1:1:2013/08/31(土) 20:57:56.07 :ENOChXK80
相棒とリングのクロスSSです。
リングの内容は基本映画版をベースにしてますが所々で
原作の設定も入っています。
リングの内容は基本映画版をベースにしてますが所々で
原作の設定も入っています。
2:1:2013/08/31(土) 20:58:13.69 :ENOChXK80
東京都某マンション
8月25日、PM23:30
ここに一人の男性の変死体が見つかる、しかしそれは…
伊丹「マンションから転落死か、それにしても…」
芹沢「一体何なんですかねこの顔は…?」
三浦「俺も刑事歴長いがこんな顔は見た事ねえな…」
その変死体はまるで恐ろしいものを見たかのような形相をしていた。
東京都某マンション
8月25日、PM23:30
ここに一人の男性の変死体が見つかる、しかしそれは…
伊丹「マンションから転落死か、それにしても…」
芹沢「一体何なんですかねこの顔は…?」
三浦「俺も刑事歴長いがこんな顔は見た事ねえな…」
その変死体はまるで恐ろしいものを見たかのような形相をしていた。
3:1:2013/08/31(土) 20:58:41.67 :ENOChXK80
伊丹「これってアレか?死後硬直でこうなったのか?」
米沢「いえ、死後硬直でもこれほど顔面の筋肉が硬直するなんてまずあり得ませんよ。
これほど不可解な事件は我々だけでは無理だと思い、その手の専門家をお呼びいたしました。」
伊丹「ちょっと待った!何だその専門家ってのは?」
カイト「どうも♪」
右京「その専門家です。」
伊丹「ゲッ…特命係…」
三浦「これはこれは警部殿、お早いご到着で。」
芹沢「まぁ、確かに専門家ですね…」
伊丹「あのねぇ…警部さん、いつもいつも言ってますけど…」
芹沢「まぁいつもいつも解決してくれちゃってますからね。」
伊丹「コラ芹沢!プライドを持て!!」
伊丹「これってアレか?死後硬直でこうなったのか?」
米沢「いえ、死後硬直でもこれほど顔面の筋肉が硬直するなんてまずあり得ませんよ。
これほど不可解な事件は我々だけでは無理だと思い、その手の専門家をお呼びいたしました。」
伊丹「ちょっと待った!何だその専門家ってのは?」
カイト「どうも♪」
右京「その専門家です。」
伊丹「ゲッ…特命係…」
三浦「これはこれは警部殿、お早いご到着で。」
芹沢「まぁ、確かに専門家ですね…」
伊丹「あのねぇ…警部さん、いつもいつも言ってますけど…」
芹沢「まぁいつもいつも解決してくれちゃってますからね。」
伊丹「コラ芹沢!プライドを持て!!」
4:1:2013/08/31(土) 20:59:12.30 :ENOChXK80
右京「それで被害者の身元は?」
芹沢「ハイ…被害者の名前は吉野 賢三、仕事はTV局のディレクターです。
ただしここ1週間ほど会社を無断欠勤が続いていたそうですが…」
三浦「1週間も無断欠勤…?何でそんな事を?」
芹沢「その件についてなんですが…今被害者の同僚の方が来てくださっているんですが…」
小宮「同僚の小宮です、あの吉野さんは本当に…」
伊丹「えぇ、お亡くなりになりました。それで彼が1週間も無断欠勤をした理由を知りたいんですけど…」
小宮「吉野さんが無断欠勤をした理由ですか…その前に吉野さんの部屋を
見せてもらえないでしょうか?」
右京「部屋の中ですか?それはまたどうして?」
小宮「それは部屋についてからお話ししたいので…」
伊丹「わかりました、まぁ外で話すのも難ですしとりあえず吉野さんの部屋に行きましょうか。」
三浦「おい米沢、被害者の部屋に入れるか?」
米沢「入れる事は入れますけど…」
右京「それで被害者の身元は?」
芹沢「ハイ…被害者の名前は吉野 賢三、仕事はTV局のディレクターです。
ただしここ1週間ほど会社を無断欠勤が続いていたそうですが…」
三浦「1週間も無断欠勤…?何でそんな事を?」
芹沢「その件についてなんですが…今被害者の同僚の方が来てくださっているんですが…」
小宮「同僚の小宮です、あの吉野さんは本当に…」
伊丹「えぇ、お亡くなりになりました。それで彼が1週間も無断欠勤をした理由を知りたいんですけど…」
小宮「吉野さんが無断欠勤をした理由ですか…その前に吉野さんの部屋を
見せてもらえないでしょうか?」
右京「部屋の中ですか?それはまたどうして?」
小宮「それは部屋についてからお話ししたいので…」
伊丹「わかりました、まぁ外で話すのも難ですしとりあえず吉野さんの部屋に行きましょうか。」
三浦「おい米沢、被害者の部屋に入れるか?」
米沢「入れる事は入れますけど…」
8:1:2013/08/31(土) 21:07:52.53 :ENOChXK80
~吉野の部屋~
8月25日、PM23:50
そこは資料が散乱して散らかっており更に驚くべき奇妙な点があった。
居間にあったTV…それがガムテープでモニター部分を覆っていたが
それが何故か解けていた。
右京「米沢さん、このTVの周りなんですが…これは最初からガムテープで覆われていたのですか?」
米沢「えぇ、これが意味するところがまったくわかりません。」
右京「ですよねぇ、TVを見たくなければ電源を切ればいい。
なのにわざわざTVのモニターをガムテープで覆う、正直僕にはこの行動の意味が分かりません。」
カイト「モニターが壊れてたとかそんなんじゃないんですか?」
右京「いえ、TV自体が故障しているというわけでもないようですね。
至って普通に動きますが」pi pi
カイト「本当だ、普通に映像が映りますね。」
~吉野の部屋~
8月25日、PM23:50
そこは資料が散乱して散らかっており更に驚くべき奇妙な点があった。
居間にあったTV…それがガムテープでモニター部分を覆っていたが
それが何故か解けていた。
右京「米沢さん、このTVの周りなんですが…これは最初からガムテープで覆われていたのですか?」
米沢「えぇ、これが意味するところがまったくわかりません。」
右京「ですよねぇ、TVを見たくなければ電源を切ればいい。
なのにわざわざTVのモニターをガムテープで覆う、正直僕にはこの行動の意味が分かりません。」
カイト「モニターが壊れてたとかそんなんじゃないんですか?」
右京「いえ、TV自体が故障しているというわけでもないようですね。
至って普通に動きますが」pi pi
カイト「本当だ、普通に映像が映りますね。」
9:1:2013/08/31(土) 21:09:03.20 :ENOChXK80
伊丹「あの…警部殿!勝手に被害者の部屋を弄らないでください!」
芹沢「それにしてもこの部屋の資料…気味が悪いですね。
資料にある新聞の切り抜き、これ全部15年前の日付ですよ。」
三浦「15年前だと?何だってそんな物が…」
小宮「あの刑事さん…ちょっといいですか。
吉野さんのビデオデッキにビデオが入っていませんでしたか?」
伊丹「ビデオデッキ?吉野さんは今時レコーダーじゃなくビデオ使ってんですか?」
小宮「いえ…ちょっと事情があって…それであるんでしょうか?」
三浦「米沢、どうなんだ?」
米沢「えぇ、一応押収した証拠品からビデオテープがありましたけどこれが何か?」
右京「失礼、おや?このテープですがラベルに『COPY』と書いてありますね。
もしかしてダビングされたものでは?」
伊丹「あの…警部殿!勝手に被害者の部屋を弄らないでください!」
芹沢「それにしてもこの部屋の資料…気味が悪いですね。
資料にある新聞の切り抜き、これ全部15年前の日付ですよ。」
三浦「15年前だと?何だってそんな物が…」
小宮「あの刑事さん…ちょっといいですか。
吉野さんのビデオデッキにビデオが入っていませんでしたか?」
伊丹「ビデオデッキ?吉野さんは今時レコーダーじゃなくビデオ使ってんですか?」
小宮「いえ…ちょっと事情があって…それであるんでしょうか?」
三浦「米沢、どうなんだ?」
米沢「えぇ、一応押収した証拠品からビデオテープがありましたけどこれが何か?」
右京「失礼、おや?このテープですがラベルに『COPY』と書いてありますね。
もしかしてダビングされたものでは?」
10:1:2013/08/31(土) 21:10:02.00 :ENOChXK80
米沢「とりあえず中身を調べるため一応鑑識で預かりましょうか。」
小宮「ダ…ダメだぁぁぁぁ!?
このビデオを見ちゃダメなんだ!頼む、調べないでくれぇぇぇぇ!!!!」
そう言うと小宮はそのビデオを床に叩きつけ再生が出来ないように壊してしまった。
伊丹「ちょっと…アンタ!証拠品に何してんだ!?」
しかし伊丹の怒鳴り声は小宮の耳には届かなかった、それどころか
彼は次第に妙な事を口走るようになった。
小宮「まさか…嘘だろ…やっぱり噂は本当だったんだ!?
どうする…次は俺だ…俺の番なんだ…」
カイト「あの…大丈夫ですか?しっかりしてください。
とりあえず居間の方にでも腰を掛けて落ち着いてくださいね。」
小宮「居間…あぁ…ハイ…わかりました…」
右京「カイトくん、暫く小宮さんに付き添ってあげてください。
彼は心身衰弱なさっているようですので。」
カイト「ハイハイ、わかりましたよ。」
米沢「とりあえず中身を調べるため一応鑑識で預かりましょうか。」
小宮「ダ…ダメだぁぁぁぁ!?
このビデオを見ちゃダメなんだ!頼む、調べないでくれぇぇぇぇ!!!!」
そう言うと小宮はそのビデオを床に叩きつけ再生が出来ないように壊してしまった。
伊丹「ちょっと…アンタ!証拠品に何してんだ!?」
しかし伊丹の怒鳴り声は小宮の耳には届かなかった、それどころか
彼は次第に妙な事を口走るようになった。
小宮「まさか…嘘だろ…やっぱり噂は本当だったんだ!?
どうする…次は俺だ…俺の番なんだ…」
カイト「あの…大丈夫ですか?しっかりしてください。
とりあえず居間の方にでも腰を掛けて落ち着いてくださいね。」
小宮「居間…あぁ…ハイ…わかりました…」
右京「カイトくん、暫く小宮さんに付き添ってあげてください。
彼は心身衰弱なさっているようですので。」
カイト「ハイハイ、わかりましたよ。」
11:1:2013/08/31(土) 21:10:41.37 :ENOChXK80
伊丹「それにしても15年前の事件か、しかしこれ…どれも事故死扱いだよな。」
三浦「あぁ、記事を読む限りじゃ事件性はなかったはずだ。」
芹沢「被害者は何でこんなモノを調べていたんですかね?」
その記事の切り抜きにはこう書かれていた。
大石智子:17歳、○月×日、横浜の自宅で急性心不全で死亡
岩田秀一:19歳、○月×日、交差点でバイクで信号待ちをしていた際に事故により死亡
(なお事故死する直前に急性心不全に見舞われてた模様。)
辻遥子:17歳、○月×日、恋人の能美武彦とドライブ中に急性心不全で死亡
能美武彦:19歳、○月×日、辻遥子と同くドライブ中に急性心不全で死亡
右京「けどコレまた奇妙ですね。」
伊丹「それにしても15年前の事件か、しかしこれ…どれも事故死扱いだよな。」
三浦「あぁ、記事を読む限りじゃ事件性はなかったはずだ。」
芹沢「被害者は何でこんなモノを調べていたんですかね?」
その記事の切り抜きにはこう書かれていた。
大石智子:17歳、○月×日、横浜の自宅で急性心不全で死亡
岩田秀一:19歳、○月×日、交差点でバイクで信号待ちをしていた際に事故により死亡
(なお事故死する直前に急性心不全に見舞われてた模様。)
辻遥子:17歳、○月×日、恋人の能美武彦とドライブ中に急性心不全で死亡
能美武彦:19歳、○月×日、辻遥子と同くドライブ中に急性心不全で死亡
右京「けどコレまた奇妙ですね。」
12:1:2013/08/31(土) 21:11:13.47 :ENOChXK80
伊丹「また警部殿は勝手に口を出して…それで奇妙な点とは?」
右京「被害者のみなさんが同じ日にしかも死因まで同じで亡くなっています。
これは偶然なのでしょうか?」
三浦「本当だ、確かに日付と死因が同じだ…しかしこれが何だと?」
芹沢「そうですよ、ただの偶然じゃ…」
右京が疑問を抱いていた時、米沢から被害者の検視結果が報告された。
それはまた奇妙なモノであった。
伊丹「また警部殿は勝手に口を出して…それで奇妙な点とは?」
右京「被害者のみなさんが同じ日にしかも死因まで同じで亡くなっています。
これは偶然なのでしょうか?」
三浦「本当だ、確かに日付と死因が同じだ…しかしこれが何だと?」
芹沢「そうですよ、ただの偶然じゃ…」
右京が疑問を抱いていた時、米沢から被害者の検視結果が報告された。
それはまた奇妙なモノであった。
13:1:2013/08/31(土) 21:11:47.58 :ENOChXK80
米沢「たった今検視の結果が出ました、被害者は転落する直前に既に心臓発作を起こし
急性心不全で亡くなっていたらしいです。」
右京「また急性心不全ですか、切り抜きの被害者たちと同じ死に方…これを偶然で
片づけて良いものでしょうかねぇ…」
伊丹「しかし急性心不全という事はつまり…事故か?」
三浦「まぁつまり…被害者はベランダに出た途端に急性心不全になりそのまま転落した。
そういう事になるな。」
米沢「現状で考えればそういう事になりますな、ただそうなるとあの被害者の
恐ろしいモノを見た形相が気になるところですが…」
伊丹「まぁ事件性が無いならそれに越した事はねえな、後は参考人にいくつか事情聴取
してそれで事件は終わりだ。」
米沢「たった今検視の結果が出ました、被害者は転落する直前に既に心臓発作を起こし
急性心不全で亡くなっていたらしいです。」
右京「また急性心不全ですか、切り抜きの被害者たちと同じ死に方…これを偶然で
片づけて良いものでしょうかねぇ…」
伊丹「しかし急性心不全という事はつまり…事故か?」
三浦「まぁつまり…被害者はベランダに出た途端に急性心不全になりそのまま転落した。
そういう事になるな。」
米沢「現状で考えればそういう事になりますな、ただそうなるとあの被害者の
恐ろしいモノを見た形相が気になるところですが…」
伊丹「まぁ事件性が無いならそれに越した事はねえな、後は参考人にいくつか事情聴取
してそれで事件は終わりだ。」
14:1:2013/08/31(土) 21:12:22.46 :ENOChXK80
しかしその時誰もが予想しえない恐ろしい事態が起きた。
8月26日AM0:00
小宮「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?」
先ほどカイトに連れられて居間で休憩を取っていた小宮がとんでもない断末魔の悲鳴を上げた。
しかしその時誰もが予想しえない恐ろしい事態が起きた。
8月26日AM0:00
小宮「うぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!?」
先ほどカイトに連れられて居間で休憩を取っていた小宮がとんでもない断末魔の悲鳴を上げた。
15:1:2013/08/31(土) 21:13:28.96 :ENOChXK80
カイト「小宮さん!しっかりしてください!!」
右京「カイトくん!どうしたのですか!?」
カイト「それが小宮さんが急に苦しみだして…」
小宮「うぐぎぎぎぎぎぎ!!!!ガハッ…」バタッ
伊丹「おいどうなってんだ!こいつ何か持病でも抱えているのか!?」
カイト「そんな事知りませんよ…ダメだ…この人もう息していません?!
急いで救急車呼んでください!!」
右京「……」
その後救急車が駆けつけ小宮の心肺蘇生が施されたがその甲斐虚しく彼は死んでしまった。
カイト「小宮さん!しっかりしてください!!」
右京「カイトくん!どうしたのですか!?」
カイト「それが小宮さんが急に苦しみだして…」
小宮「うぐぎぎぎぎぎぎ!!!!ガハッ…」バタッ
伊丹「おいどうなってんだ!こいつ何か持病でも抱えているのか!?」
カイト「そんな事知りませんよ…ダメだ…この人もう息していません?!
急いで救急車呼んでください!!」
右京「……」
その後救急車が駆けつけ小宮の心肺蘇生が施されたがその甲斐虚しく彼は死んでしまった。
16:1:2013/08/31(土) 21:14:12.65 :ENOChXK80
~警視庁~
内村刑事部長の部屋
8月26日、AM9:00
ここに伊丹、三浦、芹沢、そして特命係の右京とカイトが呼び出されていた。
内村「馬鹿者!刑事が参考人を目の前で死なすとは何事だ!!」
中園「お前たちは市民を守る警察官だろうが!一体何をやっていた!?」
伊丹「お言葉ですが…小宮さんは急性心不全で亡くなってしまい、我々も手を施したのですが…」
三浦「あまりにも突然だったもので、どうする事も出来なかったのです。」
芹沢「一応病院の報告だと彼は病死扱いという事ですが…」
~警視庁~
内村刑事部長の部屋
8月26日、AM9:00
ここに伊丹、三浦、芹沢、そして特命係の右京とカイトが呼び出されていた。
内村「馬鹿者!刑事が参考人を目の前で死なすとは何事だ!!」
中園「お前たちは市民を守る警察官だろうが!一体何をやっていた!?」
伊丹「お言葉ですが…小宮さんは急性心不全で亡くなってしまい、我々も手を施したのですが…」
三浦「あまりにも突然だったもので、どうする事も出来なかったのです。」
芹沢「一応病院の報告だと彼は病死扱いという事ですが…」
17:1:2013/08/31(土) 21:14:39.10 :ENOChXK80
内村「当然だ、こちらに落ち度があってたまるか。」
中園「しかし事情聴取中に急性心不全はあまりにも世間体が悪過ぎます。」
内村「また謝罪会見か、痛たた…胃が痛くなってしまった、お前やっておけ!」
中園「えぇ!またですか!?」
内村「何だ、不満があるのか?」
右京「えぇ、不満です。」
内村「当然だ、こちらに落ち度があってたまるか。」
中園「しかし事情聴取中に急性心不全はあまりにも世間体が悪過ぎます。」
内村「また謝罪会見か、痛たた…胃が痛くなってしまった、お前やっておけ!」
中園「えぇ!またですか!?」
内村「何だ、不満があるのか?」
右京「えぇ、不満です。」
18:1:2013/08/31(土) 21:16:00.80 :ENOChXK80
内村「杉下…また現場に居たそうだな、今度という今度は…」
右京「お叱りは後ほど、被害者の吉野さんは15年前に急性心不全で亡くなった4人の
若者の急性心不全の病死を調査していました。
そして吉野さんご自身も転落する直前に急性心不全で亡くなっている、それに同僚の方まで…
この一件を事故死で処理するのはあまりにも不可解です、調べておく必要があると思いますよ。」
内村「黙れ杉下!捜査に口を挟むな!」
右京「ちなみに被害者の吉野さんはTV局の人間です、報道の方がこの事件をただの
事故死だなんて扱うとは僕には到底思えませんがね…」
カイト(黙れと言われても全然黙らねえし…)
内村「杉下…また現場に居たそうだな、今度という今度は…」
右京「お叱りは後ほど、被害者の吉野さんは15年前に急性心不全で亡くなった4人の
若者の急性心不全の病死を調査していました。
そして吉野さんご自身も転落する直前に急性心不全で亡くなっている、それに同僚の方まで…
この一件を事故死で処理するのはあまりにも不可解です、調べておく必要があると思いますよ。」
内村「黙れ杉下!捜査に口を挟むな!」
右京「ちなみに被害者の吉野さんはTV局の人間です、報道の方がこの事件をただの
事故死だなんて扱うとは僕には到底思えませんがね…」
カイト(黙れと言われても全然黙らねえし…)
19:1:2013/08/31(土) 21:16:32.22 :ENOChXK80
中園「くっ!しかし杉下の言う通りですよ、下手にマスコミに騒ぎ立てられるよりは
建前だけでも捜査をすればこちらの面子も保てます!逆にここで捜査を打ち切れば…」
内村「警察が無能と騒ぎ立てられるか、よしいいだろう!お前たち…
形だけでも捜査をやっておけ!とにかくマスコミをこれ以上騒がせるな!」
伊丹、三浦、芹沢「「ハッ!」」
内村「それと特命はこの件には一切関わるな、これ以上胃が痛くなっては敵わん…」
中園「くっ!しかし杉下の言う通りですよ、下手にマスコミに騒ぎ立てられるよりは
建前だけでも捜査をすればこちらの面子も保てます!逆にここで捜査を打ち切れば…」
内村「警察が無能と騒ぎ立てられるか、よしいいだろう!お前たち…
形だけでも捜査をやっておけ!とにかくマスコミをこれ以上騒がせるな!」
伊丹、三浦、芹沢「「ハッ!」」
内村「それと特命はこの件には一切関わるな、これ以上胃が痛くなっては敵わん…」
20:1:2013/08/31(土) 21:17:08.46 :ENOChXK80
~特命係~
8月26日、AM10:00
角田「よ、暇か?聞いたぞお前ら、また内村部長に怒られたそうだな…って元気ねえな。」
カイト「…ハァ…」
右京「落ち込んでますねぇ…」
カイト「そりゃ落ち込みますよ、小宮さんは俺の目の前で亡くなったんですから…
ところで杉下さん、その資料ってもしかして…」
右京「えぇ、吉野さんの部屋にあった大石智子、岩田秀一、辻遥子、能美武彦の4人の
事件の資料を調べています。
調べれば調べるほどこの事件が奇妙である事がわかりましたよ。」
~特命係~
8月26日、AM10:00
角田「よ、暇か?聞いたぞお前ら、また内村部長に怒られたそうだな…って元気ねえな。」
カイト「…ハァ…」
右京「落ち込んでますねぇ…」
カイト「そりゃ落ち込みますよ、小宮さんは俺の目の前で亡くなったんですから…
ところで杉下さん、その資料ってもしかして…」
右京「えぇ、吉野さんの部屋にあった大石智子、岩田秀一、辻遥子、能美武彦の4人の
事件の資料を調べています。
調べれば調べるほどこの事件が奇妙である事がわかりましたよ。」
21:1:2013/08/31(土) 21:17:57.33 :ENOChXK80
カイト「それってどういう事なんですか?」
右京「僕は最初、被害者の死亡日時、及び死因が同じだと言いましたよね。
しかし警察の捜査資料を見ると彼らの死亡時刻は全て同じ時刻を刺しているのですよ。
最早これは偶然という言葉で片付けていい事件ではありません!!」
カイト「同じ日、同じ死亡時刻、そして同じ死因…こんな事ありえねえよ…」
角田「確かになぁ…偶然の一致にしては恐ろしいモノだと…ちょっと待て!
岩田秀一と能美武彦…この二人何処かで聞いた事ある名前だな…何だっけ?」
カイト「本当ですか?」
角田「ちょっと待ってろ、今調べてくる!」
右京「角田課長が調べを終えるまで恐らく時間が掛かるはずです。
それまでは…我々も行きますよ。」
カイト「行くって何処へですか?」
右京「吉野さんの勤めるTV局ですよ。」
カイト「わかりました!」
カイト「それってどういう事なんですか?」
右京「僕は最初、被害者の死亡日時、及び死因が同じだと言いましたよね。
しかし警察の捜査資料を見ると彼らの死亡時刻は全て同じ時刻を刺しているのですよ。
最早これは偶然という言葉で片付けていい事件ではありません!!」
カイト「同じ日、同じ死亡時刻、そして同じ死因…こんな事ありえねえよ…」
角田「確かになぁ…偶然の一致にしては恐ろしいモノだと…ちょっと待て!
