2:◆3xQXQ8weeA:21/04/11(日)11:43:02 :wijO
「――はぁッ」
どちらの息かはわからない。けれど、大きな息だった。
吐息は、お互いのもの。
雰囲気は二人のもの。
この場所と、この時間と、この距離は、きっとお互いだけのもの。
けれど私には急すぎて、近すぎて、なんだか怖くなってしまう。だって、さっきまでみんながいた。
果穂と。樹里ちゃんと。夏葉ちゃんと。凛世ちゃんと。明日のことや今日のレッスンのこと、いろんなことを喋ったばかりだ。こんな、自分の恋の話なんて一つもしていないのに。
差し込んだ夕日がもう誰も来ないことを教えてくれている。もし間違いが起こったって黙っていればバレることなんてない。
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「――はぁッ」
どちらの息かはわからない。けれど、大きな息だった。
吐息は、お互いのもの。
雰囲気は二人のもの。
この場所と、この時間と、この距離は、きっとお互いだけのもの。
けれど私には急すぎて、近すぎて、なんだか怖くなってしまう。だって、さっきまでみんながいた。
果穂と。樹里ちゃんと。夏葉ちゃんと。凛世ちゃんと。明日のことや今日のレッスンのこと、いろんなことを喋ったばかりだ。こんな、自分の恋の話なんて一つもしていないのに。
差し込んだ夕日がもう誰も来ないことを教えてくれている。もし間違いが起こったって黙っていればバレることなんてない。