備をしてくれてるみたいだし、もしかして本当に全員でできる時が来るのかな……?」 【自由時間開始】 (また時間はあるかな……) 灯織「さて、どうしようかな」 ------------------------------------------------- 1.購買に行ってモノモノマシーンか自動販売機を使う(現在のモノクマメダル…47枚) 2.交流 (人物指定安価) 3.休憩 ↓1 139:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/28(水) 21:41:44.88 :Bh+duOc80 2愛依 140: ◆zbOQ645F4s:2021/04/28(水) 21:49:37.48 :FyTVo8qK0 2 愛依選択 【愛依の部屋】 ピンポーン 愛依「はいは~い♪……あれ、灯織ちゃんじゃん。どしたの?」 灯織「愛依さん……あの、少し雑談でもできたらと。もしかして、取り込み中でしたか?」 愛依「ううん、だいじょぶだいじょぶ!モノクマにもらった雑誌読んでただけだし!」 灯織「そういえばファッション雑誌をもらったんでしたっけ……」 愛依「なんかタテコ?って子が表紙の雑誌なんだけど……」 (た、タテコ……?変わった名前だな……) (愛依さんと雑談をして過ごした……) ------------------------------------------------- プレゼントを渡しますか? ・現在の所持品 【ミネラルウォーター】 【ルアックコーヒー】 【ローズヒップコーヒー】 【虹色の乾パン】 【色恋沙汰リング】×2 【ツルカメダイヤモンド】 【スカラベのブローチ】×3 【あしたのグローブ】 【おでこのメガネ】×2 【新品のサラシ】 【もちプリのフィギュア】 【残鉄剣】 【狂戦士の鎧】 【昭和ラジオ】 【黄金のスペースシャトル】 【携帯ゲーム機】 【超技林】 【蝶ネクタイの変声機】 【古代ツアーチケット】×2 【もしもFAX】 【キャットドッグプレス】 【隕石の矢】 【アゴドリル】 【みどりの着ぐるみ】 【あかの着ぐるみ】 【EYE GRASS】 【ジャスティスV変身ベルト】 【ダンベル君主論】 【冬優子ちゃん育成キット】 1.渡す(プレゼントを一つ選択) 2.渡さない ↓1 141:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/28(水) 21:53:05.52 :PREk+jY40 1 【冬優子ちゃん育成キット】 142: ◆zbOQ645F4s:2021/04/28(水) 22:04:31.96 :FyTVo8qK0 【冬優子ちゃん育成キットを渡した…】 (これ、ものすごくネーミングに悪意があるんだけど……愛依さんに渡していいものか) 愛依「……ん?灯織ちゃん、それって……」 灯織「あ、はい……いや、その……モノモノマシーンで手に入れたはいいんですが、なぜか冬優子さんの名前が使われていて……」 愛依「ちょ、ちょい見せて!」 愛依「…………アハハ!」 灯織「愛依さん?」 愛依「うっわめっちゃ懐かしい……!これって多分クワガタ育てる系のやつっしょ?」 灯織「は、はい……おそらくは」 愛依「アハハ、前にあさひちゃんがさ!クワガタの幼虫に冬優子ちゃんって名前をつけてかわいがろうとした時があってさ~!」 愛依「アハハハハ!いやぁ~、あんときの二人の話!面白かったな~~~!」 愛依「なんかこの学園に来る前のこと、思い出せた……!ありがとう、灯織ちゃん!めちゃくちゃ嬉しいわ!」 灯織「愛依さんに喜んでいただけたのなら、本望ですから……!」 愛依「うん、マジで嬉しい!サンキュね!」 (ここまで喜んでもらえると渡した甲斐がある……!) 【PERFECT COMMUNICATION】 【親愛度がいつもより多めに上昇します】 ------------------------------------------------- 愛依「灯織ちゃんさ、マジすごいよね!」 灯織「え……?わ、私ですか……?」 愛依「いや、マジですごい……うちなら、絶対そうはいかないし……」 灯織「えっと……話が見えてこないんですが……」 愛依「あぁごめん!えっと……灯織ちゃんはさ、その……これまでの事件でもいっつもうちらを率いてくれる立場にいたじゃん?」 灯織「率いるだなんてそんな……」 愛依「いやいや!そういうケンソンは無駄!うちはこの目でちゃーんと見てっからね!」 愛依「真乃ちゃんのこともあったのに、それでも前を向いて……うちらを元気づけてくれる……それってマジですごいことだよ!」 灯織「私には、めぐるの支えもありましたし……ユニット以外の皆さんにも支えられてばかりですよ」 愛依「灯織ちゃんマジで偉いな~、うちのが年上なのにマジリスペクト!」 愛依「でも、そうだね。めぐるちゃんがいてくれるとやっぱ心強いっしょ?」 