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SS 森きのこ!

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タグ:和さわマスター

1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/04(月) 20:44:04.12:R0ap0FHd0

紬「……zzz」スースー

梓「こんなチャンスは滅多にない!今こそこのノートを使うときが来た!」

梓「ええっと……ン、アー、ゴホン」パラッ

梓「『私とムギ先輩の一生(馴れ初め編)』」

 
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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 21:42:07.86:QJB6yykZ0

私の恋人はやけに生真面目で、堅物で、女性だ。
メタルなんて全然好きじゃなくて、むつかしい本を読んでいて、あんまり私がふざけると嫌そうな顔をする。
そんなわけだから、正直どうして恋人同士でいるのか不思議なくらいだ。

「和ちゃん、和ちゃん」

「なんですか」

「えっと、変なこと言うから、聞いてくれるかしら」

「どうぞ」

「……付き合ってくれる?」

馴れ初めからして、彼女はこんな風に素っ気なかった。
放課後の生徒会室、なんてところで打ち明けたのも悪かったかも知れないが。
ちなみに、この時の彼女の返事は、お好きにどうぞ、だった。

けれど、私は彼女が好きだ。
年下なのに私よりしっかりしていて、女性なのにそこらの男よりさっぱりした性格の彼女が好きだ。

そんな彼女と付き合い始めてそろそろ一ヶ月が経つ。
彼女は今でも、私のことを山中先生と呼ぶ。

 
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4以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/06(日) 09:48:43.83:F344vbBb0

私は生徒会室で、ぼうっと頬杖を突いて窓の外を眺めていた。
傾いた夕日の光が真っ直ぐに私の目を刺す。
それでもしばらく外を見続け、四、五人の女子高生の集団が談笑しながら帰っていくのを見て、私は生徒会室を後にした。
今日も負けてしまったわけだ。

校舎の外に出ると、自分の影が実際の身長よりも長く、不恰好に伸びているのに気がついた。
影を踏みつけながら、夕陽の方へ歩いて行く。
校門の近くで、生徒会室から見えた女子高生たちとばったり会った。

そのうちの一人がへらっと笑って、

「あ、和ちゃん今帰るの? なにやってたの?」

なんて言うものだから、私は

「生徒会の仕事があったのよ」

と言いながら、彼女が自分の幼馴染であるということが、事実であるのか疑ってしまう。
ふうん、と彼女はどうでもよさそうな返事をしたから、私はカチューシャで髪を留めた女の子に向かって、

「律、行動の使用許可、忘れないようにしなさいよ?」

などと言って、彼女たちに手を振った。
幼馴染の影をぎゅっと踏みつけて、私はさっさと歩いていく。
途中振り返りそうになったけれど、後ろにいるのは楽しそうに笑う女の子たちだけだろうから、止めた。

私は帰路を歩きながら考える。
最近幼馴染との関係が希薄になってきているような気がする。
私に頼らずとも良くなったということだろうか。

 
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14以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/05(水) 15:52:35.39:Nw98BMpp0

トンちゃん(クソが……また市販の餌かよ。こいつホントに俺のこと可愛がってんのか?)

唯「あ~ずにゃん!」

梓「うわっ!ちょっとやめてくださいよお」

トンちゃん(こいつらできてんだろ)

唯「あずにゃんの唇は柔らかいねえ……ん」

梓「んあ……唯先輩……」

トンちゃん(……やばい頭大きくなってきた)

 
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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/02(日) 20:46:59.89:95mImiJ10

建物だって歳は取る。
この音楽室も、最近は、夜になるとかなり大きく軋む音を立てる。
壁にはいくつか穴も開いているし、窓ガラスも立て付けが悪くてなかなか開かなくなった。
だから、私が少し年をとったくらいの事は、許して欲しい。
それに、今はお昼、年始で人もいないから、部屋だって軋まない。

「それじゃあ、紅茶でも淹れましょうか」

「では、遠慮せずにいただきます」

にこにこと笑って、和ちゃんは言った。
少し伸びた髪を、鬱陶しそうに指で摘む。

 
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1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 20:42:17.88:LYpwLbU00