岩田秀一と能美武彦…この二人何処かで聞いた事ある名前だな…何だっけ?」
カイト「本当ですか?」
角田「ちょっと待ってろ、今調べてくる!」
右京「角田課長が調べを終えるまで恐らく時間が掛かるはずです。
それまでは…我々も行きますよ。」
カイト「行くって何処へですか?」
右京「吉野さんの勤めるTV局ですよ。」
カイト「わかりました!」
22:1:2013/08/31(土) 21:18:27.23 :ENOChXK80
~TV局~
8月26日、AM11:30
右京とカイトはさっそく亡くなった吉野と岡崎の同僚に事情聴取をしようとしたが
既に伊丹たちがそれを行っていた、だがあまり捗ってはいないようだった…
右京「吉野さんと小宮さんの死について何か心当たりはないか同僚のあなたにお尋ねしたいのですが…」
早津「…」
伊丹「無駄ですよ警部殿、俺たちが聞いてもこの人黙ったままですから…」
~TV局~
8月26日、AM11:30
右京とカイトはさっそく亡くなった吉野と岡崎の同僚に事情聴取をしようとしたが
既に伊丹たちがそれを行っていた、だがあまり捗ってはいないようだった…
右京「吉野さんと小宮さんの死について何か心当たりはないか同僚のあなたにお尋ねしたいのですが…」
早津「…」
伊丹「無駄ですよ警部殿、俺たちが聞いてもこの人黙ったままですから…」
23:1:2013/08/31(土) 21:19:25.10 :ENOChXK80
カイト「この人まるで死んだ小宮さんみたく生気の抜けた表情してますね。」
早津「小宮…あぁ…刑事さん助けてください!俺まだ死にたくないんですよ!?」
芹沢「ちょ…ちょっと急にどうしたんですか!?」
早津「ハァ…ハァ…あれを見ちまった俺にはもう時間が無い…ダメだ…
もうすぐ…俺は死ぬ!」
三浦「落ち着いてください小宮さん!そうならないためにも我々警察が絶対に
貴方の事をお守りしますから!」
早津「ダメだ…やっぱり俺たちは呪われちまったんだ!?」
カイト「呪われた?一体何にですか?」
カイト「この人まるで死んだ小宮さんみたく生気の抜けた表情してますね。」
早津「小宮…あぁ…刑事さん助けてください!俺まだ死にたくないんですよ!?」
芹沢「ちょ…ちょっと急にどうしたんですか!?」
早津「ハァ…ハァ…あれを見ちまった俺にはもう時間が無い…ダメだ…
もうすぐ…俺は死ぬ!」
三浦「落ち着いてください小宮さん!そうならないためにも我々警察が絶対に
貴方の事をお守りしますから!」
早津「ダメだ…やっぱり俺たちは呪われちまったんだ!?」
カイト「呪われた?一体何にですか?」
24:1:2013/08/31(土) 21:19:53.90 :ENOChXK80
早津「そ、それは…」
右京「それはひょっとしてビデオテープが関係しているんじゃありませんか?」
早津「何故それを?まさかあなた方もビデオを見たんですか?」
右京「いえ、僕らはあのビデオを見ていません。
ですがあなたのその怯えた表情…そして小宮さんが死の直前に見せた不可解な行動…
それらを推理すればあのビデオに何かあると誰でも気づきますよ。」
早津「…これから話す事、刑事さんたち信じてくれますか?」
右京「あなたが話す事が真実なら、我々はそれを信じるだけですよ。」
カイト「何があったのか話していただけますね!」
早津「そ、それは…」
右京「それはひょっとしてビデオテープが関係しているんじゃありませんか?」
早津「何故それを?まさかあなた方もビデオを見たんですか?」
右京「いえ、僕らはあのビデオを見ていません。
ですがあなたのその怯えた表情…そして小宮さんが死の直前に見せた不可解な行動…
それらを推理すればあのビデオに何かあると誰でも気づきますよ。」
早津「…これから話す事、刑事さんたち信じてくれますか?」
右京「あなたが話す事が真実なら、我々はそれを信じるだけですよ。」
カイト「何があったのか話していただけますね!」
25:1:2013/08/31(土) 21:20:25.65 :ENOChXK80
早津は小さく頷き怯えながらも語り始めた。
早津「俺たち…というか吉野さんは…15年前にうちの局のディレクターの『浅川陽子』が
追っていた『呪いのビデオ』に関する取材をしていたんです。」
右京「『呪いのビデオ』?」
伊丹「何だそりゃ…バカバカしい…」
三浦「シッ!ようやく喋ってくれたんだ、少し黙ってろ!」
カイト「そういえば俺が学生の頃そんな噂が流行ってましたよ、見たら1週間後に
必ず死ぬ『呪いのビデオ』!けどすぐにその噂消えちゃいましたけど…」
早津は小さく頷き怯えながらも語り始めた。
早津「俺たち…というか吉野さんは…15年前にうちの局のディレクターの『浅川陽子』が
追っていた『呪いのビデオ』に関する取材をしていたんです。」
右京「『呪いのビデオ』?」
伊丹「何だそりゃ…バカバカしい…」
三浦「シッ!ようやく喋ってくれたんだ、少し黙ってろ!」
カイト「そういえば俺が学生の頃そんな噂が流行ってましたよ、見たら1週間後に
必ず死ぬ『呪いのビデオ』!けどすぐにその噂消えちゃいましたけど…」
26:1:2013/08/31(土) 21:25:01.41 :ENOChXK80
早津「俺たちは15年前…浅川さんの頼みでその件をいくつか調べていたんです…
そしたら…浅川さんが死んだって話を聞いて…」
右京「その浅川さんという方は『呪いのビデオ』の所為で亡くなられたのでしょうか?」
早津「いえ、彼女は呪いのビデオを見て1週間経ったのに生きていたんです!
けどその後すぐに交通事故に合って死んだと聞きましたが…
それから15年後…俺たちも『呪いのビデオ』を見たんです、まずは
吉野さんが先に18日に見て…次に翌日の19日に小宮さんが…それに最後に俺が22日に…
順番通りなら次に死ぬのは俺なんですよ!」
早津「俺たちは15年前…浅川さんの頼みでその件をいくつか調べていたんです…
そしたら…浅川さんが死んだって話を聞いて…」
右京「その浅川さんという方は『呪いのビデオ』の所為で亡くなられたのでしょうか?」
早津「いえ、彼女は呪いのビデオを見て1週間経ったのに生きていたんです!
けどその後すぐに交通事故に合って死んだと聞きましたが…
それから15年後…俺たちも『呪いのビデオ』を見たんです、まずは
吉野さんが先に18日に見て…次に翌日の19日に小宮さんが…それに最後に俺が22日に…
順番通りなら次に死ぬのは俺なんですよ!」
27:1:2013/08/31(土) 21:25:50.03 :ENOChXK80
右京「ひとつよろしいでしょうか。あなた方はその『呪いのビデオ』とやらを
何処から入手したのですか?」
早津「岡崎さん…昔ここにいた同僚なんですけど…その人も15年前浅川さんに『呪いのビデオ』
の取材を手伝っていたらしいんですけど…」
カイト「けど…どうしたんですか?」
早津「その後、急に発狂して自分から精神病院に…だからウチじゃ『呪いのビデオ』に
関するネタは一切タブーになったんです。
それが1週間以上前に突然…吉野さんがある特ダネを掴んだから『呪いのビデオ』を
なんとかして入手したいと言い出して…それで当時の岡崎さんの机を探していたら
『呪いのビデオ』が出てきたんです…」
右京「なるほど、それが吉野さんのマンションにあった『COPY』のラベルが貼ってあった
『呪いのビデオ』という訳ですね。」
右京「ひとつよろしいでしょうか。あなた方はその『呪いのビデオ』とやらを
何処から入手したのですか?」
早津「岡崎さん…昔ここにいた同僚なんですけど…その人も15年前浅川さんに『呪いのビデオ』
の取材を手伝っていたらしいんですけど…」
カイト「けど…どうしたんですか?」
早津「その後、急に発狂して自分から精神病院に…だからウチじゃ『呪いのビデオ』に
関するネタは一切タブーになったんです。
それが1週間以上前に突然…吉野さんがある特ダネを掴んだから『呪いのビデオ』を
なんとかして入手したいと言い出して…それで当時の岡崎さんの机を探していたら
『呪いのビデオ』が出てきたんです…」
右京「なるほど、それが吉野さんのマンションにあった『COPY』のラベルが貼ってあった
『呪いのビデオ』という訳ですね。」
28:1:2013/08/31(土) 21:26:30.68 :ENOChXK80
伊丹「あの…ちょっといいですか、警部殿。」
右京「はぃ?」
伊丹「今の話全部聞く限りだと…その…捜査一課じゃオカルトは扱っていないというか…」
三浦「まぁその…我々も忙しいので…」
芹沢「そのですね、この一件全部特命係にお任せした方が良いんじゃないかというのが
我々の判断でして…」
カイト「つまりは今の話を聞いて馬鹿らしくなって俺たちに丸投げってわけですか?」
伊丹「あのなぁ!捜査一課はオカルト専門外なんだよ!まぁ『呪いのビデオ』とやらで
また死体でも出たら呼んでください、では!」
伊丹「あの…ちょっといいですか、警部殿。」
右京「はぃ?」
伊丹「今の話全部聞く限りだと…その…捜査一課じゃオカルトは扱っていないというか…」
三浦「まぁその…我々も忙しいので…」
芹沢「そのですね、この一件全部特命係にお任せした方が良いんじゃないかというのが
我々の判断でして…」
カイト「つまりは今の話を聞いて馬鹿らしくなって俺たちに丸投げってわけですか?」
伊丹「あのなぁ!捜査一課はオカルト専門外なんだよ!まぁ『呪いのビデオ』とやらで
また死体でも出たら呼んでください、では!」
30:1:2013/08/31(土) 21:27:39.83 :ENOChXK80
伊丹たちはこれ以上事件性は無いと判断し、後は特命係に一任するといいさっさと帰ってしまう。
残った右京とカイトは引き続き早津から事情を聞く事にしたが…
早津「あの人たち…俺が言った事…全然信じてなかったですよね…
あなたたちも馬鹿な事言ってるなってそう思ってますよね…」
カイト「いや…そんな事ないッスよ!俺ら信じてますから!」
(と言っても本当のところは伊丹さんたちと同じで半信半疑なんだよね。)
早津「あの…試に写メでも何でもいいから俺を写してもらえますか?
そうすればわかりますから…」
右京「わかりました、カイトくん。ちょっとやってみてください。」
カイト「了解ッス。」パシャッ
伊丹たちはこれ以上事件性は無いと判断し、後は特命係に一任するといいさっさと帰ってしまう。
残った右京とカイトは引き続き早津から事情を聞く事にしたが…
早津「あの人たち…俺が言った事…全然信じてなかったですよね…
あなたたちも馬鹿な事言ってるなってそう思ってますよね…」
カイト「いや…そんな事ないッスよ!俺ら信じてますから!」
(と言っても本当のところは伊丹さんたちと同じで半信半疑なんだよね。)
早津「あの…試に写メでも何でもいいから俺を写してもらえますか?
そうすればわかりますから…」
右京「わかりました、カイトくん。ちょっとやってみてください。」
カイト「了解ッス。」パシャッ
31:1:2013/08/31(土) 21:28:53.76 :ENOChXK80
カイトは自分のスマフォで早津の写真を撮ってみた、するとどうだろうか。
画像の早津の顔はまるで白い靄みたいなのが掛かっていた。
右京「カイトくん…キミ…画像撮るの下手ですねぇ。」
カイト「いや…俺はちゃんと撮ったし手振れすら起こしてませんって!」
早津「ずっとなんですよそれ…『呪いのビデオ』を観てからずっとそんな画像になって…
最初に気付いたのがTVのカメラに自分が映った時でした。
最初はカメラの不調だなって思ってたんですけど…他の人はそんな事なくて…俺だけ…
ねぇ…俺やっぱり呪われているんですよ!刑事さん助けてよ!!!!」
カイト「落ち着いてください!こんな画像の顔に靄が掛かったくらいじゃ人間死にませんから!」
早津「何言ってんだ!『呪いのビデオ』に関わってもう何人もの人間が死んでんだぞ!?
アンタらこの現状を見てまだ信じられないってのかよ!?」
カイトは自分のスマフォで早津の写真を撮ってみた、するとどうだろうか。
画像の早津の顔はまるで白い靄みたいなのが掛かっていた。
右京「カイトくん…キミ…画像撮るの下手ですねぇ。」
カイト「いや…俺はちゃんと撮ったし手振れすら起こしてませんって!」
早津「ずっとなんですよそれ…『呪いのビデオ』を観てからずっとそんな画像になって…
最初に気付いたのがTVのカメラに自分が映った時でした。
最初はカメラの不調だなって思ってたんですけど…他の人はそんな事なくて…俺だけ…
ねぇ…俺やっぱり呪われているんですよ!刑事さん助けてよ!!!!」
カイト「落ち着いてください!こんな画像の顔に靄が掛かったくらいじゃ人間死にませんから!」
早津「何言ってんだ!『呪いのビデオ』に関わってもう何人もの人間が死んでんだぞ!?
アンタらこの現状を見てまだ信じられないってのかよ!?」
32:1:2013/08/31(土) 21:29:28.48 :ENOChXK80
右京「ひとつよろしいでしょうか。」
早津「ハァ…ハァ…一体何ですか?」
右京「先ほどあなたが仰った15年前に事件を調べた浅川さんは1週間経っても死ななかった
そうですがそれはつまり呪いを解いたという事ですよね、つまり呪いを解く方法は必ず
あるとそういう事じゃありませんか?」
早津「そうです…俺らも浅川さんが1週間経っても生きてたからてっきりあのビデオは
インチキだと思ってたんです…けど実際はこうして…
浅川さんは恐らく呪いを解く方法がわかったんだ!それさえわかれば俺も死なずにすむのに…」
右京「ひとつよろしいでしょうか。」
早津「ハァ…ハァ…一体何ですか?」
右京「先ほどあなたが仰った15年前に事件を調べた浅川さんは1週間経っても死ななかった
そうですがそれはつまり呪いを解いたという事ですよね、つまり呪いを解く方法は必ず
あるとそういう事じゃありませんか?」
早津「そうです…俺らも浅川さんが1週間経っても生きてたからてっきりあのビデオは
インチキだと思ってたんです…けど実際はこうして…
浅川さんは恐らく呪いを解く方法がわかったんだ!それさえわかれば俺も死なずにすむのに…」
33:1:2013/08/31(土) 21:31:17.88 :ENOChXK80
カイト「あの…その浅川さんは『呪いのビデオ』に関して何か言ってなかったんですか?
例えばメモとか残してたりとか…」
早津「それが浅川さんは…事件の事はひとりで調べていて…呪いを解いた直後…
彼女は突然失踪して当時の資料は全部失われたんです、そしてその時オリジナルの
『呪いのビデオ』も焼いてしまったそうです…」
右京「オリジナル?もしかしてあの『COPY』のラベルが貼ってあった『呪いのビデオ』は
ダビングされたものではありませんか?」
早津「そうです、浅川さんか紛失しないようにって何本かテープをダビングしてたらしい
んです。
その1本を恐らく岡崎さんが入手したんだと思います…
そうだ…ビデオだ!あの『呪いのビデオ』に呪いを解く鍵があるはずだ!
刑事さん!ビデオは今どこにあるんですか!?」
カイト「あの…その浅川さんは『呪いのビデオ』に関して何か言ってなかったんですか?
例えばメモとか残してたりとか…」
早津「それが浅川さんは…事件の事はひとりで調べていて…呪いを解いた直後…
彼女は突然失踪して当時の資料は全部失われたんです、そしてその時オリジナルの
『呪いのビデオ』も焼いてしまったそうです…」
右京「オリジナル?もしかしてあの『COPY』のラベルが貼ってあった『呪いのビデオ』は
ダビングされたものではありませんか?」
早津「そうです、浅川さんか紛失しないようにって何本かテープをダビングしてたらしい
んです。
その1本を恐らく岡崎さんが入手したんだと思います…
そうだ…ビデオだ!あの『呪いのビデオ』に呪いを解く鍵があるはずだ!
刑事さん!ビデオは今どこにあるんですか!?」
34:1:2013/08/31(土) 21:31:54.36 :ENOChXK80
カイト「残念ですが…」
右京「テープは壊されてしまいました、小宮さんが事件現場に行った時
突然テープを破壊してしまったもので…修復も出来ない状態です…」
早津「そ…そんな…もうダメだ!あのテープが無ければ俺は…死んじまうよ!?」
右京「落ち着いてください、我々があなたの呪いを解く方法を必ず調べます。
ですからあのテープの内容を教えて頂けますか?」
カイト「残念ですが…」
右京「テープは壊されてしまいました、小宮さんが事件現場に行った時
突然テープを破壊してしまったもので…修復も出来ない状態です…」
早津「そ…そんな…もうダメだ!あのテープが無ければ俺は…死んじまうよ!?」
右京「落ち着いてください、我々があなたの呪いを解く方法を必ず調べます。
ですからあのテープの内容を教えて頂けますか?」
35:1:2013/08/31(土) 21:32:42.65 :ENOChXK80
それから早津はテープの内容について細やかに説明をした。
彼は記憶力のよい人間とは思えなかったが、それでも『呪いのビデオ』を鮮明に覚えていたのだ。
彼が見た映像は以下の通りだった。
それから早津はテープの内容について細やかに説明をした。
彼は記憶力のよい人間とは思えなかったが、それでも『呪いのビデオ』を鮮明に覚えていたのだ。
彼が見た映像は以下の通りだった。
37:1:2013/08/31(土) 21:34:32.95 :ENOChXK80
冒頭のメッセージ『終いまできけ、さもないと亡者に喰われるぞ。』
ひとりの老婆が『その後、体はなあしい?しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。いいか、たびもんには気ぃつけろ。うぬは、だーせん、よごらをあげる。
あまっこじゃ、おーばーの言うこときいとけぇ。じのもんでがまあないがよ』と話しかける。
鏡に映る髪を結う着物を着た30代後半~40代前半の女。
次にまた鏡に人が映るがそこには先ほどの着物の女性ではなく
髪が長くて白い服を着ている少女が映る。
何かに苦しむ人々の姿、白い布を被り指を指す男性。
新聞記事、噴火についての内容が記されている。
サイコロが振られる音、そして『嘘吐き!嘘吐き!』と人々から罵声される。
空が映るシーン、だがそれは何故か丸く映っている。
人の眼、何度か瞬きをしてその瞳に映る『貞』という文字。
井戸、周りは木々に覆われた森で井戸はかなり古く一部分が欠けている
特徴のある物であった。
最後にまたメッセージが出る、内容は『これをきいた者は、1週間後の
この時間に死ぬ運命にある、死にたくなければ…』
冒頭のメッセージ『終いまできけ、さもないと亡者に喰われるぞ。』
ひとりの老婆が『その後、体はなあしい?しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。いいか、たびもんには気ぃつけろ。うぬは、だーせん、よごらをあげる。
あまっこじゃ、おーばーの言うこときいとけぇ。じのもんでがまあないがよ』と話しかける。
鏡に映る髪を結う着物を着た30代後半~40代前半の女。
次にまた鏡に人が映るがそこには先ほどの着物の女性ではなく
髪が長くて白い服を着ている少女が映る。
何かに苦しむ人々の姿、白い布を被り指を指す男性。
新聞記事、噴火についての内容が記されている。
サイコロが振られる音、そして『嘘吐き!嘘吐き!』と人々から罵声される。
空が映るシーン、だがそれは何故か丸く映っている。
人の眼、何度か瞬きをしてその瞳に映る『貞』という文字。
井戸、周りは木々に覆われた森で井戸はかなり古く一部分が欠けている
特徴のある物であった。
最後にまたメッセージが出る、内容は『これをきいた者は、1週間後の
この時間に死ぬ運命にある、死にたくなければ…』
38:1:2013/08/31(土) 21:35:46.04 :ENOChXK80
早津「とりあえず幾つか覚えている事を絵にして描いてみました、これです。」
早津は先ほどの説明の他に『呪いのビデオ』の映像を幾つか絵にして右京たちに見せた。
髪を結う女性と髪の長い少女、白い布を被る男性、井戸の光景。
正直どれも意味不明なモノばかりであった。
カイト「これだけじゃ何がなんだかわかりませんよ…」
早津「とりあえず幾つか覚えている事を絵にして描いてみました、これです。」
早津は先ほどの説明の他に『呪いのビデオ』の映像を幾つか絵にして右京たちに見せた。
髪を結う女性と髪の長い少女、白い布を被る男性、井戸の光景。
正直どれも意味不明なモノばかりであった。
カイト「これだけじゃ何がなんだかわかりませんよ…」
39:1:2013/08/31(土) 21:37:27.40 :ENOChXK80
さすがにカイトがお手上げと思い根を上げたが右京はある疑問を早津にぶつけてみた。
右京「先ほどのお話でひとつ気になる点があります、最後のメッセージに
『死にたくなければ…』とありますが、それから何か表記されてませんでしたか?」
早津「それが…その…」
カイト「どうしたんですか?」
早津「肝心の最後の部分が上書きされてたんです!その所為で俺たちは呪いを解く方法が
わからないんですよ!」
右京「ちなみに上書きしたのは?」
早津「浅川さんがダビングした際にはもう上書きされていたはずです。
恐らくメッセージを消したのは浅川さんが入手する前かと…
それに上書きされた内容は15年前にやってたバラエティ番組でたぶん誰かの悪戯じゃ…」
さすがにカイトがお手上げと思い根を上げたが右京はある疑問を早津にぶつけてみた。
右京「先ほどのお話でひとつ気になる点があります、最後のメッセージに
『死にたくなければ…』とありますが、それから何か表記されてませんでしたか?」
早津「それが…その…」
カイト「どうしたんですか?」
早津「肝心の最後の部分が上書きされてたんです!その所為で俺たちは呪いを解く方法が
わからないんですよ!」
右京「ちなみに上書きしたのは?」
早津「浅川さんがダビングした際にはもう上書きされていたはずです。
恐らくメッセージを消したのは浅川さんが入手する前かと…
それに上書きされた内容は15年前にやってたバラエティ番組でたぶん誰かの悪戯じゃ…」
40:1:2013/08/31(土) 21:37:54.04 :ENOChXK80
右京「なるほど、大体の事は分かりました。それでは我々はこれで失礼します。」
右京とカイトは早津から必要な情報を聞き出し足早に帰ろうとするが
早津は鬼気迫る顔で右京たちにこう言った。
早津「お願いです!俺にはもう4日しかないんです!
だからそれまでに呪いを解く方法を見つけ出してください!」
右京「なるほど、大体の事は分かりました。それでは我々はこれで失礼します。」
右京とカイトは早津から必要な情報を聞き出し足早に帰ろうとするが
早津は鬼気迫る顔で右京たちにこう言った。
早津「お願いです!俺にはもう4日しかないんです!
だからそれまでに呪いを解く方法を見つけ出してください!」
41:1:2013/08/31(土) 21:39:33.58 :ENOChXK80
~特命係~
8月26日
PM13:00
TV局を後にした右京たちは特命係の部屋に戻り角田課長の報告を聞いていた。
角田「それでな、この岩田秀一と能美武彦の二人はかつて城南金融で麻薬を売ってた
密売人なんだよ。まぁそういってもこいつらは下っ端中の下っ端でな、
都内じゃ足が付くから伊豆とか箱根辺りの遠くのペンションに行って麻薬を売ってたんだよ。」
右京「なるほど、彼らは麻薬の前科がありましたか。」
角田「当時こいつらの客はほとんどが高校や大学のガキ相手で、勉強の効率アップ
だとか言って商売してたらしいよ。」
~特命係~
8月26日
PM13:00
TV局を後にした右京たちは特命係の部屋に戻り角田課長の報告を聞いていた。
角田「それでな、この岩田秀一と能美武彦の二人はかつて城南金融で麻薬を売ってた
密売人なんだよ。まぁそういってもこいつらは下っ端中の下っ端でな、
都内じゃ足が付くから伊豆とか箱根辺りの遠くのペンションに行って麻薬を売ってたんだよ。」
右京「なるほど、彼らは麻薬の前科がありましたか。」
角田「当時こいつらの客はほとんどが高校や大学のガキ相手で、勉強の効率アップ
だとか言って商売してたらしいよ。」
42:1:2013/08/31(土) 21:40:11.60 :ENOChXK80
カイト「それじゃ亡くなった『大石智子』や『辻遥子』もその二人の客だった可能性が?」
角田「たぶんそうかもしれんな、ちなみにこいつらが最後に取引場所に使ってたのが
『伊豆パシフィックランド』っていう貸別荘だそうだ。」
右京「なるほどわかりました、カイトくん行きましょう!」
カイト「ちょっと杉下さん!まさか杉下さんもあんな『呪いのビデオ』なんて信じてるんですか?」
右京「以前言いましたが僕はオカルトに興味津々でしてね、特に幽霊や超能力なんて
興味を注がれませんか?」
カイト「まったく…まぁ早津さんを落ち着かせるのもいいかもしれませんね、俺も付いてきますよ!」
カイト「それじゃ亡くなった『大石智子』や『辻遥子』もその二人の客だった可能性が?」
角田「たぶんそうかもしれんな、ちなみにこいつらが最後に取引場所に使ってたのが
『伊豆パシフィックランド』っていう貸別荘だそうだ。」
右京「なるほどわかりました、カイトくん行きましょう!」
カイト「ちょっと杉下さん!まさか杉下さんもあんな『呪いのビデオ』なんて信じてるんですか?」
右京「以前言いましたが僕はオカルトに興味津々でしてね、特に幽霊や超能力なんて
興味を注がれませんか?」
カイト「まったく…まぁ早津さんを落ち着かせるのもいいかもしれませんね、俺も付いてきますよ!」
43:1:2013/08/31(土) 21:41:20.75 :ENOChXK80
角田「けど行ったってもう何も無いけどね…」
カイト「え?そこ今はもう潰れちゃったんですか?」
角田「あぁ…15年前だったかな、その別荘の床下にある『井戸』から『死体』が出てきてね。
それ以来気味悪くて人が寄り付かなくなって潰れちまったんだとさ。」
カイト「『井戸』…『死体』…杉下さん…まさか!?」
右京「課長、そのお話詳しくお聞かせ頂けますか?」
角田「けど行ったってもう何も無いけどね…」
カイト「え?そこ今はもう潰れちゃったんですか?」
角田「あぁ…15年前だったかな、その別荘の床下にある『井戸』から『死体』が出てきてね。
それ以来気味悪くて人が寄り付かなくなって潰れちまったんだとさ。」
カイト「『井戸』…『死体』…杉下さん…まさか!?」
右京「課長、そのお話詳しくお聞かせ頂けますか?」
44:1:2013/08/31(土) 21:42:40.51 :ENOChXK80
角田「あぁ、ウチも当時その別荘に張り込みとかしてたからその事件はよく覚えてるが
死体を見つけたのは二人の男女だったそうだ、男の方は『高山竜司』、女の方は…
『浅川玲子』…確かそんな名前だったな。」
カイト「『浅川玲子』ってそんな…!けど二人は何で死体を見つけたんですか?」
角田「警察も事情を聞こうとしたんだが高山って男が翌日、自分の家で死んでてさ…
そんで浅川って女の方も事件後行方不明でわざわざ実家の方まで尋ねに行ったら、
なんと驚いた事に親御さんが変死体で発見されてたんだよ!
