2023年03月29日 19:30 前川みく「李衣菜チャンと危機回避」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2016/04/21(木) 00:02:41.21 :0SzfCoKG0 李衣菜「ねえ、みく」 みく「どうしたにゃ?」 李衣菜「あたし思うんだけど」 みく「うん」 李衣菜「ひとってすぐ死ぬよね」 みく「いきなりどうしたにゃ!?」 読む →
2022年12月24日 18:30 若林智香「幸せの順番」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2016/12/24(土) 01:57:52.36 :sctM3UwS0 「Pさん」 「Pさんは、もしもアタシが、今ここで、」 「アイドルを辞めようかなあって言ったら、どう思いますか?」 読む →
2018年05月05日 22:35 五十嵐響子「紐帯」 元スレ 全てのレス 2:以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします:2018/05/05(土) 19:37:03.60 :k1wvg8uj0 ハンドルに手を添えて、握る手に少しだけ力を籠める。 ルームミラー越しに後ろの様子を覗いてみても、他の車の影が一つも見えない瞬間が度々ある。 アクセルを少しだけ緩めて、備え付けのデジタル時計に目線を向ける。 午後十一時を少し越えて、すっかりあたりは更け込んでいた。 読む →
2017年12月25日 01:15 柊志乃「前夜祭」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/12/25(月) 00:00:48.15 :qZxm5qP90 アイドルに貴賤はない。 年齢、性別、出身や売り出し方まで、アイドルというものには今や星の数ほどの多様性がある。 その魅力は実際に間近で体験しなければ、数値や書面からではとても計り知ることができない。 もしかするとその存在は比喩に留まらず、本当の意味で星なのかもしれなかった。 アイドル達の持つそのひかりが、彩り鮮やかに輝き、応援する人を照らし出してくれるのだから。 読む →
2017年09月30日 19:25 クラリス「あたたかで素晴らしい日々に」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/09/30(土) 14:44:10.66 :r5zFZECu0 今年最後の仕事を終えて、小さく息を吐いた。 年末進行のスケジュールのせいで連日働き詰めで、身体がくたくただった。 今年も大事なく過ごせたことに安堵し、社用車を転がして事務所に向かう。 年始は、少しだけどまとまった休みが取れる。 夕方から、雪が降っていた。 読む →
2017年08月25日 00:15 晩夏にほどける 元スレ 全てのレス 1: ◆K5gei8GTyk:2017/08/24(木) 22:05:11.62 :fLR/Lwcb0 一次創作です。 方言を多用しています。わからなければ適宜聞いてやってください。 2: ◆K5gei8GTyk:2017/08/24(木) 22:06:09.86 :fLR/Lwcb0 八月も暮れだというのに、路地には不快なほどの熱気が立ち込めている。 夕方に降った雨が湿らせた裏通りを歩く彼女は、その後ろ姿だけでも絵になる雰囲気を備えている。 うんざりとする暑気の中でさえ、むしろ涼やかな感があった。 相当なうわばみだということを知ってはいる。 しかし、ついさっきまで居酒屋であれだけ飲んでいたにも関わらず、酔った気配をまるで見せていないことには驚かされた。 たとえそれが、毎度のこととはいえ。 なんとはなしに、彼女の歩調に合わさって長い黒髪が滑らかに揺れているのを眺めていると、急に彼女が立ち止まった。右に倣っておれも足を止める。 読む →
2017年08月07日 22:30 包みに籠めた気持ち 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/08/06(日) 23:37:53.29 :ao4zzOCX0 あたしは彼のことが好きだ。 幼馴染で、家が隣で、元気だけが取り柄で、誰に対しても分け隔てなく優しくて、世界一かっこいい彼のことが。 だけど向こうはあたしのことをただの仲のいいお隣さんとしか捉えていないみたいで、ふざけあって笑うことはあっても、喧嘩していがみ合うことはあっても、親友の領域を飛び出すことはないみたい。 怖いくらい居心地のいいはずのこの距離感が、時々とても居づらくなる。 読む →