灯織「はい……底なしの明るさで、今も私のことを支えて……」 (……あ) (私を褒めちぎる愛依さんのこえはいつものように明るいのに……) (その表情は、どこか曇りの色が見えた) (……そうか、愛依さんは……あさひも、冬優子さんも近くにいない) (ユニットの仲間がいない中、一人でこのコロシアイ合宿生活に挑んでいるんだ) 1.私たちも、愛依さんの心の支えになれてるでしょうか 2.めぐるだけじゃなくて、愛依さんには特に助けられているんですよ? 3.自由安価 ↓1 143:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2021/04/28(水) 22:06:19.97 :Bh+duOc80 2 144: ◆zbOQ645F4s:2021/04/28(水) 22:13:54.73 :FyTVo8qK0 2 選択 愛依「やっぱめぐるちゃんの明るさがあってこそのイルミネってカンジ?うちもそういうの憧れるわ~!」 灯織「愛依さん、あの……いいですか?」 愛依「ん?どしたの、灯織ちゃん」 灯織「私……ここまでやってこれたのは他の皆さんの支えがあってこそ、そう言いましたよね」 愛依「う、うん……そうだけど」 灯織「私にとって、中でも特に大きな支えには、愛依さんの存在もあるんです」 愛依「う、うち?!いやいや、うちなんかいっつも議論でも大して力になってないし……」 灯織「いえ、違うんです……愛依さんは、いつでも……私が道を踏み外しそうになったり、絶望に負けそうになったりしたときでも……私のことを信じてくださいましたよね?」 愛依「や、うちは推理とかもできないから、それに従ってるだけってゆーか……」 灯織「私の推理を純粋に信じて、意見を言ってくれる……それだけでもありがたいことなんです」 灯織「この合宿生活において、一番大切なのに一番難しいこと……信頼するということ」 灯織「それを誰よりもまっとうにやり遂げている愛依さんの存在は、それだけで私にとって大きな支えになっているんです」 愛依「……灯織ちゃん」 灯織「……ですから、愛依さんも私にとってかけがえのない存在といいますか……」 愛依「だいじょうぶ、伝わったから」 灯織「愛依さん……!」 愛依「ありがとね、うち……頑張るから!」 (そう言って笑う愛依さんの表情は、あの事務所で見た笑顔と全く同じ明るさを取り戻していた) 【親愛度が上昇しました!】 【和泉愛依の現在の親愛度…2.0】 読む →
2021年05月04日 19:45 【アイマス】果穂「ミッション・フルコンプリート!!!」【シャニマス】 元スレ 全てのレス 1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/05/04(火) 14:12:08.929 :TL4hyRv50.net ※このお話は放課後クライマックスガールズのイベントコミュ『ミッション・コンプリート!』の続きです。そちらをご覧になってから見てください。 2:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/05/04(火) 14:13:13.918 :tKmvKfj6p.net 果穂「え?『STEAL TH』の新作ゲームですか!?」 P「あぁ、何でも前回のコラボ企画で放クラが大好評だったらしくてな、次の新作でもPRを依頼されたんだ」 果穂「凄いです!!!」 読む →
2021年04月25日 19:50 【アイマス】夏葉「果穂が別の事務所に!?」【シャニマス】 元スレ 全てのレス 1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/04/25(日) 14:39:38.306 :1eNTxnPNp.net 夏葉「どういうこと!?」 シャニP(以下P)「いや、どういうことも何も仕事だよ」 樹里「聞いてねぇぞ!」 P「だから今発表したんだよ。今度スターリットドームっていうドームのこけら落とし公演があって、765プロ中心にアイドル選抜ユニットを作るんだ」 読む →
2021年04月19日 18:00 P「とある放課後の最高潮」 元スレ 全てのレス 1:名無しさん@おーぷん:21/04/19(月)01:23:44 :nBXs 「うわぁ!?」 夜もふけ切った深夜ニ時半、俺は柄にも無く大きな声を出して目を覚ます。 頬を伝う汗を拭った袖が既に濡れているのを見て、全身が汗まみれであることに気づく。とてもではないが、気分がいいとは言えない。 読む →