唯「見ちゃうんでしょ?」

 
2以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/12/28(火) 20:46:16.98:Sr74ujdm0

紬「……見ちゃわないわ」

唯「いや、見るね。断言できる。そんなところがムギちゃんのいけないところなんだよ」

紬「見ちゃわないってば」

唯「ホントに?それじゃあ私が今からべらべらと私と紬ちゃんのラブストーリーを語るけど良いね?
   ラブストーリーは突然に訪れるけど、良いね?」

紬「えっ」

唯「襲ったりしないね?大丈夫なんだね?」

紬「……まあ、八割がた大丈夫だと思う」

唯「残りの二割は?」

紬「自分を抑えるために熱湯を浴びようと思うわ」

唯「そうなんだ。頑張ってね……」

 
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3おじさん、こんにちは、平沢憂です。:2010/12/26(日) 04:30:11.11:MMzCkGP00

「和ちゃん、一緒に学校行こう」

幼馴染がいつも通り、へらっと笑ってそう言うから、私は大層驚いた。
彼女の瞳は相変わらず澄んでいたけれど、それでもって彼女のことを分かっているだなんて、
そんなおこがましい事はもう言えなくなっていた。

「あ……ええ、わかったわ、行きましょうか」

搾り出すような声で返事をする私に、幼馴染は微笑みかけた。
ピンで止められた柔らかそうな髪が揺れる。

「やった。ねえ、手、繋いでいいかな?」

どうして、この娘はこんなことを言うのか、言えるのか。
クリスマスは近い。
どこかで、二千年前の聖者様が、私を見張っているんじゃないか、そんな気がする。
そんな気持ちが、ぎちぎちと、私の腕を締め付ける、手を縛る。

「なんてね。補習、遅れちゃうから急ごうか」

冬休みにも補習があるなんて、ブラックジョークにもならないよ。
そんなことを言っていたとは思えない、真面目な発言。
私の手は握られたまま、縛られたまま。

「そう、ね。急がないと、ね」

急がないと。

 
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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/20(土) 11:56:47.33:56uOejGz0

考えて見れば馬鹿馬鹿しい話。
スポットライトが当たった幼馴染を、それとも、クラスメイトの声援を浴びる幼馴染を、
はたまた、小柄な可愛らしい後輩とアイコンタクトを取る幼馴染を……
とにかく、どこが、かは具体的には分からないが、私は羨ましいと思った。

自分ではっきりと理解することさえできていないような、ぼんやりとした羨望の為に、
私は、高校三年生の秋、受験勉強が激しさを増すこの時期に、ギターを買った。

丸っこい形の、曲線美を備えた、十五万円のジャズマスターを買った。


「部活、終わっちゃったんだよね」

幼馴染の唯が、ところどころ跳ねている茶色がかった髪の毛を指で櫛りながら、感慨深そうに呟いた。
文化祭も終わり、クラスには何となく疲れた雰囲気が漂っている。

「これからは、勉強に一生懸命にならなくちゃいけないんだよね。
  あずにゃんには可哀相だけど、もうあんまり音楽室には行けないかな」

唯の横顔は少し寂しそうで、細めた目は大人びた雰囲気を生んでいた。
彼女の周りの空気と、私の周りの空気とで、明らかに違っている感じがした。

「そう、私にはよく分からないわね」

なんで、と唯が首をかしげて尋ねた。

「だって、私は一年生の頃から勉強してきたし、それに、生徒会は後輩との繋がりが強くないもの」

ふうん、と唯は微かに優越感の宿った瞳で、私を見つめながら言った。

 
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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/11/07(日) 11:06:31.49:zQw9lSui0

かつかつ、かつかつと、私の部屋にはシャープペンシルの芯と、ノートのページの下の下敷きがぶつかる音だけが響くのだ。
シャープペンシルは私の指にリードされて踊り、真っ白な紙に、無骨な数式と、不恰好に曲がった英字を書き続ける。
私は、私の部屋が、私の部屋で勉強しかすることのない自分が、大嫌いだ。