2017年07月15日 22:30 佐城雪美「今なお暮れつつある日に」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/07/15(土) 20:31:15.84 :H6bsipiu0 私が小さい頃から飼っていた猫が寿命で失くなってしまった日の晩に、夢をみた。 内容は、一両しかない電車に揺られてどこかへ向かうというだけのもので、私は同じ夢を以前に二回ほどみたことがある。 読む →
2017年07月09日 19:30 安部菜々「星の海を越えて」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/07/09(日) 13:09:03.52 :mjZ8j0KR0 アイドルとは、どういう存在なのだろう。 どういう存在であるべきなのだろう。 その思考の道筋に轍ができてしまうほど、何度も何度も繰り返し考えてみたところで、納得のいく答えは浮かばない。 読む →
2017年05月28日 01:20 市原仁奈「かいじゅうの気持ちになるですよ」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/05/27(土) 23:57:30.57 :NHoYyh5/0 誰しもに行き先があるというのなら、誰しもに帰り着く場所がある。 言葉にせずとも知っている人もいれば、言葉にしたところで理解できない人もいる。 ありふれたフレーズだとは思うけれど、ありふれていると思ってしまうだけに忘れてしまわないようにして、折に触れては思い出すものがある。 暑い砂漠にひっそりと佇む、そいつを。 読む →
2017年05月19日 21:45 塩見周子「箱庭に降る雨」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/05/19(金) 20:06:00.73 :5usAth110 「……ねえ、周子はん」 ソファから気の抜けた声がする。 「んん、なに?」 流し読みしていた小説から目線を外して、声のした方に返事をする。 「お腹、空かへん?」 「あー。そだね」 あいにく手元に時間のわかるものがなかったから、正確な時間まではわからない。 それでもどうやら、とうに昼は過ぎてしまったらしい。胃が力なく訴えかけているのを無視できなくなっていた。 「うち、お腹と背中がひっついてもうて、動かれへん」 顔だけをこちらに向けた彼女が、柔らかく笑う。 「軽くなにか作る?」 「せやねえ」 ずっと、雨が降り続けている。知覚できないほど大きな装置によって、巡り巡った雨が循環しているんじゃないかと思うほどに。 いつかすべてが沈んでしまうんじゃないかと心配になったこともあったけど、一向にその気配はない。 昼と夕方の中間地点で、あたしたちはふたりきりで生きているような気分になる。 読む →
2017年05月05日 21:45 龍崎薫「先生あのね」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/05/05(金) 19:40:51.58 :81xTOTQj0 とある昼下がりに、ちひろさんから、アイドルのプロデュースをしていてなにが嬉しいのかと聞かれた。 なんということもない世間話。ここはとあるプロダクションの事務所の一角。 繁忙期には残業も多いこの業界は、志望する人は多くても、長く続くのはほんの一握りだった。 その分、職場に長く勤めている人間は、皆真剣にアイドルに向き合って仕事をしている。 仕事をする上で、なにを嬉しいと感じるのだろう。 その答えはきっと、回答した人間にとっての、仕事の励みになるようなことなのだろう。 日々の活力になりえるのだろう。 読む →
2017年04月01日 15:05 高森藍子「夢で逢えたら」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/04/01(土) 11:53:42.85 :dadhtGpa0 社員証をかざすと電子扉が開いて、中に入って少し歩いたところにおれの事務所がある。 誰よりも早く来るのは、別に勤勉だからというわけではなくて、単純に朝早くに目が覚めてしまうからだった。 部屋の明かりをつけて、デスク脇に荷物を置き、コーヒーを淹れる。 早く着いたからといって、仕事を始めるわけでもない。必要があるなら手を付けることはあっても、仕事をするために来ているわけじゃない。 今日日、残業を取り締まる流れが大きくなっている中、早く出社することはまだきつく言われていない。 少なくとも、おれの働く部署はそうだった。 読む →