まぁそういっても親御さんも歳だったし死因もわからなくはないんだけど…」
右京「急性心不全…ではなかったのでしょうか?」
角田「よくわかったね、そんで事件から暫くしてようやく所在が分かったんだが
その後浅川って女がトラックにはねられてさ、即死だったよ。
結局何で二人が死体を発見できたのかは今でも謎のままなわけだわ。」
角田「あぁ、ウチも当時その別荘に張り込みとかしてたからその事件はよく覚えてるが
死体を見つけたのは二人の男女だったそうだ、男の方は『高山竜司』、女の方は…
『浅川玲子』…確かそんな名前だったな。」
カイト「『浅川玲子』ってそんな…!けど二人は何で死体を見つけたんですか?」
角田「警察も事情を聞こうとしたんだが高山って男が翌日、自分の家で死んでてさ…
そんで浅川って女の方も事件後行方不明でわざわざ実家の方まで尋ねに行ったら、
なんと驚いた事に親御さんが変死体で発見されてたんだよ!
まぁそういっても親御さんも歳だったし死因もわからなくはないんだけど…」
右京「急性心不全…ではなかったのでしょうか?」
角田「よくわかったね、そんで事件から暫くしてようやく所在が分かったんだが
その後浅川って女がトラックにはねられてさ、即死だったよ。
結局何で二人が死体を発見できたのかは今でも謎のままなわけだわ。」
45:1:2013/08/31(土) 21:44:27.47 :ENOChXK80
右京「という事は…その死体は身元不明のまま無縁仏で処理されたという事でしょうか?」
角田「いや、一応死体の身元は判明しているんだがね…
親類が遺骨を引き取りに来てたみたいだしたぶん実家の墓に供養されてんだろう。」
右京「ちなみにその死体の名前はわかりますか?」
角田「よく覚えてるって言ったろ、仏さんの名前…何故だか知らんが頭に
こびり付いて離れやしないんだよな。
それで名前は『貞子』、さだが『貞』の字の『山村貞子』という名だ。」
カイト「『貞』ってあのビデオの内容の…杉下さん…まさかこれってやっぱり…」
右京「えぇ、『呪いのビデオ』…本物かもしれませんね!」
右京「という事は…その死体は身元不明のまま無縁仏で処理されたという事でしょうか?」
角田「いや、一応死体の身元は判明しているんだがね…
親類が遺骨を引き取りに来てたみたいだしたぶん実家の墓に供養されてんだろう。」
右京「ちなみにその死体の名前はわかりますか?」
角田「よく覚えてるって言ったろ、仏さんの名前…何故だか知らんが頭に
こびり付いて離れやしないんだよな。
それで名前は『貞子』、さだが『貞』の字の『山村貞子』という名だ。」
カイト「『貞』ってあのビデオの内容の…杉下さん…まさかこれってやっぱり…」
右京「えぇ、『呪いのビデオ』…本物かもしれませんね!」
47:1:2013/08/31(土) 21:47:53.70 :ENOChXK80
とりあえずここまで
リング側はリング2以降の話になっています
らせん、ループ、貞子3Dの設定は無しで
リング側はリング2以降の話になっています
らせん、ループ、貞子3Dの設定は無しで
49:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/08/31(土) 21:55:43.42 :88z619TJo
乙 リングって一言に括っても色々あるんだな…
59:1:2013/09/02(月) 03:42:57.29 :PdUwOLb+0
~静岡県警~
遺留品係
8月26日、PM15:00
右京とカイトは先ほどの角田課長の話を聞きここ静岡県警の遺留品係に来ていた。
職員「それではこちらでお待ちください。」
カイト「まさかその日のうちに静岡県警の遺留品係を尋ねるなんて、杉下さん行動早過ぎですよ。」
右京「何を言っているのですか、早津さんの呪いはあと4日までなんですよ。
我々には時間も手掛かりも少ない、迅速に行動するに越した事はありませんよ。」
職員「お待たせしました、『伊豆パシフィックランド』での事件の資料です。」
右京「どうもありがとう、やはり思った通りです。カイトくん、これを見てください。」
カイト「これは15年前の『伊豆パシフィックランド』の宿泊者名簿…これは!」
~静岡県警~
遺留品係
8月26日、PM15:00
右京とカイトは先ほどの角田課長の話を聞きここ静岡県警の遺留品係に来ていた。
職員「それではこちらでお待ちください。」
カイト「まさかその日のうちに静岡県警の遺留品係を尋ねるなんて、杉下さん行動早過ぎですよ。」
右京「何を言っているのですか、早津さんの呪いはあと4日までなんですよ。
我々には時間も手掛かりも少ない、迅速に行動するに越した事はありませんよ。」
職員「お待たせしました、『伊豆パシフィックランド』での事件の資料です。」
右京「どうもありがとう、やはり思った通りです。カイトくん、これを見てください。」
カイト「これは15年前の『伊豆パシフィックランド』の宿泊者名簿…これは!」
60:1:2013/09/02(月) 03:43:43.24 :PdUwOLb+0
右京「えぇ、『岩田秀一』、『能美武彦』、『大石智子』、『辻遥子』、の4人の名前が載っています。
それに彼らが泊まった日、この○月□日は…ひぃ…ふぅ…15年前の彼らが亡くなった
○月×日の一週間前です、つまり彼らは…」
カイト「『伊豆パシフィックランド』に泊まった日…全員で『呪いのビデオ』を観た…
そういう事ですか?」
右京「それから彼らはビデオに細工を施してしまった、恐らくただの悪戯半分だったのでしょうが
まぁ本物だとは思わなかったのでしょうね、その所為で彼らは最初の犠牲者になってしまった。
そしてそれから数日後…見てください。『浅川陽子』…彼女もここに泊まりに来ていますよ。」
カイト「それじゃ『呪いのビデオ』は元々ここに置いてあって…
それが『浅川陽子』によって持ち出された…」
右京「そういう事になりますね、それで『井戸』から見つかった『山村貞子』の死体の
検視報告書も見たいのですが…」
右京「えぇ、『岩田秀一』、『能美武彦』、『大石智子』、『辻遥子』、の4人の名前が載っています。
それに彼らが泊まった日、この○月□日は…ひぃ…ふぅ…15年前の彼らが亡くなった
○月×日の一週間前です、つまり彼らは…」
カイト「『伊豆パシフィックランド』に泊まった日…全員で『呪いのビデオ』を観た…
そういう事ですか?」
右京「それから彼らはビデオに細工を施してしまった、恐らくただの悪戯半分だったのでしょうが
まぁ本物だとは思わなかったのでしょうね、その所為で彼らは最初の犠牲者になってしまった。
そしてそれから数日後…見てください。『浅川陽子』…彼女もここに泊まりに来ていますよ。」
カイト「それじゃ『呪いのビデオ』は元々ここに置いてあって…
それが『浅川陽子』によって持ち出された…」
右京「そういう事になりますね、それで『井戸』から見つかった『山村貞子』の死体の
検視報告書も見たいのですが…」
61:1:2013/09/02(月) 03:44:16.11 :PdUwOLb+0
右京は職員に『山村貞子』の検視報告書を尋ねたがこの時職員の顔は思わず真っ青になってしまった。
少し渋った様子を見せながら職員は右京たちに『山村貞子』の検視報告書を見せた。
職員「こ…これが『山村貞子』の検視報告書です…」
カイト「大丈夫ですか?顔が真っ青ですよ。」
職員「…」
右京「拝見します、これは…どういう事ですか?」
カイト「何かおかしな点でもあったんですか?」
右京「『山村貞子』は『井戸』で死亡してから死体の検視報告では1年しか経過していません。
しかし発見者である『高山竜司』と『浅川陽子』の証言によれば彼女
が井戸に落とされたのは、その30年も前だというのですよ!?」
カイト「何ですかそれ!まさか『山村貞子』は『井戸』の中で30年も生き続けていた
わけじゃあるまいし…」
右京は職員に『山村貞子』の検視報告書を尋ねたがこの時職員の顔は思わず真っ青になってしまった。
少し渋った様子を見せながら職員は右京たちに『山村貞子』の検視報告書を見せた。
職員「こ…これが『山村貞子』の検視報告書です…」
カイト「大丈夫ですか?顔が真っ青ですよ。」
職員「…」
右京「拝見します、これは…どういう事ですか?」
カイト「何かおかしな点でもあったんですか?」
右京「『山村貞子』は『井戸』で死亡してから死体の検視報告では1年しか経過していません。
しかし発見者である『高山竜司』と『浅川陽子』の証言によれば彼女
が井戸に落とされたのは、その30年も前だというのですよ!?」
カイト「何ですかそれ!まさか『山村貞子』は『井戸』の中で30年も生き続けていた
わけじゃあるまいし…」
62:1:2013/09/02(月) 03:44:48.75 :PdUwOLb+0
職員「彼女が『井戸』の中で生きていたのは間違いありませんよ…」
カイト「それって…どういう事なんですか?」
右京「詳しいお話を聞かせてもらえませんか。」
それから職員は恐らくは話したくはないだろう事について右京たちに当時の状況について話を語り始めた。
職員「あれは15年前、私も現場に駆り出されたのですが…『井戸』の中に入ってみると…
壁のあちこちに彼女が壁をよじ登ろうとして痕跡があったんですよ!」
カイト「つまり『山村貞子』は『井戸』に落とされた時まだ生きていたんですか?」
職員「ハイ、私が壁を見回すと彼女の削げ落ちた爪が見つかりました。
検視報告書を見てください、『山村貞子』の爪…割れてるでしょう…」
右京「確かに…彼女の指はかなりの負傷が確認されています。」
職員「恐らく『山村貞子』は生きながらあの『井戸』の中に閉じ込められたんだと思います。
発見者の話によると『井戸』はコンクリートの蓋がされてあって例えよじ登れる事が
出来たとしても外に出る事は不可能だったでしょうね…」
職員「彼女が『井戸』の中で生きていたのは間違いありませんよ…」
カイト「それって…どういう事なんですか?」
右京「詳しいお話を聞かせてもらえませんか。」
それから職員は恐らくは話したくはないだろう事について右京たちに当時の状況について話を語り始めた。
職員「あれは15年前、私も現場に駆り出されたのですが…『井戸』の中に入ってみると…
壁のあちこちに彼女が壁をよじ登ろうとして痕跡があったんですよ!」
カイト「つまり『山村貞子』は『井戸』に落とされた時まだ生きていたんですか?」
職員「ハイ、私が壁を見回すと彼女の削げ落ちた爪が見つかりました。
検視報告書を見てください、『山村貞子』の爪…割れてるでしょう…」
右京「確かに…彼女の指はかなりの負傷が確認されています。」
職員「恐らく『山村貞子』は生きながらあの『井戸』の中に閉じ込められたんだと思います。
発見者の話によると『井戸』はコンクリートの蓋がされてあって例えよじ登れる事が
出来たとしても外に出る事は不可能だったでしょうね…」
63:1:2013/09/02(月) 03:45:25.25 :PdUwOLb+0
カイト「つまり『山村貞子』は自ら自殺したのではなく…」
右京「何者かの手により『井戸』に閉じ込められた…という事になりますね。」
カイト「けど一体誰が…?」
右京「それはまだわかりません、ところで『山村貞子』の死体は親族の方が引き取られた
と聞きましたが?」
職員「えぇ、『山村貞子』の叔父にあたる『山村敬』という老人が引き取りに来られました。
確か大島の実家の方へ遺骨を持ち帰ったと聞きましたが。」
カイト「つまり『山村貞子』は自ら自殺したのではなく…」
右京「何者かの手により『井戸』に閉じ込められた…という事になりますね。」
カイト「けど一体誰が…?」
右京「それはまだわかりません、ところで『山村貞子』の死体は親族の方が引き取られた
と聞きましたが?」
職員「えぇ、『山村貞子』の叔父にあたる『山村敬』という老人が引き取りに来られました。
確か大島の実家の方へ遺骨を持ち帰ったと聞きましたが。」
64:1:2013/09/02(月) 03:46:10.86 :PdUwOLb+0
右京「大島ですか…『山村貞子』の死体が発見された『井戸』に行ってみたいのですが
現在でも『井戸』は存在しているのでしょうか?」
職員「あの場所…ご存知かもしれませんが死体が出た騒ぎで近寄らなくなりましてね、
けど何年か前に国がそこに施設を作りたいから買い取ったそうですよ。
何の施設だか明かされていませんが周辺住民もあんな薄気味悪い場所を
買い取るモノ好きがいてくれて助かったと喜んでいましたがね。」
カイト「じゃぁ立ち入るのは…」
職員「ちょうど『井戸』があった辺りに建物を作ったみたいですし恐らく『井戸』なんて
もう取り壊されたでしょう、それにあそこはちょっとした施設ですから警察といえど
無許可で立ち入りは許されんでしょうな。」
カイト「どうやらここで行き詰りのようですね。」
右京「…」
右京「大島ですか…『山村貞子』の死体が発見された『井戸』に行ってみたいのですが
現在でも『井戸』は存在しているのでしょうか?」
職員「あの場所…ご存知かもしれませんが死体が出た騒ぎで近寄らなくなりましてね、
けど何年か前に国がそこに施設を作りたいから買い取ったそうですよ。
何の施設だか明かされていませんが周辺住民もあんな薄気味悪い場所を
買い取るモノ好きがいてくれて助かったと喜んでいましたがね。」
カイト「じゃぁ立ち入るのは…」
職員「ちょうど『井戸』があった辺りに建物を作ったみたいですし恐らく『井戸』なんて
もう取り壊されたでしょう、それにあそこはちょっとした施設ですから警察といえど
無許可で立ち入りは許されんでしょうな。」
カイト「どうやらここで行き詰りのようですね。」
右京「…」
65:1:2013/09/02(月) 03:46:46.93 :PdUwOLb+0
~花の里~
8月26日、PM19:30
伊豆から戻った右京とカイトはいつもの花の里で夕食を食べていた。
右京「…」
幸子「思いつめた顔をなさって…何か考え事ですか?」
カイト「まぁこの人が考え事するのはいつもの事なんで気にしないでください。
けど…どうしますか?当時の事件関係者のほとんどが死んでてろくに話を聞けませんよ?」
右京「明日…大島に行ってみようかと思います。」
カイト「まさか『山村貞子』の遺骨を引き取った『山村敬』を尋ねる気ですか?」
右京「えぇ、今のところ手掛かりはそれしかありませんからね。」
~花の里~
8月26日、PM19:30
伊豆から戻った右京とカイトはいつもの花の里で夕食を食べていた。
右京「…」
幸子「思いつめた顔をなさって…何か考え事ですか?」
カイト「まぁこの人が考え事するのはいつもの事なんで気にしないでください。
けど…どうしますか?当時の事件関係者のほとんどが死んでてろくに話を聞けませんよ?」
右京「明日…大島に行ってみようかと思います。」
カイト「まさか『山村貞子』の遺骨を引き取った『山村敬』を尋ねる気ですか?」
右京「えぇ、今のところ手掛かりはそれしかありませんからね。」
66:1:2013/09/02(月) 03:47:14.77 :PdUwOLb+0
カイト「なるほど…けど山村貞子は何で伊豆の『井戸』に閉じ込められてたんですかね?
一体『山村貞子』の身に何があったんだ?」
右京「なんとか彼女の足取りを掴めれば良いのですが。」
カイト「『呪いのビデオ』の内容…今のとこ判明したのは『井戸』と『貞』の字だけか。
せめてもうひとつくらいわかればな…何でしたっけ『しょーもん』がどーたらこーたら…」
右京「『しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。』ですよ、これくらい
一発で覚えておくものですよ。」
カイト「無茶言わないでくださいって、みんなが杉下さん並の記憶力があるわけじゃないんですから…」
カイト「なるほど…けど山村貞子は何で伊豆の『井戸』に閉じ込められてたんですかね?
一体『山村貞子』の身に何があったんだ?」
右京「なんとか彼女の足取りを掴めれば良いのですが。」
カイト「『呪いのビデオ』の内容…今のとこ判明したのは『井戸』と『貞』の字だけか。
せめてもうひとつくらいわかればな…何でしたっけ『しょーもん』がどーたらこーたら…」
右京「『しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。』ですよ、これくらい
一発で覚えておくものですよ。」
カイト「無茶言わないでくださいって、みんなが杉下さん並の記憶力があるわけじゃないんですから…」
67:1:2013/09/02(月) 03:47:45.83 :PdUwOLb+0
幸子「あの…今のもう一度言ってもらえますか?」
カイト「え?みんなが杉下さん並の記憶力があるわけじゃないって言っただけですけど?」
幸子「いえ…そこじゃなくてさっき杉下さんが仰った…」
右京「『しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。』の事ですか?」
幸子「そう、それです!確か刑務所に居た時に大島出身の人がいて
その人がよく方言で言ってたんですよ、『しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。』って!」
カイト「まさかこんなところでヒントが出て来るなんて…それでこれ何て意味なんですか?」
幸子「あの…今のもう一度言ってもらえますか?」
カイト「え?みんなが杉下さん並の記憶力があるわけじゃないって言っただけですけど?」
幸子「いえ…そこじゃなくてさっき杉下さんが仰った…」
右京「『しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。』の事ですか?」
幸子「そう、それです!確か刑務所に居た時に大島出身の人がいて
その人がよく方言で言ってたんですよ、『しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。』って!」
カイト「まさかこんなところでヒントが出て来るなんて…それでこれ何て意味なんですか?」
68:1:2013/09/02(月) 03:48:11.80 :PdUwOLb+0
幸子「確か…『水遊びばかりしていると幽霊が出て来るぞ』そんな意味だって言っていましたけど…」
カイト「『水遊び』…『幽霊』…ますますオカルト染みてきやがる…
これじゃ捜査一課の伊丹さんたちがお手上げになるのも無理ないっすね。」
右京「幸子さん、どうもありがとう。やはり大島に何かあるとみて間違いないですね!」
カイト「けど早津さんの呪いの日まであと4日…つーかもう今日も終わりますし
実質3日くらいしかありませんよ。
そんな短期間で俺たち二人だけで45年以上も前に死んだ人間の足取りを追うのは
正直厳しくないですか?」
右京「そうですね、まぁ一応手は打っておいたので心配する必要はないと思いますよ。」
カイト「?」
幸子「確か…『水遊びばかりしていると幽霊が出て来るぞ』そんな意味だって言っていましたけど…」
カイト「『水遊び』…『幽霊』…ますますオカルト染みてきやがる…
これじゃ捜査一課の伊丹さんたちがお手上げになるのも無理ないっすね。」
右京「幸子さん、どうもありがとう。やはり大島に何かあるとみて間違いないですね!」
カイト「けど早津さんの呪いの日まであと4日…つーかもう今日も終わりますし
実質3日くらいしかありませんよ。
そんな短期間で俺たち二人だけで45年以上も前に死んだ人間の足取りを追うのは
正直厳しくないですか?」
右京「そうですね、まぁ一応手は打っておいたので心配する必要はないと思いますよ。」
カイト「?」
69:1:2013/09/02(月) 03:48:37.57 :PdUwOLb+0
~警視庁~
組対5課
同時刻
大木「お疲れっす。」
小松「お先に失礼します、あれ?課長残業っすか?」
角田「まぁな、特命の連中には世話になってるからちょっと調べ事をね…」
~警視庁~
組対5課
同時刻
大木「お疲れっす。」
小松「お先に失礼します、あれ?課長残業っすか?」
角田「まぁな、特命の連中には世話になってるからちょっと調べ事をね…」
70:1:2013/09/02(月) 03:49:07.55 :PdUwOLb+0
~大島~
フェリー乗り場
8月27日、AM10:00
アナウンス「ご乗船ありがとうございました、またのご乗船をお待ちしております♪」
カイト「片道2時間、ようやく着きましたね。」
右京「さて…それじゃ山村さんのお宅へ向かうとしましょうか。」
カイト「あ、その前に一応ここの駐在さんに来る事連絡しておいたはずなんですけど…
おかしいな、誰も来やしない?」
~大島~
フェリー乗り場
8月27日、AM10:00
アナウンス「ご乗船ありがとうございました、またのご乗船をお待ちしております♪」
カイト「片道2時間、ようやく着きましたね。」
右京「さて…それじゃ山村さんのお宅へ向かうとしましょうか。」
カイト「あ、その前に一応ここの駐在さんに来る事連絡しておいたはずなんですけど…
おかしいな、誰も来やしない?」
71:1:2013/09/02(月) 03:50:05.60 :PdUwOLb+0
右京「キミ…駐在さんを旅行会社のツアーガイドと勘違いしてませんか?」
??「す・ぎ・し・た・さ~ん!お待ちしていましたよ!!」
右京「おや…この声は?」
カイト「何だこの垂れ幕は!?」
その垂れ幕にはでかでかと…
―歓迎!特命係御一行様!!―
大島へようこそ!!
…と書かれてた。
カイト「恥ずっ!どうなってんだこれ!?」
右京「キミ…駐在さんを旅行会社のツアーガイドと勘違いしてませんか?」
??「す・ぎ・し・た・さ~ん!お待ちしていましたよ!!」
右京「おや…この声は?」
カイト「何だこの垂れ幕は!?」
その垂れ幕にはでかでかと…
―歓迎!特命係御一行様!!―
大島へようこそ!!
…と書かれてた。
カイト「恥ずっ!どうなってんだこれ!?」
72:1:2013/09/02(月) 03:50:44.20 :PdUwOLb+0
右京「それでこんなところで何をしているのですか陣川くん?」
陣川「ハッ!実は近年この大島にも犯罪の魔の手が押し寄せているようなので
この陣川公平がその魔の手から大島の人々を救うため参上した次第です!」
カイト「つまり何かヘマやらかしてここに飛ばされたって訳でしょ、何やってんすか?」
右京「まぁそれはともかく陣川くん、さっそくですが我々は山村さんのお宅へ行きたいのですが…」
陣川「その前にせっかく垂れ幕まで作ったんですし、みんなで仲良く写真を撮りましょうよ♪」
カイト「あのですねぇ…俺ら別に遊びに来たわけじゃ…」
右京「まぁいいじゃないですか、どの道フェリーは午後まで便がありませんし記念に一枚くらい。」
右京「それでこんなところで何をしているのですか陣川くん?」
陣川「ハッ!実は近年この大島にも犯罪の魔の手が押し寄せているようなので
この陣川公平がその魔の手から大島の人々を救うため参上した次第です!」
カイト「つまり何かヘマやらかしてここに飛ばされたって訳でしょ、何やってんすか?」
右京「まぁそれはともかく陣川くん、さっそくですが我々は山村さんのお宅へ行きたいのですが…」
陣川「その前にせっかく垂れ幕まで作ったんですし、みんなで仲良く写真を撮りましょうよ♪」
カイト「あのですねぇ…俺ら別に遊びに来たわけじゃ…」
右京「まぁいいじゃないですか、どの道フェリーは午後まで便がありませんし記念に一枚くらい。」
73:1:2013/09/02(月) 03:51:11.68 :PdUwOLb+0
陣川「それじゃ行きますよ、ハイチーズ!」
パシャッ
それから右京とカイトは陣川の運転する車に乗り山村宅へと向かっていた。
陣川「いやー、嬉しいな!杉下さんとまた捜査が出来るなんて♪今度はどんな事件なんですか?」
カイト「いや…まだ事件と呼べるほどのモノじゃないんですけど…」
右京「45年前に失踪した『山村貞子』なる人物の足取りを追っているんですよ。
既に彼女は亡くなっていますが彼女の遺骨を引き取ったという、
『山村敬』という人物に会いに来たのですよ。」
陣川「前任の駐在の話だと『山村』という家は以前はでっかい網元だったらしいんですけど
今は旅館を経営してるって話ですよ。」
カイト「旅館?」
陣川「確か先代はもう15年前に死んで今は息子夫婦しかいないのですが…」
右京「15年前ですか。」
陣川「それじゃ行きますよ、ハイチーズ!」
パシャッ
それから右京とカイトは陣川の運転する車に乗り山村宅へと向かっていた。
陣川「いやー、嬉しいな!杉下さんとまた捜査が出来るなんて♪今度はどんな事件なんですか?」
カイト「いや…まだ事件と呼べるほどのモノじゃないんですけど…」
右京「45年前に失踪した『山村貞子』なる人物の足取りを追っているんですよ。
既に彼女は亡くなっていますが彼女の遺骨を引き取ったという、
『山村敬』という人物に会いに来たのですよ。」
陣川「前任の駐在の話だと『山村』という家は以前はでっかい網元だったらしいんですけど
今は旅館を経営してるって話ですよ。」
カイト「旅館?」
陣川「確か先代はもう15年前に死んで今は息子夫婦しかいないのですが…」
右京「15年前ですか。」
74:1:2013/09/02(月) 03:51:41.31 :PdUwOLb+0
~山村家~
8月27日
AM11:00
右京たちは訪れた山村家が営む旅館を訪れ、女将である『山村和枝』に『山村貞子』に
ついての話を聞こうとしたが…
和江「帰ってください!」
カイト「あの奥さん…我々はお話を聞きたくて…」
和江「養父はその『貞子』さんの所為で死んでしまったんですよ!