2021年04月15日 12:00 【シャニマス】灯織「それは違います!」【ダンガンロンパ】 CHAPTER EX 関連SS 【シャニマス×ダンガンロンパ】シリーズ:目次 元スレ 全てのレス 900: ◆zbOQ645F4s:2021/03/27(土) 21:16:03.75 :wsdCZq+f0 【モノクマげきじょう】 901: ◆zbOQ645F4s:2021/03/27(土) 21:17:43.51 :wsdCZq+f0 モノクマ「人生とは選択の積み重ねなんだ」 モノクマ「どこを切り取ったとしても、そこで必ず人は選択を行なっているんだよ」 モノクマ「意志と言い換えてもいいだろうね。人間は常に何かと何かを比べて選び取ることでしか生きていけないんだよね」 モノクマ「例えば朝起きた時、この時点であなたは選択をすでに終えているのです」 モノクマ「春の麗かな温もりの下に、睡眠の快楽を享受するという選択肢を捨てて、社会の歯車となるために起床するという選択をしたわけだね」 モノクマ「いやぁ……殊勝でケッコウケッコウ!」 モノクマ「それで社会の歯車となることを決意したあなたは次の選択に移ります」 モノクマ「昨日の飲み会帰りに撒き散らした自分の吐瀉物を掃除するか、締め切りを過ぎた書類についての謝罪の電話を上司にするかの二択だね!」 モノクマ「どっちを選んだとしても、異なった結末がそこには待っていることはもはや言うまでもないよね!」 読む →
2021年04月14日 18:00 【シャニマスss】夕暮れに咲く花は【透・真乃】 元スレ 全てのレス 2:名無しさん@おーぷん:21/04/14(水)13:12:17 :pw0Y 【そのいつかを】◇ ───燃えるような冬の夕暮れを背に、君といたことを覚えている。 西の空は遠く、火はやがて夜に溶けていく。 隣にいる君が、どうしてだろうか、少し笑った気がした。 どちらからともなく「またね」と言った。だから「うん、また」と、手を振って、そう答えた。 思い返せばいつも、こんなふうに約束をしてくれたのは君の方からだった。 君の背中を見えなくなるまで見送って、見えなくなっても見送って、その頃にはもう、あたりはとっぷりと夜に浸かっていた。 それはまさに、友達と過ごすような、そんな時間だった。 長年積み重ねた関係などではなく。うわべだけの付き合いでもなく。なんでも話せるような仲ではなく。何にも話せない仲でもない。 それは、言うなれば。「友達になろうね」なんて言わないけれど。いつからか、それがそうであるように笑顔で約束をした───そんな関係。「──お」 飲み干したはずの缶コーヒーを口に当て、もう一度傾ける。「ふふっ……あま」 最後の滴を舌に乗せ、今度こそ缶には何も残っていない。ぐっと背伸びをして、彼女もまた帰路につく。その前に、と公園のビン・缶のゴミ箱を見つけたけれど、そこは空だった。「んー……よし」 なんとなく、それで。「──帰るか」 暗くなった空を見上げ、帰ることにした。 ───そんな、なんでもない日のことを覚えている。 読む →
2021年04月12日 12:00 【シャニマスss】園田智代子「あ、これ私の妄想の話ね!」 元スレ 全てのレス 2:◆3xQXQ8weeA:21/04/11(日)11:43:02 :wijO 「――はぁッ」 どちらの息かはわからない。けれど、大きな息だった。 吐息は、お互いのもの。 雰囲気は二人のもの。 この場所と、この時間と、この距離は、きっとお互いだけのもの。 けれど私には急すぎて、近すぎて、なんだか怖くなってしまう。だって、さっきまでみんながいた。 果穂と。樹里ちゃんと。夏葉ちゃんと。凛世ちゃんと。明日のことや今日のレッスンのこと、いろんなことを喋ったばかりだ。こんな、自分の恋の話なんて一つもしていないのに。 差し込んだ夕日がもう誰も来ないことを教えてくれている。もし間違いが起こったって黙っていればバレることなんてない。 読む →
2021年04月11日 15:00 【シャニマス】果穂「見たことないヒーローがいます!!!!」 元スレ 全てのレス 1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/04/11(日) 11:58:47.338 :ySeA/DVdp.net 始まりはほんの些細な摩美々の悪戯だった。 『プロデューサーの机に置いてある資料用のDVDをエッチなものに代えてやろう』 そんないつも通りの可愛らしい悪戯だった。いつも通りではなかったところといえば、いつもならばすぐに事務所に戻ってくるはずのプロデューサーが、渋滞に巻き込まれ帰るのが遅くなってしまったこと。そして、もう一つ、摩美々が資料用だと思ったDVDは、プロデューサーが果穂と約束をして、貸してあげる予定だったヒーロー特撮シリーズのものだったということだ。 読む →
2021年04月09日 07:00 霧子「恋鐘ちゃん…あの、これ…誕生日プレゼント…」恋鐘「わ~!ありがと~!」 元スレ 全てのレス 1:以下、?ちゃんねるからVIPがお送りします:2021/04/09(金) 00:00:29.023 :DU2IqgnP0.net 恋鐘「ね、ね!これ今開けてよかと?」 霧子「う、うん…」 咲耶「随分大きいね」 恋鐘「なんだろな~♪霧子のプレゼントなんだろな~♪」 摩美々「恋鐘なにそれー。変な歌ー」 結華「いつにも増してご機嫌だね、こがたん」 恋鐘「だって霧子の選んでくれたプレゼントとよ?これが楽しみにせずにはいられんばい!」 読む →