2017年03月24日 01:10 速水奏「お節介」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2017/03/23(木) 23:01:11.61 :cDFgnIFz0 速水奏が体調不良を訴えたのは、午後三時のことだった。 心なしか覚束ない足取りでおれのデスクまでやってきて、同様に心なしか覚束ない口調で。 しんどいのかと尋ねれば、彼女は曖昧に頷いた。熱があるのかと尋ねれば、少し、と答えた。 彼女のスケジュールを確認すると、ラジオにゲスト出演する以外には、一週間ほど先まで生放送の仕事はなかった。 仕事に大きく影響しないことを確認すると、早速彼女を病院に連れていくことにした。 読む →
2017年02月07日 20:55 2月の昼下がりに橘ありすと話すことについて 元スレ 全てのレス 1: ◆K5gei8GTyk:2017/02/07(火) 19:18:40.54 :0cqd1nr10 モバマスssです 地の文有り 書き溜め有り ある有名な作家のファンで、彼の文体を模写しようとしてこれが生まれました クオリティは高くはないやもしれませんが、お楽しみいただけますと幸いです 2: ◆K5gei8GTyk:2017/02/07(火) 19:20:22.56 :0cqd1nr10 この物語はフィクションであり、誰にも捧げられるべきではない。 3: ◆K5gei8GTyk:2017/02/07(火) 19:21:16.09 :0cqd1nr10 二十七だった僕が三十二になる頃には、十二だった彼女も十七になった。 その五年の中に、ドラマと称して差し支えのないような出来事は幾つもあるような気はするけれど、本当のところはよくわからない。 ドラマとは、完結したものにしか冠することのできない称号のようなものだから。 僕と彼女がどういう形であれ、その関係性が終わりを迎えなければ、ラべリングはできないのだ。 読む →
2016年08月22日 23:45 千川ちひろ「紫煙の奥から」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2016/08/22(月) 21:10:37.44 :Bte9AddR0 建物の三階の、西方の角にある喫煙室を利用する人は多くない。 それどころか、わたしの知りうる限りでは、誰もいない。 そもそも三階はスタッフが作業をするフロアであり、喫煙をするスタッフは三階中央の談話室のすぐそばに据えられた大きな喫煙室を利用するからだ。 そうなると、何故同じ階に二箇所も喫煙室があるのかがわからないけど。 六畳あるかないかぐらいの狭さに、無骨な木製のベンチが二つ。 耳に残る換気扇の排気音と、何の必要性があってか、アンビエントミュージックが小さくかかっている。 あってもなくても差し障りのないような空間。 だけどわたしは、だからこそこの喫煙室を好んで利用している。 読む →
2016年07月02日 07:05 的場梨沙「おくりもの」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2016/07/01(金) 22:56:19.79 :3M5gfQWJ0 最近はどうも忙しくて、睡眠時間が不足しているからか、日中から瞼が重くて仕方がない。 それは裏を返せば、うちのアイドル達の人気があることに他ならないので、いいことなんだけど。 3: ◆K5gei8GTyk:2016/07/01(金) 22:57:31.44 :3M5gfQWJ0 飛鳥「梨沙のプロデューサーさん、いま、少しいいかい?」 あくびを噛み殺しながらデスクワークをこなしていると、珍しくも彼女の方から話しかけてきた。 P「飛鳥か。おう、どうした」 彼女、二宮飛鳥は俺が直接担当しているアイドルではないから、普段から顔を突き合わせているわけではない。 こうして話すようになったのは、俺の担当しているアイドルが彼女とユニットで一緒になってからだ。 ユニット企画が一時的に落ち着いてからも梨沙とは仲良くしているらしく、よく一緒に行動しているのを見かける。 飛鳥「ああ、その、一言でいえば相談があるんだけど」 ばつが悪そうに、彼女は自分の首元をさする。 彼女が身体を動かす度に、身につけた装飾品が控えめに鳴る。 読む →
