2021年01月20日 23:05 青年「藤の迷宮秘密箱」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2021/01/14(木) 22:34:54.72 :t/awvdm70 青年「それじゃ、僕ちょっと用事があるから」 友「ん? おお分かった。気を付けてな」 青年「うん。ありがとう」 【えにしや】 青年(僕はこの前、町の片隅で偶然この骨董品屋を見つけた) 青年(ずっと心が惹かれていたんだ) 青年(今までは入る勇気が無かったけれど、今日は違う) 青年(特に何か買う訳でも無いくせに、僕はどきどきしながらガラスの扉を開けた) 読む →
2020年11月22日 23:00 男「苦しみ、痛み、剣」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2020/11/22(日) 20:43:15.07 :7tIffwGI0 男(俺の胸には、鋭い剣が深々と刺さっていた) 男「いっ……! があ……!」 男(いつから刺さっているかは分からない) 男(ただ、気が付けばそこに刺さっていたんだ) 男(ひどい火傷のようなぢくりとした痛みが、常に俺を蝕み続ける) 男(俺はひたすらに、その地獄のような苦しみに耐え続けなければならない) 男(痛みで立つ事も動く事も出来ず、ただ両膝をついて物乞いのように俯き続ける) 男(いつまで経ってもこの痛みは消えない) 男(いつになったらこの剣は抜けるんだろう) 男(ただひたすらに、苦しいんだ) 読む →
2020年10月24日 07:30 少女「涙の夜行に彼岸花」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2020/10/19(月) 21:23:05.01 :kXnbXFlm0 少女(山に囲まれた私の村は、年中彼岸花が咲き乱れている) 少女(この村の彼岸花には、不思議な力が備わっていて) 少女(人々は、その力を利用して生活している) 少女(ここは、そんな彼岸花の村の話) 読む →
2020年09月14日 22:10 少年「ミッドナイト・シーラカンス」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2020/09/13(日) 20:25:31.73 :L32KXTsp0 ♪~ 少年(ずっとピアノを弾いていた) 少年(ピアノを弾く事が、僕の全てだった) 少年(鍵盤を通して奏でる音は、美しいと思えた) 少年(楽しかったし、人よりも才能があった。努力を欠かした事は無い) 少年(ピアノは僕の人生だった) 少年(でも) 少年「……駄目だ、どうして」 少年(ある日突然、僕はピアノを弾けなくなってしまった) 読む →
2020年08月24日 19:30 男「虹色の珈琲」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2020/08/23(日) 14:30:34.98 :OOMGAyot0 男(俺にはある特技があった) 男(それは、人の能力を盗む事だ) 男(全神経を研ぎ澄ませて相手を注意深く観察する) 男(そうする事で、相手の能力のポイントや流れを理解し、模倣する事が出来た) 男(だが、俺にはコンプレックスがある) 男(それは、何かで一番を取った事が無いと言う事) 読む →
2018年08月03日 22:35 「黒山羊怪奇譚」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2018/07/31(火) 20:38:44.68 :ssvcM0xZ0 少年「うーん……」 少年(僕は今、古い図書館で本を探している) 少年(生き物図鑑って何処にあるんだ?) 少年(聞こうにも誰も居ないし……入り口まで戻って聞こうかな) 「探し物は、これかな」 少年「!」 少年(……何だこの人) 少年(夏なのに真っ黒なローブを纏っている) 少年(身長は高く、脚がモデルのように長い) 少年(顔は目以外を包帯で覆ってしまっている) 少年(爛々と輝く満月のような両目に長い黒髪が合わさって、夜を連想させられる) 少年(瞳がおかしい……まるで、蛸や、山羊みたいな……) 少年(こいつ……人間じゃない!?) 「そう怯える必要は無い。少し話したいだけなんだ」 少年「……別に、怯えてなんか無いけど」 「くくく、威勢は良いな。気に入った」 「少し場所を変えよう」ゴポ 少年(そう言って、ヤツはすっと左手を伸ばした) 少年(これは……空間に黒い水? が発生して広がっていく) 少年(渦巻きながら丸い円の形になった……奥は何処かに続いているように見える) 「さあ、行くぞ」グイ 少年「ちょ、ちょっと待っ――」 読む →
2018年07月24日 00:30 青年「蛍月夜の猩々参り」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2018/07/22(日) 21:05:07.20 :uP4TAhH40 ゴトン ゴトン 青年(僕はバスに揺られている。乗客は僕以外誰も居ない) 青年(二十歳になったら、家に来なさい――そう祖父に言われ、僕は遠くの祖父の家に向かっている) 青年(祖父の田舎は初めてだ。小さな頃一度だけ行った事があるらしいが、もう覚えてない) 青年(しかし、大切な話がある……とは、何の事だろうか。やけに真剣な声色だったな) 青年(まあ、考えても仕方ないか) 読む →