それもあなたたちのような本土の人たちに何度も関わったばかりに!!」
右京「失礼ですがそれはどういう意味でしょうか?」
和江「よくも白々しい…とにかくお話する事はありません!お帰りください!」
陣川「あのねぇ…奥さん、こちらは本庁から来てて…」
右京「いえ…陣川くん、我々は今日のところは帰りましょう。失礼します。」
和江「…ハァ…」
~山村家~
8月27日
AM11:00
右京たちは訪れた山村家が営む旅館を訪れ、女将である『山村和枝』に『山村貞子』に
ついての話を聞こうとしたが…
和江「帰ってください!」
カイト「あの奥さん…我々はお話を聞きたくて…」
和江「養父はその『貞子』さんの所為で死んでしまったんですよ!
それもあなたたちのような本土の人たちに何度も関わったばかりに!!」
右京「失礼ですがそれはどういう意味でしょうか?」
和江「よくも白々しい…とにかくお話する事はありません!お帰りください!」
陣川「あのねぇ…奥さん、こちらは本庁から来てて…」
右京「いえ…陣川くん、我々は今日のところは帰りましょう。失礼します。」
和江「…ハァ…」
75:1:2013/09/02(月) 03:52:18.88 :PdUwOLb+0
~駐在所~
8月27日、PM19:00
陣川「すみません、まだ夏休みの時期ですので旅館を取れなかったもので…」
カイト「日帰りの予定がまさか1泊する羽目になるなんて、おまけに陣川さんの駐在所でとは…」
陣川「なんだぃ!文句あるのか!?」
右京「元々日帰りで済ます予定でしたが、まぁ夏休みだと思って満喫しましょう。」
カイト「けどあの奥さんの態度…一体何があったんですかね?」
~駐在所~
8月27日、PM19:00
陣川「すみません、まだ夏休みの時期ですので旅館を取れなかったもので…」
カイト「日帰りの予定がまさか1泊する羽目になるなんて、おまけに陣川さんの駐在所でとは…」
陣川「なんだぃ!文句あるのか!?」
右京「元々日帰りで済ます予定でしたが、まぁ夏休みだと思って満喫しましょう。」
カイト「けどあの奥さんの態度…一体何があったんですかね?」
76:1:2013/09/02(月) 03:52:57.83 :PdUwOLb+0
陣川「実は杉下さんたちには黙っていたのですが…これも前任の駐在から聞いた話なんですけどね…
15年前に当時の山村家の当主の『山村敬』氏が本土に行ったきり帰ってこなくて…
暫くしたら死体で発見されたとか…」
右京「なるほど、そんな事があったわけですか。ところでお亡くなりになった原因は?」
陣川「なんでも急性心不全だったとか…まぁ歳だったんでしょうね。
かなりの高齢だったという話ですから、遠出した無理が祟ったんじゃないんですかね?」
カイト「急性心不全…まさか『山村敬』さんも…」
右京「『呪いのビデオ』に巻き込まれた可能性が高いですね!」
陣川「実は杉下さんたちには黙っていたのですが…これも前任の駐在から聞いた話なんですけどね…
15年前に当時の山村家の当主の『山村敬』氏が本土に行ったきり帰ってこなくて…
暫くしたら死体で発見されたとか…」
右京「なるほど、そんな事があったわけですか。ところでお亡くなりになった原因は?」
陣川「なんでも急性心不全だったとか…まぁ歳だったんでしょうね。
かなりの高齢だったという話ですから、遠出した無理が祟ったんじゃないんですかね?」
カイト「急性心不全…まさか『山村敬』さんも…」
右京「『呪いのビデオ』に巻き込まれた可能性が高いですね!」
77:1:2013/09/02(月) 03:53:39.94 :PdUwOLb+0
その時駐在所の部屋の中である写真を発見した。
それは苦しみ…もがいている人々、白い布を被っている男性の写真が貼られていた。
陣川「あぁ、この写真ですか?昔この大島で噴火がありましてね。
その時に撮られた写真だそうです、なんでも大変だったらしいですよ。
突然の噴火で住民は大混乱、ガスは蔓延するし…当時はガスマスクなんて無かったから
白い布を頭に覆って対応してたとか…」
カイト「杉下さんこれって…」
右京「えぇ、間違いないようですね。」
その時駐在所の部屋の中である写真を発見した。
それは苦しみ…もがいている人々、白い布を被っている男性の写真が貼られていた。
陣川「あぁ、この写真ですか?昔この大島で噴火がありましてね。
その時に撮られた写真だそうです、なんでも大変だったらしいですよ。
突然の噴火で住民は大混乱、ガスは蔓延するし…当時はガスマスクなんて無かったから
白い布を頭に覆って対応してたとか…」
カイト「杉下さんこれって…」
右京「えぇ、間違いないようですね。」
78:1:2013/09/02(月) 03:54:10.39 :PdUwOLb+0
―「ごめんくださ~い。」
駐在で話し合っていた右京たちのところへ一人の50代くらいの女性が訪ねてきた。
女性は何やら荷物を持ってこちらへやって来たようだが…
陣川「お、来た来た!待ってましたよ!」
女性「ハイ陣川さん、頼まれてた夕食持ってきましたよ。」
カイト「陣川さん…これは一体?」
陣川「まぁ旅館は駄目でしたけど、一応わざわざお越しいただいたわけですし
せめてご馳走くらいはと思いまして近くの旅館に夕飯をお願いしたんですよ!」
カイト「おぉ!陣川さんなのに気が利きますね♪」
陣川「それ…褒めてるつもりなのかい?」
―「ごめんくださ~い。」
駐在で話し合っていた右京たちのところへ一人の50代くらいの女性が訪ねてきた。
女性は何やら荷物を持ってこちらへやって来たようだが…
陣川「お、来た来た!待ってましたよ!」
女性「ハイ陣川さん、頼まれてた夕食持ってきましたよ。」
カイト「陣川さん…これは一体?」
陣川「まぁ旅館は駄目でしたけど、一応わざわざお越しいただいたわけですし
せめてご馳走くらいはと思いまして近くの旅館に夕飯をお願いしたんですよ!」
カイト「おぉ!陣川さんなのに気が利きますね♪」
陣川「それ…褒めてるつもりなのかい?」
79:1:2013/09/02(月) 03:54:43.20 :PdUwOLb+0
右京「失礼、ひとつお尋ねしたいのですがよろしいでしょうか。」
女性「ハイ…なんでしょうか?」
右京「実はですね、恐らくこの島の方言なのですが…
『その後、体はなあしい?しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。
いいか、たびもんには気ぃつけろ。うぬは、だーせん、よごらをあげる。
あまっこじゃ、おーばーの言うこときいとけぇ。じのもんでがまあないがよ』
これの意味を知りたいのですがご存じありませんか?」
右京「失礼、ひとつお尋ねしたいのですがよろしいでしょうか。」
女性「ハイ…なんでしょうか?」
右京「実はですね、恐らくこの島の方言なのですが…
『その後、体はなあしい?しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。
いいか、たびもんには気ぃつけろ。うぬは、だーせん、よごらをあげる。
あまっこじゃ、おーばーの言うこときいとけぇ。じのもんでがまあないがよ』
これの意味を知りたいのですがご存じありませんか?」
80:1:2013/09/02(月) 03:55:14.92 :PdUwOLb+0
女性「随分と古い方言を使うんですね、そんな方言使うのこの島でも
かなりの年寄りじゃないと使いませんよ。
確か意味は…
『その後、身体の具合はどうだ? 水遊びばかりしていると、お化けがくるぞ。
いいか、よそ者には気をつけろ。 お前は、来年子供を生むのだ。
娘っこだから、お婆ちゃんの言うことはよく聞いておけ。
地元の者で構わないじゃないか』という意味ですね。」
カイト「身体の具合はどうだ?水遊びばかりしているとお化けがくる?
よそ者には気を付けろ?お前は来年子供を生む?おばあちゃんの言う事は良く聞け。
地元の者でも構わないじゃないか?
これ…もう何の事だかさっぱりわからないんですけど?」
右京「つまりこれはお年寄りの忠告なのでしょうね、里帰りした若い未婚の女性を
心配しての忠告でしょうね。
若い女性のお身体の心配をして、よそ者への警告、子供の出産、
大体こんなところでしょうかね。」
女性「随分と古い方言を使うんですね、そんな方言使うのこの島でも
かなりの年寄りじゃないと使いませんよ。
確か意味は…
『その後、身体の具合はどうだ? 水遊びばかりしていると、お化けがくるぞ。
いいか、よそ者には気をつけろ。 お前は、来年子供を生むのだ。
娘っこだから、お婆ちゃんの言うことはよく聞いておけ。
地元の者で構わないじゃないか』という意味ですね。」
カイト「身体の具合はどうだ?水遊びばかりしているとお化けがくる?
よそ者には気を付けろ?お前は来年子供を生む?おばあちゃんの言う事は良く聞け。
地元の者でも構わないじゃないか?
これ…もう何の事だかさっぱりわからないんですけど?」
右京「つまりこれはお年寄りの忠告なのでしょうね、里帰りした若い未婚の女性を
心配しての忠告でしょうね。
若い女性のお身体の心配をして、よそ者への警告、子供の出産、
大体こんなところでしょうかね。」
81:1:2013/09/02(月) 03:55:46.89 :PdUwOLb+0
カイト「そうだ、あの奥さんくらいの年齢ならたぶん知っているんじゃないんですか?
俺たち『山村貞子』って女性を調べに来たんですけどね…」
女性「『山村貞子』ってひょっとして貞ちゃんの事かい?」
右京「『山村貞子』さんの事…ご存じなのですか?」
女性「ご存じも何も私はあの子とは同級生だからね、けどあの子は15年前に…」
右京「えぇ、それは存じてます。その『山村貞子』さんの事について何か存じている事は
ありますか?」
女性「アンタら…貞ちゃんのお母さんの『山村志津子』さんについて知っているかい?」
カイト「そうだ、あの奥さんくらいの年齢ならたぶん知っているんじゃないんですか?
俺たち『山村貞子』って女性を調べに来たんですけどね…」
女性「『山村貞子』ってひょっとして貞ちゃんの事かい?」
右京「『山村貞子』さんの事…ご存じなのですか?」
女性「ご存じも何も私はあの子とは同級生だからね、けどあの子は15年前に…」
右京「えぇ、それは存じてます。その『山村貞子』さんの事について何か存じている事は
ありますか?」
女性「アンタら…貞ちゃんのお母さんの『山村志津子』さんについて知っているかい?」
82:1:2013/09/02(月) 03:56:18.70 :PdUwOLb+0
カイト「『志津子』?いや…奥さん、俺たちは『貞子』さんについて聞いてるんですけど。」
右京「カイトくん、ここはとりあえず黙って聞いておきましょう。」
女性「『山村志津子』…昔からこの島にいる連中の間じゃこの人の名前が出ると
みんな口を閉ざしてしまうんだよ。」
それから女性は語り始めた、かつて『山村志津子』は過去に伊豆大島の噴火を予知した
超能力者であった事、彼女の噂を聞きつけた『伊熊平八郎』という本土から来た学者が
『志津子』と不倫関係に陥りやがて子供を身籠り生まれた子が貞子である事、
そして…
女性「それから暫くして従兄弟の『山村敬』さんが『志津子』さんを売り出そうと
マスコミを集めて公開実験をやったらしいんだよ。
実験は成功したらしいんだが『志津子』さんはマスコミ連中からやれインチキだのと
衆目の前で罵られてね…それが原因で発狂しておかしくなったのさ…」
カイト「酷い話だな、『山村志津子』さんは見世物にされちまったわけですね…」
カイト「『志津子』?いや…奥さん、俺たちは『貞子』さんについて聞いてるんですけど。」
右京「カイトくん、ここはとりあえず黙って聞いておきましょう。」
女性「『山村志津子』…昔からこの島にいる連中の間じゃこの人の名前が出ると
みんな口を閉ざしてしまうんだよ。」
それから女性は語り始めた、かつて『山村志津子』は過去に伊豆大島の噴火を予知した
超能力者であった事、彼女の噂を聞きつけた『伊熊平八郎』という本土から来た学者が
『志津子』と不倫関係に陥りやがて子供を身籠り生まれた子が貞子である事、
そして…
女性「それから暫くして従兄弟の『山村敬』さんが『志津子』さんを売り出そうと
マスコミを集めて公開実験をやったらしいんだよ。
実験は成功したらしいんだが『志津子』さんはマスコミ連中からやれインチキだのと
衆目の前で罵られてね…それが原因で発狂しておかしくなったのさ…」
カイト「酷い話だな、『山村志津子』さんは見世物にされちまったわけですね…」
83:1:2013/09/02(月) 03:56:48.29 :PdUwOLb+0
女性「酷いのはその後さ、その実験中にインチキだと騒いだ記者が死んじまったんだよ。
死因は急性心不全…ただの病死扱いだったけどこれは『志津子』さんが
呪い殺したんじゃないかって当時噂されててね…」
右京「ひとつ聞きたいのですが、その実験に娘である『山村貞子』さんは
現場に立ち会わせていたのですか?」
女性「そうだと思いますよ、これは貞ちゃんから聞いた話ですから。」
右京「あなたは『貞子』さんと随分親しかったみたいですけど彼女は
どんな人だったのでしょうか?」
女性「大人しいけど優しい子でしたよ、けど小学校卒業して母親の『志津子』さんが
亡くなったらすぐに父親と一緒に本土の方へ行っちゃったんですけどね。」
右京「では彼女が生前この島に帰ってきた事は?」
女性「大人になってから何度か母親の『志津子』さんの法事で戻ってきたはずだと思いますけど…」
女性「酷いのはその後さ、その実験中にインチキだと騒いだ記者が死んじまったんだよ。
死因は急性心不全…ただの病死扱いだったけどこれは『志津子』さんが
呪い殺したんじゃないかって当時噂されててね…」
右京「ひとつ聞きたいのですが、その実験に娘である『山村貞子』さんは
現場に立ち会わせていたのですか?」
女性「そうだと思いますよ、これは貞ちゃんから聞いた話ですから。」
右京「あなたは『貞子』さんと随分親しかったみたいですけど彼女は
どんな人だったのでしょうか?」
女性「大人しいけど優しい子でしたよ、けど小学校卒業して母親の『志津子』さんが
亡くなったらすぐに父親と一緒に本土の方へ行っちゃったんですけどね。」
右京「では彼女が生前この島に帰ってきた事は?」
女性「大人になってから何度か母親の『志津子』さんの法事で戻ってきたはずだと思いますけど…」
84:1:2013/09/02(月) 03:57:15.99 :PdUwOLb+0
話を終えた後、女性は帰って行った。
右京とカイトは先ほどの話を『呪いのビデオ』と照合してみた。
カイト「さっきの話で大きく前進しましたね。つまり『山村貞子』は
何度目かの法事でお婆さんから忠告を受けていた。」
右京「『老婆の方言』、『噴火の記事』、『逃げ惑う人々』、『白い布を被った男性』、
そして『サイコロの音』、『インチキという人々の罵声』、恐らくこれは
『山村志津子』の超能力の公開実験の光景を意味しているのでしょう。」
カイト「明日もう一度山村家に行ってみましょう、あの家絶対に何か隠してますよ!」
話を終えた後、女性は帰って行った。
右京とカイトは先ほどの話を『呪いのビデオ』と照合してみた。
カイト「さっきの話で大きく前進しましたね。つまり『山村貞子』は
何度目かの法事でお婆さんから忠告を受けていた。」
右京「『老婆の方言』、『噴火の記事』、『逃げ惑う人々』、『白い布を被った男性』、
そして『サイコロの音』、『インチキという人々の罵声』、恐らくこれは
『山村志津子』の超能力の公開実験の光景を意味しているのでしょう。」
カイト「明日もう一度山村家に行ってみましょう、あの家絶対に何か隠してますよ!」
87:1:2013/09/02(月) 08:23:18.17 :PdUwOLb+0
そして翌日
~山村家~
8月28日、AM8:00
ドンドン
陣川「山村さん、駐在の者です!昨日も言ったように『貞子』さんの件でお話があるんですけど!」
右京、カイト、陣川の三人は朝早く再び山村家を訪れていた、しかし留守なのか人の気配が無かった。
そして翌日
~山村家~
8月28日、AM8:00
ドンドン
陣川「山村さん、駐在の者です!昨日も言ったように『貞子』さんの件でお話があるんですけど!」
右京、カイト、陣川の三人は朝早く再び山村家を訪れていた、しかし留守なのか人の気配が無かった。
88:1:2013/09/02(月) 08:36:26.39 :PdUwOLb+0
右京「もしかしたら何かあったのかもしれません、家の中にお邪魔してみましょう。」
カイト「いいのかな…こんな事しちゃって…」
陣川「何を言うんだ!警察官が市民の安全を考えるのは当然の事じゃないか!」
右京「陣川くんの言う通りですよ、さぁ中へ入りましょう。」
カイト「まったく都合がいいんだから…お邪魔しま~す。」
右京「もしかしたら何かあったのかもしれません、家の中にお邪魔してみましょう。」
カイト「いいのかな…こんな事しちゃって…」
陣川「何を言うんだ!警察官が市民の安全を考えるのは当然の事じゃないか!」
右京「陣川くんの言う通りですよ、さぁ中へ入りましょう。」
カイト「まったく都合がいいんだから…お邪魔しま~す。」
89:1:2013/09/02(月) 08:37:23.52 :PdUwOLb+0
家の中に入ってみるもののやはり人の気配はしなかった、三人は家の中を探索すると
『ある部屋』に辿り着いた、その部屋には割れた『鏡』が置いてある和室だが
右京とカイトはその『鏡』に見覚えがあった。
カイト「この『鏡』…鏡面部分が割れてますけどこれ間違いないですよ!」
右京「えぇ、あの女性が髪を結っていた『鏡』と同じ形をしていますね。
しかし何故鏡面が壊れているのでしょうか?」
陣川「あの杉下さん…部屋の隅に置いてあった古い写真があるんですけど…
映っているのは女性です、年齢は30代後半といった感じですかね?」
陣川が見つけた写真、その写真に写っていた女性は早津の描いた
『髪を結う30代後半~40代前半の女性』と同じ顔をしていた。
カイト「ビンゴですよ杉下さん!やっぱりこの家に何かあるんですよ!」
家の中に入ってみるもののやはり人の気配はしなかった、三人は家の中を探索すると
『ある部屋』に辿り着いた、その部屋には割れた『鏡』が置いてある和室だが
右京とカイトはその『鏡』に見覚えがあった。
カイト「この『鏡』…鏡面部分が割れてますけどこれ間違いないですよ!」
右京「えぇ、あの女性が髪を結っていた『鏡』と同じ形をしていますね。
しかし何故鏡面が壊れているのでしょうか?」
陣川「あの杉下さん…部屋の隅に置いてあった古い写真があるんですけど…
映っているのは女性です、年齢は30代後半といった感じですかね?」
陣川が見つけた写真、その写真に写っていた女性は早津の描いた
『髪を結う30代後半~40代前半の女性』と同じ顔をしていた。
カイト「ビンゴですよ杉下さん!やっぱりこの家に何かあるんですよ!」
90:1:2013/09/02(月) 08:37:54.43 :PdUwOLb+0
右京「…そろそろ出てきては如何ですか、和江さん?」
和江「いつから気付いていたのですか?」
右京「表の車はそのままでしたし靴はキレイに整ったまま、外出した形跡が無い事くらい
一目瞭然ですよ。」
陣川「なるほど!さすがは杉下さん!一発でそんな事を見破るなんて!!」
カイト「いや見破ってないのアンタだけだから…」
右京「…そろそろ出てきては如何ですか、和江さん?」
和江「いつから気付いていたのですか?」
右京「表の車はそのままでしたし靴はキレイに整ったまま、外出した形跡が無い事くらい
一目瞭然ですよ。」
陣川「なるほど!さすがは杉下さん!一発でそんな事を見破るなんて!!」
カイト「いや見破ってないのアンタだけだから…」
91:1:2013/09/02(月) 08:38:23.64 :PdUwOLb+0
和江「正直…もう私疲れたんです。この家…呪われているんですから…」
カイト「呪われている…どういう事ですか?」
和江「その写真の女性が原因です。」
右京「この写真の女性…『山村志津子』さんですね。」
和江「そうです、私は元々この家に嫁として入ったので『志津子』さんどころか
『貞子』さんの事も知らなかったんですけど…
15年前の事でした、今のあなた方みたく『貞子』さんや『志津子』さんについて
尋ねてきた男女の二人組が来たのです。」
カイト「『浅川陽子』と『高山竜司』の事ですね。」
和江「正直…もう私疲れたんです。この家…呪われているんですから…」
カイト「呪われている…どういう事ですか?」
和江「その写真の女性が原因です。」
右京「この写真の女性…『山村志津子』さんですね。」
和江「そうです、私は元々この家に嫁として入ったので『志津子』さんどころか
『貞子』さんの事も知らなかったんですけど…
15年前の事でした、今のあなた方みたく『貞子』さんや『志津子』さんについて
尋ねてきた男女の二人組が来たのです。」
カイト「『浅川陽子』と『高山竜司』の事ですね。」
92:1:2013/09/02(月) 08:38:55.85 :PdUwOLb+0
和江「二人は義父に『貞子』さんと『志津子』さんの事を聞いた数日後に
本土で『貞子』さんの遺骨を引き取ってくれとの連絡が入りました。
養父はその遺骨を引き取り…それから…」
右京「海に埋葬したのですね。」
和江「そうです…海は『貞子』の生まれた場所だと養父は常々そう言ってましたから。
そのすぐ後です、養父が死んだのは…」
陣川「けど急性心不全だと伺いましたよ、高齢だったし仕方ないのでは?」
和江「何も知らないくせに!あなた…養父がどんな顔で死んでたかわかりますか?
まるでこの世のモノとも思えない恐怖に怯えた死に顔をしていたのよ!!」
カイト「恐怖に怯えた死に顔…ですか。」
右京「亡くなった吉野さんや小宮さんと同じですね。」
和江「それから暫くしてからよ…ウチの中に幽霊が出始めたのわ。『志津子』さんの幽霊が…
あなたたちが入ったこの部屋…泊まりに来るお客から気味の悪い女が髪を結いながら
こちらを見つめているって…私も…もう何度も見ているわ…」
和江「二人は義父に『貞子』さんと『志津子』さんの事を聞いた数日後に
本土で『貞子』さんの遺骨を引き取ってくれとの連絡が入りました。
養父はその遺骨を引き取り…それから…」
右京「海に埋葬したのですね。」
和江「そうです…海は『貞子』の生まれた場所だと養父は常々そう言ってましたから。
そのすぐ後です、養父が死んだのは…」
陣川「けど急性心不全だと伺いましたよ、高齢だったし仕方ないのでは?」
和江「何も知らないくせに!あなた…養父がどんな顔で死んでたかわかりますか?