2016年06月26日 00:00 高垣楓「二分二十秒の気持ち」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2016/06/25(土) 21:58:44.98 :9gikU85z0 本作品に登場する商品はすべて、実在のものとは関係ありません。 3: ◆K5gei8GTyk:2016/06/25(土) 22:00:15.13 :9gikU85z0 楓「ただいま戻りました」 その日、高垣楓がドラマの撮影を終えて事務所に帰りついたのは、午後七時を回ろうかというころだった。 あとは仕事の報告と次の自分の予定を確認すれば、彼女のアイドルとしての一日は終わりを告げる。 たしかな空腹を抱えながら、彼女は晩餐をなににしようかと思案していた。 世間的にはどうにも居酒屋で管を巻くイメージが強い彼女ではあったが、意外にも料理は得意とするところのものだった。 しかし今日は撮影の疲れもあってか、なんとなく自炊をする気分にはなれない。 不精な発想から適当に即席麺で済まそうにも、備蓄を切らしたばかりなので買いに行かなければならない。 となれば、誰か暇そうな大人組を捕まえて、居酒屋でゆっくり飲もうなんて考えていたのだが。 事務所の扉を開けた先にいたのは、彼女のプロデューサーだけだった。 読む →
2016年04月11日 20:40 高垣楓「桜咲き誇る」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2016/04/08(金) 22:46:16.92 :D8OMN+3y0 生まれ変わったら桜になりたい。 春が来る度に、ぼんやりと、だけど何度もそう思う。 なぜそう思うようになったのか、きっかけは思い出せない。 桜自体は、好きだけれど。 読む →
2016年02月25日 15:05 小早川紗枝「実家に帰ろう」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2016/02/24(水) 22:48:10.05 :mWhgQ1Ab0 P「くれぐれも、切符はなくすんじゃないぞ」 紗枝「きちんとお財布にいれてますえ」 P「かなり昔になるけど、遠出したときに切符なくしちゃったことがあって、駅員さんにこっぴどく叱られたことがあってな……」 紗枝「へえ。いつの話です?」 P「俺が大学に行ってたときだよ。一人旅が趣味でな」 紗枝「なんやPはん、そないな趣味あらはったんどすか」 P「似合わないか?」 紗枝「そうは言うてません、ていうより、逆に似合う思いますけど」 P「ありがとう、逆に似合ってたか」 そのとき、出発を告げるベルが鳴り出した。 いまの時代、新幹線を使えば、二時間半足らずで京都まで行くことができる。 読む →
2016年02月23日 15:05 三船美優「ビフォア ザ シンデレラ」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2016/02/21(日) 00:39:40.42 :mWvUcEHC0 P「……よし、こんなものかな」 パソコンで作成したイベントの資料を事務所の共有フォルダに移して、退勤の準備を始める。 腕時計を確認すると、まだ約束の時間まで余裕はあるものの、待ち合わせをしていることを考えると、早めに到着するぐらいがいい。 P「すみません、お先に失礼しますね」 同僚のちひろさんに声をかけると、彼女は意味ありげに笑ってみせた。 ちひろ「あれ、今日は早いんですね。いいひととデートですか?」 P「ええまあ、そんなところです」 負けじと意味ありげに笑ってみせたが、冗談だと思われたのか、軽くいなされてしまった。 読む →
2016年02月19日 18:05 森久保乃々「十年目の夜」 元スレ 全てのレス 2: ◆K5gei8GTyk:2016/02/19(金) 14:42:54.56 :KdggYUJB0 給湯室でインスタントコーヒーを淹れて、それを啜りながらデスクに戻る。 体重をかけると呻き声のような音を立てる椅子に腰掛けて、さきほど資料室から探し出したアルバムを開く。 小さなものから大きなものまで、イベントごとがある度に収めてきた写真の数は、延べアルバム数冊分にまでのぼる。 ここ最近になって、仕事の合間に過去に撮影したそれらを眺めることが増えた。 読む →