机の端に置かれた携帯電話が、こもった音を立てて私を呼び出す。どうやらメールが届いているようだ。ロックを解除してメールを一読した。
幼馴染からの、期末考査の勉強の教授を請う内容だった。私は返信せずに携帯電話の電源を切った。


「和ちゃん、なんで昨日無視したのさあ」

翌日学校にいくと、後から来た幼馴染が、私が読書中なのにも構わず、
私の肩を揺さぶって、情けない声を上げた。

「ごめんね、勉強に集中したいから、携帯電話の電源は切ってたのよ」

彼女には真偽の確認のしようがない嘘を吐いて、私は、まだ寝癖の残っている彼女の髪を撫で付けた。
彼女の機嫌はいくぶんか和らいだものの、まだ少し口を尖らせて、言った。

「朝は見なかったの、携帯?」

私は口を開いて、それから、今から自分が吐く言葉を予想して、嫌な気分になったが、
喉が震わせた空気は、その動きを止めなかった。

「見たわよ。でも、あなたが部活の朝練なんてやってたら、返信するのも悪いかと思って」

幼馴染は、にへらと笑って、言った。

「和ちゃんからのメールだったらいつでもウェルカムだよ」

私は、口の端を吊り上げて笑った。


 
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6以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/23(土) 23:18:14.95:JVIgR6dX0

和「えっちなのはいけないと思います」




「そういうのは嫌いだって、言ったはずです」

そろそろと伸ばした私の手を払って、和ちゃんが吐き出した台詞。
眼鏡の奥から、鋭い視線が私の目を射抜き、その奥にいる私を探していた。

「ごめんなさい」

あっけらかんと私が言うと、和ちゃんは足を組み、読んでいた本を閉じて、顔を私の方へ向けた。

「21回」

冷たい声が私の耳を通って、脳髄を凍らせる。

「さわ子さんが、今まで私の顎に手をかけた回数です」

それだけ言うと、和ちゃんは目を伏せて、それから視線を本に落とした。
ぱらぱらと、しおりのある所を開いて、読書を再開する。

21回、顎に手をかけた。
つまりは、21回、私の脳髄は凍りつき、体は恐怖で震えたということだ。
21回、私は彼女の心の臓に、精神の写像に、ナイフを突き立てるようなことをしたということだ。
21回、私はこう繰り返したということだ。


 
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1以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/10/11(月) 18:57:26.42:JOWkEhNN0

規律は守るためにある。
人間は思いの外弱い。
視線は気にするためにある。
人間は思いの外恥じらう生き物だ。
これが私の人間観で、私は自分の人間観に沿って、どこまでも人間らしく生きていた。

「律、また講堂の使用許可申請提出されてないんだけど」

放課後の音楽室で、腕を組んで、私は事務的に言った。
生徒会長も板についてきたと思う。
悪びれる様子もなく、紅茶を飲みながら、軽音楽部の部長が言った。

「あれ……ごっめん和、出し忘れちゃった」

わざとらしく舌を出す律を見て、私は目を閉じた。
生徒会長は激昂しない、感情を爆発させない……自分で決めたルールを頭の中で繰り返して、再び目を開けた。
放課後ティータイム、だのなんだのと言って、相変わらず軽音楽部はお茶会を続けていた。

「そうなんだ、じゃあ今度の新勧ライブは中止ね」

私が言うと、軽音楽部の部員たちは、何が意外なのか、大きく目を見張った。
さっきまで偉そうに部長に説教を垂れていた黒髪のベースは、遠慮がちに口を開いた。

「の、和……出し遅れただけで、流石にそんな……」

私が横目に睨むと、彼女は口を閉じた。
すると、呑気な声で、私の幼馴染が言った。彼女のパートはリードギター。

「和ちゃん!ここは私の顔に免じてどうかっ!」


 
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