まるでこの世のモノとも思えない恐怖に怯えた死に顔をしていたのよ!!」
カイト「恐怖に怯えた死に顔…ですか。」
右京「亡くなった吉野さんや小宮さんと同じですね。」
和江「それから暫くしてからよ…ウチの中に幽霊が出始めたのわ。『志津子』さんの幽霊が…
あなたたちが入ったこの部屋…泊まりに来るお客から気味の悪い女が髪を結いながら
こちらを見つめているって…私も…もう何度も見ているわ…」
93:1:2013/09/02(月) 08:39:45.73 :PdUwOLb+0
右京「ひとつお聞きしたいのですが、あなたは昨日僕たちが訪れた時に
『あなたたちのような本土の人たちに何度も関わったばかりに』と仰いましたね。
『何度も』…つまり僕たちや浅川さんたちの他にもここに『山村親子』について
尋ねに来た人がいるんじゃないのですか?」
和江「えぇ…子連れの若い女性が『貞子』さんについて訪ねてきました。
女性は確か名前が『高野舞』と名乗ってましたけど。
そういえば彼女が来てから『志津子』さんの幽霊が出始めたような気が…」
右京「『高野舞』…ですか、彼女は何故子供を連れていたのでしょうかね?」
和江「そんな事知りませんよ、いいえ…もう何も知りたくない…」
和江はそのまま俯いてしまい泣き出してしまった、後で帰ってきた旦那に彼女を託し
右京とカイトは島を立ち去ろうとする。
しかしフェリー乗り場に乗り込もうとした二人の前に昨日駐在に夕食を
届けに来てくれた女性がやって来た。
右京「ひとつお聞きしたいのですが、あなたは昨日僕たちが訪れた時に
『あなたたちのような本土の人たちに何度も関わったばかりに』と仰いましたね。
『何度も』…つまり僕たちや浅川さんたちの他にもここに『山村親子』について
尋ねに来た人がいるんじゃないのですか?」
和江「えぇ…子連れの若い女性が『貞子』さんについて訪ねてきました。
女性は確か名前が『高野舞』と名乗ってましたけど。
そういえば彼女が来てから『志津子』さんの幽霊が出始めたような気が…」
右京「『高野舞』…ですか、彼女は何故子供を連れていたのでしょうかね?」
和江「そんな事知りませんよ、いいえ…もう何も知りたくない…」
和江はそのまま俯いてしまい泣き出してしまった、後で帰ってきた旦那に彼女を託し
右京とカイトは島を立ち去ろうとする。
しかしフェリー乗り場に乗り込もうとした二人の前に昨日駐在に夕食を
届けに来てくれた女性がやって来た。
94:1:2013/09/02(月) 08:40:14.05 :PdUwOLb+0
フェリー乗り場
8月28日、PM12:00
カイト「どうしたんですか!そんなに慌てて?」
女性「間に合ってよかった!実は思い出した事があるんだけどね。」
右京「わざわざフェリー乗り場まで駆けつけてくれたのです、一体どういった
ご用件なのでしょうか?」
フェリー乗り場
8月28日、PM12:00
カイト「どうしたんですか!そんなに慌てて?」
女性「間に合ってよかった!実は思い出した事があるんだけどね。」
右京「わざわざフェリー乗り場まで駆けつけてくれたのです、一体どういった
ご用件なのでしょうか?」
95:1:2013/09/02(月) 08:41:54.16 :PdUwOLb+0
女性「私、一度だけ山村の家に遊びに行った事があるのよ。
『志津子』さんの事件があってから暫くはあの家にあまり人が近寄らなくなったんだけど
私は貞ちゃんの友達だったから…親に黙って遊びに行ったのよ。
それでね…その時に既に気が振れた志津子さんが私を睨んでて…それで恐くなった私は
貞ちゃんとはぐれて家の中で迷子になったのよ。
その時だったわ、私は貞ちゃんを見つけたんだけど…けどそれは貞ちゃんじゃなかった。」
カイト「ちょっと待ってください!それはつまり『貞子』さんの姉とか妹じゃないんですか?」
女性「いいえ…当時あの家に女の子は貞ちゃんしかいなかった、その女の子は貞ちゃんと
同じ外見をしてたけど貞ちゃんじゃない…根拠のない直観だけど私にはその確信があった。
その子は長い黒髪で顔を隠していたけどその隠れた顔から気味の悪い目つきで
私を睨んできた、恐くなった私は急いで逃げたんだけど…
気付いたらその子はいなくなっていた、それにいつの間にか貞ちゃんも戻ってたって話よ。」
右京「『長い髪で顔を隠した女の子』…ですか。」
カイト「それって…あの『呪いのビデオ』で『志津子』さんと一緒に居た…」
右京「えぇ、その子と見て間違いないでしょう。」
カイト「なんだか怪談染みた話ですね、杉下さん…今の話聞いてどう思いますか?」
右京「…さぁ、まだ何とも言えませんね…」
女性「私、一度だけ山村の家に遊びに行った事があるのよ。
『志津子』さんの事件があってから暫くはあの家にあまり人が近寄らなくなったんだけど
私は貞ちゃんの友達だったから…親に黙って遊びに行ったのよ。
それでね…その時に既に気が振れた志津子さんが私を睨んでて…それで恐くなった私は
貞ちゃんとはぐれて家の中で迷子になったのよ。
その時だったわ、私は貞ちゃんを見つけたんだけど…けどそれは貞ちゃんじゃなかった。」
カイト「ちょっと待ってください!それはつまり『貞子』さんの姉とか妹じゃないんですか?」
女性「いいえ…当時あの家に女の子は貞ちゃんしかいなかった、その女の子は貞ちゃんと
同じ外見をしてたけど貞ちゃんじゃない…根拠のない直観だけど私にはその確信があった。
その子は長い黒髪で顔を隠していたけどその隠れた顔から気味の悪い目つきで
私を睨んできた、恐くなった私は急いで逃げたんだけど…
気付いたらその子はいなくなっていた、それにいつの間にか貞ちゃんも戻ってたって話よ。」
右京「『長い髪で顔を隠した女の子』…ですか。」
カイト「それって…あの『呪いのビデオ』で『志津子』さんと一緒に居た…」
右京「えぇ、その子と見て間違いないでしょう。」
カイト「なんだか怪談染みた話ですね、杉下さん…今の話聞いてどう思いますか?」
右京「…さぁ、まだ何とも言えませんね…」
96:1:2013/09/02(月) 08:42:49.33 :PdUwOLb+0
東京に戻った直後彼らは警視庁の特命係の部屋に戻っていた。
~特命係~
8月28日、PM16:00
角田「それじゃぁ何かい?二人して大島で一泊してたってのかい?
まったく窓際部署は気楽でいいねぇ…こっちは忙しい合間を縫って手伝ってあげたのにさ…」
カイト「わかってますって、だからお土産買ってきましたから!ハイ、大島名物のくさや♪」
角田「お前さぁ…若いんだからもっと小洒落た物買って来いよ…
まぁそれはともかくとしてだ、調べておいた件だが面白い事がわかったぞ。
『山村貞子』の死体を発見した『浅川陽子』と『高山竜司』だがこの二人…
なんと元夫婦だったんだとさ!」
カイト「元夫婦?」
東京に戻った直後彼らは警視庁の特命係の部屋に戻っていた。
~特命係~
8月28日、PM16:00
角田「それじゃぁ何かい?二人して大島で一泊してたってのかい?
まったく窓際部署は気楽でいいねぇ…こっちは忙しい合間を縫って手伝ってあげたのにさ…」
カイト「わかってますって、だからお土産買ってきましたから!ハイ、大島名物のくさや♪」
角田「お前さぁ…若いんだからもっと小洒落た物買って来いよ…
まぁそれはともかくとしてだ、調べておいた件だが面白い事がわかったぞ。
『山村貞子』の死体を発見した『浅川陽子』と『高山竜司』だがこの二人…
なんと元夫婦だったんだとさ!」
カイト「元夫婦?」
97:1:2013/09/02(月) 08:44:05.61 :PdUwOLb+0
右京「やはりそうでしたか、若い男女が長時間一緒に行動しているのですから
もしかしたら二人はただならぬ関係かと思っていましたが…なるほど。」
角田「それでな二人には子供がひとりいたんだが…
名前は『浅川陽一』といって事件当時はまだ小学1年生だった。
まぁ両親は死んじまって親類も『高山竜司』の方は天涯孤独だったようだし
『浅川陽子』も前に言ったが両親が死んじまって…
それで仕方なく当時『高山竜司』の教え子ってのが引き取ったそうだ。」
カイト「教え子が?親族でもない人間が引き取ったんですか?
いくら恩師だからってそこまでしますかね?」
角田「そこは俺には言われてもわからんが…とにかく二人は今でも一緒に暮らしているらしいぞ。」
右京「ちなみに『浅川陽一』を引き取った教え子の名前は?」
右京「やはりそうでしたか、若い男女が長時間一緒に行動しているのですから
もしかしたら二人はただならぬ関係かと思っていましたが…なるほど。」
角田「それでな二人には子供がひとりいたんだが…
名前は『浅川陽一』といって事件当時はまだ小学1年生だった。
まぁ両親は死んじまって親類も『高山竜司』の方は天涯孤独だったようだし
『浅川陽子』も前に言ったが両親が死んじまって…
それで仕方なく当時『高山竜司』の教え子ってのが引き取ったそうだ。」
カイト「教え子が?親族でもない人間が引き取ったんですか?
いくら恩師だからってそこまでしますかね?」
角田「そこは俺には言われてもわからんが…とにかく二人は今でも一緒に暮らしているらしいぞ。」
右京「ちなみに『浅川陽一』を引き取った教え子の名前は?」
98:1:2013/09/02(月) 08:44:43.12 :PdUwOLb+0
角田「当時大学生で今は城南大学の教授の『高野舞』って女だ。」
カイト「『高野舞』!杉下さん…この事件一体どうなってんですか!?
調べれば調べるほど謎が深まるばかりじゃないですか!」
右京「…角田課長、『山村貞子』について何かわかった事は?」
角田「そっちはさっぱりわからんかった、何しろ45年も前に失踪した人間の足取りを
掴む事なんて無茶過ぎる…当時彼女がなんらかの事件に関わっていたのなら
警察のデータに名前くらい残っているかもしれんが生憎何も無くてな…
前科者のリストだって調べたんだぞ…それでも何も出なかったよ。」
カイト「けど彼女は何かの事件に巻き込まれて『井戸』に閉じ込められた、つまりこれって…」
右京「そう、つまり警察には届け出されていない事件に彼女は巻き込まれた。
いえ…もしかしたら彼女自身が巻き起こしてしまったのかもしれませんね…」
カイト「けど足取りは掴めず仕舞い…これでお手上げですかね?」
角田「当時大学生で今は城南大学の教授の『高野舞』って女だ。」
カイト「『高野舞』!杉下さん…この事件一体どうなってんですか!?
調べれば調べるほど謎が深まるばかりじゃないですか!」
右京「…角田課長、『山村貞子』について何かわかった事は?」
角田「そっちはさっぱりわからんかった、何しろ45年も前に失踪した人間の足取りを
掴む事なんて無茶過ぎる…当時彼女がなんらかの事件に関わっていたのなら
警察のデータに名前くらい残っているかもしれんが生憎何も無くてな…
前科者のリストだって調べたんだぞ…それでも何も出なかったよ。」
カイト「けど彼女は何かの事件に巻き込まれて『井戸』に閉じ込められた、つまりこれって…」
右京「そう、つまり警察には届け出されていない事件に彼女は巻き込まれた。
いえ…もしかしたら彼女自身が巻き起こしてしまったのかもしれませんね…」
カイト「けど足取りは掴めず仕舞い…これでお手上げですかね?」
99:1:2013/09/02(月) 08:45:14.31 :PdUwOLb+0
角田「フフフ、…と普通は思うだろ、だが組対5課の課長を舐めるなよ!
実はな『貞子』の方は無理だったが父親の『伊熊平八郎』の居場所が判明したんだよ!」
カイト「『伊熊平八郎』って『山村貞子』の父親ですよね!まだ生きてるんですか!?」
角田「そうだ!だが結核を患っているらしくてな、現在は『南箱根療養所』に入院している。」
角田「フフフ、…と普通は思うだろ、だが組対5課の課長を舐めるなよ!
実はな『貞子』の方は無理だったが父親の『伊熊平八郎』の居場所が判明したんだよ!」
カイト「『伊熊平八郎』って『山村貞子』の父親ですよね!まだ生きてるんですか!?」
角田「そうだ!だが結核を患っているらしくてな、現在は『南箱根療養所』に入院している。」
100:1:2013/09/02(月) 08:45:59.71 :PdUwOLb+0
~南箱根療養所~
8月29日、AM10:00
翌日、右京とカイトは朝早くに『南箱根療養所』を訪れていた、目的は勿論
『山村貞子』の父である『伊熊平八郎』から『呪いのビデオ』を解くためである。
二人は『伊熊平八郎』の病室までやってきたが彼は結核を患いその命は残りわずかと
いった様子である。
ちなみに今日で早津の命は残り一日であった…
看護師「あの…『伊熊』さんは結核が悪化してもう余命幾許もない状態ですのでくれぐれも
無理はさせないで上げてください。」
カイト「わかっておりますって。」
右京「出来れば我々と伊熊さんだけでお話ししたいので席を外してもらえますか?」
看護師「わかりました、何かあれば知らせてください。」
こうして看護師は病室から出て行き、室内には右京とカイト、それに『伊熊平八郎』の
三人だけで話を始めた。
~南箱根療養所~
8月29日、AM10:00
翌日、右京とカイトは朝早くに『南箱根療養所』を訪れていた、目的は勿論
『山村貞子』の父である『伊熊平八郎』から『呪いのビデオ』を解くためである。
二人は『伊熊平八郎』の病室までやってきたが彼は結核を患いその命は残りわずかと
いった様子である。
ちなみに今日で早津の命は残り一日であった…
看護師「あの…『伊熊』さんは結核が悪化してもう余命幾許もない状態ですのでくれぐれも
無理はさせないで上げてください。」
カイト「わかっておりますって。」
右京「出来れば我々と伊熊さんだけでお話ししたいので席を外してもらえますか?」
看護師「わかりました、何かあれば知らせてください。」
こうして看護師は病室から出て行き、室内には右京とカイト、それに『伊熊平八郎』の
三人だけで話を始めた。
101:1:2013/09/02(月) 08:46:34.03 :PdUwOLb+0
カイト「『伊熊』さん、わかりますか?我々は警視庁の者なんですけど!
伊熊「…シュコー…」
カイト「ダメですね、ピクリとも動きもしない…
まぁ酸素マスクつけてるし喋るのは無理そうですけど」
右京「『伊熊』さん、僕たちはあなたの娘である『山村貞子』さんについてお尋ねしたい
のですがわかりますか?」
伊熊「!?」
『山村貞子』この名前を言った直後『伊熊平八郎』の反応は明らかに変化があった。
そして彼は酸素マスクを取り次の言葉を言った、それは…
カイト「『伊熊』さん、わかりますか?我々は警視庁の者なんですけど!
伊熊「…シュコー…」
カイト「ダメですね、ピクリとも動きもしない…
まぁ酸素マスクつけてるし喋るのは無理そうですけど」
右京「『伊熊』さん、僕たちはあなたの娘である『山村貞子』さんについてお尋ねしたい
のですがわかりますか?」
伊熊「!?」
『山村貞子』この名前を言った直後『伊熊平八郎』の反応は明らかに変化があった。
そして彼は酸素マスクを取り次の言葉を言った、それは…
102:1:2013/09/02(月) 08:47:06.71 :PdUwOLb+0
伊熊「サダコ…スマナイ…ダガ…オマエハキケンナンダ…ダカラワタシハオマエヲフウイン…スルシカナカッタ…」
カイト「危険…何を言ってるんですか?」
右京「…『伊熊』さん…単刀直入に要件を申し上げますが僕たちは彼女の作った
『呪いのビデオ』の謎を解くためにこちらに伺いました、何か心当たりはありますか?」
伊熊「『ノロイ』…ソウカ…アノコハイマデモノロイツヅケテイルノカ…ムリダ…アノコノノロイヲトクコトハデキナイ…」
カイト「ちょっと…何を言ってるんですか?」
伊熊「モシモノロイヲトクコトガデキルノナラ…ソレハ…ノロイヲフヤスシカナイ…」
右京「!?…やはりそういう事ですか…」
伊熊「グフッ!」
カイト「『伊熊』さん!?」
この後『伊熊平八郎』の容体は急変し彼は面会謝絶となってしまった。
これ以上の聞き込みは無理だと判断した二人はその場を立ち去るしかなかった。
伊熊「サダコ…スマナイ…ダガ…オマエハキケンナンダ…ダカラワタシハオマエヲフウイン…スルシカナカッタ…」
カイト「危険…何を言ってるんですか?」
右京「…『伊熊』さん…単刀直入に要件を申し上げますが僕たちは彼女の作った
『呪いのビデオ』の謎を解くためにこちらに伺いました、何か心当たりはありますか?」
伊熊「『ノロイ』…ソウカ…アノコハイマデモノロイツヅケテイルノカ…ムリダ…アノコノノロイヲトクコトハデキナイ…」
カイト「ちょっと…何を言ってるんですか?」
伊熊「モシモノロイヲトクコトガデキルノナラ…ソレハ…ノロイヲフヤスシカナイ…」
右京「!?…やはりそういう事ですか…」
伊熊「グフッ!」
カイト「『伊熊』さん!?」
この後『伊熊平八郎』の容体は急変し彼は面会謝絶となってしまった。
これ以上の聞き込みは無理だと判断した二人はその場を立ち去るしかなかった。
103:1:2013/09/02(月) 08:48:10.40 :PdUwOLb+0
~特命係~
8月29日、PM16:00
結局二人はろくな情報を得られずに帰ってきた、しかし既に右京はある確信に
思い至っていた。
カイト「ねぇ…杉下さん…」
右京「はぃ?」
カイト「本当はもう呪いを解く方法わかっちゃったんじゃないんですか?
それなのに何で教えてくれないんですか?」
右京「確かに…僕は『山村貞子』が仕掛けを施した『呪いのビデオ』から
助かる方法を見つけ出しました…しかし…」
カイト「何故教えないんですか!早津さんにはもう残り9時間しかないんですよ!?」
そうカイトは正義感強く右京に強く訴えた、しかし右京の口から出た返事は
ある意味そんなカイトの訴えをあざ笑うモノだったのかもしれない。
右京「キミ…これから僕が言う事に大人しく聞く自信はありますか?
何があろうと…怒らず…そして絶望しないと…」
カイト「わ…わかりました…もう覚悟は出来ています、だから話してください。」
~特命係~
8月29日、PM16:00
結局二人はろくな情報を得られずに帰ってきた、しかし既に右京はある確信に
思い至っていた。
カイト「ねぇ…杉下さん…」
右京「はぃ?」
カイト「本当はもう呪いを解く方法わかっちゃったんじゃないんですか?
それなのに何で教えてくれないんですか?」
右京「確かに…僕は『山村貞子』が仕掛けを施した『呪いのビデオ』から
助かる方法を見つけ出しました…しかし…」
カイト「何故教えないんですか!早津さんにはもう残り9時間しかないんですよ!?」
そうカイトは正義感強く右京に強く訴えた、しかし右京の口から出た返事は
ある意味そんなカイトの訴えをあざ笑うモノだったのかもしれない。
右京「キミ…これから僕が言う事に大人しく聞く自信はありますか?
何があろうと…怒らず…そして絶望しないと…」
カイト「わ…わかりました…もう覚悟は出来ています、だから話してください。」
104:1:2013/09/02(月) 08:49:10.36 :PdUwOLb+0
そして右京はカイトの前で『呪いのビデオ』の真相を語り始める、だがそれは
決してすべてが円満に解決するための糸口などではなかった…
右京「そもそも『呪いのビデオ』を解く方法は至って簡単なのです。
知ってしまえば誰もが実行できる…そんな方法です。
『山村貞子』はそうやって『呪い』を増やそうとしていたのでしょうね。」
カイト「『呪い』を増やす…どういう事なんですか?」
右京「『呪いのビデオ』の老婆が言っていた言葉…
『その後、体はなあしい?しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。
いいか、たびもんには気ぃつけろ。うぬは、だーせん、よごらをあげる。
あまっこじゃ、おーばーの言うこときいとけぇ。じのもんでがまあないがよ』
これこそが最大のヒントだったのですよ!」
カイト「けどその意味って…
『その後、身体の具合はどうだ? 水遊びばかりしていると、お化けがくるぞ。
いいか、よそ者には気をつけろ。 お前は、来年子供を生むのだ。
娘っこだから、お婆ちゃんの言うことはよく聞いておけ。
地元の者で構わないじゃないか』っていうお年寄りが良く言う忠告みたいなモン
でしょう、これのどこにヒントがあるんですか?」
そして右京はカイトの前で『呪いのビデオ』の真相を語り始める、だがそれは
決してすべてが円満に解決するための糸口などではなかった…
右京「そもそも『呪いのビデオ』を解く方法は至って簡単なのです。
知ってしまえば誰もが実行できる…そんな方法です。
『山村貞子』はそうやって『呪い』を増やそうとしていたのでしょうね。」
カイト「『呪い』を増やす…どういう事なんですか?」
右京「『呪いのビデオ』の老婆が言っていた言葉…
『その後、体はなあしい?しょーもんばかりしているとぼうこんがくるぞ。
いいか、たびもんには気ぃつけろ。うぬは、だーせん、よごらをあげる。
あまっこじゃ、おーばーの言うこときいとけぇ。じのもんでがまあないがよ』
これこそが最大のヒントだったのですよ!」
カイト「けどその意味って…
『その後、身体の具合はどうだ? 水遊びばかりしていると、お化けがくるぞ。
いいか、よそ者には気をつけろ。 お前は、来年子供を生むのだ。
娘っこだから、お婆ちゃんの言うことはよく聞いておけ。
地元の者で構わないじゃないか』っていうお年寄りが良く言う忠告みたいなモン
でしょう、これのどこにヒントがあるんですか?」
105:1:2013/09/02(月) 08:49:41.66 :PdUwOLb+0
右京「全てがヒントなのではありません、この言葉のある一部分…そう…
『うぬは、だーせん、よごらをあげる。』これが最大のヒントなのです!」
カイト「確かそれ『お前は、来年子供を生むのだ。』って意味じゃ…」
右京「そう…『子供を生む。』これこそが最大の手掛かりなのですよ!」
カイト「最大の手掛かりって…それどういう意味なんですか?」
右京「全てがヒントなのではありません、この言葉のある一部分…そう…
『うぬは、だーせん、よごらをあげる。』これが最大のヒントなのです!」
カイト「確かそれ『お前は、来年子供を生むのだ。』って意味じゃ…」
右京「そう…『子供を生む。』これこそが最大の手掛かりなのですよ!」
カイト「最大の手掛かりって…それどういう意味なんですか?」
106:1:2013/09/02(月) 08:51:14.30 :PdUwOLb+0
右京「『岩田秀一』、『能美武彦』、『大石智子』、『辻遥子』、『高山竜司』、
そして15年後に『呪いのビデオ』を観て亡くなった『吉野賢三』…それに『小宮』
恐らく他にも被害者はいるかもしれませんがこれだけの被害者が出しながら
何故『浅川陽子』だけが1週間経っても生き残っていられたのか…
それはつまり他の被害者は誰も1週間以内に行わなくて彼女だけが行った行為が
あったのですよ!!」
カイト「『浅川陽子』のみが行った行為…それって『山村貞子』の死体を『井戸』から
見つけ出した事じゃないんですか?
いや…違う…それなら何で『高山竜司』が死んだんだ?」
右京「『浅川陽子』と『高山竜司』もそう思っていたのでしょうね。
恐らく二人はこう思ったはず、『井戸から貞子を救い出し供養すれば呪いは止まる』と…
しかし彼らは読み違えてしまった…結果『高山竜司』のみが死んでしまったのです。」
右京「『岩田秀一』、『能美武彦』、『大石智子』、『辻遥子』、『高山竜司』、
そして15年後に『呪いのビデオ』を観て亡くなった『吉野賢三』…それに『小宮』
恐らく他にも被害者はいるかもしれませんがこれだけの被害者が出しながら
何故『浅川陽子』だけが1週間経っても生き残っていられたのか…
それはつまり他の被害者は誰も1週間以内に行わなくて彼女だけが行った行為が
あったのですよ!!」
カイト「『浅川陽子』のみが行った行為…それって『山村貞子』の死体を『井戸』から
見つけ出した事じゃないんですか?
いや…違う…それなら何で『高山竜司』が死んだんだ?」
右京「『浅川陽子』と『高山竜司』もそう思っていたのでしょうね。
恐らく二人はこう思ったはず、『井戸から貞子を救い出し供養すれば呪いは止まる』と…
しかし彼らは読み違えてしまった…結果『高山竜司』のみが死んでしまったのです。」
107:1:2013/09/02(月) 08:51:53.74 :PdUwOLb+0
カイト「じゃぁ…『浅川陽子』だけがやって『高山竜司』だけがやらなかった行為…
一体何だ…『子供を生む』…『呪いを増やす』…『呪いのビデオ』…
『COPY』のラベル…ハッ!?
