1: ◆WhB7dmm18Q:2014/09/07(日) 19:00:09.80 :rW7ib+xx0
「天海さんのことが好きです。アイドルとしてではなく一人の女性として」
放課後。
手紙で校舎裏に呼び出された私が言われたのは、そんな言葉だった。
「えっ……?」
「良かったら、俺と交際してください」
呆気にとられる。
頭の整理が追いつかない。
「天海さんはアイドルだから、こういうのは駄目なのかもしれないけど――」
目の前にいる端整な顔立ちをした男の子は、私を真っ直ぐ見据えて続ける。
「――もしそうじゃなくなる時が来たら、その時には考えてくれたら嬉しいです」
そう言うと、彼はワイシャツの胸ポケットから小さな紙を取り出した。
「これ、俺のメールアドレスと電話番号です。何かあったら気軽に連絡ください」
よくわからないままに私がその紙を受け取ると、彼はこちらに一礼して踵を返した。
私一人、ぽつんと取り残された校舎裏。
涼しげに吹き抜ける風が、髪とリボンをさらさらと揺らした。
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「天海さんのことが好きです。アイドルとしてではなく一人の女性として」
放課後。
手紙で校舎裏に呼び出された私が言われたのは、そんな言葉だった。
「えっ……?」
「良かったら、俺と交際してください」
呆気にとられる。
頭の整理が追いつかない。
「天海さんはアイドルだから、こういうのは駄目なのかもしれないけど――」
目の前にいる端整な顔立ちをした男の子は、私を真っ直ぐ見据えて続ける。
「――もしそうじゃなくなる時が来たら、その時には考えてくれたら嬉しいです」
そう言うと、彼はワイシャツの胸ポケットから小さな紙を取り出した。
「これ、俺のメールアドレスと電話番号です。何かあったら気軽に連絡ください」
よくわからないままに私がその紙を受け取ると、彼はこちらに一礼して踵を返した。
私一人、ぽつんと取り残された校舎裏。
涼しげに吹き抜ける風が、髪とリボンをさらさらと揺らした。