2018年02月03日 00:00 少年「薄氷の僕ら、無人駅」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2018/02/01(木) 20:04:24.28 :3pcH/mqD0 少年(僕の住む村は、人里から離れた、集落のように小さな村だ) 少年(気候は常に寒い。夏冬関係なく、ほぼ一年中雪が降っている) 少年(人口はそんなに多くない。むしろ村の面積に対して少ないくらいだ) 少年(そして) 少年(この村には掟がある) 少年(それは、村の外に出てはいけないと言う事) 読む →
2016年11月18日 22:25 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」 関連SS 「奇奇怪怪、全てを呑み込むこの街で」 「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2016/11/02(水) 21:18:46.48 :dXFzxhXQ0 「奇奇怪怪、全てを呑み込むこの街で」 http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1458734925/ 「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」 https://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1470921413/ の続編です。彼らの最後のお話となります。 2: ◆XkFHc6ejAk:2016/11/02(水) 21:26:55.11 :dXFzxhXQ0 月が無いな、と誰かが呟きました。 見上げた夜空は、まるで墨で塗りつぶしてしまったかのように、黒々としています。 「イサクラ」の街が形成されて以来、月が無い夜など見た事がありませんでした。 いつもの薄暗い路地が、深さを増した闇を蓄えて人々を待ち構えます。 街全体に、言いようのない不気味な空気が漂っています。 それに対抗するかのように、ネオンサインのぎらぎらした光が中央街を照らしています。 どうも人々は無意識の内に闇を恐れ、光を集めているようです。 何だか妙な気分だ、と再び路地裏で誰かが呟きました。 読む →
2016年08月14日 20:55 「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」 関連SS 「奇奇怪怪、全てを呑み込むこの街で」 「喧々囂々、全てを呑み込むこの街で」 「死屍累々、全てを呑み込むこの街で」 元スレ 全てのレス 2: ◆XkFHc6ejAk:2016/08/11(木) 22:22:37.57 :Pkizwuk+0 「……オラアァアアァアァ!!」 豪快な音を立てて、小さな赤い壺が砕け散りました。 中から出てきたのは、例の男です。相変わらず不機嫌そうな顔で、ぺっと唾を吐きました。 男は盗まれた酒を取り立てに老人を追い掛けていたのですが、老人の魔道具によって逆に封印されていたのです。 「クッソが……あのジジイ……見つけたらぶん殴ってやる……」 男は辺りを見渡し、老人を追う前の最後の記憶を辿ります。 (確か、ヒュドラの雑魚は取り逃がしちまったっけな……まぁウィルオウィスプの呪いを掛けてやったから、まともに戦えねえだろうが) 「……?」 そう考え事をしているうちに、男は異変に気付きました。 (……静かすぎる。血の満月はこの前終わったよな? 今はまだ三日月の月だったはずだが……) 男は眉間にしわを寄せながら、大通りに出ます。 次の瞬間、男の目には凄まじい光景が映し出されました。 「なっ……!?」 圧倒的破壊の跡。パイプで削り取られたような跡が縦横無尽に広がり、何かが一直線に進んだ跡が残っています。 早い話、大通りは壊滅状態になっていました。 「……どいつの仕業だ?」 男は笑っていませんでした。破壊痕から、なにか異質な気を感じるのです。 「ジジイを探すか」 夜の街「イサクラ」に、不穏な空気が漂っていました。 3: ◆XkFHc6ejAk:2016/08/11(木) 22:23:44.50 :Pkizwuk+0 【一夜目 終わり】 読む →
2016年08月12日 19:05 男「リビングデッド・ジェントルマン」 元スレ 全てのレス 1: ◆XkFHc6ejAk:2016/06/30(木) 22:22:02.42 :GmQOJf570 管理人「はい、これがスペアの鍵ね」チャリン 青年「ありがとうございます」 青年(ひっそりとした、町から隔離されたと言っていいこの場所。此処が例のアパートか) 青年(噂では、幽霊が出るらしいけど……格安だし仕方ないな) 青年(僕の部屋は、201号室……) 青年「ふうん、思ってたより嫌な感じはしないなぁ、明るいからかな」 青年(……うん。荷物も大丈夫だし、その辺を歩いてみよう) 青年(なるほどね、ざっくりと道を覚えたぞ) 青年(……ん? アパートの裏のこの小道……続いてる? 行ってみよう) 読む →