杉下さん…俺…わかっちゃった気がするんですけど…まさか…けどそんな…
そんな簡単な方法で助かるんですか!!?」
右京「そう…被害者の中で『浅川陽子』だけが行った行為…『呪いのビデオ』の
複製…つまりダビングして他の相手に見せる事なんですよ!!」
カイト「なら…すぐにこの事を早津さんに教えなきゃ…あっ…」
右京「そうです、その『呪いのビデオ』はもう小宮さんが吉野さんの部屋で
処分させてしまったからテープをダビングする事はもはや不可能です…」
カイト「じゃぁ…『浅川陽子』だけがやって『高山竜司』だけがやらなかった行為…
一体何だ…『子供を生む』…『呪いを増やす』…『呪いのビデオ』…
『COPY』のラベル…ハッ!?
杉下さん…俺…わかっちゃった気がするんですけど…まさか…けどそんな…
そんな簡単な方法で助かるんですか!!?」
右京「そう…被害者の中で『浅川陽子』だけが行った行為…『呪いのビデオ』の
複製…つまりダビングして他の相手に見せる事なんですよ!!」
カイト「なら…すぐにこの事を早津さんに教えなきゃ…あっ…」
右京「そうです、その『呪いのビデオ』はもう小宮さんが吉野さんの部屋で
処分させてしまったからテープをダビングする事はもはや不可能です…」
108:1:2013/09/02(月) 08:53:03.53 :PdUwOLb+0
カイト「けど『山村貞子』の目的ってなんですか?こんな事をして何になると思ったんですか!?」
カイトは当然の疑問を右京にぶつけた、右京はカイトの疑問に答えるべく
黒板に三角形をピラミッド方式に4層ほど区切って書き、
それぞれ上が上位層、2番目が中位層、3番目が下位層、そして4番目が最下層と説明した。
右京「この上位層をたとえば『浅川陽子』としましょう。
『浅川陽子』は生き残るために『呪いのビデオ』を複製し他者に見せる。
更に見せられた他者はそれを他の者に見せようとする、これが2番目の中位層です。
それから『呪いのビデオ』は巡り歩き…
最後にこの4番目の最下層の人間たちに行きつきます。
しかし彼らは既に『呪いのビデオ』の存在を知っている…既にそこまで浸透している
のですから知らないという方がおかしい…ですから当然見ないという反応をするでしょう。
そうなると死ぬのは3番目の下位層の人間たちが当てはまります。」
カイト「けど『山村貞子』の目的ってなんですか?こんな事をして何になると思ったんですか!?」
カイトは当然の疑問を右京にぶつけた、右京はカイトの疑問に答えるべく
黒板に三角形をピラミッド方式に4層ほど区切って書き、
それぞれ上が上位層、2番目が中位層、3番目が下位層、そして4番目が最下層と説明した。
右京「この上位層をたとえば『浅川陽子』としましょう。
『浅川陽子』は生き残るために『呪いのビデオ』を複製し他者に見せる。
更に見せられた他者はそれを他の者に見せようとする、これが2番目の中位層です。
それから『呪いのビデオ』は巡り歩き…
最後にこの4番目の最下層の人間たちに行きつきます。
しかし彼らは既に『呪いのビデオ』の存在を知っている…既にそこまで浸透している
のですから知らないという方がおかしい…ですから当然見ないという反応をするでしょう。
そうなると死ぬのは3番目の下位層の人間たちが当てはまります。」
109:1:2013/09/02(月) 08:54:16.66 :PdUwOLb+0
カイト「何だよこれ…考えただけで頭がおかしくなる…
杉下さん…この連鎖が途中で途切れる可能性はありますよね?」
右京「勿論…いくつかはあるはずです…が…どれかひとつは必ず残って
この4番目の最下層まで辿り着くのだけは間違いありません。
そしてこの3番目の下位層…計算すれば全人類の4分の1…およそ四人に一人が
死ぬ計算になるでしょうね。」
カイト「そんな…これじゃまるでウイルスじゃないですか!?」
右京「ウイルスですか…うまい例えですね。
ですが無論これは机上の計算ですから実際はこれよりも被害が大きいはずです。
しかしそれは未然に防げました、恐らく偶然でしょうが小宮さんが
『呪いのビデオ』を破壊してくれたおかげでこれ以上の被害は出ないでしょう。」
カイト「何だよこれ…考えただけで頭がおかしくなる…
杉下さん…この連鎖が途中で途切れる可能性はありますよね?」
右京「勿論…いくつかはあるはずです…が…どれかひとつは必ず残って
この4番目の最下層まで辿り着くのだけは間違いありません。
そしてこの3番目の下位層…計算すれば全人類の4分の1…およそ四人に一人が
死ぬ計算になるでしょうね。」
カイト「そんな…これじゃまるでウイルスじゃないですか!?」
右京「ウイルスですか…うまい例えですね。
ですが無論これは机上の計算ですから実際はこれよりも被害が大きいはずです。
しかしそれは未然に防げました、恐らく偶然でしょうが小宮さんが
『呪いのビデオ』を破壊してくれたおかげでこれ以上の被害は出ないでしょう。」
110:1:2013/09/02(月) 08:55:21.98 :PdUwOLb+0
カイト「じゃあ『早津』さんが助かるには…」
右京「『呪いのビデオ』を複製して他人に見せる事ですが…かりに出来たとして
誰に見せる気ですか?
見せられた相手には更に他の誰かに見せてそれの繰り返し…
ですがそれもいずれは終わりが来て先ほど話した結果になるのですよ。」
カイト「ならもう『早津』さんは助からないって事なんですか?」
右京「残念ながらそうなりますね…」
カイト「ならせめてここまでの経緯を『早津』さんに話しましょう、一応俺たちは
早津さんにこの件を頼まれた訳だしせめて最期まで付き合ってあげないと…」
右京「そうですね、彼にはすべてを知る権利があります。」
カイト「じゃあ『早津』さんが助かるには…」
右京「『呪いのビデオ』を複製して他人に見せる事ですが…かりに出来たとして
誰に見せる気ですか?
見せられた相手には更に他の誰かに見せてそれの繰り返し…
ですがそれもいずれは終わりが来て先ほど話した結果になるのですよ。」
カイト「ならもう『早津』さんは助からないって事なんですか?」
右京「残念ながらそうなりますね…」
カイト「ならせめてここまでの経緯を『早津』さんに話しましょう、一応俺たちは
早津さんにこの件を頼まれた訳だしせめて最期まで付き合ってあげないと…」
右京「そうですね、彼にはすべてを知る権利があります。」
111:1:2013/09/02(月) 08:56:08.04 :PdUwOLb+0
こうして右京とカイトは早津にすべてを伝えるべく彼の会社へ向かった。
しかし早津は会社には来ておらず、それどころか家や携帯に掛けても留守で
散々探し出して彼が実家にいる事を突き止めた。
しかし残り時間は5分を切っていた。
こうして右京とカイトは早津にすべてを伝えるべく彼の会社へ向かった。
しかし早津は会社には来ておらず、それどころか家や携帯に掛けても留守で
散々探し出して彼が実家にいる事を突き止めた。
しかし残り時間は5分を切っていた。
112:1:2013/09/02(月) 08:56:35.78 :PdUwOLb+0
早津の実家
8月29日、PM23:55
右京とカイトは早津の実家を訪ねたが彼は自分の部屋に引き籠っており
両親の言う事にすら聞く耳を持てなかった。
カイト「早津さん!警視庁の甲斐とそれに杉田です!このドアを開けてください!
お話があるんです!」
早津「それってまさか助かる方法が見つかったんですか!?」
右京「残念ですが…あなたを救う方法は見つかりませんでした。」
早津「そ…そんな…」
カイト「申し訳ありません…せめてあなたの最期まで俺たち付き合う事にしました…」
早津の実家
8月29日、PM23:55
右京とカイトは早津の実家を訪ねたが彼は自分の部屋に引き籠っており
両親の言う事にすら聞く耳を持てなかった。
カイト「早津さん!警視庁の甲斐とそれに杉田です!このドアを開けてください!
お話があるんです!」
早津「それってまさか助かる方法が見つかったんですか!?」
右京「残念ですが…あなたを救う方法は見つかりませんでした。」
早津「そ…そんな…」
カイト「申し訳ありません…せめてあなたの最期まで俺たち付き合う事にしました…」
113:1:2013/09/02(月) 08:57:54.32 :PdUwOLb+0
早津「俺…俺…死ぬのなんて嫌ですよ…まだまだやりたい事たくさんあるし…
それに…嫌だぁぁぁぁぁぁ!!!!死にたくなんかないよ!!?」
それから右京とカイトは『早津』に『呪いのビデオ』の経緯を説明した。
『山村貞子』の事や『山村志津子』、『伊熊平八郎』、等の事を…
しかし『呪いのビデオ』の呪いを解く方法だけは教えなかった。
これ以上下手な希望は持たせたくはないという配慮だったのかもしれない。
早津「なるほど、そういう事でしたか…『山村志津子』、『伊熊平八郎』、
確か浅川さんが当時『吉野』さんや『岡崎』さんにそんな名前の人たちを
調べるように頼んでいたのを思い出しましたよ。
あ、もう時間だ。不思議なモノですね…人間死期を悟るとこんな穏やかな気持ちに
なれるなんて…」
早津「俺…俺…死ぬのなんて嫌ですよ…まだまだやりたい事たくさんあるし…
それに…嫌だぁぁぁぁぁぁ!!!!死にたくなんかないよ!!?」
それから右京とカイトは『早津』に『呪いのビデオ』の経緯を説明した。
『山村貞子』の事や『山村志津子』、『伊熊平八郎』、等の事を…
しかし『呪いのビデオ』の呪いを解く方法だけは教えなかった。
これ以上下手な希望は持たせたくはないという配慮だったのかもしれない。
早津「なるほど、そういう事でしたか…『山村志津子』、『伊熊平八郎』、
確か浅川さんが当時『吉野』さんや『岡崎』さんにそんな名前の人たちを
調べるように頼んでいたのを思い出しましたよ。
あ、もう時間だ。不思議なモノですね…人間死期を悟るとこんな穏やかな気持ちに
なれるなんて…」
114:1:2013/09/02(月) 08:58:24.41 :PdUwOLb+0
そして彼のタイムリミットが残り5秒を切り出した。
⑤
④
③
②
①
早津「うっ!」
そして彼のタイムリミットが残り5秒を切り出した。
⑤
④
③
②
①
早津「うっ!」
115:1:2013/09/02(月) 08:59:11.02 :PdUwOLb+0
8月30日、AM0:00
右京「早津さん!?」
カイト「しっかりしてください!」
早津「…」
早津「……」
早津「………」
8月30日、AM0:00
右京「早津さん!?」
カイト「しっかりしてください!」
早津「…」
早津「……」
早津「………」
116:1:2013/09/02(月) 08:59:45.42 :PdUwOLb+0
早津「あれ?俺生きてる…生きてるぞぉぉぉぉぉぉぉ!?」
そう、早津は死んでいなかった。それどころか彼は元気よく飛び跳ねていたのだ。
これにはさすがの右京とカイトも首を傾げた。
カイト「これってつまり…『呪いのビデオ』がインチキだったって事なんですかね?」
右京「…」
早津「あれ?俺生きてる…生きてるぞぉぉぉぉぉぉぉ!?」
そう、早津は死んでいなかった。それどころか彼は元気よく飛び跳ねていたのだ。
これにはさすがの右京とカイトも首を傾げた。
カイト「これってつまり…『呪いのビデオ』がインチキだったって事なんですかね?」
右京「…」
117:1:2013/09/02(月) 09:00:29.66 :PdUwOLb+0
ヴィー ヴィー ヴィー
その時右京の携帯に連絡が入った、その相手は…
陣川『どうも杉下さん!こんな夜分に申し訳ありません!実はですねぇ…』
右京「もしもし陣川くんですか、今立て込んでいますので…はぃ?」
カイト「陣川さん…こんな時に…空気読めよな。それで何の用事だったんですか?」
右京「どうやら先日大島で撮った写真を僕の携帯に送ってくれるそうですが…」
カイト「どうかしたんですか?」
右京「陣川くんが言うには写りが悪いとか言っているのですよ。」
ヴィー ヴィー ヴィー
その時右京の携帯に連絡が入った、その相手は…
陣川『どうも杉下さん!こんな夜分に申し訳ありません!実はですねぇ…』
右京「もしもし陣川くんですか、今立て込んでいますので…はぃ?」
カイト「陣川さん…こんな時に…空気読めよな。それで何の用事だったんですか?」
右京「どうやら先日大島で撮った写真を僕の携帯に送ってくれるそうですが…」
カイト「どうかしたんですか?」
右京「陣川くんが言うには写りが悪いとか言っているのですよ。」
118:1:2013/09/02(月) 09:03:40.26 :PdUwOLb+0
そして陣川から送られてきた画像を見て右京は何故早津が助かったのかがようやくわかった。
右京「なるほど、そういう事でしたか。どうやら『早津』さんは自分でも知らないうちに
既に複製していたのですね。」
カイト「な…何を言っているんですか?大体『呪いのビデオ』はもう『小宮』さんが壊したから…」
右京「『絵』ですよ、『早津』さんが僕らに見せた『呪いのビデオ』の内容を描いた絵…
あれが恐らくダビング代わりになったのでしょう。」
カイト「けど…誰に見せたっていうんですか?あの絵を見たのは俺と杉下さんしか…まさか!?」
右京「先ほど陣川くんが僕の携帯に転送した画像です、見てください。」
そこには右京、カイト、それと陣川が写っていた、しかしまともに写っていたのは陣川だけで
右京とカイトの顔には以前にカイトが早津を写メで撮った際の白い靄が掛かっていたのだった。
右京「どうやら『山村貞子』の『呪い』は既に僕らに行き渡っていたようですよ。」
そして陣川から送られてきた画像を見て右京は何故早津が助かったのかがようやくわかった。
右京「なるほど、そういう事でしたか。どうやら『早津』さんは自分でも知らないうちに
既に複製していたのですね。」
カイト「な…何を言っているんですか?大体『呪いのビデオ』はもう『小宮』さんが壊したから…」
右京「『絵』ですよ、『早津』さんが僕らに見せた『呪いのビデオ』の内容を描いた絵…
あれが恐らくダビング代わりになったのでしょう。」
カイト「けど…誰に見せたっていうんですか?あの絵を見たのは俺と杉下さんしか…まさか!?」
右京「先ほど陣川くんが僕の携帯に転送した画像です、見てください。」
そこには右京、カイト、それと陣川が写っていた、しかしまともに写っていたのは陣川だけで
右京とカイトの顔には以前にカイトが早津を写メで撮った際の白い靄が掛かっていたのだった。
右京「どうやら『山村貞子』の『呪い』は既に僕らに行き渡っていたようですよ。」
128:1:2013/09/02(月) 19:41:50.64 :PdUwOLb+0
~カイトの家~
8月30日、AM6:30
カイト「…」
悦子「ねぇ享…大丈夫なの?帰って来てから顔が真っ青なんだけど?」
カイト「え…あぁ…大丈夫だって!ハァ…」
右京から自分たちが『山村貞子』の『呪い』を受けていると知ったカイトは
それから自分がどうやって自宅まで帰宅できたのか思い出せない程に落ち込んでいた。
~カイトの家~
8月30日、AM6:30
カイト「…」
悦子「ねぇ享…大丈夫なの?帰って来てから顔が真っ青なんだけど?」
カイト「え…あぁ…大丈夫だって!ハァ…」
右京から自分たちが『山村貞子』の『呪い』を受けていると知ったカイトは
それから自分がどうやって自宅まで帰宅できたのか思い出せない程に落ち込んでいた。
129:1:2013/09/02(月) 19:42:26.20 :PdUwOLb+0
カイト(俺が『呪いのビデオ』の『絵』を見せられたのは8月26日だ。
今日を合わせてもあと4日しかない…どうしたら…)
悦子「ちょっと…本当に大丈夫なの?何かあったらちゃんと言いなさいよ。」
カイト「何度も言わせんなって、俺は大丈夫だからさ。早く朝飯食おうぜ!」
その時カイトはある事を閃いてしまった、自分も『早津』と同じく
『呪いのビデオ』の『絵』を誰かに見せれば助かるのではないかと…
その瞬間カイトの脳裏には先日自分の目の前で死んだ『小宮』の死に顔を思い出してしまった。
カイト(俺もあんな風に苦しんで死ぬのかな…イヤだ…あんな死に方は絶対に御免だ!)
カイト(俺が『呪いのビデオ』の『絵』を見せられたのは8月26日だ。
今日を合わせてもあと4日しかない…どうしたら…)
悦子「ちょっと…本当に大丈夫なの?何かあったらちゃんと言いなさいよ。」
カイト「何度も言わせんなって、俺は大丈夫だからさ。早く朝飯食おうぜ!」
その時カイトはある事を閃いてしまった、自分も『早津』と同じく
『呪いのビデオ』の『絵』を誰かに見せれば助かるのではないかと…
その瞬間カイトの脳裏には先日自分の目の前で死んだ『小宮』の死に顔を思い出してしまった。
カイト(俺もあんな風に苦しんで死ぬのかな…イヤだ…あんな死に方は絶対に御免だ!)
130:1:2013/09/02(月) 19:42:54.23 :PdUwOLb+0
カイト「な…なぁ…悦子ってさ…『呪いのビデオ』の噂って聞いた事…!?」
この時自分が悦子に何を言おうとしたのか…すぐに後悔し止めた。
いくら自分の命を守るためとはいえ愛する者を犠牲にしたら死ぬより後悔するだろうと
思ったからだ。
カイト「ゴメン!今言った事すぐに忘れてくれ!それじゃ俺もう職場に行くわ!」
悦子「ちょっと待って亨!今『呪いのビデオ』って言ったよね。
私さぁ、その噂についてちょっと気になる話を昔チラッと聞いた事があるんだけどね…」
カイト「だからさっきの話は忘れろって…マジで!どんな話なんだよ?」
カイト「な…なぁ…悦子ってさ…『呪いのビデオ』の噂って聞いた事…!?」
この時自分が悦子に何を言おうとしたのか…すぐに後悔し止めた。
いくら自分の命を守るためとはいえ愛する者を犠牲にしたら死ぬより後悔するだろうと
思ったからだ。
カイト「ゴメン!今言った事すぐに忘れてくれ!それじゃ俺もう職場に行くわ!」
悦子「ちょっと待って亨!今『呪いのビデオ』って言ったよね。
私さぁ、その噂についてちょっと気になる話を昔チラッと聞いた事があるんだけどね…」
カイト「だからさっきの話は忘れろって…マジで!どんな話なんだよ?」
131:1:2013/09/02(月) 19:43:25.07 :PdUwOLb+0
~特命係~
8月30日、AM9:00
カイト「杉下さん!重大な事がわかりました…っていねぇし…
やっぱあの人も所詮は人間か、自分があと4日後に死ぬなんてわかれば仕事どころじゃないよな。」
~特命係~
8月30日、AM9:00
カイト「杉下さん!重大な事がわかりました…っていねぇし…
やっぱあの人も所詮は人間か、自分があと4日後に死ぬなんてわかれば仕事どころじゃないよな。」
132:1:2013/09/02(月) 19:44:06.40 :PdUwOLb+0
右京「お早うございます。」
カイト「うわぁっ!?後ろにいたんですか…脅かさないでくださいよ!
俺てっきり…いえなんでもありません。」
右京「はてさて何を言っているのやら…それで先ほど大声で叫んでましたが
何かわかったのですか?」
カイト「実は俺…悦子に『呪いのビデオ』の事を話しちゃって…」
右京「まさかキミ…『早津』さんみたく悦子さんに『呪いのビデオ』の『絵』を見せて
彼女に『呪い』を…」
カイト「いや!そんな事しませんよ!まぁギリギリで思いとどまったんですけどね…
…ってそうじゃなくて悦子が昔聞いた『呪いのビデオ』に関わる噂話があるんですけど!」
右京「お早うございます。」
カイト「うわぁっ!?後ろにいたんですか…脅かさないでくださいよ!
俺てっきり…いえなんでもありません。」
右京「はてさて何を言っているのやら…それで先ほど大声で叫んでましたが
何かわかったのですか?」
カイト「実は俺…悦子に『呪いのビデオ』の事を話しちゃって…」
右京「まさかキミ…『早津』さんみたく悦子さんに『呪いのビデオ』の『絵』を見せて
彼女に『呪い』を…」
カイト「いや!そんな事しませんよ!まぁギリギリで思いとどまったんですけどね…
…ってそうじゃなくて悦子が昔聞いた『呪いのビデオ』に関わる噂話があるんですけど!」
133:1:2013/09/02(月) 19:45:25.26 :PdUwOLb+0
そしてカイトは悦子から聞いた話を右京に語った。
悦子が聞いた話によればとある『女子学生』が古い屋敷に迷い込んだ夢の話らしい。
その『女子学生』は広い屋敷の中で迷子になり、ふと気づくとある階段の前に近付いていた。
彼女はその階段を上ろうとするがその階段を上の階から奇妙な不気味さを感じてしまい、
上る事が出来なかった。
そんな時であった。
「「ギャァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」」
若い女の叫び声が聞こえた、気になった『女子学生』は屋敷を飛び出し声のした庭へ向かった。
そこには古びた『井戸』があり、それに白い服を着た『髪の長い若い女』を襲う『中年の男』が
彼女を殺そうとして…
そしてカイトは悦子から聞いた話を右京に語った。
悦子が聞いた話によればとある『女子学生』が古い屋敷に迷い込んだ夢の話らしい。
その『女子学生』は広い屋敷の中で迷子になり、ふと気づくとある階段の前に近付いていた。
彼女はその階段を上ろうとするがその階段を上の階から奇妙な不気味さを感じてしまい、
上る事が出来なかった。
そんな時であった。
「「ギャァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」」
若い女の叫び声が聞こえた、気になった『女子学生』は屋敷を飛び出し声のした庭へ向かった。
そこには古びた『井戸』があり、それに白い服を着た『髪の長い若い女』を襲う『中年の男』が
彼女を殺そうとして…
134:1:2013/09/02(月) 19:46:07.95 :PdUwOLb+0
カイト「その『長髪の女』は『中年の男』によって『井戸』の中に落ちていったという話です。」
角田「ヒィィッ!?恐えな…何だそれ…怪談か?」
カイト「あ、課長お早うございます…ていうか居たんですね。」
角田「コーヒー貰いに来たのにお前らが変な話をして気付かなかったのが悪いんだろ。
それにしてもさっきの話なんだよ…朝っぱらから恐がらせるなっての!」
右京「今の話…どこかおかしくありませんか?」
カイト「そりゃ夢の中の話ですからねぇ、おかしいところはあるでしょう。」
カイト「その『長髪の女』は『中年の男』によって『井戸』の中に落ちていったという話です。」
角田「ヒィィッ!?恐えな…何だそれ…怪談か?」
カイト「あ、課長お早うございます…ていうか居たんですね。」
角田「コーヒー貰いに来たのにお前らが変な話をして気付かなかったのが悪いんだろ。
それにしてもさっきの話なんだよ…朝っぱらから恐がらせるなっての!」
右京「今の話…どこかおかしくありませんか?」
カイト「そりゃ夢の中の話ですからねぇ、おかしいところはあるでしょう。」
135:1:2013/09/02(月) 19:47:18.76 :PdUwOLb+0
右京「いえ、そうではなく…何故その女子学生は階段の上に恐怖を感じたはずなのに
舞台が突然『井戸』の方に移るのかです…
『女子学生』、それに『中年の男』と『長髪の女』…僕はこの物語には、
あともう一人登場人物がいるように思えるのですがね…」
カイト「それよりどうすんですか!俺たちあと4日しかありませんよ…」
右京「僕はもう一度『早津』さんを尋ねようと思います、思えば亡くなった『吉野』さんは
何故15年も前の『呪いのビデオ』を手に入れようとしたでしょうか?
彼は『特ダネ』を掴んだと言っていました、この事が少し気になると思いませんか?」
右京「いえ、そうではなく…何故その女子学生は階段の上に恐怖を感じたはずなのに
舞台が突然『井戸』の方に移るのかです…
『女子学生』、それに『中年の男』と『長髪の女』…僕はこの物語には、
あともう一人登場人物がいるように思えるのですがね…」
カイト「それよりどうすんですか!俺たちあと4日しかありませんよ…」
右京「僕はもう一度『早津』さんを尋ねようと思います、思えば亡くなった『吉野』さんは
何故15年も前の『呪いのビデオ』を手に入れようとしたでしょうか?
