1:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2022/08/09(火) 21:30:09.28 :Yhd0RwvXO
店先から店内に戻ると、焼きついた日差しが視界に影を落とす。その"夏影"の明暗の差はくっきりはっきりしていて、溜息が溢れた。
結局、フーくんは正しかったのだ。
あの日、一花を選んでいても、三玖を選んでいても、五月を選んでいても、私を選んでいても……きっと上手く行かなかったと思う。
四葉だけが。四葉じゃないといけないのだ。
それを認めるのは癪だし、悔しいけれど、認めざるを得ない事実なのだ。だから認める。
フーくんと上手く付き合えた四葉はすごい。
一花は不安定で怖いし。
三玖はちょっと重いし。
五月は物理的に重いし。
そして私は、たぶん付き合えたら満足する。
四葉だけが、その先の関係を築ける。
その先って言ってもよくわからない。
付き合って、そのあとどうなるのか。
さっぱりわからない。だからダメなんだ。
今でも好きだし、それが全てだと思ってる。
だけどきっと、好き同士の関係は別なんだ。
好きなだけじゃいけない。それ以上の何か。
「三玖はなんだと思う?」
「肉体関係」
「あんたね……」
訊いた私がバカだったわ。無論冗談らしく。
「なんだろうね」
「なにかしらね」
皿を洗いながらぼんやりと私たちは考える。
読む →
店先から店内に戻ると、焼きついた日差しが視界に影を落とす。その"夏影"の明暗の差はくっきりはっきりしていて、溜息が溢れた。
結局、フーくんは正しかったのだ。
あの日、一花を選んでいても、三玖を選んでいても、五月を選んでいても、私を選んでいても……きっと上手く行かなかったと思う。
四葉だけが。四葉じゃないといけないのだ。
それを認めるのは癪だし、悔しいけれど、認めざるを得ない事実なのだ。だから認める。
フーくんと上手く付き合えた四葉はすごい。
一花は不安定で怖いし。
三玖はちょっと重いし。
五月は物理的に重いし。
そして私は、たぶん付き合えたら満足する。
四葉だけが、その先の関係を築ける。
その先って言ってもよくわからない。
付き合って、そのあとどうなるのか。
さっぱりわからない。だからダメなんだ。
今でも好きだし、それが全てだと思ってる。
だけどきっと、好き同士の関係は別なんだ。
好きなだけじゃいけない。それ以上の何か。
「三玖はなんだと思う?」
「肉体関係」
「あんたね……」
訊いた私がバカだったわ。無論冗談らしく。
「なんだろうね」
「なにかしらね」
皿を洗いながらぼんやりと私たちは考える。