彼は『特ダネ』を掴んだと言っていました、この事が少し気になると思いませんか?」
136:1:2013/09/02(月) 19:48:37.23 :PdUwOLb+0
カイト「気になるって…記者が『特ダネ』掴むなんて当然でしょ、メシの種なんですから。」
右京「確かにそうでしょう、しかし15年前に事件を追っていた『浅川陽子』が死に、
もう一人の同僚の『岡崎』さんが精神病院に入院しなければいけない事態になり
TV局内でも曰くつきの『呪いのビデオ』ですよ。
当時関わっていた彼らはその危険性を十分理解してたはず、それなのにあえて
調べなければならなかった。何故なのでしょうかね?」
カイト「あーっ!もうわかりましたよ、さっさと『早津』さんとこ行きましょう!
残り4日ですよ、4日!」
右京「それと課長にはひとつお願いがあるのですが…」
角田「え?また!?」
カイト「気になるって…記者が『特ダネ』掴むなんて当然でしょ、メシの種なんですから。」
右京「確かにそうでしょう、しかし15年前に事件を追っていた『浅川陽子』が死に、
もう一人の同僚の『岡崎』さんが精神病院に入院しなければいけない事態になり
TV局内でも曰くつきの『呪いのビデオ』ですよ。
当時関わっていた彼らはその危険性を十分理解してたはず、それなのにあえて
調べなければならなかった。何故なのでしょうかね?」
カイト「あーっ!もうわかりましたよ、さっさと『早津』さんとこ行きましょう!
残り4日ですよ、4日!」
右京「それと課長にはひとつお願いがあるのですが…」
角田「え?また!?」
137:1:2013/09/02(月) 19:49:06.35 :PdUwOLb+0
カイト「気になるって…記者が『特ダネ』掴むなんて当然でしょ、メシの種なんですから。」
右京「確かにそうでしょう、しかし15年前に事件を追っていた『浅川陽子』が死に、
もう一人の同僚の『岡崎』さんが精神病院に入院しなければいけない事態になり
TV局内でも曰くつきの『呪いのビデオ』ですよ。
当時関わっていた彼らはその危険性を十分理解してたはず、それなのにあえて
調べなければならなかった。何故なのでしょうかね?」
カイト「あーっ!もうわかりましたよ、さっさと『早津』さんとこ行きましょう!
残り4日ですよ、4日!」
右京「それと課長にはひとつお願いがあるのですが…」
角田「え?また!?」
カイト「気になるって…記者が『特ダネ』掴むなんて当然でしょ、メシの種なんですから。」
右京「確かにそうでしょう、しかし15年前に事件を追っていた『浅川陽子』が死に、
もう一人の同僚の『岡崎』さんが精神病院に入院しなければいけない事態になり
TV局内でも曰くつきの『呪いのビデオ』ですよ。
当時関わっていた彼らはその危険性を十分理解してたはず、それなのにあえて
調べなければならなかった。何故なのでしょうかね?」
カイト「あーっ!もうわかりましたよ、さっさと『早津』さんとこ行きましょう!
残り4日ですよ、4日!」
右京「それと課長にはひとつお願いがあるのですが…」
角田「え?また!?」
146:1:2013/09/04(水) 06:23:37.40 :gRLCo//T0
TV局
8月30日、AM11:00
早津「いやぁ!生きてるって本当に素晴らしいですよね♪
昨日からまるで鉄板でも入ってるのかと思うくらい重い肩がすんごい軽くなりましたよ!」
カイト「そりゃよかったですね…まったく俺たちに呪いを移しておいて気楽なモンですよ…」
右京「まぁ僕たちが言えた義理ではありませんよ、我々は危うく彼を見殺しにするところ
だったのですからね…」
早津「それで今日はどういったご用件来たんですか?」
右京「そもそも『吉野』さんが掴んだという『特ダネ』とは何なのか、それについて
伺いたいのですが。」
TV局
8月30日、AM11:00
早津「いやぁ!生きてるって本当に素晴らしいですよね♪
昨日からまるで鉄板でも入ってるのかと思うくらい重い肩がすんごい軽くなりましたよ!」
カイト「そりゃよかったですね…まったく俺たちに呪いを移しておいて気楽なモンですよ…」
右京「まぁ僕たちが言えた義理ではありませんよ、我々は危うく彼を見殺しにするところ
だったのですからね…」
早津「それで今日はどういったご用件来たんですか?」
右京「そもそも『吉野』さんが掴んだという『特ダネ』とは何なのか、それについて
伺いたいのですが。」
147:以下、新鯖からお送りいたします:2013/09/04(水) 06:24:31.71 :gRLCo//T0
早津「『特ダネ』?えぇ、確かに『吉野』さんは何か『特ダネ』を掴んだと言ってましたが
まだ確定した情報じゃなかったので俺たちには教えてくれませんでしたね。
けど亡くなる前に政治絡みの事を調べてたのは間違いないですよ、何度か張り込みを
していたらしいですから。」
カイト「政治絡み?『呪いのビデオ』と『政治』なんて全然接点が無いじゃないですか?」
右京「ちなみに張り込みをしていた相手…どなたかわかりますか?」
早津「そういえば…一度だけ張り込みに連れて行ってもらったんですけど…
確か相手は片山雛子先生でしたね!」
カイト「片山雛子ってあの女性国会議員で総理補佐官じゃないですか!?
将来の大物と噂されてる若手議員と『呪いのビデオ』…ダメだ…全然当てはまんねえや…」
早津「『特ダネ』?えぇ、確かに『吉野』さんは何か『特ダネ』を掴んだと言ってましたが
まだ確定した情報じゃなかったので俺たちには教えてくれませんでしたね。
けど亡くなる前に政治絡みの事を調べてたのは間違いないですよ、何度か張り込みを
していたらしいですから。」
カイト「政治絡み?『呪いのビデオ』と『政治』なんて全然接点が無いじゃないですか?」
右京「ちなみに張り込みをしていた相手…どなたかわかりますか?」
早津「そういえば…一度だけ張り込みに連れて行ってもらったんですけど…
確か相手は片山雛子先生でしたね!」
カイト「片山雛子ってあの女性国会議員で総理補佐官じゃないですか!?
将来の大物と噂されてる若手議員と『呪いのビデオ』…ダメだ…全然当てはまんねえや…」
148:1:2013/09/04(水) 06:25:10.83 :gRLCo//T0
右京「片山議員ですか…なるほど、大変参考になりました。」
早津「それじゃ俺は仕事があるのでこれで!それとこの『呪いのビデオ』の『絵』ですけど
俺が持ってても仕方ないんで刑事さんたちにあげますよ、あぁ…生きてるって素晴らしいなぁ♪」
カイト「まったく…『特ダネ』って本当は片山議員のスキャンダルか何かでしょう。
絶対『呪いのビデオ』とは無関係っすよ、もうこれ以上『早津』さんから
肝心な情報は聞けませんよ。」
右京「では次に行きましょうか。」
カイト「まさか…片山議員のとこに乗り込んで…
『呪いのビデオで人が死んだのですが何か心当たりありませんか?』と尋ねる気ですか?
言っておきますけどそんな事したら門前払いされちゃいますよ!」
右京「いえ、行くのは片山議員のところではなく…」
右京「片山議員ですか…なるほど、大変参考になりました。」
早津「それじゃ俺は仕事があるのでこれで!それとこの『呪いのビデオ』の『絵』ですけど
俺が持ってても仕方ないんで刑事さんたちにあげますよ、あぁ…生きてるって素晴らしいなぁ♪」
カイト「まったく…『特ダネ』って本当は片山議員のスキャンダルか何かでしょう。
絶対『呪いのビデオ』とは無関係っすよ、もうこれ以上『早津』さんから
肝心な情報は聞けませんよ。」
右京「では次に行きましょうか。」
カイト「まさか…片山議員のとこに乗り込んで…
『呪いのビデオで人が死んだのですが何か心当たりありませんか?』と尋ねる気ですか?
言っておきますけどそんな事したら門前払いされちゃいますよ!」
右京「いえ、行くのは片山議員のところではなく…」
149:1:2013/09/04(水) 06:26:25.97 :gRLCo//T0
~城南大学~
高野舞のオフィス
8月30日、PM14:00
右京とカイトは15年前『高山竜司』の教え子であり、
『浅川玲子』と『高山竜司』の一人息子である『浅川陽一』を引き取った
『高野舞』の下を尋ねていた。
彼女のオフィスに招かれた右京とカイトだがその部屋に右京はある疑問を抱いた。
舞「その…警察の方がお話って一体…」
右京「その前にちょっと気になる事が、大学教授の方なのにこの室内にはTVは勿論
PCすら置いてない…いえ、『鏡面的』な物がほとんど置いてないのはちょっと
不思議に思いましてね。」
舞「あの…まさかそんな事を尋ねに来たんですか?」
右京「すみませんねぇ、細かい所まで気になるのが僕の悪い癖でして…」
~城南大学~
高野舞のオフィス
8月30日、PM14:00
右京とカイトは15年前『高山竜司』の教え子であり、
『浅川玲子』と『高山竜司』の一人息子である『浅川陽一』を引き取った
『高野舞』の下を尋ねていた。
彼女のオフィスに招かれた右京とカイトだがその部屋に右京はある疑問を抱いた。
舞「その…警察の方がお話って一体…」
右京「その前にちょっと気になる事が、大学教授の方なのにこの室内にはTVは勿論
PCすら置いてない…いえ、『鏡面的』な物がほとんど置いてないのはちょっと
不思議に思いましてね。」
舞「あの…まさかそんな事を尋ねに来たんですか?」
右京「すみませんねぇ、細かい所まで気になるのが僕の悪い癖でして…」
150:1:2013/09/04(水) 06:34:23.71 :gRLCo//T0
カイト「率直にお伺いします、高野さん…あなたは『呪いのビデオ』について何か
心当たりはありますか?」
カイトが『呪いのビデオ』訪ねた瞬間、『高野舞』の顔は真っ青になった。
この反応を見た右京とカイトは彼女は『呪いのビデオ』に関して、
重大な事を知っているという確信した。
舞「『呪いのビデオ』…何故あなた方がそれを…」
右京「実は我々も『呪いのビデオ』を見てしまったのですよ…」
カイト「俺たちのタイムリミットはあと4日しかありません。
当時の事…話していただけますか!」
舞「正直に申し上げます…私は…『呪いのビデオ』は見ていません。
けど…その所為で私の恩師である『高山竜司』が死んだのは存じています。
私から言えるのはそれだけです…」
カイト「率直にお伺いします、高野さん…あなたは『呪いのビデオ』について何か
心当たりはありますか?」
カイトが『呪いのビデオ』訪ねた瞬間、『高野舞』の顔は真っ青になった。
この反応を見た右京とカイトは彼女は『呪いのビデオ』に関して、
重大な事を知っているという確信した。
舞「『呪いのビデオ』…何故あなた方がそれを…」
右京「実は我々も『呪いのビデオ』を見てしまったのですよ…」
カイト「俺たちのタイムリミットはあと4日しかありません。
当時の事…話していただけますか!」
舞「正直に申し上げます…私は…『呪いのビデオ』は見ていません。
けど…その所為で私の恩師である『高山竜司』が死んだのは存じています。
私から言えるのはそれだけです…」
151:1:2013/09/04(水) 06:40:58.56 :gRLCo//T0
カイト「いや…嘘だ!さっきの反応…あなたは間違いなく何かを知っているはずだ!」
舞「…」
舞はそれっきり黙秘した、さすがに令状も取れていない捜査なので強硬手段も出来ないが、
このままでは拉致が明かないと踏んだ右京は彼女にある脅しをかけてみた。
右京「そういえばこの大学にはそのお亡くなりになった『高山竜司』さんの
ご子息である『浅川陽一』さんが在学中だと聞いているのですが…」
舞「まさか…あなたたち…また『陽一』くんを使って…帰ってください!
もうお話する事なんかありません!!」
コンコン
右京「どなたかノックなされてるようですが?」
舞「まさか…」
カイト「いや…嘘だ!さっきの反応…あなたは間違いなく何かを知っているはずだ!」
舞「…」
舞はそれっきり黙秘した、さすがに令状も取れていない捜査なので強硬手段も出来ないが、
このままでは拉致が明かないと踏んだ右京は彼女にある脅しをかけてみた。
右京「そういえばこの大学にはそのお亡くなりになった『高山竜司』さんの
ご子息である『浅川陽一』さんが在学中だと聞いているのですが…」
舞「まさか…あなたたち…また『陽一』くんを使って…帰ってください!
もうお話する事なんかありません!!」
コンコン
右京「どなたかノックなされてるようですが?」
舞「まさか…」
152:1:2013/09/04(水) 06:41:54.99 :gRLCo//T0
陽一「『舞』さん、大声上げてどうしたの?廊下まで響いたよ。」
高野「『陽一』くん!どうして…ここに?」
右京「すみませんねぇ、どうしてもお話を聞きたいものでして。
僕らもこれでも切羽詰まった状況ですので申し訳ないと思ったのですが…」
舞「まさか『陽一』くんを呼んだのはあなたたちなんですか!」
そう、右京は予めこの大学に在籍している『浅川陽一』を『高野舞』の部屋に来るよう
お願いしていたのだ。
カイト「すいません、本当はこんな事したくはないんですけど…」
右京「これまでの関係者のみなさんの殆どが『呪いのビデオ』や『山村貞子』に
関するお話になると口を閉ざしがちでしたのでこうする以外なかったのですよ。」
陽一「『舞』さん、大声上げてどうしたの?廊下まで響いたよ。」
高野「『陽一』くん!どうして…ここに?」
右京「すみませんねぇ、どうしてもお話を聞きたいものでして。
僕らもこれでも切羽詰まった状況ですので申し訳ないと思ったのですが…」
舞「まさか『陽一』くんを呼んだのはあなたたちなんですか!」
そう、右京は予めこの大学に在籍している『浅川陽一』を『高野舞』の部屋に来るよう
お願いしていたのだ。
カイト「すいません、本当はこんな事したくはないんですけど…」
右京「これまでの関係者のみなさんの殆どが『呪いのビデオ』や『山村貞子』に
関するお話になると口を閉ざしがちでしたのでこうする以外なかったのですよ。」
153:1:2013/09/04(水) 06:42:44.38 :gRLCo//T0
陽一「あの…僕に話って何ですか?」
カイト「あなたのお母さんである『浅川陽子』さん、それとお父さんである『高山竜司』さん…
二人について話を聞こうと思いましてね。」
右京「『陽一』さん、当時の事知っている事があるなら教えて頂けますか?」
陽一「母さんと父さんの事ですか…母さんは僕が小さい頃に死んじゃったし…
父さんなんか生まれてから一度も会った事すらないですよ…」
カイト「お父さんと会った事が無い!?」
右京「二人は離婚してますからね。
離婚したのは『陽一』さんが物心つく前の事だったのでしょう。」
陽一「あの…僕に話って何ですか?」
カイト「あなたのお母さんである『浅川陽子』さん、それとお父さんである『高山竜司』さん…
二人について話を聞こうと思いましてね。」
右京「『陽一』さん、当時の事知っている事があるなら教えて頂けますか?」
陽一「母さんと父さんの事ですか…母さんは僕が小さい頃に死んじゃったし…
父さんなんか生まれてから一度も会った事すらないですよ…」
カイト「お父さんと会った事が無い!?」
右京「二人は離婚してますからね。
離婚したのは『陽一』さんが物心つく前の事だったのでしょう。」
154:1:2013/09/04(水) 06:43:30.99 :gRLCo//T0
カイト「じゃあ『高山竜司』さんはろくに子供と会っちゃいなかったのか…
それなのに『高野』さん…あなたよく『陽一』さんを引き取ろうとしましたね。
実の父親の『高山』さんですらもしかしたら面識がないかもしれない息子をですよ?」
舞「いけませんか!恩師の息子を引き取ったら犯罪とでも言う気ですか!?」
右京「カイトくん、言い過ぎですよ!
しかしカイトくんの言い分も一理あります、実の父親ですらまともにあった事の無い
子供を引き取った、美談ではありますが疑う余地が無くも無い。
もしかしたらあなた方には15年前に何かそうなるだけの『事件』が起きたのではないですか?」
舞「あの…だから…それは…」
右京「『高野』さん、あなたの態度から察するにあなたも『山村貞子』の力に
恐怖を感じているようですね。
ですから…これだけは約束させてください。
僕たちはあなたたちの平穏な日々は絶対に壊しません!」
カイト「俺たち話を聞いたらさっさといなくなるんで、安心してください。」
カイト「じゃあ『高山竜司』さんはろくに子供と会っちゃいなかったのか…
それなのに『高野』さん…あなたよく『陽一』さんを引き取ろうとしましたね。
実の父親の『高山』さんですらもしかしたら面識がないかもしれない息子をですよ?」
舞「いけませんか!恩師の息子を引き取ったら犯罪とでも言う気ですか!?」
右京「カイトくん、言い過ぎですよ!
しかしカイトくんの言い分も一理あります、実の父親ですらまともにあった事の無い
子供を引き取った、美談ではありますが疑う余地が無くも無い。
もしかしたらあなた方には15年前に何かそうなるだけの『事件』が起きたのではないですか?」
舞「あの…だから…それは…」
右京「『高野』さん、あなたの態度から察するにあなたも『山村貞子』の力に
恐怖を感じているようですね。
ですから…これだけは約束させてください。
僕たちはあなたたちの平穏な日々は絶対に壊しません!」
カイト「俺たち話を聞いたらさっさといなくなるんで、安心してください。」
155:1:2013/09/04(水) 06:44:19.95 :gRLCo//T0
舞「わ…わかりました、けどその前に『陽一』くんに席を外させてください。
彼には教えられないから…」
陽一「『舞』さん!僕はもう大人だよ!それに僕も気になってたんだ。
もうおぼろげな記憶しか覚えてないんだけど小学校の母さんが死んだ時期だけ
どうも記憶が曖昧で…僕も真実を知りたいんだよ!!」
右京「知らせてあげるべきだと思いますよ、彼ももう大人です。」
カイト「そうですよ、『陽一』くんはあなたが思っているほどガキじゃありませんって!」
舞「それではお話します、あれは先生が亡くなった直後でした…」
そして『高野舞』は15年前に自分の身に何が起こったのかを右京とカイト、
それに『浅川陽一』に話し始めた。
舞「わ…わかりました、けどその前に『陽一』くんに席を外させてください。
彼には教えられないから…」
陽一「『舞』さん!僕はもう大人だよ!それに僕も気になってたんだ。
もうおぼろげな記憶しか覚えてないんだけど小学校の母さんが死んだ時期だけ
どうも記憶が曖昧で…僕も真実を知りたいんだよ!!」
右京「知らせてあげるべきだと思いますよ、彼ももう大人です。」
カイト「そうですよ、『陽一』くんはあなたが思っているほどガキじゃありませんって!」
舞「それではお話します、あれは先生が亡くなった直後でした…」
そして『高野舞』は15年前に自分の身に何が起こったのかを右京とカイト、
それに『浅川陽一』に話し始めた。
156:1:2013/09/04(水) 06:45:17.23 :gRLCo//T0
彼女は『高山竜司』の死亡後に『浅川玲子』の同僚である『岡崎』と知り合い
彼から『呪いのビデオ』に関する話を聞いた。
それから『岡崎』と一緒に『浅川玲子』の行方を追う事になり、
それから暫くして『浅川玲子』とその息子である『浅川陽一』を見つけたが…
舞「当時の『陽一』くんは…『貞子』の怨念にとり憑いつかれていた…
こんな事警察の方が信じてくださるとは思いませんけど…」
カイト「いや!信じますから大丈夫ですって!」
右京「構わずお話を続けてください。」
彼女は『高山竜司』の死亡後に『浅川玲子』の同僚である『岡崎』と知り合い
彼から『呪いのビデオ』に関する話を聞いた。
それから『岡崎』と一緒に『浅川玲子』の行方を追う事になり、
それから暫くして『浅川玲子』とその息子である『浅川陽一』を見つけたが…
舞「当時の『陽一』くんは…『貞子』の怨念にとり憑いつかれていた…
こんな事警察の方が信じてくださるとは思いませんけど…」
カイト「いや!信じますから大丈夫ですって!」
右京「構わずお話を続けてください。」
157:1:2013/09/04(水) 06:46:34.53 :gRLCo//T0
舞「その『貞子』の怨念で『浅川』さんはトラックに撥ねられて…即死でした。
私と『陽一』くんはその時現場に居たので…その時の酷い有様は今でも忘れられません…
そして私は『貞子』の謎を解くために『貞子』の生まれ故郷である大島へ向かいました。」
カイト「やっぱりあなたは大島の…あの山村家に向かったんですね!」
舞「えぇ、その時に『志津子』さんの鏡を…壊してしまって…」
右京「なるほど、アレはあなたが壊したのですか。」
舞「その後…あの恐ろしい『実験』が行われたんです…」
右京、カイト「「『実験』?」」
舞「その『貞子』の怨念で『浅川』さんはトラックに撥ねられて…即死でした。
私と『陽一』くんはその時現場に居たので…その時の酷い有様は今でも忘れられません…
そして私は『貞子』の謎を解くために『貞子』の生まれ故郷である大島へ向かいました。」
カイト「やっぱりあなたは大島の…あの山村家に向かったんですね!」
舞「えぇ、その時に『志津子』さんの鏡を…壊してしまって…」
右京「なるほど、アレはあなたが壊したのですか。」
舞「その後…あの恐ろしい『実験』が行われたんです…」
右京、カイト「「『実験』?」」
158:1:2013/09/04(水) 06:47:31.94 :gRLCo//T0
それは『川尻』という精神科医が『浅川陽一』にとり憑いついた『山村貞子』の怨念を
除去するという実験であった。
『高野舞』の話によればその実験の前に、最初の犠牲者である『大石智子』の死亡現場に
居合わせていて、後に精神病院に入院した『倉橋雅美』を使って実験を行ったが
その実験の所為で『倉橋雅美』は危うく死亡しかけたという極めて危険な実験だったらしい。
それから実験は開始されたが…
『貞子』の怨念は人の制御出来るモノではなかった、『貞子』の怨念は暴走し、
実験の場にいた殆どの人間は『貞子』に殺されたという…
ちなみに『山村貞子』の叔父である『山村敬』もこの実験に参加していたとの事だった。
それは『川尻』という精神科医が『浅川陽一』にとり憑いついた『山村貞子』の怨念を
除去するという実験であった。
『高野舞』の話によればその実験の前に、最初の犠牲者である『大石智子』の死亡現場に
居合わせていて、後に精神病院に入院した『倉橋雅美』を使って実験を行ったが
その実験の所為で『倉橋雅美』は危うく死亡しかけたという極めて危険な実験だったらしい。
それから実験は開始されたが…
『貞子』の怨念は人の制御出来るモノではなかった、『貞子』の怨念は暴走し、
実験の場にいた殆どの人間は『貞子』に殺されたという…
ちなみに『山村貞子』の叔父である『山村敬』もこの実験に参加していたとの事だった。
159:1:2013/09/04(水) 06:48:23.21 :gRLCo//T0
カイト「そんな実験が行われていたのかよ…」
右京「なるほど、『山村敬』さんもこの実験に…やはり彼の死も『呪いのビデオ』に
関わるモノでしたか。
しかしひとつ疑問が、それほど大勢の犠牲が出ながら何故あなた方だけが助かったのですか?」
舞「それは…先生が私たちを救ってくれたからです。」
右京「先生?つまり『高山竜司』の事ですね。」
舞「あの実験の時…気付いたら私は『井戸』の中にいたんです…
必死になって一緒に『井戸』に落ちた『陽一』くんを探しいたんですけど見つからなくて…
諦めていたらそこへ先生が現れて…」
陽一「思い出したぞ!?そうか…あの人は父さんだったんだ!
小さい頃『舞』さんと一緒に『井戸』に落ちた記憶があって…その時誰か男の人に助けられて…
それから手を握られて…その人の手を握った瞬間に怒りとか憎しみみたいな、
ドス黒い感情が一気に抜け落ちていった覚えがあります…」
舞「それから私は必死に『井戸』を這い上がりました、気が付くと元の場所に戻っていたんです。」
カイト「そんな実験が行われていたのかよ…」
右京「なるほど、『山村敬』さんもこの実験に…やはり彼の死も『呪いのビデオ』に
関わるモノでしたか。
しかしひとつ疑問が、それほど大勢の犠牲が出ながら何故あなた方だけが助かったのですか?」
舞「それは…先生が私たちを救ってくれたからです。」
右京「先生?つまり『高山竜司』の事ですね。」
舞「あの実験の時…気付いたら私は『井戸』の中にいたんです…
必死になって一緒に『井戸』に落ちた『陽一』くんを探しいたんですけど見つからなくて…
諦めていたらそこへ先生が現れて…」
陽一「思い出したぞ!?そうか…あの人は父さんだったんだ!
小さい頃『舞』さんと一緒に『井戸』に落ちた記憶があって…その時誰か男の人に助けられて…
それから手を握られて…その人の手を握った瞬間に怒りとか憎しみみたいな、
ドス黒い感情が一気に抜け落ちていった覚えがあります…」
舞「それから私は必死に『井戸』を這い上がりました、気が付くと元の場所に戻っていたんです。」
160:1:2013/09/04(水) 06:49:12.69 :gRLCo//T0
カイト「かつて『呪いのビデオ』を使ってそんな実験が行われていたのかよ…」
右京「なるほど、あなたが『陽一』くんを心配する理由がよくわかりました。
それにしても実験ですか…かつて『山村貞子』の母親である『山村志津子』も
無理矢理超能力の実験を行われ、そして娘の『貞子』も…因果ですねぇ。」
陽一「『呪いのビデオ』…そういえば思い出した事があるんですけど…
昔、母さんが僕に『ビデオをダビングしてお爺ちゃんに観せろ』って言ったんですよ。
これって何か関係ありますか?」
カイト「それって…まさか…」
右京「なるほど、『浅川玲子』はそうやって息子であるあなたを助けたわけですか。」
陽一「あの…何か知ってるんですか?」
右京「それは…」
カイト「ちょっと杉下さん!すみません、俺らもそれ以上は知らないんで…」
陽一「はぁ?」
カイト「かつて『呪いのビデオ』を使ってそんな実験が行われていたのかよ…」
右京「なるほど、あなたが『陽一』くんを心配する理由がよくわかりました。
それにしても実験ですか…かつて『山村貞子』の母親である『山村志津子』も
無理矢理超能力の実験を行われ、そして娘の『貞子』も…因果ですねぇ。」
陽一「『呪いのビデオ』…そういえば思い出した事があるんですけど…
昔、母さんが僕に『ビデオをダビングしてお爺ちゃんに観せろ』って言ったんですよ。
これって何か関係ありますか?」
カイト「それって…まさか…」
右京「なるほど、『浅川玲子』はそうやって息子であるあなたを助けたわけですか。」
陽一「あの…何か知ってるんですか?」
右京「それは…」
カイト「ちょっと杉下さん!すみません、俺らもそれ以上は知らないんで…」
陽一「はぁ?」
161:1:2013/09/04(水) 06:50:08.69 :gRLCo//T0
右京「ところで…精神病院に入院なされている『岡崎』さんなのですが、
先ほどの『高野』さんのお話では彼は『呪いのビデオ』を観てないそうですね。
にも関わらず『岡崎』さんは精神病院へ入院する事になった、その辺の事情に
何か心当たりはありますか?」
舞「そういえば…私と知り合った時『岡崎』さんは女子高生に『呪いのビデオ』の
取材をしてて、その子『沢口香苗』というんですけど、ただ…その子も…」
右京「『呪いのビデオ』で死んだと?」
舞「はい、死に顔が酷かったって聞きましたから…
私が知っている事は以上です、これ以上お話しする事は…」
右京「えぇ、大変参考になるお話でした。どうもありがとう。」
右京「ところで…精神病院に入院なされている『岡崎』さんなのですが、
先ほどの『高野』さんのお話では彼は『呪いのビデオ』を観てないそうですね。
にも関わらず『岡崎』さんは精神病院へ入院する事になった、その辺の事情に
何か心当たりはありますか?」
舞「そういえば…私と知り合った時『岡崎』さんは女子高生に『呪いのビデオ』の
取材をしてて、その子『沢口香苗』というんですけど、ただ…その子も…」
右京「『呪いのビデオ』で死んだと?」
舞「はい、死に顔が酷かったって聞きましたから…
私が知っている事は以上です、これ以上お話しする事は…」
右京「えぇ、大変参考になるお話でした。どうもありがとう。」
162:1:2013/09/04(水) 06:50:38.01 :gRLCo//T0
カイト「最後に俺からもいいですか?特に『陽一』さんに聞いてほしいんですけど…」
陽一「何でしょうか?」
カイト「今日の事…いや…『呪いのビデオ』の事なんか全部忘れちゃってください!
こんな事憶えてたらあなたたち絶対不幸になっちゃいますから!
突然押し掛けて変な事言ってると思いますけど…とにかくこれで失礼します…」
カイト「最後に俺からもいいですか?特に『陽一』さんに聞いてほしいんですけど…」
陽一「何でしょうか?」
カイト「今日の事…いや…『呪いのビデオ』の事なんか全部忘れちゃってください!
こんな事憶えてたらあなたたち絶対不幸になっちゃいますから!
突然押し掛けて変な事言ってると思いますけど…とにかくこれで失礼します…」
163:1:2013/09/04(水) 06:51:28.73 :gRLCo//T0
こうして右京とカイトは『高野舞』のオフィスを後にした。
帰りの車の中で右京はカイトにある事を尋ねた。
右京「キミ、先ほど僕が『陽一』さんに尋ねられた際…思わず会話を遮りましたね。
彼には知る権利があったはずですよ。」
カイト「そんな事言われなくてもわかってますよ…けど何も知らないとはいえ…実の祖父を
自分の命が助かるために犠牲にしたなんて俺には伝えられないですよ…」
右京「なるほど、それがキミの考えですか。」
カイト「何すか?文句があるなら聞きますけど。」
右京「文句なんてありませんよ、それが正しいと思うならキミは胸を張るべきだと思いますがね。」
カイト「それって皮肉ですか?それよりこれからどうしますか?
確かに『高野舞』の話は参考になりましたが結局『実験』は失敗じゃ…」
右京「いえ…大変参考になるお話でしたよ、なるほど…これで繋がってきました。
さぁ行きますよ、カイトくん!」
カイト「次はどこへ行く気ですか?」
右京「勿論、精神病院に入院してる『岡崎』さんのところですよ!」
こうして右京とカイトは『高野舞』のオフィスを後にした。
帰りの車の中で右京はカイトにある事を尋ねた。
右京「キミ、先ほど僕が『陽一』さんに尋ねられた際…思わず会話を遮りましたね。
彼には知る権利があったはずですよ。」
カイト「そんな事言われなくてもわかってますよ…けど何も知らないとはいえ…実の祖父を
自分の命が助かるために犠牲にしたなんて俺には伝えられないですよ…」
右京「なるほど、それがキミの考えですか。」
カイト「何すか?文句があるなら聞きますけど。」
右京「文句なんてありませんよ、それが正しいと思うならキミは胸を張るべきだと思いますがね。」
カイト「それって皮肉ですか?それよりこれからどうしますか?
確かに『高野舞』の話は参考になりましたが結局『実験』は失敗じゃ…」
右京「いえ…大変参考になるお話でしたよ、なるほど…これで繋がってきました。
さぁ行きますよ、カイトくん!」
カイト「次はどこへ行く気ですか?」
右京「勿論、精神病院に入院してる『岡崎』さんのところですよ!」
171:1:2013/09/04(水) 19:13:28.43 :gRLCo//T0
~精神病院~
8月30日、PM17:00
右京とカイトはさっそく精神病院に行き受付で入院している『岡崎』を尋ねようとするが…
カイト「え!『岡崎』さんは退院した!?」
看護師「ハイ、1ヶ月くらい前に身内の方が引き取りに来ましたよ。」
右京「ちなみにお尋ねしたいのですが引き取りに来られた身内の方はどんな人たちだったのでしょうか?」
~精神病院~
8月30日、PM17:00
右京とカイトはさっそく精神病院に行き受付で入院している『岡崎』を尋ねようとするが…
カイト「え!『岡崎』さんは退院した!?」
看護師「ハイ、1ヶ月くらい前に身内の方が引き取りに来ましたよ。」
右京「ちなみにお尋ねしたいのですが引き取りに来られた身内の方はどんな人たちだったのでしょうか?」
172:1:2013/09/04(水) 19:14:16.21 :gRLCo//T0
看護師「確か背広姿の男性が数名…だったと思います。
兄弟とか言ってましたけど顔は全然にてませんでしたね、ハハハ。」
右京「ちなみに退院されたのは何曜日の事でしょうか?」
看護師「そりゃ勿論日曜日ですよ、休日を利用してやって来たと言ってましたからね。」
右京「ところでここにもうひとり入院なさっている『倉橋雅美』さんにも
お話を伺いたいのですが…」
看護師「彼女をですか?正直彼女の面会は許可しにくいのですが…」
右京「ある事件でどうしても彼女の協力を得たくて、どうかお願いします。」
看護師「わかりました…担当の医師に言ってみます。私ちょっと席を外しますから。」
カイト「嘘言っちゃって…精神障害の人間の証言なんかに刑事能力無いでしょうに。」
右京「おやおや、僕は別に嘘など言ってませんよ。
彼女は僕たちが追っている『呪いのビデオ』の事件に協力をしてくれればそれは事実ですから。」
カイト「ハイハイ、屁理屈捏ねたら杉下さんの右に出るヤツなんていやしませんよ…」
看護師「確か背広姿の男性が数名…だったと思います。
兄弟とか言ってましたけど顔は全然にてませんでしたね、ハハハ。」
右京「ちなみに退院されたのは何曜日の事でしょうか?」
看護師「そりゃ勿論日曜日ですよ、休日を利用してやって来たと言ってましたからね。」
右京「ところでここにもうひとり入院なさっている『倉橋雅美』さんにも
お話を伺いたいのですが…」
看護師「彼女をですか?正直彼女の面会は許可しにくいのですが…」
右京「ある事件でどうしても彼女の協力を得たくて、どうかお願いします。」
看護師「わかりました…担当の医師に言ってみます。私ちょっと席を外しますから。」
カイト「嘘言っちゃって…精神障害の人間の証言なんかに刑事能力無いでしょうに。」
右京「おやおや、僕は別に嘘など言ってませんよ。
彼女は僕たちが追っている『呪いのビデオ』の事件に協力をしてくれればそれは事実ですから。」
カイト「ハイハイ、屁理屈捏ねたら杉下さんの右に出るヤツなんていやしませんよ…」
173:1:2013/09/04(水) 19:15:09.64 :gRLCo//T0
それから1時間も待たされようやく二人は医師の立会いの下『倉橋雅美』と面会
する事が出来た。
しかし右京とカイトは彼女が自分の病室から面会室まで来る過程に思わずギョッとした。
何故なら彼女の視界に『ある物』を見せないために看護師が布で隠しながらここまで
歩かせてきたのだからだ。
そしてようやく会えた『倉橋雅美』と話を始めようとするがこの15年間で彼女は
驚くほどに窶れてしまった。
彼女の年齢はまだ30代前半だというのにその髪は最早白髪だらけ、
目も恐らく満足に寝てないのだろうか大きな隈が出来ていた。
『倉橋雅美』の状態を見たカイトはとてもじゃないが彼女から満足な話は聞けないと
判断するがそれでも右京は敢えて彼女に話を切り出した。
右京「『倉橋』さん、今日はあなたにお話が合って来たのですが。」
雅美「…」
それから1時間も待たされようやく二人は医師の立会いの下『倉橋雅美』と面会
する事が出来た。
しかし右京とカイトは彼女が自分の病室から面会室まで来る過程に思わずギョッとした。
何故なら彼女の視界に『ある物』を見せないために看護師が布で隠しながらここまで
歩かせてきたのだからだ。
そしてようやく会えた『倉橋雅美』と話を始めようとするがこの15年間で彼女は
驚くほどに窶れてしまった。
彼女の年齢はまだ30代前半だというのにその髪は最早白髪だらけ、
目も恐らく満足に寝てないのだろうか大きな隈が出来ていた。
『倉橋雅美』の状態を見たカイトはとてもじゃないが彼女から満足な話は聞けないと
判断するがそれでも右京は敢えて彼女に話を切り出した。
右京「『倉橋』さん、今日はあなたにお話が合って来たのですが。」
雅美「…」
174:1:2013/09/04(水) 19:16:04.90 :gRLCo//T0
右京「『呪いのビデオ』…ご存知ですよね。」
雅美「あ゛…あ゛ぁぁぁぁぁぁ!?」
『呪いのビデオ』…その言葉を聞いた瞬間、彼女はいきなり大声を叫びだした。
医師「『倉橋』さん!しっかりして…大丈夫ですからね、鎮痛剤用意して!早く!」
カイト「ちょ…ちょっと本当に大丈夫なんですか!?」
彼女は髪を掻き毟りまるで何かに怯えてしまいその場で暴れ出した。
カイトも彼女が暴れないようにと抑えるのを手伝っていたがその拍子に自分の
スマートフォンを落としてしまった。
カイト「いけねっ!携帯落っことしちまった…」
雅美「あ…あぁぁ…キャァァァァァァァァァ!?」
この瞬間彼女はこの世のモノとは思えないほどの叫び声を上げてその場で気絶してしまった。
最早話を聞くどころではない状態になった『倉橋雅美』はそのまま病室に戻されてしまうのだった。
右京「『呪いのビデオ』…ご存知ですよね。」
雅美「あ゛…あ゛ぁぁぁぁぁぁ!?」
『呪いのビデオ』…その言葉を聞いた瞬間、彼女はいきなり大声を叫びだした。
医師「『倉橋』さん!しっかりして…大丈夫ですからね、鎮痛剤用意して!早く!」
カイト「ちょ…ちょっと本当に大丈夫なんですか!?」
彼女は髪を掻き毟りまるで何かに怯えてしまいその場で暴れ出した。
カイトも彼女が暴れないようにと抑えるのを手伝っていたがその拍子に自分の
スマートフォンを落としてしまった。
カイト「いけねっ!携帯落っことしちまった…」
雅美「あ…あぁぁ…キャァァァァァァァァァ!?」
この瞬間彼女はこの世のモノとは思えないほどの叫び声を上げてその場で気絶してしまった。
最早話を聞くどころではない状態になった『倉橋雅美』はそのまま病室に戻されてしまうのだった。
175:1:2013/09/04(水) 19:16:42.62 :gRLCo//T0
右京「…」
カイト「あの…俺…何かしました?」
右京「僕が見た限り彼女はキミが落としたスマートフォンを見てあんな叫び声を上げた
ようですが…」
カイト「けど…こんなモン見たくらいで何で気絶するほど怯えるんですか?」
医師「いや…申し訳ない、こちらから最初に注意しておくべきでした。
彼女はTVの画面や鏡などを極端に嫌いそれに恐怖しているらしいんですよ。」
右京「TVの画面を?それは何故でしょうか?」
右京「…」
カイト「あの…俺…何かしました?」
右京「僕が見た限り彼女はキミが落としたスマートフォンを見てあんな叫び声を上げた
ようですが…」
カイト「けど…こんなモン見たくらいで何で気絶するほど怯えるんですか?」
医師「いや…申し訳ない、こちらから最初に注意しておくべきでした。
彼女はTVの画面や鏡などを極端に嫌いそれに恐怖しているらしいんですよ。」
右京「TVの画面を?それは何故でしょうか?」
176:1:2013/09/04(水) 19:17:21.27 :gRLCo//T0
医師「実は彼女…ここに入った直後なんですが…今はあんな状態ですがその頃は
まだ口が訊けたんですけどね、当時妙な事を言ってたんですよ。
『TVの画面から髪の長い女が出てきて殺しに来る』って…」
カイト「TVの中から…」
右京「髪の長い女が出てくる…なるほど、これは確かに信じがたい話ですね。」
医師「そんな話は恐らく彼女の幻覚か何かだと思ってウチの職員は誰も相手に
しませんでしたよ…
ただ一人を除いてね。」
右京「その一人とはもしや『川尻』という名の精神科のお医者さんではありませんか?」
医師「えぇ…確かに『川尻』という名の医師が当時『倉橋雅美』の担当医でしたが…
あなた方どこでその事を?」
右京「それはお気になさらず、ところで『川尻』医師が当時残した資料とか残っていませんかね?
できれば拝見したいのですが。」
医師「実は彼女…ここに入った直後なんですが…今はあんな状態ですがその頃は
まだ口が訊けたんですけどね、当時妙な事を言ってたんですよ。
『TVの画面から髪の長い女が出てきて殺しに来る』って…」
カイト「TVの中から…」
右京「髪の長い女が出てくる…なるほど、これは確かに信じがたい話ですね。」
医師「そんな話は恐らく彼女の幻覚か何かだと思ってウチの職員は誰も相手に
しませんでしたよ…
ただ一人を除いてね。」
右京「その一人とはもしや『川尻』という名の精神科のお医者さんではありませんか?」
医師「えぇ…確かに『川尻』という名の医師が当時『倉橋雅美』の担当医でしたが…
あなた方どこでその事を?」
右京「それはお気になさらず、ところで『川尻』医師が当時残した資料とか残っていませんかね?
できれば拝見したいのですが。」
177:1:2013/09/04(水) 19:17:49.14 :gRLCo//T0
医師「そんな物残っちゃいませんよ、『川尻』さんが死んだ時に警察の人が
全部証拠物件だとか言って持ってったんですから!」
カイト「じゃぁまだ警察に保管されてるかも!」
右京「カイトくん!すぐに警視庁に戻りましょう!」
右京とカイトは警視庁に戻ろうとするがその前に右京は河原に寄り道をしていた。
医師「そんな物残っちゃいませんよ、『川尻』さんが死んだ時に警察の人が
全部証拠物件だとか言って持ってったんですから!」
カイト「じゃぁまだ警察に保管されてるかも!」
右京「カイトくん!すぐに警視庁に戻りましょう!」
右京とカイトは警視庁に戻ろうとするがその前に右京は河原に寄り道をしていた。
178:1:2013/09/04(水) 19:18:15.71 :gRLCo//T0
~河原~
8月30日、PM19:00
カイト「どうしたんですか?こんなとこに車止めて?」
右京「ひとつやらなければいけない事がありましてね…」
そう言うと右京はある物を取り出した、それは…
~河原~
8月30日、PM19:00
カイト「どうしたんですか?こんなとこに車止めて?」
右京「ひとつやらなければいけない事がありましてね…」
そう言うと右京はある物を取り出した、それは…
179:1:2013/09/04(水) 19:18:44.59 :gRLCo//T0
カイト「それは確か早津さんから貰った『呪いのビデオ』の『絵』じゃないですか!
そんなモンどうすんですか?」
右京「こうするのですよ。」
カチッ ボッ
カイト「燃やした…」
そう、右京は早津から貰った『呪いのビデオ』の『絵』を燃やしてしまった。
それは次第に燃え広がり灰となり、さらにその燃えカスを足で踏み粉微塵にして
河に流してしまった。
カイト「それは確か早津さんから貰った『呪いのビデオ』の『絵』じゃないですか!
そんなモンどうすんですか?」
右京「こうするのですよ。」
カチッ ボッ
カイト「燃やした…」
そう、右京は早津から貰った『呪いのビデオ』の『絵』を燃やしてしまった。
それは次第に燃え広がり灰となり、さらにその燃えカスを足で踏み粉微塵にして
河に流してしまった。
180:1:2013/09/04(水) 19:19:22.27 :gRLCo//T0
右京「これでこれ以上『山村貞子』の『呪い』が他の人間に降り注ぐ事は無くなりましたね。」
カイト「えぇ、これで心置きなく死ねますね…ハハ…」
右京「そんなに早く諦める必要もないと思いますがね…あと4日あります。
必ず僕たちが助かる糸口は見えるはずですよ。」
カイト「そうだといいんですけどね。」
右京「それよりもキミにひとつ言っておきたい事があります。
これから先誰に尋ねられようと決して『呪いのビデオ』の内容を教えないでください。」
カイト「え?だって『絵』なら今…杉下さんが処分しちゃったじゃないですか?
内容なんかもう伝えられないですよ。」
右京「これでこれ以上『山村貞子』の『呪い』が他の人間に降り注ぐ事は無くなりましたね。」
カイト「えぇ、これで心置きなく死ねますね…ハハ…」
右京「そんなに早く諦める必要もないと思いますがね…あと4日あります。
必ず僕たちが助かる糸口は見えるはずですよ。」
カイト「そうだといいんですけどね。」
右京「それよりもキミにひとつ言っておきたい事があります。
これから先誰に尋ねられようと決して『呪いのビデオ』の内容を教えないでください。」
カイト「え?だって『絵』なら今…杉下さんが処分しちゃったじゃないですか?
内容なんかもう伝えられないですよ。」
181:1:2013/09/04(水) 19:22:34.38 :gRLCo//T0
右京「『山村貞子』の『呪い』は『呪いのビデオ』に限らず…『絵』になっても
『呪い』が有効でした。
つまりもしかしたらですよ…これは僕の想像になりますが…
彼女の『呪い』は『手記』や最悪…『口頭』での説明でも『呪い』が可能かもしれません!」
カイト「そんな…今更そんな事言ってもこの件に関わっている人が
どれだけいると思ってるんですか!?
『山村貞子』や『伊熊平八郎』の事を調べた角田課長や
花の里で老婆の方言を教えてくれた幸子さん!捜査一課の伊丹さんたち!
それに大島の陣川さんや『山村和江』さんとか彼らにも既に『貞子』の『呪い』が
かけられているんですか!?」
右京「いえ、彼らには肝心の『呪いのビデオ』の内容は明かしていません。
大島で撮られた陣川くんの写真を見るに呪いに掛かっているのは今のところ…
僕たちだけのはず。
つまり僕たちが『歩く呪いのマスターテープ』みたいな物なんですよ。」
右京「『山村貞子』の『呪い』は『呪いのビデオ』に限らず…『絵』になっても
『呪い』が有効でした。
つまりもしかしたらですよ…これは僕の想像になりますが…
彼女の『呪い』は『手記』や最悪…『口頭』での説明でも『呪い』が可能かもしれません!」
カイト「そんな…今更そんな事言ってもこの件に関わっている人が
どれだけいると思ってるんですか!?
『山村貞子』や『伊熊平八郎』の事を調べた角田課長や
花の里で老婆の方言を教えてくれた幸子さん!捜査一課の伊丹さんたち!
それに大島の陣川さんや『山村和江』さんとか彼らにも既に『貞子』の『呪い』が
かけられているんですか!?」
右京「いえ、彼らには肝心の『呪いのビデオ』の内容は明かしていません。
大島で撮られた陣川くんの写真を見るに呪いに掛かっているのは今のところ…
僕たちだけのはず。
つまり僕たちが『歩く呪いのマスターテープ』みたいな物なんですよ。」
182:1:2013/09/04(水) 19:23:04.50 :gRLCo//T0
カイト「つまりこれからは極力誰にも頼らず捜査しなきゃいけないって事ですか…
ハハ…まったくやってくれるよ『山村貞子』…」
右京「そう悲観する事もありませんよ、相手は15年前の亡者です。
どんな時でも今を生きる人間が既に死んだ人間に負けるはずはありませんよ!」
カイト「まったく…頼りになるんだかわからねえ相棒だなぁ…」
右京「何か言いましたか?」
カイト「いいえ…なんでもないッスよ、それより早く警視庁に戻りましょうよ。
なんてったってあと4日なんですからね…」
カイト「つまりこれからは極力誰にも頼らず捜査しなきゃいけないって事ですか…
ハハ…まったくやってくれるよ『山村貞子』…」
右京「そう悲観する事もありませんよ、相手は15年前の亡者です。
どんな時でも今を生きる人間が既に死んだ人間に負けるはずはありませんよ!」
カイト「まったく…頼りになるんだかわからねえ相棒だなぁ…」
右京「何か言いましたか?」
カイト「いいえ…なんでもないッスよ、それより早く警視庁に戻りましょうよ。
なんてったってあと4日なんですからね…」
183:1:2013/09/04(水) 19:23:40.55 :gRLCo//T0
~警視庁~
遺留品置場
8月31日、PM13:00
カイト「ふぁぁぁぁぁ…」
右京「たかだか一日徹夜したくらいで欠伸ですか?気が弛んでますねぇ。」
カイト「あのねぇ…こういうのは生理的なモノなんですよ!
そんな事より…見当たんないッスよね、『川尻』医師の遺留品…」
右京「書類上ではここに置いてあるはずなんですがねぇ。」
警視庁に戻ってさっそく『川尻』の遺品を探す右京とカイトであったが
どういうわけだかその遺品は見つからず気付けば日を跨いでいるといった有様であった。
読む →
~警視庁~
遺留品置場
8月31日、PM13:00
カイト「ふぁぁぁぁぁ…」
右京「たかだか一日徹夜したくらいで欠伸ですか?気が弛んでますねぇ。」
カイト「あのねぇ…こういうのは生理的なモノなんですよ!
そんな事より…見当たんないッスよね、『川尻』医師の遺留品…」
右京「書類上ではここに置いてあるはずなんですがねぇ。」
警視庁に戻ってさっそく『川尻』の遺品を探す右京とカイトであったが
どういうわけだかその遺品は見つからず気付けば日を跨いでいるといった有様であった。